JP3864350B2

JP3864350B2 - 渦流量計

Info

Publication number: JP3864350B2
Application number: JP09015396A
Authority: JP
Inventors: 豊稲田; 耕一田代
Original assignee: トキコテクノ株式会社
Priority date: 1996-03-19
Filing date: 1996-03-19
Publication date: 2006-12-27
Anticipated expiration: 2016-03-19
Also published as: JPH09257532A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の流量を計測する渦流量計に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の渦流量計の一例として、図３に示す渦流量計（特開昭６４−７８１１５号公報参照）がある。図において、流体が流れる管１内には、渦発生柱２が設けられており、両側に交番的にカルマン渦を発生させるようになっている。管１内の渦発生領域を間にして、超音波の送、受信機能をそれぞれ有する超音波送・受信器３，４が管１の外周側に設けられている。
【０００３】
超音波送信器３には超音波信号源５が接続されており、駆動信号λを超音波送信器３に出力し、超音波送信器３に設けられた圧電セラミックス体などの振動体（図示省略）を振動させ超音波を発生させる。超音波受信器４は、超音波送信器３からの超音波を受けて受信信号βとして出力する。
【０００４】
超音波信号源５及び超音波受信器４には、位相比較器６が接続されており、駆動信号λ及び受信信号βの位相を比較する。この場合、カルマン渦が発生していないときには、受信信号βは駆動信号λに対して一定の位相差を有する一方、カルマン渦が発生していると、超音波がカルマン渦によって位相変調されることにより、受信信号βが有する前記一定の位相差が変化する。そして、位相比較器６は、受信信号βの位相差の変化に基づいて、図４の上欄に示すような、カルマン渦の発生に対応する正弦波状の交番的な渦信号Ａを発生する。すなわち、例えば渦発生柱２の右側にカルマン渦が発生した場合、プラス（図４の横軸に対して上側）になるように、また、渦発生柱２の左側にカルマン渦が発生した場合、マイナス（図４の横軸に対して下側）になるように正弦波状の渦信号Ａを生成する。
【０００５】
位相比較器６には比較器７が接続されている。比較器７は、値「０」を基準にして渦信号Ａをパルス化して渦パルス信号Ｂを出力する。すなわち、渦信号Ａが値「０」以上の場合、ハイレベルで、値「０」未満の場合、ローレベル（０レベル）として渦パルス信号Ｂを生成する。この場合、渦発生柱２の左・右側に発生する２つのカルマン渦に対して渦パルス信号Ｂが１つ出力されることになる。
【０００６】
比較器７には、流量算出部８が接続されており、渦パルス信号Ｂのパルス数に応じて、すなわちカルマン渦の生成数に基づいて管１を流れる流体の流量を求めるようにしている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、渦発生柱２のいずれか一方側に発生したカルマン渦が乱れ、これに対応する渦信号Ａの値が例えば図５の上欄に示すように値「０」以下になった場合、他方側のカルマン渦が正常に発生したとしても、前記一方側、他方側の一対のカルマン渦に相当する１つの渦パルス信号Ｂは出力されなくなり、ひいては流量計測の精度が低下することになる。
【０００７】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、流量計測の良好な精度維持を図ることができる渦流量計を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の渦流量計に係る発明は、流体の流れる管内に設けられて両側に交番的にカルマン渦を発生させる渦発生体と、前記カルマン渦の発生領域を間にして相対向して設けられた一対の超音波送・受信器と、前記超音波受信器の受信信号に基づいて前記カルマン渦の発生に対応する交番的な渦信号を発生する渦信号発生回路と、該渦信号発生回路からの渦信号を全波整流する全波整流回路と、該全波整流回路で全波整流された渦信号をあらかじめ設定した所定の大きさの基準値と比較することによりパルス化して渦パルス信号を得るパルス化回路と、該パルス化回路でパルス化された渦パルス信号に基づき前記管内を流れる流体の流量を求める流量演算部と、を備えたことを特徴とする。
【０００９】
請求項１に記載の発明によれば、渦発生体が流体の流れる管内に設けられて両側に交番的にカルマン渦を発生させ、前記カルマン渦の発生領域を間にして相対向して設けられた一対の超音波送・受信器のうち超音波受信器の受信信号に基づいて渦信号発生回路がカルマン渦の発生に対応する交番的な渦信号を発生し、全波整流回路が渦信号発生回路からの渦信号を全波整流し、パルス化回路が全波整流回路で全波整流された渦信号をあらかじめ設定した所定の大きさの基準値と比較することによりパルス化して渦パルス信号を得、前記流量演算部が、前記渦パルス信号に基づき前記管内を流れる流体の流量を求める。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第１実施の形態の渦流量計を図１及び図２に基づいて説明する。なお、図３に示す部材と同等の部材は同等の符号を付し、その説明は適宜、省略する。
【００１１】
図１において、位相比較器（渦信号発生回路）６と比較器（パルス化回路）７との間には渦信号Ａを全波整流する全波整流器（全波整流回路）９が介装されており、例えば図４に示すような正弦波状の渦信号Ａを全波整流して図２の上欄に示すような整流渦信号Ａ₁ を発生する。すなわち、位相比較器６から正弦波状の渦信号Ａを全波整流することにより、渦発生柱２の右側、左側にカルマン渦が発生した場合、いずれのときも整流渦信号Ａ₁ はプラス（図２の横軸に対して上側）になるようにされる。
【００１２】
比較器７は、整流渦信号Ａ₁ をあらかじめ設定した所定の大きさの閾値Ｔを基準にして渦信号Ａ₁ をパルス化し渦パルス信号Ｂとして出力する。すなわち、渦信号Ａ₁ が閾値Ｔ以上の場合、ハイレベルで、閾値Ｔ未満の場合、ローレベル（０レベル）として渦パルス信号Ｂを生成する。この場合、上述したように渦発生柱２の左・右側に発生する一対の２つのカルマン渦に対してそれぞれ１つの渦パルス信号Ｂが出力されることになる。
【００１３】
比較器７には、流量算出部８が接続されており、渦パルス信号Ｂの数に応じて、すなわちカルマン渦の生成数に基づいて管１を流れる流体の流量を求めるようにしている。
【００１４】
上述したように構成した渦流量計では、渦発生柱２の左・右側に発生する一対の２つのカルマン渦に対してそれぞれ１つの渦パルス信号Ｂが出力されるので、上述した従来技術に比して、渦パルス信号Ｂのパルスレートが２倍となり、その分、検出精度の向上を図ることができる。
【００１５】
渦発生柱２のいずれか一方側に発生したカルマン渦が乱れたような場合、従来技術では、左右２つのカルマン渦に相当する１つの渦パルス信号が欠落し、２つ分のカルマン渦が計測に利用されないことがあるが、本発明装置では、計測に利用されなくなるのは一方側のカルマン渦のみであり、その分、精度の低下を必要最小限に抑えられ、ひいては良好な計測精度の維持が可能になる。
また、全波整流器９は、簡易に構成することが可能であり、装置全体の複雑化を招くことがない。
【００１６】
【発明の効果】
本願の請求項１の発明によれば、渦発生体の両側に交番的に発生するカルマン渦の一方側が乱れたような場合、従来技術では、両側のカルマン渦に相当する１つの渦信号が欠落し、両側の計２つ分のカルマン渦が計測に利用されないことがあるのに対して、渦発生体の左・右側に発生する一対の２つのカルマン渦に対してそれぞれ１つの渦パルス信号が出力されるので、上述した従来技術に比して、パルスレートが２倍となり、その分、検出精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施の形態の渦流量計を模式的に示す図である。
【図２】同渦流量計の渦信号及び渦パルス信号を対応して示す波形図である。
【図３】従来の渦流量計の一例を模式的に示す図である。
【図４】図３の渦流量計の渦信号及び渦パルス信号を対応して示す波形図である。
【図５】図３の渦流量計が有する問題点を説明するための波形図である。
【符号の説明】
１管
２渦発生柱
３超音波送信器
４超音波受信器
６位相比較器（渦信号発生回路）
７比較器（パルス化回路）
８流量算出部
９全波整流器

Claims

流体の流れる管内に設けられて両側に交番的にカルマン渦を発生させる渦発生体と、
前記カルマン渦の発生領域を間にして相対向して設けられた一対の超音波送・受信器と、
前記超音波受信器の受信信号に基づいて前記カルマン渦の発生に対応する交番的な渦信号を発生する渦信号発生回路と、
該渦信号発生回路からの渦信号を全波整流する全波整流回路と、
該全波整流回路で全波整流された渦信号をあらかじめ設定した所定の大きさの基準値と比較することによりパルス化して渦パルス信号を得るパルス化回路と、
該パルス化回路でパルス化された渦パルス信号に基づき前記管内を流れる流体の流量を求める流量演算部と、を備えたことを特徴とする渦流量計。