JP3858197B2 - 傾斜計設置回収方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管中堀工法や鋼管矢板建て込み工法や構真柱施工法等において、鋼管等の地中挿入体を傾斜計で傾斜を測定しながら地中に挿入する場合に、傾斜計を地中挿入体に設置し、また地中挿入体の地中挿入後に回収する傾斜計設置回収方法及び装置に関する。
【0002】
なお、本発明において地中挿入体を地中挿入するとは、地中挿入体を中堀しながら圧入する場合や、振動や打撃を加えながら地中に打設する場合などを含め、その手段の如何を問わず地中に挿入していく全ての形態を含むものとする。
【0003】
【従来の技術】
構真柱の施工や鋼管矢板建て込み工法では、掘削孔の鉛直施工精度よりも、構真柱や鋼管挿入時の鉛直性の確保が重要であるため、構真柱や鋼管本体の傾斜を測定する必要がある。また、鋼管中堀工法のように中堀しながら鋼管矢板を圧入していく工法では、鋼管自体の傾斜を測定しながらの掘削が必要となる。
【0004】
このように構真柱や鋼管矢板等の地中挿入体の傾斜を測定するため、地中挿入体に傾斜計を設置する技術として、従来、例えば次の特許文献に開示のものがあった。
【0005】
▲1▼ 特許文献1(特開平7−3792号公報)
掘削するケーシング内に建て込まれた柱体(構真柱)に測定用パイプを嵌め込み、この測定用パイプの下端に光源を設置する一方、この光源を撮像する撮像装置を測定用パイプの上方に固定的に水平配置し、撮像装置の撮像面上における光源の座標位置を検出することで、柱体の鉛直精度を算出する。
【0006】
▲2▼ 特許文献2(特開平7−301527号公報)
傾斜計測器を構真柱の上側部の外側に平行に固着して、傾斜計測器を構真柱と共に立坑内に建て込む。傾斜計測器は、構真柱の上側部の外側に平行に装着された水管と、水管内の管底中央部に下端が接続されている細線の上端に連結された突起付き浮子と、その突起と対向するように水管の上側に設けられた標識とからなり、標識に対する浮子の突起の変位を地上から計測することで、構真柱の傾斜を計測する。構真柱の構築後、構真柱の上側部から傾斜計測器を撤去する。
【0007】
▲3▼ 特許文献3(特開平5−287732号公報)
地中連続壁を構築する鋼製エレメント(H型鋼)のウエブの内側に、保護管を鉛直に付設するとともに、その内側上部に縦溝付きガイド管を固着し、このガイド管に沿って上下動するようにローラ付き傾斜計をガイド管に着脱可能に収納する。この状態で傾斜計により傾斜度を測定しながら、鋼製エレメントを鉛直に建て込む。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−3792号公報(第2頁、図1)
【特許文献2】
特開平7−301527号公報(第3頁、図1)
【特許文献3】
特開平5−287732号公報(第2頁、図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、それぞれ次のような問題がある。
特許文献1では、構真柱に測定用パイプを嵌め込み、この測定用パイプの底面に配置した光源を測定用パイプの上方で撮像装置により撮像するので、傾斜計としての装置規模が大きくなるとともに、その設置及び撤去が面倒である。
【0010】
特許文献2では、水管を有する縦長の傾斜計測器を構真柱の上側部の外側に平行に固着したまま、構真柱と共に立坑内に挿入して行くため、立坑の口径を、傾斜計測器が安全に挿入されるに必要な充分に余裕をもった大きさにしなければならない。また、構真柱を所定深さまで建て込み後、傾斜計測器を回収しなければならないが、その作業が非常に面倒である。
【0011】
特許文献3では、ガイド管に収納されたローラ付き傾斜計が上下に揺動するので、傾斜度の測定が不安定で、誤差が生じやすい。ローラ付き傾斜計を収納するために、鋼製エレメント(H型鋼)のウエブの内側に保護管を固着しておいて、その中に縦溝付きガイド管を挿入しておかなければならず、しかもその作業を各鋼製エレメントごとに行わなければならないので、作業性が悪い。
【0012】
本発明の目的は、傾斜計の鋼管等の地中挿入体に傾斜計を設置し、該傾斜計で傾斜を測定しながら地中挿入体を地中に挿入する場合に、地中挿入体に対する傾斜計の設置が容易であるとともに、地中挿入体の建て込み後に傾斜計を容易に回収することができ、しかも傾斜計による傾斜測定も安定して行えるようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、鋼管等の地中挿入体に傾斜計を設置し、該傾斜計で傾斜を測定しながら地中挿入体を地中に挿入する工法において、傾斜計と設置とその回収を次のようにして行う。
【0014】
地中挿入体の外周にケーブル用配管を付設し、その先端内部に傾斜計を電磁ホルダにて固定するとともに、該ケーブル用配管中に傾斜計及び電磁ホルダへのケーブルを挿通させて地中挿入体を地中に挿入した後、電磁ホルダの磁力による固定を解除してから、傾斜計を電磁ホルダと共にケーブル用配管を通じて引き抜くことを特徴とする。
【0015】
地中挿入体を順次継ぎ足して地中に挿入する場合には、次のようにする。
【0016】
すなわち、各地中挿入体の外周にケーブル用配管を付設し、最先の地中挿入体のケーブル用配管の先端内部に傾斜計を電磁ホルダにて固定して、地中挿入体及びケーブル用配管をそれぞれ継ぎ足し、ケーブル用配管中に傾斜計及び電磁ホルダへのケーブルを挿通させて地中挿入体を地中に挿入した後、電磁ホルダの磁力による固定を解除してから、継ぎ足したケーブル用配管を通じて傾斜計を電磁ホルダと共に引き抜く。
【0017】
好適には、最先の地中挿入体のケーブル用配管の先端に、その先端開口を閉じるヘッドを固定し、このヘッドに電磁ホルダを吸着させて、最先の地中挿入体のケーブル用配管の先端内部に傾斜計を固定する。
【0018】
傾斜計を回収する好ましい手段としては、ケーブル用配管中に引き抜き用ワイヤーを挿通させておいて、該ワイヤーで傾斜計を電磁ホルダと共に引き抜く。
【0019】
電磁ホルダの磁力による地中挿入体への傾斜計の固定は、地中挿入体を地上で横置き状態にして行う。
【0020】
本発明による傾斜計設置回収装置は、傾斜計と、該傾斜計の先端に付設する電磁ホルダと、地中に挿入される鋼管等の地中挿入体の外周に付設して、傾斜計及び電磁ホルダへのケーブルと引き抜き用ワイヤーとを挿通させるためのケーブル用配管と、該ケーブル用配管の先端に固定してその先端開口を閉じるヘッドとからなり、傾斜計を電磁ホルダと共にケーブル用配管の先端内部に設置し、該電磁ホルダの磁力にてヘッドに吸着させることにより、傾斜計をケーブル用配管の先端内部に固定できるとともに、電磁ホルダの磁力をオフにしてヘッドへの吸着を解除することにより、引き抜き用ワイヤーにて傾斜計を電磁ホルダと共に引き抜くことができるようになっている。
【0021】
好ましくは、ケーブル用配管の先端に固着してヘッドを固定するためのヘッド接続用フランジを備える。このヘッド接続用フランジは、傾斜計をケーブル用配管の先端からその中に挿入できるようにするため、傾斜計を挿通させる開口を有する。
【0022】
また、傾斜計の先端に固定して電磁ホルダを取り付けるための電磁ホルダ接続用プレートと、この電磁ホルダ接続用プレートとヘッド接続用フランジとを電磁ホルダの周囲で着脱自在に連結する連結ロッドとを備えると、電磁ホルダの磁力が不用意にオフとなっても、傾斜計をヘッドに対して保持しておくことができる。
【0023】
ケーブル用配管は角パイプ、ヘッドは先端に向かって先鋭となる錐形、ヘッド接続用フランジの外郭及び電磁ホルダ接続用プレートの外郭は方形とするのが良い。
【0024】
傾斜計としては、容器の底部と細線で接続されて液体中を遊動するマーカーを固体撮像素子カメラで撮像し、その画像の移動量と細線の長さとから傾斜角を算出するものが良い。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
先ず、本発明において使用する傾斜計の概要から説明すると、図1に示すように、傾斜計1は、縦長円筒形容器2の上側に固体撮像素子カメラであるCCDカメラ3を下向きに設置し、容器2内の液体4中を浮遊するマーカー5を容器2の底部中心と細線6で結びつけたもので、このマーカー5をCCDカメラ3で撮像して、その像において、図2に示すように、中心Oよりの移動量(平面上の移動距離)δと細線6の長さLとから傾斜角をパソコン等で算出するようになっている。
【0027】
図3に傾斜計1の一具体例と、これを固定するための電磁ホルダ10及びヘッド11を示す。傾斜計1は、縦長円筒形容器2の下面開口を底蓋7で閉じ、この底蓋7の中心に細線6の下端をネジ止めし、容器2内の液体4中を浮遊する球形のマーカー5を細線6の上端に接続し、防水したCCDカメラ3を容器2の上端にカメラホルダ8にて下向きに固着するとともに、その固着部分の外周を保護カバー9で保護したものである。
【0028】
電磁ホルダ10は、傾斜計1の容器2と外径はほぼ同じであるが、それとは別体の円筒形ケース10aに永久電磁石(図示せず)を内蔵したもので、傾斜計1の底蓋7の下面に付設された電磁ホルダ接続用プレート12に緊締するようになっている。すなわち、図4に拡大して示すように、電磁ホルダ接続用プレート12の下面中央に突設されたネジ13を、電磁ホルダ10の上面中央に設けられたネジ孔14に螺合させるとともに、電磁ホルダ10が底蓋7に対して回らないように、これら両者の回り止め用の突起15と孔16とを嵌合させる。電磁ホルダ接続用プレート12は、傾斜計1の容器2の外径よりも大きい円形の鍔部12aを有するとともに、凹部12bを有し、この凹部12bを底蓋7の凸部7aと嵌合させてネジ17で底蓋7に緊締する。
【0029】
ヘッド11は、電磁ホルダ10の磁力にて吸着できる材質で、図5の分解図に示すように、上部11aは電磁ホルダ10による吸着がしやすいように上面が平坦な円形、中間部(鍔部)11bは、角パイプであるケーブル用配管19の方形な下端と合同な方形、下部11cは、地中への挿入がしやすいように先端に向かって先鋭となる円錐形又は角錐形になっていて、円形の開口部18aを有するとともに外郭が方形のヘッド接続用フランジ18を介して、ケーブル用配管19の下端に固定する。
【0030】
すなわち、ヘッド接続用フランジ18の上周縁を角パイプであるケーブル用配管19の下端に、溶接等により固着しておいてから、図6に示すように、このヘッド接続用フランジ18の開口部18aにヘッド11の円形上部11aを嵌合させ、ヘッド11の方形中間部11bの上面をヘッド接続用フランジ18の下面に当接させた状態で、ヘッド11をボルト20でヘッド接続用フランジ18に4箇所で緊締する。
【0031】
ヘッド11をこのようにヘッド接続用フランジ18に緊締すると、ケーブル用配管19の下端開口が閉じられるので、傾斜計1と電磁ホルダ10は、それ以前に、ヘッド11と一体化してからケーブル用配管19中にその下端開口から挿入してセットする。その際、電磁ホルダ接続用プレート12に等間隔で垂設された複数本(図では8本)の連結ロッド21の下端の小径突部21aを、ヘッド11の上部11aの上面に設けられた8個の連結穴11dに着脱自在に嵌合させる。このようにするのは、電磁ホルダ10によるヘッド11への吸着がたとえ不用意に解放されても、連結ロッド21によりヘッド11に対する傾斜計1の保持を補助的に維持するためである。
【0032】
また、ヘッド11と別体のヘッド接続用フランジ18を用いてこれをケーブル用配管19の下端に、先に溶接等により固着し、これを介してヘッド11をケーブル用配管19の下端に固定するのは、ヘッド11と電磁ホルダ10とを一体化してヘッド11をケーブル用配管19の下端に溶接すると、電磁ホルダ10内の磁石が熱で異常をきたすので、それを避けるためである。
【0033】
次に、このような傾斜計1、電磁ホルダ10、ヘッド11、ケーブル用配管19を用いて地中挿入体を傾斜測定しながら地中に挿入する施工例、具体的には中堀しながら鋼管矢板を打設(圧入)して行く手順について説明する。
【0034】
(1) 図7に示すように、打設しようとする鋼管22を地上において横置きし、その外周面に、これと同長の角パイプであるケーブル用配管19を平行に溶接する。
(2) 鋼管22と共に横置き状態となっているケーブル用配管19内にケーブル引き込み用ワイヤーを通す。
(3) 打設時に下端となるケーブル用配管19の先端に、ヘッド接続用フランジ18を溶接等により固着する。
(4) 傾斜計1の先端の電磁ホルダ接続用プレート12に緊締した電磁ホルダ10をその磁力によりヘッド11に吸着させる。同時に、8本の連結ロッド21の小径突部21aを、上記のようにヘッド11の8個の連結穴11dに着脱自在に嵌合させる。
(5) 引き抜き用ワイヤーと、電磁ホルダ10の電源ケーブルと、CCDカメラ3の信号ケーブルとを一束に一体化後、先に通してあるケーブル引き込み用ワイヤーの一端部に結びつけ、このケーブル引き込み用ワイヤーを用いてケーブル用配管19内に同時に通す。
(6) ヘッド11と一体化した傾斜計1及び電磁ホルダ10を、ヘッド接続用フランジ18の円形開口部18aを通じてケーブル用配管19内にセットし、ヘッド11を上記のようにヘッド接続用フランジ18に緊締する。
(7) 図8に示すように鋼管22を立ち上げて打設位置に設置する。符号23は束ねたケーブルを示す。
(8) CCDカメラ3から鉛直状態での初期画像をパソコンに取り込む(X軸、Y軸についてX0、Y0を決める)。
(9) CCDカメラ3からの画像を例えば打設1m間隔で取り込み、画像中心(Xn、Yn)を計測する。
(10) 1番目の鋼管の打設が進み、地上部に残りが少なくなった時点で次の継ぎ足し用鋼管を吊り上げる。
(11) 電源ケーブル及び信号ケーブルをパソコンから取り外し、図9(A)に示すように、継ぎ足し用鋼管に仮止めしてある鋼管内部の引き抜き用ワイヤー24の端部と結び、図9(B)に示すように、電源ケーブル及び信号ケーブルを継ぎ足し用鋼管に付設したケーブル用配管19内に通す。
(12) 鋼管同士を溶接し、ケーブル用配管19は防水処理をする。
(13) 再び鋼管を打設し、傾斜計1による計測を繰り返す。
(14) 計測終了後、電磁ホルダ用整流器によって電磁ホルダ10に電流を流し、その磁力をオフにしてヘッド11への吸着を解放してから、傾斜計1を電磁ホルダ10と共に引き抜き用ワイヤーにてケーブル用配管19から引き抜く。このとき、傾斜計11側の連結ロッド21もヘッド11の連結穴11dから抜出し、傾斜計11と共に引き上げられる。
【0035】
鋼管による構真柱の施工や鋼管矢板の建て込み工法の場合には、上記において(9)の所定長さ打設毎の計測工程を省いて(1)から(11)までの工程は同じように行うが、(12)からの工程を次のようにして行う。
【0036】
(12) 掘削孔内に鋼管を挿入し、鋼管頭部を仮固定する。
(13) この時点で初期画像位置からのずれがパソコン上で示されるので、ジャッキ等で鋼管の角度修正をする。
(14) 継ぎ足し用鋼管がある場合には、電源ケーブル及び信号ケーブルをパソコンから取り外し、継ぎ足し用鋼管に仮止めしてある鋼管内部の引き抜き用ケーブルの端部と結び、電源ケーブル及び信号ケーブルを継ぎ足し用鋼管に付設したケーブル用配管19内に通す。
(15) 鋼管同士を溶接し、ケーブル用配管19は防水処理をする。
(16) 溶接完了後、鋼管先端位置の傾斜角度と、地上部の継ぎ足し鋼管の鉛直部からのずれ(光波測距器などによって測定)から、溶接部(先端1本目)と地表露出部(2本目)の角度を計算する。
(17) 2本目を掘削孔内に挿入し、鋼管頭部を仮固定する。
(18) パソコンに示された鋼管先端位置の傾斜角と、継手部の角度より、先端位置のずれ量を計算できるので、ジャッキ等により修正を行う。3本目がある場合には、以上の工程を繰り返す。
(19) 鋼管固定後、モルタル注入、鋼管内の埋め戻しを行い、鋼管の挙動を随時計測した後、電磁ホルダ用整流器によって電磁ホルダ10に電流を流し、その磁力をオフにしてヘッド11への吸着を解放してから、傾斜計1を電磁ホルダ10と共に引き抜き用ワイヤーにてケーブル用配管19から引き抜く。
【0037】
本発明は、上記のように傾斜計で傾斜を測定しながら鋼管を垂直に地中挿入する工法に適用できるばかりでなく、パイプルール工法等のように鋼管を水平に地中挿入する工法において、鋼管の施工精度の向上のために傾斜計でその角度を計測する場合にも適用できる。
【0038】
すなわち、削孔後、孔内に鋼管を圧入していく工法において、鋼管の施工精度の確保が必要となる場合に、鋼管内部に傾斜計を電磁ホルダにて固定した後、鋼管先端部の傾斜状況を適宜把握しながら圧入する。その圧入後、電磁ホルダに電流を流して固定を解除してから、傾斜計を電磁ホルダと共に鋼管から引く抜く。この場合、鋼管先端が閉塞していれば、土塊が入り込む恐れがないため、傾斜計を保護する必要がない。従って、ケーブル用配管は不要であり、傾斜計を電磁ホルダにより鋼管内に直接固定する。
【0039】
浮き式傾斜計を用いる場合には、傾斜計を鋼管内に立てて設置することも可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、傾斜計に電磁ホルダを付設し、該電磁ホルダの磁力により傾斜計を地中挿入体に固定した状態で地中挿入体を地中に挿入し、挿入後、電磁ホルダの磁力による固定を解除してから、傾斜計を電磁ホルダと共に引き抜くので、地中挿入体に対する傾斜計の設置が容易であるとともに、地中挿入体の建て込み後に傾斜計を容易に回収することができ、しかも傾斜計による傾斜測定も安定して行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いる傾斜計の概要図である。
【図2】それにおける測定原理図である。
【図3】本発明の一実施形態の断面図である。
【図4】その要部の拡大断面図である。
【図5】要部の分解斜視図である。
【図6】同部分の斜視図である。
【図7】本発明による方法の手順を示し、打設しようとする鋼管を地上において横置きし、その外周面に角パイプであるケーブル用配管を溶接した状態の斜視図である。
【図8】ケーブル用配管からケーブルを引き出して鋼管を打設位置に立てた状態の斜視図である。
【図9】鋼管を継ぎ足す場合で、(A)はケーブルを継ぎ足し用鋼管のケーブル用配管内に挿通させる状態、(B)挿通後の状態を示す。
【符号の説明】
1 傾斜計
2 容器
3 CCDカメラ
4 液体
5 マーカー
6 細線
7 底蓋
7a 凸部
8 カメラホルダ
9 保護カバー
10 電磁ホルダ
10a ケース
11 ヘッド
11a 上部
11b 中間部
11c 下部
11d 連結穴
12 電磁ホルダ接続用プレート
12a 鍔部
12b 凹部
13 ネジ
14 ネジ孔
15 突起
16 孔
17 ネジ
18 ヘッド接続用フランジ
18a 開口部
19 ケーブル用配管
20 ボルト
21 連結ロッド
21a 小径突部
22 鋼管
23 ケーブル
24 引き抜き用ワイヤー
Claims (10)
- 鋼管等の地中挿入体に傾斜計を設置し、該傾斜計で傾斜を測定しながら地中挿入体を地中に挿入する工法において、
前記地中挿入体の外周にケーブル用配管を付設し、その先端内部に傾斜計を電磁ホルダにて固定するとともに、該ケーブル用配管中に傾斜計及び電磁ホルダへのケーブルを挿通させて地中挿入体を地中に挿入した後、電磁ホルダの磁力による固定を解除してから、傾斜計を電磁ホルダと共にケーブル用配管を通じて引き抜くことを特徴とする傾斜計設置回収方法。 - 地中挿入体を順次継ぎ足して地中に挿入する場合、各地中挿入体の外周にケーブル用配管を付設し、最先の地中挿入体のケーブル用配管の先端内部に傾斜計を電磁ホルダにて固定して、地中挿入体及びケーブル用配管をそれぞれ継ぎ足し、ケーブル用配管中に傾斜計及び電磁ホルダへのケーブルを挿通させて地中挿入体を地中に挿入した後、電磁ホルダの磁力による固定を解除してから、継ぎ足したケーブル用配管を通じて傾斜計を電磁ホルダと共に引き抜くことを特徴とする請求項1に記載の傾斜計設置回収方法。
- 最先の地中挿入体のケーブル用配管の先端に、その先端開口を閉じるヘッドを固定し、このヘッドに電磁ホルダを吸着させて、最先の地中挿入体のケーブル用配管の先端内部に傾斜計を固定することを特徴とする請求項2に記載の傾斜計設置回収方法。
- ケーブル用配管中に引き抜き用ワイヤーを挿通させ、該ワイヤーで傾斜計を電磁ホルダと共に引き抜くことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の傾斜計設置回収方法。
- ケーブル用配管中へのケーブルの挿通と電磁ホルダの磁力による傾斜計の固定は、地中挿入体をケーブル用配管と共に地上で横置き状態にして行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の傾斜計設置回収方法。
- 傾斜計と、該傾斜計の先端に付設する電磁ホルダと、地中に挿入される鋼管等の地中挿入体の外周に付設して、傾斜計及び電磁ホルダへのケーブルと引き抜き用ワイヤーとを挿通させるためのケーブル用配管と、該ケーブル用配管の先端に固定してその先端開口を閉じるヘッドとからなり、傾斜計を電磁ホルダと共にケーブル用配管の先端内部に設置し、該電磁ホルダの磁力にてヘッドに吸着させることにより、傾斜計をケーブル用配管の先端内部に固定できるとともに、電磁ホルダの磁力をオフにしてヘッドへの吸着を解除することにより、引き抜き用ワイヤーにて傾斜計を電磁ホルダと共に引き抜くことができるようになっていることを特徴とする傾斜計設置回収装置。
- ケーブル用配管の先端に固着してヘッドを固定するためのヘッド接続用フランジを備え、このヘッド接続用フランジは傾斜計を挿通させる開口を有することを特徴とする請求項6に記載の傾斜計設置回収装置。
- 傾斜計の先端に固定して電磁ホルダを取り付けるための電磁ホルダ接続用プレートと、この電磁ホルダ接続用プレートとヘッド接続用フランジとを電磁ホルダの周囲で着脱自在に連結する連結ロッドとを備えたことを特徴とする請求項7に記載の傾斜計設置回収装置。
- ケーブル用配管が角パイプ、ヘッドが先端に向かって先鋭となる錐形、ヘッド接続用フランジの外郭及び電磁ホルダ接続用プレートの外郭が方形であることを特徴とする請求項8に記載の傾斜計設置回収装置。
- 傾斜計が、容器の底部と細線で接続されて液体中を遊動するマーカーを固体撮像素子カメラで撮像し、その画像の移動量と前記細線の長さとから傾斜角を算出するものであることを特徴とする請求項6、7、8又は9に記載の傾斜計設置回収装置。
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