JP3870830B2 - 移動通信システム、移動局、基地局及びそれらに用いる通信路品質推定方法 - Google Patents
移動通信システム、移動局、基地局及びそれらに用いる通信路品質推定方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は移動通信システム、移動局、基地局及びそれらに用いる通信路品質推定方法に関し、特に移動通信システムにおける通信路品質を推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代移動通信システム(IMT−2000)において、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)を用いた下り高速パケット伝送(HSDPA:High Speed Downlink Packet Access)が3GPP(3rd Generation Partnership Project)で議論が行われている。HSDPAでは基地局から移動局への下り回線の伝送に、高速下り共用チャネル (HS−PDSCH:High Speed−Physical Downlink Shared Channel)を使う。HS−PDSCHはパケットデータを送信するためのものであり、複数の移動局で時間的にシェア(時分割)することで、1本のHS−PDSCHを共用して使うことができる。
【0003】
HSDPA方式では、基地局から移動局へのデータ送信を制御するために、基地局と複数の各移動局の間で上りの制御用チャネル(HS−DPCCH:High Speed−Dedicated Physical Control Channel)を設定する。HS−DPCCHは移動局が基地局にHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest:ハイブリッド自動再送要求)のACK/NACK情報と通信路品質情報とを送信するために用いられる。
【0004】
通信路品質とは、共通パイロットチャネル(CPICH:Common Pilot Channel)の信号電力対干渉電力比(SIR:Signal to Interference Ratio)を指す。ここで、時間的にすべてのチャネルを多重して送信するので、移動局は通信路品質の測定に既知のデータシンボルを送信している共通パイロットチャネルを用いることが可能である。
【0005】
HSDPA方式では、通信路の品質に応じて変調と符号化率とを適応的に変更するAMCS(Adaptive Modulation and Coding Scheme)を適用する。AMCSを適用すると、通信路の品質に応じた伝送ができる。つまり、通信路品質が良い場合には、多値数の大きな変調方式と符号化率の大きな誤り訂正符号とを適用してスループットを向上させ、悪い場合には多値数と符号化率とをともに小さくことでパケットの誤り率を抑えられるので、システム容量を増加させることが可能である。
【0006】
さらに、HSDPAのようなパケット伝送において、基地局は複数の移動局からデータ送信要求を受けた後、移動局間の送信順序を決定(スケジューリング)してデータの送信を行う。このスケジューリングには移動局が通知する通信路品質を用いる。通信路品質の高い移動局を優先的にパケット伝送を行うスケジューリングをMaximumC/Iスケジューラと呼ぶ。
【0007】
MaximumC/Iスケジューラを用いると、通信路品質が高い瞬間に伝送を行うことになり、AMCSを適用した場合には、より高いMCS(Modulation and Coding Scheme)レベルを選択する確率が増えるため、伝送レートの平均値を増加させ、システムスループットも高くすることができる。
【0008】
また、適応アンテナは指向性を利用して信号を分離することができる。パケットデータを伝送する下り共用チャネルに適応アンテナを適用すると、電力を特定の移動局の方向だけに集中して送信することができるので、他の移動局への干渉を低減することが可能である。
【0009】
従来、下り送信に適応アンテナを適用しない場合には、移動局が観測する通信路品質が通信の状態に依存しない。しかしながら、適応アンテナを適用すると、データチャネルを指向性で制御された方向のみに送信するため、パケット伝送を行っている間はデータチャネルのマルチパス干渉を受けるが、パケット伝送を行なっていない間はデータチャネルのマルチパス干渉を受けない。これは指向性によって他の移動局のデータチャネルが分離されて干渉電力が小さくなるためである。つまり、移動局が観測する通信路品質は通信の状態に依存する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の移動通信システムでは、MCS選択が通信路品質に基づいて行われるが、適応アンテナを用いる場合、待機状態で適応アンテナの指向性によって他の移動局のデータチャネルが分離されているため、通信状態のデータチャネルのマルチパス干渉による通信路品質の劣化を知ることができない。
【0011】
したがって、従来の移動通信システムでは、待機状態に測定した通信路品質が通信状態の通信路品質よりも高くなり、待機状態に測定した通信品質に基づいてMCS選択を行うと、パケットの受信誤りが発生する確率が高く、伝送効率が低下するという問題が生じる。
【0012】
また、従来の移動通信システムでは、スケジューリングを行う場合、全ての移動局で同じ条件で測定された通信路品質を用いることが重要であるが、適応アンテナを用いた場合、移動局の通信状態によって通信路品質に違いがある。
【0013】
従来、通信路品質の推定に用いる干渉電力は瞬時的に測定するのではなく、所定の時間にわたって平均値を求めているが、所定の時間の中でパケット伝送を行っている時間の割合が高い移動局ほど、通信路品質が悪くなる。つまり、通信の状態(パケット伝送を行っている時間の割合)によって通信路品質が異なる。したがって、従来の方法では同一条件での比較を行うことができないという問題が生じる。
【0014】
さらに、待機状態では指向性によって他の移動局からのデータチャンネルの干渉が少ないので、通信状態に比べて通信路品質が良好に測定される。同時刻に待機状態の移動局と通信状態の移動局とが存在すると、待機状態の移動局が通知する通信路品質は高く、通信状態の移動局が通知する通信路品質は低くなる。
【0015】
この時、MaximumC/Iスケジューラは通信路品質の高い移動局にデータを送信して通信状態にし、通信路品質の低い移動局へのデータ送信を止めて待機状態にする。次の時刻ではこの移動局間で状態が入れ替わる。さらに状態が入れ替わった状態で、スケジューラは通知される通信路品質を用いて移動局の状態を変更するので、移動局間で待機状態と通信状態とを交互に入れ替える現象が起こる。
【0016】
ここで、通信状態になった移動局のMCSレベルは待機状態の通信路品質に基づいて決定しているので、パケットが誤る確率が高くなり、さらには再送回数の増加を招く。そのため、システムスループットを低下させてしまうという問題が生じる。
【0017】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、直前の通信状態に依存しない一定の条件で通信路品質を推定することができる移動通信システム、移動局、基地局及びそれらに用いる通信路品質推定方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明による移動通信システムは、複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信を制御する移動通信システムであって、
前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いて通信モードの選択またはスケジューリングを行う手段を備えている。
【0019】
本発明による移動局は、複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信を制御する移動通信システムの移動局であって、
前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方に応じた情報を前記基地局に通知する手段を備え、
当該情報に応じて前記基地局にて通信モードの選択またはスケジューリングが行われている。
【0020】
本発明による基地局は、複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信制御する移動通信システムの基地局であって、
前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いて通信モードの選択またはスケジューリングを行う手段を備えている。
【0021】
本発明による通信路品質推定方法は、複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信を制御する移動通信システムの通信路品質推定方法であって、
通信モードの選択またはスケジューリングに、前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いている。
【0022】
すなわち、本発明の移動通信システムは、基地局に適応アンテナを用いて高速下りパケット伝送を行うシステムにおいて、移動局が待機状態の通信路品質と受信状態の通信路品質とを合わせて用いて通信制御を行うことを特徴とする。これによって、本発明では、通信開始時の通信路品質の推定精度が向上し、より精度の高い通信制御が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例による移動通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、本発明の第1の実施例による移動通信システムは基地局1と、複数の移動局2とから構成されている。
【0024】
本実施例では、無線アクセス方式としてCDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式を使用している。基地局1はHS−PDSCH(High Speed−Physical Downlink Shared Channel)と称する高速下り共用チャネルを用いて、移動局2に多量のパケット化したデータを送信する。移動局2に送信するデータは、通信網(図示せず)から基地局1に接続されている無線ネットワーク制御装置(図示せず)を経由して到着する。
【0025】
基地局1は複数の移動局2に多量データを送信する必要がある場合、各移動局2へのデータ送信の順序を決定するスケジューリングを行って、各移動局2に順番にデータの送信を行う。このようにして、移動局の間では、1つのHS−PDSCHを時間的に分けて用いるようになっている。
【0026】
基地局1は移動局2に対するデータ送信を制御するための情報をやりとりするために、上り個別制御チャネル(UL−DPCH:Up Link−Dedicated Physical Channel)及び下り個別制御チャネル(DL−DPCH:Down Link−Dedicated Physical Channel)を設定する。また、基地局1は共通パイロットチャネル(CPICH:Common Pilot Channel)を所定の電力で送信している。
【0027】
図2は本発明の第1の実施例による移動通信システムの構成を示すブロック図である。図2に示すように、基地局1は適応アンテナによって指向性制御したビーム101〜103毎に異なる共通パイロットチャネルを送信している。基地局1が移動局2にデータを送信する場合には、基地局1はデータチャネル(HS−PDSCH)と下り個別制御チャネル(DL−DPCH)とを個別に指向性制御されたビーム201を用いて伝送する。
【0028】
まず、移動局2はデータを受信するために、基地局と下り個別制御チャネルと上り個別制御チャネル(UL−DPCH)とを設定して制御情報を通知することができるようにする。移動局2は所定の間隔で共通パイロットチャネルを受信することで、通信路品質を測定し、上り個別制御チャネルを用いてその結果を基地局1に通知し、基地局1は複数の移動局2から通信路品質の通知を受信する。
【0029】
基地局1は移動局2に送信すべきデータが到着すると、その移動局2をデータ送信待ち行列に加える。データ送信待ち行列の各々の移動局2の通信路品質を、後述する所定の方法によって補正する。基地局1は補正した通信路品質に基づいて各々の移動局2のMCS(Modulation and Coding Scheme)レベルを決定し、スケジューラによって移動局2のMCSレベルに基づいて次の送信タイミングでデータを送信する移動局2を選択する。
【0030】
基地局1は選択した移動局2に対して、先に決定したMCSレベルを下り個別制御チャネルを用いて通知し、さらにこの通知と所定のタイミング差で設定された高速下り共用チャネルのタイムスロットとを用いて、先に決定したMCSレベルによってデータを移動局2に送信する。移動局2は下り個別制御チャネルの通知を受信すると、通知されたMCSレベルによってデータを受信する。
【0031】
基地局1は送信すべきデータの送信が全て終了した移動局2をデータ送信待ち行列から除く。移動局2における通信路品質の測定は、データ受信状態においても、データ待ち受け状態においても、高速下り共用チャネルのタイムスロットの時間毎に行う。そして、移動局2は測定を行ったタイムスロットの後に開始する最初の上り個別制御チャネルのタイムスロットを用いて測定結果を基地局1に送信する。
【0032】
図3は本発明の第1の実施例のチャネル間のタイミングを示すタイミングチャートである。この図3を参照して移動局2と基地局1のタイミングについて説明する。
【0033】
基地局1がT1(データ送信制御情報通知)のタイミングでデータ送信の通知を行うと、所定の遅延時間後のT2(データ送信及びデータ受信状態の通信路品質測定)のタイミングでデータが送信される。移動局2はT2のタイミングで通信路品質を測定するとともに、D1(データ送信と通信路品質測定結果通知との送信時間差)の遅延時間後のT4(データ受信状態の通信路品質通知)のタイミングでデータ受信状態の通信路品質を通知する。
【0034】
しかしながら、T3(データ待ち受け状態の通信路品質測定)のタイミングではデータが送信されていないので、T5(データ待ち受け状態の通信路品質通知)のタイミングではデータ待ち受け状態の通信路品質を通知することになる。
【0035】
図4は図2の移動局2の構成を示すブロック図である。図4において、移動局2はアンテナ21と、送受信共用部(DUP:duplexer)22と、受信部(Rx)23と、ユーザデータ復調部24と、通信路品質推定部25と、信号合成部26と、送信部(Tx)27とから構成されている。
【0036】
アンテナ21で受信した信号は送受信共用部22によって受信部23に入力され、ベースバンド信号に変換される。受信部23の出力はユーザデータ復調部24及び通信路品質を推定する通信路品質推定部25に入力される。ユーザデータ復調部24はユーザデータの復調を行い、ユーザデータを出力する。通信路品質推定部25は推定結果を信号合成部26に制御情報として入力する。
【0037】
信号合成部26は上りユーザデータと制御情報とを送信部27に送り、送信部27が変調処理を行う。変調されたユーザ信号は送受信共用部22及びアンテナ21を介して基地局1に送信される。
【0038】
図5は図4の通信路品質推定部25の構成を示すブロック図である。図5において、通信路品質推定部25は遅延器251−1〜251−(K−1)と、逆拡散器252−1〜252〜Kと、Rake合成部253と、乗算器254,262と、複素共役手段255と、パイロットシンボル再生部256と、平均処理部257と、2乗平均処理部258と、2乗処理部259と、加算器260と、逆数演算器261とから構成されている。
【0039】
受信部23の出力するベースバンド信号はパスタイミングに応じて遅延器251−1〜251−(K−1)によって遅延されて逆拡散器252−1〜252−Kに入力される。ここで、Kはマルチパスの数である。逆拡散器252−1〜252−Kは遅延した信号を逆拡散する。逆拡散前の受信信号x(t)は第k番目のパスの信号xk (t)を用いて、
【数1】
という式で表される。ここで、τk はパス遅延時間を表す。
【0040】
第k番目のパスは、
【数2】
という式で表される。ここで、pとuとはそれぞれパイロットチャネル、ユーザ個別データチャネルを表す。ユーザはiで区別される。Aは通信路歪みを含む複素振幅、dはデータ、cは拡散符号をそれぞれ表す。
【0041】
パイロットチャネルにおけるk番目のパスの逆拡散出力は、
【数3】
という式で表される。ここで、αk,n は第kパスと第nパスのパイロットチャネルで用いる符号の自己相関値を表し、βk,n は第kパスにおけるパイロットチャネルと第nパスにおけるデータチャネルで用いる符号の相互相関値を表す。また、Tp はシンボル長を表す。
【0042】
Rake合成部253では逆拡散出力をすべて合成して復調結果を得る。また、パイロットチャネルのパイロットシンボルは既知であるため、タイミングに合わせてパイロットシンボル再生部256でシンボルの再生が可能である。再生されたシンボルの複素共役を複素共役手段255によって作成し、その複素共役を乗算器254で復調信号と乗算する。その乗算結果によって、復調されたパイロット信号の位相はすべて同相になる。
【0043】
ここで、乗算器254の出力r(m)は、
【数4】
と表現される。但し、mはシンボル間隔でのサンプリングタイミングを示す。また、上式においてAバーはAの推定値を表す。
【0044】
平均処理部257及び2乗平均処理部258ではスロット間で平均及び2乗平均を行う。平均処理部257の出力は希望信号の平均振幅を表し、2乗平均処理部258の出力は希望信号と干渉信号とを含めた信号の電力を表す。続いて、2乗処理部259によって希望信号電力を求め、2乗平均処理部258の出力から2乗処理部259の出力を加算器260によって減じることで、干渉信号電力が求まる。
【0045】
したがって、2乗処理部259の出力Sと加算器260の出力Iは、
【数5】
という式でそれぞれ表される。但し、Nは平均シンボル数を表す。
【0046】
上記のようにして、求まった干渉電力と信号電力との比を逆数演算器261と乗算器262とを用いて計算すれば、信号電力対干渉電力比(SIR:Signal to Interference Ratio)が求められる。
【0047】
以上、通信路品質をパイロットチャネル(CPICH)を用いて推定する場合について説明したが、データチャネル(HS−PDSCH)を用いる場合にも、上記の処理と同様である。すなわち、データチャネルの一部にパイロットシンボルを追加しておき、そのパイロットシンボルを用いてもパイロットチャネルのパイロットシンボルを用いる場合と全く同様に通信路品質を推定することができる。
【0048】
図6は図2の基地局1の構成を示すブロック図である。図6において、基地局1はアンテナ11〜13と、送受信共用部(DUP)14と、受信部(Rx)15と、移動局対応ユニット16−1〜16−3と、スケジューリング制御部17と、送信部 (Tx)18と、データ送信待ち行列19とから構成されている。移動局対応ユニット16−1〜16−3はそれぞれ情報分離部161−1〜161−3(情報分離部161−2,161−3は図示せず)と、通信路品質計算部162−1〜162−3 (通信路品質計算部162−2,162−3は図示せず)と、MCSレベル制御部163−1〜163−3(MCSレベル制御部163−2,163−3は図示せず)と、信号合成部164−1〜164−3(信号合成部164−2,164−3は図示せず)とから構成され、スケジューリング制御部17にはスケジューリング制御の履歴を格納する履歴格納部17aが設けられている。
【0049】
アンテナ11〜13で受信した信号は送受信共用部14を介して受信部15に入力される。受信部15では復調処理結果を情報分離部161−1〜161−3に送る。情報分離部161−1〜161−3では、上り信号に含まれる制御情報とユーザデータとを分離する。制御情報は通信路品質計算部162−1〜162−3に入力される。通信路品質計算部162−1〜162−3では、移動局2から通知された通信路品質を補正する。
【0050】
この補正では、移動局2がデータ待ち受け状態に測定した通信路品質と、移動局2がデータ受信中に測定した通信路品質とを区別して用いる。そのため、基地局1は移動局2から通信路品質が通知された上り個別制御チャネル(UL−DPCH)のタイムスロットが開始する直前に終了した高速下り共用チャネル(HS−PDSCH)のタイムスロットにおいて、その移動局2にデータを送信していた場合には、通知された通信路品質をデータ受信状態で測定したものであると判定し、それ以外の場合には、データ待ち受け状態で測定したものと判定する。
【0051】
そして、移動局2がデータ待ち受け状態に測定した最新のk個の通信路品質及び移動局2がデータ受信中に測定した最新のk個の通信路品質を用いる。ここで、データ待ち受け状態及びデータ受信状態各々について、k番目(k>0)の新しい通信路品質をそれぞれSIRw (k)及びSIRr (k)とする。データ待ち受け時及びデータ受信時の平均に用いるデータ数をそれぞれNw (>0)及びNr (>0)とすると、状態毎の平均通信路品質は、
【数6】
という式でそれぞれ表される。ここで、αk 及びβk はΣαk =1(Σはk=1からNw の総和)及びΣβk =1(Σはk=1からNr の総和)を満足する加重平均の係数である。
【0052】
次に、この平均化した状態毎の通信路品質の比率Dを、
【数7】
という式から計算する。
【0053】
最後に、移動局2の状態によって通信路品質SIRの計算は次のように行う。最新の通信路品質がデータ待ち受け状態で測定されたものである場合は、
SIR=rDSIRw (1) ・・・(8)
とし、最新の通信路品質がデータ受信状態で測定されたものである場合は、
SIR=SIRr (1) ・・・(9)
とする。ここで、rは0〜1の定数であるが、ここでは、rは1とする。
【0054】
補正された通信路品質はMCSレベル制御部163−1〜163−3に入力される。MCSレベル制御部163−1〜163−3では入力された通信路品質に基づいてMCSレベルを決定する。MCSレベルの決定はユーザ毎に処理され、その結果はスケジューリング制御部17に送られる。スケジューリング制御部17はMCSレベル制御部163−1〜163−3の情報に基づいてスケジューリングを行い、ユーザ毎に制御情報を作成して信号合成部164−1〜164−3に送る。
【0055】
信号合成部164−1〜164−3では制御情報とユーザデータとを合成して送信情報を生成する。送信情報は送信部18によって変調処理が施されて、送受信共用部14及びアンテナ11〜13を介して移動局2に送信される。ここで、基地局1は移動局2に送信すべきデータ(ユーザデータ)が到着すると、その移動局2をデータ送信待ち行列19に加える。データ送信待ち行列19の移動局2各々の通信路品質を上記の方法によって補正する。基地局1は補正した通信路品質に基づいて各々の移動局2のMCSレベルを決定し、スケジューリング制御部17によって移動局2のMCSレベルに基づいて次の送信タイミングでデータを送信する移動局2が選択される。
【0056】
本実施例では、基地局1が移動局2の通信状態の希望信号対干渉電力比と待機状態の希望信号対干渉電力比とを平均する。データ受信状態(通信状態)ではマルチパス干渉を受けるが、データ待ち受け状態(待機状態)では他の移動局にデータが送信されていても、その信号が指向性によって分離されるために、干渉電力が小さくなる。
【0057】
しかしながら、本実施例では、これらの比率(dB表示では差分)を求めて待機状態でもマルチパス干渉を補償した通信路品質を求める。このため、基地局1が求める通信路品質は通信状態と待ち受け状態との時間の割合によらず、また通信状態であるか、待ち受け状態であるかによらず、一定の条件での通信路品質を示すことになる。
【0058】
このため、通知される通信路品質の改善・劣化は、通信状態と待ち受け状態との時間の割合等に影響を受けず、通信路品質の改善・劣化を示すため、通知される通信路品質の改善に応じてMCSレベルを高くした時にパケットの誤りが増加することがない適切なMCSレベルの選択を実現することができることになる。
【0059】
また、本実施例では、全ての移動局2に対して一定の条件で通信路品質を求め、その通信路品質に基づいてスケジューリングを行うため、適応アンテナを適用しても全ての移動局2に対して同一の条件で比較を行うことができる。
【0060】
さらに、本実施例では、状態によって通信路品質に差がある場合に起こるスケジューリング時の移動局2間での通信状態と待機状態とが交互に入れ替わる現象をなくすことができる。その結果、スケジューラによって選択される移動局2は所定の誤り率を満たすMCSレベルのうち最も高いMCSレベルを選択しているので、システムスループットが向上する。
【0061】
このように、本実施例では、通信路品質推定値を直前の通信状態によらない一定の条件で算出し、その推定結果に基づいてMCSを選択するため、システムスループットを改善することができる。
【0062】
本発明の第2の実施例では本発明の第1の実施例と、基地局1が通信路品質を補正するのではなく、移動局2が全て補正する点で異なる。本発明の第2の実施例による移動通信システムは本発明の第1の実施例と同様のシステム構成となっているので、その説明については省略する。
【0063】
図7は本発明の第2の実施例による移動局2の構成を示すブロック図である。図7において、本発明の第2の実施例による移動局2は待機時平均部31と受信時平均部32と通信路品質合成部33とを設けた以外は図4に示す本発明の第1の実施例による移動局2と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。
【0064】
アンテナ21で受信した信号は送受信共用部(DUP)22によって受信部(Rx)23に入力され、ベースバンド信号に変換される。受信部23の出力はユーザデータ復調部24と通信路品質推定部25とに入力される。ユーザデータ復調部24はユーザデータの復調を行い、ユーザデータを出力する。通信路品質推定部25は図5に示す本発明の第1の実施例による通信品質推定部25と同様に、通信路品質を計算する。
【0065】
通信路品質推定部25の出力は通信の状態に応じて待機時平均部31または受信時平均部32で平均化される。平均の方法は上述した本発明の第1の実施例と同様にして行われる。また、通信路品質合成部33では待機時平均部31の出力と受信時平均部32の出力との差分を用いて通信の状態に応じて通信路品質推定部25の出力を補正する。通信路品質合成部33の出力は信号合成部26に制御情報として入力される。
【0066】
信号合成部26は上りユーザデータと制御情報とを合成して送信部(Tx)27に送り、送信部27が変調処理を行う。変調されたユーザ信号は送受信共用部22及びアンテナ21を介して基地局1へと送信される。
【0067】
図8は本発明の第2の実施例による基地局1の構成を示すブロック図である。図8において、本発明の第2の実施例による基地局1は移動局対応ユニット41−1〜41−3の構成が異なる以外は図6に示す本発明の第1の実施例による基地局1と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。尚、移動局対応ユニット41−1〜41−3はそれぞれ情報分離部411−1〜411−3(情報分離部411−2,411−3は図示せず)と、MCSレベル制御部412−1〜412−3(MCSレベル制御部412−2,412−3は図示せず)と、信号合成部413−1〜413−3(信号合成部413−2,413−3は図示せず)とから構成されている。
【0068】
アンテナ11〜13で受信した信号は送受信共用部(DUP)14を介して受信部(Rx)15に入力される。受信部15では移動局2毎の復調処理結果を情報分離部411−1〜411−3に送る。情報分離部411−1〜411−3では、上り信号に含まれる制御情報とユーザデータとを分離する。制御情報に含まれる通信路品質はMCSレベル制御部412−1〜412−3に入力され、下りの変調方式と符号化方式とが決定される。通信路品質はスケジューリング制御部17に入力されて、スケジューリングが行われ、データを送信するユーザが決定する。
【0069】
データを送信するユーザの信号合成部413−1〜413−3にはスケジューリング制御部17からの制御情報とデータ送信待ち行列19からの上りユーザデータとが入力される。信号合成部413−1〜413−3では制御情報とユーザデータを合成し、送信情報を生成する。送信情報は送信部(Tx)18によってMCSレベル制御部412−1〜412−3で決定した変調方式と符号化方式とを用いて処理され、送受信共用部14及びアンテナ11〜13を介して移動局2に送信される。
【0070】
本実施例における移動局2及び基地局1の動作は本発明の第1の実施例と、移動局2において通信路品質の平均処理と補正とを行って基地局1に通知する点が異なる。
【0071】
本実施例では、移動局2が待機状態でも干渉電力を測定して状態毎に平均処理を行い、得られた平均値の差分で待機状態の通信路品質を補正して基地局1に通知するので、一定の条件で通信路品質を求めている。したがって、本発明の第1の実施例と同じ作用を持つので、同様の効果が得られる。
【0072】
本発明の第3の実施例はその移動局2が通信路品質の補正を行わずに、瞬時値と平均値とを通知する点で、本発明の第2の実施例の移動局2と異なっている。また、本発明の第3の実施例はその基地局1が通信路品質を平均せずに、通知された瞬時値と平均値とを用いて補正する点で、本発明の第1の実施例の基地局と異なっている。
【0073】
本発明の第3の実施例による移動通信システムは本発明の第1の実施例と同様のシステム構成となっているので、その説明については省略する。
【0074】
図9は本発明の第3の実施例による移動局2の構成を示すブロック図である。図9において、本発明の第3の実施例による移動局2は通信路品質合成部43を省いた以外は図7に示す本発明の第2の実施例による移動局2と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。以下、本発明の第3の実施例による移動局2と本発明の第2の実施例による移動局2との違いについて説明する。
【0075】
本発明の第2の実施例では、通信路品質推定部25、待機時平均部31、受信時平均部32各々の出力を通信路品質合成部33で補正している。これに対し、本発明の第3の実施例では、通信路品質の瞬時値、状態毎の平均値の全てを信号合成部26に送っている。
【0076】
図10は本発明の第3の実施例による基地局1の構成を示すブロック図である。図10において、本発明の第3の実施例による基地局1は移動局対応ユニット42−1〜42−3の構成が異なる以外は図6に示す本発明の第1の実施例による基地局1と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。尚、移動局対応ユニット42−1〜42−3は通信路品質計算部162−1〜162−3の代わりに通信路品質補正部422−1〜422−3(通信路品質補正部422−2,422−3は図示せず)が設けられている。以下、本発明の第3の実施例の本発明の第1の実施例との違いについて説明する。
【0077】
本発明の第1の実施例では、通信路品質計算部162−1〜162−3で状態毎の平均値を計算し、待機状態の場合に平均値の差分を用いて瞬時値を補正している。これに対し、本発明の第3の実施例では、通信路品質計算部162−1〜162−3の代わりに通信路品質補正部422−1〜422−3を用いている。通信路品質補正部422−1〜422−3では移動局2から通知される瞬時値と状態毎の平均値との差分を用いて通信路品質を補正している。
【0078】
本発明の第3の実施例による移動局2の動作は通知する通信路品質のデータ量が異なるだけで、本発明の第2の実施例の移動局2と同様の動作であるので、その動作の説明については省略する。
【0079】
本発明の第3の実施例による基地局1の動作は通知される平均値から差分を計算して補正する部分が異なるだけで、その他の動作は本発明の第1の実施例の基地局1と同様の動作であるので、その動作の説明については省略する。
【0080】
本実施例では、移動局2が求めた状態毎の通信路品質の平均値の差分を用いて基地局1が状態に応じて補正して一定の条件で通信路品質を求めているので、本発明の第1の実施例と同じ作用を持つので、同様の効果が得られる。
【0081】
本発明の第3の実施例による移動局2においては瞬時値と平均値とを通知するのではなく、瞬時値と平均値との差分を通知してもよい。その場合、基地局1は通知された瞬時値との差分を用いて通信路品質を補正する。この場合、移動局2は瞬時値と平均値との差分を通知するので、平均値の差分に乗じる係数rの値を基地局1で決定することができるというメリットがある。
【0082】
本発明の第4の実施例は本発明の第1の実施例と、通信路品質の補正方法を変えた点で異なる。本発明の第4の実施例による移動通信システムは図1及び図2に示す本発明の第1の実施例と同様のシステム構成となっているので、その説明については省略する。
【0083】
また、本発明の第4の実施例による基地局1は図6に示す本発明の第1の実施例による基地局1と同様の構成となっているが、通信路品質計算部162−1〜162−3での処理方法が異なるので、その処理方法について以下説明する。
【0084】
状態に応じた平均値の計算方法は本発明の第1の実施例と同じであるが、差分を用いて補正するのではなく、平均値に重み付けを行い、待ち受け時に、
【数8】
という式で補正する。
【0085】
例えば、w1=w3=0.5、w2=0とすると、待ち受け時間が続いていても最新の通信路品質と受信時の平均値との平均を計算するので、マルチパス干渉の影響を含めた通信路品質を求めることができる。
【0086】
また、受信時には待ち受け時と同様に、
【数9】
という式で補正する。
【0087】
待ち受け時と同様に、w1=w3=0.5、w2=0とすると、最新の通信路品質と受信時の平均値との平均を計算するので、精度の高いマルチパス干渉の影響を含めた通信路品質を求めることができる。
【0088】
尚、上述した本発明の第4の実施例の通信路品質計算の方法は本発明の第2の実施例による移動局2における通信路品質の補正方法に適用することが可能である。また、本発明の第4の実施例の通信路品質計算の方法は本発明の第3の実施例による基地局1での通信路品質の補正方法に適用することも可能である。
【0089】
本発明の第4の実施例においては、状態別の平均した通信路品質を加重平均しているので、待ち受け状態においても受信状態と同じマルチパス干渉を考慮した通信路品質を求めている。つまり、全ての移動局2に対して同一の条件で通信路品質を求めて、MCSレベル選択とスケジューリングとを行っているので、スループットを増加させる効果を持つ。
【0090】
尚、本発明の各実施例の説明においては、移動局2が自局宛のデータを受信している状態をデータ受信状態として説明しているが、上記のような適応アンテナを用いずに、移動局2が他の移動局宛のデータを受信することができる状態を含めてデータ受信状態としても、上記と同様に実施することができる。
【0091】
図11は本発明の第5の実施例による基地局の通信路品質の補正処理を示すフローチャートである。本発明の第5の実施例は上記の本発明の第1の実施例及び本発明の第3の実施例と同様の構成となっているので、その構成についての説明は省略する。また、本発明の第5の実施例による通信路品質の補正処理は上記の本発明の第1の実施例、本発明の第3の実施例、本発明の第4の実施例における適応アンテナを使用する場合のみでなく、適応アンテナを使用せずに移動局が他の移動局宛のデータを受信することができる場合にも適用可能である。
【0092】
基地局は移動局からの制御情報を受信すると、その制御情報から通信路品質を取得し(図11ステップS1)、スケジューリング制御部の履歴格納部からのスケジューリング制御の履歴情報を基にデータ送信履歴情報を確認する(図11ステップS2)。
【0093】
基地局はデータを送信しているのであれば(図11ステップS3)、データ受信時計算処理、つまり最新の通信路品質と受信時の平均値とを取得し(図11ステップS4)、それらの値に応じて、本発明の第1の実施例及び本発明の第3の実施例の場合に(8)式で、本発明の第4の実施例の場合に(10)式でそれぞれ計算することで、通信路品質の補正を行って(図11ステップS5)、スケジューリング処理へと移行する。
【0094】
基地局はデータを送信していなければ(図11ステップS3)、待機時時計算処理、つまり最新の通信路品質と待機時の平均値とを取得し(図11ステップS6)、それらの値に応じて、本発明の第1の実施例及び本発明の第3の実施例の場合に(9)式で、本発明の第4の実施例の場合に(11)式でそれぞれ計算することで、通信路品質の補正を行って(図11ステップS5)、スケジューリング処理へと移行する。尚、上記以外の動作は上述した本発明の第1の実施例、本発明の第3の実施例、本発明の第4の実施例と同様であり、その効果も同様である。
【0095】
図12は本発明の第6の実施例による移動局の通信路品質の補正処理を示すフローチャートである。本発明の第6の実施例は上記の本発明の第2の実施例と同様の構成となっているので、その構成についての説明は省略する。また、本発明の第6の実施例による通信路品質の補正処理は上記の本発明の第2の実施例及び本発明の第4の実施例における適応アンテナを使用する場合のみでなく、適応アンテナを使用せずに移動局が他の移動局宛のデータを受信することができる場合にも適用可能である。
【0096】
移動局は基地局への制御情報を生成する場合、通信路品質を推定し(図12ステップS11)、受信部にて基地局からのデータ(この場合、データは自局宛でも、他局宛でもかまわない)を受信しているか否かを判定する(図12ステップS12)。
【0097】
移動局はデータ受信中であれば、データ受信時計算処理、つまり最新の通信路品質と受信時の平均値とを取得し(図12ステップS13)、それらの値に応じて、本発明の第2の実施例の場合に(9)式で、本発明の第4の実施例の場合に(11)式でそれぞれ計算することで、通信路品質の補正を行って(図12ステップS14)、制御情報の送信処理へと移行する。
【0098】
移動局はデータ受信中でなければ、待機時時計算処理、つまり最新の通信路品質と待機時の平均値とを取得し(図12ステップS15)、それらの値に応じて、本発明の第1の実施例及び本発明の第3の実施例の場合に(8)式で、本発明の第4の実施例の場合に(10)式でそれぞれ計算することで、通信路品質の補正を行って(図12ステップS14)、制御情報の送信処理へと移行する。尚、上記以外の動作は上述した本発明の第2の実施例及び本発明の第4の実施例と同様であり、その効果も同様である。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、複数の移動局と、複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、移動局各々がデータを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を基地局に通知し、基地局がその通知に応じてデータの送信を制御する移動通信システムにおいて、データの送信制御に、第1の通信路品質及び第2の通信路品質の両方を用いることによって、直前の通信状態に依存しない一定の条件で通信路品質を推定することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による移動通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例による移動通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例のチャネル間のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】図2の移動局の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の通信路品質推定部の構成を示すブロック図である。
【図6】図2の基地局の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施例による移動局の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施例による基地局の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施例による移動局の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施例による基地局の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第5の実施例による基地局の通信路品質の補正処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第6の実施例による移動局の通信路品質の補正処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 基地局
2 移動局
11〜13,21 アンテナ
14,22 送受信共用部(DUP)
15,23 受信部(Rx)
16−1〜16−3,
41−1〜41−3,
42−1〜42−3 移動局対応ユニット
17 スケジューリング制御部
18,27 送信部(Tx)
24 ユーザデータ復調部
25 通信路品質推定部
26 信号合成部
31 待機時平均部
32 受信時平均部
33 通信路品質合成部
101〜103 ビーム
161−1,411−1,421−1 情報分離部
162−1 通信路品質計算部
163−1,412−1,423−1 MCSレベル制御部
164−1,413−1 信号合成部
251−1,251−(K−1) 遅延器
252−1〜252〜K 逆拡散器
253 Rake合成部
254,262 乗算器
255 複素共役手段
256 パイロットシンボル再生部
257 平均処理部
258 2乗平均処理部
259 2乗処理部
260 加算器
261 逆数演算器
422−1 通信路品質補正部
Claims (37)
- 複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信を制御する移動通信システムであって、
前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いて通信モードの選択またはスケジューリングを行う手段を有することを特徴とする移動通信システム。 - 複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信を制御する移動通信システムであって、
前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いてMCS(Modulation and Coding Scheme)レベルの選択またはスケジューリングを行う手段を有することを特徴とする移動通信システム。 - 前記移動局は、前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方に応じた情報を基地局に通知し、
前記基地局は、その通知に応じて前記通信モードの選択またはスケジューリングを行うことを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。 - 前記移動局は、前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方に応じた情報を基地局に通知し、
前記基地局は、その通知に応じて前記MCSレベルの選択またはスケジューリングを行うことを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。 - 前記移動局は、前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質と、前記第3の測定区間の状態を示す情報とを用いて得られる情報を前記基地局に通知することを特徴とする請求項3または請求項4記載の移動通信システム。
- 前記移動局は、前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質とを前記基地局に全て通知することを特徴とする請求項3または請求項4記載の移動通信システム。
- 前記移動局は、前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質との差分と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質とを前記基地局に通知することを特徴とする請求項3または請求項4記載の移動通信システム。
- 前記基地局は、前記通信モードの選択またはスケジューリングに、前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いることを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
- 前記基地局は、前記MCSレベルの選択またはスケジューリングに、前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いることを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。
- 前記基地局は、前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質と、前記第3の測定区間の状態を示す情報とを用いて前記通信モードの選択またはスケジューリングを行うことを特徴とする請求項8記載の移動通信システム。
- 前記基地局は、前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質と、前記第3の測定区間の状態を示す情報とを用いて前記MCSレベルの選択またはスケジューリングを行うことを特徴とする請求項9記載の移動通信システム。
- 前記移動局は、前記データの受信信号品質を用いて通信路品質を得ることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか記載の移動通信システム。
- 前記基地局は、パイロット信号を送信し、
前記移動局は、前記パイロット信号を用いて通信路品質を得ることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか記載の移動通信システム。 - 前記基地局は、適応アンテナを用いて前記データを送信することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか記載の移動通信システム。
- 複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信を制御する移動通信システムの移動局であって、
前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方に応じた情報を前記基地局に通知する手段を有し、
当該情報に応じて前記基地局にて通信モードの選択またはスケジューリングが行われること特徴とする移動局。 - 複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信を制御する移動通信システムの移動局であって、
前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方に応じた情報を前記基地局に通知する手段を有し、
当該情報に応じて前記基地局にてMCS(Modulation and Coding Scheme)レベルの選択またはスケジューリングが行われること特徴とする移動局。 - 前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質と、前記第3の測定区間の状態を示す情報とを用いて得られる情報を前記基地局に通知することを特徴とする請求項15または請求項16記載の移動局。
- 前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質とを前記基地局に全て通知することを特徴とする請求項15または請求項16記載の移動局。
- 前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質との差分と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質とを前記基地局に通知することを特徴とする請求項15または請求項16記載の移動局。
- 複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信制御する移動通信システムの基地局であって、
前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いて通信モードの選択またはスケジューリングを行う手段を有すること特徴とする基地局。 - 複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信制御する移動通信システムの基地局であって、
前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いてMCS(Modulation and Coding Scheme)レベルの選択またはスケジューリングを行う手段を有すること特徴とする基地局。 - 前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質と、前記第3の測定区間の状態を示す情報とを用いて前記通信モードの選択またはスケジューリングを行うことを特徴とする請求項20記載の基地局。
- 前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質と、前記第3の測定区間の状態を示す情報とを用いて前記MCSレベルの選択またはスケジューリングデータの送信制御を行うことを特徴とする請求項21記載の基地局。
- 複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信を制御する移動通信システムの通信路品質推定方法であって、
通信モードの選択またはスケジューリングに、前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いることを特徴とする通信路品質推定方法。 - 複数の移動局と、前記複数の移動局各々に対してデータを送信する基地局とを含み、前記移動局各々が前記データを受信するとともに、データ受信状態における第1の通信路品質とデータ待ち受け状態における第2の通信路品質とを各々測定し、その測定結果に応じた情報を前記基地局に通知し、前記基地局がその通知に応じて前記データの送信を制御する移動通信システムの通信路品質推定方法であって、
MCS(Modulation and Coding Scheme)レベルの選択またはスケジューリングに、前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いることを特徴とする通信路品質推定方法。 - 前記移動局が前記第1通信路品質及び前記第2通信路品質の両方に応じた情報を基地局に通知し、
前記基地局がその通知に応じて前記通信モードの選択またはスケジューリングを行うことを特徴とする請求項24記載の通信路品質推定方法。 - 前記移動局が前記第1通信路品質及び前記第2通信路品質の両方に応じた情報を基地局に通知し、
前記基地局がその通知に応じて前記MCSレベルの選択またはスケジューリングを行うことを特徴とする請求項25記載の通信路品質推定方法。 - 前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質と、前記第3の測定区間の状態を示す情報とを用いて得られる情報を前記移動局から前記基地局に通知することを特徴とする請求項26または請求項27記載の通信路品質推定方法。
- 前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質とを全て前記移動局から前記基地局に通知することを特徴とする請求項26または請求項27記載の通信路品質推定方法。
- 前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質との差分と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質とを前記移動局から前記基地局に通知することを特徴とする請求項26または請求項27記載の通信路品質推定方法。
- 前記基地局が前記通信モードの選択またはスケジューリングに、前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いることを特徴とする請求項24記載の通信路品質推定方法。
- 前記基地局が前記MCSレベルの選択またはスケジューリングに、前記第1の通信路品質及び前記第2の通信路品質の両方を用いることを特徴とする請求項25記載の通信路品質推定方法。
- 前記基地局が、前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質と、前記第3の測定区間の状態を示す情報とを用いて前記通信モードの選択またはスケジューリングを行うことを特徴とする請求項31記載の通信路品質推定方法。
- 前記基地局が、前記データ受信状態である第1の測定区間において測定した前記第1の通信路品質と、前記データ待ち受け状態である第2の測定区間において測定した前記第2の通信路品質と、前記データ受信状態及びデータ待ち受け状態のうちのいずれか一方である第3の測定区間において測定した通信路品質と、前記第3の測定区間の状態を示す情報とを用いて前記MCSレベルの選択またはスケジューリングを行うことを特徴とする請求項32記載の通信路品質推定方法。
- 前記移動局が、前記データの受信信号品質を用いて通信路品質を得ることを特徴とする請求項24から請求項34のいずれか記載の通信路品質推定方法。
- 前記基地局が、パイロット信号を送信し、
前記移動局が、前記パイロット信号を用いて通信路品質を得ることを特徴とする請求項24から請求項34のいずれか記載の通信路品質推定方法。 - 前記基地局が、適応アンテナを用いて前記データを送信することを特徴とする請求項24から請求項34のいずれか記載の通信路品質推定方法。
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