JP3863572B2 - 溶接ワイヤのコイルを収納してほどくための容器 - Google Patents

Description

本発明は、溶接ワイヤのコイルを収納してほどくための容器であって、多角形の外周を形成する側面を持ちワイヤの円形コイルを輸送したりほどいたりしている間そのコイルを収容する箱形の本体と、本体の上端の蓋体と、本体の下端の底部と、本体の内部でコイルの上に配置されワイヤをコイルの上端からほどいている間ワイヤの巻きが偶発的にもつれるのを防止するための保持装置と、ほどき動作の間ワイヤを本体から外に案内するワイヤ案内装置とを有するものに関する。
溶接ワイヤをコイルからほどく場合、ワイヤを一様にかつ途切れなくしかもできる限りバンプを生成することなくかつ好ましくないねじれを加えることなくほどくという問題がある。この問題は、欠陥、または、いずれにせよ、溶接による接合部の品質の低下をもたらすであろう。今日大抵の場合、円形保持装置を持った円筒形容器が、そのために使用されている。例えば、ＥＰ０５１９４２４に、そのような容器が記載されている。ワイヤをほどいている間ワイヤの巻きが偶発的にもつれるのを防止するために、前記保持装置は、容器の内壁の直径にはまる外周を持った外側部分と、一番内側のワイヤ取出し口を形成する内側のベルマウス部分とを有する。かかる保持装置は、ワイヤをコイルからほどいている時にコイルの高さが減少するにつれて容器内をコイルと接触したまま自由に下降できるように、コイルの上部に置かれ、かつ、容器の内径よりも小さい直径を有している。この結果、保持装置と前記内壁との間に隙間が形成され、この隙間をコイルからほどかれたワイヤが通過してしまうことがある。
この問題を解決するために、容器と多角形平面形状のコイル保持面とが、ＷＯ９４／１９２５８に記載されている。コイルはやはり円形であるため、この結果、前記保持面は、当該保持面の外周領域と前記箱形本体の内面との間でワイヤの巻きが持ち上がりしたがってワイヤの巻きが偶発的にもつれるのを防止するために、コイルの外側に角張った部分を有する。この国際出願に係る保持装置には一番内側のワイヤ取出し口を形成する内側のベルマウス部分がなく、代わりに平らな取出し口を有するため、ワイヤを引き出している時にワイヤに作用する摩擦誘導抵抗が増大する。また、平らな面の形をした保持装置では、ワイヤの２以上の巻きが同時に取出し口から取り出されることになる。
円形容器についての他の問題は、ワイヤのコイルを作る工場へ組み立てられた状態でその円形容器を輸送しなければならないということである。多角形の容器を使用することによって、工場で容器を組み立てることができる。この結果、取扱いが容易になるばかりでなく、輸送と貯蔵場所もかなり節約される。
今日使用されている容器についての他の問題は、ワイヤを取り出している間容器に配置する蓋体を容器の輸送の間使用することができないということである。上記特許出願を参照のこと。
本発明の目的は、輸送が簡単であり、同時に、ワイヤをほどいている間巻きの偶発的なもつれがない容器を提供することである。
この目的は、本発明によれば、導入部で述べた種類の容器で次の特徴を有するものによって達成される。この容器の特徴は、保持装置が、特にほどき動作の間、少なくとも数か所で本体の側面の内壁と接触していること、蓋体が平らで、ワイヤを輸送している間もほどいている間もともに本体の上部に配置されていること、ワイヤ案内装置がほどき動作の間蓋体に配置されていることである。
ワイヤ案内装置が配置される平らな蓋体を提供することによって、ワイヤを輸送している間もほどいている間もともに同じ蓋体を使用することができ、容器の取扱いが簡単になる。また、保持装置が少なくとも数か所で本体と接触しているため、ワイヤのもつれのないスムーズな取出しが得られる。
さらに、本発明に係る容器は、従属クレームに記載されたように構成することができる。
以下、本発明に係る容器の分解図を示す添付図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
図示する容器１は、溶接ワイヤ３の円形コイル２を収納してほどくために使用されるものである。この容器は、内壁５ｂと外壁５ｃが多角形の外周、典型的には八角形の外周を形成する側面５ａを持ちワイヤのコイル２を収容する例えば厚紙で出来た箱形の本体４を有する。本容器は、溶接ワイヤを輸送している間もほどいている間もともに本容器の上部に配置される蓋体６を有する。蓋体は、上面７と、本体４と同じだが当該蓋体を本体の上端に配置できるように少し大きい多角形の外周、この場合は八角形の外周を形成する側面８とを持っている。また、蓋体は、当該蓋体を取らなくてもコイル２のほどけ具合を検査できるようにするために２つの検査窓９を持っている。
ワイヤ案内装置１０は、ワイヤをほどいている間は蓋体６に配置されそして本体４の上端に取り付けられているが、輸送の間は通常容器の中に入っていない。ワイヤ案内装置１０は、蓋体６の孔１２に配置されるように構成されたニップル１１の形をした第１部材を有する。また、前記案内装置は、ニップル１１を支持するため中央にプレート１４が配置された金属線リングの形をした円形部分１３を持つ第２部材を有する。また、前記第２部材は、プレート１４の中央で互いに直角をなすようにリング１３上に配置された直線状の金属線の形をした４つの要素１５を有する。要素１５は、リング１３の外周を越えて蓋体６の側面８の内壁の方へ蓋体の横断方向に伸長している。要素１５はその外端部にフック１６が設けられている。各フックは、蓋体の縦方向に伸長する第１部分と、蓋体の横断方向に伸長する第２部分とを持っている。通常、各フックの第１部分の長さは、側面８の高さよりも多少長くなっている。向かい合っている２つのフック１６の自由端の距離は、本体４の向かい合っている２つの側面５ａの外壁５ｃの距離よりも短い。ほどき動作の間、要素１５とリング１３は蓋体６の上面７の内側に当接して蓋体を強化し、フック１６の第１部分は側面８の内壁に当接し、フック１６の自由端は本体４の外壁５ｃに押し付けられている。この結果、第２部材としたがって第１部材は、本体４の上端に固定されることになる。蓋体はリング１３と要素１５によって強化されるため、より弱いしたがってより安い材料で蓋体を作ることができる。
また、容器１は、直径が異なる３つの金属線リング１８，１９，２０で出来た保持装置１７を有する。リング１８は直径が一番大きく、リング１９は同じ水平面においてリング１８の内側に配置されている。これら２つのリングは、互いに等距離の間隔で配置された４つの直線状の金属線２１によって、互いに連結されている。リング２０は直径が一番小さく、リング１９の内側でそれよりも高い位置に配置され、そして、金属線２１と一致する４つの直線状の金属線２２によってリング１９と連結されている。
このようにして、３つのリング１８，１９，２０は、中央にワイヤ取出しのための円形開口部を含む円錐台形状の内側部分と、平らな円形部分を有し、容器の輸送中と溶接ワイヤの取出し中のいずれにおいてもコイル２の上に配置され、外周が本体（４）の側面（５ａ）の内壁（５ｂ）から少し離れてなる外側部分と、を形成している。金属線２１は外端でフック２３だけ伸長されている。各フック２３は、本体４の縦方向に伸長する第１部分と、本体４の横断方向に伸長する第２部分とを持っている。向かい合っている２つのフック２３の第１部分の距離は、本体４の向かい合っている２つの側面５ａの内壁５ｂの距離よりも短く、本体の隣接する内壁５ｂの間の向かい合っている２つの接続線５ｄの距離よりも長い。これによって、溶接ワイヤをほどいている間、フック２３の第１部分は本体４の側面５ａの４つの異なる内壁５ｂに当接しているので、一番外側のリング１８と本体４の内壁５ｂとの間におけるワイヤの巻きの持ち上がりが防止され、したがって巻きの偶発的なもつれが防止される。また、金属線２２も自由端でフック３２だけ伸長されている。リング２０の直径は小さいため、ワイヤの２以上の巻きが同時にワイヤ取出し口を通過しないようになっている。
図示するように、本体４には２つのハンドル２４が設けられている。各ハンドルは、一方の端部の近くに幅が縮小された部分を持つ長い厚紙ストリップの形をとっている。このストリップは前記部分の中央で折り畳まれた後、ストリップの向かい合っている面が例えば接着剤によって互いに固定されている。もちろん前記部分は接着剤でくっつけない。その後、折り畳まれたストリップは本体４の側面５ａのうちの１つに固定され、そして、図示するように、このストリップはほとんど実際の側面の内壁全体に沿って伸長している。実際にハンドルとして機能する縮小幅の部分は、側面の上端の近くの開口２５を通って本体の外側に伸長している。かかるハンドル設計の結果、約３００キロまでの重さのワイヤのコイルが入っている容器を支持することができる非常に頑丈なハンドルが得られる。図示しないが、容器をハンドルで支持するために特別の支持ヨークが使用される。
また、容器１は、本体４と同じ多角形に成形されているが本体の下端の内部に配置され得るように少し小さくなっている底面２７を持つ底部２６を有する。本体の下端には、例えば接着剤によって底面２７の下に固定される８つのタブ２８が設けられている。これによって、タブ２８もまた底部２６の一部を形成する。
図示するように、輸送中にコイルを弾性ストラップ３０によって固定するため底面２７の層から安全アンカが切り抜かれている。弾性ストラップ３０は、アンカ２９と保持装置のフック３２のうちの２つとにつながれる。
ワイヤのコイルをほどいている間、溶接ステーション用の外部供給管３１が、例えば、クイック継手によってニップル１１と連結される。
明らかに、本発明は、上記の実施例に限定されるわけではなく、従属クレームの範囲内においていろいろな方法で種々変更することができる。例えば、コイルを固定するために、金属線２２の自由端上端に配置されたフック３２を除去して代わりに輸送中に保持装置の一番内側のリング２０の上に渡されたバーを使用することができる。また、例えば、ハンドルを形成するストリップは、縮小幅の部分なしに作ることもできよう。

Claims (11)

1. 溶接ワイヤ（３）のコイルを収納してほどくための容器（１）であって、多角形の外周を形成する側面（５ａ）を持ちワイヤの円形コイル（２）を輸送したりほどいたりしている間前記コイル（２）を収容する箱形の本体（４）と、前記本体（４）の上端の蓋体（６）と、前記本体の下端の底部（２６）と、前記本体の内部でコイルの上に配置されワイヤをコイルからほどいている間ワイヤの巻きが偶発的にもつれるのを防止するための保持装置（１７）と、ほどき動作の間ワイヤを前記本体から外に案内するワイヤ案内装置（１０）とを有するものにおいて、前記保持装置（１７）は、特にほどき動作の間、前記本体（４）の側面（５ａ）の内壁（５ｂ）と接触しており、前記保持装置（１７）は、中央にワイヤ取出しのための円形開口を含む円錐台形状の内側部分（１９，２０，２２）と、コイル（２）上に配置される円形部分（１８，１９，２１）を含み、外周が本体（４）の側面（５ａ）の内壁（５ｂ）から少し離れてなる外側部分と、前記外周から、前記本体（４）の互いに隣接する側面（５ａ）により形成されるコーナー部分へ伸長する少なくとも２つの棒状要素（２３）と、を有しており、前記蓋体（６）は、平らで、前記ワイヤ（３）を輸送している間もほどいている間もともに前記本体の上部に配置されており、前記ワイヤ案内装置（１０）は、ほどき動作の間前記蓋体に配置されていることを特徴とする前記容器。
2. 前記ワイヤ案内装置（１０）は、前記蓋体（６）および／または前記本体（４）に取り付けられていることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の容器。
3. 前記蓋体（６）は、上面（７）と、前記本体（４）の側面（５ａ）と同じだが当該蓋体を前記本体の上端に配置できるように少し大きい多角形の外周を形成する側面（８）とを持つことを特徴とする請求の範囲第１項または第２項に記載の容器。
4. 前記本体（４）の側面（５ａ）は、八角形の外周を形成しており、４つの要素（２３）が、ほどき動作の間、前記側面（５ａ）の４つの異なる内壁（５ｂ）と接触していることを特徴とする請求の範囲第３項に記載の容器。
5. 前記ワイヤ案内装置は、前記蓋体（６）に配置されワイヤを前記本体の内部から外部に案内する第１部材（１１）を有することを特徴とする請求の範囲第１項乃至第４項のいずれか一に記載の容器。
6. 前記第１部材は、前記蓋体（６）の孔に配置されるように構成されたニップル（１１）の形をしていることを特徴とする請求の範囲第５項に記載の容器。
7. 前記ワイヤ案内装置は、ほどき動作の間、前記第１部材を前記蓋体（６）および／または前記本体（４）に取り付けるための第２部材（１３，１４，１５，１６）を有することを特徴とする請求の範囲第５項または第６項に記載の容器。
8. 前記第２部材は、前記蓋体（６）の前記側面（８）の内壁から少し離れて配置される外周を持ち前記第１部材（１１）を支持するための円形部分（１３，１４，１５）と、前記外周から前記内壁まで前記蓋体（６）の横断方向に伸長する少なくとも２つの要素（１６）とを有することを特徴とする請求の範囲第７項に記載の容器。
9. ほどき動作の間、前記第２部材としたがって第１部材とを前記本体（４）に取り付けるため、前記第２部材の前記円形部分（１３，１４，１５）は、前記蓋体（６）の上面（７）の内側に当接するように構成され、前記第２部材の前記要素（１６）は、前記蓋体（６）の側面（８）の内壁にも前記本体（４）の側面（５ａ）の外壁５ｃの上端にも当接するように構成されていることを特徴とする請求の範囲第８項に記載の容器。
10. ２つのハンドル（２４）が前記本体（４）に配置されており、各ハンドルは、頑丈なハンドルを得るため、前記本体の側面（５ａ）のうちの１つの大部分に沿って固定されるように構成されたストリップの形をとっていることを特徴とする請求の範囲第１項乃至第９項のいずれか一に記載の容器。
11. 前記ストリップは幅が縮小された部分を持っており、前記ストリップはこの部分の中央で折り畳まれ、折り畳まれたストリップは前記部分が実際のハンドルとして役立つように前記１つの側面（５ａ）の内壁（５ｂ）に沿って取り付けられていることを特徴とする請求の範囲第１０項に記載の容器。

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