JP3854145B2 - Wafer support member - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体や液晶基板などの製造工程において、半導体ウエハや液晶用ガラス基板などのウエハを保持し、かつ高周波を印加してプラズマを発生させる機能を有するセラミック製サセプタ、セラミック製静電チャック、セラミック製ヒーター等の如きウエハ支持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体や液晶基板などの製造工程のうち、半導体ウエハや液晶用ガラス基板などのウエハ上へ薄膜を形成するCVD等の成膜工程や、上記ウエハに微細加工を施すドライエッチング工程ではプラズマ発生機構を備えた装置が用いられており、プラズマを発生させる一対の電極のうち、一方の電極を板状セラミック体中に埋設し、板状セラミック体の表面をウエハを載せる載置面としたウエハ支持部材が用いられている。
【0003】
図3にプラズマを発生させる一方の電極としてウエハ支持部材を用いたプラズマ発生機構を備える装置の概略断面図を示すように、真空処理室39内に、筒状支持体37を介して設置されたウエハ支持部材31と、このウエハ支持部材31に対向配置されたプラズマ発生用電極38とを備えている。
【0004】
ウエハ支持部材31は、一対の内部電極33を有する板状セラミック体32の一方の主面をウエハWを載せる載置面34とするとともに、他方の主面側に上記内部電極33と電気的に接続される給電端子35を備えたもので、給電端子35に接続されたリード線36を筒状支持体37内より真空処理室39外へ取り出すようになっている。
【0005】
そして、ウエハ支持部材31の載置面34上にウエハWを載せた状態で、ウエハ支持部材31中の一対の内部電極33とプラズマ発生用電極38との間に高周波電力を供給して両者間にプラズマを発生させるとともに、真空処理室39内に成膜ガスやエッチングガスを供給することにより、ウエハWに対して成膜加工やエッチング加工を施すようになっていた。
【0006】
また、ウエハ支持部材31の板状セラミック体32中に静電吸着用電極やヒータ電極を埋設することにより、静電吸着機能や加熱機能を持たせたものもあった。
【0007】
ところで、ウエハ支持部材31中の内部電極33は、板状セラミック体32中に埋設してあることから、内部電極33へ通電するための給電端子35は、図4(a)に示すように、板状セラミック体32の他方の主面に内部電極33を貫通する凹部41を形成して凹部内壁面41aに内部電極33を露出させ、給電端子35の一部を凹部41中に挿入し、ロウ材層42を介して接合するか、あるいは図4(b)に示すように、板状セラミック体32の他方の主面側の凹部41中に給電端子35の一部を埋設することにより接合するようにしたものが提案されている。
【0008】
また、図4(a)(b)に示す手段にて給電端子35を板状セラミック体32に接合する場合、ロウ付け時の熱や使用時の熱サイクルによる板状セラミック体32の破損を防止するため、給電端子35には板状セラミック体32の熱膨張係数に近似したタングステンやモリブデンあるいはFe−Ni−Co合金により形成したものが用いられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、プラズマを発生させるためにウエハ支持部材31の給電端子35に高周波電力を印加すると、給電端子35が発熱するといった課題があった。
【0010】
即ち、高周波は給電端子35の表面を流れ易いのであるが、板状セラミック体32との熱膨張差を近似させるために使用したタングステンやモリブデンあるいはFe−Ni−Co合金等の給電端子35は高周波に対する抵抗が大きいために発熱し易いものであった。
【0011】
そして、給電端子35の発熱が発生すると、給電端子35の上方に位置する載置面34の温度が部分的に高くなるホットスポットが発生するため、載置面34上に載せたウエハWの温度も載置面34の温度分布に倣って部分的に高くなり、ウエハWの温度分布を均一にすることができず、その結果、成膜精度やエッチング精度に悪影響を与えるといった課題があった。
【0012】
また、給電端子35は筒状支持体37を介して大気に曝されているため、発熱すると酸化して抵抗値が大きくなり、所望のプラズマを発生させることができなくなることにより、均一でかつ均質な成膜加工やエッチング加工を施すことができなくなるといった恐れもあった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、内部電極を埋設したアルミナ質焼結体又は窒化アルミニウム質焼結体からなる板状セラミック体の一方の主面をウエハを載せる載置面とし、他方の主面側に備える凹部に、タングステン、モリブデン、タンタルのうちいずれか一種の金属又はFe−Ni−Co合金を主成分とする給電端子の一部を銀銅ロウ材層を介してロウ付け固定するとともに、上記内部電極と上記給電端子とを電気的に接続してなるウエハ支持部材において、上記給電端子の少なくとも突出部に、銀銅ロウ材からなる導体層を被着してなり、該導体層と上記銀銅ロウ材層と上記内部電極とを接続したことを特徴とする。
【0014】
特に、上記導体層の層厚みは10〜200μmとすることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は本発明のウエハ支持部材の一例を示す図で、(a)はその斜視図、(b)は(a)のX−X線断面図である。また図2(a)は図1に示すウエハ支持部材の給電構造の一例を示す部分拡大断面図である。
【0017】
このウエハ支持部材1は、円盤状をした板状セラミック体2の一方の主面を、ウエハWを載せる載置面4とし、板状セラミック体2中に高周波電力が印加される一対の内部電極3を埋設するとともに、板状セラミック体2の他方の主面側に上記各内部電極3と電気的に接続される給電端子5を備えたものである。
【0018】
板状セラミック体2を形成する材質としては、アルミナ質焼結体、窒化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化硼素質焼結体、チタン酸バリウム質焼結体、チタン酸カルシウム質焼結体、イットリウム−アルミニウム−ガーネット質焼結体、イットリア質焼結体等のセラミック焼結体を用いることができ、これらの中でもハロゲン系の腐食性ガスに対する耐食性の点でアルミナ質焼結体又は窒化アルミニウム質焼結体を用いることが好ましく、さらに載置面4に保持したウエハWがプラズマガスから受ける熱を速やかに外部に逃がし、ウエハWの温度分布を均一にする観点から高熱伝導率を有する窒化アルミニウム質焼結体を用いることが望ましい。
【0019】
また、板状セラミック体2中に埋設する内部電極3としては、熱膨張差により発生する応力によって板状セラミック体2にクラックが発生したり、破損することを防止するため、板状セラミック体2との熱膨張差ができるだけ近似した材料を用いることが良く、例えば、タングステン、モリブデン、タンタルのうちいずれか一種の金属又はこれらの合金を用いることが好ましい。
【0020】
また、給電端子5は、図2(a)に示すように、板状セラミック体2の他方の主面に、各内部電極3を貫通するように穿孔した凹部14内にロウ材層15を介してロウ付けすることにより接合してあり、凹部内壁面14aに露出する内部電極3と給電端子5とをロウ材層15を介して電気的に接続してある。
【0021】
具体的には、板状セラミック体2の他方の主面に内部電極3を貫通して凹部14を穿設し、凹部内壁面14aに内部電極3を露出させるとともに、この内部電極3を含む凹部内壁面14aにメタライズ層16を形成する。メタライズ層16の厚みは数十μm程度あれば良い。
【0022】
そして、上記凹部内壁面14aにロウ材を塗布しつつ給電端子5を挿入し、所定の高温雰囲気で加熱することでロウ付け固定してある。
【0023】
ただし、ロウ付け固定等のように給電端子5に熱が作用する場合、板状セラミック体2との間に大きな熱膨張差があると、その間に発生する熱応力によって板状セラミック体2にクラックが発生したり、破損する。また、大気中で加熱されると、酸化し易い材料であると抵抗値が大きくなり、高周波電力が流れ難くなる。
その為、給電端子5は、前述した板状セラミック体2との熱膨張差が近似し、かつ高い耐熱性を有する材質、特に500℃程度の高温下でも耐熱性に優れる材質により形成することが好ましく、例えば、タングステン、モリブデン、タンタルのうちいずれか一種の金属又はFe−Ni−Co合金を用いることができる。
【0024】
これらの金属又は合金は熱膨張係数が3〜7×10-6/℃と、前述した板状セラミック体2を形成するセラミック焼結体の熱膨張係数(3〜7.8×10-6/℃)と近似させることができるため、板状セラミック体2の破損を効果的に防止することができる。
【0025】
さらに、給電端子5を形成する材質として、タングステン、モリブデン、タンタルのうちいずれか一種の金属又はFe−Ni−Co合金を主成分とし、板状セラミック体2との熱膨張差が2×10-7/℃以下である焼結合金を用いることもでき、このような焼結合金を用いる場合、副成分として耐酸化性を増強させる作用を有するCrやCoを含有したものを用いることが好ましい。
【0026】
さらに、本発明のウエハ支持部材1は、給電端子5の少なくとも突出部5aに、銀銅ロウ材からなる導体層6を被着してある。
【0027】
その為、本発明のウエハ支持部材1を図3に示すプラズマ発生機構を有する装置の一方の電極として組み込み、プラズマ発生用電極38との間に例えば13.56MHz、1kWの高周波電力を印加すれば、給電端子5の発熱を抑えることができるため、給電端子5の酸化を防いで抵抗値が大きくなることを防止し、均一なプラズマを長期間にわたって発生させることができる。
【0028】
また、給電端子5の発熱を抑えることができるため、給電端子5の上方に位置する載置面4の温度が部分的に高くなるホットスポットの発生を防ぐことができるため、載置面4の温度分布を±5℃以下に抑えることができ、ウエハWの温度分布を載置面4の温度分布に倣って均一にすることができる。
【0029】
その結果、本発明のウエハ支持部材1を用いれば、ウエハWへ均質でかつ均一な薄膜を被着したり、微細加工を施すことができ、成膜精度やエッチング精度を向上させることができる。
【0030】
即ち、均質な導体に高周波電流を流すと、導体表面の電流密度(δ)が大きくなり、その大きさ(δ)は数1で示される。
(数1) 導体表面の電流密度δ=(2/ωσμ)1/2但し、ω=2πf(f:周波数)、σ:導電率、μ:透磁率
そして、高周波をスムーズに流すためには導体の導電率ができるだけ小さい方が良いのであるが、例えば、給電端子5を形成するタングステン、モリブデン、タンタル、Fe−Ni−Co合金(コバール)、Fe−Ni−Co−Cr合金(Fe:55重量%、Ni:28重量%、Co:16重量%、Cr:1重量%)は、その体積固有抵抗値が銀の体積固有抵抗値のそれぞれ3.4倍、3.6倍、8.5倍、30倍、31倍と大きく、給電端子5の抵抗が大きくなるため、高周波電流を流すと給電端子5が発熱するのであるが、本発明のウエハ支持部材1は、給電端子5の突出部5aの表面に、給電端子5を形成する材質よりも抵抗値が小さく、かつ高周波に対する抵抗の小さな、銀、銅のいずれか一種の金属又はこれらの合金あるいはこれらの金属を主体とするロウ材からなる導体層6を被着してあることから、給電端子5に高周波電力を印加すれば、給電端子5表面に被着した導体層6に高周波電流が流れ易くなり、また導体層6は上述したように抵抗値が小さく電流密度(δ)を大きくすることができるため、高周波電流をスムーズに流すことができる。
【0031】
ただし、銀銅ロウ材を用いる場合、上述した効果を奏するためには、電気抵抗が0.5mΩ・m以下であるものを用いることが好ましい。なお、主成分以外の副成分としてはZn、Cd、Siを用いることができる。
【0032】
そして、図2(a)に示す給電構造によれば、板状セラミック体2の凹部14に挿入する給電端子5の挿入部5b周囲には、板状セラミック体2と接合するための電気抵抗の小さなロウ材層15を設けてあることから、導体層6を流れた高周波はロウ材層15を流れ、内部電極3に供給することができる。
【0033】
その結果、給電端子5に供給された高周波電流は内部電極へ大きな抵抗を受けることなくスムーズに流すことができるため、給電端子5の発熱を大幅に低減することができる。
【0034】
ただし、給電端子5の発熱をできるだけ抑えるためには高周波電流が導体層6中を流れ易くすることが重要であり、そのためには導体層6の層厚みTを1μm以上、好ましくは3μm以上、望ましくは10μm以上とすることが良く、実用的な範囲である200μm以下の範囲で形成すれば良い。
【0035】
なお、導体層6の形成手段としては、銀銅ロウ材を塗布し焼き付けしたものを用いることができ、できるだけ緻密なものを用いることが好ましい。
【0036】
次に、本発明の他の実施形態を図2(b)を基に説明する。
【0037】
図2(b)に示す給電構造は、ホットプレス等によって板状セラミック体2を製作する際に、板状セラミック体2の他方の主面側の凹部14内に給電端子5の一部を埋設したもので、給電端子5の埋設部5cの表面積を、給電端子5の突出部5aの表面積より大きくしてある。なお、内部電極3と給電端子5とは導線を介して電気的に接続してある。
【0038】
さらに、給電端子5の突出部5aの表面に、銀銅ロウ材からなる導体層6を1μm以上の層厚みTで被着したものである。
【0039】
この給電構造においても、給電端子5に高周波電力を印加すれば、給電端子5表面に被着した導体層6に高周波電流が流れ易くなり、また導体層6は上述したように抵抗値が小さく電流密度(δ)を大きくすることができるため、高周波電流をスムーズに流すことができる。
【0040】
さらに、給電端子5の埋設部5cは、その表面積を突出部5aの表面積より大きくして突出部5aより抵抗値を小さくして高周波が流れ易くしてあることから、導体層6を流れた高周波は給電端子5の埋設部5cをスムーズに流れて内部電極3へ供給することができる。
【0041】
即ち、図2(b)に示す給電構造においても給電端子5に供給された高周波電流を内部電極3へ大きな抵抗を受けることなくスムーズに流すことができるため、給電端子5の発熱を大幅に低減することができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明はこれらの実施形態だけに限定されるものではなく、例えば、図2(a)(b)では、給電端子5の突出部5aの表面にのみ導体層6を設けた例を示したが、給電端子5の全体を導体層6で被覆したものでも構わない。
【0043】
また、図1では高周波電力を印加する内部電極3のみを備えたウエハ支持部材1を示したが、板状セラミック体2中に静電吸着用電極を埋設し、この静電吸着用電極とウエハWとの間に通電して静電吸着力を発生させることによりウエハWを載置面3に強制的に吸着させるようにしたり、あるいは板状セラミック体2中に加熱用電極を埋設し、この加熱用電極を発熱させてウエハ支持部材1を加熱することにより、載置面4上のウエハWを各種加工温度に加熱するようにしても構わない。
【0044】
さらには、板状セラミック体2中の内部電極3に高周波電力とともに、直流電圧を印加し、プラズマ発生用としての内部電極3に静電吸着用電極として機能を持たせるようにしたものでも構わない。
【0045】
このように、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で改良や変更したものにも適用できることは言う迄もない。
【0046】
【実施例】
(実施例1)
ここで、図2(a)に示す給電構造を有する本発明のウエハ支持部材1と、図4(a)に示す給電構造を有する従来のウエハ支持部材31をそれぞれ試作し、各ウエハ支持部材1,31の内部電極3,33に高周波電力を印加した時の給電端子5,35の発熱具合について調べる実験を行った。
【0047】
本実験で使用するウエハ支持部材1,31は、まず、平均粒子径が1.2μm程度である純度99.0%のAlN粉末にバインダーと溶媒のみを添加混合して泥漿を製作し、ドクターブレード法により厚さ0.4mm程度のグリーンシートを複数枚成形した。このうち2枚のグリーンシートにAlN粉末を混ぜたタングステン(W)のペーストをスクリーン印刷機でもって敷設して電極をなす金属ペースト膜を印刷した。そして、各金属ペースト膜を敷設したグリーンシートと残りのグリーンシートを積層して80℃、4.9MPaの圧力で熱圧着してグリーンシート積層体を形成した後、切削加工を施して円板状とし、円板状のグリーンシート積層体を真空脱脂し、しかる後、真空雰囲気にて2000℃程度の温度で5時間焼成して、外径200mm、板厚10mmで、かつ内部に膜厚15μm程度の内部電極3,33を埋設したセラミック体2,32を製作し、内部電極3,33が埋設されている側の板状セラミック体2,32の表面に研磨加工を施してウエハWを載せる載置面4,34を形成した。
【0048】
また、板状セラミック体2,32の載置面4,34と反対側の表面に、内部電極3,33を貫通する凹部14,41を穿設し、凹部内壁面14a,41aにメタライズ層16を形成した後、モリブデンからなる給電端子5,35をロウ付け固定することによりウエハ支持部材1,31を製作した。
【0049】
また、本発明のウエハ支持部材1においては、給電端子5の突出部5aの表面に別途銀銅ロウ材を塗布した後、焼き付けることにより層厚みTが20μmの導体層6を被着した。
【0050】
なお、給電端子5,35の寸法はいずれも外径8mmの円柱状をしたものを使用した。また、メタライズ層16を構成する金属には、銀、銅、チタンの合金を、ロウ材には銅と銀を重量比で8:2の割合で含有してなる銀銅ロウを使用し、それぞれ900℃の温度でロウ付け固定した。
【0051】
そして、これらのウエハ支持部材1,31を図3に示すプラズマ発生機構を有する装置の真空処理室39内に設置し、載置面4,34にウエハWを載せて給電端子5,35間に500Vの直流電圧を加えることにより静電吸着力を発生させてウエハWを載置面4,34に吸着させるとともに、真空処理室39に備えるプラズマ発生用電極38とウエハ支持部材1,31の給電端子5,35との間に、13.56MHz、2kWの高周波電力を3分間印加した後のウエハWの温度分布を測定し、ウエハの温度分布が±5℃未満であるものについては大きなホットスポットはないとし良好と判断した。
【0052】
この結果、従来のウエハ支持部材31は給電端子35が発熱し、また、この発熱によって給電端子35の上方に位置するウエハWの温度が部分的に高くなり、ウエハWの温度分布が±8℃と、±5℃を越え悪かったのに対し、本発明のウエハ支持部材1は、給電端子5の発熱が殆どないため、載置面4上にウエハWの温度に悪影響を与えるようなことがなく、その結果、ウエハWの温度分布を±5℃以内とほぼ均一に保つことができ優れていた。
【0053】
(実施例2)
次に、本発明のウエハ支持部材1における導体層6の層厚みTを異ならせ、実施例1と同様にウエハWの温度分布を測定する実験を行った。
【0054】
結果は表1に示す通りである。なお、ウエハWの面内の温度分布が±5℃以上のものをウエハの温度分布が悪いとし、「×」として示し、±5℃未満であるものを良好とし、そのうち±5℃未満、±3℃以上であるものを△、±3℃未満、±1℃以上であるものを○、±1℃未満であるものを◎で表示した。
【0055】
それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0056】
【表1】
【0057】
この結果、導体層6の層厚みTを1μm以上とすることにより給電端子5の発熱を抑え、ウエハWの温度バラツキを±5℃未満とすることができた。
【0058】
この結果、給電端子5の発熱を抑えるためには、導体層6の層厚みTを1μm以上とすれば良いことが判る。特に、導体層6の層厚みTを3μm以上とすれば、給電端子5の発熱をさらに抑え、ウエハWの温度バラツキを±3℃未満とすることができ、さらに導体層6の層厚みTを10μm以上とすることにより、給電端子5の発熱をさらに抑え、ウエハWの温度バラツキを±1℃未満とすることができ、優れていた。
【0059】
(実施例3)
次に、給電端子5の導体層6の層厚みTを2μmに固定し、導体層6の材質を異ならせてウエハ支持部材1を製作し、このウエハ支持部材1の給電端子5と高周波印加用電極38との間に、13.56MHz、2kWの高周波電力を印加し、この高周波電力の供給と停止をそれぞれ5分単位で行う通電サイクル試験を実施した。そして、この通電サイクル試験を1万回繰り返した後のウェハWの温度分布を測定し、ウェハWの面内の温度分布が±5℃以上であるものはウェハWの温度分布が悪いため不良とし、±5℃未満のものを良好として評価した。
【0060】
それぞれの結果は表2に示す通りである。
【0061】
【表2】
【0062】
この結果、導体層6に、銀、銅の金属又はこれらの金属を主成分とするロウ材を用いれば、1万回の通電後でも給電端子5の発熱を生じることがなく、ウエハWの温度分布も均一であり、長期間にわたってウエハ支持部材1を安定して使用できた。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、内部電極を埋設したアルミナ質焼結体又は窒化アルミニウム質焼結体からなる板状セラミック体の一方の主面をウエハを載せる載置面とし、他方の主面側に備える凹部に、タングステン、モリブデン、タンタルのうちいずれか一種の金属又はFe−Ni−Co合金を主成分とする給電端子の一部を銀銅ロウ材層を介してロウ付け固定するとともに、上記内部電極と上記給電端子とを電気的に接続してなるウエハ支持部材において、上記給電端子の少なくとも突出部に、銀銅ロウ材からなる導体層を被着して、該導体層と上記銀銅ロウ材層と上記内部電極とを接続したことによって、給電端子に高周波電力を印加しても給電端子の発熱を抑えることができ、酸化を防止して抵抗値の増大を防止することができるとともに、給電端子の上方に位置する載置面にホットスポットを発生させることがないため、載置面の温度分布を±5℃以下に均熱化することができる。
【0064】
特に、上記導体層の層厚みを1μmとすることで給電端子の発熱をより効果的に防止することができる。
【0065】
その為、本発明のウエハ支持部材を用いれば、他方のプラズマ発生用電極との間で均一なプラズマを発生させることができるとともに、ウエハの温度分布を均一に保つことができるため、成膜ガスやエッチングガスを供給すればウエハに対して精度の高い成膜加工やエッチング加工を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハ支持部材の一例を示す図で、(a)はその斜視図、(b)は(a)のX−X線断面図である。
【図2】(a)は図1に示すウエハ支持部材の給電構造の一例を示す部分拡大断面図であり、(b)は図1に示すウエハ支持部材の給電構造の他の例を示す部分拡大断面図である。
【図3】一般的なプラズマ発生機構を有する装置を示す概略断面図である。
【図4】(a)は従来のウエハ支持部材の給電構造の一例を示す部分拡大断面図であり、
(b)は従来のウエハ支持部材の給電構造の他の例を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1,31…ウエハ支持部材
2,32…板状セラミック体
3,33…内部電極
4,34…載置面
5,35…給電端子
5a…給電端子の突出部
5b…給電端子の挿入部
5c…給電端子の埋設部
6…導体層
14,41…凹部
14a,42…凹部内壁面
15,43…ロウ材層
16…メタライズ層
36…リード線
37…筒状支持体
38…プラズマ発生用電極
39…真空処理室
W…半導体ウエハ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a ceramic susceptor and a ceramic electrostatic chuck having functions of holding a wafer such as a semiconductor wafer or a glass substrate for liquid crystal and generating a plasma by applying a high frequency in a manufacturing process of a semiconductor or a liquid crystal substrate. Further, the present invention relates to a wafer support member such as a ceramic heater.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, of the manufacturing processes for semiconductors and liquid crystal substrates, plasma is generated in film forming processes such as CVD for forming thin films on wafers such as semiconductor wafers and glass substrates for liquid crystals, and in dry etching processes for microfabrication of the wafers. An apparatus having a mechanism is used, and one of a pair of electrodes for generating plasma is embedded in a plate-like ceramic body, and the surface of the plate-like ceramic body is used as a mounting surface on which the wafer is placed A support member is used.
[0003]
As shown in FIG. 3 which is a schematic cross-sectional view of an apparatus having a plasma generation mechanism using a wafer support member as one electrode for generating plasma, it is installed in a
[0004]
The
[0005]
Then, in a state where the wafer W is placed on the
[0006]
In some cases, an electrostatic chucking electrode or a heater electrode is embedded in the plate-like
[0007]
Incidentally, since the
[0008]
4A and 4B, when the
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, when high frequency power is applied to the
[0010]
That is, the high frequency tends to flow on the surface of the
[0011]
When the heat generation of the
[0012]
In addition, since the
[0013]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, in view of the above problems, the present invention has one main surface of a plate-like ceramic body made of an alumina sintered body or an aluminum nitride sintered body with embedded internal electrodes as a mounting surface on which a wafer is placed, and the other main surface. In addition to brazing and fixing a part of the power supply terminal mainly composed of any one metal of tungsten, molybdenum, and tantalum or Fe-Ni-Co alloy to the concave portion provided on the surface side through a silver-copper brazing material layer in the wafer support member formed by electrically connecting the internal electrode and the feeding terminal, at least the projecting portion of the feeding terminal, a conductor layer made of silver copper brazing material becomes by adhering a conductor layer The silver-copper brazing material layer and the internal electrode are connected .
[0014]
In particular, the thickness of the conductor layer is preferably 10 to 200 μm.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described.
[0016]
1A and 1B are views showing an example of a wafer support member of the present invention. FIG. 1A is a perspective view thereof, and FIG. 1B is a sectional view taken along line XX of FIG. FIG. 2A is a partially enlarged sectional view showing an example of the power supply structure of the wafer support member shown in FIG.
[0017]
In this
[0018]
The material for forming the plate-like
[0019]
In addition, as the
[0020]
Further, as shown in FIG. 2A, the
[0021]
Specifically, the other main surface of the plate-like
[0022]
The feeding
[0023]
However, when heat acts on the
For this reason, the
[0024]
These metals or alloys have a thermal expansion coefficient of 3 to 7 × 10 −6 / ° C., and the thermal expansion coefficient of the ceramic sintered body forming the plate-like ceramic body 2 (3 to 7.8 × 10 −6 / (° C.), it is possible to effectively prevent the plate-like
[0025]
Furthermore, as a material for forming the
[0026]
Further, the
[0027]
Therefore, if the
[0028]
Moreover, since the heat generation of the
[0029]
As a result, if the
[0030]
That is, when a high-frequency current is passed through a homogeneous conductor, the current density (δ) on the surface of the conductor increases, and the magnitude (δ) is expressed by
(Equation 1) Current density on the conductor surface δ = (2 / ωσμ) 1/2 where ω = 2πf (f: frequency), σ: conductivity, μ: permeability, and a conductor for smoothly flowing a high frequency. Is preferably as low as possible. For example, tungsten, molybdenum, tantalum, Fe—Ni—Co alloy (Kovar), Fe—Ni—Co—Cr alloy (Fe: 55 wt. %, Ni: 28% by weight, Co: 16% by weight, Cr: 1% by weight), the volume resistivity value is 3.4 times, 3.6 times, 8.5 times the volume resistivity value of silver, respectively. , 30 times and 31 times, and the resistance of the
[0031]
However, when using a silver copper brazing material, in order to achieve the effect described above, it is preferable to use the electrical resistance is less than 0.5mΩ · m. In addition, Zn, Cd, and Si can be used as subcomponents other than the main component.
[0032]
And according to the electric power feeding structure shown to Fig.2 (a), the electrical resistance for joining with the plate-shaped
[0033]
As a result, since the high-frequency current supplied to the
[0034]
However, in order to suppress the heat generation of the
[0035]
In addition, as a formation means of the conductor layer 6, what apply | coated and baked the silver-copper brazing material can be used, and it is preferable to use a dense thing as much as possible.
[0036]
Next, another embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
[0037]
In the power feeding structure shown in FIG. 2B, when the plate-shaped
[0038]
Further, the surface of the projecting portion 5a of the feeding
[0039]
Also in this power supply structure, if high frequency power is applied to the
[0040]
Furthermore, since the buried
[0041]
That is, in the power supply structure shown in FIG. 2B, the high-frequency current supplied to the
[0042]
As mentioned above, although embodiment of this invention was shown, this invention is not limited only to these embodiment, For example, in Fig.2 (a) (b), it is on the surface of the protrusion part 5a of the electric
[0043]
Further, FIG. 1 shows the
[0044]
Further, a high-frequency power and a DC voltage may be applied to the
[0045]
Thus, it goes without saying that the present invention can be applied to improvements and changes made without departing from the scope of the invention.
[0046]
【Example】
Example 1
Here, the
[0047]
For the
[0048]
Further, recesses 14 and 41 penetrating the
[0049]
Further, in the
[0050]
In addition, as for the dimension of the electric
[0051]
Then, these c d c
[0052]
As a result, conventional
[0053]
(Example 2)
Next, an experiment for measuring the temperature distribution of the wafer W in the same manner as in Example 1 was performed by changing the layer thickness T of the conductor layer 6 in the
[0054]
The results are as shown in Table 1. Incidentally, the temperature distribution in the surface of the c d wafer W is not less than ± 5 ℃ the temperature distribution of c d c is poor, indicated as "×", and good ones is less than ± 5 ℃, of which ± 5 Less than ± 3 ° C. and less than ± 3 ° C., Δ less than ± 3 ° C., more than ± 1 ° C. and less than ± 1 ° C. are marked with ◎.
[0055]
Each result is as shown in Table 1.
[0056]
[Table 1]
[0057]
As a result, suppressing heat generation of the
[0058]
As a result, it can be understood that the layer thickness T of the conductor layer 6 may be 1 μm or more in order to suppress the heat generation of the
[0059]
Example 3
Next, the thickness T of the conductor layer 6 of the
[0060]
Each result is as shown in Table 2.
[0061]
[Table 2]
[0062]
As a result, the conductor layer 6, a silver, by using a brazing material containing copper as a main component of metal or these metals, 10,000 times without causing the heat generation of the
[0063]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, one main surface of a plate-like ceramic body made of an alumina sintered body or an aluminum nitride sintered body in which an internal electrode is embedded is used as a mounting surface on which a wafer is placed, A part of the power supply terminal mainly composed of any one metal of tungsten, molybdenum, and tantalum or Fe—Ni—Co alloy is brazed and fixed to the concave portion provided on the main surface side through a silver-copper brazing material layer. together, the wafer support member formed by electrically connecting the internal electrode and the feeding terminal, at least the projecting portion of the feeding terminal, a conductor layer made of silver copper brazing material was deposited, and the conductor layer By connecting the silver and copper brazing material layer and the internal electrode , heat generation of the power supply terminal can be suppressed even when high frequency power is applied to the power supply terminal, and oxidation is prevented and increase in resistance value is prevented. be able to Together, there is no possible to generate a hot spot on the mounting surface is located above the feeding terminal, it is possible to soak the temperature distribution of the mounting face to ± 5 ℃ or less.
[0064]
In particular, heat generation of the power feeding terminal can be more effectively prevented by setting the thickness of the conductor layer to 1 μm.
[0065]
Therefore, if the wafer support member of the present invention is used, uniform plasma can be generated between the other plasma generating electrode and the temperature distribution of the wafer can be kept uniform. If an etching gas is supplied, highly accurate film formation and etching can be performed on the wafer.
[Brief description of the drawings]
1A and 1B are views showing an example of a wafer support member of the present invention, in which FIG. 1A is a perspective view thereof, and FIG. 1B is a sectional view taken along line XX of FIG.
2A is a partial enlarged cross-sectional view showing an example of the power supply structure for the wafer support member shown in FIG. 1, and FIG. 2B is a part showing another example of the power supply structure for the wafer support member shown in FIG. It is an expanded sectional view.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing an apparatus having a general plasma generation mechanism.
FIG. 4A is a partially enlarged sectional view showing an example of a conventional power supply structure for a wafer support member;
(B) is a partial expanded sectional view which shows the other example of the electric power feeding structure of the conventional wafer support member.
[Explanation of symbols]
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