JP3868476B1 - 完全パッシブ太陽熱利用おが粉乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】おが粉がベルトコンベヤー(往き)11又はベルトコンベヤー(戻り)12を移動する際、回転式おが粉撹拌スクレーパー29をベルトコンベヤー上に長さ10mのコンベヤー1台に1か所ずつ取り付けて、回転式おが粉撹拌スクレーパー29の爪33で前進おが粉を掬い上げ、回転に伴っておが粉を羽根板32に載せ、上死点を超えるとおが粉は重力によって前方の羽根板32の裏面側に落下、堆積し、さらに回転することで後進おが粉としてベルトコンベヤー(往き)11又はベルトコンベヤー(戻り)12に移し替えることにより、おが粉の攪拌を行い、おが粉乾燥を促進させる。
【選択図】図5
Description
生のおが粉を乾燥するには大量の熱量を要し、現在石油を燃やして乾燥している。
従来技術の特徴
1)ロータリキルン式(バッチ式)
イ、機器設備費大、ロ、直下火(高温)は火災の危険、ハ、燃料費、電力費嵩む、ニ、大規模向き、ホ、製品のむら少ない。
2)吸引式(バッチ式)
イ、機器設備費大、ロ、おが粉ダストの発生、ハ、燃料費、電力費嵩む、ニ、大規模向き、ホ、製品のむら少ない。
この公知技術は、太陽熱による温室内に、繊維質素材のコンベヤベルトを備えたベルトコンベヤーから成る乾燥台を設置し、該乾燥台に始端には汚泥等の水分率の高い物質の供給ホッパーを臨ましめると共に、前記乾燥台の終端付近には被乾燥物の受け箱を設置し、前記乾燥台の下方には透過液受け皿を配設した乾燥装置である。
図1の正面図及び図2の左側面図に示すように、乾燥装置本体1は長手方向を東西に向け、全体が三重透明フイルム2で覆われた蒲鉾型の温室構造である。
屋根面3及び南面4は、三重透明フイルム2を透過した日射が十分に入射するが、北面5には不透明遮熱シート6を内側から張り、ハウス内からの放熱を抑制するようにしてある。
ハウス北面5の外部にパッシブ排気をつかさどる排気ダンパーD2付の断熱円筒7を直立に配置し、図2に示す右側の西面8及び左側の東面9には吸気ダンパーD1及び吸排気シャッターS1をそれぞれ配置してある。
また、図2の右側に示すように西面8に搬入搬出用の出入口10を有する。
小型ハウスのハウス内部には長さ10m、幅900mmのベルトコンベヤー(往き)11を1台、ベルトコンベヤー(戻り)12を1台、計2台を配置し、また、大型ハウスでは同ベルトコンベヤー(往き)11、同ベルトコンベヤー(戻り)12をそれぞれ直列に2台ずつ、計4台を配置してある。
図1に示すように、ベルトコンベヤー(戻り)12の上部には高温蒸気で加熱される天井ふく射パネル13が設置されている。
西面8の出入口10側には、ベルトコンベヤー(往き)11のおが粉乾燥の始点のSホッパー14を、ベルトコンベヤー(戻り)12のおが粉乾燥の終点のRホッパー15を置き、始点ではSホッパー14に満たされた生おが粉が供給口のフィーダー(図示せず)から超低速で回転するベルトコンベヤー(往き)11に一定の厚さに供給され、ベルトコンベヤー(往き)11は主に直射日射を受けて乾燥する。
図3の拡大平面図に示すように、ベルトコンベヤー(往き)11の終点には往きのおが粉受け・フイーダ16を設け、往きのおが粉受け・フイーダ16の下に切り返しターンテーブル17が配置され、半生おが粉を一度これに受け取ってから切り返しターンテーブル17の右側半分に落下移乗させる。
また、ベルトコンベヤー(往き)11の終点に置かれた前記切り返しターンテーブル17の下方に戻りのおが粉受け・フイーダ16を設け、戻りのおが粉受け・フイーダ16の下方にベルトコンベヤー(戻り)12の始点を位置させる。
切り返しターンテーブル17の右側半分に落下移乗した半生おが粉は半回転して、切り返しターンテーブル17のスクレーパー18により掻き寄せられて、戻りのおが粉受け・フイーダ16からベルトコンベヤー(戻り)12にUターンするように落下移乗される。
図4(a)の平面図及び図4(b)の側面図に示すように、集成材合板19に積層されたゴム天板20のからなる円盤21を設け、該円盤21の中心の回転軸22を回転軸受け23により回転自在に支承する。
さらに、前記円盤21の下面周縁にリング状ゴム板24を貼着し、該リング状ゴム板24に接する回転ローラー25を3個所に配置して前記円盤21を支持し、同様にリング状ゴム板24に接する駆動ローラー26を配置して減速機27を介してモーター28の駆動力を伝達する。
前記モーター28、減速機27を介して駆動ローラー26により切り返しターンテーブル17はゆっくり右回りに回転しており、ベルトコンベヤー(往き)11からの半生おが粉をおが粉受け・フイーダ16から受け取る。
そして、図3に示すスクレーパー18によりベルトコンベヤー(戻り)12始点のおが粉受け・フイーダ16に投入され、おが粉受け・フイーダ16から再びベルトコンベヤー(戻り)12に一定厚さで供給される。
ベルトコンベヤー(戻り)12では、主に天井ふく射パネル13からの放射を受けてふく射乾燥された後、ベルトコンベヤー(戻り)12の終点で乾燥おが粉となってRホッパー15に収納される。
図5(a)の側面図及び図5(b)の平面図に示すように、前記回転式おが粉撹拌スクレーパー29は、軸受け30に回転自在に軸支され、前記往・復移動するベルトコンベヤーの横断方向に架橋した回転軸31と、該回転軸31の放射方向に延設した複数の羽根板32と、該各羽根板32の先端に前記往・復移動するベルトコンベヤーの進行方向と対向するように設けた爪33とから構成される。
図5(a)の側面図に示すように、おが粉がベルトコンベヤー(往き)11又はベルトコンベヤー(戻り)12を移動する際、回転式おが粉撹拌スクレーパー29をベルトコンベヤー上に長さ10mのコンベヤー1台に1か所ずつ取り付けて、回転式おが粉撹拌スクレーパー29をベルトコンベヤー(往き)11又はベルトコンベヤー(戻り)12の進行方向と逆方向に回転させておが粉の攪拌を行い、おが粉乾燥を促進させる。
すなわち、回転式おが粉撹拌スクレーパー29の爪33で前進おが粉を掬い上げ、回転に伴っておが粉を羽根板32に載せ、上死点を超えるとおが粉は重力によって前方の羽根板32の裏面側に落下、堆積し、さらに回転することで後進おが粉としてベルトコンベヤー(往き)11又はベルトコンベヤー(戻り)12に移し替えることにより、おが粉は撹拌される。
なお、34は回転式おが粉撹拌スクレーパー29が回転する際にベルトコンベヤー(往き)11又はベルトコンベヤー(戻り)12の両サイドからおが粉がこぼれないようにするために設けたおが粉こぼれ止めガイドである。
夜間は、ハウス床面のコンクリート土間に埋め込まれた床暖パネル20に外部の温水ボイラー(図示せず)からの燃焼熱が温水で供給され、床暖パネル20からのふく射と対流によって室内空気の温度上昇と、湿度低下をもたらす。
高温の室内空気はハウス上部に設置された室内ファンF1−1〜F1−4で循環されて、天井ふく射パネル13及び床暖パネル20からのふく射乾燥に加えて、ベルトコンベヤー11,12上を移動するおが粉の対流乾燥に寄与する。
図2に示すように、乾燥装置本体1の小型ハウス内には2台のベルトコンベヤー11,12、ホッパー類14,15、おが粉受け・フィーダー16のほかに、天井ふく射パネル13、4台の室内ファンF1−1〜F1−4、4個のダンパーD1−1〜D1−2、D2−1〜D2−2、2個のシャッターS1−1〜S1−2、及びハウス外には2本の断熱円筒7が外付けで設置され、仮設ボイラー室(図示せず)にはボイラー、計測器等の機器設備が収納されている。
大型ハウスではベルトコンベヤーは2台から4台に、さらに室内ファンF1、ダンパーD1,D2、天井ふく射パネル13、断熱円筒7はそれぞれ2倍に増設される。
ベルトコンベヤー11,12が手動で駆動され、Sホッパー14から生おが粉がベルトコンベヤー(往き)11に一様厚さに供給され、日中は主に直射日射によるふく射乾燥の工程に入る。
ベルトコンベヤー(戻り)12上では半生おが粉が移動中に天井ふく射パネル13からのふく射の放射により乾燥されて乾燥おが粉となり、ベルトコンベヤー(戻り)12終点のRホッパー15に回収され、1サイクル2時間の乾燥工程が終了する。
ここで、ベルトコンベヤー11,12の速度は10m/h(=0.167m/min)の超低速である。
夜間(極端な日照不足の日中を含む)の室温維持のために、外付けの木質燃料ボイラー(図示せず)を蒸気用1台及び温水用1台設備し、蒸気は天井ふく射パネル13に、温水は床暖パネル20に供給して日中同様、直接のふく射乾燥を行うと同時に、ふく射と対流で室温を維持して対流乾燥を促進させる。
室内の温度40℃以上で4台の室内ファンF1−1〜F1−4が回転し、室内空気が(出入口10から見て)ゆっくり左回りに循環する。
断熱円筒7の排気ダンパーD2−1、D2−2が全開して室内の湿り空気をパッシブ排気し、その分吸気ダンパーD1−1、D1−2が全開して外気を吸入して補完する。
ここで、給気ダンパーD1−1、D1−2及び排気ダンパーD2−1、D2−2は連動して自動開閉するが、夜間は室内を高温度、低湿度に維持するため両ダンパーの開度は全閉でなく、1/3程度に絞った状態で保たれる。
室内空気が50℃以上、湿度17%(絶対湿度0.015kg/kg(乾燥空気)、温度20℃の飽和湿り空気に相当)以上でシャッターS1−1、S1−2が開いて、室内の湿り空気を排出する。
これらの室内ファンF1、ダンパーD1,D2及びシャッターS1は室内の温湿度が設定値以下になると、停止または閉鎖してもとに戻る。
(1)乾燥おが粉の生産量;ベルトコンベヤーのベルト幅900mm、速度10m/h(=0.167m/min)とし、その上におが粉を厚さ5cmで供給し、おが粉密度250kg/m3とすると、1時間当たりの搬送能力は0.45m3/h、すなわち112.5kg/hの生産能力がある。
(2)乾燥能力;ハウス長15mの小型乾燥装置は1サイクルの乾燥工程で含水率30%の生おが粉を10%まで乾燥できる能力があり、またハウス長25mの大型乾燥装置では50%の生おが粉を10%にまで乾燥する能力がある。ここで、含水率は湿量基準である。
(3)太陽熱依存率;日中、乾燥に要する熱量の50%、昼夜通しての平均で10%程度。
2)電力消費
小型ハウスの場合、ファン25W×4=100W、コンベヤー駆動100W×2=200W、その他、温水ポンプ、おが粉撹拌装置19、照明、制御・計測器に若干消費し、合計800W以下の省電力型装置である。大型ハウスでは小型の1.7倍程度になる。
2 三重透明フイルム
3 屋根面
4 南面
5 北面
6 不透明遮熱シート
7 断熱円筒
8 西面
9 東面
10 出入口
11 ベルトコンベヤー(往き)
12 ベルトコンベヤー(戻り)
13 天井ふく射バネル
14 Sホッパー
15 Rホッパー
16 おが粉受け・フイーダ
17 切り返しターンテーブル
18 スクレーパー
19 集成材合板
20 ゴム天板
21 円盤
22 回転軸
23 回転軸受け
24 リング状ゴム板
25 回転ローラー
26 駆動ローラー
27 減速機
28 モーター
29 回転式おが粉撹拌スクレーパー
30 軸受け
31 回転軸
32 羽根板
33 爪
34 ガイド
Claims (2)
- 農業用ビニールハウスを改良してなる三重透明フイルムにより構成される蒲鉾型の透明温室を東西方向に設置し、床暖パネルを埋設したコンクリート土間の上に前記透明温室の長手方向に沿って2列のベルトコンベヤーを並列に設置し、西側には一方のベルトコンベヤーの終端側となる受けホッパーと他方のベルトコンベヤーの始端側となる投入ホッパーを設け、東側には前記二つのベルトコンベヤー間を連繋する切り返しターンテーブルを設け、前記他方のベルトコンベヤーの終端側でおが粉を前記切り返しターンテーブルへ移し替えするおが粉受け・フイーダと、前記切り返しターンテーブルから一方のベルトコンベヤーの始端側へおが粉を移し替えするおが粉受け・フイーダと、また前記投入ホッパーを前記受けホッパーより高位に設け、前記一方のベルトコンベヤーと前記他方のベルトコンベヤーをそれぞれ逆傾斜に配置し、重力と回転力を利用して前記切り返しターンテーブルから移し替え、その際混合作用を行わせるように形成し、前記往・復ベルトコンベヤー上の数か所に回転式おが粉撹拌スクレーパーを取り付け、前記透明温室の北側に直立に外付け設置された断熱円筒の強力なドラフトを利用して温室内の給排気をパッシブ換気することを特徴とする完全パッシブ太陽熱利用おが粉乾燥装置。
- 一方のベルトコンベヤーの天井位置には、一方のベルトコンベヤーにて搬送されるおが粉にふく射を放射する天井ふく射パネルを設け、他方のベルトコンベヤー側には三重透明フイルムを透過した直射日射を他方のベルトコンベヤー上に直接照射させるほか、それた日射は他方のベルトコンベヤーへ反射するように傾斜させた反射板を透明温室長手方向に沿って設けたことを特徴とする請求項1記載の完全パッシブ太陽熱利用おが粉乾燥装置。
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