JP3873266B2 - 三次元角速度センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸のそれぞれの軸回りの角速度を検出する三次元角速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加速度センサ、角速度センサ等、慣性を検出するセンサは、例えば、自動車のエアバック、走行制御装置、バーチャルリアリティ関連の3D入力装置、各種製造機器の制御装置等に用いられている。
【0003】
近年、各種機器の小型化が進む中で、それに搭載されるセンサに対しても小型化の要求が強まっている。特に人が手に持つ機器、あるいは身につける機器に用いるセンサについてはその要求が大きい。
【0004】
また、自動車の走行制御装置では、従来、1軸方向のみの加速度を測定していたが、制御が高度化するに伴い多軸方向の加速度、さらには角速度の測定も求められるようになってきている。
【0005】
また、3D入力装置は、当初より多軸方向の加速度あるいは角速度の検出を必要としている。
【0006】
以上のように、この種のセンサには、小型で多軸方向の加速度、角速度を検出できることが求められている。
【0007】
従来の加速度センサや角速度センサは、3軸(互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸)のうちの1の軸に対する加速度または1つの軸回りの角速度を検出するものが大部分であった。
【0008】
そのため、3軸方向の加速度および3軸回りの角速度を検出するためには、3個の加速度センサと3個の角速度センサとを必要とした。従って、合計6軸の動作を検出しようとすると、3個のセンサを要するので、装置が大型となり、前述した要求を満足できなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡易な構成で3軸回りの角速度を精度よく検出することができる三次元角速度センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(4)の本発明により達成される。
【0011】
(1) コリオリ力を利用して互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸のそれぞれの軸回りの角速度を検出する三次元角速度センサであって、
質量部を有し、当該質量部に前記X軸方向の振動を与えて、Z軸の軸回りの角速度を検出する第1の素子と、
質量部を有し、当該質量部に前記Z軸方向の振動を与えて、前記X軸および前記Y軸の軸回りの角速度をそれぞれ検出する第2の素子とを備え、
前記第1の素子と前記第2の素子とが、同一基体上に設置されており、
前記第1の素子の質量部は、前記Y軸方向に伸びる一対の平行な辺と前記X軸方向に伸びる一対の平行な辺とで囲まれた四角形をなし、当該質量部を前記X軸方向に振動させる駆動電極が、前記Y軸方向に伸びる一対の平行な各辺の両端部付近にそれぞれ設置されており、当該第1の素子の質量部の前記Y軸方向の変位を検出するY軸方向検出電極が、前記Y軸方向に伸びる一対の平行な各辺の前記駆動電極間に設置されており、当該第1の素子の質量部の前記X軸方向の変位を検出するX軸方向検出電極が、前記X軸方向に伸びる一対の平行な各辺に設置されており、当該第1の素子の質量部の前記Z軸方向の変位を検出するZ軸方向検出電極が、当該第1の素子の質量部の下部に設置されており、
前記第2の素子の質量部は、前記Y軸方向に伸びる一対の平行な辺と前記X軸方向に伸びる一対の平行な辺とで囲まれた四角形をなし、当該第2の素子の質量部を前記Z軸方向に振動させる駆動電極が、当該第2の素子の質量部の下部に設置されており、当該第2の素子の質量部の前記Y軸方向の変位を検出するY軸方向検出電極が、前記Y軸方向に伸びる一対の平行な各辺に設置されており、当該第2の素子の質量部の前記X軸方向の変位を検出するX軸方向検出電極が、前記X軸方向に伸びる一対の平行な各辺に設置されていることを特徴とする三次元角速度センサ。
【0012】
(2) 前記第1の素子および前記第2の素子における質量部の前記X軸、Y軸またはZ軸方向の振動の周波数は、当該軸方向における質量部の共振周波数にほぼ等しい上記(1)に記載の三次元角速度センサ。
【0013】
(3) 前記第1の素子が、前記X軸、Y軸およびZ軸のうちの少なくとも1つの軸方向の加速度を検出する機能を有する上記(1)または(2)に記載の三次元角速度センサ。
【0014】
(4) 前記第2の素子が、前記X軸、Y軸およびZ軸のうちの少なくとも1つの軸方向の加速度を検出する機能を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の三次元角速度センサ。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の三次元角速度センサの実施形態について詳細に説明する。
まず、加速度検出の原理および角速度検出の原理について説明する。
【0018】
<加速度検出の原理>
図1に示すように、質量m(kg)の重り(質量部)11が等価ばね定数k(N/m )の梁12によって基板10上に図中矢印A方向に移動可能に支持されているとする。ここにA方向の加速度α(m/s2)が加わると、重り11は、初期位置からΔd=m・α/k分変位する。
【0019】
加速度αを例えば静電容量の変化で検出する場合、重り11の左右に設置された電極13、14間のコンデンサ容量C1 、C2 は、空気の誘電率ε0 、電極面積S(m2)、電極間隔d0 (m )を用いて、次式[1]に表わせる。
【0020】
【数1】
Figure 0003873266
【0021】
これより、次式[2]なる関係が得られる。
【0022】
【数2】
Figure 0003873266
【0023】
式[2]より、左右の電極13、14の容量の平均変化率は、加速度αに比例していることが分かる。従って、静電容量センサにより左右電極容量の平均変化率を検出することにより、加速度αを求めることができる。
【0024】
<角速度検出の原理>
振動している重り(質量部)11に角速度が加わると、コリオリ力が発生する。
【0025】
図2(a)に示すように、重り11にY軸方向の振動を与えた状態でZ軸回りの角速度が加わると、X軸方向に、次式[3]で示されるコリオリ力が発生する。
【0026】
C =2mvΩ ・・・[3]
【0027】
ここで、mは重り11の質量、vは重り11の速度ベクトル、Ωは印加角速度ベクトルである。すなわち、コリオリ力は、質量の運動ベクトルと印加角速度ベクトルのベクトル積に比例した力である。
【0028】
角速度センサは、図1を基本原理としており、重り11を正弦的に振動させ、それにより発生するコリオリ力を検出する。
【0029】
重り11がY方向にy=Dsin(ωt)で変位している状態で、X軸回りの角速度ΩX が加えられたとすると、重り11に与えられる加速度αは、次式[4]で示される。
【0030】
α=2Dωcos(ωt)ΩX ・・・[4]
【0031】
また、この加速度αをバネ定数kで支持した重り11の変位で検出する場合、重り11の変位は、Z方向に変位し、その変位量zは、次式[5]で示される。
【0032】
z=2Dmωcos(ωt)ΩX /k ・・・[5]
【0033】
従って、この変位量zを例えば前述した静電容量の変化のような所定の方法で検出することにより、Z方向のコリオリ力を測定することができる。
【0034】
ところで、角速度の検出には、次のような問題がある。
前述したように、角速度の測定は、コリオリ力による重り11の変位を検出することにより行うが、コリオリ力が発生する方向は、重りの振動方向と角速度が加わる軸の方向により決定する。
【0035】
図2(a)に示す場合では、前述したように、Y軸方向に振動している重りにZ軸回りの角速度が加わると、X軸方向にコリオリ力が発生する。同様に重りがX軸方向に振動し、Y軸回りに角速度が加わると、コリオリ力はZ軸方向に現われる。すなわち、ある方向に振動している重りに角速度が加わった場合、角速度が加わった軸を法線とする面において、重りが振動している方向に対し直角方向にコリオリ力が現われる。
【0036】
ここで、1つの重り11でX軸、Y軸およびZ軸の各軸回り(3軸回り)の角速度を測定することの可能性を考える。
【0037】
図2(b)に示すように、重り11がZ軸方向に振動しているとする。X軸回りに角速度ΩX が加わったとき、それによるコリオリ力はY軸方向に現われる。同様にY軸回りに角速度ΩY が加わったとき、それによるコリオリ力はX軸方向に現われる。従って、重り11をZ軸方向に振動させておけば、X軸およびY軸回りの角速度ΩX 、ΩY の検出が可能になる。そして、残りのZ軸回りの角速度ΩZ が検出できれば、3軸回りの角速度が全て測定できることになる。
【0038】
重り11はZ軸方向に振動しているが、同時にY軸方向にも振動するようにしたとする。そのとき、Z軸回りの角速度ΩZ によるコリオリ力はX軸方向に現われる(図2(a)参照)。しかし、重り11はZ軸方向に振動しているので、X軸方向にはY軸回りの角速度ΩY によるコリオリ力も現われる(図2(b)参照)。すなわち、重り11がZ軸方向とY軸方向にそれぞれ振動していれば、X軸方向には、Y軸回りの角速度ΩY によるコリオリ力と、Z軸回りの角速度によるコリオリ力ΩZ とが重畳されて現れることとなる。この関係は、重り11をZ軸方向とX軸方向にそれぞれ振動させた場合や、X軸方向とY軸方向にそれぞれ振動させた場合も同様である。
【0039】
通常、X軸、Y軸、Z軸の振動周波数は、コリオリ力の検出感度を高めるため各々の軸の共振周波数とされる。従って、コリオリ力による変位もその周波数で現われる。すなわち、上記の仮定でX軸に現われる2種のコリオリ力による出力は、同一の周波数を持つことになり、フィルタ等の簡易な電気回路により各コリオリ力毎の信号に分離することは困難である。
【0040】
以上より、1つの重り(素子)で3軸回りの角速度を精度良く測定すること、すなわち、高精度の三次元角速度センサを構成することは、不可能である。
【0041】
そこで、本発明では、コリオリ力が重畳しないように、2つの素子を用い、3軸回りの角速度をそれぞれの素子で分担して検出することとした。すなわち、本発明の三次元角速度センサは、X軸、Y軸およびZ軸のうちの例えばZ軸回りの角速度を検出する第1の素子と、残りのX軸およびY軸の軸回りの角速度をそれぞれ検出する第2の素子とを備えている。以下、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0042】
図3は、本発明の三次元角速度センサの実施形態を示す概念図、図4は、図3に示す三次元角速度センサにおける第1の素子の構成例を示す平面図、図5は、図3に示す三次元角速度センサにおける第2の素子の構成例を示す平面図である。
【0043】
これらの図に示すように、本発明の三次元角速度センサ1は、基板(基体)2上に、第1の素子3と第2の素子5とが設置された構成をなしている。各素子3、5の構成および作用について、順次説明する。
【0044】
図4に示すように、第1の素子3は、平面視で四角形をなす質量部(振動子)31と、その4つの角部に設けられた脚部(支持部材)32とを備えている。この第1の素子3は、例えばシリコンで構成されている。
【0045】
各脚部32は、L字状に屈曲し、その端部は、それぞれ、基板2上に設けられた4つの固定部33に固定的に設置されている。各脚部32は、弾性変形可能であり、これにより、基板2に対し質量部31をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の三次元方向に変位可能に支持している。
【0046】
質量部31のX軸方向の両側部には、質量部31をX方向に振動させる櫛形の駆動電極41と、質量部31のY軸方向の変位を静電容量の変化として検出する櫛形のY軸方向検出電極(Z軸回りの角速度センサおよびY軸方向加速度センサ)42とが設置されている。各駆動電極41には、質量部31の縁部に形成された櫛形電極34が非接触で対向している。各Y軸方向検出電極42には、質量部31の縁部に形成された櫛形電極35が非接触で対向している。
【0047】
また、質量部31のY軸方向の両側部には、質量部31のX軸方向の変位を静電容量の変化として検出する櫛形のX軸方向検出電極(X軸方向加速度センサ)43が設置されている。各X軸方向検出電極43には、質量部31の縁部に形成された櫛形電極36が非接触で対向している。
【0048】
また、質量部31の下部には、質量部31のZ軸方向の変位を静電容量の変化として検出するZ軸方向検出電極(Z軸方向加速度センサ)44が設置されている。
【0049】
各駆動電極41、各Y軸方向検出電極42、各X軸方向検出電極43およびZ軸方向検出電極44は、基板2に対し固定的に設置されている。
【0050】
質量部31は、各駆動電極41に交流電圧を印加することにより発生する静電引力によりX軸方向に加振される。この場合、コリオリ力の検出感度を高めるために、X軸方向の振動の周波数は、同方向における質量部31の共振周波数にほぼ等しい周波数とされる。
【0051】
この状態で、質量部31にZ軸回りの角速度が作用すると、Y軸方向にコリオリ力が発生し、質量部31はY軸方向に振動することとなる。
【0052】
この振動は、Y軸方向検出電極42により静電容量の変化として検出される。すなわち、質量部31の櫛形電極35とY軸方向検出電極42との間隔が変化することにより、静電容量が変化する。
【0053】
コリオリ力により生じたY軸方向の振動は、駆動電極41によるX軸方向の振動に対し、同一の周波数でかつ位相が90°進んだものとなる。そして、Z軸回りの角速度の大きさは、Y軸方向の振動の振幅に対応する。これにより、Z軸回りの角速度を検出することができる。
【0054】
また、Y軸方向検出電極42は、質量部31がY軸方向の加速度を受けてY軸方向検出電極42に対してY軸方向に相対的に変位した場合に、その変位を静電容量の変化として検出する。従って、Y軸方向検出電極42は、Z軸回りの角速度を検出するとともに、Y軸方向の加速度を検出する加速度センサとしても機能する。
【0055】
X軸方向検出電極43は、質量部31がX軸方向の加速度を受けてX軸方向検出電極43に対してX軸方向に相対的に変位した場合に、その変位を静電容量の変化として検出する。従って、X軸方向検出電極43は、X軸方向の加速度を検出する加速度センサとして機能する。
【0056】
Z軸方向検出電極44は、質量部31がZ軸方向の加速度を受けてZ軸方向検出電極44に対してZ軸方向に相対的に変位した場合に、その変位を静電容量の変化として検出する。従って、Z軸方向検出電極44は、Z軸方向の加速度を検出する加速度センサとして機能する。
【0057】
なお、質量部31には、Y軸回りの角速度によりZ軸方向にコリオリ力が発生し、Z軸方向に振動することとなるが、コリオリ力による振動の周波数と加速度による変位の周波数は大きく離れているため、信号を簡易なフィルタ回路で分離することができる。よって、この振動は、Z軸方向検出電極44でZ軸方向の加速度を検出するのに支障はない。
【0058】
一方、図5に示すように、第2の素子5は、平面視で四角形をなす質量部(振動子)51と、その4つの角部に設けられた脚部(支持部材)22とを備えている。この第2の素子5は、例えばシリコンで構成されている。
【0059】
各脚部52は、L字状に屈曲し、その端部は、それぞれ、基板2上に設けられた4つの固定部53に固定的に設置されている。各脚部52は、弾性変形可能であり、これにより、基板2に対し質量部51をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の三次元方向に変位可能に支持している。
【0060】
質量部51のX軸方向の両側部には、質量部51のY軸方向の変位を静電容量の変化として検出する櫛形のY軸方向検出電極61が設置されている。各Y軸方向検出電極61には、質量部51の縁部に形成された櫛形電極54が非接触で対向している。
【0061】
また、質量部51のY軸方向の両側部には、質量部51のX軸方向の変位を静電容量の変化として検出する櫛形のX軸方向検出電極62が設置されている。各X軸方向検出電極62には、質量部51の縁部に形成された櫛形電極55が非接触で対向している。
【0062】
また、質量部51の下部には、質量部51をZ軸方向に振動させる駆動電極63が設置されている。
【0063】
駆動電極63、各Y軸方向検出電極61および各X軸方向検出電極62は、基板2に対し固定的に設置されている。
【0064】
質量部51は、駆動電極63に交流電圧を印加することにより発生する静電引力によりZ軸方向に加振される。この場合、コリオリ力の検出感度を高めるために、Z軸方向の振動の周波数は、同方向における質量部51の共振周波数にほぼ等しい周波数とされる。
【0065】
この状態で、質量部51にX軸回りの角速度が作用すると、Y軸方向にコリオリ力が発生し、質量部51はY軸方向に振動することとなる。
【0066】
この振動は、Y軸方向検出電極61により静電容量の変化として検出される。すなわち、質量部51の櫛形電極54とY軸方向検出電極61との間隔が変化することにより、静電容量が変化する。
【0067】
コリオリ力により生じたY軸方向の振動は、駆動電極63によるZ軸方向の振動に対し、同一の周波数でかつ位相が90°進んだものとなる。そして、X軸回りの角速度の大きさは、Y軸方向の振動の振幅に対応する。これにより、X軸回りの角速度を検出することができる。
【0068】
また、同様に、質量部51がZ軸方向に加振された状態で、質量部51にY軸回りの角速度が作用すると、X軸方向にコリオリ力が発生し、質量部51はX軸方向に振動することとなる。
【0069】
この振動は、X軸方向検出電極62により静電容量の変化として検出される。すなわち、質量部51の櫛形電極55とX軸方向検出電極62との間隔が変化することにより、静電容量が変化する。
【0070】
コリオリ力により生じたX軸方向の振動は、駆動電極63によるZ軸方向の振動に対し、同一の周波数でかつ位相が90°進んだものとなる。そして、Y軸回りの角速度の大きさは、X軸方向の振動の振幅に対応する。これにより、Y軸回りの角速度を検出することができる。
【0071】
以上述べたように、三次元角速度センサ1では、第1の素子3によりZ軸回りの角速度と、3軸方向の加速度とを検出し、第2の素子5によりX軸回りの角速度と、Y軸回りの角速度とを検出する。
【0072】
このような構成にすることにより、いずれの軸方向に関しても、コリオリ力同士や、加振した振動とコリオリ力とが重畳することはない。
【0073】
従って、重畳した出力を分離、抽出するためのフィルタ等の回路を設置することなく、X軸、Y軸およびZ軸回りの角速度や、X軸、Y軸およびZ軸方向の加速度を高精度で検出することができる。そして、前記フィルタ等の回路を設置する必要がないため、構造が簡易であり、小型化に寄与する。
【0074】
以上、本発明の三次元角速度センサを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0075】
特に、3軸回りの角速度の検出に関しては、複数の軸回りのコリオリ力が同じ軸方向で重畳しないようにする限りにおいて、第1の素子3および第2の素子5の各々への加振方向、コリオリ力による振動の検出方向等は、任意の方向が可能である。
【0076】
また、図示の構成では、3軸方向の加速度の検出を第1の素子3のみで行っているが、第2の素子5のみで行ってもよく、あるいは、2軸方向の加速度を一方の素子で検出し、残りの1軸方向の加速度を他方の素子で検出するような構成としてもよい。
【0077】
また、加速度の検出に関しては、1軸方向または2軸方向のみ検出することができるものであってもよい。2軸方向の加速度を検出する場合、それを一方の素子のみで行っても、両方の素子で1軸方向ずつ検出してもよい。また、本発明では、加速度センサを全く持たないものでもよい。
【0078】
質量部31、51を加振する方法は、前記実施形態で挙げた静電引力に基づくものの他、例えば、圧電効果、電磁力等を用いたものでもよい。
【0079】
質量部31、51の各方向の変位の検出は、前記実施形態で挙げた静電容量の変化に基づくものの他、例えば、ピエゾ抵抗効果、圧電効果等を用いたものでもよい。
【0080】
以上のような本発明の三次元角速度センサの構成は、いわゆるバルクマイクロマシーン技術で製作したセンサや、表面マイクロマシーン技術で製作したセンサへの応用が可能である。
【0081】
また、マイクロマシーン技術を用いていないセンサであっても、少なくとも1軸方向の加速度と3軸回りの角速度を同時に検出し得るセンサであって、角速度によるコリオリ力がある1つの軸に重畳しないようなセンサに、本発明を応用することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、2つの素子で3軸回りの角速度を検出することができ、構成が簡易で小型の三次元角速度センサを提供することができる。
【0083】
また、出力信号が重畳されることがないので、検出精度が高く、重畳された信号を分離したり、特定の信号を抽出したりするためのフィルタ等の回路も必要なく、装置の小型化やコストダウンに寄与する。
【0084】
また、構成を複雑化することなく、1〜3次元方向の加速度も併せて検出し得るようにすることもできる。従って、3軸回りの角速度と3軸方向の加速度とを検出できるセンサを2個の素子で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加速度検出の原理を示す斜視図である。
【図2】角速度検出の原理を示す概念図である。
【図3】本発明の三次元角速度センサの実施形態を示す概念図である。
【図4】図3に示す三次元角速度センサにおける第1の素子の構成例を示す平面図である。
【図5】図3に示す三次元角速度センサにおける第2の素子の構成例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 三次元角速度センサ
2 基板
3 第1の素子
31 質量部
32 脚部
33 固定部
34 櫛形電極
35 櫛形電極
36 櫛形電極
41 駆動電極
42 Y軸方向検出電極
43 X軸方向検出電極
44 Z軸方向検出電極
5 第1の素子
51 質量部
52 脚部
53 固定部
54 櫛形電極
55 櫛形電極
61 Y軸方向検出電極
62 X軸方向検出電極
63 駆動電極
10 基板
11 重り
12 梁
13、14 電極

Claims (4)

  1. コリオリ力を利用して互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸のそれぞれの軸回りの角速度を検出する三次元角速度センサであって、
    質量部を有し、当該質量部に前記X軸方向の振動を与えて、Z軸の軸回りの角速度を検出する第1の素子と、
    質量部を有し、当該質量部に前記Z軸方向の振動を与えて、前記X軸および前記Y軸の軸回りの角速度をそれぞれ検出する第2の素子とを備え、
    前記第1の素子と前記第2の素子とが、同一基体上に設置されており、
    前記第1の素子の質量部は、前記Y軸方向に伸びる一対の平行な辺と前記X軸方向に伸びる一対の平行な辺とで囲まれた四角形をなし、当該質量部を前記X軸方向に振動させる駆動電極が、前記Y軸方向に伸びる一対の平行な各辺の両端部付近にそれぞれ設置されており、当該第1の素子の質量部の前記Y軸方向の変位を検出するY軸方向検出電極が、前記Y軸方向に伸びる一対の平行な各辺の前記駆動電極間に設置されており、当該第1の素子の質量部の前記X軸方向の変位を検出するX軸方向検出電極が、前記X軸方向に伸びる一対の平行な各辺に設置されており、当該第1の素子の質量部の前記Z軸方向の変位を検出するZ軸方向検出電極が、当該第1の素子の質量部の下部に設置されており、
    前記第2の素子の質量部は、前記Y軸方向に伸びる一対の平行な辺と前記X軸方向に伸びる一対の平行な辺とで囲まれた四角形をなし、当該第2の素子の質量部を前記Z軸方向に振動させる駆動電極が、当該第2の素子の質量部の下部に設置されており、当該第2の素子の質量部の前記Y軸方向の変位を検出するY軸方向検出電極が、前記Y軸方向に伸びる一対の平行な各辺に設置されており、当該第2の素子の質量部の前記X軸方向の変位を検出するX軸方向検出電極が、前記X軸方向に伸びる一対の平行な各辺に設置されていることを特徴とする三次元角速度センサ。
  2. 前記第1の素子および前記第2の素子における質量部の前記X軸、Y軸またはZ軸方向の振動の周波数は、当該軸方向における質量部の共振周波数にほぼ等しい請求項1に記載の三次元角速度センサ。
  3. 前記第1の素子が、前記X軸、Y軸およびZ軸のうちの少なくとも1つの軸方向の加速度を検出する機能を有する請求項1または2に記載の三次元角速度センサ。
  4. 前記第2の素子が、前記X軸、Y軸およびZ軸のうちの少なくとも1つの軸方向の加速度を検出する機能を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の三次元角速度センサ。
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