JP3853731B2 - フォトマスクのパターン補正方法およびそれにより補正されたフォトマスク - Google Patents

フォトマスクのパターン補正方法およびそれにより補正されたフォトマスク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置製造プロセスの一つであるリグラフィ工程において半導体素子等のパターン露光により所望のフォトレジストパターンを形成するために用いられるフォトマスクのパターン補正方法およびそれにより補正されたフォトマスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造プロセスである一つのリソグラフィ工程においては、可視光線、紫外線、電子線等の各種エネルギー線を、所望のパターンを有するフォトマスクを通して被露光体に照射し、該被露光体を露光することにより、所望のパターンを被露光体上に転写することが行なわれている。
【0003】
近年、半導体素子の微細化および高集積化が進むにつれ、リソグラフィ技術においては、最小描画寸法を0.1μm以下にすることを目指し、露光波長と同程度或いはそれ以下の加工寸法での超解像リソグラフィ技術の実用化が進められている。
【0004】
パターン露光の解像度の実用限界は各種要因によって定まるが、近年のパターンの微細化により、光近接効果が、解像限界を支配する大きな要因の一つとなっている。近接効果とは、あるパターンに対して、それに近接するパターンからの光などの照射エネルギーの干渉効果が問題となることを言い、これには同一パターン内での干渉による転写パターンの変形も含まれる。
【0005】
従来のリソグラフィ工程においては、転写パターンのサイズが照射光の波長と比べて十分大きかったため、近接効果が問題となるには至らなかったが、超解像リソグラフィ技術においては、この近接効果現象が大きな問題となっている。
【0006】
転写パターンのサイズが露光波長と同程度或いはそれ以下であると、近接効果現象やフォトレジスト現像時の端部後退及びパターン変形現象によってフォトマスクのパターンとフォトレジスト上に転写されたパターンとの間に線幅や形状の差異が生じる。
【0007】
このため、超解像フォトリソグラフィ技術においては、所望のパターンを有するフォトレジストを形成するために、光近接効果等による転写の際の変形を正確に見積もってフォトマスクのパターンを補正することが、重要な技術の一つとなっている。これは、相互作用の大きい電子線やその他の各種エネルギー線を用いたリソグラフィ技術においても同様である。
【0008】
これまでに、光近接効果を正確に見積もってフォトマスクのパターンを補正するためのさまざまな試みが行われており、例えば、特開平2−189913号公報には、フォトマスクパターンを補正して光近接効果に対応する方法が開示されている。
【0009】
これは、半導体素子のレベルでの改善例であるが、実際にはチップレベルでの広い領域(十数mm角程度)での補正が必要となる。
【0010】
チップレベル、ブロックレベルでの補正例としては、S. Miyama, K. Yamamoto,et al., “ Large area optical proximity correction with a combination of rule-based and simulation-based methods”, Jpn.J.Appl.Phys.Vol.35(1996/12) p.p.6370-6373 がある。この従来例の、近接効果に対する補正を行う手順を、図13のフローチャートと、図14および図15とを参照して説明する。これによれば、まず、図14に示すフォトマスクのパターンから投影像の光強度分布を求め、光近接効果に対する補正の対象となるクリティカルなエッジ(パターンの開口端或いは遮光端)を抽出する(S41・S42)。図14において、着色部分は遮光部分を示し、白抜き部分は開口部分を示す。また、図14においては、クリティカルなエッジを、太幅の破線で示している。次に、このクリティカルなエッジにおける補正量を評価するのに適切なあるポイントを補正ポイントに決め、この補正ポイントにおける1D(一次元)コンテキストを調べる(S43)。即ち、図14に示す矢印上の補正ポイント(例えば、図14に×印で示す補正ポイント)の2値判定を行い、開口部分を「0」、遮光部分を「1」で表したビットマップデータである1Dコンテキストを求める。そして、求めた1Dコンテキストが、予め準備されている図15に示す補正テーブルの中の1Dコンテキストと一致するかどうかを判別し(S44)、一致する場合は、補正テーブルを参照して補正量を定め、フォトマスクのパターンの該当する部分をこの補正量で補正する(S47)。尚、図15の破線は、補正ポイントを示している。一方、求めた1Dコンテキストと同じものが補正テーブル中に見つからない場合は、該1Dコンテキストに合った補正量をシミュレーションにて算出し(S45)、該1DコンテキストとS45で求めた補正量を、上記の補正テーブルに追加し、補正テーブルを更新する(S46)。次に、補正ポイントをクリティカルなエッジにおける補正量を評価するのに適切な他のポイントに変更し(S43)、更新した補正テーブルを参照して補正量を定め、上記と同様にフォトマスクのパターンの該当する部分をこの補正量で補正する(S47)。上記S43〜S47までの手順を、S42で抽出したエッジにおける全ての補正ポイントで補正が終了するまで繰り返し行い(S48)、全ての補正が終了したならば、処理を終了する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来例におけるフォトマスクのパターン補正方法では、投影像の光強度分布からコントラストや光強度勾配等を求め、目標とするパターン寸法に対してクリティカルなエッジを求め、フォトレジスト内の光近接効果に対する補正を行っている。
【0012】
即ち、上記従来例のパターン補正方法では、光近接効果に対する補正とともに、(ポジ型フォトレジストでは)フォトマスクの開口パターン密度が高い領域で発生するフォトレジスト現像時のフォトレジスト端部後退及びパターン変形や、フォトレジストの下地段差によるフォトレジストの線幅シフト等に関わるクリティカルなパターン領域を抽出して、これらフォトレジストの現像および下地段差に対する補正を行うことができない。
【0013】
その結果、フォトレジストの端部後退及びパターン変形や線幅シフトによって、フォトレジストのパターンが所望のパターンからずれる。つまり、上記従来例のパターン補正方法は、高精度の補正を行うことができないという問題点を有している。
【0014】
その上、上記従来例のパターン補正方法では、投影光光学像のシミュレーションと、フォトレジスト露光及び現像のシミュレーションによる計算及び補正テーブルの作成とを、補正が必要な全ての領域について行わなければならない。そのため、前もって多くの測定データが必要な上、正確な計算のためには多大な計算時間が必要となり、補正を高速に行うことができない。
【0015】
また、これら従来例のフォトマスクのパターン補正方法では、光近接効果を見積もるのに、必要以上に広い領域でシミュレーション及び評価を行わなければならない。そのため、作業および手間が必要以上にかかり、作業の効率化やフォトマスクパターン補正の自動化の妨げとなっていた。
【0016】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、フォトマスクのパターンを高精度かつ高速に補正できるフォトマスクのパターン補正方法およびそれにより補正されたフォトマスクを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のフォトマスクのパターン補正方法は、上記の課題を解決するために、
フォトマスク描画装置により加工されたフォトマスクを通してフォトレジストを露光装置により露光することにより設計寸法通りのフォトレジストパターンをウェハ上に形成するために用いられるフォトマスクのパターンを補正する方法であって、近接効果有効領域を求めるための所定値を露光装置の露光波長、開口数、およびコヒーレントファクターと、フォトマスク描画装置の最小描画寸法とに基づいて求め、フォトマスクのエッジからの距離が上記所定値以下である領域を光近接効果有効領域として決定し、該光近接効果有効領域で、各フォトマスクのパターンデータについて、フォトマスクの全領域をメッシュ領域に分割して、各メッシュ領域ごとに開口パターン密度を求め、上記フォトレジストがポジ型フォトレジストである場合には開口パターン密度が閾値以上である場合にのみ、上記フォトレジストがネガ型フォトレジストである場合には開口パターン密度が閾値以下である領域にのみ、フォトレジスト現像時の寸法シフトに対するパターン補正を行うことを特徴としている。
【0018】
上記方法によれば、微細なフォトマスクのパターニングにおいて問題となる光近接効果およびパターン密度に依存したフォトレジスト現像時の端部後退現象等、物理的および化学的な原因によるフォトマスクパターンの寸法ずれを効率良く正確に補正することができ、光近接効果補正を含むフォトマスクパターン補正技術の自動化を容易にすることができる。
【0019】
また、上記方法によれば、半導体製造工程のある工程に使用するフォトマスクの開口パターン密度を光近接効果有効領域で求め、開口パターン密度と閾値との比較に基づいてフォトレジスト現像時の寸法シフトに対する補正を行うか否かを決定し、上記フォトレジストがポジ型フォトレジストである場合には開口パターン密度が閾値以上である領域にのみ、上記フォトレジストがネガ型フォトレジストである場合には開口パターン密度が閾値以下である領域にのみ、フォトレジスト現像時の寸法シフトに対する補正を行う。これにより、フォトマスクパターン補正作業をさらに効率化でき、処理時間を短縮できる。
【0020】
本発明のフォトマスクのパターン補正方法は、上記の課題を解決するために、上記のフォトマスクのパターン補正方法において、上記閾値が、γ値を含むフォトレジストの露光感度特性より求めたものであることを特徴としている。
【0021】
ところで、γ値が十分大きければ、ある露光量でフォトレジストが現像されるため、光強度の閾値で現像後のフォトレジスト形状をほぼ求めることができる。しかし、γ値が小さい場合、露光量の大きさと勾配(分布)とに依存して現像後のフォトレジスト形状に寸法シフトが生じる。このため、γ値が小さいほど、フォトレジスト現像時の寸法シフトが起こる領域が大きくなる。
【0022】
そこで、上記の方法では、γ値を含むフォトレジストの露光感度特性より求めた閾値に基づいてフォトレジスト現像時の寸法シフトに対する補正を行う領域を決定している。これにより、フォトレジストの露光感度特性に係わらず、フォトマスクパターンを効率良く正確に補正することができる。
【0023】
本発明のフォトマスクは、上記のパターン補正方法によりパターン補正されたものであることを特徴としている。
【0024】
上記構成によれば、光近接効果およびパターン密度に依存したフォトレジスト現像時の端部後退現象等の寸法ずれが生じる場合でも設計寸法通りのフォトレジストパターンをウェハ上に形成することが可能なフォトマスクを提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1ないし図12に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0026】
尚、本明細書においては、フォトレジストの現像時の端部後退現象及びパターン変形に対する補正を、フォトレジスト端部現像補正、あるいは、単に現像補正と称する。また、本明細書においては、フォトレジストの下地における光学的段差(例えば、アルミニウム配線)による光近接効果に対する補正を下地段差補正と称する。さらに、本明細書においては、1枚のフォトレジスト内における図形間あるいは図形内の光近接効果に対する補正を、適宜、単に光近接効果補正と称する。
【0027】
まず、本発明にかかるフォトマスクのパターン補正装置について説明する。図4に示すように、本発明にかかるパターン補正装置1は、パターンデータ入力部2、パターン密度演算部3、現像補正領域抽出部4、現像補正部5、下地段差判定部6、下地段差補正領域抽出部(下地補正領域抽出部)7、下地段差補正部8、光近接効果補正部9、および誤差判定部10を備えている。
【0028】
次に、本発明にかかるフォトマスクのパターン補正方法について、図1、図2、図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0029】
本発明にかかるフォトマスクのパターン補正方法では、まず、半導体装置の製造工程に用いる全フォトマスクのパターンデータ(レイアウトデータ)をパターン補正装置1のパターンデータ入力部2に入力する(S1)。
【0030】
このパターンデータは、目標とするフォトレジストのパターンに対応するフォトマスクのパターンのレイアウトを表すデータである。また、このパターンデータは、チップレベルないしブロックレベルのパターンを表すデータである。さらに、このパターンデータは、フォトレジストの下地となるLSI(Large Scale Integrated Circuit)の構造や材質等を示す下地構造及び材質データも含んでいる。
【0031】
次に、パターンデータ入力部2に入力されたパターンデータは、光近接効果補正部9に送られる。光近接効果補正部9は、パターンデータに対してフォトレジスト内の光近接効果に対する補正を行い(S2)、補正後のパターンデータを下地段差判定部6および下地段差補正領域抽出部7へ出力する。
【0032】
次に、下地段差判定部6は、入力されたパターンデータに含まれる下地構造(階層構造)及び材質のデータを基にしてフォトレジストの下地構造及び材質を調べ、各フォトレジストにおける光学的下地段差(以下、単に下地段差と称する)の有無を調べる(S3)。つまり、そのフォトマスクによって形成しようとしているフォトレジストの1つ前の層のデータ、即ち、幾何的にフォトレジストの下層となる層の構造データを取り出し、図8の矢印で示すようなフォトレジストの線幅シフトを招く下地段差が存在するか否かを判定する。例えば、フォトレジストの下層がアルミニウム等の光反射率の高い材質である場合には、下地段差が存在すると判定される。
【0033】
尚、図8において、11はフォトマスク、11aはCr遮光部、11bは透光部、12はポジ型フォトレジスト、12aは露光部、12bは非露光部、13はアルミニウム線、14は酸化膜、15は空気層を表す。
【0034】
そして、下地段差判定部6によって下地段差が存在すると判定された場合には、下地段差補正領域抽出部7は、その判定結果に基づいて、パターンデータにおける各フォトマスクの全領域から下地段差による近接効果有効領域を下地段差補正の必要な領域として抽出する(S4)。一方、下地段差判定部6によって下地段差が存在しないと判定された場合には、下地段差補正領域抽出部7は、下地段差補正を行わずにパターンデータをそのままパターン密度演算部3および現像補正領域抽出部4へ送る。
【0035】
下地段差による近接効果有効領域は、光学的下地段差からの距離が所定値以下の領域、例えば、光学的下地段差からの水平パターン間距離が2λ/NA以下の領域として求められる。図8に示す例では、図8(a)に矢印で示す位置が、下地段差による近接効果が最大となる位置であり、破線で示す領域が、下地段差による近接効果が顕著な領域である。
【0036】
次いで、下地段差補正部8は、あらかじめ準備した付近の下地段差データから、近接する下地段差による近接効果有効領域内のフォトマスク寸法の補正量(シフト量)を、ルールまたはシミュレーションによって求め、近接効果有効領域のみに上記補正量で下地段差補正を行い(S5)、処理後のパターンデータをパターン密度演算部3および現像補正領域抽出部4へ送る。
【0037】
下地段差補正は、下地段差の影響で下地に近接するフォトレジストパターン端部の光の当たり方が下地のない部分と異なってしまうためにパターンの形状が歪む影響を、フォトマスクのパターンデータにフィードバックさせる形で補正を行うものである。
【0038】
下地段差補正は、例えば、次の手順で行われる。即ち、前もって異なる層(特に下層)からの光学的近接効果を見積もり、パターンを表すデータと下地段差に対する補正量との関係を下地段差補正のデータベース(テーブル)として作成しておく。データベースの内容の一例を、図9に示す。
【0039】
図9において、左側の0/1列は、下地段差補正が必要な領域を表すデータであり、「0」はX−Y座標における下地段差補正が不要な位置を表し、「1」はX−Y座標における下地段差補正が必要な位置を表す。また、図9における右側の数値(0.05)は、線幅シフト量(単位はμm)を示す。
【0040】
そして、まず、パターンデータにおける各フォトマスクのパターンが、データベースの中にあるかを判定し(S31)、データベースの中にある場合には、データベースに基づいて下地段差補正を行う(S32)。一方、パターンがデータベースの中にない場合には、下地段差を考慮した露光シミュレーションに基づく下地段差補正を行い(S33)、シミュレーション結果に基づいてデータベースの更新を行う(S34)。
【0041】
そして、パターン密度演算部3は、入力されたパターンデータにおける各フォトマスク(各層)の全領域の各開口パターン(または遮光パターン)を、矩形または三角形の多数のメッシュ領域に分割し、それらのメッシュ領域の1つを設定して(S6)、該メッシュ領域の周辺の開口パターン(または遮光パターン)密度を演算する(S7)。
【0042】
上記のメッシュ領域のサイズは、kλ/4NA角以下であることが望ましい。ここで、kはパラメータであり、例えば、あるプロセスでは0.4〜1.0に設定される。また、λは露光波長である。さらに、NAは、開口数であり、例えば、ある半導体装置では0.4〜0.7である。
【0043】
図5に示すSRAM(Static Random Access Memory) のゲート−ポリシリコンの目標パターンを形成しようとする場合には、図5の開口パターンが、例えば、図6に示すように0.0625μm角の矩形のメッシュ領域に分割される。尚、図5は、目標とするフォトレジストのパターンに対応する補正前のフォトマスクのパターンを表す図であり、着色部分は透光部(開口パターン)を示す。
【0044】
パターン密度演算部3における開口メッシュ領域の開口パターン密度Eenvの演算は、例えば、次式(1)
【0045】
【数1】
Figure 0003853731
【0046】
によって行われる。
【0047】
上記式(1)において、Ωは開口パターン密度計算領域、i(x* ,y* )は開口パターン密度計算領域Ω内の任意のメッシュ領域(x* ,y* )における光強度の値、Dsは開口パターン密度計算領域Ω内の全露光量、Δ(x,y)は開口メッシュ領域(x,y)の面積、r(x−x*,y−y* )は開口メッシュ領域(x,y)とメッシュ領域(x* ,y* )との間の距離である。また、開口パターン密度計算領域Ωは、開口メッシュ領域(x,y)から所定距離以内の範囲に設定される。
【0048】
尚、開口メッシュ領域の開口パターン密度Eenvの演算式として、式(1)の代わりに、次式(2)
【0049】
【数2】
Figure 0003853731
【0050】
を用いてもよいが、式(1)の方が、好ましい。
【0051】
上記式(2)において、Ωは開口パターン密度計算領域、i(x* ,y* )は、開口パターン密度計算領域Ω内の任意のメッシュ領域(x* ,y* )における光強度の値、Dsは開口パターン密度計算領域Ω内の全露光量、Δ(x,y)は開口メッシュ領域(x,y)の面積である。式(2)中のErf(x−x* ,y−y* )は、次式(3)
【0052】
【数3】
Figure 0003853731
【0053】
で表される誤差関数である。
【0054】
式(3)におけるrは、開口メッシュ領域(x,y)とメッシュ領域(x* ,y* )との間の距離であり、次式(4)
【0055】
【数4】
Figure 0003853731
【0056】
で表される。
【0057】
次いで、パターン密度演算部3で演算された開口メッシュ領域の開口パターン密度Eenvは、パターンデータとともに、現像補正領域抽出部4に入力される。現像補正領域抽出部4は、開口パターン密度Eenvと予め設定されているレジストの露光により得られる感度特性に依存した閾値αとを比較し(S8)、これらが次式(5)
Eenv≧α・・・(5)
を満たしているか否かを判定する(S9)。
【0058】
但し、閾値αは、常に特定の値に定められるのではなく、フォトマスクのパターンやフォトレジストの露光感度特性やプロセスによって適宜決定される値であり、実用上は段階的に値を変更することにより、フォトレジスト現像時の端部後退やパターン変形に対する評価レベルを調整することができる。
【0059】
そして、現像補正領域抽出部4は、開口メッシュ領域の開口パターン密度Eenvが式(5)を満たしている場合には、その開口メッシュ領域をフォトレジスト端部現像補正が必要な現像補正領域と判定し、現像補正部5に入力する。
【0060】
フォトレジスト端部現像補正が必要な領域は、同一層におけるライン(遮光部)端部や角部及びスペース(透光部)端部、及びコンタクト等の領域である。ポジ型レジストでは、Eenvが閾値α以上のライン端部の領域、例えば、パターンの端部が、パターンによる露光密度が高く現像時における線幅シフト量が顕著であるため、現像補正領域と判定される。例えば、図5に示す目標パターンでは(但し、レジスト残しの場合)、図7において破線の○印で囲んだゲート−ポリシリコンのL字長辺端部が、現像補正領域と判定される。また、αの値を下げれば、L字角部も現像補正領域と判定される。
【0061】
続いて、その開口メッシュ領域は、現像補正部5において、フォトレジスト露光・現像のシミュレーションやフォトレジスト露光・現像の実測値から得られたデータベース等を利用して、フォトレジスト端部現像補正がなされる(S10)。その後、開口メッシュ領域を補正された開口メッシュ領域に変更し(S6)、S7に戻る。
【0062】
フォトレジスト端部現像補正は、具体的には、例えば、図2に示す手順で行われる。即ち、予め、フォトレジスト露光・現像のシミュレーションやフォトレジスト露光・現像の実測値から、パターンと最適な補正量との関係をデータベースとして作成しておく。
【0063】
そして、まず、パターンデータにおける各フォトマスクのパターンが、データベースの中にあるかを判定し(S21)、データベースの中にある場合には、データベースを参照して現像補正を行う(S22)。一方、パターンがデータベースの中にない場合には、シミュレーションに基づく現像補正を行い(S23)、シミュレーション結果に基づいてデータベースの更新を行う(S24)。この場合、データベースのデータを追加するにあたっては、光強度だけでなく、フォトレジストの露光・現像のシミュレーション結果または実測データが必要である。
【0064】
一方、開口メッシュ領域の開口パターン密度Eenvが式(5)を満たしていない場合には、現像補正領域抽出部4は、その開口メッシュ領域がフォトレジスト端部現像補正を必要としない領域であると判定し、パターンデータを誤差判定部10へ送るとともに、開口メッシュ領域を現像補正された開口メッシュ領域に変更し(S6)、S7に戻る。
【0065】
上記S6〜S10の手順を、全ての開口メッシュ領域の処理が終了するまで繰り返し行い(S11)、処理後のパターンデータを誤差判定部10へ送る。
【0066】
このようにして、現像補正領域抽出部4において開口パターン密度によるフォトレジスト端部現像補正が必要となる現像補正領域の抽出が行われ、該現像補正領域についてのみフォトレジスト端部現像補正が行われる。
【0067】
誤差判定部10は、入力されたパターンデータとシュミレーション結果との誤差が所定値、例えば5%以下であるか否かを判定し(S12)、誤差が所定値以下であれば補正後のパターンデータを出力して、補正を終了する。一方、誤差が所定値を越えている場合にはパターンデータを再び光近接効果補正部9へ送り、S2に戻る。そして、S2〜S11の手順を誤差が所定値以下となるまで繰り返し行った後、補正後のパターンデータを出力して補正を終了する。
【0068】
図7に示すパターンを表すパターンデータをパターン補正装置1で補正した場合に、出力されるパターンデータのパターンの一例(補正結果)を図10に実線で示す。また、比較のために、投影光学像のみから求めた補正パターンの一例(補正結果)を図11の実線で示す。図10および図11において、ハッチング部分は、フォトマスクの開口部を示し、破線は、図7に示す原型のパターンを示している。
【0069】
図10に示すパターンのフォトマスクを用いて作成したフォトレジストの実測結果を、図12に示す。
【0070】
このように、本発明のフォトマスクのパターン補正方法によれば、露光波長の数倍ないし同程度のパターニングにおいて問題となるフォトレジスト内の光近接効果、パターン密度とレジスト感度特性とに依存したレジスト現像時の端部後退及びパターン変形現象、加えて光学的な下地段差による光近接効果の全てに対して、フォトマスクのパターンを効率良くかつ大変高速に補正することができる。
【0071】
また、以上のように、間接的には近接効果に関連しているが直接的に近接効果に関連しない補正領域を前もって抽出しておくことにより、全領域に対して一括して投影光学像(シミュレーション)の値に基づくフォトマスクの開口部の線幅の補正(フォトマスク内の光近接効果に対する補正)を行うことが可能となる。これは、チップレベルないしブロックレベルでの大規模領域におけるフォトマスクのパターンの自動補正においては、重要である。
【0072】
これらにより、従来と比較して近接効果補正作業を大幅に軽減し、フォトマスクパターン補正作業を効率良く統一的に行うことができる。その結果、光近接効果を含むマスクパターン補正技術の自動化を容易にすることができ、また、チップレベルでのフォトマスクパターン補正技術を実用化することができる。
【0073】
尚、本発明のフォトマスクのパターン補正方法およびパターン補正装置は、フォトマスクを用いて露光波長の数倍もしくはそれ以下の微細なフォトレジストパターンを露光・現像によってウェハ上に形成するのに、特に好適である。
【0074】
上記では、ポジ型フォトレジストの場合について説明したが、ネガ型フォトレジストでは、式(5)における不等号を逆にした式を用いて判定を行う必要がある。
【0075】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図16ないし図20に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態に係るフォトマスクのパターン補正方法では、まず、フォトマスクのレイアウトデータに含まれる複数の層のデータから補正対象となる層のデータを取り出し、該層データ上における開口(ないし遮光)パターンをkλ/4NA角以下の矩形または三角形のメッシュ領域に分割し、各メッシュ領域についてフォトマスクのパターン補正を行う。メッシュ領域のサイズは、細かくしすぎると、計算量が増大するので、kλ/4NA角程度であることが望ましい。
【0076】
ここで、kは、プロセス定数と呼ばれるパラメータであり、通常0.4〜1.0である。また、λは露光装置の露光波長であり、NAは露光装置の開口数である。
【0077】
実施の形態1の方法では、図6に示すように、補正計算の範囲を特に決めず、周囲のパターン(隣りのパターン)をメッシュに分割して、隣接の周囲のパターン全域について補正計算を行っていた。これに対し、本実施の形態の方法では、光近接効果有効領域内でのみ補正計算を行い、遠くのパターンは補正計算しない。
【0078】
すなわち、本実施の形態に係るフォトマスクのパターン補正方法では、露光装置の光学系パラメータである露光波長λ、開口数NA、およびコヒーレントファクターσと、フォトマスク描画装置における最小描画寸法δとに基づき、フォトマスクのエッジからの距離が所定値Leff以下である領域を光近接効果有効領域(光近接効果によるパターン変形の影響が大きい領域)として決定し、光近接効果有効領域内でのみ光近接効果に対するパターン補正、すなわち光近接効果補正を行う。これにより、フォトマスクパターンを効率良く正確に補正することができる。
【0079】
また、ここで言う光近接効果補正とは、LSIのフォトマスクパターンがフォトレジストを露光した時の露光イメージ(光強度分布)に対してフォトマスクパターンを補正することを指している。フォトリソグラフィ工程におけるフォトレジストの露光時には開口部からの光の回り込みの影響が問題となるが、光近接効果補正では、なるべくその光の回り込みの影響を打ち消すようにフォトマスクパターンを補正する。
【0080】
以下に、メッシュ領域および光近接効果有効領域を求める方法について、KrFレーザ露光装置(露光波長λ=248nm)を用いた場合を例にとって、具体的に説明する。
【0081】
この場合、まず、メッシュ領域のサイズSm(μm)は、以下のようにして求められる。すなわち、例えば、NA=0.35かつk=0.7の場合には、
Sm=kλ/4NA=0.7×0.248/(4×0.35)=0.124
となる。また、NA=0.4かつk=0.7の場合には、
Sm=kλ/4NA=0.7×0.248/(4×0.4)=0.108
となる。
【0082】
光近接効果有効領域を求めるための所定値Leffは、
(aλ/NA)+δ
(式中、aは露光装置のコヒーレントファクターに応じて決定される正の係数、λは露光装置の露光波長、NAは露光装置の開口数、δはフォトマスク描画装置の最小描画寸法を表す)によって求められる。
【0083】
所定値Leffは、より具体的には、0.1≦σ≦0.3のとき、
【0084】
【数5】
Figure 0003853731
【0085】
0.3<σ<0.5のとき、
【0086】
【数6】
Figure 0003853731
【0087】
0.5≦σのとき、
【0088】
【数7】
Figure 0003853731
【0089】
で求められる。例えば、σ=0.2、NA=0.4、δ=0.2μm、λ=0.248μmの場合、式(6)より、Leff=0.855となる。
【0090】
なお、σが0.1未満の露光装置については、現時点で存在せず、将来にも実現されそうにないため、考慮していない。また、式(6)〜(8)の式において、露光装置の光学系収差(球面収差)は、Leffより十分小さいので、考慮していない。
【0091】
式(6)〜(8)の各係数3√2/4、3√2/3、および3√2/2は、実測データより経験的に求めたものである。また、フォトマスク描画装置の最小描画寸法は、露光装置のコヒーレントファクター(位置合わせ精度)σによって異なるので、式(6)〜(8)のδ、δ’、およびδ”は、互いに異なる値である。
【0092】
次に、光近接効果有効領域の具体例として、図17に示すSRAM(Static Random Access Memory) セルのゲート電極のフォトマスクパターンにおける光近接効果有効領域を説明する。
【0093】
ここで、被メッシュ領域を図17に示す領域内とすれば、この領域におけるパターンエッジのメッシュ領域Aに関する光近接効果補正の見積もりは、図17に破線の円で示す光近接効果有効領域内にて行われる。この光近接効果有効領域は、フォトマスク上におけるメッシュ領域Aを中心とする半径Leffの領域として求められる。
【0094】
ところで、図18に示すように、露光量依存性(感度特性)を表す傾きγ(感度特性曲線の傾斜部の中心での傾き)が急峻なフォトレジストは、パターン依存性が低い。従って、このフォトレジストでは、他のパターンからの影響があっても寸法シフトは起こらないので、問題はない。
【0095】
これに対し、露光量依存性(感度特性)を表す傾きγが比較的緩やかなフォトレジストは、周囲からのパターン依存性が高く、フォトレジスト現像時の寸法シフトが生じやすい。フォトレジストは、ある光量から感光し始め、ある光量以上で現像時に除去されるが、この傾きγが緩やかだと、少ない光量で感光し、膜が減少する。フォトレジストは、露光量(エネルギー)が少ない場合には、感光しないので、現像されずにそのまま残る。
【0096】
なお、図18において、d0は現像前のポジ型フォトレジストの膜厚を表し、dは現像後のポジ型フォトレジストの膜厚を表す。従って、図18のグラフの縦軸“d/d0”は、ポジ型フォトレジストの垂直方向の膜変化(膜厚変化)を表す。また、図18において、塗布時の回転数は3,000rpmであり、ポジ型フォトレジストの塗布後の膜厚は10,205Åである。さらに、図18には示していないが、ポジ型フォトレジストのパターン端部には、横方向の膜減少、つまり寸法シフトが生じる。
【0097】
このようにγ値が小さいフォトレジストは、少しの光量でも感光するため、光近接効果以上にフォトレジスト現像時の寸法シフトが大きくなり、問題となる。そこで、このように現像時の寸法シフトが大きい場合には、光近接効果補正に加えて、フォトレジスト現像時の寸法シフトに対する補正、すなわちフォトレジスト現像補正も光近接効果有効領域内にて行う。なお、フォトレジスト現像補正とは、フォトレジストを露光し現像した後の形状に対してフォトマスクパターンを補正することを指す。
【0098】
一方、フォトレジストの露光量依存性が急峻な場合、即ち、フォトレジストの感度特性を表すγ値(図18に示すフォトレジストの感度特性曲線の傾斜部分の中心における傾き)が10以上とかなり大きい場合、露光量の閾値モデルが良く成り立つため、フォトレジスト現像時の寸法シフトを考慮しなくても、光学像イメージに基づく光近接効果補正だけで十分な補正を行うことができる。したがって、図18に示すようにフォトレジストの露光依存性が十分急峻な場合、つまり、傾きγが急峻である(大きい)場合は、フォトレジスト現像補正は不要である。
【0099】
また、傾きが緩やかでγが10未満と小さいときは、パターン密度Eenvを計算し、Eenv≧αであるか否かによりフォトレジスト現像に対する補正が必要かどうかを判断する。傾きγが急峻だとα値が大きく、Eenv<αとなり、フォトレジスト現像に対する補正は不要となる。
【0100】
よって、パターンにおけるEenv≧αの領域に対しては、光近接効果補正および現像補正の両方がなされ、Eenv<αの領域に対しては、光近接効果補正のみがなされる。現像補正は、既に光近接効果の補正が行われた領域に対してなされるので、現像補正が行われる領域は、必ず光近接効果補正が行われる。したがって、現像後の寸法シフトには、光近接効果も考慮されている。
【0101】
被メッシュ領域の周囲におけるパターン密度Eenvは、例えば、次の式(9)または式(10)により概算される。
【0102】
【数8】
Figure 0003853731
【0103】
ここで、i(x* 、y* )は投影光学像のシミュレーションにより規格化された光強度、Ωはパターン密度が計算される領域、Dsは領域Ωの露光量、Δ(x,y)は任意の開口メッシュ領域の面積、r(x−x* 、y−y* )はメッシュ領域間の距離、Erfは誤差関数(error function)である。
【0104】
これらの式のうち、式(9)が、単に統計的な意味で汎用される誤差関数を用いる式(10)よりこのケースの光近接効果(物理)に良く当てはまり、より正確であるため、好ましい。
【0105】
ところで、γ値が大きい時、廻り込む光の量より多いある光量以上で現像されるので、廻り込む光ではフォトレジストが感光せず、現像しても膜厚は変化しない。γ値が小さいと、光量の少ない廻り込む光でもフォトレジストが感光するので、現像したときにフォトレジストの膜厚が減少する。このため、γ値が小さいほど、フォトレジスト現像時の寸法シフトが起こる領域が大きくなる。
【0106】
そこで、γ値やパターン密度Eenvが計算で求められるのに対し、閾値αは、フォトレジストの露光感度を表すγ値(図18に示す曲線の勾配γ値)に応じて、実験データからの経験則によって決定される。すなわち、各プロセス条件(フォトレジストの種類、ベーク温度、現像時間等)において、パターン密度Eenvを種々に変え、現像時における寸法シフトがライン端部後退等で大きくなって補正が必要となる最小のパターン密度Eenvをα値として経験的に決定している。
【0107】
次に、本実施の形態に係るフォトマスクのパターン補正方法を、図16に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。まず、半導体装置の製造工程に用いるフォトマスクのパターンデータ(例えば、レイアウトデータ)を各層のデータ毎にパターン補正装置に入力する(S51)。
【0108】
次に、フォトマスクのパターンデータは、パターン補正装置の光近接効果補正部に送られる。そして、光近接効果補正部で、クリティカルエッジの抽出が行われる(S52)。クリティカルエッジとは、パターン補正が必要な領域、例えば、パターンの疎密が変動していて線幅(ないしはスペース)の補正が必要となる領域、後退が予想されセリフ(serif) 等の補助パターンが必要とされる細いライン端部または角部外側等である。また、セリフとは、パターンの角から突出するように設けられた小さな補助パターンである。
【0109】
次に、レイアウトパターンにおける抽出されたクリティカルエッジを、光近接効果有効領域を基準にして分割し、さらに各光近接効果有効領域毎に計算用のメッシュ領域を設定する(S53)。
【0110】
次に、フォトマスクのパターンにおけるクリティカルな角(クリティカルエッジ)の1つについて、その角を中心とした半径Leffの領域(光近接効果有効領域)内でその角がどの程度周囲の影響を受けているかを計算する。さらに、別の角または隣りのメッシュ領域(隣りの辺または隣りの角)を中心とした半径Leffの領域(光近接効果有効領域)内でその角がどの程度周囲の影響を受けているかを計算する。このようにして、フォトマスクのパターンにおけるクリティカルな角の各々について、周囲の影響が順次計算される。また、S53では、メッシュ領域を設定する前あるいは後にLeffの算出および光近接効果有効領域の設定が行われる。
【0111】
次に、光近接効果補正計算を行う(S54)。すなわち、光近接効果有効領域を基準にして、S53にて設定されたメッシュ領域を用いてフォトマスクパターンの光学像を計算し、ターゲット寸法に対する誤差が大きい領域でパターンの補正を行う。
【0112】
なお、フォトマスクパターンの光学像は、フォトレジストがないとした場合の空間像(Aerial image)、あるいは、フォトレジストが存在するとしてフォトレジストの特性である屈折率や吸収率などを考慮した場合の潜像(Latent image)である。
【0113】
次に、フォトレジスト感度特性の判定を行う(S55)。すなわち、所定のフォトリソグラフィ・プロセス条件におけるフォトレジスト感度特性より、フォトレジストの露光量依存性を評価し、フォトレジストのγ値が10以上と十分大きい場合はS59へ進み、フォトレジストのγ値が10未満である場合はS56へ進む。
【0114】
次に、光近接効果を評価する箇所について、前記式(9)あるいは式(10)に基づいて光近接効果有効領域内で周囲のパターン密度を計算する(S56)。
【0115】
次に、上記パターン密度計算で得られた周囲のパターン密度から、そのプロセスにおいて現像補正が必要かどうか判定する(S57)。例えば、ポジ型のフォトレジストプロセス、例えば、ポジ型の化学増幅型(CA;Chemical Amplified)フォトレジストプロセスなら、パターン密度Eenvが所定値α以上の領域について現像補正を行う。一方、パターン密度Eenvがα未満の場合は、次のS59に進む。なお、化学増幅型フォトレジストとは、露光により酸を発生し、その酸によって反応を起こすフォトレジストである。
【0116】
次に、フォトレジスト現像時における線幅シフト量を考慮したパターン補正(フォトレジスト現像補正)を行い(S58)、ステップS59に進む。
【0117】
次に、補正終了判定を行う(S59)。すなわち、フォトマスク全体のパターン内でクリティカルな部分の全て、つまり、S52のクリティカルエッジの抽出で抽出された全てのクリティカルエッジについて補正を行ったか確認する。そして、補正を行っていないクリティカルエッジがあれば、S54に戻る。S59からS54に戻る場合、S54における光近接効果補正は、前回の光近接効果補正と同一のLeffを用いて行われる。最後に、S52で抽出された全てのクリティカルエッジについてパターン補正を行ったら、作業を終了する。以上の方法により、例えば、フォトマスクパターンは図19に示すパターンに補正される。
【0118】
補正時の光近接効果計算範囲(計算領域)の半径r(μm)に対する補正精度(計算精度)および計算時間の変化を、本実施形態の方法と従来の方法との間で比較した結果を図20に示す。図20より、Leffを用いる本実施形態の方法では、Leffを用いない従来の方法と比較して計算時間が大きく短縮されていることが分かる。
【0119】
以上のように、本実施形態のフォトマスクのパターン補正方法では、Leffを用いて光近接効果有効領域を定め、シミュレーションおよび実測データを元にフォトマスクパターンを補正し、周囲のパターン密度を計算して現像時寸法シフト領域を抽出する。これにより、従来の光近接効果補正作業を大幅に低減し、フォトマスクパターン補正作業を効率良く正確に行うことができる。
【0120】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について図21に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態に係るフォトマスクのパターン補正方法では、図21に示すように、図16のS51と同様にしてパターンデータが入力された(S61)後、所定値Leffを用いて、全フォトマスクではなく問題となりそうな領域(パターン端部やパターンが密な領域)でメッシュ領域の設定を行う(S62)。
【0121】
その後、S54と同様にして、所定値Leffを用いて光近接効果に対する補正を行う(S63)。一方、図1のS3と同様にして下地段差の有無を判定する(S64)。次いで、下地段差が存在しない場合には、S67へ進む。下地段差が存在する場合には、S4と同様にして近接効果有効領域を下地構造による補正が必要な領域として抽出し(S65)、S5と同様にして下地段差補正を行った(S66)後に、S67へ進む。
【0122】
その後のS67〜S71については、S54〜58と同様であるので、説明を省略する。S67〜S71の後、S11と同様にして全てのメッシュ領域の処理が終了したかを判定し(S72)、終了している場合には、S12と同様にしてシミュレーション結果と目標パターンとの誤差が所定値以下であるかが判定される(S73)。そして、誤差が所定値以下でなければ、S63に戻り、誤差が所定値以下であれば、終了する。
【0123】
以上のように、本実施の形態に係るフォトマスクのパターン補正方法では、実施の形態2の方法に加えて近接効果有効領域に下地段差補正を行うので、フォトマスクパターンの寸法ずれをさらに正確に補正することができる。
【0124】
【発明の効果】
本発明のフォトマスクのパターン補正方法は、以上のように、
フォトマスク描画装置により加工されたフォトマスクを通してフォトレジストを露光装置により露光することにより設計寸法通りのフォトレジストパターンをウェハ上に形成するために用いられるフォトマスクのパターンを補正する方法であって、近接効果有効領域を求めるための所定値を露光装置の露光波長、開口数、およびコヒーレントファクターと、フォトマスク描画装置の最小描画寸法とに基づいて求め、フォトマスクのエッジからの距離が上記所定値以下である領域を光近接効果有効領域として決定し、該光近接効果有効領域で、各フォトマスクのパターンデータについて、フォトマスクの全領域をメッシュ領域に分割して、各メッシュ領域ごとに開口パターン密度を求め、上記フォトレジストがポジ型フォトレジストである場合には開口パターン密度が閾値以上である場合にのみ、上記フォトレジストがネガ型フォトレジストである場合には開口パターン密度が閾値以下である領域にのみ、フォトレジスト現像時の寸法シフトに対するパターン補正を行う方法である。
【0125】
これにより、微細なフォトマスクのパターニングにおいて問題となる光近接効果およびパターン密度に依存したフォトレジスト現像時の端部後退現象等、物理的および化学的な原因によるフォトマスクパターンの寸法ずれを効率良く正確に補正することができ、光近接効果補正を含むフォトマスクパターン補正技術の自動化を容易にすることができるという効果を奏する。
【0126】
本発明のフォトマスクは、以上のように、上記パターン補正方法によりパターン補正されたものである。上記構成によれば、光近接効果およびパターン密度に依存したフォトレジスト現像時の端部後退現象等の寸法ずれが生じる場合でも設計寸法通りのフォトレジストパターンをウェハ上に形成することが可能なフォトマスクを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフォトマスクのパターン補正方法の一例を示すフローチャートである。
【図2】図1に示すパターン補正方法における現像補正の方法を示すフローチャートである。
【図3】図1に示すパターン補正方法における下地段差補正の方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明にかかるフォトマスクのパターン補正装置の一例を示すブロック図である。
【図5】目標とするフォトレジストのパターンに対応するフォトマスクのパターンを示す図である。
【図6】フォトマスクのメッシュ領域分割例を示す図である。
【図7】図5に示すフォトマスクにおける現像補正領域を示す図である。
【図8】フォトレジストの下地段差による近接効果有効領域を示すための説明図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図9】図5に対応するフォトレジストの下地段差による線幅補正データベースの一例を示す説明図である。
【図10】本発明のパターン補正方法で補正されたフォトマスクのパターンの一例を示す図である。
【図11】投影光学像のみに基づいて補正されたフォトマスクのパターンの一例を示す図である。
【図12】図10に示すパターンのフォトマスクを用いて作成したフォトレジストを示す図である。
【図13】従来のフォトマスクのパターン補正方法を示すフローチャートである。
【図14】従来のフォトマスクのパターン補正方法を説明するための説明図である。
【図15】上記従来のパターン補正方法に用いる補正テーブルを示す図である。
【図16】本発明にかかるフォトマスクのパターン補正方法の他の一例を示すフローチャートである。
【図17】SRAMセルのゲート電極のフォトマスクパターンを示す平面図である。
【図18】あるポジ型フォトレジストの感度特性(露光量依存性)曲線を示すグラフである。
【図19】本発明にかかるフォトマスクのパターン補正方法により補正されたフォトマスクパターン一例を示す平面図である。
【図20】本実施形態の方法および従来の方法における、光近接効果計算範囲の半径に対する補正精度および計算時間の変化を示すグラフである。
【図21】本発明にかかるフォトマスクのパターン補正方法のさらに他の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パターン補正装置
2 パターンデータ入力部
3 パターン密度演算部
4 現像補正領域抽出部
5 現像補正部
6 下地段差判定部
7 下地段差補正領域抽出部(下地補正領域抽出部)
8 下地段差補正部
9 光近接効果補正部
10 誤差判定部

Claims (3)

  1. フォトマスク描画装置により加工されたフォトマスクを通してフォトレジストを露光装置により露光することにより設計寸法通りのフォトレジストパターンをウェハ上に形成するために用いられるフォトマスクのパターンを補正する方法であって、
    近接効果有効領域を求めるための所定値を露光装置の露光波長、開口数、およびコヒーレントファクターと、フォトマスク描画装置の最小描画寸法とに基づいて求め、フォトマスクのエッジからの距離が上記所定値以下である領域を光近接効果有効領域として決定し、
    該光近接効果有効領域で、各フォトマスクのパターンデータについて、フォトマスクの全領域をメッシュ領域に分割して、各メッシュ領域ごとに開口パターン密度を求め、上記フォトレジストがポジ型フォトレジストである場合には開口パターン密度が閾値以上である場合にのみ、上記フォトレジストがネガ型フォトレジストである場合には開口パターン密度が閾値以下である領域にのみ、フォトレジスト現像時の寸法シフトに対するパターン補正を行うことを特徴とするフォトマスクのパターン補正方法。
  2. 上記閾値が、γ値を含むフォトレジストの露光感度特性より求めたものであることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクのパターン補正方法。
  3. 請求項1または2に記載のパターン補正方法によりパターン補正されたことを特徴とするフォトマスク。
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