JP3871120B2 - カラー表示装置およびカラー表示補正方法 - Google Patents

カラー表示装置およびカラー表示補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカラーノートブック型パーソナルコンピュータのカラーディスプレイなどの各種画面の色再現性を向上させるために、各カラーディスプレイの非線形表示特性を考慮してカラー信号を補正するカラー液晶表示装置などのカラー表示装置およびカラー表示補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー表示装置において、カラー表示パネルに表示される画像は、微小な多数の3原色画素R(赤)、G(緑)、B(青)から構成されており、外部からカラー表示パネルにカラー信号を入力して各3原色画素からの色を加法混色の原理に従って合成することによって、多様な色を表現してカラー画像を表示している。人間の視覚は、これらの微小な3原色画素の色が空間的に合成された色として認知されている。
【0003】
加法混色の原理については、例えば、大田登氏の“色再現工学の基礎”、p.66-69(コロナ社、1997)などに記載されており、この加法混色の原理をほぼ完全に適用することができるカラー表示装置としてはCRT(Cathode Ray Tube)が挙げられる。
【0004】
以下に、カラー表示装置において、加法混色により色の合成値を計算する方法について詳細に説明する。
【0005】
3原色画素であるRGBの各画素部に対して個別に入力カラー信号を与えた場合、各画素から出力されるRGBの3原色を合成して人間の目に知覚される3刺激値階調特性(XWs(N)、YWs(N)、ZWs(N))は、各色画素からの出力(3刺激値:X,Y,Z)から計算され、
Ws(N)=XR(N)+XG(N)+XB(N)
Ws(N)=YR(N)+YG(N)+YB(N)
Ws(N)=ZR(N)+ZG(N)+ZB(N)
のように表される。
【0006】
上記各式において、Nは入力信号の階調値であり、例えば入力信号が8ビットデータの場合には0〜255の整数値である。また、R(N)はRの画素に階調値Nの赤色信号を入力した場合、G(N)はGの画素に階調値Nの緑色信号を入力した場合、B(N)はBの画素に階調値Nの青色信号を入力した場合をそれぞれ示しており、Ws(N)は階調値Nにおける各画素の特性値を合成計算した白色信号を入力する場合を示している。
【0007】
なお、この3刺激値階調特性は、カラー表示装置への入力信号(階調値)に対して表示パネルから得られる3刺激値(X,Y,Z)を表し、例えば刺激値Yの階調特性(輝度階調特性)は、表示パネルのガンマ(入力信号-発光)特性を示している。
【0008】
このように、カラー表示パネルにおいて、各3原色の色度点は、その色の画素部に入力されるカラー信号の階調値(入力階調値N)によって変化するので、加法混色の原理に従って任意の色度を求めるためには、各色の画素部に入力されるカラー信号(階調値N)に対する3刺激値階調特性(XN、YN、ZN)を加算することになる。
【0009】
従来のカラー表示装置においては、あくまで、このような加法混色の原理が成立するものとして、カラー表示特性の補正が行われており、例えば、カラー液晶パネルの青色偏移特性を補正するために、入力される青色信号の階調レベルのみを他のカラー信号(緑色信号や赤色信号)の階調レベルよりも低くするという補正方法が用いられている。
【0010】
また、カラー液晶パネルの青色偏移特性を補正するためのルックアップテーブル(色補正用の比較表、Look−Up−Table:以下、LUTと称する)を用いて、青色信号のみが補正されている。例えば、本願出願人は、特開2001-42833号公報において、カラー液晶パネルの青色偏移特性を補正するため、主として青色信号に対してのみ補正用LUTを用いて補正を行うカラー表示装置を提案している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加法混色の結果と、RGBの各画素部に入力される信号レベルとを対応させて考えると、両者は単純に比例しているわけではなく、カラー表示装置によっては、この加法混色の原理を完全に適用することができないものもある。例えば、カラー液晶表示装置は、加法混色の原理にある程度従うカラー表示装置であるが、この加法混色の原理を完全に適用することはできず、RGBの各画素部に個別にカラー信号を入力したときの特性値を加法混色の原理に従って合成することにより求められた3刺激値階調特性(XWs(N)、YWs(N)、ZWs(N))の計算値は、入力信号として無彩色(RGBの各画素に対して同じ階調値Nのカラー信号を同時に入力)を与えたときに計測される3刺激値階調特性(XW(N)、YW(N)、ZW(N))の実測値とは異なったものとなっている。
【0012】
ここで、XW(N)は階調値Nのカラー信号をRGBの各画素部に同時入力した場合の刺激値Xの値、YW(N)は階調値Nのカラー信号をRGBの各画素部に同時入力した場合の刺激値Yの値、ZW(N)は階調値Nのカラー信号をRGBの各画素部に同時入力した場合の刺激値Zの値を示す。また、無彩色とは、いわゆる白〜灰色〜黒であり、入力信号がRGBとも同じである場合に表示される色のことを示す。
【0013】
このように、加法混色の原理を完全に適用することができず、RGBの各画素部に個別にカラー信号を入力したときの特性値を加法混色の原理に従って合成した3刺激値階調特性(XWs(N)、YWs(N)、ZWs(N))の計算値と、入力信号として無彩色(RGBの各画素に対して同じ階調値Nのカラー信号を同時に入力)を与えたときに計測される3刺激値階調特性(XW(N)、YW(N)、ZW(N))の実測値とが一致しないという現象は、特に、カラー液晶パネルのように、光源とカラーフイルターとによって光が分離されて出力されるカラー表示パネルにおいて顕著に現れる。
【0014】
以下に、従来のカラー液晶パネルにおいて、加法混色の原理を完全に適用することができない加法則の不一致についてさらに詳しく説明する。
【0015】
図10は、従来のカラー液晶パネルにおける無彩色の3刺激値階調特性(X,Y,Z)を示す図である。ここで、横軸の入力階調値は8ビットのデジタル値(0〜255の整数値)を示し、縦軸は輝度(cd/m2)を示している。
【0016】
図10に示すように、カラー液晶パネルにおいて、入力信号として無彩色(RGBの各画素部に対して同じ階調値Nのカラー信号を同時に入力)を与えたときに計測される輝度階調特性YW(N)(黒四角印で示す曲線:計測値)と、RGBの各画素部に個別にカラー信号を入力したときの特性値を加法混色の原理に従って合成して得られる輝度階調特性YWs(N)=XR(N)+YG(N)+ZB(N) (白抜き四角印で示す曲線(合成値))とは輝度が異なったものとなっている。
【0017】
また、図10における輝度階調特性の等価ガンマ値についても、計測値では2.15、合成値では2.81であり、異なったものとなっている。同様に、他の刺激値X,Zについても、計測値と合成値とでは階調特性に不一致が見られる。
【0018】
例えば、図10において、入力カラー信号(赤、緑、青)として、R(255、0、0)、G(0、255、0)、B(0、0、255)を与えたときの3刺激値階調特性を加算して得られる輝度階調特性YWs(255)は329cd/m2であるが、入力信号として白(255、255、255)を与えたときに計測して得られる輝度階調特性YW(255)は348cd/m2であり、合成値(加法混色による合成値)と計測値(実測値)とは一致していない。これによって、加法混色の原理が成立していないことが判る。
【0019】
図11は、従来のカラー液晶パネルにおいて、入力信号の階調を変化させたときの無彩色の色度(x、y)の変化を示す図である。ここで、横軸は色度x、縦軸は色度yを示している。図11では、入力カラー信号として最大の階調値(白)が与えられている点(図11の右上方向)から、階調値が全体の約1/4程度の低階調レベルの領域まで、階調値が低くなるに従って、表示色が青方向にシフトしており、カラー液晶パネルの青色偏移特性が示されている。
【0020】
図11に示すように、入力信号として無彩色(RGBの各画素に対して同じ階調値Nのカラー信号を同時に入力)を与えたときに計測される輝度階調特性YW(N)(黒四角印で示す曲線:計測値)は、RGBの各画素部に個別にカラー信号を入力したときの特性値を加法混色の原理に従って合成して得られる輝度階調特性YWs(N)=XR(N)+YG(N)+ZB(N)) (白抜き四角印で示す曲線(合成値))と一致していない。
【0021】
例えば、図11において、入力カラー信号(赤、緑、青)として、R(255、0、0)、G(0、255、0)、B(0、0、255)を与えたときの3刺激値階調特性を加算して得られる色度点(x=0.2768、y=0.2925)、相関色温度は10192度であるが、入力信号として白(255、255、255)を与えたときに計測して得られる色度点は(x=0.282、y=0.298)、相関色温度は9372度であり、合成値(加法混色による計算値)と計測値(実測値)とは一致していない。これによって、加法混色の原理が成立していないことが判る。
【0022】
上述したように、従来のカラー表示装置においては、加法混色の原理が成立するものとして、入力される青色信号の階調レベルのみを他のカラー信号(緑色信号や赤色信号)の階調レベルよりも低くして、青色偏移特性を補正する方法が用いられていた。このため、加法混色の原理を完全に適用することができないカラー液晶表示装置などでは、補正の精度が低く、充分な補正を行うことができなかった。
【0023】
また、従来においては、カラー液晶パネルの青色偏移特性を補正するために、LUT(ルックアップテーブル)を用いて青色信号のみが補正されていた。しかしながら、このように青色信号に対してのみ補正を行う方法では、補正後の色度点を一点に集めることができず、入力階調レベルによって無彩色の表示色に色ずれが生じていた。
【0024】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、加法混色による計算値と実測値とを一致させてカラー液晶パネルの表示特性を高精度に補正することができるカラー表示装置およびカラー表示補正方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明のカラー表示装置は、3原色に対応する複数の画素部が配列された表示パネルと、3原色の各カラー信号をそれぞれ補正して該表示パネルに供給する信号補正部とを有し、この信号補正部は、無彩色の3刺激値階調特性の測定値と、3原色の各3刺激値階調特性の測定値を合成した合成3刺激値階調特性との比を補正係数として、3原色の各3刺激値階調特性の測定値のそれぞれを補正し、補正された3原色の各3刺激値階調特性から3原色を合成した色度を算出した場合に、算出された色度と、加法混色の原理が成立したときに生成されるべき目標色度との差が最小となるように3原色の各カラー信号を補正するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0026】
また、好ましくは、本発明のカラー表示装置における信号補正部は、少なくとも入力階調レベルの高領域および中領域において、無彩色が、その入力階調レベルに関わらず一定の色度となるように3原色の各カラー信号を補正する。
【0027】
さらに、好ましくは、本発明のカラー表示装置における信号補正部は、3原色の各カラー信号毎に設けられた補正用ルックアップテーブルを用いて3原色の各カラー信号を補正する。
【0028】
さらに、好ましくは、本発明のカラー表示装置における信号補正部は、無彩色の目標色度が無彩色の最大階調値における色度点として、3原色の各カラー信号を補正する。
【0029】
さらに、好ましくは、本発明のカラー表示装置における信号補正部は、無彩色の目標色度が無彩色の最大階調値における色度点と異なる色度点として、3原色の各カラー信号を補正する。
【0030】
さらに、好ましくは、本発明のカラー表示装置における信号補正部は、無彩色の目標色度が黒体放射軌跡上の一点として3原色の各カラー信号を補正する。
【0031】
さらに、好ましくは、本発明のカラー表示装置における信号補正部において、前記入力階調レベルが入力されて3原色の各カラー信号が補正され、該信号補正部からの出力レベルの最大値が3原色の各カラー信号毎に異なっている。
【0032】
さらに、好ましくは、本発明のカラー表示装置における信号補正部において、前記入力階調レベルが入力され該入力階調レベルに応じて3原色の各カラー信号が補正され、該信号補正部からの青色信号の出力レベルが緑色信号および赤色信号の各出力レベルよりも低くなるように3原色の各カラー信号を補正する。
【0033】
さらに、好ましくは、本発明のカラー表示装置における信号補正部は、緑色信号の階調レベルを基準として、赤色信号および青色信号を補正する。
【0034】
さらに、好ましくは、本発明のカラー表示装置における表示パネルは、無彩色出力時のガンマ特性が2.0以上2.4以下の範囲とされている。
【0035】
また、本発明のカラー表示補正方法は、3原色のうちの第1原色の3刺激値階調特性の測定値、第2原色の3刺激値階調特性の測定値、および第3原色の3刺激値階調特性の測定値を合成するステップと、合成された3刺激値階調特性に対する無彩色の3刺激値階調特性の測定値の比を補正係数として、3原色の各3刺激値階調特性の測定値をそれぞれ補正するステップと、補正された3原色の各3刺激値階調特性から3原色を合成した色度を算出した場合に、算出された色度と、加法混色の原理が成立したときに生成されるべき目標色度との差が最小値となるように3原色の各カラー信号をそれぞれ補正するステップとを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0036】
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
【0037】
本発明にあっては、3原色(RGB)のそれぞれの3刺激値階調特性の測定値を合成し、無彩色の3刺激値階調特性の測定値と、合成された3刺激値階調特性との比を補正係数として、各色の3刺激値階調特性の測定値のそれぞれを補正し、補正された各色の3刺激値階調特性から3色を合成した任意の色度を算出することができる。この方法によれば、無彩色の色度の計算値(加法混色による合成値)と実測値とを一致させることができるので、例えばカラー液晶パネルにおける青色偏移特性を補正するために、カラー信号の補正を行う際に、補正の精度を向上させることが可能となる。
【0038】
補正された各色の3刺激値階調特性から3色を合成した色度を算出した場合に、無彩色が入力階調レベルに関わらず、ほぼ一定の色度となるように、3原色の各カラー信号を補正することによって、無彩色を表示する際に基準色からの色ずれを防ぐことができる。なお、入力階調レベルが低い領域(例えば全階調の約1/4以下)では、液晶パネルの光漏れや光分散などによって目標色度に集中させることができない。このため、少なくとも入力階調レベルが高い領域および中程度の領域において、算出された色度と目標色度との差が最小値になるように、カラー信号を補正することが可能となる。
【0039】
各カラー信号毎に、予め補正用データを計算して補正用ルックアップテーブル(Look−Up−Table:色補正用の比較表)に設定しておくことによって、表示パネルに供給される3原色の各カラー信号に対する補正処理をさらに容易に行うことが可能となる。
【0040】
無彩色の目標色度は、例えば無彩色の最大階調値における色度点としてもよく、それ以外の色度点としてもよい。目標色度を無彩色の最大階調値以外の色度点とした場合には、各カラー信号で出力レベルの最大値は異なったものになる。また、無彩色の目標色度を、黒体放射軌跡の近傍の点とすることによって、無彩色に着色(緑色やマゼンタ色等の色味)が生じることを防ぐことができる。
【0041】
青色信号の出力レベルを、緑色信号および赤色信号の各出力レベルよりも低く設定することによって、カラー液晶パネルなどにおける青色偏移特性を補正することが可能となる。この場合、青色信号、緑色信号および赤色信号のそれぞれを補正することができるが、緑色信号の階調レベルを基準として赤色信号および青色信号を補正することによって、カラー液晶パネルにおいてガンマ値の補正による表示特性の変動を抑制することが可能となる。また、青色信号に加えて、赤色信号を補正することによって、無彩色の色度を目標色度に集中させることができ、無彩色の表示色の変化を防ぐことが可能となる。
【0042】
カラー液晶パネルにおいて、無彩色出力時のガンマ特性を2.0以上2.4以下の範囲に設定することによって、インターネットなどによって配信される画像データに対しても、充分な表示特性を得ることが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のカラー表示装置の実施形態を、カラー液晶パネルを持つカラー液晶表示装置に適用した場合について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、カラー液晶パネルの他、カラープラズマパネルやカラーEL(Electro Luminescence;エレクトロルミネセンス)パネルなど、カラー信号の補正が必要とされるカラー表示パネル持つカラー表示装置であれば、カラー液晶パネルと同様に適用することが可能である。
【0044】
図1は、本発明のカラー液晶表示装置の一実施形態における要部構成を示すブロック図である。
【0045】
図1において、カラー液晶表示装置1は、3原色(RGB)に対応する複数の画素部がマトリクス状に配列された表示パネルとしてのカラー液晶パネル2と、その前段部として、3原色の各カラー信号を補正してカラー液晶パネル2に供給する信号補正部3とを有している。
【0046】
信号補正部3は、赤色信号用ルックアップテーブル部(LUT−R;赤色信号用LUT)3a、緑色信号用ルックアップテーブル部(LUT−G;緑色信号用LUT)3bおよび青色信号用ルックアップテーブル部(LUT−B;青色信号用LUT)3cを有し、カラー液晶パネル2に入力される赤色入力信号(R)、緑色入力信号(G)および青色入力信号(B)はそれぞれ、赤色信号用LUT3a、緑色信号用LUT3bおよび青色信号用LUT3cをそれぞれ経由して、各種画面の色再現性向上のために非線形表示特性を考慮して所定の補正が為された後にカラー液晶パネル2に供給される。即ち、LUT3a〜3cはそれぞれ、本発明の特徴構成およびその具体例1〜4として詳細に後述するが、無彩色の3刺激値階調特性の測定値と、3原色の各3刺激値階調特性の測定値を合成した合成3刺激値階調特性との比を補正係数として、3原色の各3刺激値階調特性の測定値のそれぞれを補正し、補正された3原色の各3刺激値階調特性から3色を合成した色度を算出した場合に、算出された色度と目標色度との差が最小値になるように3原色の各カラー信号をそれぞれ補正する。さらに、LUT3a〜3cには、カラー液晶パネル2の青色偏移特性を補正するために、RGBの各カラー信号に対応して独立して制御されており、カラー液晶パネル2に入力される入力階調レベルが低い領域(全階調の約1/4以下)を除く、入力階調レベルが高い領域および中程度の領域において、無彩色の色度点を一点に集中させることができるように、予め補正用のデータが設定されている。これによって、入力階調レベルによって無彩色の表示色に変化が生じることを防ぐことができる。
【0047】
なお、図1では、模式的に機能ユニット(ハード構成)としてブロック化して示しているが、これに限らず、カラー信号を補正する処理は、ソフトウェア構成(CPUと制御プログラムが記憶された記憶部とで構成)にて行うことも可能である。
【0048】
ここで、本発明の特徴構成としての加法混色計算方法について、以下、詳細に説明する。
【0049】
カラー液晶表示装置1において、無彩色の3刺激値階調特性の測定値が(XW(N)、YW(N)、ZW(N))、赤色原色の3刺激値階調特性の測定値が(XR(N)、YR(N)、ZR(N))、緑色原色の3刺激値階調特性の測定値(XG(N)、YG(N)、ZG(N))、青原色の3刺激値階調特性の測定値が(XB(N)、YB(N)、ZB(N))である場合に、3原色を合成した3刺激値階調特性(XWs(N)、YWs(N)、ZWs(N))は、
Ws(N)=XR(N)+XG(N)+XB(N)
Ws(N)=YR(N)+YG(N)+YB(N)
Ws(N)=ZR(N)+ZG(N)+ZB(N)
として求めることができる。
【0050】
このとき、無彩色の3刺激値階調特性の測定値(XW(N)、YW(N)、ZW(N))と、求められた3原色を合成した3刺激値階調特性(XWs(N)、YWs(N)、ZWs(N))との比
X=XW(N)/XWs(N)
Y=YW(N)/YWs(N)
Z=ZW(N)/ZWs(N)
を、各色の3刺激値階調特性の測定値を補正するための補正係数として用いることができる。
【0051】
図2は、本発明における3刺激値(X、Y、Z)に対する補正係数の一例を示す図である。図2では、図10に示す入力信号として無彩色(RGBの各画素部に対して同じ階調値Nのカラー信号を同時に入力)を与えたときに計測される3刺激値階調特性(計測値)と、RGBの各画素に個別にカラー信号を入力したときの特性値を加法混色の原理に従って合成して得られる3刺激値階調特性(合成値)とを一致させるための補正係数曲線を示している。
【0052】
図2において、横軸の入力階調値は8ビットのデジタル値(0〜255の整数値)を示し、縦軸は補正係数値を示している。また、菱形印で示す曲線は刺激値X、四角印で示す曲線は刺激値Y、三角印で示す曲線は刺激値Zに対する補正係数の曲線をそれぞれ示している。
【0053】
この補正係数値(CX、CY、CZ)を用いて、赤色原色の3刺激値階調特性(XR(N)、YR(N)、ZR(N))を、
X’R(N)=CX×XR(N)
Y’R(N)=CY×YR(N)
Z’R(N)=CZ×ZR(N)
と補正し、緑色原色の3刺激値階調特性(XG(N)、YG(N)、ZG(N))を、
X’G(N)=CX×XG(N)
Y’G(N)=CY×YG(N)
Z’G(N)=CZ×ZG(N)
と補正し、青色原色の3刺激値階調特性(XB(N)、YB(N)、ZB(N))を、
X’B(N)=CX×XB(N)
Y’B(N)=CY×YB(N)
Z’B(N)=CZ×ZB(N)
と補正して、任意の色度を計算するための加法混色計算を行うことが可能となる。
【0054】
このようにして、補正された3刺激値階調特性を用いて加法混色計算を行うことにより、RGBの3色を合成した無彩色の色度(計算値)は、
S(N)=X’R(N)+X’G(N)+X’B(N)=CX×(XR(N)+XG(N)+XB(N) =CX×XWs(N)=XW(N)
S(N)=Y’R(N)+Y’G(N)+Y’B(N)=CY×(YR(N)+YG(N)+YB(N) =CY×YWs(N)=YW(N)
S(N)=Z’R(N)+Z’G(N)+Z’B(N)=CZ×(ZR(N)+ZG(N)+ZB(N) =CZ×ZWs(N)=ZW(N)
となり、計算値(合成値)と計測した無彩色の色度(実測値)とを一致させることができる。
【0055】
このようにして、3原色の3刺激値階調特性の測定値を補正して得られる補正3刺激値階調特性は、加法混色の計算値が実測値と一致するため、任意の色度を計算する際に用いることができる。
【0056】
例えば、図11に示すカラー液晶パネルの青色偏移特性を補正するためには、3原色の補正3刺激値階調特性を用いて3色の加法混色計算を行い、3色合成の色度(xS(N)、yS(N)
S(N)=XS(N)/(XS(N)+YS(N)+ZS(N)
S(N)=YS(N)/(XS(N)+YS(N)+ZS(N)
Nは階調数
を計算する。このとき、所定の目標色度(xT、yT)とした場合に、(xS(N)−xT)2+(yS(N)−yT)2が最小値となるように3原色RGBの値(カラー信号)を計算する。このようにして得られるRGBの値の組み合わせをカラー液晶パネル2に入力することにより、カラー液晶パネル2の青色偏移特性を補正することが可能となる。
(具体例1)
本発明のカラー表示装置1の具体例1であるカラー表示装置11によって、青色偏移特性を補正する方法について説明する。
【0057】
図3は、図1のカラー表示装置11のLUT31a〜31cを経由して液晶パネル2に入力されるカラー信号の階調を変化させたときの無彩色の色度(x、y)の変化を示す図(菱形印で示す)であり、横軸は色度x、縦軸は色度yを示している。
【0058】
図3では、低入力階調レベル(全階調の約1/4以下)を除いて、無彩色の色度点を、最大輝度の色度点を目標色度(xT、yT)として、一点に集中させる場合である。
【0059】
このような補正データを設定したLUT31a〜31cを作成するために、カラー表示装置11では、上述した3原色の補正3刺激値階調特性を用いて3色の加法混色計算を行い、3色合成の色度(xS(N)、yS(N))および目標色度(xT、yT)に対して、各成分毎の差を2乗した値の和、即ち(xS(N)−xT)2+(yS(N)−yT)2が最小値となるように、緑色信号の階調レベルを基準として、青色信号および赤色信号の階調値Nを変化させている。このように、カラー信号の緑色信号の階調レベルを基準とすることにより、カラー液晶パネル2においてガンマ値の補正による表示特性の変動を抑えることができる。
【0060】
図4は、本具体例1における赤色信号用LUT31a、緑色信号用LUT31bおよび青色信号用LUT31cにおける入出力データの関係を示す図であり、横軸は、外部から各色信号用LUT31a〜31cに入力される各カラー信号の階調値(0〜255の階調値を0〜1で示している)を示し、縦軸は、各色信号用LUT31a〜31cから出力されてカラー液晶パネル2に供給される各カラー信号の階調値(0〜255の階調値を0〜1で示している)を示している。
【0061】
本具体例1では、目標色度が最大輝度の色度であり、青色信号用LUT31c(三角印で示す曲線)は、緑色信号用LUT31b(四角印で示す曲線)よりも出力レベルが低い値となっており、無彩色の色度を最大輝度色度点(目標色度点)に集中させて、カラー液晶パネル2の青色偏移を補正することができる。
【0062】
なお、赤色信号用LUT31a(菱形印で示す曲線)により、無彩色の色度を目標色度に集中させることが可能となっている。低階調入力レベル(全階調の約1/4以下)では、カラー液晶パネル2が全暗の状態でも光漏れが生じること、および液晶材料の光分散が生じることなどによって、青色信号用LUT31c、赤色信号LUT31aによるカラー信号の補正によって無彩色の色度点を目標色度に集中させることは容易ではない。また、階調特性の測定精度が不十分であること、補間計算精度が悪いことなどによっても、実測値(計測値)と計算値(加法混色による合成値)とがずれることがある。
【0063】
図3には、比較のために、青色信号のLUTを用いて青色カラー信号のみを補正した従来例(四角印で示す)を、同時に示している。この場合には、無彩色の色度点を一点に集中させることはできているが、本具体例1に比べて黒体放射軌跡から離れており、補正精度が悪くなっている。
(具体例2)
本発明のカラー表示装置1の具体例2であるカラー表示装置12によって、青色偏移特性を補正する方法について説明する。
【0064】
図5は、図1のカラー表示装置12のLUT32a〜32cを経由して液晶パネル2に入力される各カラー信号の階調を変化させたときの無彩色の色度(x、y)の変化を示す図(菱形印で示す)であり、横軸は色度x、縦軸は色度yを示している。
【0065】
本具体例2では、低入力階調レベル(全階調の約1/4以下)を除いて、無彩色の色度点を、黒体放射軌跡(実線で示す)上において、最大輝度色度点の相関色温度(9372度)より色温度を低く設定した点(6500度:xT=0.3128、yT=0.3292)を目標色度として、一点に集中させる場合である。
【0066】
目標色度は、白色の標準とされる黒体放射軌跡の近傍に選定することが望ましい。この軌跡から外れると、白の色味が緑色またはマゼンタ色となり、好ましくないからである。目標色度を黒体放射軌跡上の一点に設定することにより、低入力階調レベルを除いて、入力階調レベルによらず、無彩色の色度点を黒体放射軌跡の近傍に集中させることができる。
【0067】
このような補正用データが設定されたLUT32a〜32cを作成するために、本具体例2では、上述した3原色の補正3刺激値階調特性を用いて3色の加法混色計算を行い、3色合成の色度(xS(N)、yS(N))および目標色度(xT、yT)に対して、各成分毎の差を2乗した値の和、即ち(xS(N)−xT)2+(yS(N)−yT)2が最小値となるように、緑色信号の階調レベルを基準として、青色信号および赤色信号の階調値Nを変化させている。このように、緑色信号の階調レベルを基準とすることにより、カラー液晶パネル2においてガンマ値の補正による表示特性の変動を抑えることができる。
【0068】
図6は、本具体例2における赤色信号用LUT32a、緑色信号用LUT32bおよび青色信号用LUT32cにおける入出力データの関係を示すグラフであり、横軸は、外部から各色信号用LUT32a〜32cに入力される各カラー信号の階調値(0〜255の階調値を0〜1で示している)を示し、縦軸は、各色信号用LUT32a〜32cから出力されてカラー液晶パネル2に供給される各カラー信号の階調値(0〜255の階調値を0〜1で示している)を示している。
【0069】
本具体例2では、目標色度が最大輝度色度点の相関色温度より色温度を低く設定した点の色度(6500度:xT=0.3128、yT=0.3292)であり、LUT32a〜32cの補正用データの最大値は各カラー信号毎に異なっている。目標色温度を低く設定したため、赤色信号用LUT32a(菱形印で示す曲線)の出力レベルが最大となり、緑色信号用LUT32b(四角印で示す曲線)、青色信号用LUT32c(三角印で示す曲線)の順に、出力レベルが低い値となっている。これによって、無彩色の色度を黒体放射軌跡上の一点に集中させて、カラー液晶パネル2の青色偏移を補正することができる。
【0070】
図5には、比較のために、青色信号のLUTを用いて青色カラー信号のみを補正した従来例(四角印で示す)を、同時に示している。この場合には、無彩色の色度点を一点に集中させることができておらず、入力階調レベルによって、無彩色の表示色が変化することになる。また、本具体例2に比べて黒体放射軌跡から離れた位置に色度点が移動しており、従来例では無彩色に色味が生じることになる。
具体例3)
本発明のカラー表示装置1の具体例3であるカラー表示装置13によって、青色偏移特性を補正する方法について説明する。
【0071】
図7は、図1のカラー表示装置13のLUT33a〜33cを経由してカラー液晶パネル2に入力される各カラー信号の階調を変化させたときの無彩色の色度(x、y)の変化を示す図(菱形印で示す)であり、横軸は色度x、縦軸は色度yを示している。
【0072】
本具体例3では、低入力階調レベル(全階調の約1/4以下)を除いて、無彩色の色度点を、黒体放射軌跡(実線で示す)上において、最大輝度色度点の相関色温度(6730度)より色温度を高く設定した点(10000度:xT=0.2788、yT=0.2920)を目標色度として、一点に集中させる場合である。
【0073】
目標色度は、白色の標準とされる黒体放射軌跡の近傍に選定することが望ましい。この軌跡から外れると、白の色味が緑色またはマゼンタ色となり、好ましくないからである。目標色度を黒体放射軌跡上の一点に設定することにより、低入力階調レベルを除いて、入力階調レベルによらず、無彩色の色度点を黒体放射軌跡の近傍に集中させることができる。
【0074】
このような補正用データが設定されたLUT33a〜33cを作成するために、本具体例3では、上述した3原色の補正3刺激値階調特性を用いて3色の加法混色計算を行い、3色合成の色度(xS(N)、yS(N))および目標色度(xT、yT)に対して、各成分毎の差を2乗した値の和、即ち(xS(N)−xT)2+(yS(N)−yT)2が最小値となるように、緑色信号の階調レベルを基準として、青色信号および赤色信号の階調値Nを変化させている。このように、緑色信号の階調レベルを基準とすることにより、カラー液晶パネル2においてガンマ値の補正による表示特性の変動を抑えることができる。
【0075】
図8は、本具体例3における赤色信号用LUT33a、緑色信号用LUT33bおよび青色信号用LUT33cにおける入出力データの関係を示す図であり、横軸は、外部から各色信号用LUT33a〜33cに入力される各カラー信号の階調値(0〜255の階調値を0〜1で示している)を示し、縦軸は、各色信号用LUT33a〜33cから出力されてカラー液晶パネル2に供給される各カラー信号の階調値(0〜255の階調値を0〜1で示している)を示している。
【0076】
本具体例3では、目標色度が最大輝度色度点の相関色温度より色温度を高く設定した点の色度(10000度:xT=0.2788、yT=0.2920)であり、各LUT33a〜33cの補正用データの最大値は各カラー信号毎に異なっている。目標色温度を高く設定したため、入力階調レベルの高い領域において、青色信号用LUT33c(三角印で示す曲線)の出力レベルが高くなり、赤色信号用LUT33a(菱形印で示す曲線)の出力レベルが低くなっているが、入力階調レベルが中程度の領域では、青色信号用LUT33cの出力レベルが最も低い値となっている。これによって、無彩色の色度を黒体放射軌跡上の一点に集中させて、カラー液晶パネル2の青色偏移を補正することができる。
【0077】
図7には、比較のために、青色信号のLUTを用いて青色カラー信号のみを補正した従来例(四角印で示す)を、同時に示している。この場合には、無彩色の色度点を一点に集中させることができておらず、入力階調レベルによって、無彩色の表示色が変化することになる。また、本具体例3に比べて黒体放射軌跡から離れた位置に色度点が移動しており、無彩色に色味が生じることになる。
(具体例4)
通常のカラー液晶パネルにおけるガンマ特性(入力信号レベル−発光特性)は、S字曲線や折れ線などとなっており、基準のガンマ値2.2とはなっていない。
【0078】
そこで、本具体例4では、カラー液晶パネル2のガンマ曲線とガンマ値2.2の曲線との比を用いて、カラー液晶パネル2のガンマ曲線をガンマ値が2.2となるように補正する場合について説明する。
【0079】
図9は、具体例3において図8に示すLUTに対して、ガンマ値が2.2となるように補正を行った場合のLUTの入出力特性を示す図であり、横軸は、外部から各色信号用LUT34a〜34cに入力される各カラー信号の階調値(0〜255の階調値を0〜1で示している)を示し、縦軸は、各色信号用LUT34a〜34cから出力されてカラー液晶パネル2に供給される各カラー信号の階調値(0〜255の階調値を0〜1で示している)を示している。
【0080】
本具体例4では、緑色信号用LUT34b(四角印で示す曲線)の入出力特性が直線ではなく、カラー液晶パネル2のガンマ曲線がガンマ値2.2となるような、曲線となっている。
【0081】
なお、カラー液晶パネル2において、ガンマ値が2.0以上2.4以下の範囲に設定されていれば、インターネットなどを介して配信される基準の画像データに対して、充分に良好な表示を行うことが可能である。
【0082】
以上により、上記実施形態の各具体例1〜4によれば、RGBの各原色の3刺激値階調特性を合成し、無彩色の3刺激値階調特性と、合成された3刺激値階調特性との比を補正係数として、各色の3刺激値階調特性のそれぞれを補正し、補正された各原色の3刺激値階調特性に基づいて3原色を合成した色度を算出した場合に、算出された色度と目標色度との差が最小値となるようにカラー信号を補正する。この場合にLUT(ルックアップテーブル)3a〜3cを用いて、カラー液晶パネル2に入力されるRGBの各カラー信号を、無彩色が入力階調レベルに関わらず一定の色度となるように補正する。このため、加法混色による計算値と実測値とを一致させてカラー液晶パネル2の青色偏移特性を高精度に補正することができる。
【0083】
また、本発明のカラー液晶表示装置1によれば、カラー補正された無彩色に基準色からの色ずれが生じないため、カラー補正された無彩色を輝度計で計測することや、カラー液晶表示装置1に無彩色の輝度階調パッチを表示させて目視確認することができる。
【0084】
さらに、本発明によれば、例えばカラー液晶パネル2における色バランスの歪を容易に補正することができるため、カラー液晶表示装置1において、カラー液晶パネル2のユニットを交換する場合においても、各々異なる色特性を有するカラー液晶パネル2の特性差を容易に補正することができる。
【0085】
さらに、本発明は、カラー液晶パネル2以外の各種カラー表示パネルに対しても利用可能であり、また、他の種類の表示パネルに交換する場合にも、各々の表示パネルの特性に応じた測定データを用いて、本発明のカラー表示補正方法によりLUTの補正用データを作成したり、ソフトウェアによってカラー信号を補正することができるため、様々な特性を有するカラー表示パネル2に対して、広く活用することが可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上により、本発明によれば、3原色(RGB)のそれぞれの3刺激値階調特性の測定値を合成し、無彩色の3刺激値階調特性の測定値と、合成された3刺激値階調特性との比を補正係数として、各3原色の3刺激値階調特性の測定値のそれぞれを補正し、補正された各色の3刺激値階調特性に基づいて3原色を合成した任意の色度を算出することによって、無彩色の色度の計算値(加法混色による合成値)と実測値とを一致させることができる。よって、例えばカラー液晶パネルにおける青色偏移特性を補正するために、カラー信号の補正を行う際にも、補正の精度を向上させることができる。
【0087】
補正された各3原色の3刺激値階調特性から3色を合成した色度を算出する場合に、無彩色が、入力階調レベルに関わらず一定の色度となるように、カラー信号を補正することによって、従来技術の補正方法において生じていたような無彩色を表示する際の基準色からの色ずれを防ぐことができる。また、入力階調レベルが低い領域(例えば全階調の約1/4以下)では、液晶パネルの光漏れや光分散などによって目標色度に集中させることができないことがあるため、少なくとも入力階調レベルが高い領域および中程度の領域において、算出された色度と目標色度との差が最小値になるように、カラー信号を補正することが好ましい。
【0088】
補正された各色の3刺激値階調特性によって色度を算出してカラー信号の補正を行うことにより、基準色からの色ずれの少ないカラー表示が可能となる。特に、各カラー信号毎に、予め補正用データを計算しておき、補正用ルックアップテーブルを設けることによって、補正処理をさらに容易に行うことができる。
【0089】
無彩色の目標色度は、例えば無彩色の最大階調値における色度点としてもよく、それ以外の色度点としてもよい。目標色度を無彩色の最大階調値以外の色度点とした場合には、各カラー信号で出力レベルの最大値は異なったものになる。また、無彩色の目標色度を、黒体放射軌跡の近傍の点とすることによって、無彩色が着色(緑色やマゼンタ色等の色味)することを防ぐことができる。
【0090】
青色信号の出力レベルを、緑色信号および赤色信号よりも低く設定することによって、カラー液晶パネルなどにおける青色偏移特性を補正することができる。この場合、青色信号、緑色信号および赤色信号のそれぞれを補正することができるが、緑色信号の階調レベルを基準として赤色信号および青色信号を補正することによって、カラー液晶パネルにおいてガンマ値の補正による表示特性の変動を抑制することができる。また、青色信号に加えて、赤色信号を補正することによって、無彩色の色度を目標色度に集中させることができ、無彩色の表示色の変化を防ぐことができる。従来の補正方法では無彩色の色度点を一点に集めることができず、無彩色を表示する際に基準色からの色ずれが生じていたが、本発明によれば、このような無彩色の色ずれは生じない。
【0091】
カラー液晶パネルにおいて、無彩色出力時のガンマ特性を2.0以上2.4以下の範囲に設定することによって、インターネット等によって配信される画像データに対して、充分な表示特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー液晶表示装置の実施形態における要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の加法混色計算方法における3刺激値(X、Y、Z)に対する補正係数の一例を示す図である。
【図3】本発明の具体例1において、カラー液晶パネルに入力されるカラー信号の階調を変化させたときの無彩色の色度(x、y)の変化を従来例と比較して示す図である。
【図4】本発明の具体例1におけるLUTの入出力特性を示す図である。
【図5】本発明の具体例2において、カラー液晶パネルに入力されるカラー信号の階調を変化させたときの無彩色の色度(x、y)の変化を従来例と比較して示す図である。
【図6】本発明の具体例2におけるLUTの入出力特性を示す図である。
【図7】本発明の具体例3において、カラー液晶パネルに入力されるカラー信号の階調を変化させたときの無彩色色度(x、y)の変化を従来例と比較して示す図である。
【図8】本発明の具体例3におけるLUTの入出力特性を示す図である。
【図9】本発明の具体例4におけるLUTの入出力特性を示す図である。
【図10】従来のカラー液晶パネルにおける無彩色の3刺激値階調特性(X,Y,Z)の加法混色計算による合成値と計測値との不一致を説明するための図である。
【図11】従来のカラー液晶パネルにおいて、入力信号の階調を変化させたときの無彩色の色度(x、y)の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 カラー液晶表示装置
2,21,22,23,24 カラー液晶パネル
3 信号補正部
3a,31a,32a,33a,34a 赤色信号用ルックアップテーブル
3b,31b,32b,33b,34b 緑色信号用ルックアップテーブル
3c,31c,32c,33c,34c 青色信号用ルックアップテーブル

Claims (11)

  1. 3原色に対応する複数の画素部が配列された表示パネルと、3原色の各カラー信号をそれぞれ補正して該表示パネルに供給する信号補正部とを有し、
    該信号補正部は、無彩色の3刺激値階調特性の測定値と、3原色の各3刺激値階調特性の測定値を合成した合成3刺激値階調特性との比を補正係数として、3原色の各3刺激値階調特性の測定値のそれぞれを補正し、補正された3原色の各3刺激値階調特性から3原色を合成した色度を算出した場合に、算出された色度と、加法混色の原理が成立したときに生成されるべき目標色度との差が最小となるように3原色の各カラー信号を補正するカラー表示装置。
  2. 前記信号補正部は、少なくとも入力階調レベルの高領域および中領域において、無彩色が、その入力階調レベルに関わらず一定の色度となるように3原色の各カラー信号を補正する請求項1記載のカラー表示装置。
  3. 前記信号補正部は、3原色の各カラー信号毎に設けられた補正用ルックアップテーブルを用いて該3原色の各カラー信号を補正する請求項1または2記載のカラー表示装置。
  4. 前記信号補正部は、無彩色の目標色度が無彩色の最大階調値における色度点として、3原色の各カラー信号を補正する請求項1〜3の何れかに記載のカラー表示装置。
  5. 前記信号補正部は、無彩色の目標色度が無彩色の最大階調値における色度点と異なる色度点として、3原色の各カラー信号を補正する請求項1〜3の何れかに記載のカラー表示装置。
  6. 前記信号補正部は、無彩色の目標色度が黒体放射軌跡上の一点として、3原色の各カラー信号を補正する請求項5記載のカラー表示装置。
  7. 前記信号補正部において、前記入力階調レベルが入力されて3原色の各カラー信号が補正され、該信号補正部からの出力レベルの最大値が3原色の各カラー信号毎に異なっている請求項5または6記載のカラー表示装置。
  8. 前記信号補正部において、前記入力階調レベルが入力され該入力階調レベルに応じて3原色の各カラー信号が補正され、該信号補正部からの青色信号の出力レベルが緑色信号および赤色信号の各出力レベルよりも低くなるように3原色の各カラー信号を補正する請求項1〜7の何れかに記載のカラー表示装置。
  9. 前記信号補正部は、緑色信号の階調レベルを基準として、赤色信号および青色信号を補正する請求項1〜8の何れかに記載のカラー表示装置。
  10. 前記表示パネルは、無彩色出力時のガンマ特性が2.0以上2.4以下の範囲とされている請求項1記載のカラー表示装置。
  11. 3原色のうちの第1原色の3刺激値階調特性の測定値、第2原色の3刺激値階調特性の測定値、および第3原色の3刺激値階調特性の測定値を合成するステップと、
    合成された3刺激値階調特性に対する無彩色の3刺激値階調特性の測定値の比を補正係数として、3原色の各3刺激値階調特性の測定値をそれぞれ補正するステップと、
    補正された3原色の各3刺激値階調特性から3原色を合成した色度を算出した場合に、算出された色度と、加法混色の原理が成立したときに生成されるべき目標色度との差が最小値となるように、3原色の各カラー信号をそれぞれ補正するステップとを含むカラー表示補正方法。
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