JP3878267B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜形成、表面改質及びエッチング等の処理を、大面積の被処理物に対し、均一かつ高速に行うためのプラズマ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体及びLCDの製造工程におけるエッチング、アッシング,CVD等にマイクロ波を用いたプラズマ装置が用いられている。図12は、特開平5−335095号に示された従来のプラズマ処理装置の全体構成図であり、図13は、図12のI−I線に沿った断面図である。この装置は、マイクロ波電源1、アイソレータ2、方向性結合器3、インピーダンス整合器4を搭載した方形導波管4A、プラズマ処理する直方体状のプラズマ処理室7、プラズマ処理室を側面に取付けたプラズマ室結合用方形導波管8、終端装置9を備えている。
【0003】
プラズマ処理室7は、図13に示したように、結合用方形導波管8側の側壁7aに方形導波管8の管軸方向に沿って伸びる細長い方形状の窓部7bが設けられ、この窓部7bはマイクロ波透過窓11により真空封じされている。このマイクロ波透過窓を介して、窓部7bは方形導波管8のE面8aに対向させた状態で配置されている。ここでE面とは、方形導波管内の電界ベクトルの方向に平行な側面である。また、プラズマ処理室7には排気口7cが設けられ、この排気口は図示しない真空ポンプに接続されており、またプラズマ処理室7の1つの壁部を気密に貫通させてプロセスガス導入パイプ12が取り付けられている。このプラズマ処理室7内には、シート状の被処理物13が巻かれたローラ14と、処理が終了した被処理物を巻き取る巻取りローラ15とが対向配置され、被処理物13は窓部7bに対向配置されている。
【0004】
プラズマ室結合用方形導波管8には、E面8aに管軸方向に伸びるスロット8bが設けられている。このスロット8bは、プラズマ室7の窓部7bの長手方向とほぼ等しい長さを有するが、その幅寸法は、窓部7bの幅寸法よりも小さく設定されている。結合用方形導波管8は、スロット8bをプラズマ処理室7の窓部7bに対向させた状態で電気的に接続されている。
【0005】
終端装置9は、プラズマ処理室7側に供給されなかった余分なマイクロ波を吸収するマイクロ波吸収体から構成され、マイクロ波吸収体として水を用いている。プラズマ処理室7に伝搬しなかった余分なマイクロ波は、導入口9aから導入した水に吸収させ、マイクロ波により加熱された水を排出口9bから排水させるようになっている。
【0006】
上記プラズマ処理装置を用いてプラズマ処理を行う場合には、プラズマ処理室7内に被処理物13をセットした後、プラズマ処理室7内を高真空状態にする。その後プロセスガス導入パイプ12から、プラズマ処理室7内に所定のプロセスガスを、プラズマ処理室内が所定の圧力になるまで供給する。この状態でマイクロ波電源1から、アイソレータ2、方向性結合器3、インピーダンス整合器4を搭載した方形導波管4Aを通してプラズマ室結合用方形導波管8の一端にマイクロ波を供給すると、方形導波管8内に進入したマイクロ波は、スロット8bから放射されてプラズマ処理室7の窓部7bを通してプラズマ処理室7内に伝搬し、プラズマ処理室内のプロセスガスをプラズマ化して、プラズマ処理室7の窓部7cに沿って帯状のプラズマを生成する。このプラズマを被処理物13に照射しつつ、被処理物13をローラ15により巻き取り移動させることにより、広い面積に亘る処理を連続的に行わせることができる。
【0007】
特に、プラズマ処理室7の窓部7bと被処理物13との間の空間に磁界を発生させる手段として電磁石10Cを設けると、プラズマ中の電子及びイオンがこの磁界により力を受けて螺旋運動する。その結果、反応性ガスの電離及び励起の頻度が高められ、被処理物に照射されるプラズマ密度が高められる。さらに、上記空間内に電子サイクロトロン共鳴を生じさせるように、例えば永久磁石10B、10Cを併用して用いることで、プラズマ密度を飛躍的に高めることができる。また、上記磁界を窓部7bからプラズマ処理室の中央部に向かうような発散磁界となるように設定することにより、プラズマを被処理物13に効率よく照射させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術によるプラズマ処理装置では、長さABのスロット8bからプラズマ処理室7に放射されるマイクロ波電界強度が図14に示されるように、プラズマ処理室7の長手方向に山谷を有した不均一な分布となっている。これは、導波管の側壁に設けられたスロットから放射されるマイクロ波が、自由空間波長に対応した強弱を有する放射パターンとなることに起因する。従って、均一性の高いプラズマが要求されるにも拘わらず、発生するプラズマの分布は不均一となり、被処理物の広い面積に亘る均一処理に問題があった。
【0009】
さらに、プラズマ室結合用方形導波管8に入力されるマイクロ波電力のうち、スロット8bからプラズマ処理室7に放射されなかった電力は、方形導波管8を通って終端装置9内のマイクロ波吸収体に消費されて全て電力損失となるため、電力の使用効率が悪いと共に、生成されるプラズマ密度が低くなるという問題点があった。
【0010】
本発明の目的は、被処理物に対して広い面積に亘って均一にプラズマ処理することができ、しかもマイクロ波電力使用効率を従来例に比較して改善することができるプラズマ処理装置を提供することにある。
【0011】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、マイクロ波電源と、マイクロ波電源から出力されたマイクロ波を導入する方形導波管と、側壁に細長い窓部を設けて窓部に対向するように被処理物が配置されたプラズマ処理室と、細長い終端開口部を有して終端開口部が窓部に対向するように配置されたマイクロ波放射器とを備え、方形導波管に導入されたマイクロ波が窓部を通して放射することによりプラズマを生成させ、被処理物対して所定の処理を行うプラズマ処理装置に係わるものである。
【0012】
請求項1に記載の発明は、方形導波管は方形導波管の終端部からマイクロ波電力をプラズマ処理室へ供給するように設けられ、方形導波管及びマイクロ波放射器のH面間の高さがそれぞれ異なって形成され、方形導波管とマイクロ波放射器との間に整合用変成器を設けたものである。
【0013】
請求項1の発明においては、マイクロ波の自由空間波長の2分の1毎にマイクロ波電界の強弱が現れる現象が無く、プラズマ処理室の窓部に沿って帯状のプラズマを生成させることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、マイクロ波放射器がテーパー導波管により構成され、H面同士が平行に形成され、かつ両E面がマイクロ波の進行方向に沿って末広がり状に形成されているものである。
【0015】
請求項2の発明においては、マイクロ波放射器のE面間の間隔を徐々に広げることにより、マイクロ波放射器内にE面方向に伸長したTE10モードの波を伝搬させることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、マイクロ波放射器が多重モード変換器により構成され、両E面に形成された不連続な直角部を境にして電源側方形導波管部と負荷側方形導波管部とからなり、電源側方形導波管部の中心軸と負荷側方形導波管部の中心軸とを一致させると共に、負荷側方形導波管部の長辺の長さをマイクロ波の自由空間波長λ0 の3/2 以上とし、かつ電源側方形導波管部の短辺と負荷側方形導波管部の短辺と同じ長さにしたものである。
【0017】
請求項3の発明においては、負荷側方形導波管部にTEm0(m=1,3,5 …)モードのマイクロ波を伝搬させることができる。この負荷側方形導波管部の長さを、例えば(λ0 / 2)・3以上、(λ0 / 2)・5未満と設計した場合、マイクロ波放射器によりTE10とTE30との2つのモードの波を同時にプラズマ処理室へと伝搬させることが可能になる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、終端開口部の長手方向におけるマイクロ波の電界強度の強い部分と対応するように、マイクロ波の一部を反射し、かつ残りのマイクロ波を吸収することなく透過させる誘電体をマイクロ波放射器内の終端開口部側に配設したものである。
【0019】
請求項4の発明においては、マイクロ波放射器内を伝搬するマイクロ波が、誘電体によりマイクロ波の一部は反射して誘電体とマイクロ波放射器の側壁との間を伝搬し、かつ残りのマイクロ波は誘電体内を伝搬するため、もともと電界強度の強い領域が弱められ、マイクロ波放射器のE面近傍の電界強度が弱い領域が強められる。
【0020】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る第1の実施形態を示すプラズマ処理装置の全体構成図である。図示するように、インピーダンス整合器4を搭載した方形導波管4Aとプラズマ処理室7との間に、整合用変成器5とマイクロ波放射器6とが設けられており、整合用変成器5は方形導波管4A側に、またマイクロ波放射器6はプラズマ処理室7側に位置している。なお、図12と同一の構成部分は同一の符号を付している。
【0021】
図2は、整合用変成器5とマイクロ波放射器6との接続状態を示す図である。整合用変成器5は特性インピーダンスの異なる2つの導波管の間に、ある定められた特性インピーダンスを有するマイクロ波の管内波長λg の4分の1の長さの導波管を1個または複数個挿入して整合をとるための整合回路である。本実施形態では、整合回路として1段のλg/4変成器を用いており、電源側接続用方形導波管5A,整合用方形導波管5B及び負荷側接続用方形導波管5Cから構成される。
【0022】
整合用方形導波管5Bの特性インピーダンスZ2 は、前後2つの導波管5A,5Cの特性インピーダンスZ1 、Z3 の相乗平均として(1)式で与えられる。
【0023】
Z2 =(Z1 ・Z3 )1/2 …(1)
【0024】
図2に示すように、それぞれの導波管5A,5B,5Cの内壁の短辺の長さ(H面間の高さ)をb1 ,b2 ,b3 とすると、各導波管の特性インピーダンスは(2)式で定義できる。
【0025】
【数1】
Figure 0003878267
【0026】
ここで、aは導波管5A,5B,5Cの内壁の長辺の長さ、ZTEは導波管内にTE10モードのマイクロ波のみが伝搬するとした場合の共通項である。
【0027】
(1)式及び(2)式より、整合用方形導波管5Bの短辺の長さb2 は(3)式で決定される。
【0028】
b2 =(b1 ・b3 )1/2 …(3)
【0029】
マイクロ波放射器6は、テーパー導波管により構成され、整合用変成器5の負荷側接続用方形導波管5Cに接続されており、そのH面同士が平行に形成され、かつ両E面がマイクロ波の進行方向に沿って末広がり状に形成され、しかも細長い終端開口部6aが形成されている。終端開口部6aの長手方向の長さABは被処理物13の処理幅に合わせて設定され、また終端開口部6aの高さは、この部分で異常放電が起こることなく、しかも最大の電界強度が得られるように設定される。
【0030】
以上のように構成されたプラズマ処理装置において、マイクロ波電源1により発生したマイクロ波は、アイソレータ2と方向性結合器3とインピーダンス整合器4を搭載した方形導波管4Aと整合用変成器5とを通してマイクロ波放射器6を伝搬し、このマイクロ波はマイクロ波放射器6の終端開口部6aから放射されて、マイクロ波透過窓11と窓部7cとを介してプラズマ処理室7に伝搬する。
【0031】
本実施形態においては、マイクロ波放射器6のE面間の間隔を徐々に広げることにより、マイクロ波放射器6内にE面方向に伸長したTE10モードの波を伝搬させることができる。
【0032】
上記のTE10モードの波による終端開口部6aのAB間でのマイクロ波電界強度の分布は、図3に示すようになり、図14で示したマイクロ波の自由空間波長に起因する山谷は生じない。しかも、マイクロ波電力をプラズマ処理室7へ導波管の終端部から供給しているので、マイクロ波電力の使用効率が高く、高密度のプラズマが生成される。
【0033】
<第2の実施形態>
図4は、本発明に係る第2の実施形態を示し、整合用変成器とマイクロ波放射器との接続状態を示す図である。図示するように、マイクロ波放射器16は、多重モード変換器により構成され、整合用変成器5の負荷側接続用方形導波管5Cに接続されている。なお、整合用変成器5は第1の実施形態と同じ構成である。
【0034】
マイクロ波放射器16は、H面(長辺側)同士が平行で、しかも両E面(短辺側)に直角部を設けた不連続形状の方形導波管であって、直角部を境にして内壁の長辺の長さa及び短辺の長さbの電源側方形導波管部16Aと、内壁の長辺の長さa′及び短辺の長さb′の負荷側方形導波管部16Bとからなる。負荷側方形導波管部16Aの長辺は、電源側方形導波管部16Bの長辺よりも大きく形成され、しかも細長い終端開口部16aが形成されている。終端開口部16aの長手方向の長さABは被処理物13の処理幅に合わせて設定され、また終端開口部16aの高さは、この部分で異常放電が起こることなく、しかも最大の電界強度が得られるように設定される。
【0035】
本実施形態においては、電源側方形導波管部16Aの短辺の長さbと負荷側方形導波管部16Bの短辺の長さb′を等しく設定すると共に、負荷側方形導波管部16Bの長辺の長さa′を、マイクロ波の自由空間波長λ0 の(λ0 / 2)・3以上とし、しかも電源側導方形導波管部の中心軸と負荷側方形導波管部の中心軸とを一致させることによって、負荷側方形導波管部16BにTEm0(m=1,3,5 …)モードのマイクロ波を伝搬させることができる。負荷側方形導波管部16Bの長さa′を、例えば(λ0 / 2)・3以上、(λ0 / 2)・5未満と設計した場合、マイクロ波放射器16によりTE10とTE30との2つのモードの波を同時にプラズマ処理室7へと伝搬させることが可能になる。
【0036】
上記2つのモードが合成された波による終端開口部6aのAB間でのマイクロ波電界の分布は、図5の実線で示されるようになり、そのマイクロ波電界強度の分布は、図6の実線で示されるようになり、第1の実施形態における基本モードであるTE10モードのみの波によるマイクロ波電界強度に比べて均一性が高くなる。なお、図5に示す点線は、TE10及びTE30モードの波によるマイクロ波電界の分布を示している。ここで、TEm0モードのうち、m が偶数次の波が生じないのは、マイクロ波放射器16の構造が左右対称となっているためである。
【0037】
<第3の実施形態>
図7は、本発明に係る第3の実施形態を示し、第1の実施形態に適用した場合の整合用変成器とマイクロ波放射器との接続状態を示す図である。図示するように、マイクロ波放射器6内の終端開口部6a側に固体の誘電体17を配設している。
【0038】
誘電体17は、マイクロ波の一部を反射し、かつ残りのマイクロ波を吸収することなく透過させる物質であり、例えばアルミナ等のセラミックまたはテフロン等の合成樹脂からなり、例えば山形状に形成されている。
【0039】
本実施形態においては、まずマイクロ波放射器6内に誘電体17が存在しない場合について説明すると、TE10モードの波が伝搬することにより、図8に示すマイクロ波放射器6のA″B″間,A′B′間及びAB間でのマイクロ波電界強度の分布は、それぞれ図9の点線で示すようになる。
【0040】
つぎに、図8に示すように、マイクロ波放射器6のAB間でのマイクロ波電界強度の強い部分と対応する位置に、山形状の誘電体17の頂部をマイクロ波電源1側に向けた状態で挿入することにより、マイクロ波放射器6の側壁で反射したマイクロ波W1 は、誘電体17の表面で一部は反射されてマイクロ波W2 となり、残りのマイクロ波は誘電体17中を透過しマイクロ波W2 ′としてマイクロ波放射器6の終端開口部6aに至る。誘電体17の表面で反射されたマイクロ波W2 は、マイクロ波放射器6の側壁で反射され、再び誘電体17に入射する。その時、マイクロ波W2 は、誘電体17の表面で一部は反射されてマイクロ波W3 となり、残りのマイクロ波は透過しマイクロ波W3 ′としてマイクロ波放射器6の終端開口部6aに至る。他方、反射されたマイクロ波W3 は、マイクロ波放射器6の側壁での反射を経て、最終的にマイクロ波放射器6の終端開口部6aに至る。したがって、マイクロ波電界強度の元々高い部分が低くなり、逆に元々マイクロ波電界強度の低い部分に、誘電体17の表面で反射されたマイクロ波を伝搬させることにより、電界強度を高めることができる。
【0041】
TE10モードの波によるマイクロ波放射器6のA′B′間及びAB間でのマイクロ波電界強度の分布は、それぞれ図9の実線で示すようになり、第2の実施形態におけるマイクロ波電界強度に比べて均一性がさらに高くなると共に、長手方向に亘りより均一な分布になる。
【0042】
<第4の実施形態>
図10は、本発明に係る第4の実施形態を示し、第2の実施形態に適用した場合のマイクロ波放射器の内部を示す図である。図示するように、マイクロ波放射器16内の終端開口部16a側に固体の誘電体27A,27Bを配設している。
【0043】
誘電体27A,27Bは、マイクロ波の一部を反射し、かつ残りのマイクロ波を吸収することなく透過させる物質であり、例えばアルミナ等のセラミックまたはテフロン等の合成樹脂からなり、例えば山形状に形成されている。
【0044】
本実施形態においては、まずマイクロ波放射器16内に誘電体27A,27Bが存在しない場合について説明すると、TE10モードの波が伝搬することにより、図10に示すマイクロ波放射器16のA′B′間及びAB間でのマイクロ波電界強度の分布は、それぞれ図11の点線で示すようになる。
【0045】
つぎに、図10に示すように、マイクロ波放射器16のAB間でのマイクロ波電界強度の2つの強い部分と対応する位置に、それぞれ山形状の誘電体27A,27Bの頂部をマイクロ波電源1側に向けた状態で挿入することにより、マイクロ波放射器16内を伝搬するマイクロ波は、誘電体27A,27Bによりマイクロ波の一部は反射して誘電体27A,27Bとマイクロ波放射器16の側壁との間を伝搬し、かつ残りのマイクロ波は誘電体27A,27B内を透過するため、もともと電界強度の強い領域が弱められ、マイクロ波放射器16のE面近傍の電界強度が弱い領域が強められる。
【0046】
TE10モードの波によるマイクロ波放射器16のA′B′間及びAB間でのマイクロ波電界強度の分布は、それぞれ図11の実線で示すようになり、第3の実施形態におけるマイクロ波電界強度に比べて均一性が一段と高くなると共に、長手方向に亘りほぼ均一な分布になる。
【0047】
上記の各実施形態において、マイクロ波透過窓11に近接するように電磁石10A及び永久磁石10B,10Cを設けると、反応性ガスの電離及び励起の頻度が高められ、被処理物に照射されるプラズマ密度が高められる。さらに、上記磁界を窓部7bからプラズマ処理室の中央部に向かうような発散磁界となるように設定することにより、プラズマを被処理物13に効率よく照射させることができる。
【0048】
上記の実施形態において用いる誘電体の形状は、山形状に限定されるものでなく、例えば台形、三角、矩形状であってもよく、処理条件に応じて適宜に形状を変化させればよい。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、請求項1及び請求項2の発明によれば、導波管の終端部をマイクロ波放射器とし、しかもマイクロ波放射器に細長い終端開口部を設けているので、導波管の側壁にスロットを設けることにより生じたマイクロ波の自由空間波長の2分の1毎にマイクロ波電界の強弱が現れる現象が無く、細長いマイクロ波電界強度の分布を得ることができる。また、マイクロ波電力の使用効率が向上されるので、生成されるプラズマの密度が高められる。したがって、直線状プラズマを照射しつつ被処理物を移動させることにより、広い面積を高速にプラズマ処理を行うことができる。
【0050】
さらに、請求項3の発明によれば、TE10モードのみの波によるマイクロ波電界強度に比べて均一性を高くすることができる。
【0051】
また、請求項4の発明によれば、マイクロ波放射器の終端開口部の長手方向に亘るマイクロ波電界の分布をほぼ均一にすることができる。
マイクロ波放射部内にマイクロ波の一部は反射し、一部は透過する、しかもマイクロ波を吸収しない誘電体を、マイクロ波の電界強度が強い部分に配設することで、強い部分は弱められ、逆に弱い部分は誘電体から反射された電力により補われ、プラズマ室へ放射されるマイクロ波の電力をプラズマ室の窓部の長手方向に沿って均一にすることができ、幅広い領域に渡りプラズマ密度を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態を示すプラズマ処理装置の全体構成図である。
【図2】図1の整合用変成器とマイクロ波放射器との接続状態を示す図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態におけるマイクロ波放射器の終端開口部の長手方向に対するマイクロ波電界強度の分布を示す図である。
【図4】本発明に係る第2の実施形態を示し、整合用変成器とマイクロ波放射器との接続状態を示す図である。
【図5】本発明に係る第2の実施形態におけるマイクロ波放射器の終端開口部の長手方向に対するマイクロ波電界の分布を示す図である。
【図6】本発明に係る第2の実施形態におけるマイクロ波放射器の終端開口部の長手方向に対するマイクロ波電界強度の分布を示す図である。
【図7】本発明に係る第3の実施形態を示し、第1の実施形態に適用した場合の整合用変成器とマイクロ波放射器との接続状態を示す図である。
【図8】図7のマイクロ波放射器の内部を示す図である。
【図9】図8のマイクロ波放射器のA″B″間,A′B′間及びAB間でのマイクロ波電界強度の分布を示す図である。
【図10】本発明に係る第4の実施形態を示し、第2の実施形態に適用した場合のマイクロ波放射器の内部を示す図である。
【図11】図10に示すマイクロ波放射器のA′B′間及びAB間でのマイクロ波電界強度の分布を示す図である。
【図12】従来のプラズマ処理装置の全体構成図である。
【図13】図12のI−I線に沿った断面図である。
【図14】図12のスロットの長手方向に対するマイクロ波電界強度の分布を示す図である。
【符号の説明】
1 マイクロ波電源
5 整合用変成器
6,16 マイクロ波放射器
6a,16a 終端開口部
17,27A,27B 誘電体

Claims (4)

  1. マイクロ波電源と、前記マイクロ波電源から出力されたマイクロ波を導入する方形導波管と、側壁に細長い窓部を設けて前記窓部に対向するように被処理物が配置されたプラズマ処理室と、細長い終端開口部を有して前記終端開口部が前記窓部に対向するように配置されたマイクロ波放射器とを備え、
    前記方形導波管に導入されたマイクロ波が前記窓部を通して放射することによりプラズマを生成させ、前記被処理物対して所定の処理を行うプラズマ処理装置において、
    前記方形導波管は前記方形導波管の終端部からマイクロ波電力を前記プラズマ処理室へ供給するように設けられ、
    前記方形導波管及びマイクロ波放射器のH面間の高さがそれぞれ異なって形成され、 前記方形導波管とマイクロ波放射器との間に整合用変成器が設けられたプラズマ処理装置。
  2. 前記マイクロ波放射器はテーパー導波管により構成され、H面同士が平行に形成され、かつ両E面がマイクロ波の進行方向に沿って末広がり状に形成されている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記マイクロ波放射器は多重モード変換器により構成され、両E面に形成された不連続な直角部を境にして電源側方形導波管部と負荷側方形導波管部とからなり、前記電源側方形導波管部の中心軸と負荷側方形導波管部の中心軸とを一致させると共に、前記負荷側方形導波管部の長辺の長さをマイクロ波の自由空間波長λ0 の3/2 以上とし、かつ前記電源側方形導波管部の短辺と前記負荷側方形導波管部の短辺と同じ長さにした請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記終端開口部の長手方向におけるマイクロ波の電界強度の強い部分と対応するように、マイクロ波の一部を反射し、かつ残りのマイクロ波を吸収することなく透過させる誘電体を前記マイクロ波放射器内の終端開口部側に配設した請求項2または3に記載のプラズマ処理装置。
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