JP3865678B2 - 突切りバイト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、突切りバイトに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の突切りバイト45は、図9に示すように、全長に渡って同一厚さの帯板形状であって、ワークの切削加工に使用する際に、図10に示すように、(図示省略の)グラインダにより、突切りバイト45の角部において、上面にすくい面41、左右側面に逃げ面42,42を加工して、刃先40を形成していた(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
機械製作法研究会編「機械製作II」養賢堂発行、昭和39年4月1日、
p.236 −239
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の突切りバイト45では、刃先40の幅寸法T0 を決定する左右逃げ面42,42をグラインダにて形成する作業が難しく、熟練を要していた。即ち、図11(イ)に示すように、逃げ面42,42を大きく形成して、刃先40の幅寸法T1 が、正規の幅寸法T0 よりも、小さくなったり、図11(ロ)に示すように、逃げ面42,42を小さく形成し、刃先40と逃げ面42,42が連設されない等の問題が生じ、突切りバイトとして重要な刃先40の幅寸法T0 の寸法精度が出し難かった。
【0005】
そして、図11(イ)の如く形成された突切りバイトでは、幅狭の刃先40により、切削加工するワークの溝幅が小さくなって、ワークを高精度に仕上げることができず、また、図11(ロ)の如く形成された突切りバイトでは、刃先40の角部44が鋭利でなくなり、かつ、ワークの切り屑を外部へ逃がすことができずに、美しく切削できなかった。
【0006】
そこで、本発明は、高精度の刃先を容易に形成することができると共に、切削加工するワークを高精度に仕上げることができる突切りバイトを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る突切りバイトは、帯板状の中間肉薄部と、該中間肉薄部の両長辺に連設されて幅方向外方に向って肉厚寸法が次第に拡大する横断面等脚台形の逆勾配部と、から成り、さらに、両逆勾配部の幅方向の端面における長手方向の先端近傍に凹曲状のすくい面を凹設して、両逆勾配部の先端角縁に刃先を形成すると共に、各上記逆勾配部に、上記刃先を形成する上記すくい面を先頭に、長手方向に沿って所定ピッチをもって、複数個の凹曲状のすくい面を凹設して、上記逆勾配部の横断面における左右側方への各突出寸法が0.05mm〜0.3mm に設定されると共に、逆勾配部の幅寸法を 0.7mm〜3.0mm に設定し、かつ、上記刃先の横断面における左右寸法を 1.2mm〜1.6mm に設定したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0009】
図1の斜視図に、本発明に係る突切りバイトの一例を示し、この突切りバイト1は、旋盤等の工作機械にてチャッキングされて、軸心廻りに回転する(丸棒、丸パイプなどの)ワークWを、その軸心に対して直角に切削切断するものであり、例えば、複数個の突切りバイト1を、等間隔に並設して、一個のワークWから、同時に、複数個の製品を製作する。
【0010】
図2の斜視図に示すように、突切りバイト1は、SKH4等のハイス(高速度工具鋼)等からなり、帯板状の中間肉薄部2と、中間肉薄部2の両長辺(両端縁)に連設されて幅方向外方に向って肉厚寸法が次第に拡大する逆勾配部3,3と、から成る。なお、図2に示す突切りバイト1は、ワークW(図1参照)の切削に使用するために、(研削により)すくい面5の加工が施されている。すくい面5の底面は、長手方向から見れば、刃先4と平行方向(幅方向に直交する方向)であって、グラインダ加工が(従来の図10に比較して)著しく容易となっている。
【0011】
逆勾配部3は、横断面等脚台形であり、逆勾配部3の幅方向の端面における長手方向の先端近傍(端部)に、凹曲状(円弧状)のすくい面5が研削により凹設され、逆勾配部3の先端角縁にて、刃先4を形成する。なお、すくい面5を、中間肉薄部2に到達して形成するようにしてもよい。逆に、すくい面5を中間肉薄部2との境界線15に到達しないように浅く形成してもよい。
また、図2より明らかなように、突切りバイト1は、その先端面における幅方向左右両端に、二つの刃先4,4を有する。
【0012】
また、図3の正面図に示すように、逆勾配部3は、その左右両面に、逆勾配面3a,3aを有している。また、中間薄肉部2は、その左右両面に、中間ストレート面2a,2aを有している。
【0013】
そして、逆勾配面3aと中間ストレート面2aにて、逃げ面(従来例の図10に示す逃げ面42)を形成しているといえる。即ち、ワークW(図1参照)の切削加工中に於て、ワークWの切り屑を確実に外部へ逃がすことができると共にワークWへ非接触状態とすることができ、切削抵抗を小さくするための断面形状が、予め、帯板状に形成されており、その後、単純な円弧状のすくい面5を加工すれば、直ちに、バイトとして使用可能である。
【0014】
横断面において刃先4の左右寸法Tは、0.5 mm〜3.0 mmに設定され(特に、1.2 mm〜1.6 mmが好ましく)、コンパクトでかつ強度に優れたものとなる。即ち、下限値未満では、刃先4の強度が弱くなり、上限値を越えると、素材の肉厚が無駄に大きくなって、また、切削加工するワークWの溝幅が無駄に大きくなる。
【0015】
刃先4の左右両端は、正面(横断面)視、夫々、中間ストレート面2aより、左右側外方へ突出しており、その各突出寸法Aは、0.05mm〜0.3 mmに設定されている。また、逆勾配部3の幅(高さ)寸法Hは、0.7 mm〜3.0 mmに設定されている。従って、逆勾配面3aの傾斜角度が最適に設定され、強度に優れたものとなり、かつ、ワークW(図1参照)を切削加工する際の切削抵抗を小さくすることができ、さらに、刃先4の角部が鋭利となって、ワークWを美しく仕上げることができる。
【0016】
上述のように構成された突切りバイト1によれば、その両面に、全長に渡って、予め、中間ストレート面2aと逆勾配面3aが形成されているため、(ワークWの切削加工使用時に、)単純な切欠形状のすくい面5を研削加工するだけで、刃先4を形成できる。即ち、熟練を要さずに、精度の高い突切りバイト1とすることができる。そして、その突切りバイト1により、ワークWを高精度に切削加工することができる。
【0017】
また、一方の刃先4が摩耗等により消耗して、切れ味が悪くなった場合、突切りバイト1を(上下)反転させて、他方の刃先4を用いることができ、突切りバイト1を効率よく用いることができる。
【0018】
さらに、両方の刃先4,4が摩耗等により消耗した場合、図4の二点鎖線に示すように、突切りバイト1を、(横断方向)所定位置Lにて、切断し、新たに、すくい面5を研削形成して、刃先4を形成することができる。
【0019】
次に、突切りバイトの製法について説明する。
図5に示すように、全長に渡って同一厚さの帯板素材10を用いる。この帯板素材10を、長手方向に走行させ、図6に示すように、帯板素材10を一対のグラインダ11,11間に送り込んで、帯板素材10の両面に、長手方向に沿って、帯状の中間ストレート面2aと、中間ストレート面2aの両端縁に帯板素材10の幅方向外方に向って肉厚寸法が拡大する逆勾配面3a,3aとを、形成して、図7に示す突切りバイト1を製作する。なお、図6に於て、帯板素材10を、その下端縁部で高精度に位置決めする必要があり、図示省略の滑り受け盤にて支持しつつ、グラインダ11,11の間を通す。
【0020】
ここで、グラインダ11は、略樽状であって、中間ストレート面2aを研削形成するための周面11aと、逆勾配面3aを研削形成するためのテーパ面11b,11bとを、有し、一対のグラインダ11,11の相互間の距離が、帯板素材10の両端縁の厚みが全長に渡って一定の所定寸法となるように、調整・制御されている。
【0021】
また、12は、ドレッサであり、帯板素材10の研削により摩耗して形状が変化したグラインダ11を、正規の形状に形直しするものである。即ち、ドレッサ12は、周面11aを形直しするためのストレート形成面12aと、テーパ面11bを形直しするための勾配形成面12b,12bとを、有し、各グラインダ11に対応して一対設けられている。
【0022】
その後、両面に中間ストレート面2aと逆勾配面3a,3aを有する図7に示す突切りバイト1に、図8に示す本発明の実施の一形態の如く、小さな切欠状にすくい面5を加工して、刃先4を形成する。かつ、二点鎖線に示すように、すくい面5を、予め、全長に渡って、複数個形成する。これにより、新たな刃先4を形成する際の作業を、迅速かつ容易に行うことができる。
【0023】
このように、帯板素材10を一対のグラインダ11,11にて挟持しつつ走行させて、突切りバイト1を製作するため、刃先4の幅寸法T(図3参照)を高精度とでき、かつ、従来の図10と図11で述べた、三次元に逃げ面42,42をグラインダで加工する作業を、省略できた。
【0024】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成されるので、次に記載する効果を奏する。
【0025】
(請求項1によれば、)単純な形状の切欠にて、すくい面5を形成するだけで良いので、熟練を要さずに、容易かつ迅速に、(左右寸法Tの)高精度な刃先4を形成することができ、これによって、ワークWを高精度にかつ美しく仕上げることができる。
また、各突出寸法Aは、0.05mm〜0.3 mmに設定され、逆勾配部3の幅(高さ)寸法Hは、0.7 mm〜3.0 mmに設定されているので、逆勾配面3aの傾斜角度が最適に設定され、強度に優れたものとなり、かつ、ワークWを切削加工する際の切削抵抗を十分に小さくすることができ、さらに、刃先4の角部が鋭利となって、ワークWを美しく仕上げることができる。
また、両逆勾配部3,3に、夫々、刃先4,4を形成するすくい面5,5を凹設したので、一方の刃先4が摩耗等により消耗して、切れ味が悪くなった場合、突切りバイト1を(上下)反転させて、他方の刃先4を用いることができる。さらに、両方の刃先4,4が消耗しても、突切りバイト1を横断方向に切断すれば、(上下の)両逆勾配部3,3に凹設されている次のすくい面5,5により、新たに刃先4,4が形成され、効率が良い。
また、刃先4の横断面における左右寸法Tを、1.2 mm〜1.6 mmに設定したので、刃先4はコンパクトでかつ強度に優れたものとなり、さらに、ワークWの切削溝幅が小さくできる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の突切りバイトの一例を示すと共に使用状態の一例を示す斜視図である。
【図2】 突切りバイトの一部破断斜視図である。
【図3】 突切りバイトの要部拡大正面図である。
【図4】 突切りバイトの側面図である。
【図5】 帯板素材の斜視図である。
【図6】 帯板素材の研削状態を示す正面図である。
【図7】 突切りバイトの斜視図である。
【図8】 本発明の突切りバイトに係る実施の一形態を示す斜視図である。
【図9】 従来の突切りバイトを示す斜視図である。
【図10】 従来の突切りバイトに加工を施した状態を示す要部拡大斜視図である。
【図11】 従来の突切りバイトの要部拡大正面図である。
【符号の説明】
2 中間肉薄部
3 逆勾配部
4 刃先
5 すくい面
A 突出寸法
H 逆勾配部の幅寸法
T 刃先の左右寸法
Claims (1)
- 帯板状の中間肉薄部(2)と、該中間肉薄部(2)の両長辺に連設されて幅方向外方に向って肉厚寸法が次第に拡大する横断面等脚台形の逆勾配部(3),(3)と、から成り、さらに、両逆勾配部(3),(3)の幅方向の端面における長手方向の先端近傍に凹曲状のすくい面(5),(5)を凹設して、両逆勾配部(3),(3)の先端角縁に刃先(4),(4)を形成すると共に、
各上記逆勾配部(3)に、上記刃先(4)を形成する上記すくい面(5)を先頭に、長手方向に沿って所定ピッチをもって、複数個の凹曲状のすくい面(5)を凹設して、
上記逆勾配部(3)の横断面における左右側方への各突出寸法(A)が0.05mm〜0.3mm に設定されると共に、逆勾配部(3)の幅寸法(H)を 0.7mm〜3.0mm に設定し、かつ、上記刃先(4)の横断面における左右寸法(T)を 1.2mm〜1.6mm に設定したことを特徴とする突切りバイト。
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