JP3868647B2

JP3868647B2 - Decorative sheet

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Publication number: JP3868647B2
Application number: JP00163199A
Authority: JP
Inventors: 和保河野; 一浩阿部
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1999-01-07
Filing date: 1999-01-07
Publication date: 2007-01-17
Anticipated expiration: 2019-01-07
Also published as: JP2000198168A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の外装、内装、建具、家具、車両内装等の表面装飾等に用いられる化粧シートに関する。特に、基材シートに塩化ビニル樹脂を使用しない非塩ビ系の化粧シートに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の化粧シートは、基材シートに塩化ビニル樹脂フィルムを使用し、これに印刷、エンボス加工等で装飾を施した塩ビ系の化粧シート（特公昭２８−５０３６、特公昭５８−１４３１２号公報等参照）が一般的であった。ところが、塩化ビニル樹脂は、廃棄時に燃焼させると塩酸ガスを発生する為に、地球環境問題の観点から、塩素を含まない他の樹脂を用いた化粧シートが望まれる様になってきた。
そこで、塩ビ系の化粧シートに代わるものとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂シートを基材シートに使用した化粧シート（特開昭５４−６２２５５号公報、特開平６−２１０８０８号公報、特表平４−５０４３８４号公報、特開平７−２６０３８号公報等参照）が登場してきた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、基材シートがポリオレフィン系樹脂の場合、絵柄層を直接基材シートに印刷しても密着が一般に悪い為に、基材シートと絵柄層間に、例えばウレタン樹脂系からなるプライマー層を設ける必要があった。しかし、プライマー層は絵柄表現には直接に関係無い上に、印刷ユニットを１ユニット余分に必要とする等、化粧シートのコストアップに繋がった。その上、ウレタン樹脂系のプライマー層では、一般的に密着性が初期密着が不十分な上、その耐候性も悪かった。また耐熱性も劣る為、エンボス加工で凹凸模様を賦形できなかった。
【０００４】
そこで、本発明の課題は、非塩ビ系の化粧シートとして、ポリオレフィン系樹脂の基材シートに、プライマー層無しで直接に絵柄層を設けた構成でも、絵柄層の密着性及びその耐候性が良好で、エンボス加工に対する耐熱性も良好な化粧シートを提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の化粧シートでは、ポリオレフィン系樹脂からなる基材シートに、絵柄を施した化粧シートにおいて、基材シートに接する様に形成された絵柄層を構成する樹脂系が、アクリル樹脂と、ポリオールとしてアクリルポリオールを用いたウレタン樹脂との混合樹脂系から成り、前記アクリルポリオールが（メタ）アクリル酸メチルと（メタ）アクリル酸２−ヒドロキシエチルとの２元共重合体、及び（メタ）アクリル酸オクチルと（メタ）アクリル酸シクロヘキシルと（メタ）アクリル酸２−ヒドロキシエチルとの３元共重合体との混合物である構成とした。この様に、ポリオレフィン系樹脂の基材シートであっても、特定の樹脂の組み合わせで構成する事で、基材シートにプライマー層無しで絵柄層を密着良く形成でき、絵柄層と基材シートとの初期密着性及び耐候密着性が良好となる。また、ウレタン樹脂系のプライマー層に起因した、エンボス加工に対する耐熱性不足も解消され、エンボスによる凹凸模様を有する化粧シートも可能となる。
【０００６】
また、本発明の化粧シートでは、更に上記構成に対して、基材シートの絵柄層側の表面に活性水素を含む極性官能基を有する構成とする。この様にすると、該極性官能基によって、絵柄層の基材シートに対する密着性がより向上する。
また、本発明の化粧シートでは、上記構成に対して、絵柄層の樹脂系がイソシアネート化合物を含有し、基材シート表面の上記極性官能基と絵柄層の樹脂系とがウレタン結合をしている構成とする。この結果、基材シートと絵柄層とはウレタン結合で化学的に結合している為に、強固な密着性が得られる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の化粧シートについて、実施の形態を説明する。なお、図１及び図２は、本発明の化粧シートが取り得る各種形態例のうちの幾つかを例示する断面図である。図１の化粧シートは基材シートが単層の形態、図２の化粧シートは基材シートが複層（同図では２層）の形態である。
【０００８】
〔概要〕
本発明の化粧シートは、例えば、図１（Ａ）や図１（Ｂ）に示す化粧シートＳの如く、ポリオレフィン系樹脂からなる基材シート１の片面に、絵柄層２が基材シート１に接する様に形成され、且つ絵柄層の樹脂系がアクリル樹脂とウレタン樹脂との混合樹脂系からなる化粧シートである。なお、図１（Ａ）は、基材シート１中に着色剤３を含有し、着色不透明等とした基材シートの表側に絵柄層を有する例であり、図１（Ｂ）は透明な基材シート１の裏側に絵柄層を有する例である。
そして、より好ましくは、基材シート１は、その絵柄層側の表面に活性水素を含む極性官能基を有するシートが良い。また更にこの場合において、絵柄層の樹脂系がイソシアネート化合物を含有し、基材シート表面の極性官能基と絵柄層の樹脂系とがウレタン結合をしている事が好ましい。
【０００９】
以下、基材シート、絵柄層及びその樹脂系、等について更に詳述する。
【００１０】
〔基材シート〕
基材シート１には、ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂シートを使用する。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン（低密度、又は高密度）、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等の高結晶質の非エラストマーポリオレフィン系樹脂、或いは各種のオレフィン系熱可塑性エラストマーが用いられる。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば下記のものが使用できる。
【００１１】
▲１▼特公平６−２３２７８号公報記載の、(A) ソフトセグメントとして、数平均分子量Ｍｎが２５，０００以上、且つ、重量平均分子量Ｍｗと数平均分子量Ｍｎとの比Ｍｗ／Ｍｎ≦７の沸騰ヘプタンに可溶なアタクチックポリプロピレン１０〜９０重量％と、(B) ハードセグメントとして、メルトインデックスが０．１〜４ｇ／１０分の沸騰ヘプタン不溶性のアイソタクチックポリプロピレン９０〜１０重量％、との混合物からなる軟質ポリプロピレン。
【００１２】
この種のオレフィン系熱可塑性エラストマーの中でも、所謂「ネッキング」を生じ難く、加熱、加圧により各種形状に成形したりエンボス加工する際に適性良好なものとしては、アイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンとの混合割合が、アタクチックポリプロピレンの重量比で５重量％以上５０重量％以下のものである。
ポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマー自体は既に公知のものであるが、包装容器等従来公知の用途に用いられる場合は、強度を重視する為に、ソフトセグメントとなるアタクチックポリプロピレンの重量比が５重量％未満のものが専ら使用されていた。
しかしながら、三次元形状、乃至凹凸形状に成形したりエンボス加工する用途にこれを適用しようとすると、前記の如くネッキングを生じて良好な加工が不可能であった。
そこで、従来の組成の設計とは逆に、ポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーに於いて、アタクチックポリプロピレンの重量比を５重量％以上とする、エンボス加工したり、三次元形状、乃至凹凸形状の物品表面形状に成形する際のネッキングによる不均一なシートの変形、及びその結果としての皺、絵柄の歪み等の欠点を解消する事ができる。特にアタクチックポリプロピレンの重量比が２０重量％以上の場合が良好である。一方、アタクチックポリプロピレンの重量比が増加し過ぎると、シート自体が変形し易くなり、シートを印刷機に通したときにシートが変形し、絵柄が歪んだり、多色刷りの場合に見当が合わなくなる等の不良が発生し易くなる。また、成形時にも破れ易くなる為に好ましくない。アタクチックポリプロピレンの重量比の上限としては、輪転グラビア印刷等の通常の輪転印刷機を用いて絵柄層を印刷し、また、シートのエンボス加工、真空成形、Ｖカット加工、射出成形同時ラミネート等を採用する場合は５０重量％以下、より好ましくは４０重量％以下である。
【００１３】
▲２▼エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂からなる熱可塑性エラストマー。ここで、そのブテンとして、１−ブテン、２−ブテン、イソブチレンの３種の構造異性体のいずれも用いることができる。共重合体としては、ランダム共重合体で、非晶質の部分を一部含む上記エチレン−プロピレン−ブテン共重合体の好ましい具体例としては次の(i) 〜(iii) が挙げられる。
(i) 特開平９−１１１０５５号公報記載のもの。これは、エチレン、プロピレン及びブテンの三元共重合体によるランダム共重合体である。単量体成分の重量比はプロピレンが９０重量％以上とする。メルトフローレートは、２３０℃、２．１６ｋｇで１〜５０ｇ／１０分のものが好適である。そして、このような三元ランダム共重合体１００重量部に対して、燐酸アリールエステル化合物を主成分とする透明造核剤を０．０１〜５０重量部、炭素数１２〜２２の脂肪酸アミド０．００３〜０．３重量部を熔融混練してなるものである。
(ii)特開平５−７７３７１号公報記載のもの。これは、エチレン、プロピレン、１−ブテンの三元共重合体であって、プロピレン成分含有率が５０重量％以上の非晶質重合体２０〜１００重量％に、結晶質ポリプロピレンを８０〜０重量％添加してなるものである。
(iii) 特開平７−３１６３５８号公報記載のもの。これは、エチレン、プロピレン、１−ブテンの三元共重合体であって、プロピレン及び／又は１−ブテンの含有率が５０重量％以上の低結晶質重合体２０〜１００重量％に対して、アイソタクチックポリプロピレン等の結晶質ポリオレフィン８０〜０重量％を混合した組成物に対して、Ｎ−アシルアミノ酸アミン塩、Ｎ−アシルアミノ酸エステル等の油ゲル化剤を０．５重量％添加してなるものである。
【００１４】
なお、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂は、単独で用いても良いし、上記(i) 〜(iii) に必要に応じ更に他のポリオレフィン系樹脂を混合して用いても良い。
【００１５】
▲３▼特公昭５３−２１０２１号公報記載の如き、(A) ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のオレフィン重合体（結晶性高分子）をハードセグメントとし、これに(B) 部分架橋したエチレン−プロピレン共重合体ゴム、不飽和エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム等のモノオレフィン共重合体ゴムをソフトセグメントとし、これらを均一に配合し混合してなるオレフィン系エラストマー。なお、モノオレフィンゴム／オレフィン重合体＝５０／５０〜９０／１０（重量比）の割合で混合する。
【００１６】
これらポリオレフィン系樹脂からなる基材シートは、通常、５０〜２００μｍ程度の厚みとなる様に、押出成形、カレンダー法成形等により成膜して作製する。なお、基材シートは、延伸シート、未延伸シートのいずれでも使用可能であるが、Ｖカット加工等の成形適性は未延伸シートの方が良好である。
【００１７】
なお、基材シートは、少なくとも絵柄層側の表面に活性水素を含む極性官能基を有するシートとすると、絵柄層との密着性がより向上する点で好ましい。
基材シート表面に、上記極性官能基を持たせるには、例えば、基材シート自体を構成するポリオレフィン系樹脂自体に極性官能基を有する樹脂を使用すれば良い。具体的には、活性水素を有する極性官能基として、例えば水酸基又は／及びカルボキシル基を持たせた、上記▲１▼〜▲３▼のオレフィン系熱可塑性エラストマー等である。例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のグラフト重合で水酸基を、また、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の共重合体でカルボキシル基を導入したオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いる。これら水酸基、カルボキシル基はどちらか一方、又は両方を併用してもよい。
【００１８】
なお、基材シートと絵柄層間にはプライマー層等の易接着層を設けないのが本発明の化粧シートではあるが、絵柄層等の他層と接する基材シートの面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理の公知の易接着処理は行っても良い。また、これらの様な易接着処理によっても、基材シート表面に活性水素を含む極性官能基を持たせる事ができる。
【００１９】
なお、基材シートには、必要に応じ適宜、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、発泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤の各種添加剤を添加する。また、基材シートを着色する場合は、後述する絵柄層にて列記する様な公知の着色剤を、樹脂中に練り混む等しておけば良い。着色は透明着色と、不透明（隠蔽性）着色とがある。但し、もちろんだが、基材シートの裏側に絵柄層を有する構成（裏刷り仕様）では、透明着色とする。
【００２０】
上記紫外線吸収剤としては、次の様な化合物を使用できる。
例えば、２−（２′−ヒドロキシ−３′，５′−ジ−ｔｅｒｔ−ブチルフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾール、２−（２′−ヒドロキシ−３′−ｔｅｒｔ−ブチル−５′−メチルフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾール、２−（２′−ヒドロキシ−３′−ｔｅｒｔ−アミル−５′−イソブチルフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾール、２−（２′−ヒドロキシ−３′−イソブチル−５′−メチルフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾール、２−（２′−ヒドロキシ−３′−イソブチル−５′−プロピルフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾール等の、２′−ヒドロキシフェニル−５−クロロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、２−（２′−ヒドロキシ−３′，５′−ジ−ｔｅｒｔ−ブチルフェニル）ベンゾトリアゾール、２−（２′−ヒドロキシ−５′−メチルフェニル）ベンゾトリアゾール等の、２′−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類等の、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、２，２′−ジヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン、２，２′−ジヒドロキシ−４，４′−ジメトキシベンゾフェノン、２，２′，４，４′−テトラヒドロキシベンゾフェノン等の、２，２′−ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン、２，４−ジヒドロキシベンゾフェノン等の、２ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニル、４−ｔｅｒｔ−ブチル−フェニル−サリシレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤等である。その他に、ベンゾトリアゾール骨格にアクリロイル基又はメタクリロイル基を導入した反応性紫外線吸収剤等も用いられる。なお、これら紫外線吸収剤の添加量は、樹脂分に対して、通常、０．１〜５重量％程度である。
【００２１】
紫外線による化粧シート各層の劣化をさらに防止し、耐候性を向上させるためには、光安定剤としてラジカル捕捉剤も添加することが好ましい。このラジカル捕捉剤としては、ビス−（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジニル）セバケート、ビス−（Ｎ−メチル−２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジニル）セバケート、その他、例えば特公平４−８２６２５号公報に開示されている化合物などのヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジル系ラジカル捕捉剤等が使用される。これらラジカル捕捉剤の添加量は、樹脂分に対して、通常、０．１〜５重量％程度である。
【００２２】
また、基材シートは図１に例示の各化粧シートの如く単層で用いる場合の他に、図２に例示の各化粧シートの如く、複層（同図では２層）で用いる場合もある。
【００２３】
〔絵柄層〕
絵柄層は、その樹脂系をアクリル樹脂とウレタン樹脂との混合樹脂系から構成する。絵柄層は、当該混合樹脂系をバインダーの樹脂とするインキ（又は塗液）を用いて印刷（又は塗工）形成する。なお、該インキは、上記特定材料の樹脂の他に、溶剤、体質顔料、着色剤、各種添加剤等を適宜含有する。絵柄層のうち全ベタ層は、塗工でも形成できる。
【００２４】
上記アクリル樹脂としては、例えば、ポリ（メタ）アクリル酸メチル、ポリ（メタ）アクリル酸エチル、ポリ（メタ）アクリル酸プロピル、ポリ（メタ）アクリル酸ブチル、（メタ）アクリル酸メチル−（メタ）アクリル酸ブチル共重合体、（メタ）アクリル酸エチル−（メタ）アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−（メタ）アクリル酸メチル共重合体、スチレン−（メタ）アクリル酸メチル共重合体等の（メタ）アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなるアクリル樹脂等を用いる。なお、（メタ）アクリルとはアクリル又はメタクリルを意味する。また、用いるアクリル樹脂は１種でも良いが、２種以上を用いても良い。
【００２５】
上記ウレタン樹脂としては、基本的にはポリオール（多価アルコール）を主剤とし、イソシアネートを架橋剤（硬化剤）とする硬化性の樹脂を用いる。
ポリオールとしては、分子中に２個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が用いられる。
また、イソシアネートとしては、分子中に２個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが用いられる。例えば、２，４−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、４，４′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族（乃至は脂環式）イソシアネートが用いられる。或いはまた、上記各種イソシアネートの付加体、又は多量体を用いる事もできる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート３量体（ｔｒｉｍｅｒ）等が有る。
【００２６】
なお、これらウレタン樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂との密着性、及び耐候性の点で好ましいものは、ポリオールとしてはアクリルポリオールである。中でも特に、（メタ）アクリル酸メチルと（メタ）アクリル酸２−ヒドロキシエチルとの２元共重合体、及び（メタ）アクリル酸オクチルと（メタ）アクリル酸シクロヘキシルと（メタ）アクリル酸２−ヒドロキシエチルとの３元共重合体との混合物が好ましい。これらの共重合体の平均分子量は５０００〜１５０００程度、水酸基価は４０〜５０程度である。これら２元共重合体と３元共重合体との混合比は、通常２元共重合体：３元共重合体＝２：８〜８：２（重量比）程度である。
一方、イソシアネートとしては、前記の脂肪族乃至は脂環式イソシアネートが好ましい。
【００２７】
そして、アクリル樹脂とウレタン樹脂との混合割合は、アクリル樹脂：ウレタン樹脂＝８：２〜５：５（重量比）の範囲で、要求物性等に応じて選択すると良い。アクリル樹脂の割合が多い程、耐候性（耐候密着性）に優れるが、初期密着性は低下する。一方、ウレタン樹脂の割合が多い程、初期密着性、及びインキでの顔料分散性に優れるが、耐候密着性は低下する。アクリル樹脂：ウレタン樹脂の混合割合は、７：３程度が理想的である。また、混合割合は、着色顔料のインキ分散性も考慮して適宜調整する。例えば、全ベタ層形成に用いるベタインキは、アクリル樹脂：ウレタン樹脂＝５：５程度とする等である。
【００２８】
また、基材シートが、その絵柄層側の表面に活性水素を含む極性官能基を有する場合では、絵柄層の樹脂系がイソシアネート化合物を含有し、基材シート表面の上記極性官能基と絵柄層の樹脂系とがウレタン結合をしている構成とする。この結果、基材シートと絵柄層とはウレタン結合で化学的に結合している為に、強固な密着性が得られる。イソシアネート化合物とは、例えば、前記した各種のイソシアネートである。そして、絵柄層の形成に用いるインキ（又は塗液）のウレタン樹脂を、２液硬化型ウレタン樹脂として用いれば、ウレタン結合を生成する事ができる。
【００２９】
なお、アクリル樹脂と混合使用するウレタン樹脂としては、基本的には２液硬化型ウレタン樹脂を用いるが、この他、熱可塑性ウレタン樹脂、すなわち、例えばジオール等とジイソシアネートとを反応させた後の線状分子からなる樹脂を用いる事もできる。ジオールは例えば前記した各種のポリオールのジオールであり、ジイソシアネートも例えば前記した各種のジイソシアネートである。但し、熱可塑性ウレタン樹脂は硬化しないのでインキ等の取扱は容易だが、上記の様に絵柄層の樹脂系と基材シートとをウレタン結合させる事が出来ず、密着性はその分低下する。
【００３０】
また、絵柄層を形成する為のインキ（或いは塗液）には、上記特定樹脂の混合樹脂系からなるビヒクルに、通常は着色剤として、顔料や染料等を含む。
例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローＡ、キナクリドン、パーマネントレッド４Ｒ、フタロシアニンブルー、インダスレンブリーＲＳ、アニリンブラック等の有機顔料（或いは染料も含む）、アルミニウム、真鍮、等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢（パール）顔料等である。
【００３１】
なお、絵柄層は、印刷法、手描き等によって形成する。印刷法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等公知の印刷法を用いインキ（或いは塗液）にて形成する。
【００３２】
また、絵柄層の模様としては、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは全面ベタ等がある。絵柄層は、基材シートの表側面〔図１（Ａ）、（Ｄ）及び（Ｅ）参照〕、裏側面〔図１（Ｂ）〜（Ｅ）参照〕、表裏両面〔図１（Ｄ）参照〕、或いは、複数の基材シートを用いる場合は、層間に設けることもある〔図２（Ａ）〜（Ｃ）参照〕。なお、基材シートの積層は、公知のドライラミネート、熔融押出塗工等で行う。
【００３３】
なお、絵柄層は、通常はパターンを有するパターン層と、パターンが無い全ベタ層の組み合わせで用いることも多い。この場合、全ベタ層形成後にパターン層を形成する際は、パターン層中のウレタン樹脂としてはイソシアネート化合物を添加する２液硬化型ウレタン樹脂では無く熱可塑性ウレタン樹脂を使用し、全ベタ層中のウレタン樹脂に、イソシアネート化合物を添加する２液硬化型ウレタン樹脂を使用しても良い。そして、前記パターン層中の熱可塑性ウレタン樹脂は水酸基を有するウレタン樹脂を用い、全ベタ層中の２液硬化型ウレタン樹脂（の未硬化物）が有するイソシアネート化合物で、熱可塑性ウレタン樹脂を硬化させても良い。これは、基材シートに接するのは全ベタ層であり、パターン層では無い為に、この様にしても基材シートと絵柄層との密着性を向上させて満足させる事ができるからである。なお、パターン層のウレタン樹脂も結果的には２液硬化型となるが、イソシアネート化合物を含有していなので、インキ再利用性（インキ残肉の活用）、生産性（長時間印刷する際に、インキが増粘し版詰まりが発生する事が無い）の点で好ましく、また、インキの取扱が容易となる。
【００３４】
また、本発明の化粧シートでは、その絵柄層は、基材シートに接する様に形成された絵柄層は、該層の樹脂系を上記特定の混合樹脂系から構成するが、基材シートに接しない（或いは接していても面積的に小部分）ならば、他の樹脂系の絵柄層や、或いは金属薄膜層を絵柄層として併用する事を制限するものでは無い。例えば、金属薄膜の形成は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜する。或いはこれらの組み合わせでも良い。該金属薄膜は、全面に設けても、或いは、部分的にパターン状に設けても良い。
【００３５】
〔絵柄層以外の装飾処理〕
なお、本発明の化粧シートでは、上記絵柄層は装飾等の目的で形成されるものであるが、例えば凹凸模様の様に、上記絵柄層以外による装飾処理が施されていても良い。
この様な装飾処理としては、図１（Ａ）に示す化粧シートＳの様な、基材シート１自体への顔料等の着色剤３の添加による着色（透明着色又は不透明着色）、図１（Ｄ）や図２（Ａ）に示す化粧シートＳの様な、凹凸模様５の賦形等である。或いは、図１（Ｃ）〜図１（Ｅ）に示す化粧シートＳの様に、艶調整、塗装感等の意匠性付与の為の上塗り層４の形成等もある。これら装飾処理は適宜組み合わせて使用する。
【００３６】
基材シートへの顔料等の着色剤添加では、前記絵柄層で列記した様な各種着色剤を基材シートの樹脂中に練り込む。なお勿論だが、基材シートを不透明とする形態は、絵柄層は基材シートの表側面に形成される。
例えば、図２（Ａ）及び（Ｂ）の化粧シートＳは、２層の基材シート１及び１ａ間に絵柄層を有する構成だが、ここで、裏側となる基材シート１ａは着色剤添加で着色され不透明（隠蔽）着色シートとし、表側の基材シート１は無着色の透明シートとする。
【００３７】
凹凸模様５としては、木目板導管溝、石板表面凹凸（花崗岩劈開面等）、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等である。凹凸模様は、エンボス加工、ヘアライン加工等の公知の賦形方法で形成する。なお、凹凸模様を設ける面は表側面、裏側面、表裏両側面等と任意である。
【００３８】
更に必要に応じて、凹凸模様の凹部に公知のワイピング法（特公昭５８−１４３１２号公報等参照）によって、着色インキを充填して着色部６を形成することもできる〔図１（Ｄ）参照〕。着色インキは絵柄層と同様の物が可能である。但し、耐磨耗性の点で、バインダーのウレタン樹脂には、２液硬化型のウレタン樹脂が好ましい。
【００３９】
上塗り層４の形成は、通常は、前記絵柄層や上記各種装飾処理が施された後の処理として、表側面に公知の塗工法或いは印刷法等で形成する。但し、図１（Ｄ）の如く、上塗り層４の上に更に絵柄層２ａを形成する構成もある（なお、この場合の絵柄層の樹脂系は、基材シートに接しない層である為、上塗り層の樹脂系や表面物性等を考慮して、例えば２液硬化型ウレタン樹脂等を選定すれば良い）。また、上塗り層は耐擦傷性、耐薬品性等の表面物性付与の為にも形成される。上塗り層の樹脂としては、例えば、２液硬化型ウレタン樹脂、各種アクリレート等からなる紫外線や電子線で硬化する電離放射線硬化性樹脂等が使用される。樹脂中には、充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が、必要に応じて適宜添加される。
【００４０】
〔接着剤層〕
また、図示はしないが、化粧シートの裏面には、必要に応じ接着剤層を設けることもある。接着剤層には、例えば、熱可塑性樹脂等からなる熱融着型接着剤、２液硬化型ウレタン樹脂等からなる硬化性接着剤、或いは感圧粘着剤等の従来公知の接着剤が用途に応じて使用される。
【００４１】
〔化粧シートの用途〕
なお、本発明の化粧シートの用途は特に限定されず、各種被着体の表面に積層して表面を化粧する用途に用いる。被着体は各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート（或いはフィルム）等である。例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、ＭＤＦ（中密度繊維板）等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として用いられる木質板素材、鉄、アルミニウム等の板材、立体形状物品或いはシート等として用いられる金属素材、ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ＡＬＣ（軽量気泡コンクリート）板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として用いられる窯業系素材、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ＡＢＳ（アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体）樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品或いはシート等として用いられる樹脂素材、或いは、専らシートとして用いられる上質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、ガラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布または織布が挙げられる。
なお、化粧シートの積層物は、被着体が板材の場合は化粧板として使用され、、被着体がシートの場合は積層物自体も化粧シートとして使用されることもある。
【００４２】
これらの各種被着体への化粧シートの積層方法としては、例えば▲１▼接着剤を間に介して板状基材に加圧ローラーで加圧して積層する方法、▲２▼特公昭５０−１９１３２号公報、特公昭４３−２７４８８号公報等に記載される様に、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に配置した後、溶融樹脂を型内に射出充填し、樹脂成型品の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積層する、所謂射出成形同時ラミネート方法、▲３▼特公昭５６−４５７６８号公報、特公昭６０−５８０１４号公報等に記載される様に、成形品等の立体形状物品の表面に化粧シートを、間に接着剤を介して対向又は載置し、立体形状物品側からの真空吸引による圧力差により化粧シートを立体形状物品の表面に積層する、所謂真空プレス積層方法、▲４▼特公昭６１−５８９５号公報、特公平３−２６６６号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、柱状基材を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層してゆく、所謂ラッピング加工方法が有る。また、積層後の後加工として、所謂Ｖカット又はＵカット加工を行う事もある。
【００４３】
本発明の化粧シートは各種被着体に積層し、必要に応じて所定の成形加工等を施して、各種用途に用いる。例えば、壁、天井、床等の建築物内装、窓枠、扉、手摺等の建具の表面化粧、家具又は弱電・ＯＡ機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車、航空機、船舶等の乗物内装、窓硝子の化粧等である。
【００４４】
【実施例】
以下、本発明の化粧シートを実施例及び比較例により更に説明する。
【００４５】
図１（Ｅ）の如き化粧シートＳを次の様にして作製した。基材シート１としては、アイソタクチックポリプロピレンからなるハードセグメント７５重量部と、アタクチックポリプロピレンからなるソフトセグメント２５重量部との混合物に対して、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤８０００ｐｐｍ、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤４０００ｐｐｍを添加してなる、厚さ１２０μｍの透明ポリプロピレン樹脂のシートを用いた。
【００４６】
この基材シートの両面に、コロナ放電処理を施し、その裏側面とする面に、アクリル樹脂と２液硬化型ウレタン樹脂との混合樹脂系からなる絵柄層２を形成した。絵柄層としては、木目模様のパターンを有する多色刷りのパターン層を形成後、更に全ベタ層を形成した。また、絵柄層を形成したインキのバインダーの樹脂系には、（Ａ）メタクリル酸メチルとメタクリル酸２−ヒドロキシエチルとの共重合体からなるアクリルポリオール５０重量部と、（Ｂ）アクリル酸オクチルとアクリル酸シキロヘキシルとメタクリル酸２−ヒドロキシエチルとの共重合体からなるアクリルポリオール５０重量部と、（Ｃ）ヘキサメチレンジイソシアネート８重量部とからなる２液硬化型ウレタン樹脂（未硬化物：１０８重量部）と、（Ｄ）ポリメタクリル酸メチルからなるアクリル樹脂１０８重量部との混合樹脂系を用いた。なお、アクリル樹脂とウレタン樹脂との割合は、５対５である。また、この混合樹脂系に対して、着色剤は、チタン色、弁柄、イソインドリノンの混合体を用いた。
【００４７】
次に、基材シートの表側面に、熱圧によるエンボス加工にて、木目導管溝の凹凸模様５を賦形した後、全面に上塗り層４を塗工形成して、化粧シートＳとした。上塗り層は、（Ａ）メタクリル酸メチルとメタクリル酸２−ヒドロキシエチルとの共重合体からなるアクリルポリオール５０重量部と、（Ｂ）アクリル酸オクチルとアクリル酸シキロヘキシルとメタクリル酸２−ヒドロキシエチルとの共重合体からなるアクリルポリオール５０重量部と、（Ｃ）ヘキサメチレンジイソシアネート８重量部とからなる２液硬化型ウレタン樹脂（１０８重量部）と、（Ｄ）ポリメタクリル酸メチルからなるアクリル樹脂２５２重量部との混合樹脂系の塗液を用いた。
【００４８】
そして、上記化粧シートを、２液硬化型ウレタン樹脂系のエマルション型接着剤を用いて、被着体としてラワン合板にラミネ−トして化粧板を作製した。なお、絵柄層は基材シートの裏側に、凹凸模様は基材シートの表側となる向きでラワン合板に積層した。
【００４９】
〔性能評価〕
上記化粧板について、初期密着性と耐候密着性を次の様にして評価した。その結果、初期密着性及び耐候密着性ともに良好であった。なお、初期密着性は３．５３ｋｇｆ／２５ｍｍでラワン合板が破壊し、耐候密着性は１．３８ｋｇｆ／２５ｍｍでラワン合板と化粧シート間での剥離であった。表１に結果を、比較例と共に纏めて示す。また、耐水性、耐湿性も良好で建材用途として充分使用できるものであった。また、プライマー層は元々無い為に、プライマー層に起因するエンボス加工時の耐熱性不足の問題は発生しなかった。
【００５０】
▲１▼初期密着性：化粧板の表面に、幅２５ｍｍで平行なラワン合板にまで達する切り込みをカッタで入れた後、切り込みに沿って２５ｍｍ幅で化粧シートを剥がす時の密着力を、下記の促進耐候性試験前の初期の密着力で評価した。
▲２▼耐候密着性：化粧板を、サンシャインウェザオメータ（カーボンアーク灯型、ブラックパネル温度６３℃、降雨時間は１８０分中１８分）で２００時間の促進耐候性試験を行った後、上記▲１▼記載の方法で密着力を測定した。
【００５１】
〔比較例〕
実施例に於いて、基材シートに厚さ２μｍのプライマー層を形成してから絵柄層を形成した。プライマー層の形成には、アクリルウレタンプライマー（メタクリル酸メチルとメタクリル酸２−ヒドロキシエチルとの共重合体からなるアクリルポリオール１００重量部とヘキサメチレンジイソシアネート８重量部との２液硬化型ウレタン樹脂）を用いた。また、絵柄層の樹脂系は、（Ａ）メタクリル酸メチルとメタクリル酸２−ヒドロキシエチルとの共重合体からなるアクリルポリオール１００重量部と、（Ｃ）ヘキサメチレンジイソシアネート８重量部とからなる２液硬化型ウレタン樹脂の単独樹脂系とした。この他は、実施例と同一条件で、化粧シートを作製した。そして、この化粧シートを用いて、化粧板を作製し、性能評価した。その結果、初期密着性は良好だが、耐候密着性が不良となった。なお、初期密着性は２．９９ｋｇｆ／２５ｍｍでラワン合板が破壊し、耐候密着性は０．６５ｋｇｆ／２５ｍｍでラワン合板と化粧シート間での剥離であった。また、これら密着性の結果は、プライマー層に起因するエンボス加工時の耐熱性不足も影響した結果であった。但し、密着性能低下の主要因は、プライマーの耐候劣化にある。なお、耐水性、耐湿性は良好であった。
【００５２】
【表１】

【００５３】
【発明の効果】
本発明の化粧シートによれば、ポリオレフィン系樹脂の基材シートであっても、絵柄層の樹脂系を、特定の樹脂の組み合わせで構成する事で、基材シートにプライマー層無しで絵柄層を密着良く形成でき、絵柄層と基材シートとの初期密着性及び耐候密着性が良好となる。また、ウレタン樹脂系のプライマー層に起因した、エンボス加工に対する耐熱性不足も解消され、エンボスによる凹凸模様を有する化粧シートも可能となる。
また、基材シートの絵柄層側の表面に活性水素を含む極性官能基を有する構成とすれば、絵柄層の基材シートに対する密着性がより向上した化粧シートとなる。更に、絵柄層の樹脂系がイソシアネート化合物を含有し、基材シート表面の極性官能基と絵柄層の樹脂系とがウレタン結合をしている構成とすれば、より強固な密着性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の化粧シートの各種形態例（基材シートの単層仕様）を説明する断面図。
【図２】本発明の化粧シートの別の各種形態例（基材シートの２層仕様）を説明する断面図。
【符号の説明】
１、１ａ基材シート
２、２ａ絵柄層
３着色剤
４上塗り層
５凹凸模様
６着色部
Ｓ化粧シート[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a decorative sheet used for surface decoration such as exterior, interior, joinery, furniture, and vehicle interior of a building. In particular, the present invention relates to a non-vinyl chloride decorative sheet that does not use a vinyl chloride resin for a base sheet.
[0002]
[Prior art]
Conventional decorative sheets use a vinyl chloride resin film as a base sheet and are decorated by printing, embossing, etc., on a vinyl chloride decorative sheet (Japanese Patent Publication No. 28-5036, Japanese Patent Publication No. 58-14312, etc.) See). However, since vinyl chloride resin generates hydrochloric acid gas when burned at the time of disposal, a decorative sheet using other resin not containing chlorine has been desired from the viewpoint of global environmental problems.
Therefore, as an alternative to a vinyl chloride decorative sheet, a decorative sheet using a polyolefin resin sheet such as polyethylene, polypropylene, olefinic thermoplastic elastomer or the like as a base sheet (Japanese Patent Laid-Open No. 54-62255, Japanese Patent Laid-Open No. 210808, JP-A-4-504384, JP-A-7-26038, etc.) have appeared.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the base sheet is a polyolefin-based resin, adhesion is generally poor even if the pattern layer is printed directly on the base sheet. Therefore, a primer layer made of, for example, a urethane resin base is required between the base sheet and the pattern layer. was there. However, the primer layer is not directly related to the expression of the pattern, and an extra printing unit is required, leading to an increase in the cost of the decorative sheet. In addition, urethane resin primer layers generally have poor initial adhesion and poor weather resistance. Moreover, since heat resistance was also inferior, the uneven pattern could not be formed by embossing.
[0004]
Therefore, the problem of the present invention is that the adhesiveness of the pattern layer and its weather resistance are good even when the pattern layer is provided directly on the polyolefin resin base sheet without a primer layer as a non-vinyl chloride decorative sheet. Thus, it is to provide a decorative sheet having good heat resistance against embossing.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, in the decorative sheet of the present invention, in the decorative sheet in which a pattern is applied to the base sheet made of a polyolefin-based resin, the resin system constituting the pattern layer formed so as to be in contact with the base sheet But with acrylic resin Acrylic polyol was used as the polyol Made of mixed resin system with urethane resin The acrylic polyol is a binary copolymer of methyl (meth) acrylate and 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, and octyl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate and (meth) acrylic acid. It is a mixture with a terpolymer with 2-hydroxyethyl. The configuration. Thus, even if it is a base sheet of polyolefin resin, by configuring with a combination of specific resins, it is possible to form a pattern layer with good adhesion without a primer layer on the base sheet, and the pattern layer and the base sheet The initial adhesion and the weather resistance adhesion are improved. Also, the lack of heat resistance due to the embossing due to the urethane resin primer layer is eliminated, and a decorative sheet having a concavo-convex pattern by embossing is also possible.
[0006]
Moreover, in the decorative sheet of this invention, it is set as the structure which has a polar functional group containing active hydrogen in the surface by the side of the pattern layer of a base material sheet with respect to the said structure further. If it does in this way, the adhesiveness with respect to the base material sheet of a pattern layer will improve more by this polar functional group.
Further, in the decorative sheet of the present invention, the resin system of the pattern layer contains an isocyanate compound, and the polar functional group on the surface of the base sheet and the resin system of the pattern layer have a urethane bond with respect to the above configuration. The configuration. As a result, since the base sheet and the pattern layer are chemically bonded by urethane bonds, strong adhesion can be obtained.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the decorative sheet of the present invention will be described with reference to the drawings. 1 and 2 are cross-sectional views illustrating some of various forms that can be taken by the decorative sheet of the present invention. The decorative sheet in FIG. 1 has a single-layer base sheet, and the decorative sheet in FIG. 2 has a double-layer base sheet (two layers in the figure).
[0008]
〔Overview〕
The decorative sheet of the present invention has, for example, a decorative sheet S shown in FIG. 1A and FIG. 1B on one side of a base material sheet 1 made of a polyolefin resin, and a pattern layer 2 on the base material sheet 1. The decorative sheet is formed so as to be in contact with each other, and the resin system of the pattern layer is a mixed resin system of an acrylic resin and a urethane resin. FIG. 1A shows an example in which a base material sheet 1 contains a colorant 3 and has a pattern layer on the front side of the base material sheet which is colored and opaque, and FIG. This is an example having a pattern layer on the back side of the material sheet 1.
More preferably, the base sheet 1 is a sheet having a polar functional group containing active hydrogen on the surface on the pattern layer side. Furthermore, in this case, it is preferable that the resin system of the pattern layer contains an isocyanate compound, and the polar functional group on the surface of the base sheet and the resin system of the pattern layer are urethane-bonded.
[0009]
Hereinafter, the substrate sheet, the pattern layer and the resin system thereof will be described in more detail.
[0010]
[Base material sheet]
As the base sheet 1, a resin sheet made of polyolefin resin is used.
Polyolefin resins include polyethylene (low density or high density), polypropylene, polymethylpentene, polybutene, ethylene-propylene copolymer, propylene-butene copolymer and other highly crystalline non-elastomeric polyolefin resins, or Various olefinic thermoplastic elastomers are used. As the olefin-based thermoplastic elastomer, for example, the following can be used.
[0011]
(1) As described in Japanese Patent Publication No. 6-23278, (A) As a soft segment, the number average molecular weight Mn is 25,000 or more, and the ratio Mw / Mn ≦ 7 of the weight average molecular weight Mw and the number average molecular weight Mn ≦ 7 10 to 90% by weight of atactic polypropylene soluble in boiling heptane, and (B) 90 to 10% by weight of isotactic polypropylene insoluble in boiling heptane having a melt index of 0.1 to 4 g / 10 min as a hard segment, Soft polypropylene made of a mixture of
[0012]
Among these types of olefinic thermoplastic elastomers, so-called “necking” is unlikely to occur, and those having good suitability when formed into various shapes or embossed by heating and pressurization are isotactic polypropylene and atactic polypropylene. The mixing ratio is 5% by weight or more and 50% by weight or less by weight ratio of the atactic polypropylene.
The polypropylene-based olefinic thermoplastic elastomer itself is already known, but when used in a conventionally known application such as a packaging container, the weight ratio of atactic polypropylene serving as a soft segment is 5 in order to emphasize strength. Less than wt% was used exclusively.
However, if this is applied to a three-dimensional shape or an uneven shape or is used for embossing, necking occurs as described above, and good processing is impossible.
Therefore, contrary to the conventional composition design, in the polypropylene-based olefin-based thermoplastic elastomer, the weight ratio of the atactic polypropylene is set to 5% by weight or more, embossing, three-dimensional shape or uneven shape. It is possible to eliminate defects such as non-uniform sheet deformation due to necking when forming the article surface shape, and the resulting wrinkles and distortion of the pattern. In particular, the case where the weight ratio of atactic polypropylene is 20% by weight or more is good. On the other hand, if the weight ratio of atactic polypropylene increases too much, the sheet itself is easily deformed, and when the sheet is passed through a printing machine, the sheet is deformed, the pattern is distorted, and the color becomes unregistered in the case of multicolor printing. Such defects are likely to occur. Further, it is not preferable because it is easily broken during molding. The upper limit of the weight ratio of atactic polypropylene is to print the pattern layer using a normal rotary printing machine such as rotary gravure printing, and to emboss the sheet, vacuum forming, V cut processing, injection molding simultaneous lamination, etc. When employed, it is 50% by weight or less, more preferably 40% by weight or less.
[0013]
(2) A thermoplastic elastomer comprising an ethylene-propylene-butene copolymer resin. Here, as the butene, any of three structural isomers of 1-butene, 2-butene, and isobutylene can be used. The following (i) to (iii) are preferred specific examples of the ethylene-propylene-butene copolymer that is a random copolymer and partially contains an amorphous part.
(i) As described in JP-A-9-1111055. This is a random copolymer of a terpolymer of ethylene, propylene and butene. The weight ratio of the monomer component is 90% by weight or more of propylene. The melt flow rate is preferably 1 to 50 g / 10 min at 230 ° C. and 2.16 kg. Then, 0.01 to 50 parts by weight of a transparent nucleating agent mainly composed of a phosphoric acid aryl ester compound and a fatty acid amide having 12 to 22 carbon atoms is added to 100 parts by weight of such a ternary random copolymer. 003 to 0.3 parts by weight are melt kneaded.
(ii) Those described in JP-A-5-77371. This is a terpolymer of ethylene, propylene and 1-butene, and 20 to 100% by weight of amorphous polypropylene having a propylene component content of 50% by weight or more, and 80 to 0% by weight of crystalline polypropylene. % Addition.
(iii) Those described in JP-A-7-316358. This is a terpolymer of ethylene, propylene, and 1-butene, and the content of propylene and / or 1-butene is 50 to 100% by weight of the low crystalline polymer. 0.5% by weight of an oil gelling agent such as N-acylamino acid amine salt or N-acylamino acid ester is added to a composition in which 80 to 0% by weight of crystalline polyolefin such as isotactic polypropylene is mixed. It will be.
[0014]
The ethylene-propylene-butene copolymer resin may be used alone, or other polyolefin-based resins may be further mixed with the above (i) to (iii) as necessary.
[0015]
(3) As described in Japanese Patent Publication No. 53-21021 (A) An olefin polymer (crystalline polymer) such as polyethylene, polypropylene, polymethylpentene or the like is used as a hard segment, and (B) a partially crosslinked ethylene Monoolefin copolymer rubber such as propylene copolymer rubber and unsaturated ethylene-propylene-nonconjugated diene terpolymer rubber is used as a soft segment, and these are uniformly blended and mixed. In addition, it mixes in the ratio of monoolefin rubber / olefin polymer = 50 / 50-90 / 10 (weight ratio).
[0016]
The base material sheet made of these polyolefin resins is usually prepared by forming a film by extrusion molding, calendering molding or the like so as to have a thickness of about 50 to 200 μm. The base sheet can be either a stretched sheet or an unstretched sheet, but the unstretched sheet has better formability such as V-cut processing.
[0017]
In addition, when a base material sheet is a sheet having a polar functional group containing active hydrogen at least on the surface on the pattern layer side, it is preferable in that the adhesion to the pattern layer is further improved.
In order to have the polar functional group on the surface of the base sheet, for example, a resin having a polar functional group may be used in the polyolefin resin itself constituting the base sheet itself. Specifically, as the polar functional group having active hydrogen, for example, the olefinic thermoplastic elastomers (1) to (3) described above having a hydroxyl group and / or a carboxyl group. For example, an olefinic thermoplastic elastomer into which a hydroxyl group is introduced by graft polymerization of an ethylene-vinyl alcohol copolymer or the like and a carboxyl group is introduced by a copolymer of maleic acid, fumaric acid, itaconic acid or the like is used. Either one or both of these hydroxyl groups and carboxyl groups may be used in combination.
[0018]
In addition, although it is the decorative sheet of the present invention that does not provide an easy adhesion layer such as a primer layer between the base sheet and the pattern layer, on the surface of the base sheet in contact with the other layer such as the pattern layer, corona discharge treatment, You may perform the well-known easy-adhesion process of a plasma process and an ozone process. Moreover, the polar functional group containing active hydrogen can be given to the base-material sheet | seat surface also by such easy adhesion processes.
[0019]
Note that various additives such as a filler, a flame retardant, an antioxidant, a foaming agent, a lubricant, an ultraviolet absorber, and a light stabilizer are added to the base sheet as necessary. Moreover, when coloring a base material sheet, what is necessary is just to knead and mix the well-known coloring agent which is listed by the pattern layer mentioned later in resin. Coloring includes transparent coloring and opaque (hiding) coloring. However, as a matter of course, in the configuration having the pattern layer on the back side of the base sheet (back printing specification), it is transparent coloring.
[0020]
As the ultraviolet absorber, the following compounds can be used.
For example, 2- (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-butylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3'-tert-butyl-5'-methylphenyl) ) -5-chlorobenzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3'-tert-amyl-5'-isobutylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3'-isobutyl-5) 2'-hydroxyphenyl-5-chlorobenzo such as' -methylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3'-isobutyl-5'-propylphenyl) -5-chlorobenzotriazole Triazole ultraviolet absorbers, 2- (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-butylphenyl) benzotriazol Benzotriazole-based UV absorbers such as 2- (2′-hydroxy-5′-methylphenyl) benzotriazole, 2′-hydroxyphenylbenzotriazole-based UV absorbers, 2,2′-dihydroxy-4 2,2′-dihydroxybenzophenone-based UV absorbers such as 2-methoxybenzophenone, 2,2′-dihydroxy-4,4′-dimethoxybenzophenone, 2,2 ′, 4,4′-tetrahydroxybenzophenone, 2- 2-hydroxybenzophenone ultraviolet absorbers such as hydroxy-4-methoxybenzophenone and 2,4-dihydroxybenzophenone, benzophenone ultraviolet absorbers such as phenyl salicylate, salicylate esters such as 4-tert-butyl-phenyl-salicylate UV absorbers and the like. In addition, a reactive ultraviolet absorber in which an acryloyl group or a methacryloyl group is introduced into the benzotriazole skeleton is also used. In addition, the addition amount of these ultraviolet absorbers is about 0.1 to 5 weight% normally with respect to a resin part.
[0021]
In order to further prevent deterioration of each layer of the decorative sheet due to ultraviolet rays and improve weather resistance, it is preferable to add a radical scavenger as a light stabilizer. As this radical scavenger, bis- (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinyl) sebacate, bis- (N-methyl-2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinyl) sebacate In addition, for example, hindered amine radical scavengers such as compounds disclosed in Japanese Patent Publication No. 4-82625, piperidyl radical scavengers, and the like are used. The addition amount of these radical scavengers is usually about 0.1 to 5% by weight with respect to the resin content.
[0022]
Further, in addition to the case where the base sheet is used as a single layer like each decorative sheet illustrated in FIG. 1, there are cases where the base sheet is used as a multi-layer (two layers in the figure) like each decorative sheet illustrated in FIG. .
[0023]
[Pattern layer]
The pattern layer is composed of a mixed resin system of acrylic resin and urethane resin. The pattern layer is formed by printing (or coating) using ink (or coating liquid) having the mixed resin system as a binder resin. In addition to the resin of the specific material, the ink appropriately contains a solvent, an extender pigment, a colorant, various additives, and the like. Of the pattern layers, all solid layers can be formed by coating.
[0024]
Examples of the acrylic resin include poly (meth) methyl acrylate, poly (meth) ethyl acrylate, poly (meth) acrylate propyl, poly (meth) acrylate butyl, and (meth) methyl acrylate- (meth). (Butyl acrylate copolymer, (meth) ethyl acrylate- (meth) butyl acrylate copolymer, ethylene- (meth) methyl acrylate copolymer, styrene- (meth) methyl acrylate copolymer ( An acrylic resin or the like made of a homopolymer or a copolymer containing a (meth) acrylic acid ester is used. In addition, (meth) acryl means acryl or methacryl. Moreover, the acrylic resin to be used may be 1 type, but 2 or more types may be used.
[0025]
As the urethane resin, basically, a curable resin having a polyol (polyhydric alcohol) as a main component and an isocyanate as a crosslinking agent (curing agent) is used.
As the polyol, one having two or more hydroxyl groups in the molecule, for example, polyethylene glycol, polypropylene glycol, acrylic polyol, polyester polyol, polyether polyol, polycarbonate polyol and the like are used.
As the isocyanate, polyisocyanate having two or more isocyanate groups in the molecule is used. For example, aliphatic isocyanates such as 2,4-tolylene diisocyanate, xylene diisocyanate, aromatic isocyanate such as 4,4'-diphenylmethane diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, hydrogenated tolylene diisocyanate, hydrogenated diphenylmethane diisocyanate (or Cycloaliphatic) isocyanates are used. Alternatively, adducts or multimers of the above various isocyanates can also be used. For example, there are tolylene diisocyanate adducts, tolylene diisocyanate trimers, and the like.
[0026]
Of these urethane resins, acrylic polyols are preferred as polyols in terms of adhesion to polyolefin resins and weather resistance. Among them, in particular, a binary copolymer of methyl (meth) acrylate and 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, and octyl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate, and 2-hydroxy (meth) acrylate Preference is given to mixtures with terpolymers with ethyl. These copolymers have an average molecular weight of about 5000 to 15000 and a hydroxyl value of about 40 to 50. The mixing ratio of these binary copolymer and ternary copolymer is usually about binary copolymer: ternary copolymer = 2: 8 to 8: 2 (weight ratio).
On the other hand, as the isocyanate, the above-described aliphatic or alicyclic isocyanate is preferable.
[0027]
And the mixing ratio of an acrylic resin and a urethane resin is good to select according to a required physical property etc. in the range of acrylic resin: urethane resin = 8: 2-5: 5 (weight ratio). The greater the proportion of acrylic resin, the better the weather resistance (weather resistant adhesion), but the initial adhesion decreases. On the other hand, the greater the proportion of the urethane resin, the better the initial adhesion and the pigment dispersibility in the ink, but the weather resistance adhesion decreases. The mixing ratio of acrylic resin: urethane resin is ideally about 7: 3. The mixing ratio is appropriately adjusted in consideration of the ink dispersibility of the color pigment. For example, the solid ink used for forming the entire solid layer is acrylic resin: urethane resin = about 5: 5.
[0028]
Further, when the base sheet has a polar functional group containing active hydrogen on the surface on the pattern layer side, the resin system of the pattern layer contains an isocyanate compound, and the polar functional group and the pattern layer on the surface of the base sheet The resin system has a urethane bond. As a result, since the base sheet and the pattern layer are chemically bonded by urethane bonds, strong adhesion can be obtained. The isocyanate compound is, for example, the above-described various isocyanates. And if the urethane resin of the ink (or coating liquid) used for formation of a pattern layer is used as a two-component curable urethane resin, a urethane bond can be produced | generated.
[0029]
In addition, as a urethane resin mixed and used with an acrylic resin, a two-component curable urethane resin is basically used, but in addition to this, a thermoplastic urethane resin, that is, a line after reacting, for example, a diol or the like with a diisocyanate. Resins composed of molecular molecules can also be used. The diol is, for example, a diol of the various polyols described above, and the diisocyanate is, for example, the various diisocyanates described above. However, since the thermoplastic urethane resin is not cured, it is easy to handle ink and the like. However, as described above, the resin system of the picture layer and the base sheet cannot be urethane-bonded, and the adhesiveness is reduced accordingly.
[0030]
Further, the ink (or coating liquid) for forming the pattern layer contains a pigment, a dye, or the like as a colorant in a vehicle composed of a mixed resin system of the specific resin.
For example, titanium white, zinc white, petal, vermilion, ultramarine blue, cobalt blue, titanium yellow, yellow lead, carbon black and other inorganic pigments, isoindolinone, Hansa Yellow A, quinacridone, permanent red 4R, phthalocyanine blue, indanthrene Organic pigments (including dyes) such as Brie RS and aniline black, metal pigments such as aluminum and brass, pearlescent pigments made of foil powder such as titanium dioxide-coated mica and basic lead carbonate, and the like.
[0031]
Note that the pattern layer is formed by a printing method, hand drawing, or the like. As a printing method, a known printing method such as gravure printing, offset printing, silk screen printing, or transfer printing from a transfer sheet is used to form the ink (or coating liquid).
[0032]
In addition, the pattern of the pattern layer includes a wood grain pattern, a stone pattern, a cloth pattern, a leather pattern, a geometric figure, a character, a symbol, or a solid surface. The pattern layer includes the front and back sides of the base sheet [see FIGS. 1 (A), (D) and (E)], the back side (see FIGS. 1 (B) to (E)), and the front and back sides (FIG. 1 (D)). Reference] Alternatively, when a plurality of base material sheets are used, they may be provided between layers [see FIGS. 2A to 2C]. In addition, lamination | stacking of a base material sheet is performed by well-known dry lamination, melt extrusion coating, etc.
[0033]
The pattern layer is usually used in combination of a pattern layer having a pattern and an all-solid layer having no pattern. In this case, when the pattern layer is formed after the formation of the whole solid layer, a thermoplastic urethane resin is used as the urethane resin in the pattern layer, not a two-component curable urethane resin to which an isocyanate compound is added. A two-component curable urethane resin in which an isocyanate compound is added to the urethane resin may be used. And the thermoplastic urethane resin in the said pattern layer uses the urethane resin which has a hydroxyl group, and cures a thermoplastic urethane resin with the isocyanate compound which the 2 liquid curing type urethane resin (uncured material) in all the solid layers has. May be. This is because all the solid layers are in contact with the base material sheet, not the pattern layer, so that even in this way, the adhesion between the base material sheet and the picture layer can be improved and satisfied. . In addition, the urethane resin of the pattern layer also becomes a two-component curable type as a result, but since it contains an isocyanate compound, ink reusability (utilization of residual ink), productivity (when printing for a long time, In view of the fact that the ink is not thickened and clogging of the plate does not occur), the ink can be handled easily.
[0034]
Further, in the decorative sheet of the present invention, the pattern layer formed so as to be in contact with the base sheet is composed of the above-mentioned specific mixed resin system as the resin layer of the layer, but is in contact with the base sheet. If it is not (or is small in area even if it is in contact), it does not limit the use of another resin-based pattern layer or a metal thin film layer as a pattern layer. For example, the metal thin film is formed by using a metal such as aluminum, chromium, gold, silver, copper or the like by a method such as vacuum deposition or sputtering. Or a combination of these may be used. The metal thin film may be provided on the entire surface or partially in a pattern.
[0035]
[Decoration processing other than pattern layer]
In the decorative sheet of the present invention, the pattern layer is formed for the purpose of decoration or the like, but a decoration process other than the pattern layer may be applied, such as an uneven pattern.
As such a decoration treatment, coloring (transparent coloring or opaque coloring) such as a decorative sheet S shown in FIG. 1A by adding a coloring agent 3 such as a pigment to the base sheet 1 itself, FIG. D) or the shaping of the concavo-convex pattern 5 such as the decorative sheet S shown in FIG. Alternatively, as in the decorative sheet S shown in FIGS. 1 (C) to 1 (E), there is formation of a top coat layer 4 for imparting design properties such as gloss adjustment and coating feeling. These decoration treatments are used in appropriate combination.
[0036]
In adding a colorant such as a pigment to the base sheet, various colorants as listed in the pattern layer are kneaded into the resin of the base sheet. Of course, in the form in which the base sheet is opaque, the pattern layer is formed on the front side surface of the base sheet.
For example, the decorative sheet S in FIGS. 2 (A) and 2 (B) has a pattern layer between two base material sheets 1 and 1a. Here, the base material sheet 1a on the back side is added with a colorant. A colored and opaque (concealed) colored sheet is used, and the base material sheet 1 on the front side is an uncolored transparent sheet.
[0037]
As the concavo-convex pattern 5, there are a wood grain plate conduit groove, a stone plate surface unevenness (such as a granite cleaved surface), a cloth surface texture, a satin texture, a grain, a hairline, a ridge line groove and the like. The uneven pattern is formed by a known shaping method such as embossing or hairline processing. The surface on which the uneven pattern is provided is arbitrary such as a front side surface, a back side surface, both front and back side surfaces, and the like.
[0038]
Further, if necessary, the colored portion 6 can be formed by filling the concave portion of the concave-convex pattern with a colored ink by a known wiping method (see Japanese Patent Publication No. 58-14312) (see FIG. 1D). ]. The colored ink can be the same as the pattern layer. However, in terms of abrasion resistance, a two-component curable urethane resin is preferable as the binder urethane resin.
[0039]
The top coat layer 4 is usually formed on the front side by a known coating method or printing method as a process after the pattern layer or the above-described various decoration processes. However, as shown in FIG. 1D, there is also a configuration in which a pattern layer 2a is further formed on the overcoat layer 4 (in this case, the resin system of the pattern layer is a layer that does not contact the base sheet, For example, a two-component curable urethane resin may be selected in consideration of the resin system and surface physical properties of the topcoat layer). The overcoat layer is also formed for imparting surface properties such as scratch resistance and chemical resistance. As the resin for the top coat layer, for example, a two-component curable urethane resin, an ionizing radiation curable resin that is cured with ultraviolet rays or an electron beam made of various acrylates, and the like are used. In the resin, a filler, a flame retardant, an ultraviolet absorber, a light stabilizer and the like are appropriately added as necessary.
[0040]
[Adhesive layer]
Although not shown, an adhesive layer may be provided on the back surface of the decorative sheet as necessary. For the adhesive layer, for example, a conventionally known adhesive such as a heat-fusion adhesive made of a thermoplastic resin or the like, a curable adhesive made of a two-component curable urethane resin, or a pressure-sensitive adhesive is used. Used accordingly.
[0041]
[Use of decorative sheet]
In addition, the use of the decorative sheet of the present invention is not particularly limited, and the decorative sheet of the present invention is used for the purpose of laminating the surface of various adherends to make up the surface. The adherend is a flat plate made of various materials, a plate material such as a curved plate, a three-dimensional article, a sheet (or film), or the like. For example, wood board materials such as wood veneer, such as wood veneer, wood plywood, particle board, MDF (medium density fiber board), etc., wood board materials used as 3D shaped articles, etc., board materials such as iron and aluminum, 3D shaped articles or Ceramic materials used as sheet materials and three-dimensional articles such as metal materials used as sheets, ceramics such as glass and ceramics, non-cement ceramic materials such as gypsum, non-ceramic ceramic materials such as ALC (lightweight cellular concrete) plates Material, acrylic resin, polyester resin, polystyrene resin, polyolefin resin such as polypropylene, ABS (acrylonitrile-butadiene-styrene copolymer) resin, phenol resin, vinyl chloride resin, cellulosic resin, rubber plate, three-dimensional shaped article Or a resin material used as a sheet, or a sheet exclusively Quality paper used in the paper of Japanese paper or the like, carbon, asbestos, glass, and a non-woven or woven fabric made of fibers such as synthetic resin.
The laminate of the decorative sheet is used as a decorative plate when the adherend is a plate material, and the laminate itself may be used as a decorative sheet when the adherend is a sheet.
[0042]
As a method of laminating the decorative sheet on these various adherends, for example, (1) a method of laminating by pressing with a pressure roller on a plate-like substrate with an adhesive in between, (2) Japanese Patent Publication No. 50- After a decorative sheet is placed between both male and female molds for injection molding, as described in 19132, Japanese Examined Patent Publication No. 43-27488, etc., molten resin is injected into the mold and molded into a resin molded product. At the same time, a so-called injection molding simultaneous laminating method in which a decorative sheet is bonded and laminated on the surface, (3) three-dimensional shapes such as molded articles as described in JP-B-56-45768, JP-B-60-58014, etc. So-called vacuum press lamination, in which a decorative sheet is opposed or placed on the surface of a shaped article with an adhesive in between, and the decorative sheet is laminated on the surface of the three-dimensional shaped article by a pressure difference due to vacuum suction from the three-dimensional shaped article side Method, (4) Shoko As described in Japanese Patent Publication No. 1-5895, Japanese Patent Publication No. 3-2666, etc., while supplying a decorative sheet via an adhesive in the major axis direction of a columnar substrate such as a cylinder or a polygonal column, There is a so-called lapping process method in which a decorative sheet is sequentially pressure-bonded and laminated on a plurality of side surfaces constituting a columnar base material by a plurality of rollers having different directions. In addition, so-called V-cut or U-cut processing may be performed as post-processing after lamination.
[0043]
The decorative sheet of the present invention is laminated on various adherends and subjected to a predetermined molding process or the like as required, and used for various applications. For example, interior decorations for walls, ceilings, floors, etc., surface decorations for furniture such as window frames, doors, handrails, surface decorations for furniture or cabinets for light electric / OA equipment, vehicle interiors for automobiles, trains, aircraft, ships, etc. Window glass makeup.
[0044]
【Example】
Hereinafter, the decorative sheet of the present invention will be further described with reference to examples and comparative examples.
[0045]
A decorative sheet S as shown in FIG. 1 (E) was produced as follows. The base sheet 1 has a mixture of 75 parts by weight of hard segment made of isotactic polypropylene and 25 parts by weight of soft segment made of atactic polypropylene, 8000 ppm of benzotriazole UV absorber, hindered amine radical scavenger. A sheet of transparent polypropylene resin with a thickness of 120 μm, added with 4000 ppm, was used.
[0046]
Corona discharge treatment was performed on both surfaces of the base sheet, and a pattern layer 2 made of a mixed resin system of an acrylic resin and a two-component curable urethane resin was formed on the back side surface. As the pattern layer, after forming a multicolor pattern layer having a grain pattern, a solid layer was further formed. In addition, the resin system of the ink binder forming the pattern layer includes (A) 50 parts by weight of an acrylic polyol made of a copolymer of methyl methacrylate and 2-hydroxyethyl methacrylate, and (B) octyl acrylate. Two-component curable urethane resin (uncured product: 108 parts by weight) comprising 50 parts by weight of an acrylic polyol composed of a copolymer of cyclohexylhexyl acrylate and 2-hydroxyethyl methacrylate and (C) 8 parts by weight of hexamethylene diisocyanate ) And (D) 108 parts by weight of an acrylic resin made of polymethyl methacrylate was used. In addition, the ratio of an acrylic resin and a urethane resin is 5 to 5. For this mixed resin system, the colorant used was a mixture of titanium color, dial, and isoindolinone.
[0047]
Next, an uneven pattern 5 of the wood grain conduit groove was formed on the front side surface of the base material sheet by embossing by hot pressure, and then a top coat layer 4 was formed on the entire surface to obtain a decorative sheet S. The topcoat layer comprises (A) 50 parts by weight of an acrylic polyol made of a copolymer of methyl methacrylate and 2-hydroxyethyl methacrylate, and (B) octyl acrylate, cyclohexyl acrylate, and 2-hydroxyethyl methacrylate. Two-part curable urethane resin (108 parts by weight) consisting of 50 parts by weight of an acrylic polyol made of a copolymer, 8 parts by weight of (C) hexamethylene diisocyanate, and 252 parts by weight of an acrylic resin made of (D) polymethyl methacrylate. A mixed resin-based coating liquid was used.
[0048]
Then, the decorative sheet was laminated on a lauan plywood as an adherend using a two-component curable urethane resin emulsion adhesive to prepare a decorative board. In addition, the pattern layer was laminated | stacked on the lauan plywood in the direction which becomes the back side of a base material sheet, and an uneven | corrugated pattern become the front side of a base material sheet.
[0049]
[Performance evaluation]
About the said decorative board, initial stage adhesiveness and weather-proof adhesiveness were evaluated as follows. As a result, both initial adhesion and weather resistance adhesion were good. The initial adhesion was 3.53 kgf / 25 mm and the lauan plywood was broken, and the weather resistance adhesion was 1.38 kgf / 25 mm, which was peeling between the lauan plywood and the decorative sheet. Table 1 summarizes the results together with comparative examples. Moreover, the water resistance and moisture resistance were good, and it could be used sufficiently as a building material. Further, since the primer layer was originally absent, the problem of insufficient heat resistance during embossing due to the primer layer did not occur.
[0050]
(1) Initial adhesion: After making a cut on the surface of the decorative board reaching a lauan plywood with a width of 25 mm with a cutter, the adhesive strength when peeling the decorative sheet with a width of 25 mm along the notch is as follows: The initial adhesion strength before the accelerated weather resistance test was evaluated.
(2) Weather resistance adhesion: After carrying out an accelerated weather resistance test for 200 hours with a sunshine weatherometer (carbon arc lamp type, black panel temperature 63 ° C., rainfall time is 18 minutes in 180 minutes) on the decorative board, The adhesion was measured by the method described in (1).
[0051]
[Comparative Example]
In the examples, a pattern layer was formed after forming a primer layer having a thickness of 2 μm on a base sheet. For the formation of the primer layer, an acrylic urethane primer (a two-component curable urethane resin composed of 100 parts by weight of an acrylic polyol made of a copolymer of methyl methacrylate and 2-hydroxyethyl methacrylate and 8 parts by weight of hexamethylene diisocyanate) is used. Using. Further, the resin system of the pattern layer is a two-component solution comprising (A) 100 parts by weight of an acrylic polyol made of a copolymer of methyl methacrylate and 2-hydroxyethyl methacrylate, and (C) 8 parts by weight of hexamethylene diisocyanate. A single resin system of curable urethane resin was used. Other than this, a decorative sheet was produced under the same conditions as in the example. And the decorative board was produced using this decorative sheet, and performance evaluation was carried out. As a result, the initial adhesion was good, but the weather resistance adhesion was poor. The initial adhesion was 2.99 kgf / 25 mm and the lauan plywood was broken, and the weather resistance adhesion was 0.65 kgf / 25 mm, which was peeling between the lauan plywood and the decorative sheet. Moreover, the result of these adhesiveness was a result which also influenced the heat resistance shortage at the time of the embossing resulting from a primer layer. However, the main factor for lowering the adhesion performance is the weather resistance degradation of the primer. The water resistance and moisture resistance were good.
[0052]
[Table 1]

[0053]
【The invention's effect】
According to the decorative sheet of the present invention, even if it is a polyolefin-based resin base sheet, by configuring the resin system of the pattern layer with a combination of specific resins, the base sheet is provided with a pattern layer without a primer layer. It can be formed with good adhesion, and the initial adhesion and weather resistance adhesion between the pattern layer and the substrate sheet are good. Also, the lack of heat resistance due to the embossing due to the urethane resin primer layer is eliminated, and a decorative sheet having a concavo-convex pattern by embossing is also possible.
Moreover, if it is set as the structure which has the polar functional group containing an active hydrogen in the surface by the side of the pattern layer of a base material sheet, it will become a decorative sheet in which the adhesiveness with respect to the base material sheet of a pattern layer improved more. Furthermore, if the resin system of the pattern layer contains an isocyanate compound and the polar functional group on the surface of the substrate sheet and the resin system of the pattern layer are urethane-bonded, stronger adhesion can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view illustrating various forms of a decorative sheet according to the present invention (single-layer specification of a base sheet).
FIG. 2 is a cross-sectional view illustrating another example of the decorative sheet according to the present invention (two-layer specification of the base sheet).
[Explanation of symbols]
1, 1a base sheet
2, 2a Pattern layer
3 Colorant
4 Topcoat layer
5 Uneven pattern
6 Coloring part
S decorative sheet

Claims

In a decorative sheet with a pattern on a base sheet made of polyolefin resin,
Resin system forming the pattern layer which is formed so as contact the substrate sheet, and an acrylic resin, Ri consists mixed resin system of the urethane resin using an acrylic polyol as the polyol, the acrylic polyol (meth) acrylic acid Binary copolymer of methyl and 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, and ternary copolymer of octyl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate and 2-hydroxyethyl (meth) acrylate A decorative sheet that is a mixture of