JP3859090B2 - 被加工物の設置位置検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
たとえば射出成形機において、プラスチック成形品の一部に金属片などを埋設させて形成する場合には該金属片をキャビティ部の所定の位置に設置して型締し、成形材料を供給するが、この発明は、該金属片がキャビティ部の所定位置に設置されたか否かを成形に先立って検査する被加工物の設置位置検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気回路用の接点などのように、合成樹脂製の本体に接片となる金属片が埋設されて構成された部品などがある。このような部品の場合には合成樹脂製の本体に対して金属片が所定の位置に配置される必要があり、そのためには成形の際に該金属片をキャビティ部の所定の位置に位置させなけらばならない。また、たとえば自動溶接機で2つの金属片を溶着する場合にも、固定された一方の金属片の所定の位置に他方の金属片を設置し、当該位置を維持して溶接作業が行われる。
【0003】
上記金属片などの被加工物が所定の位置に設置されていない場合には、例えば電気回路などでは接触不良が発生したり、不用意な部品との接触により短絡を生じてしまうおそれがある。そのため、被加工物が所定の位置に設置されたか否かを成形や溶接の加工に先立って検査する必要が生じ、そのために設置位置検査装置が用いられる。
【0004】
図5および図6は従来のこの種の被加工物の設置位置検査装置を示す図である。被加工物(以下「ワーク」という。)1は、加工装置などの所定の位置や加工装置に予め固定された他の部品の所定の位置に設置される。このワーク1の上方には、該ワーク1を挿入した方向とほぼ平行な方向に図示しない駆動装置によって昇降自在にピンホルダ2が配設されている。このピンホルダ2に、該ピンホルダ2の移動方向とほぼ平行な方向に摺動自在にセンサピン3が設けられており、該センサピン3の先端部がピンホルダ2の下端部から適宜に突出し、その先端面がワーク1を臨んでいる。そして、ピンホルダ2の下降によってセンサピン3がワーク1に当接し、ワーク1に押圧されることによってピンホルダ2に対して摺動して上昇するようにしてある。
【0005】
上記ピンホルダ2にはセンサピン3の摺動方向と交差する方向であって、センサピン3を収容したピン収容部2aを挟んだ状態に挿通路4が形成されており、他方センサピン3の適宜位置にはこの挿通路4に該センサピン3の摺動によって連通することができる開放路5が形成されている。また、センサピン3には圧縮コイルバネからなる戻しバネ6の復元力が付勢され、その復元力によってセンサピン3がピンホルダ2から最下位まで突出し、該センサピン3の当該位置で上記開放路5が上記挿通路4から外れて挿通路4をこのセンサピン3の部分で遮断するようにしてある。そして、この挿通路4にコンプレッサなどの空気源7から検査用空気が供給されるようにしてあり、この挿通路4の空気源7とは反対側の端部には空気源7によって供給され挿通路4を通過した空気圧を検出する空気圧検出装置8が設けられている。また、ピンホルダ2の下端部には位置決めロッド9が突設されており、ピンホルダ2が下降してこの位置決めロッド9の先端が加工装置などの所定部分に当接するとピンホルダ2の下降が停止する。
【0006】
そして、ワーク1を所定の位置に設置した状態でピンホルダ2を下降させると、センサピン3の先端部がワーク1に当接し該センサピン3が戻しバネ6の復元力に抗してピンホルダ2に押し込まれることになる。ワーク1が正規の位置に設置されている場合には、ピンホルダ2を所定位置まで下降させた状態で、センサピン3の前記開放路5がピンホルダ2に形成された挿通路4と一致し、空気源7と空気圧検出装置8との間が連通することになり、空気圧検出装置8が検査用空気の圧力を検知して挿通路4が開放路5によって挿通されたことが検出され、ワーク1が正規の位置に設置されたことが検出される。また、前記位置決めロッド9が加工装置に当接してピンホルダ2の下降が停止した状態で、空気圧検出装置8が検査用空気の圧力を検知しない場合には、ワーク1が正規の位置に設置されていないと判断される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の被加工物の設置位置検査装置では空気圧を検出するものであるため、前記開放路5の一部が前記挿通路4の一部に一致した状態で空気源7と空気圧検出装置8とが連通してしまい、ワーク1が正規の位置に設置されたか否かの判定に曖昧な点が生じてしまうおそれがある。また、検査空気の圧力の安定を図るための装置や弁などの各種の部品を必要とし、装置が大型化してしまうおそれがある。
【0008】
また、検査空気の漏れがある場合には所定の圧力まで上昇させることができず、空気圧検査装置8における検査空気圧の検知に誤認を生じてしまうことになるから、検査空気の漏れを防止する必要があり、そのシール構造が煩雑となってしまう。
【0009】
さらに、同時に複数のワーク1の設置位置を検査するためには、ピンホルダ2に複数のセンサピン3を配設して構成されることになる。斯かる構成において、それぞれのセンサピン3に形成された開放路5を並列の関係に設定すると多数の挿通路4が形成され、検査空気用回路が複雑化してしまうと共に、それぞれの回路に安定装置や弁などが必要となって装置が非常に大型化してしまう。このため、センサピン3の開放路5を直列の関係に設定し、挿通路4を単一化する構成が採用されることになる。そして、この直列関係の構成では、複数の全てのワーク4が正規の位置に設置されている場合にのみ、空気圧検出装置8が検査空気の圧力を検知することになる。すなわち、いずれかのワーク1が正規の位置に設置されていない場合には検査空気の圧力が検知されず、不正位置にあるワーク1が存在していることが判明することになるのである。
【0010】
しかし、センサピン3の開放路5を直列の関係にして構成した装置では、不正位置にあるワーク1の存在を検出することができるが、いずれのワーク1が不正位置にあるか否かを判断できず、同時に検査に供されたワーク1の全てについて再度設置位置の調整と検査を行わなければならず、検査作業が煩雑となってしまう。
【0011】
そこで、この発明は、ワークが正規の位置に設置されているかを確実に判定できると共に、複数のワークについて同時に位置検査を行った場合に、いずれのワークが不正の位置にあるのかを、簡単な構造で判別できるようにした被加工物の設置位置検査装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る被加工物の設置位置検査装置は、加工を施すために加工装置の所定位置に設置された複数の被加工物のそれぞれが該加工装置に対して正規の位置に設置されたことを検査する被加工物の設置位置検査装置において、前記被加工物に対して移動自在に検出部材保持手段を設け、上記検出部材保持手段に摺動自在に被加工物のそれぞれに対応して検出部材を設け、上記検出部材のそれぞれの一部に可動側接点を設け、上記検出部材保持手段に上記それぞれの可動側接点に対応して第1固定側接点と第2固定側接点とをそれぞれ設け、上記それぞれの検出部材に対応した可動側接点と第1固定側接点、第2固定側接点とを並列に接続し、上記検出部材保持手段の移動により上記それぞれの検出部材の適宜部位がそれぞれの被加工物に当接して摺動することにより、上記可動側接点が、第1固定側接点にのみ接触した状態と第2固定側接点にのみ接触した状態、第1固定側接点と第2固定側接点とのいずれにも非接触の状態との3つの状態に切替わり、いずれの状態にあるかを電流の導通と非導通を検出してそれぞれの被加工物の設置位置を各別に検査することを特徴としている。
【0013】
被加工物であるワークを加工装置の所定位置に設置し、上記検出部材保持手段を適宜な駆動装置によって駆動して前記検出部材がワークに当接する方向に移動させる。検出部材がワークに当接すると、該検出部材が検出部材保持手段に対して摺動することになる。例えば当初には上記可動側接点と固定側接点とが接触していれば、この摺動によってこれらの接点が離隔することになる。したがって、検出部材保持手段を所定の位置まで移動させた場合に検出部材がワークに当接して摺動し、上記接点が離隔した場合にワークは正規の位置に設置されていると判定でき、接点が離隔しない場合には当該ワークの設置位置が不正であると判定できる。
【0014】
また、前記接点が当初は離隔した状態にあるように設定し、検出部材保持手段が所定の距離を移動して検出部材が摺動することにより該接点が接触して電流が流れるようにしても、ワークが正規の位置に設置されているか否かを判定することができる。
【0015】
すなわち、検出部材の摺動によってワークの位置を電気的に検査するため、検査が曖昧とならずに確実に検査することができる。
【0016】
また、たとえば、当初には可動側接点と固定側接点とが接触した状態にあり、正規の位置に設置されたワークを判定する場合にはこれら接点が離隔するものとすると、不正の位置にあるワークの検査に係る検出部材は摺動しないから、該検出部材に連繋した接点のみは離隔することなく接触を続けて電流が遮断されない。したがって、検出部材保持手段を所定位置まで移動させた状態で電流が遮断されていない接点があれば、該接点が連繋している検出部材に係るワークが不正位置にあると判定できる。
【0017】
さらに、可動側接点が、第1固定側接点と第2固定側接点とのいずれと接触しているかを検出することができるから、複数のワークについて、ワークの位置が高すぎる場合と低すぎる場合とのいずれにあるかを検出することができる。したがって、より確実にワークの設置位置を検出することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係る被加工物の設置位置検査装置を具体的に説明する。なお、この実施例では、この設置位置検査装置を射出成形機に搭載した場合について説明する。
【0024】
図1はこの発明に係る設置位置検査装置の概略を示す中央部縦断面図で、加工装置としての射出成形機のキャビティ部10の所定の位置に被加工物であるワーク11が設置された状態を示しており、この設置位置検査装置はこの状態にあるワーク11がキャビティ部10に対して正規の位置にあるか否かを検査する。また、ワーク11はキャビティ部10に対して上方から所定位置に挿入されるようにしてある。キャビティ部10のワーク11が設置される部分の上方に昇降自在に検出部材保持手段としてのピンホルダ12が配置されている。なお、ワーク11をキャビティ部10に挿入する場合にはこのピンホルダ12がワーク挿入装置の支障とならない位置まで退避するようにしてある。
【0025】
上記ピンホルダ12の一部であってワーク11の上端面に対向した部分には該ピンホルダ12の移動方向とほぼ平行な方向に摺動自在に検出部材としてのセンサピン13が支持されている。このセンサピン13は絶縁材で円筒状に形成されたピン本体13a と該ピン本体13a の中央部に導電性を有する材料によって可動側接点を構成するフランジ部14が取り付けられて構成されている。
【0026】
他方、ピンホルダ12の上記センサピン13を収容する部分は、センサピン13の摺動を許容するように、ピン本体13a が挿通した摺動案内部15a と上記フランジ部14を収容した拡径部15b とが形成されている。そして、該センサピン13の摺動によってフランジ部14の上側面14a と下側面14b とがそれぞれ拡径部15b の天井面と底面とに接触するようにしてある。また、センサピン13には圧縮コイルバネから戻しバネ16の復元力が付勢されており、該センサピン13を下方に移動させ上記フランジ部14の下側面14b が拡径部15b の底面に接触するようにしてある。
【0027】
上記拡径部15b の天井面と底面にはそれぞれ第1固定側接点17と第2固定側接点18とが設けられており、このためセンサピン13の摺動によってこれら固定側接点17、18にフランジ部14の上側面14a と下側面14b とがそれぞれ接触するようにしてある。
【0028】
そして、上記フランジ部14が、センサピン13のピン本体13a の内部を通した接続線19によって電源20に接続されており、他方第1固定側接点17と第2固定側接点18はそれぞれ第1検査線17a と第2検査線18a を介して電源20に接続されている。また、第1検査線17a の途中には高位置監視手段21が接続され、第2検査線18a の途中には低位置監視手段22が接続され、これら監視手段21、22に通電された場合には、ランプの点灯や警告音の発生その他の方法によってその旨を操作者に告知するようにしてある。
【0029】
また、ピンホルダ12の下側面には位置決めロッド23が突設されており、ピンホルダ12の下降によってこの位置決めロッド23の先端面がキャビティ部10の上面に突き当るようにしてある。なお、この位置決めロッド23がキャビティ部10に突き当るまでピンホルダ12が下降した場合には、当該時に設置されているワーク11は不正位置に設置されていると判断できるようにしてある。
【0030】
以上により構成したこの発明に係る被加工物の設置位置検査装置の実施形態に関する動作を、以下に説明する。
【0031】
図示しないワーク挿入装置によってワーク11がキャビティ部10の所定位置に挿入されると、ピンホルダ12が下降を開始する。このピンホルダ12の下降前にあっては、センサピン13のフランジ部14はその下側面14b が第2固定側接点18と接触しており、フランジ部14によって形成された可動側接点と第2固定側接点18とを介して低位置監視手段22に通電されて、例えば警告ランプなどが点灯している。
【0032】
ピンホルダ12が下降すると該ピンホルダ12に支持されたセンサピン13も下降し適宜位置まで下降すると該センサピン13の先端面がワーク11に当接することになる。さらにピンホルダ12が下降すると、センサピン13はワーク11によって押されて、戻しバネ16の復元力に抗して、ピンホルダ12に対して上昇することになり、図2に示すように、フランジ部14が第2固定側接点18から離隔することになる。このため、低位置監視手段22はワーク11が低位置にないことを告知すべく警告ランプなどが消灯する。
【0033】
ピンホルダ12はさらに所定位置まで下降を継続する。ピンホルダ12が所定位置まで下降した状態においても前記低位置監視手段22がその警告ランプを消灯させない場合には、ピンホルダ12の下降によってもセンサピン13が上昇しない場合であり、すなわちセンサピン13がワーク11に突き当っていない状態であるため、当該ワーク11の設置位置が低すぎると判断でき、当該ワーク11の位置が不正であると判定される。
【0034】
また、ピンホルダ12が所定位置まで下降する途中で、センサピン13の上昇によってフランジ部14の上側面14a が拡径部15b の天井面に配設された第1固定側接点17に接触してしまう場合がある。フランジ部14と第1固定側接点17とが接触すると、高位置監視手段21に通電されるから、該高位置監視手段21の警告ランプなどが点灯することになる。すなわち、フランジ部14が第1固定側接点17に接触した場合には、当該ワーク11の設置位置が高すぎる場合と判断でき、当該ワーク11の位置が不正であると判定され、ピンホルダ12の下降を停止する。
【0035】
すなわち、ピンホルダ12を所定位置まで下降させた状態で、図2に示すように、フランジ部14が第1固定側接点17と第2固定側接点18のいずれにも接触していない状態であれば、当該ワーク11は正規の位置にあると判定され、該ワーク11の設置位置検査を終了して、次の加工工程に進むことになる。
【0036】
次に、図3および図4に示す実施形態に係る被加工物の設置位置検査装置を説明する。図3および図4は同時に複数のワーク11の位置を検査する場合に適した設置位置検査装置を示すもので、昇降自在に支持されたピンホルダ31には、それぞれのワーク11に対向した位置にセンサピン32がピンホルダ31の昇降方向とほぼ平行な方向に摺動自在に支持されている。このセンサピン32の構造は、前述したセンサピン13と同様の構造で、ピンホルダ31にはそれぞれのセンサピン32に対して第1固定側接点と第2固定側接点とが設けられている。
【0037】
上記ピンホルダ31はスライドテーブル33によって昇降自在に支持されており、該スライドテーブル33の上部にセンサヘッド34が設けられている。
【0038】
図4はそれぞれのセンサピン32に設けられた可動側接点35と第1固定側接点36、第2固定側接点37とによって構成される電気回路の簡略図で、それぞれのセンサピン32に対応した可動側接点35と固定側接点36、37は並列に接続されている。そして、それぞれの第1固定側接点36には高位置監視手段H1 、H2 、……Hn が接続されており、それぞれの第2固定側接点37には低位置監視手段L1 、L2 、……Ln が接続され、これら監視手段H、Lは、通電されると警告音を発したり警告ランプを点灯させたりするようにしてある。
【0039】
この図3に示す実施形態に係る設置位置検査装置では、前述の実施形態に示したものと同様に、検査前の状態ではセンサピン32の可動側接点35は第2固定側接点37に接触している。スライドテーブル33の駆動によってピンホルダ31が下降しセンサピン32がワーク11に当接した後は、ピンホルダ31の下降によってセンサピン32が該ピンホルダ31に対して上方に摺動し、可動側接点35が第2固定側接点37から離隔し、低位置監視手段22への通電が断たれることになる。そして、所定の位置までピンホルダ31が下降した状態で、図1に示す場合と同様に、可動側接点35が固定側接点36、37のいずれにも接触しない状態となる場合には、それぞれのワーク11は正規の位置に設置されていると判定され、次工程に進むことになる。
【0040】
この図3に示す実施形態では、それぞれのセンサピン32に対応した可動側接点35と固定側接点36、37とを並列に接続してあるから、設置位置が不正なワーク11が存する場合には、当該ワーク11に係るセンサピン32が所定の通りに昇降せず、可動側接点35が第2固定側接点37との接触を維持し続けるか、あるいは可動側接点35が第1固定側接点36と接触してしまうことになる。そして、第2固定側接点37と接触し続ける場合にはピンホルダ31が所定の位置まで下降した場合であっても、対応した低位置監視手段Lに通電された状態が維持され、またピンホルダ31が所定の位置まで下降した状態で可動側接点35が第1固定側接点36に接触してしまう場合には、対応した高位置監視手段Hに通電されることになり、それぞれ警告ランプが点灯などすることになる。なお、いずれかのワーク11について可動側接点35が第1固定側接点36に接触した場合に、その時点でピンホルダ31の下降を停止するようにすることが好ましい。
【0041】
そして、低位置監視手段Lまたは高位置監視手段Hによって設置位置が不正であると判定されたワーク11について設置し直すなどの処置を行った後、再び設置位置の検査を行い、複数の全てのワーク11が正規の位置に設定されていると判定された状態で次工程に進むことになる。
【0042】
上述した実施の形態では、可動側接点としてのフランジ部14と2つの固定側接点17、18とを設けて、ワーク11が低位置の不正位置にある場合と高位置の不正位置にある場合とを検出する構造について説明したが、固定側接点はいずれか一方のみを設けた構造であっても構わない。例えば、フランジ部14の下側面と接触する第2固定側接点18のみを設けた場合には、検査前にフランジ部14を第2固定側接点18に接触させた状態とし、ピンホルダ12を所定位置まで下降させた状態でフランジ部14が第2固定側接点18から離隔するようにし、離隔しない場合にはワーク11が不正位置にあると判定することができる。また、第1固定側接点17のみを設けた場合には、検査前にはフランジ部14が第1固定側接点17と離隔した状態に有り、所定位置までピンホルダ12を下降させた場合にこれらが接触すればワーク11が正規の位置にあると判定することもできる。なお、この実施形態のように、2つの固定側接点17、18を有する場合には、フランジ部14が図2に示すように、これら固定側接点17、18の間位置に位置している場合にはワーク11が正規の位置にあると判断できるため、該ワーク11の設置位置に関しては固定側接点17、18の間の距離を許容範囲として設定することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る被加工物の設置位置検査装置によれば、電気回路を構成する接点の接触と離隔を検出することにより被加工物の設置位置の検査を行うようにしたから、被加工物が正規の位置に設置されているかを確実に判定することができる。
【0044】
また、電気回路を構成することによる構造であるから、簡単な構成であり、複数の被加工物の設置位置を検査する場合にも、それぞれ被加工物について各別に検査を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る被加工物の設置位置検査装置の概略を示す中央部横断面図で、検査前の状態を示している。
【図2】この発明に係る被加工物の設置位置検査装置の概略を示す中央部横断面図で、正規の位置にある被加工物を検出した状態を示している。
【図3】同時に複数の被加工物の位置を検査する場合に適した位置検査装置の概略を示す側面図である。
【図4】同時に複数の被加工物の位置を検査する場合に適した位置検査装置の電気回路の簡略図である。
【図5】従来の被加工物の設置位置検査装置の概略を示す図で、図1に相当する断面図である。
【図6】従来の被加工物の設置位置検査装置の概略を示す図で、図2に相当する断面図である。
【符号の説明】
10 キャビティ部
11 ワーク(被加工物)
12 ピンホルダ(検出部材保持手段)
13 センサピン(検出部材)
13a ピン本体
14 フランジ部(可動側接点)
14a 上側面
14b 下側面
15b 拡径部
17 第1固定側接点
18 第2固定側接点
21 高位置監視手段
22 低位置監視手段
23 位置決めロッド
31 ピンホルダ
32 センサピン
35 可動側接点
36 第1固定側接点
37 第2固定側接点

Claims (1)

  1. 加工を施すために加工装置の所定位置に設置された複数の被加工物のそれぞれが該加工装置に対して正規の位置に設置されたことを検査する被加工物の設置位置検査装置において、
    前記被加工物に対して移動自在に検出部材保持手段を設け、
    上記検出部材保持手段に摺動自在に被加工物のそれぞれに対応して検出部材を設け、
    上記検出部材のそれぞれの一部に可動側接点を設け、
    上記検出部材保持手段に上記それぞれの可動側接点に対応して第1固定側接点と第2固定側接点とをそれぞれ設け、
    上記それぞれの検出部材に対応した可動側接点と第1固定側接点、第2固定側接点とを並列に接続し、
    上記検出部材保持手段の移動により上記それぞれの検出部材の適宜部位がそれぞれの被加工物に当接して摺動することにより、上記可動側接点が、第1固定側接点にのみ接触した状態と第2固定側接点にのみ接触した状態、第1固定側接点と第2固定側接点とのいずれにも非接触の状態との3つの状態に切替わり、いずれの状態にあるかを電流の導通と非導通を検出してそれぞれの被加工物の設置位置を各別に検査することを特徴とする被加工物の設置位置検査装置。
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