JP3874139B2 - 難燃性および耐久性に優れた弾性モノフィラメント - Google Patents

難燃性および耐久性に優れた弾性モノフィラメント Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種工業用途、例えば種々のロープ、漁網・釣り糸・養殖ネットなどの水産用途や、各種膜材用補強材・ネット・網類、さらには事務用および車両用椅子、あるいはテキスタイル分野などにおいて使用可能な十分な力学強さと高度の弾性特性、およびその回復特性および難燃性に極めて優れた弾性モノフィラメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、弾性糸のフィラメント自体の高弾性特性を利用して弾性回復に優れるロープ類や、あるいはその特性を布帛の構成要素として利用し、適度な弾性を有しつつ布帛としての特性・意匠性を維持して、例えば事務用椅子や車両用の椅子用途における従来の発泡ウレタンを代替する様なクッション性と表皮材としての意匠性を合わせ持った物品を提供しようとする技術が開発されるようになって来た。かかるフィラメントの一例としてその主成分をポリエステルあるいはポリエーテル等の熱可塑性高分子を主体とするエラストマーから構成される事が従来技術として知られるが、例えば布帛としての使用時にウレタン等の従来のクッション材と比較すると、繰り返し変形時の弾性回復性の低下が欠点として挙げられる。かかる欠点は長期使用を前提とする各種工業用用途、中でも車両用椅子などを筆頭とする椅子材料への本素材の本格的な展開を困難としていた。また、主素材であるポリエステル系エラストマーは、例えば通常のポリエステル等の繊維に比べるとその難燃性や耐候性、耐熱老化性といった使用環境に対する安定性に乏しいことが知られており、これらの特性が上記での応用をさらに限定したものにしていた。
【0003】
ここで、熱可塑性ポリエステルブロック共重合体から成るフィラメントの難燃性を改善する技術として、共重合体にヘキサブロモベンゼンやデカブロモフェニルエーテル等の有機ハロゲン化合物と、難燃助剤として三酸化アンチモン等の無機化合物を併用することが従来より知られている。
【0004】
ところが、このような方法ではフィラメントを例えば屋外などで長期に使用した場合、難燃剤がブリードアウトすることで外観不良や、熱や光劣化で難燃効果が無くなり、可燃性になる可能性があり、さらには熱可塑性ポリエステルブロック共重合体を原料とするフィラメントの特徴である伸長回復性や比較的高い強度等の力学特性が損なわれる等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来技術の問題点に着目し、静的な荷重を支持するための布帛を構成するのに十分の力学的特性を保持してかつ繰り返し変形によるかかる特性低下が極めて少なく、しかも長期に渡って低下することの少ない高度な難燃性を有する弾性モノフィラメントを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、高融点ポリエステルセグメントと分子量400〜6000の低融点重合体セグメントからなる共重合体であり、高融点ポリエステルセグメントの構成成分の融点が150℃以上であり、低融点ポリマーセグメント構成成分の融点ないし軟化温度が80℃以下の構成成分からなり、低融点ポリマーセグメントの共重合割合が20〜60重量%であるポリエステル系ブロック共重合体100重量部に対して、
(1)ハロゲン置換されたフェニル基を有する化合物5〜50重量部
(2)有機もしくは無機のアンチモン化合物1〜25重量部
(3)トリアジン系化合物及び/又はその誘導体0.5〜10重量部
を含有して紡糸したフィラメントを20℃以下の温度で急冷することを特徴とする難燃性および耐久性に優れた弾性モノフィラメントである。
【0007】
さらに、そのモノフィラメントの破断伸度が80%以上、破断強度が0.5g/d以上で、且つ80℃における30%伸長後の伸長回復率が90%以上である繊度200デニール以上であることを特徴とする耐久性・難燃性に優れる弾性モノフィラメント。
【0008】
好ましくは、上記の低融点重合体セグメントの含有量が40〜55重量%の範囲であることを特徴とする弾性モノフィラメントである。
【0009】
このモノフィラメントの主原料であるポリエステルブロック共重合体における高融点硬ポリエステルセグメント構成成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン等の芳香族ジカルボン酸又はそのエステルと、
【0010】
エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、p−キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオールから製造されるポリエステルあるいはこれらの2種類以上のジカルボン酸あるいは2種類以上のジオールを用いたコポリエステル
【0011】
p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸などのオキシ酸およびそれらのエステルから誘導されるポリエステル、ポリピバロラクトンなどのポリラクトン、1,2−ビス(4,4’−ジカルボキシフェノキシ)エタン等の芳香族エーテルジカルボン酸と前述のジオールとから製造されるポリエーテルエステル、さらに以上のジカルボン酸類、オキシ酸類、ジオール類を組み合わせたコポリエステル類などを示すことができる。
【0012】
分子量400〜6000の低融点重合体セグメント構成成分としては、例えばポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(プロピレンオキサイド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール等のポリアルキレンエーテルグリコール及びこれらの混合物さらにこれらのポリエーテルグリコール構成成分を共重合した共重合ポリエーテルグリコール等を示すことができる。また炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族グリコールから製造されるポリエステル、例えばポリエチレナジペート、ポリテトラアメチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリネオベンチルセバケート、ポリテトラメチレンドデカネート、ポリテトラメチレンアゼレート、ポリヘキサメチレンアゼレート、ポリ−ε−カプロラクトンなどを示すことができる。さらに上記ポリエステルとポリエーテルを組み合わせたポリエステルポリエーテル共重合体なども示すことができる。上記ポリエステルブロック共重合体での低融点重合体グメント構成成分の割合は5〜80重量%が好ましく、より好ましくは20〜50重量%である。
【0013】
さて、本発明は基本的には以下に述べる、難燃剤の複合作用により繊維としての極めて高度な性能を付与する。以下その処方について説明する。
【0014】
まず、本発明におけるハロゲン置換されたフェニル基を有する化合物としては、下記一般式(I)〜(VIII)に示されるものの他。ハロゲン置換されたフェニル基を有するものは全て含まれる。
【0015】
【化1】
Figure 0003874139
【0016】
【化2】
Figure 0003874139
【0017】
【化3】
Figure 0003874139
【0018】
【化4】
Figure 0003874139
【0019】
【化5】
Figure 0003874139
【0020】
【化6】
Figure 0003874139
【0021】
【化7】
Figure 0003874139
【0022】
【化8】
Figure 0003874139
【0023】
(式中Xは塩素原子、臭素原子を示し、R1 は水素原子、アルキル基を、R2は水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基、およびそれらのハロゲン化物あるいは水酸化物である基を、R3 はアルキル基、アリール基を、Aは酸素原子、硫黄原子を示す。)
また、m,nは1から5の整数、p,qは1から4の整数、rは1から50の整数で特に好ましくは6から15の整数である。
一般式(IV)〜(VIII)の末端の構造は任意であるが、(IV),(V)に関しては特に好ましいものとしてハロゲン置換フェノールが挙げられ、(VIII)ではエポキシ基であっても良く、むしろその使用が推奨される。
【0024】
これらハロゲン系難燃剤は熱可塑性樹脂で一般的に使用されているものであるが、ポリエステル型ブロック共重合体としての相溶性の点では一般式(IV)〜(VIII)の融点が180℃から240℃のものが好ましい。又、難燃性の効果の観点からは一般式(I),(III) のm+n=10のものが好ましい。
【0025】
以上にしめしたハロゲン置換したフェニル基を有する化合物の添加量は5〜50重量部であり、これ以下では難燃性の効果が少なく、また50重量部を超えると繊維としての力学特性が低下するばかりか、紡糸性も低下し好ましくない。より好ましくは30重量部以下である。
【0026】
次に本発明で用いる有機もしくは無機のアンチモン化合物としては三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、リン酸アンチモン、カプロン酸アンチモン、トリフェニルアンチモンなどがあり、特に好ましいのは三酸化アンチモンであり、その添加量は1〜25重量部で、特に好ましくは3〜15重量部である。
【0027】
また、本発明で用いるトリアジン系化合物および/またはその誘導体としては一般式(IX)で示されるメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、フェニルアセトグアナミン等のアミノトリアジン類およびその誘導体、一般式(X)、(XI)で示されるシアヌール酸等のオキシトリアジン類およびその誘導体、さらにアミノトリアジンとオキシトリアジンの付加物などが挙げられる。
【0028】
【化9】
Figure 0003874139
【0029】
(式中R1 ,R2 ,R3 は水素原子、アミノ基、アルキル基、アリール基、フェニル基であり、R1 ,R2 ,R3 は同一であっても異なってもよい。)
【0030】
【化10】
Figure 0003874139
【0031】
(式中R1 ,R2 ,R3 は水素原子、アミノ基、アルキル基、アリール基、フェニル基であり、R1 ,R2 ,R3 は同一であっても異なってもよい。)
【0032】
【化11】
Figure 0003874139
【0033】
(式中R1 ,R2 ,R3 は水素原子、アミノ基、アルキル基、アリール基、フェニル基であり、R1 ,R2 ,R3 は同一であっても異なってもよい。)
【0034】
さらにトリアジン系化合物としては、MDIやTDIとして知られるイソシアネート基含有化合物も例として挙げられる。
【0035】
以上の中で、ポリエステル系ブロック共重合体とのなじみ性や効果を考えると、メラミンとシアヌール酸の付加物であるメラミンシアヌレートが特に好ましい。
【0036】
本発明によるトリアジン系化合物および/またはその誘導体は0.5〜10重量部、特に好ましくは1〜4重量部添加することが必要である。量的にはアンチモン系の添加剤との相乗効果により優れた難燃性を与え、これ以上添加することは糸の力学特性および紡糸性から好ましくない。
【0037】
本発明のもう一つの骨子は、これら非常に優れた難燃性を付与して後、繊維が長期使用中にその性能の低下せしめない処方を提供することにある。具体的には、上記の添加物が長時間に渡って繊維の表面にブリードし脱落することによる初期性能の低下を低減することにある。すなわち本発明によれば、上記で説明した配合されることを特徴とする共重合体を紡糸する際において、紡糸直下に置かれた20℃以下の冷水にて急冷されて後、続いて2倍以上に加熱延伸されて、さらに熱処理により10%以上収縮されることを特徴とする難燃性および耐久性に優れる弾性モノフィラメントを提供する。ここで言うものモノフィラメントとはその単繊維の繊度が200デニール以上、好ましくは400デニール以上を言う。
【0038】
上記のようなモノフィラメントを製糸するに際し、ノズル直下に置かれる水冷層において急冷されることが好ましい。ここで言う低温とは20℃以下の温度を指し、20℃を超えるとその効果は急激に低下する。このように急冷することにより、繊維の表面層により緻密な層、いわゆるスキン層を形成することが可能であり、このスキン層が上記添加剤の表面以降を防ぐ役割を果たすことができる。ここで、繊維の繊度は重要でり、それが200デニール未満であると、繊維の断面方向に対して実質均一に冷却が施されるため上記のような緻密層を形成することができない。
【0039】
さらに、そのような繊維を延伸しての後、加熱下で10%以上リラックスさせるとは有効である。原理については良く分からないが、このようなリラックス処理を行なうことで、従来添加剤を多量に添加した場合に問題であった、繊維のヘタリ、特に伸長回復率に優れることが効果として得られる。
【0040】
すなわち本発明によれば非常に優れた初期および長期の難燃性を有してかつ、長期の耐久性や力学特性に優れた、弾性繊維を得ることができる。つまり、本発明によるフィラメントの破断伸度は80%以上、破断強度が0.5g/d以上で、且つ80℃における30%伸長後の伸長回復率が90%以上であることを特徴とする耐久性・難燃性に優れる弾性モノフィラメントを与えることができる。
【0041】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明する。
(実施例1〜6)
ジメチルテレフタレート60部、1,4−ブタンジオール38部、分子量約1000のポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール37部、触媒としてテトラブチルチタネートを金属チタンとして、生成するポリマーに対し、150ppmとなるように添加し、150〜230℃でエステル交換を行った。次いで生成したオリゴマーにヒンダートフェノール系安定剤[チバ・ガイギー(株)製品;Irganox1010]0.2重量部をそれぞれ1,4−ブタンジオールのスラリーとして添加し、3torr以下の減圧下、230〜250℃で溶融重合を行いポリマーを得た。さらにこのポリマーに、二軸押し出し機を用いて、ハロゲン置換されたフェニル基を有する化合物としてデカブロモフェニルオキサイド(丸善油化工業(株)ノンネンDP−10))またはハロゲン含有率が20重量%以上である高分子量ハロゲン化ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(ブロモケム・ファーイースト(株)製F−2300Hのいづれか一つを用い、それぞれ10,20,25重量部、アンチモン化合物として三酸化アンチモン(Cookson 社製ホワイトスター)7重量部、およびメラミンシアヌレート(三菱化成工業(株)MX601)を5重量部、およびカーボンブラック0.5重量部を添加し、所望のポリマーを得た。
【0042】
このポリマーを、0.1mmHGの真空度、80℃の雰囲気温度下で4時間予備乾燥したのち、同真空条件で120℃で12時間乾燥処理をほどこした。乾燥したレジンを、融解押出し装置を有する紡糸機を用いて240℃溶融し、吐出量を22.2g/minとなるように調整し、230℃に設定した2Φの直径を有するノズルを介して紡糸を実施した。紡出される糸の状態は安定であった。吐出されたポリマーは50mmのエアーギャップを有して設置された約10℃に設定された水槽において急冷されて、続いて90℃に表面温度をコントロールされた20m/minの速度を有するネルソン型ローラーと引き取りローラーの間で5倍に延伸されて、引き続いて150℃の長さに設定されたスリット型ヒーター間で約12%収縮させながらもう一対のネルソンローラーに引き取られて、直ちに巻き取られた。最終の糸のデニールは約2200デニールであった。25%のハロゲン置換フェニル基を有する化合物を添加した実施例では力学特性、特に強度が低下したが難燃特性はいずれの例においても優れた結果が得られた。結果を表1に示す。
【0043】
(比較例1)
実施例1〜6におけるポリマー処方に2軸押出し機での難燃性を付与しなかった以外は同様の操作によりモノフィラメントを作成した。力学特性は実施例に比べるとほぼ同程度か若干向上するが、難燃性は非常に低いレベルであった(表1)。
【0044】
(比較例2)
実施例4のポリマーに対して臭素化エポキシオリゴマー30重量部を添加した以外は、同様の操作を行なって製糸実験を実施した。ポリマーに添加剤を混合する工程ですでにスクリューからの押出し性が不良であり、紡糸においてもノズル直下での吐出物の直径変動が著しく、評価に耐えうる糸を得ることができなかった(表1)。
【0045】
(比較例3)
実施例4における冷却層の温度を30℃に変えた他は全く同じ操作でモノフィラメントを作成した。糸の初期の難燃性は良好であったが、以下に述べる光照射後の糸を用いた長時間後の難燃性試験においてはその効果の低下が著しかった。
【0046】
【表1】
Figure 0003874139
【0047】
〔評価方法〕
本特許明細および実施例に記載の評価方法を示す。
(強伸度特性)
オリエンテック社製テンシロンTM測定装置を用いて、試料長100mm を100%/分の歪み率で温度25%、相対湿度65%雰囲気下で測定し、求めた歪み・応力曲線より破断強度と伸度を評価した。各測定は各々5回の平均値をその値とした。
【0048】
本特許明細および実施例に記載の評価方法を示す。
(ポリマーの限界酸素指数(L.O.I )法)
JIS,K7201 (A−1号)法に基づく
(強伸度特性)
オリエンテック社製テンシロンTM測定装置を用いて、試料長100mm を100%/分の歪み率で温度25%、相対湿度65%雰囲気下で測定し、求めた歪み・応力曲線より破断強度と伸度を評価した。各測定は各々5回の平均値をその値とした。
(伸長回復率)
80℃の温度に調整した加熱槽を上記の測定装置に設置し、同じく100mm の試料長にセット後、2分間の加熱後、100%/ 分の歪み速度で30%まで伸長して直ちに同じ速度で0%まで変形を戻した。変形が戻ってから10秒後に再び同じ歪み速度で30%までの伸長変形を与えた。この時の一連の歪み・応力曲線の記録から、2回目の伸長により応力が発生開始する歪み量(x%)を求めて、以下の式で伸長回復性を評価した。
伸長回復率(%)=100−x
(難燃性)
各実験で得られた繊維を約2500デニールとなるように合糸し、(実施例1および比較例1はそのまま用いた)それぞれ経緯糸に配置して25本/インチとなる打ち込み密度と成るように平織り布を作成し燃焼試験を実施した。燃焼性試験は基本的にはJIS−L1091のA2法(メッケルバーナー法)に基づいた。すなわち、上記織物を経、緯それぞれを長手方向に350mm×250mmに切断し、それぞれn=3の燃焼試験をJISと同じ条件で実施し、合計n=6での最長炭化距離をもって難燃性の指標とした。
(難燃性の耐久性)
難燃焼性の試験を行なう前に、準備した布帛を紫外線カーボンフェードメーターにて放電電圧135V、電流16Aの条件の基、85℃で200時間照射後に同様の難燃性評価を実施し、未処理と比べてその耐久性を比較した。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の構造を有する燐化合物が含有されたの熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物とトリアジン系化合物及び/又は誘導体を選択することで、伸長回復特性などの力学特性を維持してかつ高度の難燃性・耐熱性・耐候性を有する弾性フィラメントが得られるものである。

Claims (3)

  1. 高融点ポリエステルセグメントと分子量400〜6000の低融点重合体セグメントからなる共重合体であり、高融点ポリエステルセグメントの構成成分の融点が150℃以上であり、低融点ポリマーセグメント構成成分の融点ないし軟化温度が80℃以下の構成成分からなり、低融点ポリマーセグメントの共重合割合が20〜60重量%であるポリエステル系ブロック共重合体100重量部に対して、
    (1)ハロゲン置換されたフェニル基を有する化合物5〜50重量部
    (2)有機もしくは無機のアンチモン化合物1〜25重量部
    (3)トリアジン系化合物及び/又はその誘導体0.5〜10重量部
    を含有して紡糸したフィラメントを20℃以下の温度で急冷することを特徴とする難燃性および耐久性に優れた弾性モノフィラメント。
  2. 繊度200デニール以上であり、破断伸度が80%以上、破断強度が0.5g/d以上で、80℃における30%伸長後の伸長回復率が90%以上であることを特徴とする請求項1記載の難燃性および耐久性に優れた弾性モノフィラメント。
  3. 低融点ポリマ−セグメントの共重合割合が40〜55重量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の弾性モノフィラメント
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