JP3867371B2 - ガス遮断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスの事故を未然に防止するガス遮断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一旦発生すれば大惨事になる可能性が高いガス事故を未然に防止するために、従来から種々の安全装置が利用されており、中でもガスメータに内蔵された流量センサによりガスの流量を監視し、マイクロコンピュータによりガスの使用状態が異常使用であると判断した場合や、地震センサ、ガス圧力センサ、ガス警報器などのセンサの状況を監視して危険状態であると判断した場合に、前記ガスメータに内蔵された遮断弁によりガスを遮断するようにした電池電源によるマイクロコンピュータ搭載のガス遮断装置を内蔵したガスメータ(以下、マイコンメータと称す)が、安全性、ガス配管の容易性、低価格などの優位性の点から普及が促進され、近年は全世帯普及が実施されるに至っている。また、前記流量センサによって計測されたガス流量情報を電話回線などを利用して集中監視するテレメータ機能を備えた集中監視型のマイコンメータの比率も増加し、情報端末として利便性の向上がますます求められている。
【0003】
このガス遮断装置の遮断弁として、電池の電力消耗を抑えるため、遮断動作時または復帰動作時のみ電流を流し、その他の場合は永久磁石の吸引力とスプリングの反力とのバランスにより開状態または閉状態を保持するようにした自己保持型電磁弁が遮断弁として一般的に使用されている。しかし、この遮断弁は、衝撃などが与えられた場合に開閉状態が変化すると言う誤動作が発生する可能性がある。そこで、遮断弁の動作確認や衝撃などによる状態変化を検知して通報したり誤動作を修正するために、遮断弁の開閉状態を検知する手段を備えたガス遮断装置が求められている。
【0004】
以下、従来のガス遮断装置について説明する。上記のように遮断弁の開閉状態を検知する手段を備えたガス遮断装置が特開平7−55052号公報に開示されている。図8はそのガス遮断装置の構成を示す回路図である。図8において、101は等価抵抗102と等価インダクタンス103とからなり、ガス通路を遮断する遮断弁、104はトランジスタ105と抵抗106とから構成され、遮断弁101を開閉駆動する駆動回路、107は制限抵抗108とトランジスタ109と抵抗110とから構成され、制限抵抗108を介して遮断弁101に電圧を印加する制限駆動回路、111は抵抗112と抵抗113と抵抗114とコンパレータ115とで構成され、制限駆動回路107を動作させたときの遮断弁101の過渡応答を入力し、過渡応答の状況を検知して出力する過渡応答検知部、116は通過ガス流量を測定する流量測定手段、117は流量測定手段116によって異常な流量パターンを検知すると駆動回路104を駆動して遮断弁101を閉状態にするとともに、制限駆動回路107を動作させ、過渡応答検知部111により検知した過渡応答の状況に基づいて遮断弁101の開閉状態を検知する制御部、118は制御状態を表示する表示部、119は電源としての電池である。
【0005】
遮断弁101において、等価抵抗102は電磁コイルの等価抵抗であり、等価インダクタンス103は前記電磁コイルの等価インダクタンスである。この等価インダクタンス103の値は遮断弁101の開閉状態により差があり、開状態における値をL1 、閉状態における値をL2 とするとL1 >L2 である。また、過渡応答検知部111において、抵抗112と抵抗113とはコンパレータ115の基準電位を設定し、抵抗114はコンパレータ115の出力をプルアップしている。なお、制限駆動回路107は制限抵抗108を介して遮断弁101に電圧を印加して過渡応答を出力させるための手段であって、電流が小さいので遮断弁101を開閉することはない。
【0006】
上記構成のガス遮断装置の動作について説明する。図9は制限駆動回路107を動作させたときに過渡応答検知部111に入力される過渡応答を示す特性図である。遮断弁101を開閉した直後などに制限駆動回路107を動作させたとき、過渡応答検知部111のコンパレータ115に入力される過渡応答は、遮断弁101の開閉状態で等価インダクタンス103の値に差があるため、図9に示したように、遮断弁101の開閉状態に対応した波形になる。コンパレータ115の基準電位をVref とすると、制限駆動回路107が動作し始めてからコンパレータ115に入力される過渡応答の電位が前記基準電位Vref より低くなる時間を遮断弁101の閉状態時にT1 、開状態時にT2 とすると、遮断弁101の等価インダクタンス103が前述のようにL1 >L2 であるため、T1 >T 2となる。
【0007】
制御部117にはタイマが組み込まれており、ROM(読み出し専用記憶装置)などに書き込まれた前記タイマのプログラムに、T1 とT2 のほぼ中間の判定時間T3 が設定されていて、制限駆動回路107が動作し始めてから判定時間T3 を経過した時点のコンパレータ115の出力電位を取り込み、出力電位がH(高電位)である場合は遮断弁101が閉状態にあると判定し、L(低電位)である場合は遮断弁101が開状態にあると判定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このようなガス遮断装置においては、遮断弁101の開閉状態を確実に検知できることが要求される。一方、遮断弁101は省電力で確実に開閉動作することを重点に設計されるため、開閉状態の等価インダクタンス103の値を所定値にする設計が困難になる。そのため、設計が修正されたり、メーカが異なる場合には等価インダクタンス103の値が統一されずに幾通りにもなるのが一般的である。この場合、上記従来の構成では、制御部117のROMには焼き付け手段で所定の判定時間T3 が設定されているため、遮断弁101が設計が変更されたり、異なるメーカの遮断弁を併用する場合、制御部117は開閉状態を誤って検知してしまう可能性がある。そのため、異なる仕様やメーカの遮断弁を併用する場合は、それぞれに適した判定時間が設定された制御部を仕様やメーカごとに準備する必要があり、このガス遮断装置をガスメータなどに組み込むセットメーカの負担が増大すると言う問題があった。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するもので、異なる仕様やメーカの遮断弁を併用する場合でも、1種類の制御部で確実に遮断弁の開閉状態を検知できるガス遮断装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、通過ガス流量を測定する流量測定手段と、ガス通路を遮断する遮断弁と、前記遮断弁を開閉駆動する駆動回路と、前記遮断弁として使用が想定される遮断弁ごとに対応して設けられ、前記対応する遮断弁に適合して設定された制限抵抗を介して前記遮断弁に開閉動作なしに電圧を印加する複数の制限駆動回路と、前記複数の制限駆動回路のうち、実際に使用される遮断弁に適合する制限駆動回路がどれであるかをあらかじめ記憶する記憶手段と、前記制限駆動回路を動作させたときの前記遮断弁の過渡応答を入力し、前記過渡応答の状況を検知して出力する過渡応答検知部と、全体の動作を制御する制御部と、電源としての電池とを備え、前記制御部は、前記流量測定手段によって異常な流量パターンを検知したときには前記駆動回路により前記遮断弁を閉状態にし、また、必要に応じて前記記憶手段に記憶された適合の制限駆動回路を動作させ、前記過渡応答検知部により検知した過渡応答の状況に基づいて前記遮断弁の開閉状態を検知するようにしたガス遮断装置である。
【0011】
本発明によれば、異なる仕様やメーカの遮断弁を併用する場合でも、複数の制限駆動回路のうち、実際に使用する遮断弁の電気的特性に適合した制限抵抗を備えた制限駆動回路を記憶手段の指定により選択し、その制限駆動回路を動作させたときの過渡応答の状況を過渡応答検知部で検知し、その結果に基づいて遮断弁の開閉を検知するので、1種類の制御部で遮断弁の開閉状態を確実に検知できるガス遮断装置を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に係わる本発明は、通過ガス流量を測定する流量測定手段と、ガス通路を遮断する遮断弁と、前記遮断弁を開閉駆動する駆動回路と、前記遮断弁として使用が想定される遮断弁ごとに対応して設けられ、前記対応する遮断弁に適合して設定された制限抵抗を介して前記遮断弁に開閉動作なしに電圧を印加する複数の制限駆動回路と、前記複数の制限駆動回路のうち、実際に使用される遮断弁に適合する制限駆動回路がどれであるかをあらかじめ記憶する記憶手段と、前記制限駆動回路を動作させたときの前記遮断弁の過渡応答を入力し、前記過渡応答の状況を検知して出力する過渡応答検知部と、全体の動作を制御する制御部と、電源としての電池とを備え、前記制御部は、前記流量測定手段によって異常な流量パターンを検知したときには前記駆動回路により前記遮断弁を閉状態にし、また、必要に応じて前記記憶手段に記憶された適合の制限駆動回路を動作させ、前記過渡応答検知部により検知した過渡応答の状況に基づいて前記遮断弁の開閉状態を検知するようにしたガス遮断装置である。
【0013】
本発明において、各制限駆動回路は、制限抵抗を介して遮断弁に開閉動作なしに電圧を印加する手段であり、使用が想定される遮断弁のうちのいずれか1つに対応しており、対応する遮断弁の電気的特性に適合した抵抗値の制限抵抗を備え、対応する遮断弁と組み合わせて動作させたときには、遮断弁からは同じ過渡応答が出力されるようにでき、したがって、1種類の制御部で遮断弁の開閉状態を検知することができる。
【0014】
記憶手段は複数の制限駆動回路のうちのいずれを用いるかを記憶する手段であって、RAMなどで実現され、実際に使用する遮断弁に適合する制限駆動回路がどれであるかを記憶する。この記憶入力は人的行為で入力手段を介してあらかじめ入力したり、請求項2に係わる本発明のように、制限駆動回路選択手段が学習により特定した制限駆動回路について入力するようにできる。
【0015】
過渡応答検知部は遮断弁の過渡応答の状況を検知する手段であり、実施の形態では、制限駆動回路を動作させたときの遮断弁の過渡応答の電位を所定の基準電位と比較し、過渡応答の電位が前記基準電位より高いか低いかを時間経過で出力する手段とする。この出力は過渡応答の電位の時間変化を過渡応答の状況として検出したものである。なお、この過渡応答検知部は、抵抗分割で生成した基準電位とコンパレータとで構成でき、比較結果をHレベルまたはLレベルの信号を出力する。また、基準電位をコンパレータの正入力端子と負入力端子のいずれに設定するかで比較結果が反転し、実施の形態では正入力端子を基準電位としているが、これに限定されるものではない。
【0016】
制御部はマイクロコンピュータなどで構成され、全体の動作を制御するが、とくに通過ガス流量が異常な流量パターンであるときには遮断弁を閉状態として安全を確保するように作用し、また、遮断弁の動作確認のために、その遮断弁に適合した前記制限駆動回路を動作させ、前記過渡応答検知部が検知した遮断弁の過渡応答の状況に基づいて開閉状態を判定する手段である。この場合、前記制限駆動回路が動作し始めてから所定の判定時間を経過した時点の過渡応答検知部の出力がHレベルであるかLレベルであるかにより判定して検知するが、これには遮断弁の開状態と閉状態とで過渡応答が異なることを利用している。
【0017】
以上の各作用により、判定時間が固定され、かつ仕様やメーカの異なる遮断弁を併用する場合でも、同じ過渡応答が出力されることにより、1種類の制御部で開閉状態を確実に検知することができる。
【0018】
請求項2に係わる本発明は、制御部は制限駆動回路選択手段を備え、前記制限駆動回路選択手段は、個別に制限駆動回路を動作させたときの過渡応答の状況に基づいて遮断弁の開閉状態を検知し、その検知結果を判定として実際の開閉状態と照合することにより遮断弁に適合する制限駆動回路を特定し、記憶手段に出力してあらかじめ記憶させるようにした請求項1に係わるガス遮断装置である。
【0019】
本発明において、制限駆動回路選択手段は、複数の制限駆動回路のうち、実際に使用される遮断弁に対して使用すべき制限駆動回路がどれであるかを学習により選択して記憶手段に記憶させる手段であり、たとえばマイクロコンピュータに記憶させた学習手順のプログラムにより実現される。この学習手順の基本は、制御部を介して強制的に遮断弁を開状態または閉状態に設定し、その状態のもとで複数の制限駆動回路を順次に動作させ、過渡応答検知部が出力する過渡応答の状況に基づいて制御部が判定した開閉状態と先に設定した遮断弁の開閉状態とが合致する制限駆動回路を選択する処理である。なお、この処理における制御部の検知結果は判定として扱う。
【0020】
以上の作用により、異なる仕様やメーカの遮断弁を併用する場合、ディップスイッチや通信などの積極的手段で使用する制限駆動回路がどれかをあらかじめ記憶手段に書き込む必要がなくなり、また、その制限駆動回路を用いて1種類の制御部で遮断弁の開閉状態を確実に検知することができる。
【0021】
請求項3に係わる本発明は、制御部には過渡応答検知部により検知した過渡応答の状況を参照するための1つの判定時間を備え、制限駆動回路を動作させてから前記判定時間を経過した時点における過渡応答の状況を入力して遮断弁の開閉状態を検知するようにした請求項1または2のいずれかに係わるガス遮断装置である。
【0022】
本発明において、制御部はタイマを内蔵して備え、たとえば前記タイマのプログラム中に1つの判定時間が設定されている。請求項1に係わる発明で説明したように、上記判定時間を経過して時点で過渡応答検知部が過渡応答の状況として出力するHレベルまたはLレベルの信号を参照し、遮断弁の開閉状態を検知する。
【0023】
請求項4に係わる本発明は、制御部には過渡応答検知部により検知した過渡応答の状況を参照するための第1の判定時間と、それよりも長い第2の判定時間とを備え、制限駆動回路を動作させてから第1の判定時間を経過した時点の過渡応答の状況に基づいて遮断弁の開閉状態を検知し、第2の判定時間を経過した時点の過渡応答の状況に基づいて前記検知結果を確認するようにした請求項1または2のいずれかに係わるガス遮断装置である。
【0024】
本発明において、制御部はタイマを内蔵して備え、たとえば前記タイマのプログラム中に2つの判定時間が設定されている。この2つの判定時間を用いて遮断弁を開状態としたままで開閉状態を検知することができる。本来、過渡応答の電位は経過時間とともに減衰して変化する特性を備えており、1つの制限駆動回路を動作させたとき、最初の判定時間における検知結果の判定と第2の判定時間における検知結果の判定とが同じである場合には応答が異常であると判断できることを利用している。なお、この場合の第2の判定時間は最初の判定時間とはかなり大きく設定される。たとえば、最初の判定時間で開状態と判定される状態が第2の判定時間では閉状態と判定されるような第2の判定時間を設定しておけば、上記過渡応答の特性を考慮した第2の判定時間の設定になり、これに合致する過渡応答の状況は正常であったとしてよく、最初の判定時間における判定が正解になる。また、そうでない場合には異常状態であるとしてよい。このような判定方法では遮断弁の状態を強制的に切り替える必要がなく、また、同じ制限駆動回路を再度、動作させる必要もない。
【0025】
以上の作用により、駆動回路や制限駆動回路を駆動する回数を少なくし、ガス通路の開閉による混乱や電力消費を抑えることができる。
【0026】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明のガス遮断装置の実施例1について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項1および請求項3に係わる。
【0028】
図1は本実施例の構成を示す回路図である。図において、1は遮断弁であり、仕様またはメーカの異なる2種類の遮断弁を併用する場合、1方を1a、他方を1bとする。2は遮断弁1における電磁コイルの等価抵抗、3は前記電磁コイルの等価インダクタンス、4はトランジスタ5と抵抗6とで構成され、遮断弁1を開閉駆動する駆動回路、7は第1の制限抵抗8とトランジスタ9と抵抗10とで構成され、第1の制限抵抗8を介して遮断弁1に電圧を印加する第1の制限駆動回路、11は第2の制限抵抗12とトランジスタ13と抵抗14とで構成され、第2の制限抵抗12を介して遮断弁1に電圧を印加する第2の制限駆動回路、15は抵抗16、抵抗17、抵抗18および抵抗19とコンパレータ20とで構成され、第1の制限駆動回路7または第2の制限駆動回路11のいずれかにより遮断弁1に電圧を印加したときの遮断弁1の過渡応答の電位を入力して所定の基準電位と比較し、その結果を出力する過渡応答検知部、21は通過ガス流量を測定する流量測定手段である。
【0029】
また、22は第1の制限駆動回路7と第2の制限駆動回路11のうちのいずれを使用するかを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)などで構成された記憶手段、23は流量測定手段21の流量信号が異常な流量パターンである場合に駆動回路4を駆動して遮断弁1でガス通路を遮断するとともに、遮断弁1の開閉状態を検知するために記憶手段22で記憶されている第1の制限駆動回路7または第2の制限駆動回路11のいずれかを動作させ、過渡応答検知部15の出力に基づいて遮断弁1の開閉状態を検知する制御部、24は制御部23から遮断弁1の開閉状態や異常状態などを外部に報知する報知手段、25は第1の制限駆動回路7または第2の制限駆動回路11のいずれを使用するかの情報を制御部23を介して記憶手段22に書き込むための、主に通信などによる入力手段、26はガス遮断装置全体の電源としての電池である。
【0030】
上記構成において、遮断弁1および駆動回路4は従来例における遮断弁101および駆動回路104と実質同じである。また、第1の制限駆動回路7と第2の制限駆動回路11とは従来例における制限駆動回路107の構成と同じ構成であるが、第1の制限抵抗8と第2の制限抵抗12は、あらかじめ想定される2種類の遮断弁1の主として等価インダクタンス3に対応した適切な値の抵抗がそれぞれ設定されている。また、過渡応答検知部15において、抵抗16と抵抗17とは第1の制限駆動回路7を動作させたときにコンパレータ20の基準電位を生成し、抵抗16と抵抗18とは第2の制限駆動回路11を動作させたときにコンパレータ20の基準電位を生成する。
【0031】
図2は本実施例における遮断弁1の概略構成を示す断面図である。図2(a)は遮断弁1の開状態、図2(b)は遮断弁1の閉状態を示す。図2において、永久磁石27と継鉄28と可動鉄芯29とにより磁気回路が形成され、この磁気回路を励磁可能な電磁コイル30と、可動鉄芯29の一端に配された弁体31と、弁体31を閉弁方向に付勢するスプリング32とにより遮断弁1が構成されている。図2に示したように、遮断弁1は開状態と閉状態とで可動鉄芯29の位置が違うために、等価インダクタンス3の値に差がある。等価インダクタンス3の開状態における値をL1 、閉状態における値をL2 とすると、L1 >L2 となる。
【0032】
上記構成のガス遮断装置の動作について説明する。いま、遮断弁1は併用される2種類のうちの一方の遮断弁1aであるとする。通常状態において遮断弁1aは、図2(a)に示したように、可動鉄芯29が電磁コイル30内に入り込んだ状態となって開弁しており、その状態は可動鉄芯29が永久磁石27に吸着されることにより保持され、その結果、ガス通路が開放されてガスを使用できる状態になっている。一方、制御部23は流量測定手段21により異常な流量パターンを検知すると駆動回路4を駆動して遮断弁1aの電磁コイル30を励磁し、スプリング32により付勢されて可動鉄芯29が電磁コイル30から突出し、図2(b)に示した閉状態になる。
【0033】
図3は過渡応答検知部15に入力される過渡応答を示す特性図であり、図3(a)は第1の制限駆動回路7を動作させたときの過渡応答、図3(b)は第2の制限駆動回路11を動作させたときの過渡応答を示す。
【0034】
第1の制限駆動回路7を動作させると過渡応答検知部15のコンパレータ20に入力される過渡応答は、遮断弁1aの開閉状態により等価インダクタンス3の値にL1 >L2 の差があるため、図3(a)に示したように、遮断弁1aの開閉状態に対応した過渡応答になる。いま、第1の制限抵抗8の値をR1、遮断弁1aの等価抵抗2の値をr、等価インダクタンス3の値をL、電池26の電圧をEとしたとき、トランジスタ9のVccsat を無視すると、遮断弁1aの過渡応答の電位V0 は、抵抗R1、抵抗r、および等価インダクタンスLによる過渡応答から、
【0035】
【数1】
Figure 0003867371
【0036】
で与えられる。
コンパレータ20の基準電位をVref とすると、第1の制限駆動回路7が動作し始めてから過渡応答検知部15のコンパレータ20に入力される過渡応答の電位が前記基準電位Vref より低くなるまでの時間を、遮断弁1の開状態でT1 、閉状態でT2 とすると、前述のように遮断弁1aの等価インダクタンス3の値がL1 >L2 であるので、T1 >T2 となる。制御部23は内部にタイマを備え、このタイマにはROMに焼き付けられたプログラムなどにT1 とT2 のほぼ中間の判定時間T3 があらかじめ設定されていて、第1の制限駆動回路7が動作し始めてから判定時間T3 を経過したときのコンパレータ20の出力電位を取り込み、出力電位がH(高電位)である場合は遮断弁1aが閉状態、L(低電位)である場合は遮断弁1aは開状態と判定する。
【0037】
一方、第2の制限駆動回路11において、第2の制限抵抗12の値は想定されている他の遮断弁1bと組み合わせたとき、過渡応答検知部15のコンパレータ20に入力する過渡応答が、遮断弁1aと第1の制限駆動回路7とを組み合せたときの過渡応答とほぼ同じになるよう設定されており、第2の制限駆動回路11を駆動すると、第2の制限駆動回路11が動作し始めてからコンパレータ20に入力する過渡応答の電位がコンパレータ20の基準電位Vref より低くなるまでの時間は、遮断弁1bの開状態でT4 、閉状態でT5 となり、図3(b)に示したように、それぞれT4 ≒T1 、T5 ≒T2 となる。したがって、第1の制限駆動回路7の判定時間T3 と同じ判定時間T3 で遮断弁1bの開閉状態を検知することが可能になる。
【0038】
ガス遮断装置の組立メーカや管理者は、併用する遮断弁1aと遮断弁1bのいずれを実際に使用するかによって第1の制限駆動回路7と第2の制限駆動回路11のいずれを使用すべきかを決定し、外部から設定装置の電文などで入力手段25にその情報を入力し、制御部23を介して記憶手段22のRAMに第1の制限駆動回路7と第2の制限駆動回路11のいずれを使用するかの情報を書き込む。
【0039】
遮断弁1を開閉した直後や衝撃などの検知情報を得たときなどに遮断弁1の開閉状態を検知する必要がある場合、制御部23は、記憶手段22の情報を参照して第1の制限駆動回路7または第2の制限駆動回路11を動作させ、過渡応答検知部15により過渡応答の状況を検知し、その結果に基づいて遮断弁1の開閉状態を検知し、報知手段24に出力する。
【0040】
以上のように、本実施例のガス遮断装置によれば、異なる仕様やメーカの遮断弁1aと遮断弁1bとを併用する場合、それぞれの特性に適した抵抗値の制限抵抗を備えた第1の制限駆動回路7と第2の制限駆動回路11とを準備し、実際に使用する遮断弁1の仕様やメーカに応じて第1の制限駆動回路7と第2の制限駆動回路のいずれを使用するかの情報を電気信号の手段であらかじめ記憶手段22に記憶しておき、この記憶手段22で記憶されている制限駆動回路を動作させ、過渡応答検知部15により過渡応答の状況を検知し、その結果に基づいて遮断弁1の開閉状態を検知するため、異なる仕様やメーカの遮断弁を併用する場合でも、1種類の制御部23で遮断弁1の開閉状態を確実に検知することができる。
【0041】
なお、本実施例では、2種類の遮断弁を併用する場合について説明したが、さらに多種類の遮断弁を併用する場合にも、それぞれに適合する制限駆動回路を準備することにより対応できることは言うまでもない。また、駆動回路4は遮断動作のみ可能な構成について説明したが、正逆双方向に通電可能として遮断と復帰とが可能な構成としてもよい。また、コンパレータ20の基準電位を第1の制限駆動回路7と第2の制限駆動回路11とに対して同一とした構成について説明したが、抵抗17の値と抵抗18の値とを異なる値に設定することより異なる基準電位を用いる構成にしてもよい。また、記憶手段22は入力手段25からの情報で書き換え可能なRAMで構成した例で説明したが、切り替え可能なディップスイッチなどで構成してもよいことは言うまでもない。
【0042】
(実施例2)
以下、本発明のガス遮断装置の実施例2について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項2に係わる。
【0043】
図4は本実施例の構成を示す回路図である。なお、実施例1と同じ構成要素には同一符号を付与して説明を省略する。本実施例が実施例1と異なる点は、制御部23に制限駆動回路選択手段33を備え、第1の制限駆動回路7と第2の制限駆動回路11とを用いて過渡応答の状況を検知し、その結果に基づいて検知した遮断弁の状態と実際の状態とを比較して第1の制限駆動回路7と第2の制限駆動回路11のいずれを使用するべきかを決定し、記憶手段22に出力してあらかじめ記憶させ、以降の検知処理にその制限駆動回路を使用するようにしたことにある。したがって、ガス遮断装置を実働させる前に制限駆動回路選択手段33を動作させて適合する制限駆動回路を記憶手段22に記憶させることになる。
【0044】
制御部23のタイマには、実施例1と同様に、判定時間T3 が設定され、第1の制限駆動回路7が動作し始めてから判定時間T3 を経過した時点のコンパレータ20の出力電位を取り込み、出力電位がH(高電位)である場合は遮断弁1は閉状態、L(低電位)である場合は遮断弁1は開状態と判定する。第2の制限駆動回路11についても同様である。いま、遮断弁1として等価インダクタンスが高い遮断弁1aと等価インダクタンスが低い遮断弁1bとを併用する可能性があるとして、第1の制限駆動回路7における第1の制限抵抗8は、遮断弁1aについては開閉状態が判定でき、遮断弁1bについては開閉状態に拘わらず閉状態と判定されるように設定され、また、第2の制限駆動回路11における第2の制限抵抗12は、遮断弁1bについては開閉状態が判定でき、遮断弁1aについては開閉状態に関わらず開状態と判定されるように設定されている。図5は上記設定に対応する過渡応答を示す特性図である。なお、制限駆動回路選択手段33はROMに書き込まれたプログラムで構成されている。
【0045】
上記構成のガス遮断装置の動作について図面を参照しながら説明する。図6は本実施例の動作を示すフローチャートである。
【0046】
ガス遮断装置を搭載したガスメータを使用開始するとき、復帰信号や外部との電文通信などのトリガによる学習開始命令を受けて、制限駆動回路選択手段33が起動され、学習処理が開始される。まず、ステップ1において、駆動回路4により遮断弁1を復帰して開状態とする。つぎに、ステップ2において第1の制限駆動回路7をさせ、ステップ3において過渡応答検知部15は第1の制限抵抗8による過渡応答の電位を基準電位Vref と比較して、その結果に対応するHまたはLの電位を出力する。つぎに、ステップ4において過渡応答検知部15の出力電位がHであるかLであるかをチェックし、Hである場合は遮断弁1は閉状態、Lである場合は遮断弁1は開状態であると判定する。
【0047】
ステップ4で閉状態であると判定した場合、遮断弁1は復帰されて開状態であるので、閉状態であるとの判定は偽であり、第1の制限駆動回路7は適切でないので、ステップ5に移行して遮断弁1は遮断弁1bであると判断し、ステップ6に移行して記憶手段22に第2の制限駆動回路11を使用することを記憶させる。また、ステップ4で開状態であると判定した場合は、ステップ7に移行して駆動回路4により遮断弁1を遮断して閉状態に切り替える。つぎにステップ8で再度、第1の制限駆動回路7を駆動し、ステップ9で過渡応答検知部15により第1の制限抵抗8による過渡応答の電位を基準電位Vref と比較し、結果に対応するHまたはLの電位を出力する。つぎにステップ10に移行して制御部23は出力電位がHであるかLであるかをチェックし、出力電位がHである場合は遮断弁1が閉状態、Lである場合は遮断弁1は開状態と判定する。
【0048】
ステップ10で閉状態であると判定した場合、閉状態であるとの判定は真であり、第1の制限駆動回路7は適切であるので、ステップ11に移行して遮断弁1は遮断弁1aであると判断し、ステップ12で記憶手段22に第1の制限駆動回路7を使用することを記憶させる。また、ステップ10で開状態であると判定した場合、この時点まで過渡応答検知部15の出力電位がHである状態が継続しているため、ステップ13において遮断弁1の接続ミスによる未接続状態か、または遮断弁1が遮断動作しない異常状態であると判断し、制限駆動回路選択未終了、すなわち異常終了する。なお、その他の動作は実施例1と同等であるため説明を省略する。
【0049】
以上のように本実施例のガス遮断装置は、使用が想定される遮断弁が遮断弁1aと遮断弁1bとである場合、制御部23は使用開始時の復帰信号や通信などのトリガによる学習開始命令を受けて駆動回路4と第1の制限駆動回路7を動作させ、そのときの遮断弁1の状態と判定結果とを照合し、合致しない場合は他方の第2の制限駆動回路11が適切であると判断して選択し、また、合致した場合には遮断弁1の状態を変えて第1の制限駆動回路7を再度動作させ、判定結果を遮断弁1の状態と照合し、合致した場合には第1の制限駆動回路7が適切であると判断して選択し、合致しない場合には遮断弁1の接続ミスや動作異常とすることにより、適合する制限駆動回路がどれであるかを学習して記憶手段22に記憶させ、また異常状態を検出することにより、異なる仕様やメーカの遮断弁1aと遮断弁1bとを併用する場合、第1の制限駆動回路7と第2の制限駆動回路11のいずれを使用するかをディップスイッチや通信などの積極的手段で記憶手段22に書き込まなくても制限駆動回路選択手段33が学習して書き込むので、1種類の制御部23で遮断弁1の開閉状態を確実に検知することができる。
【0050】
なお、本実施例では、遮断弁1が2種類である場合に第1の制限駆動回路7のみを使用して適否を学習する処理について説明したが、第2の制限駆動回路11のみを使用して学習してもよい。
【0051】
また、本実施例における学習処理の基本は、遮断弁1の実際の開閉状態と1つの判定時間T3 を用いた判定結果とが合致する制限駆動回路を選択し、いずれにも合致しない場合は異常状態と判断することを基本としており、複数の制限駆動回路を順次に動作させて合致するものを選択して記憶させたり異常状態を検知することができ、したがって、図6に示した処理に限定されないことは言うまでもない。
【0052】
(実施例3)
以下、本発明のガス遮断装置の実施例3について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項2および請求項4に係わる。
【0053】
本実施例の構成は図4に示した実施例2の構成とほぼ同じである。本実施例が実施例2と異なる点は、制御部23におけるタイマに短長2つの判定時間、すなわち判定時間T3 に対して第2の判定時間T6 が設定され、この2つの判定時間を用いた判定も併せて行うこと、および制限駆動回路選択手段33の動作にある。ここで、判定時間T3 は実施例2における判定時間T3 と同じ時間である。前記第2の判定時間T6 は、制限抵抗の値の低い第2の制限駆動回路11を動作させたとき、等価インダクタンス3の値が大きい遮断弁1aの開状態における過渡応答の電位が基準電位Vref より低くなる時間よりも長く設定されている。図5に示したT6 はこの第2の判定時間T6 である。なお、本実施例における制御部と制限駆動回路選択手段とは実施例2におけるそれらと若干異なるが、実施例2と同じく制御部23、制限駆動回路選択手段33として説明する。
【0054】
上記構成のガス遮断装置の動作について図面を参照しながら説明する。図7は本実施例の動作を示すフローチャートである。
【0055】
まず、ガス遮断装置を搭載したガスメータを使用開始するときの復帰信号や、外部との電文通信などのトリガによる学習開始命令を受けて、制限駆動回路選択手段33が起動され、学習処理が開始される。まず、ステップ1において駆動回路4によって遮断弁1を復帰して開状態とする。つぎにステップ2において第1の制限駆動回路7を駆動し、ステップ3において過渡応答検知部15により判定時間T3 を経過した時点で第1の制限抵抗8による過渡応答の電位を基準電位Vref と比較し、判定結果に対応するHまたはLの電位が出力される。つぎにステップ4において過渡応答検知部15の出力電位がHであるかLであるかをチェックし、出力電位がHならば遮断弁1は閉状態、Lならば遮断弁1は開状態であると判定する。
【0056】
ステップ4において閉状態であると判定した場合、遮断弁1は復帰されて開状態であるので閉状態であるとの判定は偽であり、第1の制限駆動回路7は適切でないので、ステップ5に移行して遮断弁1は遮断弁1bであると判定し、ステップ6で記憶手段22に第2の制限駆動回路11を使用することを記憶させる。ここまでの動作は実施例2の動作と同じである。つぎに、ステップ4において開状態であると判定した場合、ステップ7に移行して、過渡応答検知部15により第1の制限駆動回路7の駆動から第2の判定時間T6 を経過した時点における過渡応答の電位を基準電位Vref と比較し、判定結果に対応するHまたはLの電位が出力される。つぎにステップ8において、出力電位がHであるかLであるかをチェックする。
【0057】
ここで第2の判定時間T6 は、制限抵抗の値の低い第2の制限駆動回路11を動作させたとき、等価インダクタンスの値の大きい遮断弁1aの開状態における過渡応答の電位が基準電位Vref より低くなる時間よりも長く設定されていることから、制御部23は、出力電位がLである場合はステップ9に移行して遮断弁1は接続ミスによる未接続状態か異常状態と判断し、制限駆動回路選択未終了として異常終了する。また、ステップ8で出力電位がHである場合は遮断弁1は正常であり、先ほどの判定時間T3 による判定結果が真であることから、ステップ10で遮断弁は1aであると判断し、ステップ11で記憶手段22に第1の制限駆動回路7を使用することを記憶させる。なお、その他の動作は実施例1のガス遮断装置と同等のため説明を省略する。
【0058】
以上のように本実施例のガス遮断装置は、使用が想定される遮断弁が遮断弁1aと遮断弁1bとである場合、使用開始時の復帰信号や通信などのトリガによる学習開始命令を受けて制限駆動回路選択手段33が起動され、駆動回路4と第1の制限駆動回路7を動作させ、そのときの遮断弁1の状態と判定時間T3 による判定結果とを照合し、合致しない場合は他方の第2の制限駆動回路11が適切であると判断して選択し、また、合致した場合には第2の判定時間T6 による判定結果と遮断弁1の状態とを照合し、合致した場合には第1の制限駆動回路7が適切であると判断して選択し、合致しない場合には遮断弁1の接続ミスや動作異常とすることにより、適合する制限駆動回路がどれであるかを学習して記憶させ、また異常状態を検出することにより、異なる仕様やメーカの遮断弁を併用する場合、第1の制限駆動回路7と第2の制限駆動回路11のいずれを使用するかをディップスイッチや通信などの積極的な手段で記憶手段22に書き込まなくても制限駆動回路選択手段33が学習して書き込むので、1種類の制御部23で遮断弁1の開閉状態を確実に検知できるとともに、判定時に駆動回路4や第1の制限駆動回路7または第2の制限駆動回路11を動作させる回数が少なくなるので、判定時におけるガス通路の遮断による混乱を回避し、消費電力を低減できるガス遮断装置を提供することができる。
【0059】
なお、本実施例では、遮断弁1が2種類である場合に第1の制限駆動回路7のみを使用して適否を学習する処理について説明したが、第2の制限駆動回路11のみを使用して学習してもよい。
【0060】
また、本実施例における学習処理は、遮断弁1の実際の開閉状態と判定時間T3 を用いた判定結果との照合と、判定時間T3 よりも長い第2の判定時間T6 を用いた判定結果との照合とにより開閉状態と異常状態とを検知することを基本としており、図6に示した処理に限定されないことは言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】
請求項1に係わる本発明は、異なる仕様やメーカの遮断弁を併用する場合、それぞれに適合した制限抵抗を備えた複数の制限駆動回路を備え、仕様やメーカに対応してこれら制限駆動回路のうちのいずれを使用するかを記憶手段にあらかじめ記憶し、この記憶手段に記憶された適合の制限駆動回路を動作させ、そのときの遮断弁の過渡応答の状況を過渡応答検知部で検知し、その結果に基づいて遮断弁の開閉状態を検知するようにしたガス遮断装置とすることにより、異なる仕様やメーカの遮断弁を併用する場合でも、1種類の制御部により遮断弁の開閉状態を確実に検知することができる。
【0062】
請求項2に係わる本発明は、制限駆動回路選択手段を備え、遮断弁の実際の開閉状態と過渡応答の状況に基づいて判定した開閉状態との比較により適合する制限駆動回路がどれであるかを学習し、記憶手段に記憶させるようにした請求項1に係わるガス遮断装置としたことにより、異なる仕様やメーカの遮断弁を併用する場合、適合する制限駆動回路がどれであるかをあらかじめ記憶手段に書き込んでおく必要がなく、かつ1種類の制御部により遮断弁の開閉状態を確実に検知することができる。
【0063】
請求項3に係わる本発明は、制限駆動回路を動作させてから1つの所定の判定時間を経過した時点における過渡応答の状況に基づいて遮断弁の開閉状態を判定し、その判定結果と遮断弁の状態とを照合して適合する制限駆動回路がどれであるかを判断するようにした請求項1ないし請求項2のいずれかに係わるガス遮断装置としたことにより、遮断弁の2つの状態と過渡応答の状況に基づく判定結果との照合から適合する制限駆動回路を特定したり遮断弁の異常状態を検知することができる。
【0064】
請求項4に係わる本発明は、制限駆動回路を動作させてから2つの所定の判定時間を経過した時点におけるそれぞれの過渡応答の状況に基づいて遮断弁の開閉を判定し、それらの判定結果と遮断弁の1つの状態とを照合して適合する制限駆動回路がどれであるかを判断するようにした請求項2に係わるガス遮断装置としたことにより、遮断弁の状態を変えずに適合する制限駆動回路を特定したり遮断弁の異常状態を検知することができ、遮断弁を開閉したり制限駆動回路を動作させる回数を少なくできて、ガス通路を遮断することによる混乱を回避し、消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるガス遮断装置の構成を示す回路図
【図2】同実施例1で使用される遮断弁の概略構成を示す断面図
【図3】同実施例1における過渡応答を示す特性図
【図4】本発明の実施例2におけるガス遮断装置の構成を示す回路図
【図5】同実施例2における過渡応答を示す特性図
【図6】同実施例2における制限駆動回路選択手段の動作を示すフローチャート
【図7】本発明実施例3におけるガス遮断装置の動作を示すフローチャート
【図8】従来のガス遮断装置の構成を示す回路図
【図9】同従来例における過渡応答を示す特性図
【符号の説明】
1,1a,1b 遮断弁
2,102 等価抵抗
3,103 等価インダクタンス
4,104 駆動回路
5,9,13,105,109 トランジスタ
6,10,14,16,17,18,19,106,110 抵抗
7 第1の制限駆動回路
8 第1の制限抵抗
11 第2の制限駆動回路
12 第2の制限抵抗
15 過渡応答検知部
20 コンパレータ
21 流量測定手段
22 記憶手段
23,117 制御部
24 報知手段
25 入力手段
26,119 電池
27 永久磁石
28 継鉄
29 可動鉄芯
30 電磁コイル
31 弁体
32 スプリング
33 制限駆動回路選択手段
101 遮断弁
107 制限駆動回路
108 制限抵抗
111 過渡応答検知部
112,113,114 抵抗
115 コンパレータ
116 流量測定手段
118 表示部

Claims (4)

  1. 通過ガス流量を測定する流量測定手段と、ガス通路を遮断する遮断弁と、前記遮断弁を開閉駆動する駆動回路と、前記遮断弁として使用が想定される遮断弁ごとに対応して設けられ、前記対応する遮断弁に適合して設定された制限抵抗を介して前記遮断弁に開閉動作なしに電圧を印加する複数の制限駆動回路と、前記複数の制限駆動回路のうち、実際に使用される遮断弁に適合する制限駆動回路がどれであるかをあらかじめ記憶する記憶手段と、前記制限駆動回路を動作させたときの前記遮断弁の過渡応答を入力し、前記過渡応答の状況を検知して出力する過渡応答検知部と、全体の動作を制御する制御部と、電源としての電池とを備え、前記制御部は、前記流量測定手段によって異常な流量パターンを検知したときには前記駆動回路により前記遮断弁を閉状態にし、また、必要に応じて前記記憶手段に記憶された適合の制限駆動回路を動作させ、前記過渡応答検知部により検知した過渡応答の状況に基づいて前記遮断弁の開閉状態を検知するようにしたガス遮断装置。
  2. 制御部は制限駆動回路選択手段を備え、前記制限駆動回路選択手段は、個別に制限駆動回路を動作させたときの過渡応答の状況に基づいて遮断弁の開閉状態を検知し、その検知結果を判定として実際の開閉状態と照合することにより遮断弁に適合する制限駆動回路を特定し、記憶手段に出力してあらかじめ記憶させるようにした請求項1記載のガス遮断装置。
  3. 制御部には過渡応答検知部により検知した過渡応答の状況を参照するための1つの判定時間を備え、制限駆動回路を動作させてから前記判定時間を経過した時点における過渡応答の状況を入力して遮断弁の開閉状態を検知するようにした請求項1または2記載のガス遮断装置。
  4. 制御部には過渡応答検知部により検知した過渡応答の状況を参照するための第1の判定時間と、それよりも長い第2の判定時間とを備え、制限駆動回路を動作させてから第1の判定時間を経過した時点の過渡応答の状況に基づいて遮断弁の開閉状態を検知し、第2の判定時間を経過した時点の過渡応答の状況に基づいて前記検知結果を確認するようにした請求項1または2記載のガス遮断装置。
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