JP3856021B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents

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本発明は人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置に関し、特に、人体検知手段を備えた衛生洗浄装置に関するものである。
従来、便器の使用者が便座に腰掛けたことを検知する人体検知手段を備えた衛生洗浄装置があった(例えば、特許文献1参照)。
この従来の装置においては、図8および図9に示されているように、便座1は回動軸2を有し、回動軸2は、軸受け3で軸支されるとともに、この軸受け3の内部を上下に微動自在とされている。軸受け3は、裏板4の上に配設された上下二つ割式の固定ハウジング5と、この固定ハウジング5の内部においてこの固定ハウジング5に対して上下に微動するように設けられた下方の軸支部6とよりなる。下方の軸支部6と固定ハウジング5の底部との間には、軸支部6を下方に押圧する荷重を検知する感圧センサー7が設けられている。感圧センサー7は、導電性粒子を混入した加圧導電性ゴムよりなり、加圧力を加えると抵抗値がメグオーム単位からオーム単位まで急変するスイッチ素子7aと、スイッチ素子7aを挟持するリード線付き電極板7bと、リード線付き電極板7bを絶縁被覆する高弾性被覆層7cとよりなる構成になっている。
実開昭63−50980号公報
しかしながら、このような従来の衛生洗浄装置では、便座1に着座したときの荷重は回動軸2から軸支部6を介して感圧センサー7にかかるので、荷重に応じてスイッチ素子7aに無制限に押圧が加わり、電極板7bの距離が確保できなくなり、誤動作が生じる可能性があるという課題を有していた。
そこで本発明は、衛生洗浄装置の人体検知手段の電極間距離を確保し、誤動作が生じないようにする事を目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、着座の際の回動軸の下動によって作動される着座検知用のスイッチとしての扁平チューブ状スイッチの両端の中空部にそれぞれスペーサを挿入し、これらのスペーサの少なくとも一方を、スイッチ台に形成された突部で構成したものである。このスペーサにより、スイッチの電極間の距離が確保され、誤動作の可能性を非常に少なくすることができる。
本発明の衛生洗浄装置は、スイッチに挿入したスペーサにより、電極間の距離が確保され、誤動作の可能性を非常に少なくすることができる。
第1の発明は、回動軸を中心に回動自在な便座と、前記便座への着座の際の回動軸の下動によって作動される着座検知用のスイッチと、前記スイッチの下死点の手前で前記回動軸の下動を止める手段とを具備し、前記スイッチは、扁平チューブ状の絶縁性弾性体と、前記絶縁性弾性体の上下の内壁に対峙して設けられた一対の電極としての導電性弾性体と、前記導電性弾性体にインサートされた金属製のリード部とを有し、前記扁平チューブ状絶縁性弾性体の中空部の両端部にスペーサを挿入し、電極である前記導電性弾性体間に距離を確保し、前記スペーサの少なくとも一方を、スイッチ台に形成された突部で構成したものである。
これによれば、スペーサによってスイッチの電極間の距離が確保されるので、誤動作の可能性が非常に少なくなる。またスペーサの少なくとも一方を、スイッチ台に形成された突部で構成したことで、スイッチをスイッチ台に対して位置決めすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態の衛生洗浄装置の回動軸部分の縦断面図、図2は同衛生洗浄装置の回動軸部分の斜視図、図3は同衛生洗浄装置の全体斜視図、図4は同衛生洗浄装置の全体側面図、図5は図1における線X−Xに沿った同衛生洗浄装置の縦断面図、図6は図1における線Y−Yに沿った同衛生洗浄装置のスイッチオフ状態の縦断面図、図7は同衛生洗浄装置のスイッチオン状態を示す図6と同部分の縦断面図である。
図1〜図7において、便座11は、この便座11の両サイドに突設された円筒状の回動軸12が、衛生洗浄装置本体13における上下方向の長孔14に挿入されることで、この本体13に対し回動自在に取り付けられている。便座11および回動軸12は、ともにポリプロピレン樹脂で形成されている。図4に示すように、便座11における便座側の脚底面11aと便器上面15との間には、隙間15aが設けられている。
図5に示すように、本体13の内部における回動軸12の下方には、本体13を構成する本体ケース16の内壁から下向きに突設した2本のボス16aにビス止めされたスイッチ台17が配設されている。18は可動子で、コイルバネのような弾性体19で上方向に付勢されつつスイッチ台17に上下方向に摺動自在に取り付けられている。図5および図2に示すように、可動子18の上面は、回動軸12の外周に対する同接円形状に形成されて、回動軸12の軸方向に沿ってこの回動軸12から遠ざかる方向に伸設されている。18aはその伸設部である。
図1に示すように、スイッチ台17の上でスイッチ可動子伸設部18aとの間にはスイッチ20が配設されている。このスイッチ20は、偏平チューブ状のシリコンゴムなどの絶縁性高弾性体21と、この絶縁性高弾性体21の上下の内壁に対峙して設けられた導電性高弾性体22とを有し、伸設部18aと直交する水平方向に配置されている。導電性高弾性体22は、炭素などの導電性粒子を混入した一対の電極として構成されている。導電性高弾性体22には、その長手方向に銅などの導電性の高い金属性のリード線23がインサートされている。偏平チューブ状の絶縁性高弾性体21の内部には中空部20aが形成されており、一対の電極としての導電性高弾性体22は、常開状態で構成されている。
伸設部18aと直交する方向に配置されたスイッチ20の両サイドには、スイッチ台17から上向きに突設したストッパーとしてのリブ24がそれぞれ設けられている。このリブ24の高さは、スイッチ20の下死点である圧縮限界高さより高く、かつスイッチオン高さより低く設定されている。スイッチ可動子伸設部18aはスイッチ台17の外側まで伸設されており、その端面下部には水切用リブ18bが設けられている。
図6に示すように、スイッチ20の一方の端部は絶縁性高弾性体21と導電性高弾性体22が皮ムキされてリード部23が露出している。その露出リード部23aは、リード線34の素線部34aと咬められることによって電気的に結合されている。その咬め部25からスイッチ20の中空部20aにかけてスペーサ26が挿入されることで、導電性高弾性体22、22どうしの距離やリード線23、23どうしの距離を確保して、これら導電性高弾性体22、22どうしの接触やリード線23、23どうしの接触の防止が図られている。さらに、咬め部25とスペーサ26とスイッチ20の端部とにかけては、収縮チューブ27で覆われている。スイッチ20の他方の端部における中空部20aには、スイッチ台17から突設された突部28が、同様の機能を果たす目的で挿入されている。
次に作用を説明する。便座11に人が着座すると脚底面11aと便器上面15との隙間15aの分だけ便座11が下がり、これにつれて回動軸12が下がって、図6の状態から図7の状態となる。すなわち、可動子18がストッパーとしてのリブ24に当接するまで下動してスイッチ20の上面を押さえ、上下の電極としての導電性高弾性体22が接触してオン状態となる。このとき、スイッチ20の下死点の手前で可動子18の下動を止めるストッパーとしてのリブ24をスイッチ台17に有することにより、便座11に人が着座したときにスイッチ20に限界を越える力が加わることがなく、またその耐久性も保証することができる。そして人が立ち上がると、コイルバネ19によって可動子18が押し上げられ、スイッチ20の上下の電極としての導電性高弾性体22が離れて、オフ状態となる。
便座11はコイルバネ19によって上方向に付勢されているので、コイルバネ19のバネ定数を変えるだけで、スイッチオン重量(便座に加わるスイッチオン可能な最小重量)を調整できる。
スイッチ台17は本体ケース16の内壁から突設したボス16aに取り付けられているため、本体13に対するスイッチ台17の位置は、ボス16aの高さだけで決まる。このため、スイッチ20の動作位置のバラツキが少なく、その調節も容易にできる。
便座11の材料を回動軸12も含めポリプロピレン樹脂としたので、便座11や本体13を洗剤などで掃除した後に回動軸12に洗剤が残ったままで使用された場合に、便座11に着座したときの荷重の一部が回動軸12の根元に加わっても、この回動軸12が折れたりすることがない。
可動子18の上面は回動軸12に接する同接円形状に形成され、また可動子18は、回動軸12と接する部分から回動軸12の軸方向にスイッチ台17の外側まで伸設した可動子伸設部18aと、可動子伸設部18aの端面下部に形成された水切用リブ18bとを有するので、回動軸12を伝わって本体13内へ侵入した水は、可動子18の上面を伝わって端面下部の水切用リブ18bから滴下する。このため、スイッチ20などの電気部品や充電部が侵入水で濡れることがない。
スイッチ20は、扁平チューブ状の絶縁性高弾性体21と、絶縁性高弾性体21の上下の内壁に対峙して設けられた一対の電極としての導電性高弾性体22と、導電性高弾性体22の長手方向にインサートされた銅などの導電性の高い金属製のリード線23とを有することにより、便座11への着座によって扁平チューブ状の絶縁性高弾性体21が圧縮され、一対の導電性高弾性体22からなる電極が接触してオン状態となるので、オンの作動範囲が広く、また繰り返し圧縮に対する寿命も長い。
スイッチ20の両端部の中空部にスペーサ26、28を圧入し、一方のスペーサ28をスイッチ台17に配設された突部で構成したので、スペーサ26、28によってスイッチ20の電極間の距離が確保され、誤動作の可能性が非常に少なくなるとともに、スイッチ台17に対しての位置決めもできる。
本発明の実施の形態の衛生洗浄装置の回動軸部分の縦断面図 同衛生洗浄装置の回動軸部分の斜視図 同衛生洗浄装置の全体斜視図 同衛生洗浄装置の全体側面図 図1における線X−Xに沿った同衛生洗浄装置の縦断面図 図1における線Y−Yに沿った同衛生洗浄装置のスイッチオフ状態の縦断面図 同衛生洗浄装置のスイッチオン状態を示す図6と同部分の縦断面図 従来の衛生洗浄装置の分解斜視図 図8の衛生洗浄装置における軸受け部の縦断面図
符号の説明
11 便座
12 回動軸
17 スイッチ台
18 可動子
19 コイルバネ(弾性体)
20 スイッチ
24 リブ(ストッパー)

Claims (1)

  1. 回動軸を中心に回動自在な便座と、前記便座への着座の際の回動軸の下動によって作動される着座検知用のスイッチと、前記スイッチの下死点の手前で前記回動軸の下動を止める手段とを具備し、前記スイッチは、扁平チューブ状の絶縁性弾性体と、前記絶縁性弾性体の上下の内壁に対峙して設けられた一対の電極としての導電性弾性体と、前記導電性弾性体にインサートされた金属製のリード部とを有し、前記扁平チューブ状の絶縁性弾性体の中空部の両端部にスペーサを挿入し、電極である前記導電性弾性体間に距離を確保し、前記スペーサの少なくとも一方を、スイッチ台に形成された突部で構成した衛生洗浄装置。
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