JP3873694B2 - 釘打機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は作業者が手で保持し例えば圧縮空気を動力源として連結釘を順次打ち込む釘打機に関するもので、軽量で耐久性に優れた釘打機を安価に提供できるようにしたものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の釘打機を図７に示す、釘打機は、周知の如く、ピストンを往復動させる駆動部を内蔵し作業者が手で保持するハンドル５を有する出力部４、出力部４の下方に設けられ、釘が順次打ち出されるノーズ部１、一端がノーズ部１に係合し、プラスチック又は紙等により板状に連結された連結釘（図６）をスプリングによりノーズ部の射出口内に順次給送するマガジン２等から構成されている。釘打機はその作業中において作業者が常に手で持っているため、その重量は軽い方が望ましい。しかしながら、各部品の耐久性を考慮し又安価な釘打機の提供という観点から、それぞれの部品にふさわしい材料、加工方法が使用されている。ノーズ部１はピストンにより打ち込まれる釘の案内をするため通常鋼材からなる材料にてロストワックス成形で作られる。これに対しマガジンは連結釘を効率よく収納しノーズ部１に給送するために安価で軽量な材料がよく利用され、図７に示すようなアルミニウム（比重約２．７）又はマグネシュウム（比重約１．８）の押し出し材により形成されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記した釘打機においては、マガジンをアルミニウム（比重約２．７）又はマグネシュウム（比重約１．８）の押し出し材により形成した場合、マガジンは押し出し材のためその形状において設計時に制約を受けやすい。すなわちノーズ部１のマガジン２が嵌合する部分に多数の複雑な凹凸の形成が必要になること、又両者の嵌合をより確実にするためにネジ・ボルト等が必要になること等からノーズ部１が大きく、重量が重くなるという問題があった。更に釘を打ち込んだ際の衝撃がノーズ部１を介して直接マガジン２に伝わりマガジン２が変形・磨耗又は破損してしまうという耐久性上の問題があった。
【０００４】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、軽量で耐久性の優れた釘打機を安価に提供できるようにすることである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、ノーズ部とアルミニウム又はマグネシュウムの押し出し材で成形されたマガジンの間にプラスチック等の弾性部材から成るスペーサを介在させることにより達成される。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下図１〜図５を用いて本発明釘打機の一実施形態を説明する。圧縮空気の蓄圧室及び釘９を打ち込むピストンを内蔵し作業者が手で保持するハンドル５を有する出力部４とその下方に釘９が順次打ち出される射出口を有するノーズ部１、ノーズ部１の側面の一部には開口部が設けられており、更に開口部の上側両脇には突起６が形成されている。一方前記突起６に嵌合可能な凹部７を形成し併せてその反対側の面にはマガジン２に嵌合可能な凸部８が形成されたプラスチック等の弾性部材から成るスペーサ３を介してマガジン２がノーズ部１と係合している、マガジン２は中間部においてプレート１１を介してハンドル５とも係合している。こららの部品の材料及び製法について説明する。ノーズ部１はロストワックス成形により製作された鋼材（縦弾性係数：約２１，０００ｋｇ／ｍｍ^２、比重：約７．８）から形成され、マガジン２は押し出し成形により製作されたアルミニュウム（縦弾性係数：約７，０００ｋｇ／ｍｍ^２、比重：約２．７）又はマグネシュウムからなる非鉄金属から形成され、スペーサ３は熱可塑性プラスチック（縦弾性係数：約３００〜１，０００ｋｇ／ｍｍ^２、曲げ弾性率：約５００〜９００ｋｇ／ｍｍ^２、比重：約１．１〜１．５）から形成される。
【０００７】
本発明釘打機で釘９を打ち込んだ際、ノーズ部１とマガジン２の間に弾性部材から成るスペーサ３を介在させたので、釘９を打ち込んだ際の衝撃がスペーサ３により吸収されマガジン２に伝わりにくいため、マガジン２の耐久性が向上する。又熱可塑性プラスチックの成形部品であるスペーサ３は比較的どのような形状にも対応できるためノーズ部１とマガジン部２の係合部分が必要最小限で済み、軽く・安価な釘打機の提供ができるという効果がある。
【０００８】
又マガジン２のノーズ部１と係合する端部において、その上側はスペーサ３を介して係合し、下側は直接ノーズ部１と係合するようにしても同様の効果を得ることができる。
【０００９】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ノーズ部とマガジンの間に弾性部材であるスペーサを介在させたので耐久性に優れたマガジンを有する、軽量で安価な釘打機を提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明釘打機の一実施形態を示す斜視図。
【図２】図１のノーズ部とマガジンの取り付け部を示す拡大正面図。
【図３】図１のノーズ部とマガジンの分解した状態を示す斜視図。
【図４】図１のノーズ部とマガジンの分解した状態を示す正面図。
【図５】図１の作業状態を示す斜視図。
【図６】本発明釘打機で使用される連結釘の一例を示す斜視図。
【図７】従来の釘打機の一例を示す斜視図。
【図８】図７の釘打機のノーズ部とマガジンの分解した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
１はノーズ部、２はマガジン、３はスペーサ、４は出力部、５はハンドル、６は突起、７は凹部、８は凸部、９は釘である。

Claims (1)

1. 蓄圧室、釘を打ち込むピストンを内蔵し、作業者が手で保持するハンドルを有する出力部と、出力部の下方に釘が順次打ち出される射出口を有する鋼材から成るノーズ部と、一端及び中間部が夫々射出口の側面に設けられた開口部及びハンドル部に係合すると共に連結釘を収納し、スプリングにより釘をノーズ部の射出口内に順次給送するアルミニウム又はマグネシウム等の非鉄金属からなるマガジンとを有する釘打機であって、
   前記ノーズ部開口部の上方両脇のマガジン側に延びて設けられた２個の突起と、前記マガジンのノーズ部側先端に、前記２個の突起とは異なる高さ位置に設けられた凹部と、前記２個の突起に係合する２個の凹部及び前記マガジンのノーズ部側先端の凹部に係合する凸部を前記２個の凹部とは異なる高さ位置に形成したプラスチック等の弾性部材からなるスペーサとを備え、前記スペーサを介してマガジンをノーズ部に取り付けたことを特徴とする釘打機。

Images