JP3860488B2 - Wide-area strain distribution measurement system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、広域ひずみ分布測定システムに関し、特に、広域多数地点のひずみ分布を高精度且つ高効率に測定する広域ひずみ分布測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、広域ひずみ分布測定システムは、たとえば、電気抵抗線式のひずみゲージセンサ、または光ファイバをセンサに用いたひずみ計が用いられていた。
前者の電気抵抗線式のひずみゲージセンサは、従来広く用いられているが、長期間における測定には問題点がある。この問題点として絶縁低下がある。例えば、ダム等の堤防の決壊発生を初期に検知するべく用いる場合、一般的に長期間において堤防への浸水が徐々に発生し、検出器の絶縁抵抗低下および酸化による劣化も徐々に進行する。このように、ダム等においては、長期に亘っての監視が必要であり、また一旦埋設したセンサの補修は、困難な場合が多いので、絶縁低下や酸化による劣化が不可避のひずみゲージセンサは、致命的な問題があるといわざるを得ない。この電気抵抗線式のひずみゲージセンサの問題点の解消を図るものとして、光センサがある。
【0003】
より具体的には、構造物に生じるひずみ等の診断を行うために、光ファイバをセンサに用いるひずみ計測手法が開発されており、その代表的な手法としてFBG(fiber Bragg grating)、BOTDR(Brillouin optical-fiber time domain reflectometer)に加え、特にブリルアン分光技術と時間領域測定技術を結合した測定器であるBOTDA(Brillouin optical-fiber time domain analysis)を利用する手法が知られている。
上記BOTDRを利用するブリルアン分光技術と時間領域測定技術を結合した測定器では、例えば、最小1mの距離で、100〔με〕程度の平均ひずみを検出する測定精度しか得られないものの、従来からラインセンサとして、またはラインを面状に張り巡らした面センサとして利用されてきた。
また、このような測定精度の低さを改善する試みとして、特開平11−237219号公報には、ループ状に巻かれた光ファイバセンサを複数配置することにより、トンネル壁面等に生じる局部的な伸縮を検出する構造物の変形量測定装置が示されている。 図10は、上記特開平11−237219号公報に開示されている光ファイバセンサの具体的な構成を示す構成図である。
【0004】
上記図10において、90は光ファイバセンサ、91は光ファイバ、92は薄板(帯状の鋼板)である。この光ファイバセンサ90は、ループ状に巻かれた光ファイバ91を複数、連続させて配置したものを、薄板92上に敷設した構成を有する(但し、その具体的な敷設方法、例えば、薄板92上に固着させるのか否かについては記述がなされていない)。また、この光ファイバセンサ90は、トンネルの内壁に接着剤等で貼り付けるものとしている。
この光ファイバ91内には、レーザパルス光が照射され、光ファイバ91が伸縮するとブリルアン散乱光の周波数がシフトすることを利用して上記トンネル内壁の伸縮量を求め、且つレーザパルス光が照射されてから後方散乱光が戻ってくるまでの時間から、伸縮が生じた個所の位置を測定している。なお、この光ファイバ91の前記ループ状の箇所では、短い区間内に長い光ファイバを敷設したことになるので、この区間内の分解能を上げる効果を有するものとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術を用いて広域に渡って高精度にひずみ量を測定するには、各種の問題点がある。この問題点を以下に詳述する。
通信用の光ファイバを用いる、単純構造のBOTDRによるひずみ分布測定では、長距離、広域に亘る測定に利点がある。しかし、現実的には測定感度が低く、全域において高い精度の測定はできない。
【0006】
上記従来例の特開平11−237219号公報では、ループ状に巻かれた光ファイバセンサを複数連続配置することにより測定領域を帯状とし、測定領域の拡大化を図っている。しかし、本従来例ではループ状に巻かれたセンサを多数必要とし、ダムの堤防等、面積的により広い領域の測定には構造的にあるいは経済的に限界がある。
そこで、高感度の光ファイバセンサを所定間隔を開けてその間を光ファイバで直列状に接続することが、経済的にあるいは敷設の容易性に鑑み有利であると考えられる。
しかしながら、所定間隔毎に高感度の光ファイバセンサを設置した場合において、例えばある高感度の光ファイバセンサの近傍にクラックが生じた場合(コンクリート構造物においては頻繁に生じることである)そのクラックで遮られた、あるいは囲まれた高感度の光ファイバセンサには、ひずみが事実上伝達されず、見掛け上ひずみがない、という結果しか検出されず、誤った測定および解析が行わなわれてしまうことになる。
【0007】
また、高感度の光ファイバセンサを構成する場合において、一定の測定長のひずみを短い区間に集中させ、ひずみを拡大(増幅)させるように構成することが考えられる。
このようにひずみ増幅機能を有する高感度の光ファイバを用いた場合、予想外の大きな伸張ひずみが加わった場合、ひずみが拡大されるため、断線という事態が生じ得る。
このように、光ファイバセンサの部分で、光ファイバが断線すると、その光ファイバセンサより遠方(先端)側のひずみの計測が不能となってしまい、例えば、ダムのように再度の敷設が困難乃至は不可能であるため、広域のひずみ分布測定ができず、監視システムとしては、致命的なダメージを受けることになる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、比較的単純な構成で長期間且つ広域に亘って高精度に構造物が受けるひずみ量を測定し、特にセンサの近傍部分にクラックが生じても、ひずみを支障なく検出でき、信頼性を高め得る広域ひずみ分布測定システムを提供することを目的とする。
本発明の第2の目的は、ひずみ増幅型の高感度センサが予想を超えた過大なひずみを受けて、断線等の事故が生じた場合でもひずみ検出を可能とする支援機能を有した広域ひずみ分布測定システムを提供することにある。
本発明の第3の目的は、より広い領域のひずみ量を効率的に測定し得る広域ひずみ分布測定システムを提供することにある。
本発明の第4の目的は、構造物が受けるひずみを増幅すると共に分解能を高めて高精度なひずみ量の測定を行い得る広域ひずみ分布測定システムを提供することにある。
本発明の第5の目的は、上記第4の目的に加え、周囲温度の変化が生じても正確なひずみ量を測定し得る広域ひずみ分布測定システムを提供することができる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係る広域ひずみ分布測定システムは、上述した第1の目的を達成するために、ひずみ量をより高感度で測定する光ファイバで構成された複数の高感度センサと、
前記高感度センサの間を連結接続し前記ひずみ量をより低感度で測定する光ファイバで構成された複数の低感度センサとを有し、
前記高感度センサと前記低感度センサとが相互に任意の間隔をもって連結接続され、該連結された前記低感度センサの端を測定端点とし、前記高感度センサと前記低感度センサとで数珠状の測定系として構成され、
前記光ファイバの伸縮によるひずみによって生じる該光ファイバ内のブリルアン散乱光の特性の変化を検出することにより構造物が受けているひずみ量を測定し、
前記構造物の広域におけるひずみ量の高感度測定を可能としたことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載した本発明に係る広域ひずみ分布測定システムは、上述した第2の目的を達成するために、前記高感度センサおよび低感度センサとを有して構成された前記数珠状の第1の測定系と、前記低感度センサのみにより構成された第2の測定系とを平行して敷設し、前記構造物のひずみによる高感度センサの測定障害の発生に対する支援機能を持たせ信頼性を高めたことを特徴としている。
また、請求項3に記載した本発明に係る広域ひずみ分布測定システムは、上述した第3の目的を達成するために、前記数珠状のセンサからなる複数の測定系と、前記ブリルアン散乱光の特性の変化を検出するOTDR測定器と、前記2つのセンサの測定端点を選択的に切り替え前記OTDR測定器へ接続する切替器とを、さらに有したことを特徴としている。
また、請求項4に記載した本発明に係る広域ひずみ分布測定システムにおける前記高感度センサは、上述した第4の目的を達成するために、中央部にフレキシブル部を設け、その両側に剛性の大きい1対の本体部を連設し、前記本体部に前記構造物に取着する取着部をそれぞれ設けてなるゲージベースと、前記フレキシブル部の両側近傍の前記ゲージベース上に固定された2つの突起部と、前記2つの突起部の間を折り返すように複数回巻き付けられ、且つ前記折り返し端を前記突起部に固定されたループ状の部分を有する光ファイバと、を具備したことを特徴としている。
【0010】
また、請求項5に記載した本発明に係る広域ひずみ分布測定システムは、上述した第5の目的を達成するために、前記ループ状の部分の折り返し端間の距離をGとし、前記ゲージベースの取着部間の距離をLとし、前記構造物の線膨張係数をαaとし、前記ゲージベースの線膨張係数をαbとし、前記ブリルアン散乱光の温度感度をKt(ε)とするとき、前記のGとLが温度補償条件を与える式、即ち、
L=(−Kt(ε)−αb)×G/(αa−αb)
を満たすたことを特徴としている。
【作用】
本発明の請求項1による広域ひずみ分布測定システムは、ひずみ量をより高感度で測定する光ファイバで構成された複数の高感度センサと、前記高感度センサの間を連結接続し前記ひずみ量をより低感度で測定する光ファイバで構成された複数の低感度センサとを有し、前記高感度センサと低感度センサとが相互に任意の間隔をもって連結接続され、該連結された前記低感度センサの端を測定端点とし、前記高感度測定部位と前記低感度測定部位とで数珠状のセンサとして構成され、前記光ファイバの伸縮によるひずみによって生じる該光ファイバ内のブリルアン散乱光の特性の変化を検出することにより構造物が受けているひずみ量を測定し、前記構造物のひずみ量をより広域に且つより高感度で測定可能とした広域ひずみ分布測定システムを実現している。
また、本発明の請求項2による広域ひずみ分布測定システムは、前記高感度センサおよび低感度センサとを有して構成された前記数珠状の第1の測定系と、前記低感度センサのみにより構成された第2の測定系とを平行して敷設し、前記構造物のひずみによる測定障害の発生に対する支援機能を付加して信頼性を高めた広域ひずみ分布測定システムを実現している。
【0011】
また、本発明の請求項3による広域ひずみ分布測定システムは、前記数珠状のセンサが複数と、前記ブリルアン散乱光の特性の変化を検出するOTDR測定器と、前記2つのセンサの測定端点を選択的に切り替え前記OTDR測定器へ接続する切替器とをさらに有し、より幅広い領域のひずみ量をより効率的な測定を可能とし得る広域ひずみ分布測定システムを実現している。
また、本発明の請求項4による広域ひずみ分布測定システムは、前記高感度センサは、中央部にフレキシブル部を設け、その両側に剛性の大きい1対の本体部を連設し、前記本体部に前記構造物に取着する取着部をそれぞれ設けてなるゲージベースと、前記フレキシブル部の両側近傍の前記ゲージベース上に固定された2つの突起部と、前記2つの突起部の間を折り返すように複数回巻き付けられ、且つ前記折り返し端を前記突起部に固定されたループ状の部分を有する光ファイバとを設けることにより、構造物から受けるひずみを拡大して測定し得る影響を最小限に抑制したひずみ分布測定を実現している。
【0012】
また、本発明の請求項5による広域ひずみ分布測定システムは、前記ループ状の部分の折り返し端間の距離をGとし、前記ゲージベースの取着部間の距離をLとし、前記構造物の線膨張係数をαaとし、前記ゲージベースの線膨張係数をαbとし、前記ブリルアン散乱光の温度感度をKt(ε)とするとき、前記のGとLが温度補償条件を与える式、即ち、
L=(−Kt(ε)−αb)×G/(αa−αb)
を満たす構成とし、これにより、周囲温度の変化に拘わらず、その影響を最小限に抑制し得る。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の広域ひずみ分布測定システムを説明する。
図1は、本発明に係る広域ひずみ分布測定システムの第1の実施の形態を示す図である。
図1において、この実施の形態の広域ひずみ分布測定システムは、計測システムコントロール用パソコン6と、OTDRモジュール7と、光スイッチモジュール8と、高感度の光ファイバ式ひずみゲージ21、22、23、…、2n/m1、m2、m3、…、mnが連結用の光ファイバ2、2…、で直列状に接続されて構成された数珠状のセンサとで構成される。なお、センサの一方の端は、光スイッチモジュール8の接続端子へ接続されている。ここで光ファイバセンサ2、2…は、低感度センサである。
図2は、第2の実施の形態の構成を示している。この第2の実施の形態のセンサは、高感度の光ファイバ式ひずみゲージ111、112、113、…、11n/121、122、123、…、12n/1m1、1m2、1m3、…、1mnが光ファイバ2、2…を介して直列に接続されて測定系が構成され、両端9a、9bからはパルス光が入射されるようになっている。なお、光ファイバ式ひずみゲージ111〜1mnは、直列接続され且つ面状に配置され、センサの二個の端子9a、9bは、それぞれが測定端子として用いることが可能とされる。
【0014】
図3は、第3の実施の形態の構成を示している。この場合のセンサは、高感度の光ファイバ式ひずみゲージ211、212、213、…、21n/321、322、323、…、32n/km1、km2、km3、…、kmnのそれぞれが中間に光ファイバ2、2、…を介して直列に接続されて構成されている。なお、光ファイバ式ひずみゲージ211〜kmnは、隣接する上下の光ファイバ式ひずみゲージの中間位置とされ、高感度検出箇所の等間隔分散化が図られている。
なお、図1、図2、図3に示した広域ひずみ分布測定システムは、連結用の光ファイバ2が低感度のセンサとして機能し、光ファイバ式ひずみゲージが高感度のセンサとして作用する。本構成のセンサは、一般的に連結用の光ファイバ2はひずみに対して耐久性がより高いが、ひずみを増幅して検出するタイプの光ファイバ式ひずみゲージはひずみが増幅される分、予測を超えた大きなひずみが加わった場合、先に破断する可能性がある。このため、全体的により大きな安定的な計測を必要とする場合は、上記の高感度部と低感度部とによる数珠状のセンサと平行して、高感度部を含まない低感度部のみの光ファイバを併行して敷設する。
【0015】
これにより、光ファイバ式ひずみゲージが破壊した場合でも、併設された低感度部のみの光ファイバにより、大ひずみ発生時のひずみ測定が確保される。
図4は、本発明に係る広域ひずみ分布測定システムに用いられるひずみ量測定装置の測定原理を説明するための図である。
まず、光ファイバ2の右端からは、一定の周波数CWを有するプローブ光源3の光が、光ファイバ2の内部に照射され、その光は既に光ファイバ2の内部全体に達している状態にある。
ここで、ポンプ光源1から、ハーフミラー5を介してパルス光10(周波数は可変)が光ファイバ2の左端から、その内部に照射する。すると、その後方散乱光が光ファイバ2の左端に戻ってくる。この後方散乱光は、パルス光10の光のブリルアン利得値υpと、プローブ光源3の光のブリルアン利得値υcwとの差で示される強度を有しており、上記ハーフミラー5を介して受光部4に入力される。
【0016】
ここで、パルス光10を照射してから戻ってくるまでの時間は、上記の後方散乱が生じている光ファイバ2内の位置を示すので、この時間経過に対応する上記後方散乱光のブリルアン利得値を順次、受光部4において測定し、グラフとして示すことにより、光ファイバ2内の各位置における後方散乱光のブリルアン利得値を知ることができる。また、他の位置と異なるブリルアン利得値を持つ位置を検出することが可能となり、さらに、その位置のブリルアン利得値と、上記グラフ上で内挿される本来のブリルアン利得値とを比較することにより、その位置に生じているひずみ量の大きさを割り出すことができる。
なお、ここでは、光ファイバ2内の各位置における後方散乱光のブリルアン利得値を検出したが、その他、この後方散乱光のあらゆる特性の変化を検出することが可能であり、この特性変化に対応したひずみの状態を検出することができる。
【0017】
また、上記の装置は、“BOTDA”の例につき説明したが、光ファイバをセンサとしたひずみ計側手法として知られる“BOTDR”(Brillouin Optical time domain reflectometer)を利用することもできる。この方法は、図示は省略するが、光ファイバ中で発生するブリルアン散乱光の周波数がひずみによって変化することを利用したものである。
即ち、光源から光ファイバに入射された光は、Bragg反射され、後方散乱光として観測される。これは、ブリルアン散乱光と呼ばれ、その周波数は、音速によるドップラー効果のため、入射光とνBだけ異なる。νBは、ブリルアン周波数シフトと呼ばれ、
νB=2・n・v/λ ………………(1)
で与えられる。ここで、nは光ファイバの屈折率、vは光ファイバ中での音速、λは入射光の波長である。
【0018】
光ファイバにひずみが発生すると音速が変化するため、νBも変化する。νBをひずみの関数と考えて、εに対する変化が小さいと仮定すると、
νB(ε)=νB(0)+(dνB/dε)・ε ……………(2)
と表現することができる。
実際の運用に際しては、伸張試験等により使用する光ファイバ毎に、予め、dνB/dεとνB(0)を求めておく必要がある。
逆に、光ファイバ毎のνB(0)の違いを利用してセンサ部分と配線部分の光ファイバを識別することも可能である。
ひずみを分布として求めるBOTDRでは、光ファイバにパルス光を入射し、戻ってくる散乱光パワーを時間分解して計測する。このとき、光ファイバの距離zは、パルス光を入射してから散乱光を検出するまでの時間をT、光速をcとすると、
z=(cT)/(2n) ……………(3)
より、求めることができる。
【0019】
図5〜図9は、図1〜図3における、高感度センサの構成例を示している。本実施の形態に適用される高感度センサは、光ファイバ式ひずみゲージ(2m/21m/kmn)の具体的な実施例に該当する。
このうち、図5は、この装置の平面図を示し、図6は、図5に示すXとX′とを結ぶ線分に沿ってこの装置を切断したときの側面から見た断面図を示し、図7は、図5に示すプリテンション付与機構部13の左半分の詳細構造を示す。
図5〜図8に示す構造物のひずみ量測定装置は、ゲージベース11の左半分の本体部11aと右半分本体11aとを、受感軸方向のひずみに対する柔軟性を有しながら接続するフレキシブル部12、ゲージベース11の左半分本体部11aと右半分本体11aとの間、換言すれば、後述の2つの突起部16,16間に予め張力を与えるためのプリテンション付与機構部13、ゲージベース11を後述する構造物17に取着するための取着部14、ひずみ量を検出するための光ファイバ15(ケーブル)、光ファイバ15をゲージベース11上で折り返してループ状にして固定するための2つの突起部16,16を具備する。
【0020】
なお、このゲージベース11は、アルミニウムを素材とし、本体部11a,11a両端近傍に穿設された2個の取着部14,14に図示しない取付ボルトを挿通し、構造物17(コンクリート)に螺着されるものとする。
また、突起部16には、光ファイバ15を嵌入するための溝部(図示は省略)が設けられている。光ファイバ15は、一対の突起部16,16の外周に形成された溝部に嵌入させつつ、複数回、巻き付けた後、溝部に嵌入した光ファイバを接着剤で固定する。
また、光ファイバ15には、構造物17の取着部14,14間に生じたひずみに対応するひずみを最終的に光ファイバ15に伝達する必要があり、光ファイバ15のループ状の部分を上記の溝部に固着させるのも、この構造物17に生じたひずみに対応するひずみを光ファイバ15に確実に伝達させるためであるが、この伝達をより確実に行わせるためには、金属、金属メッキやポリイミド(Poly-imid)等、樹脂のような弾性率の高い素材でコーティングしておくことが好ましい。
【0021】
さらに、この光ファイバ15のループ状の部分は、周囲温度(熱)による線膨張や構造物17に発生するひずみにより弛みが発生すると、測定結果に大きく影響するので、これを防止するために上記の(1)式に示すような条件を満足させると共に、予めテンション(プリテンション)を付与する。
なお、光ファイバ15のループ状の部分の曲げ径Rは、光ファイバ15を損傷しない範囲で、且つ、この曲げ部分が測定に影響するような透過光の減衰を生じさせないような範囲以上とする。
以下、第1〜第4の実施の形態において使用される高感度センサである構造物のひずみ量測定装置の機能を説明する。
まず、光ファイバ15が受けるひずみ量の拡大(増大)効果について説明する。ゲージベース11の本体部11a,11aは、比較的厚肉に形成されて剛性を有し本装置の本体を構成する。ゲージベース11は、両端近傍に穿設された取着部14,14を挿通する取付ボルトにより、構造物17に固定されて使用されるので、構造物17がひずみを生じて受感軸方向(図5において左右方向)に伸縮した場合には、この伸縮を取付ボルト→取着部14,14→ゲージベースの本体部11a,11aを介してフレキシブル部12に伝達する。
【0022】
この構造物17に生ずるひずみは、ゲージベース11が所定区間、即ち、取着部14,14間で受け、この区間で受けたひずみの総量は、中央部に形成した僅かな区間であるフレキシブル部12に集中されるため、実質上、ひずみが拡大された形で、突起部16,16間に巻回された光ファイバ15に拡大されて伝達される。
さらに、光ファイバ15は、突起部16,16間に1本しか掛け渡されている訳ではなく、複数回、巻き回してあるので、その巻回数分だけ感度が増倍されることになる。
つまり、この実施の形態によれば、取着部14,14間のひずみを、突起部16,16間で増幅させ、さらに、突起部16,16間に巻回された巻数分だけ感度を増倍させるので、著しく大きなひずみ量として検出することができ、結果的に分解能を大幅に増大させることができることになる。
【0023】
次に、この装置の温度補償機能について定性的に説明する。
周囲温度が所定の基準値より、例えば上昇する場合には、構造物17が自由膨張し、その結果として取付ボルトにより取着部14が構造物17に固定されたゲージベース11は、水平方向に引き延ばされる力(温度上昇による好ましくないひずみ)を受けて、実際に引き延ばされる。
しかし、同時に、取着部14を取付ボルトにより構造物17に固定されたゲージベース11自体も、熱膨張により自由膨張し、その結果としてゲージベース11の熱膨張係数の方が構造物17の線膨張係数より大きいためフレキシブル部12の機能により移動可能にされている2つの突起部16間は、互いに接近させられるような力(温度上昇による前述の好ましくないひずみを相殺する力)を受けて実際に接近する。
その結果、上記のゲージベース11の伸張ひずみと、ゲージベース11の一部である2つの突起部16の圧縮ひずみとが互いに相殺されて、この2つの突起部16間は、実際には互いに接近することがなく、従って、光ファイバ15のループ状の部分は、温度上昇によるひずみを受けることがない。
【0024】
周囲温度が所定の基準値より下降する場合には、上記の作用とは逆の作用により、やはり光ファイバ15のループ状の部分は、温度下降によるひずみを受けることを免れる。
なお、前述の作用を実際に円滑に行わせるためには、前述のとおり、光ファイバ15のループ状の部分に予めテンション(プリテンション)を掛けておく必要がある。その第1の理由とするところは、構造体17が受けるひずみにより、2つの突起部16の間の距離が縮む場合があり、また、光ファイバ15自体も周囲温度の影響を受けて伸縮するので、極端な場合、光ファイバ15のループ状の部分に弛みが生じる可能性があり、このような場合は、構造物17の測定されるべきひずみにより、2つの突起部16間に水平方向の伸びをもたらすようなひずみ(伸張ひずみ)が生じても、このひずみが測定不可能となる恐れがあるからである。さらに、この場合、前述の原因と同様の原因により、今度は、2つの突起部16間に受感軸方向の縮みをもたらすようなひずみ(圧縮ひずみ)が生じた場合、この圧縮ひずみは上記の光ファイバ15のループ状の部分の弛みの程度をさらに増大させるだけの結果となり、やはり構造物17が受けているひずみを測定できなくなる恐れがある。
【0025】
従って、前述の光ファイバ15のループ状の部分の弛みに起因するトラブルの発生を防ぐために、光ファイバ15のループ状の部分には、プリテンション付与機構部13を操作してプリテンションを掛けておくのである。
この光ファイバ15のループ状の部分に付与するプリテンションの大きさは、構造体17が受ける最大のひずみの大きさを事前に推定し、また、周囲温度により光ファイバ15のループ状の部分に発生する最大の線膨張を考慮して、これらが相乗的に生じたとしても光ファイバ15のループ状の部分に弛みが生じない大きさに設定する。
また、プリテンションを掛ける第2の理由とするところは、温度変化に伴う補償をするために、後述するように、突起部16,16間の距離(G)を設定する必要があるが、この距離(G)は、予め正確に設定し難いため、プリテンション付与機構により、調整しつつプリテンションを付与するためである。
【0026】
図7は、このプリテンションを予め与えるためのプリテンション付与機構部13の具体的な一例を示す。操作者が、蝶ナット131を時計方向(または半時計方向)に捻じって回転させることにより、押圧部132の先端が一対の本体部11a,11aに形成した切欠内壁面を圧縮させることにより、プリテンションを与えている(若しくは突起部16,16間に介挿してもよい)。
なお、次に、フレキシブル部12の機能について述べる。
【0027】
フレキシブル部12の最大の機能は、2つの突起部16の間の距離の伸縮を吸収することであり、その意味からはフレキシブル部12自体が非連続となっていることが最適であり、即ち、フレキシブル部12としては、どのような構造体も存在しないようにすることがベターであるが、そうすると、製品としての纏まりが悪くなり、製造、取り付けの両工程において取り扱いが不便となる。従って、フレキシブル部12の第2の機能は、製造、取り付けの両工程において取り扱いが容易となるように、本体部11aの左半分と右半分とを1つに纏め、1つの製品にすることである。
【0028】
次に、このプリテンション付与機構について説明する。
まず、工場においては、ゲージベース11に固定された突起部16,16の側周壁に設けられた溝部に接着剤を塗布し、その後、光ファイバ15を突起部16,16の周りに巻き付けてループ状の部分を形成すると共に、このループ状の巻付部分を突起部16に固着させる。
その後、ゲージベース11の切欠き部(H形状に刳り抜かれた部分)に図7にその一部を示すプリテンション付与機構部13を介挿する。次に、蝶ナット131を捻じり回転させて光ファイバ15のループ状の部分にプリテンションを付与すると共に、後述する突起部16,16間の距離Gを確保する。その後、後述の図9に示す固定具31を装着し、前述のプリテンション付与機構13を取り外す。
次に、現場においては、取着部14に取付ボルトを挿通し、ゲージベース11を構造物17に取り付け、プリテンションを確認した後、固定具31を取り外す。この後、再度、プリテンションを確認する。なお、工場出荷時に、前述のプリテンション付与機構13を取り外さないで、現場においてもプリテンションを調節することができるようにすることも可能である。
【0029】
例えば、上述した構造物のひずみ量は、いずれもゲージベース11を、直接構造物17に取り付ける例で示したが、構造物17に基板を取り付け、その基板にゲージベース11を取り付けるようにすることもできる。
また、プリテンション付与機構は、図7に示したもの以外に、例えば、図7のものの代りに、ターンバックル式の拡張器を使用することもできる。
また、フレキシブル部12として、クランク状に形成した例につき示したが、波状あるいはS字状に形成してもよい。
尚、上記の実施の形態においては、ゲージベース11に穿設した円形孔からなる取着部14の例を示したが、この取着部の位置において、スポット溶接、接着剤などの手段で、上記した構造物に取り付けた金属基板に固定あるいは固着するようにしてもよい。従って、ここにおいて、「取着」とは、取付ボルトやリベット等により、構造物に取付ける場合、および溶接、蒸着、接着により構造物にまたは仲介物に装着する場合の両方を含むものとする。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の広域ひずみ分布測定システムによれば、光ファイバで構成された複数の高感度センサでひずみ量をより高感度で測定し、この高感度センサの間のひずみ量をより低感度で測定する光ファイバで構成された低感度センサで連結接続し、これら高感度センサと低感度センサとが相互にある間隔をもって連結接続され、連結された低感度センサの端を測定端点とし、高感度測定部位と前記度測定部位とで数珠状のセンサとして構成され、光ファイバの伸縮によるひずみによって生じる光ファイバ内のブリルアン散乱光の特性の変化を検出することにより構造物が受けている広域におけるひずみ量を高感度且つ高耐久性で測定可能とし、特に、高感度センサが配置された被測定部の近傍または周囲にクラックが入った場合のように、高感度センサへのひずみの伝達が遮断されても、低感度センサが、これを検出するので、測定上のミスを回避することができる。
【0031】
また、前記高感度センサおよび低感度センサとを有して構成された前記数珠状の第1の測定系と、前記低感度センサのみにより構成された第2の測定系とを平行して敷設し、万が一高感度のセンサが破壊した場合、平行して敷設された低感度センサにより予想を越えたひずみでも検出することが可能となる。
また、前記数珠状の測定系が複数と、前記ブリルアン散乱光の特性の変化を検出するOTDR測定器と、前記2つのセンサの測定端点を選択的に切り替え前記OTDR測定器へ接続する切替器とをさらに有し、より幅広い領域のひずみ量をより効率的に測定をすることができる。
さらに、前記高感度センサは、中央部にフレキシブル部を設け、その両側に剛性の大きい1対の本体部を連設し、前記本体部に前記構造物に取着する取着部をそれぞれ設けてなるゲージベースと、前記フレキシブル部の両側近傍の前記ゲージベース上に固定された2つの突起部と、前記2つの突起部の間を折り返すように複数回巻き付けられ、且つ前記折り返し端を前記突起部に固定されたループ状の部分を有する光ファイバとを設ける構成とし、構造物から受けるひずみ量を拡大して検出し、且つ周囲温度の変分を補償するように構成したから、構造物が受けるひずみ量を拡大して検出することができると共に周囲温度が測定に与える影響を最小限に抑制することができる。
【0032】
また、前記光ファイバの前記ループ状の部分に、プリテンションを付与する構成とした場合には、前記光ファイバの前記ループ状の部分の弛みが防止され、伸張ひずみのみならず、圧縮ひずみをも正確に検出し得る構造物のひずみ量測定装置を提供することができる。
また、前記プリテンションが、前記ゲージベースの外部に置かれたプリテンション付与機構により予め圧縮した状態で光ファイバを巻回し、プリテンション付与機構を取り外すように構成した場合には、釣り合った状態で構造物に設定でき、正確な張力と間隔でプリテンションを付与し、より信頼性の高い計測が可能となる。
また、前記プリテンションが、前記ゲージベースの中央部に置かれたプリテンション付与機構によっても付与できるように構成した場合には、これにより、製造工程を簡単にすることができる。
【0033】
また、前記プリテンション付与機構を、前記ゲージベースの前記中央部に残留させることもできる構成とした場合には、現場でのプリテンションの再調節に役立てることができる構造物のひずみ量測定装置を提供することができる。
また、前記光ファイバを金属またはポリイミドにより被覆する構成とし、光ファイバを前記溝部に固着し易くすると共にこの被覆内での光ファイバの中滑り現象を防止する構成とした場合には、構造物が受けるひずみを光ファイバのループ状の部分に確実に伝達することができる。
さらに、構造物の線膨張係数、ゲージベースの線膨張係数、ブリルアン散乱光の温度感度と、ゲージベースの取着部間の距離と、光ファイバの折り返し端間の距離を考慮した温度補償条件を満たす構造とすることにより、周囲温度の変化に対する正確な温度補償が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の広域ひずみ分布測定システムの第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図4】本発明に適用される構造物のひずみ量測定装置の要部の構成例を示している。
【図5】構造物のひずみ量測定装置の要部の構成例を示す平面図である。
【図6】図5のX−X′線に沿った断面を示す断面図である。
【図7】図5、図6中に示されるプリテンション付与機構の構成を示す模式図である。
【図8】温度補償機能を説明するための平面図である。
【図9】固定金具を取り付けた状態を示す平面図である。
【図10】従来技術(特開平11−237219号公報記載)の光ファイバセンサの具体的な構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ポンプ光源
2、15 光ファイバ
3 プローブ光源
4 受光部
5 ハーフミラー
6 計測システムコントロール用パソコン
7 OTDRモジュール
8 光スイッチモジュール
9a、9b センサの二個端子
10 パルス光
11 ゲージベース
12 フレキシブル部
13 プリテンション付与機構部
14 取着部
16 突起部
17 構造物
2n、mn、11n、12n、1mn、21n、32n、kmn 光ファイバ式ひずみゲージ
31、41 固定具
42 留め具
43 締め具
44 押しボルト
131 蝶ナット
132 押圧部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a wide-area strain distribution measurement system, and more particularly, to a wide-area strain distribution measurement system that measures strain distribution at a large number of wide-area points with high accuracy and high efficiency.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in a wide-area strain distribution measurement system, for example, an electric resistance wire type strain gauge sensor or a strain gauge using an optical fiber as a sensor has been used.
The former strain gauge sensor of the electric resistance wire type has been widely used in the past, but has a problem in measurement over a long period of time. This problem is a decrease in insulation. For example, when used to detect the occurrence of breakage of a dyke such as a dam at an early stage, inundation into the levee generally occurs gradually over a long period of time, and the insulation resistance of the detector decreases and the deterioration due to oxidation also proceeds gradually. Thus, in dams and the like, monitoring over a long period of time is necessary, and repairing a sensor once buried is often difficult, so a strain gauge sensor that cannot avoid deterioration due to insulation or oxidation is It must be said that there is a fatal problem. There is an optical sensor as a means for solving the problems of the electric resistance wire type strain gauge sensor.
[0003]
More specifically, a strain measurement technique using an optical fiber as a sensor has been developed for diagnosing strain and the like occurring in a structure, and representative techniques include FBG (fiber Bragg grating) and BOTDR (Brillouin). In addition to the optical-fiber time domain reflectometer, a technique using BOTDA (Brillouin optical-fiber time domain analysis), which is a measuring device that combines Brillouin spectroscopy technology and time domain measurement technology, is known.
The measuring instrument combining the Brillouin spectroscopic technique using the BOTDR and the time domain measuring technique, for example, can only provide a measurement accuracy of detecting an average strain of about 100 [με] at a minimum distance of 1 m. It has been used as a sensor or a surface sensor in which lines are stretched in a plane.
Further, as an attempt to improve such low measurement accuracy, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-237219 discloses that a plurality of optical fiber sensors wound in a loop are arranged to locally generate a tunnel wall surface or the like. A structure deformation amount measuring device for detecting expansion and contraction is shown. FIG. 10 is a block diagram showing a specific configuration of the optical fiber sensor disclosed in the above-mentioned JP-A-11-237219.
[0004]
In FIG. 10, 90 is an optical fiber sensor, 91 is an optical fiber, and 92 is a thin plate (strip-shaped steel plate). The
The
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, there are various problems in measuring the amount of strain with high accuracy over a wide area using the above-described conventional technology. This problem will be described in detail below.
In strain distribution measurement by BOTDR having a simple structure using an optical fiber for communication, there is an advantage in measurement over a long distance and a wide area. However, in reality, the measurement sensitivity is low, and high-precision measurement cannot be performed in the entire area.
[0006]
In Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-237219, which is a conventional example, a plurality of optical fiber sensors wound in a loop are continuously arranged to form a measurement region in a band shape, thereby enlarging the measurement region. However, this conventional example requires a large number of sensors wound in a loop, and there are structural and economic limitations in measuring a wider area such as a dam bank.
Therefore, it is considered that it is advantageous in view of economics or easiness of installation to connect high-sensitivity optical fiber sensors at predetermined intervals and to connect them in series with optical fibers.
However, when high-sensitivity optical fiber sensors are installed at predetermined intervals, for example, when cracks occur in the vicinity of a certain high-sensitivity optical fiber sensor (which frequently occurs in concrete structures) Occluded or enclosed high-sensitivity fiber optic sensors do not transmit any distortion, only detect that there is no apparent distortion, resulting in erroneous measurement and analysis. become.
[0007]
Further, when configuring a high-sensitivity optical fiber sensor, it is conceivable that the strain of a certain measurement length is concentrated in a short section and the strain is expanded (amplified).
When a highly sensitive optical fiber having a strain amplification function is used in this way, when an unexpectedly large extension strain is applied, the strain is expanded, and a disconnection may occur.
As described above, if the optical fiber is disconnected at the optical fiber sensor, it becomes impossible to measure the strain on the far side (tip) side from the optical fiber sensor, and it is difficult to lay again, for example, like a dam. Therefore, it is impossible to measure the strain distribution over a wide area, and the monitoring system will receive fatal damage.
The present invention has been made in view of the above-mentioned circumstances, and its first object is to measure the amount of strain received by a structure with high accuracy over a long period of time and in a wide area with a relatively simple configuration. An object of the present invention is to provide a wide-area strain distribution measuring system that can detect a strain without any trouble even if a crack occurs in the vicinity of a sensor and can improve reliability.
The second object of the present invention is to provide a wide-range strain having a support function that enables strain detection even when an accident such as a disconnection occurs due to an excessive strain exceeding the expectation of the strain amplification type high sensitivity sensor. It is to provide a distribution measurement system.
A third object of the present invention is to provide a wide area strain distribution measuring system capable of efficiently measuring a strain amount in a wider area.
A fourth object of the present invention is to provide a wide-area strain distribution measuring system capable of amplifying the strain received by a structure and increasing the resolution to measure a highly accurate strain amount.
According to a fifth object of the present invention, in addition to the fourth object, a wide area strain distribution measuring system capable of measuring an accurate strain amount even when the ambient temperature changes can be provided.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the first object described above, a wide-area strain distribution measurement system according to the present invention described in
A plurality of low-sensitivity sensors composed of optical fibers that connect and connect the high-sensitivity sensors and measure the amount of strain with lower sensitivity;
The high-sensitivity sensor and the low-sensitivity sensor are connected and connected to each other at an arbitrary interval. Configured as a measurement system,
Measuring the amount of strain received by the structure by detecting a change in the characteristics of the Brillouin scattered light in the optical fiber caused by strain due to expansion and contraction of the optical fiber;
It is characterized by enabling highly sensitive measurement of the strain amount in a wide area of the structure.
[0009]
Moreover, in order to achieve the second object described above, the wide-area strain distribution measuring system according to the present invention described in
Further, in order to achieve the third object described above, the wide-area strain distribution measurement system according to the present invention described in
Further, the high-sensitivity sensor in the wide-area strain distribution measuring system according to the present invention described in claim 4 is provided with a flexible portion at the center portion and high rigidity on both sides in order to achieve the above-described fourth object. A pair of main body portions are provided in series, and a gauge base in which the main body portion is provided with an attachment portion to be attached to the structure, and two fixed on the gauge base in the vicinity of both sides of the flexible portion. And an optical fiber having a loop-like portion that is wound a plurality of times so as to be folded between the two projecting portions and has a folded end fixed to the projecting portion. .
[0010]
In the wide-area strain distribution measuring system according to the fifth aspect of the present invention, in order to achieve the fifth object described above, the distance between the folded ends of the loop-shaped portion is G, and the gauge base When the distance between the attachment parts is L, the linear expansion coefficient of the structure is αa, the linear expansion coefficient of the gauge base is αb, and the temperature sensitivity of the Brillouin scattered light is Kt (ε), G and L give the temperature compensation condition:
L = (− Kt (ε) −αb) × G / (αa−αb)
It is characterized by satisfying.
[Action]
A wide-area strain distribution measuring system according to
Moreover, the wide-area strain distribution measuring system according to
[0011]
In the wide-area strain distribution measuring system according to
Further, in the wide-area strain distribution measuring system according to claim 4 of the present invention, the high-sensitivity sensor is provided with a flexible portion at a central portion, and a pair of highly rigid main body portions on both sides thereof, A gauge base provided with an attachment part to be attached to the structure, two protrusions fixed on the gauge base in the vicinity of both sides of the flexible part, and a fold between the two protrusions. By providing an optical fiber having a loop-shaped portion that is wound around a plurality of times and having the folded end fixed to the protrusion, the influence that can be measured by expanding the strain received from the structure is minimized. Strain distribution measurement is realized.
[0012]
In the wide-area strain distribution measuring system according to claim 5 of the present invention, G is a distance between folded ends of the loop-shaped portion, L is a distance between attachment portions of the gauge base, and When the expansion coefficient is αa, the linear expansion coefficient of the gauge base is αb, and the temperature sensitivity of the Brillouin scattered light is Kt (ε), the G and L give temperature compensation conditions, that is,
L = (− Kt (ε) −αb) × G / (αa−αb)
Thus, the influence can be suppressed to the minimum regardless of the change in the ambient temperature.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, based on an embodiment of the present invention, a wide area strain distribution measuring system of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a diagram showing a first embodiment of a wide-area strain distribution measurement system according to the present invention.
1, the wide-area strain distribution measuring system according to this embodiment includes a measurement system control personal computer 6, an OTDR module 7, an
FIG. 2 shows the configuration of the second embodiment. The sensor according to the second embodiment has high sensitivity optical fiber
[0014]
FIG. 3 shows the configuration of the third embodiment. In this case, the high-sensitivity optical fiber
In the wide-area strain distribution measurement system shown in FIGS. 1, 2, and 3, the connecting
[0015]
Thereby, even when the optical fiber type strain gauge is broken, the strain measurement at the time of occurrence of large strain is ensured by the optical fiber having only the low sensitivity part provided.
FIG. 4 is a diagram for explaining the measurement principle of the strain amount measuring apparatus used in the wide-area strain distribution measuring system according to the present invention.
First, from the right end of the
Here, the pulsed light 10 (frequency is variable) is irradiated from the pump
[0016]
Here, the time from the irradiation with the pulsed light 10 to the return indicates the position in the
Here, the Brillouin gain value of the backscattered light at each position in the
[0017]
Further, the above apparatus has been described with respect to the example of “BOTDA”, but “BOTDR” (Brillouin Optical time domain reflectometer) known as a strain gauge side technique using an optical fiber as a sensor can also be used. Although not shown, this method utilizes the fact that the frequency of Brillouin scattered light generated in an optical fiber changes due to strain.
That is, light incident on the optical fiber from the light source is Bragg reflected and observed as backscattered light. This is called Brillouin scattered light, and its frequency depends on the incident light and ν due to the Doppler effect due to the speed of sound. B Only different. ν B Is called Brillouin frequency shift,
ν B = 2 ・ n ・ v / λ ……………… (1)
Given in. Here, n is the refractive index of the optical fiber, v is the speed of sound in the optical fiber, and λ is the wavelength of the incident light.
[0018]
When the optical fiber is distorted, the speed of sound changes. B Also changes. ν B As a function of strain and assuming that the change to ε is small,
ν B (Ε) = ν B (0) + (dν B / Dε) · ε (2)
It can be expressed as
In actual operation, for each optical fiber used in an extension test or the like, dv B / Dε and ν B It is necessary to find (0).
Conversely, ν for each optical fiber B It is also possible to identify the optical fiber of the sensor portion and the wiring portion by using the difference (0).
In BOTDR which calculates | requires distortion as distribution, pulsed light injects into an optical fiber, and the scattered light power which returns is time-resolved and measured. At this time, the distance z of the optical fiber is expressed as follows: T is the time from when the pulsed light is incident until the scattered light is detected, and c is the speed of light.
z = (cT) / (2n) (3)
More.
[0019]
5 to 9 show configuration examples of the high sensitivity sensor in FIGS. 1 to 3. The high sensitivity sensor applied to this embodiment corresponds to a specific example of an optical fiber strain gauge (2 m / 21 m / kmn).
Of these, FIG. 5 shows a plan view of the device, and FIG. 6 shows a cross-sectional view seen from the side when the device is cut along the line connecting X and X ′ shown in FIG. FIG. 7 shows a detailed structure of the left half of the
The structure strain amount measuring apparatus shown in FIGS. 5 to 8 is a flexible connection that connects the left half
[0020]
The
Further, the
In addition, the
[0021]
Further, if the loop portion of the
The bending radius R of the loop-shaped portion of the
Hereinafter, the function of the strain amount measuring apparatus for a structure, which is a high sensitivity sensor used in the first to fourth embodiments, will be described.
First, the effect of expanding (increasing) the strain amount received by the
[0022]
The strain generated in the
Furthermore, only one
That is, according to this embodiment, the strain between the
[0023]
Next, the temperature compensation function of this apparatus will be described qualitatively.
When the ambient temperature rises above a predetermined reference value, for example, the
However, at the same time, the
As a result, the tensile strain of the
[0024]
When the ambient temperature falls below a predetermined reference value, the loop-like portion of the
In order to actually perform the above-described action smoothly, it is necessary to apply tension (pre-tension) to the loop-shaped portion of the
[0025]
Therefore, in order to prevent the trouble caused by the slack of the loop portion of the
The magnitude of the pretension applied to the loop-shaped portion of the
The second reason for pre-tensioning is that the distance (G) between the
[0026]
FIG. 7 shows a specific example of the
Next, the function of the
[0027]
The maximum function of the
[0028]
Next, the pretension applying mechanism will be described.
First, in the factory, an adhesive is applied to the groove provided on the side peripheral wall of the
Thereafter, a
Next, at the site, the mounting
[0029]
For example, the strain amount of the structure described above is shown in the example in which the
In addition to the one shown in FIG. 7, for example, a turnbuckle expander can be used as the pretensioning mechanism instead of the one shown in FIG.
Moreover, although shown about the example formed in the crank shape as the
In the above embodiment, an example of the
[0030]
【The invention's effect】
As described above, according to the wide-area strain distribution measurement system of the present invention, the amount of strain between the high-sensitivity sensors is measured by measuring the amount of strain with a plurality of high-sensitivity sensors configured with optical fibers. The low-sensitivity sensor composed of optical fibers that measure at a lower sensitivity is connected and connected. The high-sensitivity sensor and the low-sensitivity sensor are connected and connected with a certain distance from each other, and the end of the connected low-sensitivity sensor is the measurement endpoint. The high-sensitivity measurement part and the degree measurement part are configured as a bead-shaped sensor, and the structure receives a change in the characteristics of the Brillouin scattered light in the optical fiber caused by strain due to the expansion and contraction of the optical fiber. It is possible to measure the amount of strain in a wide area with high sensitivity and durability, especially when there is a crack near or around the part to be measured where the high sensitivity sensor is placed. As such, be interrupted strain transfer to the high-sensitivity sensor, low sensitivity sensor, and detects this, it is possible to avoid mistakes in the measurement.
[0031]
The bead-shaped first measurement system configured to include the high-sensitivity sensor and the low-sensitivity sensor and the second measurement system configured only by the low-sensitivity sensor are laid in parallel. In the unlikely event that a high-sensitivity sensor breaks down, it is possible to detect even a strain beyond expectations with a low-sensitivity sensor laid in parallel.
A plurality of beaded measurement systems; an OTDR measurement device that detects a change in characteristics of the Brillouin scattered light; and a switch that selectively switches the measurement end points of the two sensors and connects to the OTDR measurement device. The strain amount in a wider area can be measured more efficiently.
Further, the high-sensitivity sensor is provided with a flexible part at the center, a pair of rigid main parts on both sides, and an attachment part for attaching to the structure on the main part. A gauge base, two protrusions fixed on the gauge base in the vicinity of both sides of the flexible part, and a plurality of turns so as to be folded back between the two protrusions, and the folded end is the protrusion. The structure is provided with an optical fiber having a loop-shaped portion fixed to the structure, and the structure is configured to detect and expand the amount of strain received from the structure and compensate for variations in the ambient temperature. The amount of strain can be expanded and detected, and the influence of the ambient temperature on the measurement can be minimized.
[0032]
Further, when a pretension is applied to the loop-shaped portion of the optical fiber, the loop-shaped portion of the optical fiber is prevented from being loosened, and not only the tensile strain but also the compressive strain is provided. It is possible to provide an apparatus for measuring a strain amount of a structure that can be accurately detected.
Further, when the optical fiber is wound in a state in which the pretension is compressed in advance by a pretensioning mechanism placed outside the gauge base and the pretensioning mechanism is removed, the pretension is in a balanced state. It can be set on the structure, and pre-tension is applied with accurate tension and interval, enabling more reliable measurement.
Further, when the pretension is configured to be applied by a pretension applying mechanism placed at the center of the gauge base, the manufacturing process can be simplified.
[0033]
Further, when the pretensioning mechanism is configured to be able to remain in the central portion of the gauge base, a strain amount measuring device for a structure that can be used for readjustment of pretension in the field is provided. Can be provided.
In addition, when the optical fiber is configured to be coated with metal or polyimide, and the optical fiber is easily fixed to the groove portion and the optical fiber is prevented from slipping in the coating, the structure is The received strain can be reliably transmitted to the loop-shaped portion of the optical fiber.
In addition, temperature compensation conditions that take into consideration the linear expansion coefficient of the structure, the linear expansion coefficient of the gauge base, the temperature sensitivity of the Brillouin scattered light, the distance between the attachment parts of the gauge base, and the distance between the folded ends of the optical fiber By satisfying the structure, it is possible to accurately compensate for the change in ambient temperature.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing a first embodiment of a wide-area strain distribution measurement system of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing a second embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a block diagram showing a third embodiment of the present invention.
FIG. 4 shows a configuration example of a main part of a structural strain amount measuring apparatus applied to the present invention.
FIG. 5 is a plan view showing a configuration example of a main part of a strain amount measuring apparatus for a structure.
6 is a cross-sectional view showing a cross section taken along line XX ′ of FIG.
7 is a schematic diagram showing a configuration of a pretension applying mechanism shown in FIGS. 5 and 6. FIG.
FIG. 8 is a plan view for explaining a temperature compensation function;
FIG. 9 is a plan view showing a state in which a fixture is attached.
FIG. 10 is a perspective view showing a specific configuration of an optical fiber sensor according to a conventional technique (described in JP-A-11-237219).
[Explanation of symbols]
1 Pump light source
2, 15 Optical fiber
3 Probe light source
4 Light receiver
5 Half mirror
6 PC for measuring system control
7 OTDR module
8 Optical switch module
9a, 9b Sensor two terminals
10 Pulsed light
11 gauge base
12 Flexible part
13 Pretensioning mechanism
14 Attachment
16 Protrusion
17 Structure
2n, mn, 11n, 12n, 1mn, 21n, 32n, kmn Optical fiber strain gauge
31, 41 Fixing tool
42 Fastener
43 Fastener
44 push bolt
131 Wing nut
132 Pressing part
Claims (5)
前記高感度センサの間を連結接続し前記ひずみ量をより低感度で測定する光ファイバで構成された複数の低感度センサとを有し、
前記高感度センサと前記低感度センサとが相互に任意の間隔をもって連結接続され、該連結された前記低感度センサの端を測定端点とし、前記高感度センサと前記低感度センサとで数珠状の測定系として構成され、
前記光ファイバの伸縮によるひずみによって生じる該光ファイバ内のブリルアン散乱光の特性の変化を検出することにより構造物が受けているひずみ量を測定し、
前記構造物の広域におけるひずみ量の高感度測定を可能としたことを特徴とする広域ひずみ分布測定システム。A plurality of high-sensitivity sensors composed of optical fibers that measure strain with higher sensitivity;
A plurality of low-sensitivity sensors composed of optical fibers that connect and connect the high-sensitivity sensors and measure the amount of strain with lower sensitivity;
The high-sensitivity sensor and the low-sensitivity sensor are connected and connected to each other at an arbitrary interval. Configured as a measurement system,
Measuring the amount of strain received by the structure by detecting a change in the characteristics of the Brillouin scattered light in the optical fiber caused by strain due to expansion and contraction of the optical fiber;
A wide-area strain distribution measuring system characterized by enabling high-sensitivity measurement of the strain amount in a wide area of the structure.
L=(−Kt(ε)−αb)×G/(αa−αb)
を満たすことを特徴とする請求項4に記載の広域ひずみ分布測定システム。The distance between the folded ends of the loop-shaped portion is G, the distance between the attachment parts of the gauge base is L, the linear expansion coefficient of the structure is αa, and the linear expansion coefficient of the gauge base is αb. , Where the temperature sensitivity of the Brillouin scattered light is Kt (ε), the above G and L give a temperature compensation condition:
L = (− Kt (ε) −αb) × G / (αa−αb)
The wide-area strain distribution measurement system according to claim 4, wherein:
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