JP3875997B2 - 干渉信号消去機能を備える電子式物品監視システム - Google Patents
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Description
本発明は電子式物品監視(EAS)に関し、特に、EASシステムで受信した信号から干渉信号を除去することに関する。
発明の背景
小売店において商品が盗まれることを防止あるいは検知するために電子式物品監視システムを備えることが知られている。典型的なシステムにおいて、店の出口に置かれた電磁界と相互作用するように設計されたマーカーが商品に取り付けられる。マーカーが場、即ち「呼掛け信号ゾーン」内に持って来られると、マーカーの存在が検出されアラームが鳴る。他方、レジにおいて商品に対して適切な支払いがなされた場合、マーカーは商品から取り除かれるか、あるいは、もしマーカーを残したままにする場合、マーカーを非作動状態にする処理を行い、マーカー特性を変えてマーカーがもう呼掛け信号ゾーンにおいて検出されないようにする。
広く使われれているEASシステムの1つのタイプにおいて、呼掛け信号ゾーンに供給した電磁界は選択された周波数で交番し、検出されるマーカーは、場を通過する際に前記選択された周波数の調波周波数を引き起こす磁性材料を含む。呼掛け信号ゾーンに検出装置を設け、この装置をマーカーによって引き起こされた特有の調波周波数を認識するように調整する。このような周波数が存在するなら、検出システムはアラームを発生させる。このタイプのEASシステムは、例えば、Humphreyに付与され本出願と共に譲渡された米国特許第4,660,025号に開示される。
EASシステムは、実質的に電磁気信号が存在する場所にしばしば配置される。建物電力システムによって生み出される通常の60Hzの放射及び調波に加え、他の干渉信号が電子式キャッシュ・レジスター、売場端末、建物防護システムなどから放射されやすい。
呼掛け信号がEASシステムの近くに存する他の装置に対して干渉するといった可能性を極力減らし、かつ、EASシステムが呼掛け信号ゾーンの外から来る干渉信号あるいはマーカー信号を検出することを減らすために、通常送信検出アンテナの近辺に信号シールドを設置する。不幸にも、シールド自身は、呼掛け信号と電力線信号の相互変調によって形成された成分はもちろんのこと、呼掛け信号と周囲の60Hzの放射信号の調波によってこれらの両方の信号にも相互作用する傾向がある。結果として生じる相互変調成分は呼掛け信号と電力線周波数の整数倍数の和及び差の周波数である。これらの干渉信号が存在すると、EASシステムを満足する方法で操作することが難しくなる。
さらに、干渉信号と検出されたマーカー信号との間に通常位相コヒーレンスがある。なぜなら電力線に対する位相同期によって呼掛け信号を習慣的に得ているからである。デジタル信号処理が使用されるとき、デジタルサンプリングクロックは、また、電力線に対して位相が同期した基準信号から典型的に得られる。
大、小の感度設定の間でEASシステムを調整することが知られている。システムを比較的敏感に設定調整すると、EASマーカーが検出されずに呼掛け信号ゾーンを通過する可能性を低減できるが、その代償として誤警報を与えることが多くなる。逆に、システムの感度を下げると、感受率が下がって誤警報を与えることは減少するが、マーカーが検出されないで呼掛け信号ゾーンを通過する危険性が増加する可能性がある。それで、しばしば、信頼できるマーカー検出(時折、「ピックレート(検出速度)と呼ばれる」と、誤警報を与える感受率との間でEASシステムを調整することが必要となる。干渉信号が存在すると、誤警報を与えるような容認できない感受率を与えることなく容認できる高検出感度を達成することが困難になる。
この問題を克服するために、マーカーが呼掛け信号ゾーンで存在するかどうか決定するための信号処理を行う前に、検出装置によって信号を受信した際にある種の信号調整あるいはフィルタ処理をすることが知られている。本出願の対応米国出願と共に譲渡された米国特許第4,975,681号に開示されるように、干渉信号の消去に使用される周知技術において、干渉信号は、受信信号それ自身からの受信信号の遅延バージョンを引き出すことによってEASシステムで受信された信号から取り除かれる。この周知技術の詳細は今図1を参照して説明される。参照番号20は公知のEASシステムを示す。
EASシステム20は位相同期ループ/周波数逓倍回路22を含み、この回路22は、ローカル電力線信号に位相が同期する基準信号を発生させる。この基準信号から回路22は、所望のシステム送信周波数(例えば、73.125Hz)の送信クロック信号を発生させる。送信クロック信号は送信回路24に送られる。送信回路24は送信アンテナ26を駆動し呼掛け信号ゾーン30内に呼掛け場信号28を放射する。呼掛け場信号28は、送信回路24に供給された送信クロック信号と同期して発生させる。
EASマーカー32が呼掛け信号ゾーン30に存在し、このマーカーは標識信号34を放射する。標識信号34は、呼掛け場信号28並びに時折呼掛け信号ゾーン30に存在する種々の雑音及び干渉信号とともに受信アンテナ36で受信される。これらの信号の間に、呼掛け信号の調波、電力線信号放射線とその調波、部材(図示省略)を保護することによって電力線信号と呼掛け場信号の相互変調を通して形成された成分、バルクハウゼン雑音、売り場ターミナルやスキャナーなどのような他の装置(図示省略)によって生み出された信号が存在しうる。
アンテナ36において受信された信号はプリアンプ38において増幅され、この増幅された信号はアナログ信号調整回路40に供給される。アナログ信号調整回路40は、増幅された受信信号に関してアナログフィルタ処理を行う。例えば、信号調整回路40をバンドバスフィルタとすることができ、このフィルタは、およそ600Hz以下の周波数を有する信号を減衰させ(それによって呼掛け場信号、電力線放射とその低調波を取り去り)、かつ、および8kHz以上の信号(これは興味ある調波信号を含むバンドを越える)を減衰させる。
信号処理回路40から送出されるフィルタ処理済み信号出力はアナログ-ディジタル・コンバータ(A/Dコンバータ、ADC)42に供給され、A/Dコンバータ42はフィルタ処理済み信号をデジタル信号に変換する。ADC42によって形成されたデジタル信号は、A/Dコンバータ42に供給されたサンプルクロック信号と同期して形成されたデジタルサンプルの数列から成る。サンプルクロック信号は位相ロックループ(PLL)/周波数逓倍器回路22によって発生させられる。PLL/周波数逓倍器回路22は、ローカル電力信号に位相が同期した基準信号からサンプルクロックを発生させる。
A/Dコンバータ42によって形成されたデジタル信号は遅延線回路46において所定時間遅延され、次に、遅延された信号はデジタル・アナログ変換器(D/Aコンバータ)48によってアナログ信号に変換される。遅延線回路46とD/Aコンバータ48の両方がPLL回路22によって生み出されたサンプルクロック信号と同期して作動する。D/Aコンバータ48によって形成された遅延アナログ信号は、アナログ加算ジャンクション(多重ノード)50においてアナログ信号調整回路40によってフィルタ処理済み信号出力から差し引かれる。その結果の信号は次にA/Dコンバータ52においてデジタル信号に変換される。A/Dコンバータ52はPLL/周波数逓倍器22によって発生させられたサンプルクロック信号と同期して作動する。デジタル信号処理回路54は、A/Dコンバータ52によって形成されたデジタル信号に関するマーカー検出処理を行う。もしDSP回路54が呼掛け信号ゾーン内にマーカーが存在すると決定するなら、回路54は表示器56を始動させる。表示器は、目に見え若しくは聞こえ、又は、その両方の機能を与えるアラームを発生させるか、あるいは他の適切な動作をとる。
遅延線46によって与えられた遅延は、ジャンクション50において消去される干渉信号の周期と釣合うよう選ばれる。特に、A/Dコンバータによって作り出されたサンプルとサンプルの間のインタバルがTs=1/Fsであり、そして消去される干渉信号のインタバルがNxTsであるようにA/Dコンバータ42がサンプリング周波数Fsで作動するなら、遅延線46はデジタル信号にNサンプルの遅延を与える。遅延は、呼掛け場信号若しくは電力線信号の周期、又はそれらの2つの信号の「分数調波」、すなわち、呼掛け場信号と電力線両方を調波として含む最も大きい周波数に一致するように選ぶことができる。
変換装置回路と加算ジャンクションの非理想の特性を無視すれば、遅延信号消去装置は不連続伝達関数H(z)=1−Z-Nを与え、この関数は周波数nFs/Nにおいてゼロである櫛型ノッチフィルタである。ここで、nはN/2よりも小さい正の整数である。
図1の遅延信号消去装置はデジタルマーカー検出処理を行う前に干渉を取り除くという利益を引き起こすが、干渉消去に関してもっと良い性能を供給することが望まれる。例えば、図1の例の櫛型ノッチフィルタは、特に標識信号が消去される干渉と関連するため、標識信号を部分的に消去する傾向がある広阻止帯を有する。さらに、遅延信号キャンセラによって供給されるフィルタ処理は、干渉信号変化をほとんど均らさない短時定数を備える。
発明の目的と要約
従って、本発明の目的は、システムによって検出される標識信号(マーカーシグナル)と相関する干渉を消去する回路を含むEASシステムを供給することにある。
本発明の別の目的は、経時変化する特徴を持つ干渉を消去する回路を含むEASシステムを供給することにある。
本発明のさらなる目的は、EASシステムで受信された信号を分析するために使われる回路で発生したサンプリングクロック信号に相関する干渉信号を除去することにある。
本発明のさらなる別目的は、EASシステムによって受信した信号が標識信号検出のために行われるデジタル信号処理の前に量子化されるときに発生する量子化雑音を最小にすることにある。
本発明のさらに別の目的は、EASシステムによって受信した信号からEASシステムの電力線周波数と発信器動作周波数の相互変調によって発生する干渉を除去することにある。
本発明の更に別の目的は、従来の信号調整装置よりもより少ないハードウェアの使用ですむEASシステム用の信号調整回路を供給することにある。
本発明の現示によれば、呼掛け信号ゾーンにおいて所定の周波数で交番する呼掛け信号を発生させて放射する回路と、呼掛け信号ゾーンで存在する信号を受信するアンテナと、アンテナによって受信された信号を表すアナログ信号から干渉を取り除く干渉消去回路とを含み、この干渉消去回路は、アンテナによって受信された信号を表すアナログ信号からアナログ推定干渉信号を除去して処理済みアナログ信号を形成する回路と、この処理済みアナログ信号をデジタルサンプル数列に変換するA/Dコンバータと、このデジタルサンプル数列を処理して前記アナログ信号に存在する推定干渉を表すデジタル推定信号を形成するデジタル信号処理回路と、このデジタル推定信号を除去回路によってアナログ信号から除去されるアナログ推定干渉信号に変換するD/Aコンバータとを含む電子式物品監視システムが供給される。
本発明のこの現示によれば、さらに、デジタル信号処理回路はデジタルサンプル数列からM個の部分列(Mは1より大きい正の整数)を構成することによってデジタルサンプルの数列を処理し、M個の部分列のそれぞれの平均を推定し、そのM個の部分列のそれぞれの推定された平均を結合してデジタル推定信号を構成する。
本発明のもう1つの現示によれば、呼掛け信号ゾーンにおいて所定の周波数で交番する呼掛け信号を発生させ放射する回路と、呼掛け信号ゾーンに存する信号を受信するアンテナと、アンテナによって受信した信号を表すアナログ信号に利得を与えて増幅されたアナログ信号を形成する利得増幅器であって、前記利得は前記利得増幅器に供給された利得設定信号に従う利得である利得増幅器と、前記増幅アナログ信号をデジタルサンプル数列に変換するA/Dコンバータと、前記デジタルサンプル数列を処理して利得増幅器に供給される利得設定信号を構成するデジタル信号処理回路とを含む電子式物品監視システムが供給される。
本発明のさらに別の現示によれば、呼掛け信号ゾーンにおいて所定の周波数で交番する呼掛け信号を発生させ放射する回路と、呼掛け信号ゾーンに存する信号を受信するアンテナと、アンテナによって受信した信号を処理してデジタルサンプル数列を形成する回路と、デジタルサンプル数列からM個の部分列(Mは1より大きい正の整数)を構成し、M個の各部分列のそれぞれの平均を推定し、M個の各部分列のそれぞれの推定平均を結合してデジタル推定サンプル数列を構成するデジタル推定信号を形成し、デジタル推定サンプル数列の各サンプルを対応するデジタルサンプル数列のサンプルから除去して処理済みデジタルサンプル数列を形成するデジタル信号処理回路とを含む電子式物品監視システムが供給される。
本発明に従い供給されたハイブリッドのデジタル信号処理でもって、検出される信号と関連しかつ経時変化する特性を有する干渉成分がマーカー検出処理の前に取り除かれ、それ故EASシステム全体の性能が改善される。
本発明のさらなる現示によれば、呼掛け信号ゾーンにおいて所定の周波数で交番する呼掛け信号を発生し放射する回路と、呼掛け信号ゾーンに存する信号を受信するアンテナと、アンテナによって受信した信号を処理しデジタルサンプル数列を形成する回路であって、前記デジタルサンプル数列はサンプルフレームの数列を含み、それぞれのサンプルフレームは呼掛け信号のそれぞれのサイクルに対応するデジタルサンプル数列形成回路と、各サンプルフレームのそれぞれのサブセットを連続的に選択し、それぞれのサブセットはそれぞれの呼掛け信号サイクル内のウインドウ周期内に存するサンプルからなるウインド処理回路であって、サンプルフレームの特性に従ってそれぞれのサイクルに対するウインドウ周期のタイミングを調整するウィンド処理回路と、該ウインドー処理回路によって連続的に選択されたサンプルフレームサブセットを櫛型フィルタ処理する櫛型フィルタ処理回路とを含む電子式物品監視システムが供給される。ウインドー処理回路は、それぞれの呼掛け信号サイクルに対して、それぞれのサンプルフレーム内に存する標識信号の位相を推定する回路を含むこととしてもよく、この標識信号の推定位相に従ってウインドウ周囲のタイミングを調整するように設けられている。
本発明のさらなる現示によれば、呼掛け信号ゾーンにおいて所定周波数で交番する呼掛け信号を発生し放射する回路と、呼掛け信号ゾーンに存する信号を受信するアンテナと、アンテナによって受信した信号を処理しデジタルサンプル数列を形成する回路であって、デジタルサンプル数列はサンプルフレーム数列から成り、各サンプルフレームは呼掛け信号のそれぞれのサイクルに対応し、サンプルフレーム数列はそれぞれの呼掛け信号サイクルに対して、サンプルフレームからサンプルフレームへと同期して変化する標識信号を含むデジタルサンプル数列形成回路と、それぞれの呼掛け信号サイクルに対してサンプルフレームに含まれる標識信号の位相を推定する回路とを含む。本発明のこの現示によれば、推定回路は、サンプルフレームに含まれる標識信号を櫛型フィルタ処理して標識信号のフィルタ処理済み推定を構成する回路と、標識信号のフィルタ処理済み推定を複数のサンプルフレームの現在の1つの選択された部分と密接に関連づける回路とを含むこととしても良い。
本発明の上記及びその他の目的、特徴、利点は次の好ましい実施形態の詳細な記述と発明の実施及び図面からさらに理解される。明細書を通して同様の構成要素及び部分には同様な参照番号を用いている。
【図面の簡単な説明】
図1は、遅延線を用いた干渉信号を消去する回路を備える従来技術の電子監視システムのブロック線図。
図2は、本発明による雑音消去回路を備えるEASシステムのブロック線図。
図3は、図2のシステムの一部であるコーデック回路とデジタル信号処理回路によって実行される信号処理の詳細を示す機能ブロック線図。
図4は、図2に示すEASシステムによって受信した信号内に存する分数調波雑音成分を推定する目的で図2と3に示すデジタル信号処理回路によって実行される信号処理を示す機能ブロック線図。
図5は、干渉信号成分を推定する目的でDSP回路によって実行された多相分解を表すデータ列を例示する図。
図6は、自動利得制御の目的で図2と3に示すDSP回路によって実行される信号処理を例示する機能ブロック線図。
図7は、図2と3に示すDSP回路によって実行される電力線干渉消去を示す機能ブロック線図。
図8は、図2と3のDSP回路によって実行される送信機信号干渉消去を示す機能ブロック線図。
図9は、図2と3のDSP回路によって実行される電力レベルのモニタリングを示す機能ブロック線図。
図10は、送信機信号干渉に関連してDSP回路によって実行される部分列推定に使用される部分列依存利得要素を示すグラフ。
図11は、DSP回路によって行われるマーカー検出アルゴリズムの主要な部分を示す機能ブロック線図。
図12は、DSP回路に実装される標識信号追跡機能の状態を示す概略図。
図13は、標識信号追跡機能の一部として実行される波形均し機能を示す概略図。
図14は、図11のマーカー検出アルゴリズムの最終段階である状態を示す組織図。
図15は、図11のマーカー検出アルゴリズムの一部として候補標識信号を認知するために使われるしきい値を発生させる処理を示す概略図。
図16は、図13の波形均し機能に関して入力信号に適用する位相調整処理を示す概略的図。
図17は、図16の位相調整処理の一部である櫛型フィルタ処理機能を示す概略図。
図18(a)と18(b)はそれぞれ、入力信号が位相調整されていない場合の、図13に示す入力信号と出力信号の信号追跡を示す図であり、図18(c)と(d)はそれぞれ、図16に示す位相調整処理を適用した後の図18(a)の入力信号を示す図及び波形均し機能の結果として生じる出力信号を示す図。
好ましい実施形態
本発明の好ましい実施形態を今、初めに図2に言及して説明する。
システムの概要
図2において、参照番号100は一般に発明に従い供給されたEASシステム(装置)を示す。システム装置100は参照番号22乃至40と56によって示す構成要素を含み、これらの要素は、好ましくは図1の公知システムに関連して説明した対応構成要素と同じである。これらの構成要素は市場で入手可能なEASシステム装置に備えられているハードウェアとして認識できる。
ただ1つだけの受信アンテナ36が図2に示されているが、発明の別の好ましい実施形態において受信アンテナを2つあるいはそれ以上含むことができ、そして受信アンテナを介して受信した信号はそれぞれのチャンネルで処理可能であることが理解されるべきである。これは、例えば、並列処理ハードウェアチャネルを使ったり、タイムシェアリングによる通常のハードウェア処理によりなされる。
システム装置100の信号受信回路はアナログ加算ジャンクション(多重ノード)102を含み、このジャンクションはアナログ信号調整回路40から出力されたフィルタ処理済みアナログ信号を受信するためにそれに接続されている。加算ジャンクション102は、加算ジャンクション102の下流で発生して加算ジャンクション102にフィードバックされるアナログ推定干渉信号をフィルタ処理済みアナログ信号から消去する。フィルタ処理済みアナログ信号からアナログ推定干渉信号を除去した信号が低域フィルタ(LPF)104を介してコーデック(CODEC)106に入力信号SIとして与えられる。コーデック106は、利得を入力信号に適用し、そして次に結果として生じる増幅信号をPLL/周波数逓倍器回路22によってコーデック106に供給されたサンプルクロック信号に同期して形成されたデジタルサンプルの数列に変換することによって、LPF104を介して供給された入力信号を処理する。コーデック106によって形成されるデジタルサンプル数列はデジタル信号処理(DSP)回路108に入力信号として供給される。DSP回路108は、分数調波干渉成分を推定し、電力線及び発信器干渉成分を消去し、自動利得制御を行ない、他のデジタル信号調整機能を成し、かつ、受信アンテナ36において受信した信号が呼掛け信号ゾーン30にマーカー34が存在するかどうか決定する目的のため、コーデック106から受信した入力信号に関してデジタル信号処理を行う。DSP回路108によって実行される機能は以下に詳細に説明する。
DSP回路108によって行われた信号処理の下に、表示器56はアラームを発生させるか、あるいは他の適切な動作をとるために選択的に始動する。DSP回路108はまた、アナログ信号調整回路40から出力された信号内に存在する分数調波干渉成分の推定を表すデジタル信号をコーデック106にフィードバックする。このフィードバック信号はコーデック106によってアナログ信号に変換されて次にアナログ推定干渉信号として(低域通過フィルタ110を介して)アナログ加算ジャンクション102に供給される。
同じくDSP回路108からコーデック106供給されるものは利得制御信号であり、この制御信号は、コーデック106によって入力信号SIに適用された利得のレベルを決定する。
DSP回路108はユーザ・インタフェース装置112に連結され、このインタフェース112を介して入力信号が、例えば、干渉成分推定に使用するパラメータを設定する目的で、DSP回路108に提供される。DSP回路108はまた、基準値を下にした雑音消去処理を行うために使われる基準信号を受信する。基準信号は、基準信号検出器114とアナログ−ディジタル・コンバータ116によってDSP108に供給される。
プリアンプ38から出力された増幅アナログ信号はアナログ信号調整回路40に供給されると共に、LPF回路118において低域通過フィルタ処理されアナログ・ディジタル変換器120においてデジタル形式に変換されて、そして次に制御回路122にデジタル信号として供給される。制御回路122はそれに入力されたデジタル信号を処理し、受信アンテナ36で受信した信号の基本的レベルを検出する。その検出レベルに従い、制御回路122はDSP回路108に選択的に抑制信号を与え、この抑制信号は、下記の理由により、DSP回路108が干渉成分の推定を更新することを抑制する。同じくわかるように、DSP回路108は、干渉成分推定を更新することを選択的に抑制する内部信号処理ルーチンを実行する。
デジタル信号処理に関する総覧
コーデック106及びDSP回路108で行う処理を図3に言及して説明する。
コーデック106に供給した入力信号SIは、DSP回路108からコーデック106へ供給した利得信号Gに従い、コーデック106内の可変増幅器ブロック124において増幅される。増幅された信号は次にコーデック106内のアナログ−ディジタル・コンバータブロック126においてデジタル信号に変換され、その変換されたデジタル信号はDSP回路108に供給される。DSP回路108内で、デジタル信号は自動利得制御ブロック132に入力として供給され、また、掛算器ブロック128によって示すように、可変増幅器ブロック124において適用した利得値Gの逆数である利得値1/Gが変換デジタル信号に掛けられる。掛算器ブロック128からの信号出力は、DSP108によって実行される3つの機能、即ち、分数調波推定量ブロック130、電力線干渉キャンセラブロック134(Fpキャンセラ)及び電力レベルモニターブロック136によってそれぞれ表される機能に対して入力として供給される。
掛算器ブロック128のAGC(自動利得制御)ブロック132はADC126によって形成されたデジタル信号を処理し利得制御値を発生させ、掛算器ブロック128によってそしてコーデック106の可変増幅器ブロック124によって供給される利得を設定する。
分数調波推定量ブロック130は掛算器ブロック128によって供給される信号を処理し、加算ジャンクション102に入力されるフィルタ処理済みアナログ信号入力に存する干渉成分の推定を表すデジタル信号を発生させる。デジタル推定信号はDSP回路108からコーデック106へと出力される。コーデック106の一部であるデジタル−アナログ・コンバータブロック138は、DSP回路108から出力されたデジタル推定信号を低域フィルタ110を介して加算ジャンクション102へ供給される前述のアナログ推定干渉信号に変換する。
Fpキャンセラブロック134は、電力線信号の調波周波数に対応する干渉成分を減衰させるため、掛算器ブロック128によって生み出された信号を処理する。Fpキャンセラブロック134によって供給され、そこから出力された信号は基準値キャンセラブロック140へ入力され、このブロック140は、A/Dコンバータ116(図2)を介して基準値信号検出器114から供給された基準信号を下に基準信号ベースの雑音消去処理を行う。基準値キャンセラブロック140から出力された信号はFoキャンセラブロック142に入力信号として供給され、このFoキャンセラブロック142はその信号を処理して呼掛け信号周波数の調波に対応する干渉成分を減衰させる。Foキャンセラブロック142から出力された信号はデジタル信号調整ブロック144に入力として供給され、このデジタル信号調整ブロック144は、順次さらなる雑音減衰処理を行う。結果として生じた信号は次にマーカー検出処理ブロック146に入力として提供される。ブロック146において行われる処理は、呼掛け信号ゾーンにマーカーが存在する確度を決定するために、以下に説明する技術に従い実行される。この決定の下に、表示器56が始動するように選択される。同じくマーカー検出ブロック146でなされた決定の下に、分数調波推定量ブロック130と、送信機信号キャンセラブロック142は干渉成分のそれぞれの推定を更新することを選択的に抑制される。後者の2つのブロックは、電力レベルモニターブロック136から出力された信号を下に、干渉成分推定を更新することを同じく抑制される。電力レベルモニターブロック136から選択的に出力された抑制信号は、掛算器ブロック128から出力された信号に関して行われた処理を下に発生する。分数調波推定量ブロック130とFoキャンセラブロック142に与えられるもう1つの抑制信号は、以下に説明する処理に基づいて、制御回路122から選択的に出力される。
ハイブリッド分数調波キャンセラ
コーデック106に供給するデジタル干渉成分を分数調波推定量ブロック130によって発生させる処理について、ここで図4と5を参照して説明する。図4に示すように、分数調波推定量130は掛算器ブロック128から出力されるデジタル信号の数列である入力デジタル信号x(k)を受信し、そしてその入力信号からデジタル信号xi(n)のM個の部分列を形成する。ここで、iは0、1、2、・・・、M−1、Mであり、Mは1より大きい整数である。部分列xi(n)は入力信号の「多相分解」として知られ、入力信号x(K)をM−1個の遅延素子150−1乃至150−(M−1)のカスケード接続に適用することにより形成される。入力信号x(K)と遅延要素150−1乃至150−(M−1)からのそれぞれの出力はM重分解ブロック152−0乃至152−(M−1)にそれぞれ供給される。各分解ブロック152は、出力部分列xi(n)がFsample/M)に等しいサンプリング速度(ここで、Fsampleは入力信号x(k)のサンプルレート)を有するようにそれぞれの入力数列をサブサンプル化する。さらに、部分列は、x0(n)=x(k)、x1(n)=x(k−1)、x2(n)=x(k−2)、・・・、xM-1(n)=x{k−(M−1)}であるように入力信号と関係がある。さらに、このケースの場合、x0(n+1)=x(k+N)、x1(n+1)=x(k+N+1)、x2(n+1)=x(k+M+2)、・・・、xM-1(N+1)=x(k+1)等である。
図5は、デシメータ(分解子)152によって形成されるM個の部分列の行列表示である。図5において、M行の各行は部分列の各1つを表し、図5の指標mは部分列xiの指標に相当する。図5の行列の行数はMであり、デシメータ152によって構成される部分列の数に対応し、他方、行列の列数は任意に長く、生じる部分列と同様に入力数列x(k)の不定長さに対応している。図5の各列は入力信号の「フレーム」に相当し、ここでフレームは時間周期Tc=M・Tsを有し、Ts=1/Fsample・Tcは呼掛け信号Foに相当する。
再び図4に言及して、分数調波推定量130は部分列推定ブロック154−0乃至154−(M−1)を含む。部分列推定量154のそれぞれが分解ブロック152−0乃至152−(M−1)によって構成される部分列の各1つを処理し、推定信号
のそれぞれの数列を形成する。結果として生じる推定部分列
のそれぞれは、アップ・サンプリングブロック156において、入力信号x(k)と同じサンプリング速度を有する部分列へ変換される。これは、値「0」を持つM−1個のサンプルをそれぞれの部分列
の各サンプル間に挿入することによってなされる。アップ・サンプリングブロック156−0によって形成された結果として生じているサンプル化された部分列は、遅延要素158−1乃至158−(M−1)と加重ブロック160−1乃至160−(M−1)によって結合され、分数調波推定量ブロック130からコーデック106へ出力されるデジタル推定信号
を構成する。デジタル推定信号は入力信号x(k)と同じサンプリング速度を有する。
デジタル推定信号
は、電力線信号Fpとシステム送信周波数Foの相互変調と、それらの2つの信号の調波によってできた干渉成分の推定であることを意図するものである。故に、干渉成分が周波数Fsubharmonicで実質的に周期的であると仮定される。ここで、Fsubharmonicは調波としてFpとFoの両方を持つ最大周波数である。分数調波推定量130で形成した部分列Mの数は、Fsample÷Fsubharmonicにより得られる。加算ジャンクション102に供給された入力信号がFsubharmonicで周期的な干渉成分の合計であり、かつ、ワイドセンス定常の白色ガウス雑音であると仮定すれば、部分列xi(n)は、加算されたワイドセンス定常の白色ガウス雑音に対して一定になる。この仮定は、他の信号成分もジャンクション102への入力信号内にまた存在しているという意味で正しくないことが知られているけれども、分解ブロック152−0乃至152−(M−1)によって分解される分解は、部分列内の雑音がほぼ白色であるように他の信号成分にエーリアシングをもたらす。各部分列推定ブロック154−0乃至154−(M−1)の目的は、雑音でだめになった絶え間のない部分列xi(n)から絶え間のない部分列推定
を推測することである。
入力信号x(k)が加算ジャンクション102に供給したフィルタ処理済みアナログ信号に対応せず、むしろ、それからアナログ推定干渉信号を取り去ることによって作り出された信号に対応するので、部分列推定ブロック154−0乃至154−(M−1)は再帰的に部分列推定
を構成しなくてはならない。例えば、各部分列推定ブロックによって行われる処理は公式
に従うこととすることができる。ここで、αiは、推定量の、追跡速度又は時間定数はもちろん、帯域幅を制御するパラメータである。好ましくは、各推定ブロックは他と同様に作動し、αiは同じ値であり、すべての部分列推定量に対して、例えば、0.01である。
分数調波推定量130とジャンクション102を含む帰還ループは、FpとFoの調波はもちろん、FpとFoの相互変調に対応している干渉成分を減衰させる櫛型ノッチフィルタとして機能する。Fp=60Hz、Fo=73.125Hz、Fsample=18.72kHzである場合、Fsubharmonic=1.875Hz、M=9984である。
入力信号が衝撃雑音又はEASマーカーの存在若しくは(買い物カードのような)EASマーカーに似た物によって乱される場合に分数調波推定量130の性能を改善するために、これらの状況を示す抑制信号が以下に説明する処理によって発生され、そして、抑制信号に応答して、部分列推定量154−0乃至154−(M−1)が部分列推定信号
をアップデートすることを抑制される。その結果、周期的なデジタル推定信号
は、抑制信号が維持されている間は、本質的に凍結される。
ハイブリッドAGCループ
推定量130と加算ジャンクション102で実行されるハイブリッド分数調波消去ループは十分に相互変調干渉と他の干渉成分を減衰させるから、A/Dコンバータ126においてデジタル化のために提供された信号の信号対雑音比は十分に改善され、そしてデジタル化の前に信号レベルを引き上げてデジタル化の結果生じる量子化雑音の相対レベルを減らすことが可能である。その目的のためにハイブリッド利得制御ループはDSP回路108内のAGCブロック132によって実行される。AGCブロック132はコーデック106内の可変増幅器ブロック124を駆動する。
ブロック132において実行されるAGC処理について、ここで図6に言及して説明する。
図6からわかるように、アナログ−デジタル変換器126(図3)から出力されたデジタル信号の数列の絶対値が絶対値ブロック200において得られる。得られた絶対値信号は遅延要素202−1乃至202−255の縦続接続に入力される。絶対値信号はまた、遅延要素202の出力側から送り出された信号とともに、最大値ブロック204に供給される。最大値ブロック204はその入力として与えられた信号のうちの最大値をその出力として供給する。最大値ブロック204から出力された信号は分解ブロック206においてダウンサンプルとされる。遅延要素202の数と、分解ブロック206において行われたダウンサンプリングの度合いは、システム発信器信号(すなわち、呼掛け信号)のサイクル又は「フレーム」を作り上げるサンプル数に相当する。73.125Hzの好ましい送信周波数と、18.72kHzの好ましいサンプリング速度の場合、信号サイクル毎のサンプル数は256である。ブロック200乃至206で実行された処理の効果はそれぞれの発信器信号サイクルに関して掛算器ブロック128の出力の最大値を得ることであることが認識されるであろう。最大値信号の数列は次にブロック208においてデジタル低域フィルタ処理を受け、そして次にフィルタ処理済みの値はブロック210において二乗される。ブロック212において、10xlog関数が適用され、そして次に利得レベル設定信号が加重ブロック214において、ブロック212から出力された信号から差し引かれる。本発明の1つの好ましい実施形態において、コーデック106(図3)のA/Dコンバータ126のフルダイナミックレンジを利用するために、目標値は10xlog10(16,384)2である。
さらに図6に言及し、加重ブロック214からの出力はウインドウ機能ブロック216に入力として供給される。最大値(ブロック212の出力信号によって表される)が設定信号から2dB以上違っていないことを加重ブロック214の出力信号が示すならば、ウインドウ機能ブロック216の出力は0である。もし最大値が設定信号から2dBを越えて下回るならば、ウインドウブロック216の出力は+1である。もし最大値が2dBを越えて設定信号を上回るならば、ウインドウ機能ブロック216の出力は−1である。ウインドウ機能ブロック216の出力信号は、加重ブロック218と、限界機能ブロック220と、遅延素子222とから成る積算器に蓄積される。限界機能ブロック220は積算器の出力をゼロ以上(0を含む)15以下の整数に制約する。遅延要素222の出力によって表される積算器出力は、従って、ZOH(セロオーダ保持)ブロック224において保持されるゼロオーダーであり、その効果はブロック226において1.5倍の大きさ(スケール)に調整される。その結果、AGOループは0−22.5dBの利得範囲を有する。スケール調整ブロック226の出力は可変増幅器124(図3)に直接入力される。スケール調整ブロック226の出力はブロック228においてまた逆数に変換され、掛算(器)ブロック128において適用される係数として供給される。これは、その信号を可変増幅器124のすぐ上流に存するレベルに復活させるためである。
電力線成分の消去
電力線周波数Fpの調波に対応する干渉成分を更に減衰させるブロック134(図3)の作動についてここで説明する。図7に示すように、Fpキャンセラ134によって行われる処理は、Fp干渉成分の推定(この推定処理は図7のブロック230によって表されている)と、ブロック232に示すように、入力信号から推定干渉成分を除去することを含む。
Fp推定量ブロック230で行われる処理は、分数調波推定量130に関連して上に説明しかつ図4で示すものと同じ一般的なタイプのものである。分数調波推定量の場合のように、Fp推定量230はその入力信号x(k)として掛算器ブロック128において形成された信号を受け取り、その入力信号からM個の部分列を形成する。部分列推定信号
は各部分列x(n)を処理することによって形成される。次に部分列推定はM重にアップサンプルとされ、このアップサンプルとされた部分列推定は干渉成分推定信号
を生成するために互いに結合される。Fp推定量230と分数調波推定量130との相違は、形成された部分列の数にある。Fp推定量のために、部分列Mの数は好ましくは、312であり、これはそれぞれの60Hzの電力線信号のサイクルにおいて生じるサンプルの数に相当する。各部分列推定信号
は、好ましくは、対応する数列xi(n)の平均の推定であり、この推定に到達する処理は回帰的である必要がない。なぜなら、入力信号が直接的に(かつ、分数調波消去ループについて本当であったように、成分消去が生じるポイントの下流でないところで)受信されるからである。Fp推定量230の好ましい実施において、各部分列推定量は次の伝達関数を有する低域IIRフィルタの形式をとる。
前と同じように、パラメータαはフィルタのバンド幅を設定する。好ましくは、このパラメータαはユーザ・インタフェース112(図2)を介してシステムオペレータによって設定することができる。パラメータαは、例えば、0≦α≦0.5の範囲に調節可能であり、αの典型的な値は0.01とすることができる。その他の部分列推定技術(例えば、FIRフィルタ処理)を利用することも可能である。上述のIIR部分列推定量と、0.01のようなαの小さい値を使って、Fpキャンセラは60Hzの調波において狭阻止帯を備えた櫛型ノッチフィルタとして機能する。入力信号が分数調波推定量130に関連して上に論じたタイプの妨害に特に敏感ではないので、Fpキャンセラの部分列推定量を抑制することを選択する必要はない。
基準値を下にした雑音消去
上記の通り、ブロック140において、Fpキャンセラブロック134から出力されたデジタル信号に対して基準信号を下にした消去がなされる。雑音を含んでいる入力が入力信号内の雑音に相関する雑音を含む「基準値」入力を下にした入力信号から雑音成分を消去することは、例えば、Widrow他による、Proceedings of the IEEE, vol. 63, no. 12,1975年12月号第1692−1716頁に記載された「Adaptive Noise Cancelling: Principles and Applications(雑音消去の適応:原理と応用)」に説明される公知の技術である。基準値を下にした雑音消去に関する従来のアプローチの1つを選択することは当業者の能力の範囲内であり、従って基準値キャンセラブロック140のさらなる説明は省略する。
発信器信号成分消去
基準値キャンセラブロック140の出力側で得られた信号はFoキャンセラ(ブロック)142に入力として提供される。Foキャンセラは図8に示され、多くの点で上に説明されたFpキャンセラに類似している。図8に見られるように、Foキャンセラ142は、システム送信機周波数Foの調波に相当する干渉成分を推定する処理(この推定処理はブロック234によって表される)と、この処理の後に行われ除去ブロック236によって表される、その推定成分を入力信号から除去する処理を含む。
Fo推定量234は、部分列の異なった数に関してではあるが、Fp推定量に関連して説明された処理に類似する処理を行う。特に、発明の好ましい実施形態において、Fo推定量は256の部分列(すなわち、M=256)を形成し処理する。ここでも各部分列xi(n)の平均の推定を表す信号
が各部分列に関して形成され、各部分列平均を推定する技術Fp推定量に関連して説明した技術と同じとものとすることができる。しかしながら、Fo推定量においては、より高いエネルギー部分列でより速い応答を与えるために部分列から部分列まで異なる部分列推定量を使うことが好ましい。従って、好ましい部分列推定量は次の形式を備える。
ここで、αはすべての部分列推定量で用いられる利得パラメータであるが、「過剰利得プロフィール」として知られるαiは部分列推定量の間で変化する。前と同じように、αは、好ましくは、使用者がプログラムでき、αiは、最も高いエネルギー部分列(送信機信号サイクルの峰に近いもの)の場合0.025といった値に等しく、他の部分列の場合αi=0である。過剰利得プロファイルαiと、部分列と、送信信号サイクルとの関係を図10に概略的に示す。図10に示すように、曲線238は入力信号レベルを示し、線240は過剰利得パラメータαiの値を示す。
分数調波推定量130の場合のように、F0推定量234に抑制信号が選択され供給される。抑制信号のいずれか1つが与えられると、利得パラメータαは各部分列推定量に対して0に設定され、これにより、各部分列推定量を「凍結」し(即ち、各部分列推定量によるアップデートを抑制し)、あるいは、各部分列推定量の応答時間を増大させる。
Foキャンセラのバックアップ推定量
本発明の好ましい実施形態において、推定量234(図8)が除去ブロック236に供給されるFo干渉成分の推定を更新するのを妨げられるときでさえ、バックアップ推定処理は作動し続ける。バックアップ推定処理は、バックアップ推定量が除去ブロック236から出力された信号に作用することを除き、推定量234と同じ方法で作動し、そして、バックアップ推定量はその作動が抑制信号によって妨げられることがない。もし推定量234がその推定をアップデートすることを所定時間以上妨げられるなら、推定量234によって与えられた「凍結された」推定にバックアップ推定量の出力推定信号が加えられてFo干渉成分の「瞬間的な」更新を与える。このアップデートされた推定は、Fo推定量142へ入力された信号から除去ブロック236において除去されるために除去ブロック236に提供される。
また、Foキャンセラ142において2つのバックアップ推定処理を供給することと、その2つのバックアップ推定量の間を「行ったり来たり(トグル)する」ことを意図し、それにより、1つのバックアップ推定量が連続的に残余の干渉成分の推定を更新するのに対して、他のバックアップ推定量による、その成分の推定は「凍結される」。所定ピリオドが経過し、そして第1バックアップ推定量が主推定量を更新するために使われるとき、第1バックアップの出力は凍結され、第2バックアップはアクティブバックアップとして作動する。このようにして、推定を選択的に更新することが生じると共に、前の残余の干渉成分推定に関する情報もまた維持される。
デジタル信号調整
再び図3に言及して、Foキャンセラブロック142から出力された信号(この信号はシステム動作周波数に対応する減衰させた干渉成分を持っていた)はデジタル信号調整(信号処理)ブロック144に供給され、ここで更なるフィルタ処理が実行される。例えば、発明の好ましい実施形態にあっては、ブロック144はカスケード接続された、3つのプログラム可能なシングルトーンノッチフィルタと、櫛型中間数フィルタと、線形櫛型バンドパスフィルタを含む。
3つのプログラム可能なシングルトーンフィルタは、例えば他のタイプのEASシステムの近くに置かれているという理由により呼掛け信号ゾーン内に存在するかもしれないシングルトーン干渉を取り除くために有用である。
櫛型中間数フィルタは、本願発明の発明者のうちの2人の発明であって、同じく係属中の1996年4月22日に出願された米国特許出願第08/635,697で説明されている。簡単に言えば、櫛型中間数をフィルタ処理は、入力信号の多相分解を行い、その結果生じた各部分列に中間数フィルタ処理を適用し、フィルタ処理部分列を合成して入力信号と同じサンプリング速度を持つ出力信号を形成することによって達成される。櫛型中間数フィルタで形成された部分列の数は、好ましくは、上に説明したFoキャンセラで形成された部分列の数と同じである。部分列の中間フィルタ処理は好ましくは3つあるいは5つのサンプルウインドウを使って行われる。櫛型中間数フィルタは、もし取り去られないならば、線形櫛型バンドパスフィルタの下流において警報を鳴らす傾向がある衝撃雑音を取り除くために供給される。
線形櫛型バンドパスフィルタは、検出される標識信号の特有の周波数間の干渉を減衰させる周知の処理である。線形櫛型バンドパスフィルタの通過帯域はシステム発信器周波数Foの調波に対応するように選ばれる。
発明の好ましい実施形態において、櫛型中間数フィルタと線形櫛型バンドパスフィルタは、システムが異常な雑音環境に設置されない限り操作されることのないユーザが選択可能な特質のものである。これらの2つの櫛型フィルタの使用を避けることが好ましい。なぜなら、櫛型フィルタ処理は呼掛け信号サイクルと同期してジッタを生ずる標識信号を「ぼやかす」傾向があるからである。この現象とその効果を改善するための技術について次のセクションで論じる。
標識信号検出と推定量抑制
デジタル信号調整ブロック144から出力されたフィルタ処理済み信号はマーカー検出処理のためにブロック146へ供給される。ブロック146での処理において、標識信号が呼掛け信号ゾーン内に存在する確度を示す統計量を供給するためにある特定の処理アルゴリズムが実行される。
見ての通り、ブロック146での処理の結果、システムによって検出されるタイプのマーカーが呼掛け信号ゾーン内に存在すると決定されると、分数調波推定量130とFoキャンセラ142のFo推定量234は抑制される。ブロック146での処理はまた、推定量130,234が抑制される他の状態をも検出する。
ブロック146で実行される処理をここで、最初に図11に言及して、要約する。
ここで説明するEASシステムは上述の米国特許第4,660,025号で説明したタイプの調波EASマーカーと共に使用する意図であることが、更なる議論の目的のために、想定される。このタイプのマーカーは、以下において「Jタグ」として述べられる。マーカー検出処理によって実行される主機能は、そういったマーカーが呼掛け信号ゾーン内に存在することを検出し、かつ、警報条件を始動させて分数調波推定量130とFo推定量234の更新を抑制する信号を出力することである。例えばパーマロイで形成された能動素子を含む異なるタイプの調波マーカーが時々呼掛け信号ゾーン内に持ち込まれることもまた想定される。第2タイプのマーカーもまた呼掛け信号の調波周波数を生じさせるが、平均でJタグよりかなり高い出力信号レベルを有する。第2タイプのマーカーもまた検出されることは望まれるが、これは推定量130,234の更新を抑制する目的のみのためであり、警報(アラーム)を始動させるためではない。第2タイプのマーカーは以下に「Pタグ」として述べられる。
最後に、検出処理はわりと大きな振幅の調波信号を発生させるショッピングカートあるいは他の金属物の存在を検出するので、そういった物が呼掛け信号ゾーン内に存するとき、ここでも推定量130,234は干渉成分推定を更新することを抑制される。
検出処理ブロック146を構成する各ステップを図11に要約的に示す。これらのステップは、標識信号を追跡すること(ブロック300)、ブロック300において追跡した信号の波形から時間領域及び周波数領域のパラメータを計算すること(ブロック302)、時間領域及び周波数領域おパラメータから確度統計量を計算すること(ブロック304)、多数の候補標識信号について計算された確度統計量を下に最終確度統計量を確立すること(ブロック306)、経過時間毎の最終確度統計量を集積すること(ブロック308)、警報始動信号を選択し出力して分数調波推定量130とFo推定量234に適用される信号を抑制するために集積確度統計を下に状態マシーンを作動させること(ブロック310)を含む。
標識信号追跡ブロック300において、複数の信号特性のそれぞれの信号特性が標識信号であるかどうか決定する目的のために複数の信号特性が同時に追跡される。好ましい実施形態において、限定できるならば最大で4つまでの特性が追跡される。追跡の限定をするために、信号特性はしきい値の上のピーク値を有する必要があり、かつ、追跡されているもう1つの特性に位相があまり近くあってはならない。なるべく、しきい値は、システム呼掛け信号のサイクルに対応する1セットのデータポントである各信号フレームに関して更新される。
しきい値を設定するアルゴリズムを図15に概略的に示す。ブロック502、504及び506に示すように、各サンプルピリオドに関して左と右のチャンネルの絶対値は比較され、そしてこの2つのうちの大きいほうが選択される。各信号フレームに関する選択された256のサンプルの中から大きい値の周りにウインドウを持たない最も大きい8つの値が見いだされれ(ブロック508)、この8つのうちの最も小さい値は所定の最小しきい値と比較される(ブロック510,512)。所定の最小しきい値と8番目に大きい値のうちの大きい値のほうが信号候補を限定するためにしきい値として選ばれる。好ましい実施形態において、最小しきい値は使用者によって選択される。最小しきい値のための適当なデフォルト値は25ミリボルトである。
マーカーが存在するとき、信号フレームの各半分に通常1つの標識信号(時々「スイッチ」と呼ばれる)がある。それぞれのフレームで最高4つの標識信号候補を追跡することによって、両方のスイッチの追跡を持続することは可能である。但し、フレーム内にはおよそ2本の雑音スパイクが存在する。
4つの標識信号追跡機能のそれぞれが3つのモード、即ち、「再起動」、「追跡」、「スキップ」のうちの1つで作動する。図12は、これらのモードの相互関係を示する状態説明図である。
4つのすべての追跡機能は、EASシステムが初期化され若しくはリセットされるとき、又は警報条件若しくは抑制条件が終了したとき、追跡モード312に入る。4つのすべての追跡機能が同時に再起動するとき、最小しきい値よりも上にあり、かつ、お互いに十分に離れた4つの最大ピークが追跡される。候補として限定された候補信号(すなわち、限定ピーク)が再起動モードである追跡のために準備されると、追跡器(トラッキング装置)は、314に示すように追跡モード316に移行する。
候補として限定されるために、信号ピークは順応しきい値の上になければならず、かつ、2つの連続したフレームの所定位相ウインドウ内になければならない。限定されるピークがないなら、318で示すように追跡器は再起動モードのままであり、すでに追跡されたピークから所定位相距離内にない残りの大きなピークの追跡を行う。
追跡器が追跡モード316であるとき、320において示すように、同じ候補信号の追跡は、候補信号が順応しきい値の上にありかつ位相ウインドウ内にある限り続行される。追跡されている候補信号が1つのフレーム内になくなると、追跡器は、経路324に示すようにスキップモード322に移行する。スキップモード322において追跡される信号の統計量は前の信号フレームから変化せずに持続される。追跡される信号が第2フレームからなくなると、追跡器は経路326に示すように再起動モード312移行する。さもなければ(すなわち、候補信号がただ1つのフレームだけなくした後の状態に戻るならば)、追跡器は328に示すようにスキップモード322から追跡モード316に戻る。
各追跡機能によって供給された主出力は、追跡機能によって追跡された標識信号候補を表す波形を均したものである。波形均し機能を図13に概略的に参照番号400で示す。図13からわかるように、均し機能は、64個のサンプルの1ウインドウ上に実装されかつ16個の信号フレームに対して実行される櫛型帯域フィルタである。低域通過フィルタ処理は64個の部分列のそれぞれに対して行われる。
上に示すように、呼掛け信号サイクルに対する標識信号候補の位相(phase)が変化するか、あるいは(しばしばそうであるように)信号フレームから信号フレームまでその位相に「ジッタ」が生じるなら、均し機能400の出力は、標識信号候補のピークが十分に減じられかつぼやけたものとなる。図18(a)は多数の信号に対する多大な位相ジッターを抑制する入力標識信号候補を示し、図18(b)は均し機能400から出力され結果として生じている均し済み波形を示す。機能400によって行われる櫛型処理が入力信号のピーク値を大きく減衰させると共に、また出力に非常にぼやけたピークを作り出したことが図18(b)からわかる。標識信号候補内の位相ジッターを埋め合わせるために、均し機能400に対する入力ウインドウのタイミングは、ウインドウが標識信号候補の位相を「追跡する」ように、呼掛け信号サイクルに対して調整される。位相調整処理を図16に概略的に示す。
標識信号候補が最初に識別されるとき、ピーク値に対応するサンプルは標識信号候補の位相であるとされ、均し機能400に関する入力ウインドウのタイミングは、図13に示すように、ピークサンプルがウインドウ内の20番目のサンプルであるように最初に設定される。その後、ウインドウのタイミング又は位相が調整され標識信号候補の位相の推定された変化に従う。図16からわかるように、均し機能400(図16において「主波形推定量」という)に加えてこの処理に使われる複数の機能的な処理ブロックは高速波形推定量402、位相調整ブロック404、位相チェックブロック406及び相関ブロック408である。高速波形推定量402の出力は標識信号候補の位相の急速に更新された推定を供給するために使われる。図17に見られるように、高速波形推定量402は、好ましくは、短時定数を有しかつ標識信号候補の推定位相位置に集中した9つのサンプルの1ウインドウに関して作動する櫛型フィルタとして実相される。結果として生じた9つの部分列のそれぞれは次式によって回帰的にフィルタ処理される。
y′[m、n]=αx[m]+(1−α)y′[m、n−1]
本発明の好ましい実施形態において、αは0.1とされる。最初に、高速波形推定量402の「中央タップ」は標識信号候補のピークに対応するサンプルにおいて調整される。すなわち、高速波形推定量402に対する入力を選ぶ9-サンプルウインドウは、図17に見られるようにウインドウ内の5番目のサンプルがx(phase)であるように信号フレーム内に置かれる。
相関ブロック408は、高速波形推定量402の出力と、次式に従った入力信号(すなわち、現在の信号フレーム)の適切な部分に関して作動する。
ここで、パラメータlは、標識信号候補の位相の変化を検出するため、−5から5までの範囲で連続的に割り当てられる値である。上式において、phase(n)は現在の信号サイクルにおける推定量400,402の入力ウインドウに対してを使われる標識信号候補の位相の推定、x()は入力信号(現在の信号フレームからのサンプル)、y′()は高速波形推定量402の部分列フィルタの1つによって供給される出力、iはサンプル指標である。xcorr(l)の最大値に対応するどのlの値でも相関ブロック408の出力遅延lag(n)として供給されて位相調整ブロック404への入力となる。位相調整ブロック404に対する追加入力が位相チェックブロック406によって供給される。位相チェックブロック406は高速波形推定量402から出力された推定波形に作用し、標識信号候補の波形形状の変化にうまく対処するために供給される。位相チェックブロック406は、高速推定量402から出力された波形推定のピークが5番目のサンプル以外の位置にあるかどうか決定する。もしそうであるなら、次に、そのピークの振幅が5番目のサンプルの振幅より6dB以上より大きいか否かが位相チェックブロック406で決定され、この場合、ピークサンプルの指標から5が差し引かれて位相チェックブロック406の出力dphase(n)を作り出す。結果として生じる出力dphase(n)は位相調整ブロック404に入力として供給される。位相調整ブロック404において、次の信号フレームで使われる標識信号候補の位相の推定は次式に従って与えられる。
phase(n+1)=phase(n)+lag(n)+dphase(n)
更新された推定位相は次に、入力ウインドウの推定量400と402の両方に対する「舵取り」のために使われる。特に、波形均し器400に対する入力ウインドウのタイミングは、信号フレームn+1においてphase(n+i)における主ピークが前のフレームに関して対応するサンプルに対してラインアップされるように調整される。高速推定量402に関して、入力ウインドウは、ウインドウ内の5番目のサンプルがphase(n+1)に対応するように調整される。
図18(c)は、波形均し器400に対する入力ウインドウのタイミングに関する上述の調整についての図18(a)の入力信号に対する効果を示す。波形均し器400から出力されたフィルタ処理出力信号を図18(d)に示す。図18(d)に示すフィルタ処理済み出力信号と図18(b)に示す信号を比較すると、入力信号の位相調整により、より鋭い出力信号がもたらされることと、この出力信号において入力信号のピーク値の減衰がより少なかったことがわかる。
波形均し器400から出力された標識信号候補波形の均された推定は図11のブロック302において処理され時間及び周波数領域パラメータの両方を発生させる。右側及び左側受信アンテナチャネルの両方からの入力信号に対応する均された推定波形が使われる。
周波数領域パラメータは、ニューラルネットワーク処理アルゴリズムに対する入力として使用されることに適するように発生させられる。ニューラルネットワークマーカー検出処理に関し周波数領域パラメータ入力を発生させる技術は、本願と共通の発明者、共通の譲受人を持つ1995年1月27日出願の、発明の名称「Method and Apparatus for Detecting an EAS Marker Using a Neural Network Processing Device(ニューラルネットワーク処理装置を用いてEASマーカーを検出する方法と装置)」で説明されている。米国特許出願第08/379,262号の開示は参考としてここに含まれるが、本発明の好ましい実施形態で実行されるように、周波数領域パラメータの使用に関するある特定の詳細を今ここで説明する。
初めに、ウインドー処理が左右チャンネルのそれぞれに提供された64-サンプル長さの推定波形に適用される。非対称のウインドウが使われ、このウィンドウにおいて、最初の8つのサンプルが16サンプルブラックマン-ハリス(Blackman-Harris)ウインドウの最初の半分(第1ハーフ)に従い形成され、次の24サンプルが波形均し器から出力されて続く。ウインドウの最終の32サンプルが64サンプルブラックマン-ハリスウインドウの第2ハーフとして形成される。このウインドウは、ウインドウの第1ハーフにおいてピークが現われる典型的な標識信号に対して合わされ、自然発生した応答が終わりに向かう。ウインドウは波形の初めあるいは終わりに存在するどんな鋭いエッジでも減らすために働く。
ウインドー処理の後に、右及び左のチャネル信号(これらは実数列である)は、ひとつの複合数列として取り扱われ複合高速フーリエ変換(FFT)がなされ、そして結果として生じた係数データは左右数列のそれぞれの係数セットに分離される。パワースペクトルが左右チャンネルのそれぞれに関して計算され、次に両チャンネルに関して結果として生じたパワースペクトル統計量が一緒に合計される。次に、それぞれ約1kHz幅の複数の周波数ビンが3つの隣接した係数を合計することによって形成され、0から約7kHzのレンジをカバーする7つの周波数チャンネル統計量を構成する。7つのチャンネル統計量を構成するために使われない高い周波数係数は捨てられる。第1及び第3乃至第7のチャネル統計量はそれぞれ第2チャネル(および周波数範囲1-2kHzに相当)の統計量によって分割され、そしてそれぞれの比の平方根がニューラルネットワークに入力のために準備ができている6つの周波数領域パラメータを作り出すためにとられる。
ブロック302において計算された時間領域パラメータは、送信機信号サイクルに対する標識信号候補の位相と、標識信号候補の位相速度と、その位相速度の絶対値と、候補信号波形のエネルギと、前の信号サイクルで追跡されたように信号に対する入力候補信号の相互関係と、絶対振幅と、パルス幅及びパルス波形を含めた波形形状とに関連する。
標識信号候補の位相は、上に論じたように決定され、サンプルにおいて測定される。
速度はサイクルからサイクルに渡り位相変化の関数である。ブロック302で供給された速度パラメータは多数のサイクルにおいての平均位相変化であって、そしてサイクル毎にサンプルについて測定される。
速度パラメータの絶対値は位相変化のサイン(向き)を無視することによって計算されており、同様に多数サイクルについて平均されサイクル毎にサンプルについて測定される。
相関係数は、図13の波形均し機能に対する入力として与えられる信号と、波形均し機能によって与えられる均し済み出力を下に計算される。
波形状係数のパルス幅部は、出力信号における各64サンプル位置の左右チャネルのそれぞれのサンプルを合計し、そして次に、その合計されたサンプルの主ピークの両横のゼロ交叉点間の距離を決定することによって計算される。パルス波形統計量は主ピークに続いて過度に大きい第2ピークが存在するかどうか決定する。
満足なパルス幅は3サンプルより大きくかつ14サンプルより小さくとられ、主ピークが主ピーク値の振幅の.75以上ではなくなった後に最も高いピークが20サンプル以降に発見されたならば満足なパルス波形は存在する。「1」の値は、パルス幅とパルス波形特性の両方が満足される場合に限り、波形状係数に割り当てられる。
ブロック304の確度計算は、上に示すように計算された周波数領域パラメータにニューラルネットワーク処理を適用することによって行われる。ニューラルネットワーク処理は、発明の好ましい実施形態において、上に参照した米国特許出願第08/379,262号で説明される3層知覚を使用して行われる。ニューラルネットワークは、「生きた」データに作用する前に、JタグとPタグから集められたデータと、これらのタグがないときに集められたデータとを使うことによって教え込まれる。ニューラルネットワーキング処理の出力は、2つの統計量、即ちJタグが存在するときの確度係数と、Pタグの存在するときの確度係数から成り立つ。両確度係数は0から1の範囲である。
ブロック304において計算されたもう1つの確度係数は「TIME_LF」として言及される。TIME_LFは、6つの時間領域に関連したパラメータのそれぞれが資格を取得するためのそれぞれの基準を満たすときのみ値「1」を割り当てられ、それ以外は、値「0」が割り当てられる。TIME_LFが値「1」を持つためには、(a)位相パラメータは送信信号サイクル内の所定ウインドウ内になければならない、(b)速度パラメータは所定の値以下でなければならない、(c)スイッチ候補波形のエネルギは所定係数(例えば、9dB)だけ暗雑音レベル以上でなければならない、(d)波形のエネルギレベルに基づいて調整された後の絶対値速度値は所定のしきい値以下でなければならない、(e)波形状係数は値「1」を持っていなくてはならない、かつ、(f)相関係数パラメータは所定のしきい値を超えていなくてはならない。
周波数領域パラメータのニューラルネットワーク処理のほかに、また、時間領域で集まった信号振幅とエネルギーパラメータのニューラルネットワーク処理がある。本発明の好ましい実施形態において、4つの別個の多層知覚(MLP)は、エネルギー及び振幅パラメータがJタグあるいはPタグの存在を示しているかどうか決定するために使用される。パラメータは左右両側受信アンテナに関してとられる。Jタグの場合、もしタグが両側アンテナのほぼ途中にあるなら、比較的低い信号エネルギ及び振幅が両方のチャネル内に存在するであろう。もしJタグが一方のアンテナに近いなら、そのチャネルにはむしろ高レベルが供給され、他のチャネルには低いレベルが供給される。もし比較的高いエネルギー又は大きい振幅が両方のチャンネルに存在するなら、Jタグは存在できない。故に、JタグのすべてのMLPはそれぞれ、エネルギと振幅パラメータがJタグによって供給されるものであるかどうかを決定する。Jタグの各2つのMLPは、それぞれ信号の振幅とエネルギがタグ領域にあることを示す出力「1」、あるいは、それ以外の場合の出力「ゼロ」を生じさせる。Pタグ領域はJタグ領域と同じ形状を有するが、振幅とエネルギの両方に関しもっと高い信号レベルが許容される。前と同じように、PタグのすべてのMLPは「1」又は「0」を出力する。もし信号チャネル出力が、左右両方のチャネル信号が比較的高くて、そのためJタグとPタグのいずれも信号を生み出すことができないようであるならば、買い物カートのような何か別の金属物が恐らく呼掛け信号ゾーン内に存在する。
4つのスイッチ追跡器(トラッキング装置)によって追跡された各標識信号候補に関してJ_PROB、P_PROB、SWITCH_LF及びPHASEの4つの出力が存在する。
いずれかのTIME_LFがゼロであるか、Jタグ(すなわち、電力又は振幅)のいずれかの時間領域パラメータMLPの出力がゼロである場合にJ_PROBがゼロに設定される以外、スイッチ追跡器に関するJ_PROB出力は周波数領域ニューラルネットワーク処理によって出力されたJタグ確度係数に等しい。
同様に、TIME_LFがゼロ又はPタグのMLPのうちのいずれか1つが「0」を出力する場合、P_PROBはゼロに設定される。他の場合、P_PROBは周波数領域ニューラルネットワーク処理から出力されたPタグ確度係数に等しいが、JタグのいずれかのMLPがゼロを出力する場合には、周波数領域ニューラルネットワーク処理から出力されたJタグ確度係数の値で増大させられる。(後者の場合、周波数領域ニューラルネットワーク出力は、Jタグが存在し、かつ、Pタグは存在していなかったことを示し、また、前記増大結果はPタグが存在しているという正しい表示であると推定される。)
出力SWITCH_LFは、パラメータJ_PROBとTIME_LFと、その他の要素の加重(重み付け)合計として計算される。特にJ_PROBとTIME_LFに与える加重はそれぞれ0.25である。更に、上に説明した速度、絶対値速度及び電力レベル適格条件を満足するいずれのケースの場合にも0.05が前記合計に加算される。さらに、波形均し器によって与えられた推定波形のエネルギーがバックグランド電力レベルを所定の限界分(例えば、18dB)越えるなら、0.1が加重合計に加えられる。また、0から0.1までの範囲のフェーズ係数が加重合計に加えられ、大きな重み付けでもって搬送信号サイクルのゼロ交差に近いスイッチ候補信号が授けられる。TIME_LFがゼロのとき、J_PROBもまたゼロであることが指摘されるであろう。しかしながら、若干の他の要素がゼロでないかもしれず、また、その要素はSWITCH_LFの出力値をゼロレベルではないが低くするかもしれない。一般にSWITCH_LFの範囲は0乃至1.0である。
PHASE出力は、標識信号候補が搬送信号サイクルに比較してどこで落るかを単に示す。
追跡器機能によって追跡された4つの標識信号候補に関してすべての4つの出力が計算された後、図11のブロック306によって表されるアルゴリズムが実行され、データフレームに対する最終のJタグ及びPタグ確度統計量を提供する。アルゴリズムの第一ステップとして、それぞれの標識信号候補がそれ自身と他の各標識信号候補と対にされ、全部で10対が作り出される。次に、それぞれの対についてスイッチ対確度係数が次の基準に従って計算される。対のスイッチがお互いと異なっている(同じスイッチ対ではない)とき、2つのスイッチの位相差が90°以内であればスイッチ対確度は係数ゼロであり、それ以外であれば、2つの異なったスイッチの確度係数(SWITCH_LF)の合計の2分の1である。スイッチ対が同じであるとき、スイッチ確度係数は、問題のスイッチのスイッチ確度係数の2分の1である。これらの合計スイッチ対確度値は比較され、最大スイッチ確度を有する対が選択される。選択された対が同じスイッチ対ではないなら、その信号フレームの最終J_PROBは、その2つのスイッチの各J_PROB値の合計の2分の1とされ、また、信号フレームのP_PROBは、その2つのスイッチの各P_PROB値の合計の2分の1とされる。同じスイッチ対が選ばれるなら、フレームの信号フレームJ_PROB及びP_PROB値は、選択スイッチ対を作るためにそれ自身と対にされたスイッチに関する対応値の2分の1になる。
図11に示す検出処理は次に積分ブロック308に進む。信号フレームJ_PROBは非線形性を受け、次に時間で積分される。この非線形性は、J_PROBが0.25かそれ以上であるとき、1.31x(J_PROB−0.25)の値を出力し、それ以外のとき、非線形性の出力は4x(J_PROB−0.25)である。積分器の出力は0乃至13の範囲に制限される。同じ非線形性と積分機能は信号フレームの最終P_PROBに関してまた実行される。
積分機能の出力は状態マシーン310(図11)を駆動するために使われる。状態マシーンの代表例を図14に示す。状態マシーンは4つの状態、即ち、初期化状態(状態330)、定常状態(状態332)、アラーム又は抑制状態(状態334)、買物カート抑制状態(状態336)を含むことがわかる。
システムが初期化され維持されるときに、経路0によって示すように初期化状態330に入り、初期化が完了する。初期化が完成すると、経路1によって示すように定常状態332に入る。
定常状態332において、Jタグ及びPタグ確率に関する積算器の出力はそれぞれの閾値に対して比較される。加えるに、4つの標識信号候補波形の何れがPタグの積であるにはあまりにも大きい電力レベルを示すかが決定される。これらのイベントのいずれも検出されないならば、経路2で示すように定常状態332が維持される。しかしながら、いずれかのJタグ閾値を越える場合、あるいは、Pタグ閾値を超える場合、経路3によって示すようにアラーム又は抑制状態324に入る。
アラーム又は抑制状態324において、先に述べた通り、抑制信号は分数調波推定量130とFo推定量234に与えられる。加えるに、Jタグ閾値を超えたためにアラーム又は抑制状態324に入ったならば、アラーム表示が表示器56(図2)に出力される。
Jタグ又はPタグ積分器出力が(ケースによって)閾値以上に維持される限り、そして、その後所定のタイムアウト時間が経過した後、アラーム又は抑制状態324は、経路5によって示すように維持される。積分器出力が閾値以下に落ちたあとの前記タイムアウト時間の経過の際に、積分器はリセットされ、抑制及び/又はアラーム信号が停止され、経路4で示すように、再び定常状態332に入る。
再び定常状態332を考慮すると、経路6は、4つのマーカー候補信号電力レベルのうちの1つがPタグの特性を示すレベルよりも上にある場合に生じる転移を示している。この場合、カート抑制状態336に入り、分数調波推定量130とFo推定量234に対する抑制信号が行使される。カート抑制状態336に入る原因となった条件がなくなり、そしてタイムアウト時間の間に再発しないならば、経路7で示すように、再び定常状態332に入る。その他の場合、カート抑制状態336は、経路8で示すように維持される。抑制信号を行使することに加え、システムは、買物カートが呼掛け信号ゾーン内に存在していて、それを取り去るべきであるという表示を行うことによって、またカートに反応するかもしれない。
推定量更新の抑制
たった今上に論じたように、マーカー検出処理ブロック146は、状態マシーン310を介して、分数調波推定量130とFo干渉成分推定量234によって干渉信号成分の更新を抑制する抑制信号を選択的に供給する。分数調波推定量130とFo推定量234に対する追加の抑制信号源は、DSP回路108を通して実行される電力モニタ機能ブロック136である。電力モニタブロック136で続けられる処理は図9で概略的に示される。図9に示すように、掛算器ブロック128からのデジタル信号出力は2乗され(ブロック250)、次にデジタル低域通過フィルタ処理がなされる(ブロック252)。これにより生じた低域通過フィルタ処理されたデジタル信号は次に係数256によってダウンサンプルされ(ブロック254)、システムの現在のフレームの電力レベルを表す統計量である信号FPを与える。信号FPは次にブロック256において低域通過フィルタ処理され遅い平均された電力統計量信号を形成する。比較機能ブロック258は信号FPと信号SAPを比較し、フレーム電力統計量信号FPが6dB以上遅い平均された電力統計量信号SAPと違うとき、抑制信号を与える。比較機能ブロック258から選択的に出力された抑制信号は分数調波推定量130とFo推定量234の両方に与えられ、各干渉成分のそれらの機能によって推定を抑制する。電力モニタブロック136によって与えられた抑制の効果は、衝撃雑音が推定量130と234の動作を混乱させることを阻止することである。
再び図2に言及し、推定量130と234のもう1つの抑制信号源は、低域フィルタ118と、A/Dコンバータ120と、制御回路122とによって形成されるチャネルである。図2に示すように、プリアンプ38によって作り出されて前もって増幅されたアナログ信号は処理アナログ信号調整回路40から上流に取り出され、LPF回路118において低域通過フィルタ処理され、次にA/Dコンバータ120によってデジタル信号に変換される。この結果生じたデジタル信号はアンテナ36において受信された信号の基本的なレベルの変更を検出するために制御回路122によって処理される。信号の基本的なレベルが所定量以上増加するなら、抑制信号が制御回路122によって行使される。
推定量130,234は、上に説明した複数の抑制信号のいずれか1つが行使されたときに抑制されることが理解されるべきである。
信号調整、干渉成分の消去及び量子化ノイズの低減に関して本の発明に従って実行される方法を用いてマーカー検出処理ブロック146に与えた信号を処理し、信頼性の高い、従来のシステムでより誤警報を与えることが少ない、呼掛け信号ゾーン内のEASマーカーの存在を検出することができる。
ここで開示した実施例の利点は、図3に示す技術のすべてを実行しなくても得られることがわかる。例えば、分数調波推定量130及び加算ジャンクション102を使用するハイブリッド分数調波干渉消去ループと、Fpキャンセラ134と、基準キャンセラ140と、Foキャンセラ142と、デジタル信号調整ブロック144のうちの1つ又は2つ以上を使用しないことも考えられる。また、分数調波推定と消去を完全にデジタル式にDSP108内で実行することを考えることもできる。AGC処理ブロック132と、可変増幅器ブロック124を実装したハイブリッドAGCループもまた省略できる。さらに、干渉成分推定の更新を抑制することに関連して上に説明した特徴の1つあるいは2以上を省略することも考えられる。
ここまではシステムの好ましい実施形態を説明してきた。好ましい実施形態においてはシステムは73.125Hzの発信器周波数で作用するが、他の発信器周波数も考えることができる。特に、分数調波推定量が小さい値のMで稼働することができるように、発信器周波数は10Hzあるいは20Hzの比較的低い倍音として選ぶことができる。例えば、発信器周波数は80Hzとすることができたし、その場合Fsubharmonicは20Hzであり、そして分数調波推定量130のMは936となったであろう。代わりに、60Hzの発信器周波数を選択したなら、Fpキャンセラ134とFoキャンセラ142は、ハイブリッド干渉ループがあるので省略でき、分数調波推定量130はM=312で実行され、部分列推定量の間での若干の変化が分数調波推定量130を補う。しかしながら、80Hzあるいは60Hzのような発信器周波数を用いることはマーカー検出処理を変更することを望ましくすることに留意すべきである。
前述の装置に種々の変更をすることや、説明した実施例を変更することは、本発明から逸脱することなく可能である。特に好ましい方法と装置はこれらに限定する意味ではなく説明的なものである。本当の精神と発明の範囲は次の請求項で設定される。
Claims (66)
- 呼掛け信号ゾーンにおいて所定周波数で交番する呼掛け信号を生成し放射する手段と、
前記呼掛け信号ゾーンに存在する信号を受信するアンテナ手段と、
前記アンテナ手段によって受信した前記信号を表すアナログ信号から干渉を取り除く手段であって、前記アナログ信号からアナログ推定干渉信号を取り出して処理済みアナログ信号を形成する取り出し手段と、前記処理済みアナログ信号をデジタルサンプル数列に変換するA/Dコンバータ手段と、前記デジタルサンプル数列を処理して前記アナログ信号に含まれる干渉の推定を表すデジタル推定信号を形成するデジタル信号処理手段と、前記取り出し手段によって前記アナログ信号から取り出される前記アナログ推定干渉信号に前記デジタル推定信号を変換するD/Aコンバータ手段を含む取り除き手段とを、含んでなる電子式物品監視装置。 - 前記デジタル信号処理手段は、前記デジタルサンプル数列からM個の部分列を構成し(ここでMは1より大きい正の整数)、前記各M個の部分列のそれぞれの平均を推定し、前記M個の部分列の推定平均を結合して前記デジタル推定信号を形成することにより、前記デジタルサンプル数列を処理する請求項1に記載の電子式物品監視装置。
- 前記Mが、M=Fsample÷Fsubharmonicであり、ここで、Fsampleは前記A/Dコンバータ手段が前記デジタルサンプルを形成する速度であり、Fsubharmonicは調波としてFoとFpの両方を有する最大周波数であり、Foは前記呼掛け信号の所定周波数であり、Fpは電子式物品監視装置が稼働する環境における標準電力装置作動周波数である請求項2に記載のの電子式物品監視装置。
- 前記Fo=73.125Hz、Fp=60Hz、Fsample=18,720Hz、M=9984である請求項3に記載の電子式物品監視装置。
- 前記Fsubharmonicが10Hz以上である請求項3に記載の電子式物品監視装置。
- 前記デジタルサンプル数列を受信し処理して利得レベル信号を形成し、該利得レベル信号に従い利得を前記処理済みアナログ信号に適用する利得制御手段を更に含んでなる請求項1に記載の電子式物品監視装置。
- 前記利得制御手段は、前記デジタルサンプル数列に対して前記処理済みアナログ信号に適用される前記利得の逆数である利得を適用する請求項6に記載の電子式物品監視装置。
- 前記デジタルサンプル数列の特徴を検出し、該検出に応答して前記干渉消去手段が前記デジタル推定信号を更新することを選択的に妨げる抑制手段を更に含んでなる請求項1に記載の電子式物品監視装置。
- 前記検出されたデジタルサンプル数列の特徴は前記デジタルサンプル数列によって表される電力レベルである請求項8に記載の電子式物品監視装置。
- 前記検出されたデジタルサンプル数列の特徴はEASマーカーが呼掛け信号ゾーンに存在する確度を示す特徴である請求項8に記載の電子式物品監視装置。
- 前記干渉消去手段の上流に接続された入力側を有して前記アンテナ手段によって受信した前記信号を表す信号を受信する抑制手段であって、前記入力側で受信した前記信号の特徴を検出し、該検出特徴に従い前記干渉消去手段が前記デジタル推定信号を更新することを選択的に妨げる抑制手段を更に含んでなる請求項1に記載の電子式物品監視装置。
- 前記検出された特徴は前記入力側において受信した前記信号のレベルである請求項11に記載の電子式物品監視装置。
- 呼掛け信号ゾーンにおいて所定周波数で交番する呼掛け信号を生成し放射する手段と、
前記呼掛け信号ゾーンに存在する信号を受信するアンテナ手段と、
前記アンテナ手段によって受信した信号を表すアナログ信号に利得を与えて増幅アナログ信号を形成する利得増幅器手段であって、前記利得は前記利得増幅器手段に与える利得設定信号に従う利得増幅器手段と、
前記増幅アナログ信号をデジタルサンプル数列に変換するA/Dコンバータ手段と、
前記デジタルサンプル数列を処理して前記利得増幅器手段に与える前記利得設定信号を形成するデジタル信号処理手段とを、
含んでなる電子式物品監視装置。 - 前記デジタル信号処理手段は、前記利得増幅器手段によって与えられる前記利得の逆数である利得を前記デジタルサンプル数列に対して与える請求項13に記載の電子式物品監視装置。
- 前記A/Dコンバータ手段は符号器-解読器(コーダ・デコーダ)集積回路を含み、前記デジタル信号処理手段は前記符号器-解読器集積回路に接続されたデジタル信号処理集積回路を含んでなる請求項13に記載の電子式物品監視装置。
- 前記のデジタル信号処理手段は、
前記デジタルサンプル数列から該サンプル数列のレベル示すレベル信号を形成し、
前記レベル信号を所望のレベル設定と比較し、
該比較の結果に基づき前記利得設定信号を選択的に修正する
ようにプログラムされる請求項13に記載の電子式物品監視装置。 - 前記デジタル信号処理手段は、前記レベル信号が前記所望のレベル設定と所定量以上違わない限り、前記利得設定信号を修正しない請求項16に記載の電子式物品監視装置。
- 前記所定量は実質的に2dBである請求項17に記載の電子式物品監視装置。
- 呼掛け信号ゾーンにおいて所定周波数で交番する呼掛け信号を生成し放射する手段と、
前記呼掛け信号ゾーンに存在する信号を受信するアンテナ手段と、
前記アンテナで受信した前記信号を処理してデジタルサンプル数列を形成する第1手段と、
前記デジタルサンプル数列からM個(Mは1より大きい正の整数)の部分列を形成し、前記各M個の部分列のそれぞれの平均を推定し、前記M個の部分列の推定平均を結合してデジタル推定サンプル数列からなるデジタル推定信号を形成し、前記デジタル推定サンプル数列の各サンプルを前記デジタルサンプル数列の対応サンプルから取り出して処理済みデジタル推定サンプル数列を形成するデジタル信号処理手段とを、
含んでなる電子式物品監視装置。 - 前記デジタル信号処理手段は、前記各M個の部分列に対して低域通過フィルタ処理を行うことによって前記各M個の部分列のそれぞれの平均を推定する請求項19に記載の電子式物品監視装置。
- 前記Mは、M=Fsample÷Fsubharmonicであり、ここで、Fsampleは前記のデジタルサンプルが形成されるサンプリング速度であり、Fsubharmonicは調波としてFoとFpの両方を有する最大周波数であり、Foは前記呼掛け信号の前記所定周波数であり、Fpは前記電子式物品監視装置が稼働する環境における標準的な電力装置動作周波数である請求項19に記載の電子式物品監視装置。
- 前記Mは、M=Fsample÷Foであり、ここで、Fsampleは前記デジタルサンプルが形成されたサンプリング速度であり、Foは前記呼掛け信号の前記所定周波数である請求項19に記載の電子式物品監視装置。
- 前記Mは、M=Fsample÷Foであり、ここで、Fsampleは前記デジタルサンプルが形成されたサンプリング速度であり、Foは電子式物品監視装置が稼働する環境における標準的な電力装置動作周波数である請求項19に記載の電子式物品監視装置。
- 前記処理済みデジタルサンプル数列の特徴を検出し、該検出特徴に応答して前記デジタル信号処理手段が前記デジタル推定信号を選択的に更新することを抑制する抑制手段を更に含んでなる請求項19に記載の電子式物品監視装置。
- 前記検出特徴は前記処理済みデジタルサンプル数列によって表される電力レベルである請求項24に記載の電子式物品監視装置。
- 前記検出特徴は、EASマーカーが呼掛け信号ゾーンに存在しているという確度を示す特徴である請求項25に記載の電子式物品監視装置。
- 前記第1手段の上流側に接続された入力側を有し前記アンテナによって受信された信号を受信する抑制手段であって、前記入力側で受信した信号の特徴を検出し、かつ、該検出特性に応答して前記デジタル信号処理手段が前記デジタル推定信号を更新すること選択的に抑制する抑制手段を更に含んでなる請求項19に記載の電子式物品監視装置。
- 前記検出特徴は前記信号のレベルである請求項27に記載の電子式物品監視装置。
- 電子式物品監視装置によって受信した信号を処理することにより得たデジタルサンプル数列から干渉成分を除去する干渉消去装置であって、
前記デジタルサンプル数列からM個の(Mは1よりも大きい正の整数)部分列を形成する手段と、
前記各M個の部分列のそれぞれの平均を推定する手段と、
前記それぞれの推定平均を結合してデジタル推定サンプル数列からなるデジタル推定信号を形成する手段と、
前記デジタル推定サンプル数列の各サンプルを前記デジタルサンプル数列の対応サンプルから取り出して処理済みデジタルサンプル数列を形成する手段とを、
含んでなる干渉消去装置。 - 前記部分列形成、推定、結合及び取り出し機能を実行するようにプログラムされたデジタル信号処理集積回路を更に含んでなる請求項29に記載の干渉消去装置。
- 前記部分列を形成する前記デジタルサンプル数列は、前記デジタル信号処理集積回路に与えられる入力デジタル信号数列である請求項30に記載の干渉消去装置。
- 前記デジタル信号処理集積回路は該回路に与えられた入力デジタル信号数列を処理し、前記部分列を形成する前記デジタルサンプル数列を形成する請求項30に記載の干渉消去装置。
- 前記推定手段は、前記各M個の部分列に対してデジタル低域通過フィルタ処理を行う手段を更に含んでなる請求項29に記載の干渉消去装置。
- 前記Mは、M=Fsample÷Fsubharmonicであり、ここで、Fsampleは前記デジタルサンプル数列が形成されるサンプリング速度であり、Fsubharmonicは調波としてFoとFpの両方を有する最大周波数であり、Foは前記電子式物品監視装置が呼掛け信号を発生させる動作周波数であり、Fpは前記電子式物品監視装置が稼働する環境における標準的な電力装置動作周波数である請求項29に記載の干渉消去装置。
- 前記Mは、M=Fsample÷Foであり、ここで、Fsampleは前記デジタルサンプル数列が形成されるサンプリング速度であり、Foは前記電子式物品監視装置が呼掛け信号を発生させる動作周波数である請求項29に記載の干渉消去装置。
- 前記Mは、M=Fsample÷Fpであり、ここで、Fsampleは前記デジタルサンプル数列が形成されるサンプリング速度であり、Fpは前記電子式物品監視装置が稼働する環境における標準的な電力装置動作周波数である請求項29に記載の干渉消去装置。
- 呼掛け信号ゾーンにおいて所定周波数で交番する呼掛け信号を生成し放射する手段と、
前記呼掛け信号ゾーンに存在する信号を受信するアンテナ手段と、
前記アンテナ手段で受信した前記信号をフィルタ処理し前記フィルタ処理済みアナログ信号を形成するアナログ信号調整手段と、
前記フィルタ処理済みアナログ信号からアナログ推定干渉信号を取り去って処理済みアナログ信号を形成する取り去り手段と、
前記処理済みアナログ信号をデジタルサンプル数列に変換するA/D変換手段と、
前記デジタルサンプル数列からM1個(M1は1より大きい正の整数)の部分列を形成する手段と、
前記各M1個の部分列のそれぞれの平均を推定する推定手段と、
前記M1個の部分列の推定平均を結合して前記処理済みアナログ信号に含まれる第1干渉成分を表す第1デジタル推定信号を形成する手段と、
前記第1デジタル推定信号を前記取り去り手段によって前記フィルタ処理済みアナログ信号から取り去られる前記アナログ推定干渉信号に変換するD/A変換手段と、
前記デジタルサンプル数列からM2個(M2はM1とは異なる1より大きい正の整数)の部分列を形成する手段と、
前記各M2個の部分列のそれぞれの平均を推定する第2推定手段と、
前記M2個の部分列の推定平均を結合して前記デジタルサンプル数列に含まれる第2干渉成分を表す第2デジタル推定サンプル数列から成る第2デジタル推定信号を形成する手段と、
前記デジタルサンプル数列の対応サンプルから前記第2デジタル推定サンプル数列の各サンプルを抜き出して処理済みデジタルサンプル数列を形成する手段と、
前記処理済みデジタルサンプル数列と、雑音基準信号を受信し、かつ、該雑音基準信号に基づいて前記処理済みデジタルサンプル数列に雑音消去処理を施して第2処理済みデジタルサンプル数列を形成する基準値ベースの雑音消去手段と、
前記第2処理済みデジタルサンプル数列からM3個の部分列を形成するする手段であって、ここでM3は前記M1,M2と異なる1より大きい正の整数である手段と、
前記各M3個の部分列のそれぞれの平均を推定する第3推定手段と、
前記M3個の部分列の前記推定平均を結合して前記処理済みデジタルサンプル数列に含まれる第3干渉成分を表す第3デジタル推定サンプル数列から成る第3デジタル推定信号を形成する手段と、
前記第2処理済みデジタルサンプル数列の対応サンプルから前記第3デジタル推定サンプル数列の各サンプルを抜き取って第3処理済みデジタルサンプル数列を形成する手段と、
前記第3処理済みデジタルサンプル数列に対してデジタルフィルタ処理を施して第4処理済みデジタルサンプル数列を形成するデジタル信号調整手段と、
前記第4処理済みデジタル信号数列を受信し該第4処理済みデジタル信号数列から前記呼掛け信号ゾーンに電子式物品監視マーカーが存在する確度を示す確度信号を発生させる検出処理手段とを、
含んでなる電子式物品監視装置。 - 前記確度信号を受信し該確度信号を所定の閾値と比較し、該比較に基づいて前記第1及び第3推定手段が前記M1個の部分列と前記M3個の部分列の前記推定平均を更新することを選択的に抑制する抑制手段を更に含んでなる請求項37に記載の電子式物品監視装置。
- 前記A/D変換手段によって形成された前記デジタルサンプル数列の特徴を検出し、該特徴検出に応答して前記第1及び第3推定手段が前記M1個の部分列と前記M3個の部分列の前記推定平均を更新することを選択的に抑制する抑制手段を更に含んでなる、請求項37に記載の電子式物品監視装置。
- 前記デジタルサンプル数列の検出された特徴は前記デジタルサンプル数列によって表される電力レベルである請求項39に記載の電子式物品監視装置。
- 前記アンテナによって受信した前記信号の特徴を検出し該検出された特徴に応答し前記第1及び第3推定手段が前記M1個の部分列と前記M3個の部分列の前記推定平均を更新することを選択的に抑制する抑制手段を更に含んでなる請求項37に記載の電子式物品監視装置。
- 前記抑制手段は前記信号をアナログ形式で受信し、前記受信信号の前記検出特徴は前記信号のレベルである請求項41に記載の電子式物品監視装置。
- 前記部分列形成、平均推定、結合、サンプルの取り去り、雑音消去処理、デジタルフィルタ処理及び確度信号発生は、前記A/D変換手段に連結され該A/D変換手段からデジタルサンプル数列を受信する1つのデジタル信号処理集積回路によって行われる請求項37に記載の電子式物品監視装置。
- M1=9984、M2=256、M3=312である請求項37に記載の電子式物品監視装置。
- 前記デジタルサンプル数列を受信し処理して利得レベル信号を形成し、該利得レベル信号に応じて利得を前記処理済みアナログ信号に与える利得制御装置を更に含んでなる請求項37に記載の電子式物品監視装置。
- 前記利得制御装置手段は、前記処理済みアナログ信号に与えられる前記利得の逆数である利得を前記デジタルサンプル数列に与える請求項45に記載の電子式物品監視装置。
- ステップ電子式物品監視装置によって受信した信号から干渉成分を取り去る方法であって、
前記受信信号をフィルタ処理してフィルタ処理済みアナログ信号を形成し、
前記干渉成分の推定を表すアナログ推定信号を前記フィルタ処理済みアナログ信号から取り去って処理済みアナログ信号を形成し、
前記処理済みアナログ信号をデジタルサンプル数列に変換し
前記デジタルサンプル数列を処理し、前記干渉成分の前記推定を表すデジタル推定信を形成し、
前記デジタル推定信号を前記フィルタ処理済みアナログ信号から取り去られる前記アナログ推定信号に変換する
ステップを含んでなる方法。 - 前記デジタルサンプル数列を処理するステップは、
前記デジタルサンプル数列からM個の部分列(Mは1より大きい正の整数)を形成し、
前記各M個の部分列のそれぞれの平均を推定し、
前記M個の部分列の前記推定平均を結合して前記デジタル推定信号を形成する請求項47に記載の方法。 - 前記Mは、M=Fsample÷Fsubharmonicであり、ここで、Fsampleは前記デジタルサンプル数列が形成されるサンプリング速度であり、Fsubharmonicは調波としてFoとFpの両方を有する最大周波数であり、Foは前記電子式物品監視装置が呼掛け信号を発生させる動作周波数であり、Fpは前記電子式物品監視装置が稼働する環境における標準的な電力装置動作周波数である請求項47に記載の方法。
- Fo=73.125Hz、Fp=60Hz、Fsample=18,720Hz、M=9984である請求項49に記載の方法。
- 前記デジタルサンプル数列を処理して利得レベル信号を形成するステップと、前記利得レベル信号に応じて利得を前記処理済みアナログ信号に与えるステップとを更に含んでなる請求項47に記載の方法。
- 前記処理済みアナログ信号に与えられる前記利得の逆数である利得を前記デジタルサンプル数列に与えるステップを更に含んでなる請求項51に記載の方法。
- 電子式物品監視装置によって受信した信号を処理することによって形成したデジタル信号であって、デジタルサンプル数列から成るデジタル信号から干渉成分を消去する方法であって、
前記デジタルサンプル数列からM個の部分列(Mは1より大きい正の整数)を形成し、
前記各M個の部分列のそれぞれの平均を推定し、
前記M個の部分列の推定平均を結合して、前記干渉成分の推定を表すデジタル推定サンプル数列から成るデジタル推定信号を形成し、
前記デジタルサンプル数列の対応サンプルから前記デジタル推定サンプル数列の各サンプルを取り去る
ステップを含んでなる方法。 - 前記各部分列のそれぞれの平均を推定するステップは前記各部分列をデジタル低域通過フィルタ処理することを含む請求項53に記載の方法。
- 前記Mは、M=Fsample÷Fsubharmonicであり、ここでFFsampleは前記デジタルサンプル数列が形成されるサンプリング速度であり、Fsubharmonicは調波としてFoとFpの両方を有する最大周波数であり、Foは前記電子式物品監視装置が呼掛け信号を発生させる動作周波数であり、Fpは前記電子式物品監視装置が稼働する環境における標準的な電力装置動作周波数である請求項53に記載の方法。
- 前記Mは、M=Fsample÷Foであり、ここで、Fsampleは前記のデジタルサンプル数列が形成されるサンプリング速度であり、Foは前記電子式物品監視装置が呼掛け信号を発生させる動作周波数である請求項53に記載の方法。
- 前記Mは、M=Fsample÷Fpであり、ここで、Fsampleは前記デジタルサンプル数列が形成されるサンプリング速度であり、Fpは前記電子式物品監視装置が稼働する環境における標準的な電力装置動作周波数である請求項53に記載の方法。
- 電子式物品監視装置によって受信した信号に対して自動利得制御を行う方法であって、
利得設定信号に従い利得を前記受信信号を処理することによって形成したアナログ信号に与え、
前記利得が与えられる前記アナログ信号をデジタルサンプル数列に変換し、
前記デジタルサンプル数列を処理して前記利得信号を形成する
ステップを含んでなる方法。 - 前記アナログ信号に与える前記利得の逆数である利得を前記デジタルサンプル数列に与えるステップを更に含んでなる請求項58に記載の方法。
- 前記デジタルサンプル数列を処理するステップは、前記デジタルサンプル数列のレベルを表すレベル信号を形成し、前記レベル信号を所望のレベル設定と比較し、該比較の結果に基づき前記利得設定信号を選択的に変更することを含む請求項58に記載の方法。
- 前記レベル信号が前記所望のレベル設定と所定量以上違わないならば、前記利得設定信号は修正されない請求項60に記載の方法。
- 前記所定量は実質的に2dBである請求項61に記載の方法。
- 呼掛け信号ゾーンにおいて所定周波数で交番する呼掛け信号を生成し放射する手段と、
前記呼掛け信号ゾーンに存在する信号を受信するアンテナ手段と、
前記アンテナによって受信した信号を処理し、各サンプルフレームが前記呼掛け信号のそれぞれのサイクルに対応している複数のサンプルフレームの数列から成るデジタルサンプル数列を形成する手段と、
それぞれのサブセットが各呼掛け信号サイクル内で1ウインドウ周期に含まれるサンプルから成る、前記各サンプルフレームの各サブセットを順次選択するウインドウ手段であって、前記サンプルフレームの特徴に従って前記各呼掛け信号サイクルに対して前記ウインドウ周期のタイミングを調整するウィンドウ手段と、
前記ウインドウ手段によって順次選択された前記サンプルフレームサブセットを櫛型フィルタ処理する櫛形フィルタ手段とを、
含んでなる電子式物品監視装置。 - 前記ウインドウ手段は、前記各呼掛け信号サイクルに対し、前記各サンプルフレーム内に存在する標識信号の位相を推定する手段を含み、前記標識信号の前記推定位相に従って前記ウインドウ周期の前記タイミングを調整する請求項63に記載の電子式物品監視装置。
- 呼掛け信号ゾーンにおいて所定周波数で交番する呼掛け信号を生成し放射する手段と、
前記呼掛け信号ゾーンに存在する信号を受信するアンテナ手段と、
前記アンテナによって受信した信号を処理し、それぞれのサンプルフレームが前記呼掛け信号の各サイクルに対応する複数サンプルフレームの数列から成るデジタルサンプル数列を形成する手段であって、前記サンプルフレーム数列はそれぞれ、各呼び掛け信号サイクルに対してサンプルフレームからサンプルフレームへと同期して変化する標識信号を含む手段と、
前記各呼掛け信号サイクルに対して、前記サンプルフレームに含まれる標識信号の位相を推定する手段とを
含んでなる電子式物品監視装置。 - 前記推定手段は、前記サンプルフレーム内に含まれる前記標識信号を櫛型フィルタ処理して前記標識信号のフィルタ処理済み推定を形成するフィルタ処理手段と、前記標識信号の前記フィルタ処理済み推定を前記複数のサンプルフレームうちの現在のサンプルフレームの選択された部分と関連づける手段とを含んでなる請求項65に記載の電子式物品監視装置。
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