JP3875947B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に係り、特に、連続波ドプラモードを備える超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体組織に超音波を送信し、そのエコー信号を処理して表示する超音波診断装置では、生体組織の分布や構造を観察できる。また、それだけでなく、血管内の血流からの反射信号を検出しドプラ効果を用いて血流速度を計測することができるドプラ機能を持っているものが増えている。例えば連続波ドプラモードは、生体組織に対し連続的にドプラ計測用の超音波を送信し、そのエコー信号も連続的に受信して、血流の最高速度を検出する。
【0003】
かかる超音波診断装置において断層画像を得るBモードでは、複数の振動素子からなる超音波探触子により超音波ビームが形成され、この超音波ビームが電子的に走査される。この電子走査により一つの走査面が形成されてこの走査面から1フレームの情報が得られる。この電子走査を行うため、各振動素子ごとに設けられた送信回路により、各振動素子に所定量遅延された送信信号が生成されて供給され、各振動素子からの受信信号は、整相加算等の処理により受信信号相互間の位相差が受信回路により調整される。すなわち、各振動素子ごとに送信回路と受信回路が設けられる。そして、全振動素子の送信と受信により超音波ビームの電子走査を行い、例えば生体組織の断層画像を得ることができる。
【0004】
連続波ドプラモードを用いるときは、独自の回路構成に切替えられる。すなわち、超音波の送信と受信を連続的に行うため、送信用の振動素子は送信のみ、受信用の振動素子は受信のみに用いられる。したがって、送信用の各振動素子については、各振動素子ごとに送信回路が設けられて、所定量遅延された送信信号を生成して供給する送信ビームフォーマとして働き、受信用の各振動素子については、各振動素子ごとにドプラ受信回路が設けられて、血流からの反射信号よりドプラ信号を検出するとともに受信信号相互間の位相差の調整を行う受信ビームフォーマとして働く。
【0005】
そのため、各振動素子ごとのドプラ受信回路には、それぞれ2チャンネルのミキサ回路が備えられ、振動素子からの受信信号はこの2チャンネルのミキサ回路を通ることで、ドプラ信号が検出されるとともに受信信号相互間の位相差の調整がなされる。すなわち、2チャンネルのミキサ回路には、超音波の送信信号と同じ周波数を持ち、互いに正確に90度ずつ位相が異なる1組の参照信号が与えられる。この1組の参照信号には、受信信号相互間の位相差を調整するため、各振動素子に対応して異なる位相差が与えられている。各振動素子からの受信信号に、それぞれ対応する1組の参照信号が混合されることで、各受信信号相互間の位相差の調整がなされるとともに、血流からの反射信号よりドプラ信号が位相検波により検出される。検波後の出力を整相加算することで、相互に90度位相の異なる1組のドプラ信号(Q信号、I信号)が得られ、血流の流れ方向も分離できる。
【0006】
したがって、連続波ドプラモードのためのドプラ受信回路には、参照信号を生成するために専用の参照信号生成回路が設けられ、そのコントロールのため専用の受信コントロール回路が設けられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、超音波診断装置において、各振動素子ごとに送信回路が設けられているが、連続波ドプラモードを用いるときは、その受信に用いられる振動素子に対応して設けられた送信回路は使用されない。例えば、256個の振動素子を備える超音波診断装置では、断層画像の観察のときはこの256個の振動素子を用いて電子走査を行い、連続波ドプラモードのときは、その中の半数の128個の振動素子を送信用に用い、他の128個の振動素子を受信用に用いることができる。この場合、128個の受信用の各振動素子に対応して設けられた送信回路は使用されないままである。一方、この128個の受信用の各振動素子ごとに、ドプラ受信回路において、受信信号と同じ周波数の参照信号生成回路が専用に設けられ、その制御のため専用の受信コントロール回路が設けられている。
【0008】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、連続波ドプラモード専用の参照信号生成回路を設けることなく参照信号を供給できる超音波診断装置を提供することである。他の目的は、連続波ドプラモード専用の受信コントロール回路を設けることなく参照信号を供給できる超音波診断装置を提供することである。さらなる他の目的は、回路基板の規模を小さくし、コストの削減を可能とする、連続ドプラモードを備える超音波診断装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る超音波診断装置は、超音波の送受信を行う複数の振動素子を有し、その一部を送信用振動素子群として用い他の一部を受信用振動素子群として用いる連続波ドプラモードを備える超音波診断装置において、前記各振動素子に対応して設けられ、送信信号を生成する生成回路と、前記各振動素子に対応して設けられ、前記送信信号を増幅し、増幅された駆動信号を振動素子に供給する送信駆動回路と、前記複数の振動素子の中の各受信用振動素子に対応して設けられ、受信信号に参照信号を混合してドプラ信号を得る検波回路と、を備え、連続波ドプラモードでは、前記生成回路の中で前記各送信用振動素子に対応する生成回路が送信用として用いられ、それ以外の生成回路の全部または一部が受信用として用いられ、前記受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号が前記参照信号として前記検波回路に出力されることを特徴とする。
【0010】
この構成により、送信に用いられない生成回路を利用して参照信号を供給することができるので、連続波ドプラモード専用の参照信号生成回路を設けることなく参照信号を供給できる。受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号は、各振動素子ごとに所定量遅延されるので、連続波ドプラモード専用の受信コントロール回路を設けることなく参照信号を供給できる。送信に用いられない生成回路を利用できる分、回路基板の規模が小さくなり、コストの削減が可能となる。参照信号には、受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号がそのまま用いられることのほか、その送信信号から変換した信号が用いられてもよい。
【0011】
望ましくは、本発明に係る超音波診断装置は、前記各検波回路ごとに設けられ、前記連続波ドプラモードへの切替に連動して、前記受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号の出力先を前記送信駆動回路から前記検波回路へ切り替える切替手段を備えることがよい。
【0012】
望ましくは、本発明に係る超音波診断装置は、前記各検波回路ごとに設けられ、前記連続波ドプラモードへの切替に連動して、前記受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号を増幅した信号の出力先を前記振動素子から前記検波回路へ切り替える切替手段を備えることがよい。
【0013】
望ましくは、前記受信用として用いられる生成回路は、第1の参照信号を生成する第1参照信号生成回路と、前記第1の参照信号とは90度位相の異なる第2の参照信号を生成する第2参照信号生成回路からなる。この構成により、各検波回路につき、送信に用いられない2個の生成回路を用いて、相互に位相の90度異なる1組の参照信号を供給できる。
【0014】
望ましくは、本発明に係る超音波診断装置は、前記受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号をそのまま第1の参照信号として用い、さらに、前記受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号の位相を90度シフトさせて第2の参照信号を出力する位相シフト回路を前記各検波回路ごとに設けることを特徴とする。この構成により、各検波回路につき、送信に用いられない1個の生成回路を用いて、相互に位相の90度異なる1組の参照信号を供給できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態における超音波診断装置10のブロック図である。
【0016】
超音波診断装置10は、探触子12、送信部14、受信部16、ドプラ検波部18、Bモード信号処理回路20、ドプラ信号処理回路22、表示処理部24、表示器26および制御部28を備えるが、この中で、送信部14、受信部16、ドプラ検波部18は、制御部28の制御の下で、全素子送受信モードと連続波ドプラモードの切り替えに応じて、その内部の構成と機能につき切り替えが行われる。したがって、連続波ドプラモードのときの各構成要素についての説明に先立ち、以下に全素子送受信モードの例としてBモードのときの各構成要素の説明を行う。
【0017】
図1において、探触子12は、超音波の送波およびエコーの受波を行う超音波探触子で、例えば被検者の体表面上に当接して用いられる。探触子12は、256個の振動素子11からなる振動子アレイで、その振動子アレイの電子走査により超音波ビームが電子的に走査される。その電子走査方式としては、例えば電子リニア走査や電子セクタ走査を用いることができる。
【0018】
256個の各振動素子11は、送信部14の256個の各送信チャネルおよび受信部16の256個の各受信チャネルにそれぞれ接続される。各振動素子11と送信部14の各送信チャネルおよび受信部16の各受信チャネルとの間の接続は、後述する制御部28の制御の下で、図示されていないマルチプレクサにより行われる。
【0019】
送信部14と受信部16は、後述する制御部28の制御の下で、超音波の送受信により、断層画像用の超音波ビームを形成し、受信信号を出力する回路である。より詳しくは、送信部14は、各振動素子ごとに遅延された送信信号を供給する回路であり、256個の送信チャンネルを備え、送信ビームフォーマとして機能する。また、受信部16は、各振動素子からのエコー信号を増幅し、各振動素子間の受信信号の位相差を調整する整相加算等の処理を行う回路であり、256個の受信チャンネルを備え、受信ビームフォーマとして機能する。
【0020】
送信部14の中の送信コントロール回路42は、後述する制御部28の制御の下で、各送信チャネルごとの遅延量に応じた送信信号のタイミングのコントロールを行う回路である。送信信号生成回路44は、各送信チャネルごとに設けられ、各振動素子に対応した送信信号を生成する回路である。送信増幅器46は、各送信チャネルごとに設けられ、各送信信号を増幅し、増幅された駆動信号を各振動素子に供給する回路である。なお、送信部14の中に設けられる切替回路48については後に詳述するが、Bモードのときは、後述する制御部28の制御により、各送信信号生成回路44と対応する各送信増幅器46とがそれぞれ接続される。
【0021】
受信部16中の受信増幅器62は、各受信チャネルごとに設けられ、各振動素子からの受信エコーを増幅する回路である。A/D変換器64は、各受信チャネルごとに設けられ、増幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換する回路である。遅延回路66は、各受信チャネルごとに設けられ、ディジタル信号に遅延を与え、各振動素子間の位相差の調整を行う回路である。整相加算回路68は、位相差調整後の各受信チャネルの信号を加算する回路である。
【0022】
Bモード信号処理回路20は、受信部16から出力される整相加算後の受信信号に基づき、エコー信号の包絡振幅を抽出する検波、包絡振幅信号の対数圧縮等の処理を行う回路である。
【0023】
表示処理部24は、Bモード信号処理回路20の出力に対し座標変換やデータ補間等の処理を行ってBモード断層画像を形成する回路である。また、複数の画像を合成する機能も有している。表示処理部24は、いわゆるディジタルスキャンコンバータ(DSC)や各種の画像処理回路によって構成することができる。
【0024】
表示器26は、表示処理部24により形成された画像を表示するディスプレイである。
【0025】
制御部28は、超音波診断装置10の各構成の制御を行うコントローラである。
【0026】
このようにして、Bモードのときは、256個の各振動素子に送信部14の256個の送信チャネルの各チャネルがそれぞれ接続され、同様に受信部16の256個の受信チャネルの各チャネルが接続される。そして、256個の各振動素子を電子走査することにより、超音波ビームが対象組織に対し電子的に走査され、対象組織からのエコー信号を処理して、断層画像を得ることができる。
【0027】
つぎに、連続波ドプラモードにおける各構成要素につき説明する。Bモードから連続波ドプラモードへの切り替えは、例えば図示されていない入力部からのユーザの指示等により、制御部28が各構成要素を制御して行うことができる。
【0028】
図1の探触子12において、送信用振動素子Txは、連続波ドプラモードにおいて送信に用いられる128個の振動素子である。また、受信用振動素子Rxは、連続波ドプラモードにおいて受信に用いられる128個の振動素子である。例えば図1において、探触子12の複数の振動素子11に、端から順に1番から256番の番号を付したとき、1番から128番の振動素子を送信用振動素子Txに、129番から256番の振動素子を受信用振動素子Rxに用いることができる。
【0029】
各送信用振動素子Txは、送信部14中の送信用振動素子Txに対応して設けられた128個の送信チャネルの各チャネルにそれぞれ接続され、各受信用振動素子Rxは、受信部16中の受信用振動素子Rxに対応して設けられた128個の受信チャネルの各チャネルにそれぞれ接続される。接続は、上記のマルチプレクサにより行われる。図1に示すように、各振動素子11と送信部14の各送信チャネルおよび受信部16の各受信チャネルとの接続関係13を、Bモードのときと連続波ドプラモードのときとで同じとすることもできる。
【0030】
送信部14における256個の送信信号生成回路の機能は二分される。すなわち、各送信用振動素子Tx(図1の1番から128番の符号を付した振動素子)に対応して設けられた128個の送信信号生成回路は、送信用として用いられる生成回路44aと機能し、その各送信信号はそのまま送信増幅器46に出力される。一方、各受信用振動素子Rx(図1の129番から256番の符号を付した振動素子)に対応して設けられた128個の送信信号生成回路は、送信用としては用いられていないので、これらの生成回路の全部を受信用として用いることができる。すなわち、残りの128個の生成回路は、受信用として用いられる生成回路44bとしての機能を持ち、その各出力は後述する切替回路48に入力される。
【0031】
送信部14における送信コントロール回路42の機能も二分される。すなわち、送信用として用いられる生成回路44aに対しては、各送信用振動素子Txごとの遅延量に応じて送信信号のタイミングをコントロールする回路43aとしての機能を持つ。一方、受信用として用いられる生成回路44bに対しては、各受信用振動素子Rxからの受信信号間の間の位相差を調整するため、各受信用振動素子に対応して異なる位相差が与えられるよう信号生成のタイミングをコントロールする回路43bとしての機能を持つ。したがって、受信用として用いられる生成回路44bで生成された各送信信号は、受信信号と同じ周波数で、受信信号相互間の位相差を調整するため、各振動素子に対応して異なる位相差が与えられた信号となっている。
【0032】
切替回路48は、受信用として用いられる生成回路44bと送信増幅器46との間に設けられ、後述する制御部28の制御の下で、受信用として用いられる生成回路44bの送信信号の出力先を切り替える回路である。すなわち、切替回路48は、Bモードから連続波ドプラモードへの切替に連動し、受信用として用いられる生成回路44bで生成された送信信号の出力先を、送信増幅器46から後述するドプラ検波部18へ切り替える機能を有する。ドプラ検波部18へ出力された生成信号は、参照信号50として用いられる。なお、送信用として用いられる生成回路44aには切替回路48は設けられない。
【0033】
受信部16において、受信用振動素子Rxに対応して設けられた128個の各受信増幅器62bの後の増幅された各アナログ信号70は、後述するドプラ検波部18に出力される。
【0034】
ドプラ検波部18は、増幅された各アナログ信号からドプラ信号を検出するとともに受信信号相互間の位相差の調整を行う受信ビームフォーマとしての機能を有する。
【0035】
ミキサ回路82は、各受信用振動素子Rxに対応して2チャンネルを1組として設けられ、受信信号と、相互に位相が90度異なる1組の参照信号とを混合し、受信信号からドプラ周波数成分を検波する位相検波回路である。1組のミキサ回路82a,82bは、直交検波回路と呼ばれることもある。ここで、1組の参照信号は、受信用として用いられる生成回路44bで生成された送信信号がそのまま第1の参照信号50として用いられ、さらにその送信信号の位相を90度シフトさせた信号を第2の参照信号として用いられる。
【0036】
位相シフト回路90は、各切替回路48から各参照信号50を受け取って、その位相を90度シフトさせ第2の参照信号52を生成する回路である。位相シフト回路90は、1組のミキサ回路82ごとに設けられる。位相シフト回路90は、参照信号50の周波数の整数倍の周波数をもつ基準クロックを用い、例えばデータフリップフロップ回路等で構成することができる。
【0037】
1組のミキサ回路82a,82bのうち、一方のミキサ回路82aにおいて、アナログ信号70に第1の参照信号50が混合され、他方のミキサ回路82bにおいて、アナログ信号70に第2の参照信号52が混合される。上述したように、この1組の参照信号50,52には、受信信号相互間の位相差を調整するため、各振動素子に対応して異なる位相差が与えられている。したがって、1組のミキサ回路82a,82bは、各振動素子からの受信信号にそれぞれ対応する1組の参照信号50,52を混合することで、各受信信号相互間の位相差の調整がなされるとともに、血流からの反射信号よりドプラ信号を位相検波により検出する機能を有する。
【0038】
1組のローパスフィルタ84a,84bは、1組のミキサ回路82a,82bに対応して設けられ、ミキサ回路82a,82bの出力信号から高周波成分を除去し、1組のドプラ周波数成分信号を検出する機能を有する。
【0039】
Q信号加算回路86とI信号加算回路87は、1組のドプラ周波数成分信号のそれぞれにつき、各受信用振動素子Rxごとに整相加算し、1組のアナログドプラ信号として出力する回路である。
【0040】
1組のA/D変換器88は、Q信号加算回路86とI信号加算回路87のアナログ出力を、1組のディジタルドプラ信号として出力する回路である。
【0041】
ドプラ信号処理回路22は、ドプラ検波部18により抽出された整相加算後の1組のドプラ信号に対し、FFT演算等を実行し、ドプラ情報の周波数スペクトラムを解析する回路である。ドプラ信号処理回路22の解析結果は、上述の表示処理部24に出力され、必要な処理が行われてドプラ波形画像等が形成され、表示器26に表示される。
【0042】
このようにして、連続波ドプラモードにおいては、128個の送信用振動素子に、送信部14の送信用として用いられる生成回路から各振動素子ごとに遅延された送信信号が供給される。そして、128個の受信用振動素子ごとに設けられたドプラ検波部で、受信信号が1組の参照信号と混合され、各受信信号相互間の位相差の調整がなされるとともに、ドプラ信号が位相検波により検出される。
【0043】
ここにおいて、1組の参照信号は、送信部14において、送信用に使用されない生成回路を受信用として用い、そこで生成された送信信号をそのまま第1の参照信号として用い、さらに位相を90度ずらした信号を第2の参照信号として用いる。また、出力送信コントロール回路は、受信用として用いられる生成回路に対し、各受信用振動素子Rxからの受信信号間の間の位相差を調整するため、各受信用振動素子に対応して異なる位相差が与えられるよう信号生成のタイミングをコントロールする。
【0044】
したがって、連続波ドプラモード専用の参照信号生成回路を設けることなく参照信号を供給でき、連続波ドプラモード専用の受信コントロール回路を設けることなく参照信号を供給できる。ドプラモードにおいて送信には使用されない生成回路を利用できる分、回路基板の規模が小さくなり、コストの削減が可能となる。
【0045】
図1の説明においては、探触子12を構成する振動素子の数を256個としたが、それ以外の振動素子の数の探触子12を用いることができる。
【0046】
また、図1の説明では、連続波ドプラモードにおいて、探触子12を構成する複数の振動素子を二分し、それぞれ送信用振動素子群、受信用振動素子群として用いたが、探触子12を構成する複数の振動素子の一部を送信用振動素子群として用い、他の一部を受信用振動素子群として用いることもできる。
【0047】
連続波ドプラモードで送信用振動素子の数が全体の振動素子の数に比して少ないときは、送信に用いられない生成回路の数が送信用に用いられる生成回路の2倍以上になるときがある。例えば256個の振動素子のうち、48個が送信用振動素子Txとして用いられ、他の48個が受信用振動素子Rxとして用いられる場合などである。このときには、位相シフト回路を用いなくても、送信に用いられない生成回路により生成される送信信号だけで必要な参照信号を生成することができる。
【0048】
図2に、その場合の超音波診断装置について、説明に必要な部分のブロック図を示す。図1と同様の要素については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0049】
図2の送信部104において、256個の送信信号生成回路のうち、48個の受信用として用いられる生成回路44bが第1の参照信号生成回路として用いられ、さらに48個の他の送信信号生成回路が第2の参照信号生成回路44cとして用いられる。すなわち、送信部104の256個の送信信号生成回路の中で、上述のように48個は送信用として用いられる生成回路44aで、それ以外の208個の送信信号生成回路は送信には使用されない生成回路である。208個の送信に使用されない生成回路のうち、受信用として用いられる生成回路44bは48個なので、なお160個残っている。したがって、残りの送信に用いられない生成回路の中の48個を、第1の参照信号50と相互に位相が90度異なる第2の参照信号52の供給用に用いることができる。この48個の第2の参照信号生成回路44cに対応して、新しく48個の切替回路48が設けられる。
【0050】
送信部104の中の送信コントロール回路42は、制御部28の制御の下で、第1の参照信号50と第2の参照信号52とが相互に90度位相が異なる1組の参照信号となるように、第2の参照信号生成回路44cの信号生成のタイミングを制御する。
【0051】
ドプラ検波部108においては、位相シフト回路は用いられない。上記のように、送信コントロール回路42の制御の下で、第1の参照信号50と第2の参照信号52とが相互に90度位相が異なる1組の参照信号として生成されるからである。
【0052】
したがって、各検波回路につき、送信には使用されない2つの生成回路を用いて、相互に位相の90度異なる1組の参照信号を供給できる。
【0053】
上記図1、図2において、切替回路は、受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号の出力先を、送信駆動回路から検波回路へ切り替えるものとして説明した。この他に、切替回路は、受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号を増幅した信号の出力先を、振動素子から検波回路へ切り替えるものとすることができる。
【0054】
そのような切替回路を用いた例を図3に示す。図3において、受信用として用いられる生成回路44bで生成された信号が送信増幅器46で増幅され、増幅された信号の出力先が、切替回路49によって、振動素子11からドプラ検波部18に切り替えられる。他の構成要素は、図1に示すものと同様である。この場合、送信増幅器46のゲインの大きさに応じて、受信用として用いられる生成回路44bのゲインを小さくし、小振幅の信号として送信増幅器46に入力されることが好ましい。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る超音波診断装置によれば、連続波ドプラモード専用の参照信号生成回路を設けることなく参照信号の供給が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態の超音波診断装置のブロック図である。
【図2】 本発明に係る他の実施の形態の超音波診断装置の一部のブロック図である。
【図3】 本発明に係る他の実施の形態の超音波診断装置のブロック図である。
【符号の説明】
10 超音波診断装置、11 振動素子、12 探触子、14,104 送信部、16 受信部、18,108 ドプラ検波部、20 Bモード信号処理回路、22 ドプラ信号処理回路、24 表示処理部、26 表示器、28 制御部、44a 送信用として用いられる生成回路、44b 受信用として用いられる生成回路、44c 第2の参照信号生成回路、48,49 切替回路、50,52 参照信号、62a,62b 受信増幅器、90 位相シフト回路。
Claims (5)
- 超音波の送受信を行う複数の振動素子を有し、その一部を送信用振動素子群として用い他の一部を受信用振動素子群として用いる連続波ドプラモードを備える超音波診断装置において、
前記各振動素子に対応して設けられ、送信信号を生成する生成回路と、
前記各振動素子に対応して設けられ、前記送信信号を増幅し、増幅された駆動信号を振動素子に供給する送信駆動回路と、
前記複数の振動素子の中の各受信用振動素子に対応して設けられ、受信信号に参照信号を混合してドプラ信号を得る検波回路と、
を備え、
連続波ドプラモードでは、前記生成回路の中で前記各送信用振動素子に対応する生成回路が送信用として用いられ、それ以外の生成回路の全部または一部が受信用として用いられ、
前記受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号が前記参照信号として前記検波回路に出力されることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記各検波回路ごとに設けられ、前記連続波ドプラモードへの切替に連動して、前記受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号の出力先を前記送信駆動回路から前記検波回路へ切り替える切替手段を備えることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記各検波回路ごとに設けられ、前記連続波ドプラモードへの切替に連動して、前記受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号を増幅した信号の出力先を前記振動素子から前記検波回路へ切り替える切替手段を備えることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記受信用として用いられる生成回路は、第1の参照信号を生成する第1参照信号生成回路と、前記第1の参照信号とは90度位相の異なる第2の参照信号を生成する第2参照信号生成回路からなることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置は、前記受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号をそのまま第1の参照信号として用い、さらに、
前記受信用として用いられる生成回路で生成された送信信号の位相を90度シフトさせて第2の参照信号を出力する位相シフト回路を前記各検波回路ごとに設けることを特徴とする超音波診断装置。
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