JP3878093B2 - アーム可動型遠心力載荷試験装置 - Google Patents

アーム可動型遠心力載荷試験装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アーム可動型遠心力載荷試験装置に関し、特に地盤上に建築物を建てた縮小模型における模型地盤の荷重、変位、加速度、温度などの各種データを試験するためのアーム可動型遠心力載荷試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遠心力載荷試験とは、縮小模型などの模型地盤に対して実地盤と等しい自重応力を遠心力により作用させ、縮小模型に対して実物と同じ挙動を再現させようとする試験である。この試験によって、労力と経費のかかる実大規模の模型をわざわざ製作する必要がなくなる。
【0003】
従来の遠心力載荷試験装置としては、垂直な回転軸に水平方向に固定された回転腕と、この回転腕の先端に回転腕の方向に回動自在に吊り支持され供試体を載荷する揺動架台と、前記回転軸を回転駆動する駆動機と、供試体を入れる試料容器と、から構成されており、前記回転軸を回転して供試体に遠心力を加えたときの前記供試体における各種データを計測するものである(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3314622号公報(第2ページ3欄〜4欄、第1図)
【特許文献2】
特開2001−124668号公報(第2ページ2欄〜3ページ4欄、第1図)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、遠心力載荷試験においては、斜面崩壊に係わる斜面安定,支持力,圧密,液状化などのような自重応力に大きく依存する地盤の挙動を解明するために威力を発揮するものであるが、他の力学試験と同様に様々な問題を有している。
【0006】
なかでも、遠心加速度が半径と角速度の2乗に比例し、等加速度の場は曲率をもっていることから、加速度の方向と大きさが模型内で一様でないことが、遠心力載荷試験に特有の問題点として知られている。換言すれば、遠心加速度が回転半径と角速度の2乗の積に比例することから、加速度の大きさが回転軸からの距離によって異なることや、角速度の増加に伴い等加速度の場が半径外方向に移動することなど、常に一定の重力加速度が全体に作用している実地盤とは厳密には加速度の分布が異なっている。
【0007】
加えて、従来あまり重要視されてこなかったが、所定の遠心加速度に到達するまでの加速時に、回転軌道の接線方向に生じる加速度(以下、「回転加速度」という)の問題点があった。
【0008】
図9を参照してより詳しく説明すると、回転腕201が回転開始してから一定の回転速度に到達するまでの加速時には、半径方向外向きに作用する遠心加速度Aceと、鉛直方向に常に作用している1Gの重力加速度Agと、回転軌道の接線方向に作用する回転加速度Arと、の3つの加速度が模型地盤203に作用している。したがって、合成加速度Acoの作用方向は、上記の3つの加速度Ace,Ag,Arの合成方向となる。
【0009】
一方、回転腕201が一定の回転速度に到達する定速時には、図10に示されているように、上記の回転加速度Arが0(ゼロ)になるので、遠心加速度Aceと重力加速度Agの合成加速度Acoとなる。
【0010】
従来の遠心力載荷試験装置においては、回転腕201の端に取り付けられた揺動架台が振り上がるだけで、遠心加速度Aceと重力加速度Agの合成方向にのみ対応するように設計されている。
【0011】
したがって、回転加速度が与える影響については依然として問題点があり、大きい加速度で実験を行った場合、特に回転加速度は模型地盤203において間隙水圧の分布が回転加速度の作用方向に偏るなどの問題が懸念されるので、縮小模型などの模型地盤203に対して実地盤と等しい自重応力を遠心力により作用させることが難しいという問題点があった。
【0012】
例えば、図11を参照するに、従来の遠心力載荷試験装置においては、約2.5Gもの回転加速度Arが作用している。このように、回転加速度Arの影響は無視することができないものである。
【0013】
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、回転加速度並びに重力加速度の影響を無視し得るほどに模型地盤を実地盤に近い状態にして各種データを計測し、さらに前記各種データの計測を容易に行い得るアーム可動型遠心力載荷試験装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1によるこの発明のアーム可動型遠心力載荷試験装置は、回転駆動手段により回転する垂直な回転軸と、この回転軸に水平方向に固定されたメインアームと、このメインアームの先端に水平方向に揺動自在に軸承されたスイングアームと、このスイングアームの先端にスイングアームの延長方向に向けて垂直方向に回動自在に懸吊され且つ模型地盤を載荷するプラットホームと、前記模型地盤における各種データを計測する計測手段と、から構成してなることを特徴とするものである。
【0015】
したがって、メインアーム及びスイングアームとからスイング機構が構成されているので、プラットホームはスイングアームの先端で振り上がって重力加速度を相殺するだけでなく、スイングアームが水平方向に自由に回転することで回転加速度も相殺される。回転加速中にも、遠心加速度のみが常にプラットホームの底部方向に、つまり模型地盤の鉛直下向きに作用するので、模型地盤が実地盤に近い状態で各種データが計測される。
【0016】
請求項2によるこの発明のアーム可動型遠心力載荷試験装置は、請求項1記載のアーム可動型遠心力載荷試験装置において、前記計測手段に、模型地盤の挙動を撮像する撮像手段を備え、この撮像手段を前記プラットホームに設け、前記撮像手段で撮像された画像信号を外部へ伝送すべく前記回転軸にスリップリングを設け、このスリップリングを介して伝送された画像を処理する画像処理装置を設けてなることを特徴とするものである。
【0017】
したがって、プラットホームに撮像手段を設けたので、プラットホームが回転中に、模型地盤は常に撮像手段で撮像することが可能となり、しかも撮像された画像信号はスリップリングを経て容易に伝送され、外部の画像処理装置で収録され、解析される。
【0018】
請求項3によるこの発明のアーム可動型遠心力載荷試験装置は、請求項1記載のアーム可動型遠心力載荷試験装置において、前記計測手段に、模型地盤における各種データの計測信号を無線伝送する送信部と受信部を有する電波送信システムを備え、前記送信部を前記メインアームの付け根付近又は回転軸の上部に設け、前記受信部をメインアーム及び回転軸から離反した外方に設け、前記受信部から伝送されたデータを解析するデータ解析処理装置を設けてなることを特徴とするものである。
【0019】
したがって、計測手段で計測されたデータは送信部により無線で伝送され、受信部で受信されるので、プラットホームが回転中に、幾種類ものデータを計測して送信することが容易である。しかも、電波送信システムはスリップリングに比べて安価である。また、アンテナがメインアームの付け根付近又は回転軸の上部に取り付けられているので、アンテナの旋回によって生じる電波状態の悪影響が最小限に抑えられる。
【0020】
請求項4によるこの発明のアーム可動型遠心力載荷試験装置は、請求項1記載のアーム可動型遠心力載荷試験装置において、前記回転軸、メインアーム、スイングアーム、プラットホームの周囲を囲繞する保護風防壁とこの保護風防壁内に出入りする開閉扉とからなる保護風防装置が設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
したがって、回転部が保護風防壁で囲まれているので、たとえ装置の稼働中に試料の飛び出し等の異常が発生しても安全対策になると共に回転部の空気抵抗が小さくなる。また、保護風防壁には開閉扉があるので、作業者は保護風防壁内に容易に出入りして模型地盤などの試料が容易に交換される。
【0022】
請求項5によるこの発明のアーム可動型遠心力載荷試験装置は、請求項1記載のアーム可動型遠心力載荷試験装置において、前記計測手段に、前記回転軸を軸承する軸受部の振動を検出する軸受振動検出器、前記軸受部の温度を検出する軸受温度検出器、前記回転駆動手段の温度を検出する駆動手段温度検出器、のうちの少なくとも1つを備え、前記各検出器で測定された測定値が予め設定した設定値を超えたときに警報を発生する安全管理手段を設けてなることを特徴とするものである。
【0023】
したがって、高速回転による回転軸の軸受部の異常振動や温度上昇、あるいは回転駆動手段の温度上昇が常時計測され、この計測値が予め設定した設定値を超えるときは、安全管理手段により確実に警報が発生するので、自動的に安全管理が行われる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
図1及び図2を参照するに、この実施の形態に係わるアーム可動型遠心力載荷試験装置1は、大きく分類すると、回転部,駆動部,保護風防部,制御部,計測部,安全管理機器部とから構成されている。
【0026】
回転部としては、床面に固定される底部フレーム3の上面に、回転軸支持フレーム5が一体的に立設され、回転軸支持フレーム5には回転軸7がほぼ垂直方向に延伸された状態で上下の軸受部9を介して軸承されている。回転軸支持フレーム5から上方へ突出した回転軸7の上部には、2つのメインアーム11がほぼ水平方向に対称をなすように固定されている。さらに、スイングアーム13が各メインアーム11の先端に軸受ボス15並びにスイングアーム軸17により水平方向へ回動可能に軸承されている。軸受ボス15としては例えば円筒形のベアリングが用いられる。
【0027】
また、試料容器19を搭載するプラットホーム21が上記のスイングアーム13の先端部にスイングアーム13の延長方向に向けて垂直方向に軸部23を介して回動自在に懸吊されており、遠心加速度の増加に伴って振り上がるように構成されている。なお、上記の試料容器19は模型地盤を入れるものである。
【0028】
なお、模型地盤は、左右対称の2つのプラットホーム21のうちの一方の側にのみ搭載され、他方のプラットホーム21には左右のメインアーム11、スイングアーム13並びにプラットホーム21のバランスを取るためにバランスウエイト25が乗せられる。
【0029】
駆動部としては、上記の回転軸7の下端が、底部フレーム3に設けた減速機27の出力軸に力ップリング29を介して連結されており、前記減速機27の入力軸が回転駆動手段としての例えばインバータモータ31の駆動軸にチェーン力ップリング33を介して連結されている。なお、この実施の形態では、インバータモータ31は回転数や制御が容易であり、最大回転数は300rpmである。メインアーム11,スイングアーム13及びプラットホーム21の全長の有効半径は例えば1.5mで、最大加速度はプラットホーム21の最下部で150Gである。また、インバータモータ31の最大加速度150Gまでの加速到達時間は最速で300秒である。
【0030】
また、モータ31を回転軸7の直下の減速機27に直結されることにより、インバータモータ31と減速機27を連結するシャフトが不要となり、コンパクトな構造となっている。
【0031】
上記構成により、インバータモータ31の回転が減速機27により減速され、回転軸7に伝達される。回転軸7が回転することによりメインアーム11及びスイングアーム13が回転することになり、回転開始してから一定の回転速度に到達するまでの加速時には、従来で説明した図9に示されているように半径方向外向きに作用する遠心加速度Aceと、鉛直方向に常に作用している1Gの重力加速度Agと、回転軌道の接線方向に作用する回転加速度Arと、の3つの加速度が模型地盤に作用する。したがって、合成加速度Acoの作用方向は上記の3つの加速度Ace,Ag,Arの合成方向となる。
【0032】
しかし、この発明の実施の形態ではメインアーム11及びスイングアーム13とからスイング機構が構成されているので、このスイング機構により、図8に示されているようにスイングアーム13が遠心加速度Aceと回転加速度Arとの合成方向に動くことになる。スイング機構とはスイングアーム13を水平方向に自由に回転できるようにした機構のことである。
【0033】
したがって、スイング機構と鉛直方向に振り上がるプラットホーム21との組み合わせにより、プラットホーム21はスイングアーム13の先端で振り上がって重力加速度Agを相殺するだけでなく、スイングアーム13が水平方向に自由に回転することで回転加速度Arも相殺される。つまり、スイングアーム13は、スイング機構がない場合の遠心加速度Aceと回転加速度Arとの合成方向が図8の2点鎖線で示されているように水平面でスイングアーム13の延長線上に位置するように移動する。
【0034】
結果として、プラットホーム21が遠心加速度Ace,重力加速度Ag,回転加速度Arの合成方向に動くので、回転加速中にも、遠心加速度Aceだけがプラットホーム21の底部に、換言すれば常に模型地盤の鉛直下向きに作用する。試料容器19(模型容器)が遠心加速度Ace,重力加速度Ag,回転加速度Arの合成方向に三次元的に動き、遠心加速度Aceのみが模型地盤にかかるので実地盤に近い状態にして各種データを計測することができる。
【0035】
保護風防部としては、アーム可動型遠心力載荷試験装置1が稼働中に、試料の飛び出し等の異常が発生した場合の安全対策と、上記の回転部の空気抵抗を小さくするための保護風防装置35であり、この保護風防装置35は、上記の回転部の周囲を取り囲むように、例えば複数枚の鋼鉄板を用いて製作した保護風防壁37と、この保護風防壁37内に作業者が出入りするための開閉扉39とから構成されている。
【0036】
なお、保護風防壁37は底部フレーム41を基礎に底着させることによってアンバランス荷重が発生したときの横ずれが防止される。また、開閉扉39は保護風防壁37の上部壁に設けた出入り口43を被蓋するように開閉自在に設けられており、出入り口43の近傍には保護風防壁37の側壁の外側に作業階段45が設けられ、側壁の内側に昇降タラップ47が設けられている。
【0037】
制御部としては、アーム可動型遠心力載荷試験装置1の運転、停止などを制御、操作するもので、図2に示されているように卓上型の操作盤49に集約され、装置本体から離れた別の場所に設置されている。なお、操作盤49には制御盤51が接続されている。
【0038】
図3ないしは図6を参照するに、計測部としては、上記の模型地盤における各種データを計測する計測手段からなる計測システムであり、荷重,変位,加速度計,撮像手段としての例えばCCD力メラ53などの計測機器類と、上記のデータの計測信号を無線伝送するワイヤレスデータロガー55(電波送信システム)と、CCD力メラ53の画像信号を伝送する機器類(画像処理システム)と、さらにデータを記録、解析するデータ解析処理装置としての例えば解析用パソコン57と、伝送された画像を処理する画像処理装置としての例えばDVD装置59が備えられている。
【0039】
遠心模型実験では、模型全体の挙動をつぶさに観察することが重要であることは現在においても変わりない。この実施の形態のアーム可動型遠心力載荷試験装置1では、図3に示されているようにプラットホーム21に搭載された超小型の搭載用CCD力メラ53により模型地盤の挙動をとらえ、得られた画像信号はスリップリング61を通してDVD装置59に録画されるシステムとなっている。
【0040】
より詳しくは、図1を参照するに、保護風防壁37の上部壁の上面のほぼ中央には、スリップリングフレーム63が一体的に設けられており、このスリップリングフレーム63に軸受65を介してスリップリング61が取り付けられている。スリップリング61の下部はジョイント部67を介して回転軸7の上端に連結されている。また、メインアーム11の回転中心付近の上面には、上記のジョイント部67の周囲に間隙をもって計測機器固定フレーム69が一体的に設けられている。
【0041】
さらに、図3及び図4を参照して画像処理システムについて説明すると、搭載用CCD力メラ53は、例えばプラットホーム21の側面側に幅方向に延伸したブラケット(図示省略)に取り付けられている。搭載用CCD力メラ53は余裕を持った長さの力メラケーブル71によりスイングアーム13並びにメインアーム11を経て計測機器固定フレーム69に設けた力メラ制御器73、映像伝送変調器75に接続され、次いで同軸ケーブル77によりジョイント部67を経てスリップリング61に接続される。スリップリング61では回転子から接触子へ伝送され、接触子は同軸ケーブル77により外部の映像伝達復調器79を経てDVD装置59並びにモニタ81に接続されている。したがって、実験中の地盤挙動は、超小型の搭載用CCD力メラ53により撮影され、得られた画像信号はスリップリング61を通してDVD装置59に録画され、解析される。
【0042】
また、保護風防壁37の内部には回転部の全体を監視するための監視用CCD力メラ83が設置されており、監視用CCD力メラ83は同軸ケーブル77により外部の別の力メラコントローラ85を経てモニタ87に接続されている。
【0043】
さらに、図5及び図6を参照して電波送信システムについて説明すると、小型ひずみゲージ式荷重計や加速度計などの計測機器類で計測されたデータは、ワイヤレスデータロガー55により無線で伝送される。電波方式としては、アンテナ89がアームに搭載されているため、回転速度が大きくなるとアンテナ89の位置が円周上をめまぐるしく移動するために電波状態が悪くなり、計測不能に陥ることがあるので、この発明の実施の形態ではワイヤレスデータロガー55のアンテナ89を回転軸7の付け根付近に取り付けることにより対応している。また、前記アンテナ89を回転軸7の上部の中心上に取り付ければ、より精度が向上するものである。
【0044】
ワイヤレスデータロガー55は電波によりデータを送信する送信部91と電波を受信する受信部93とからなり、アンテナ89を備えた送信部91はメインアーム11の付け根付近の計測機器固定フレーム69に設けられ、前記受信部93はアーム可動型遠心力載荷試験装置1の装置本体の外方に設けられているもので、スリップリング61に比べて安価であり、この実施の形態で使用したものは最大500chまで増設可能である。
【0045】
より詳しくは、模型地盤としての例えば試験土槽95には、小型圧力センサ97,レーザ変位計99,土槽内部温度センサ101が設置されており、各機器97,99,101はケーブル103により前記送信部91に接続されている。なお、各機器並びに送信部91はスリップリング61を介して外部の電源と接続されている。また、前記受信部93はケーブル103によりデータを解析するデータ解析処理装置としての例えば解析用パソコン57並びにモニタ105に接続されている。
【0046】
安全管理機器部としては、高速回転による回転軸7の軸受部9の異常振動や温度上昇を常時計測し、前記計測値が予め設定した設定値を超えるときに警報と回転灯が点灯するシステムとなっている。
【0047】
図7を参照してより詳しく説明すると、アーム可動型遠心力載荷試験装置1には、回転軸7を軸承する上下の軸受部9の振動を検出する軸受振動検出器としての例えば軸受振動センサ107と、前記軸受部9の温度を検出する軸受温度検出器としての例えば軸受温度センサ109と、減速機27の潤滑オイルの温度を検出する減速機温度検出器としての例えば減速機温度センサ111が、安全管理機器部の計測手段として備えられている。
【0048】
また、前記各センサ107,109,111はケーブル103によりアーム可動型遠心力載荷試験装置1の外部に設けた操作盤49に接続され、この操作盤49の制御部には前記各センサで検出された検出値が予め設定した設定値を超えたときに警報を発生する安全管理手段としての例えば警告用パトライト(黄色回転灯)が接続されている。この警告用パトライトとしては第1パトライト113が保護風防装置35の上部に設けられ、第2パトライト115が試験室の出入り口に設けられている。また、上記の警告用パトライト113,115の警報を受けて作業者がアーム可動型遠心力載荷試験装置1の運転を停止せしめるための非常停止ボタン117が操作盤49に接続されている。したがって、自動的に安全管理が行われる。
【0049】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。前記回転軸7の上部に耐酸性ロータリージョイントを取付け、図示省略の外部タンクに収容されている液体を、前記耐酸性ロータリージョイントを経て図示省略のホースよりプラットホーム21上の模型地盤に供給することができる。これは、模型地盤を強制的に劣化させるためのものであり、液体としては特別な対酸性合金ハステロイCのごとき強酸化溶液が使用されるものである。
【0050】
【発明の効果】
以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように、請求項1の発明によれば、メインアーム及びスイングアームとからスイング機構が構成されているので、プラットホームはスイングアームの先端で振り上がって重力加速度を相殺するだけでなく、スイングアームが水平方向に自由に回転することで回転加速度も相殺できる。したがって、回転加速中にも、遠心加速度のみを常にプラットホームの底部方向に、つまり模型地盤の鉛直下向きに作用できるので、模型地盤を実地盤に近い状態にして各種データを計測できる。
【0051】
請求項2の発明によれば、プラットホームに撮像手段を設けたので、プラットホームが回転中に、模型地盤を常に撮像手段で撮像することができ、しかもスリップリングにより撮像された画像信号を容易に外部へ伝送でき、外部の画像処理装置で収録、解析できる。
【0052】
請求項3の発明によれば、計測手段で計測されたデータを送信部により無線で伝送し、且つ受信部で受信できるので、プラットホームが回転中に、幾種類ものデータを計測して容易に送信できる。しかも、電波送信システムはスリップリングに比べて安価である。また、送信部のアンテナをメインアームの付け根付近又は回転軸の上部に取り付けたので、アンテナの旋回による電波状態の悪影響を最小限に抑えることができる。
【0053】
請求項4の発明によれば、回転部を保護風防壁で囲んだので、たとえ装置の稼働中に試料の飛び出し等の異常が発生しても、安全対策になると共に回転部の空気抵抗を小さくできる。また、保護風防壁に開閉扉を設けたので、作業者は保護風防壁内に容易に出入りして模型地盤などの試料を容易に交換できる。
【0054】
請求項5の発明によれば、高速回転による回転軸の軸受部の異常振動や温度上昇、あるいは回転駆動手段の温度上昇を常時計測し、この計測値が予め設定した設定値を超えるときは、安全管理手段により確実に警報を発生できるので、自動的に安全管理を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態のアーム可動型遠心力載荷試験装置の全体的な概略説明図である。
【図2】図1の部分的な平面図である。
【図3】この発明の実施の形態の画像処理システムの概略説明図である。
【図4】図3の配線概略図である。
【図5】この発明の実施の形態の電波送信システムの概略説明図である。
【図6】図5の配線概略図である。
【図7】この発明の実施の形態の安全管理機器部の概略説明図である。
【図8】この発明の実施の形態のスイング機構の概略説明図である。
【図9】従来の遠心力載荷試験装置における回転腕の回転加速中に、模型地盤に作用する加速度の概略説明図である。
【図10】従来の遠心力載荷試験装置における回転腕の回転定速中に、模型地盤に作用する加速度の概略説明図である。
【図11】従来の遠心力載荷試験装置における回転腕の回転加速中に、模型地盤に作用する回転加速度の強さを示すグラフである。
【符号の説明】
1 アーム可動型遠心力載荷試験装置
7 回転軸
9 軸受部
11 メインアーム
13 スイングアーム
17 スイングアーム軸
19 試料容器
21 プラットホーム
23 軸部
25 バランスウエイト
27 減速機(回転駆動伝達手段)
31 インバータモータ(回転駆動手段)
35 保護風防装置
37 保護風防壁
39 開閉扉
43 出入り口
49 操作盤
51 制御盤
53 搭載用CCD力メラ(撮像手段)
55 ワイヤレスデータロガー(電波送信システム)
57 解析用パソコン(データ解析処理装置)
59 DVD装置(画像処理装置)
61 スリップリング
67 ジョイント部
69 計測機器固定フレーム
83 監視用CCD力メラ(撮像手段)
89 アンテナ
91 送信部
93 受信部
95 試験土槽
97 小型圧力センサ
99 レーザ変位計
101 土槽内部温度センサ
107 軸受振動センサ(軸受振動検出器)
109 軸受温度センサ(軸受温度検出器)
111 減速機温度センサ(減速機温度検出器)
113 第1パトライト(安全管理手段)
115 第2パトライト(安全管理手段)
Ar 回転加速度
Ace 遠心加速度
Ag 重力加速度
Aco 合成加速度

Claims (5)

  1. 回転駆動手段により回転する垂直な回転軸と、この回転軸に水平方向に固定されたメインアームと、このメインアームの先端に水平方向に揺動自在に軸承されたスイングアームと、このスイングアームの先端にスイングアームの延長方向に向けて垂直方向に回動自在に懸吊され且つ模型地盤を載荷するプラットホームと、前記模型地盤における各種データを計測する計測手段と、から構成してなることを特徴とするアーム可動型遠心力載荷試験装置。
  2. 前記計測手段に、模型地盤の挙動を撮像する撮像手段を備え、この撮像手段を前記プラットホームに設け、前記撮像手段で撮像された画像信号を外部へ伝送すべく前記回転軸にスリップリングを設け、このスリップリングを介して伝送された画像を処理する画像処理装置を設けてなることを特徴とする請求項1記載のアーム可動型載荷試験装置。
  3. 前記計測手段に、模型地盤における各種データの計測信号を無線伝送する送信部と受信部を有する電波送信システムを備え、前記送信部を前記メインアームの付け根付近又は回転軸の上部に設け、前記受信部をメインアーム及び回転軸から離反した外方に設け、前記受信部から伝送されたデータを解析するデータ解析処理装置を設けてなることを特徴とする請求項1記載のアーム可動型遠心力載荷試験装置。
  4. 前記回転軸、メインアーム、スイングアーム、プラットホームの周囲を囲繞する保護風防壁とこの保護風防壁内に出入りする開閉扉とからなる保護風防装置が設けられていることを特徴とする請求項1記載のアーム可動型遠心力載荷試験装置。
  5. 前記計測手段に、前記回転軸を軸承する軸受部の振動を検出する軸受振動検出器、前記軸受部の温度を検出する軸受温度検出器、前記回転駆動手段の温度を検出する駆動手段温度検出器、のうちの少なくとも1つを備え、前記各検出器で測定された測定値が予め設定した設定値を超えたときに警報を発生する安全管理手段を設けてなることを特徴とする請求項1記載のアーム可動型遠心力載荷試験装置。
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