JP3853282B2 - 高周波コイルおよび磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静磁場中に載置された被検体に対して所定の周波数の電磁波を照射する照射コイルと、前記被検体が放出する電磁波を受信する受信コイルとを備えた磁気共鳴イメージング装置に関し、特に、照射コイルと受信コイルとの干渉を低減し、受信コイルからの発熱を抑制した磁気共鳴イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、核磁気共鳴現象を用いて撮影対象物の内部構造を画像化する磁気共鳴イメージング装置(以下「MRI装置」と言う)が知られている(たとえば、特許文献1参照。)。核磁気共鳴現象は生体に対して無害であるため、MRI装置は、特に医療用として有用であり、脳腫瘍の診断などに用いられる。
【0003】
この核磁気共鳴現象とは、一様な静磁場が印加された物体において、物体を構成する原子の原子核のスピン方向が揃い、静磁場の強度に比例した周波数(以下「共鳴周波数」と言う)の電磁波を吸収、放出する現象である。MRI装置は、特定の核種(主に水素原子)に対して核磁気共鳴現象を利用することで、撮影対象物の任意の断層面を任意の厚さで画像化することができる。
【0004】
核磁気共鳴現象を用いて撮影対象物の内部構造を画像化する場合、位置情報を調べるために、静磁場とは別に空間的および時間的に変動する勾配磁場を撮影対象物に対して印加する。勾配磁場を印加することによって、撮影対象物に印加される磁場は場所によって異なることとなり、撮影対象物を構成する各原子の共鳴周波数は場所によって変化する。したがって、勾配磁場を印加して共鳴周波数を調べることで、撮影対象物のどの位置にどのような原子が存在するかを知ることができる。以上が、MRI装置による物体の内部構造撮影のメカニズムである。
【0005】
共鳴周波数の測定は、具体的には、勾配磁場を印加した撮影対象物に電磁波を照射して吸収させ、その後、撮影対象物が放出する電磁波を受信して周波数を測定する。一般に、磁気共鳴イメージング装置では、電磁波の照射をおこなう照射コイル(送信コイル)と、電磁波の受信をおこなう受信コイルとは、独立して設けている。
【0006】
照射コイルと受信コイルとを分離させる場合、照射コイルはマグネットアセンブリに設置し、被検体を載置する検査領域に十分な強度の電磁波を照射するようにする。また、受信コイルは、検査部位や検査内容に合わせて選択可能とし、検査をおこなう部位に可能な限り近づけるようにする。このように、照射コイルと受信コイルとを分離し、受信コイルを可能な限り検査部位に近づけることで、撮像のSNR(Signal to Noise Ratio)を向上することができる。
【0007】
一方、照射コイルと受信コイルとを独立して設ける場合、照射コイルと受信コイルとを電気的に分離し、互いの干渉を防止することが必要である。このため、送信コイルを複数のコイルエレメントを接続して形成し、接続部に共振回路を設けることで、照射コイルと受信コイルとを電気的に分離する構成が従来から用いられてきた。
【0008】
共振回路は、その共振周波数を照射コイルが照射する電磁波の周波数に合わせることで、照射コイルが電磁波を照射している間、共振回路が共振して電流が流れ、回路のインピーダンスが高くなる。したがって、照射コイルが電磁波を照射している間、受信コイルに電流が発生することを防止し、照射コイルと受信コイルとを電気的に分離することができる。このように、電磁波の照射中に受信コイルの電流発生を防止する共振回路は、一般的にブロッキング回路と呼称される。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−225106号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のブロッキング回路では、コイルエレメントの電気抵抗やインダクタンスが存在するために、インピーダンスの低下や、隣接する回路との干渉が発生し、共振周波数にズレが生じる。
【0011】
また、この結果、照射出力の損失が発生するので、必要な照射出力が大きくなり、さらに、ブロッキング回路の動作時における発熱量が増大する。ブロッキング回路は、受信コイルすなわち被検体の近傍に配置するため、被検体の近傍における発熱量が増大することとなり、被検体の安全確保に問題が生じる。
【0012】
すなわち、上述した従来のブロッキング回路では、ブロッキング回路のインピーダンスが低下し、発熱量が増大し、高い照射出力が必要となるという問題点があった。
【0013】
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであって、ブロッキング回路のインピーダンスを向上し、発熱量を抑制し、照射出力を低減可能な高周波コイルおよび磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、第1の観点にかかる発明は、複数のコイルエレメントを接続して形成した高周波コイルであって、該コイルエレメントの接続部は、第1のコンデンサと第2のコンデンサとを有し、前記第1のコンデンサ近傍に配設した第1の共振回路と、前記第2のコンデンサ近傍に配設した第2の共振回路と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この第1の観点にかかる発明によれば、高周波コイルは、コイルエレメントを接続する第1のコンデンサと第2のコンデンサについて、第1のコンデンサに対応する第1の共振回路と第2のコンデンサに対応する第2の共振回路とをそれぞれ独立して設けている。
【0016】
また、第2の観点にかかる発明は、第1の観点にかかる発明において、前記コイルエレメントは、前記第1のコンデンサを接続する第1の突端と、前記第2のコンデンサを接続する第2の突端とを備えたことを特徴とする。
【0017】
この第2の観点にかかる発明によれば、高周波コイルは、第1のコンデンサと第2のコンデンサとを独立した突端に接続することで、第1のコンデンサから第2のコンデンサへの電流が発生することを防止している。
【0018】
また、第3の観点にかかる発明は、第2の観点にかかる発明において、前記第1の突端および前記第2の突端は、前記コイルエレメントの端部を切欠して形成することを特徴とする。
【0019】
この第3の観点にかかる発明によれば、高周波コイルは、コイルエレメントの端部を切り欠いて第1の突端と第2の突端とを形成し、この突端にそれぞれコンデンサを接続している。
【0020】
また、第4の観点にかかる発明は、第3の観点にかかる発明において、前記切欠は、三角形状であることを特徴とする。
【0021】
この第4の観点にかかる発明によれば、高周波コイルは、コイルエレメントの端部を三角形状に切り欠くことで、第1の突端と第2の突端とを形成している。
【0022】
また、第5の観点にかかる発明は、第3の観点にかかる発明において、前記切欠は、方形状であることを特徴とする。
【0023】
この第5の観点にかかる発明によれば、高周波コイルは、コイルエレメントの端部を方形状に切り欠くことで、第1の突端と第2の突端とを形成している。
【0024】
また、第6の観点にかかる発明は、第1〜第5の観点のいずれか一つにかかる発明において、前記コイルエレメントをヒートパイプによって形成したことを特徴とする。
【0025】
この第6の観点にかかる発明によれば、高周波コイルは、コイルエレメンとヒートパイプを兼用することで、発生した熱を分散するようにしている。
【0026】
また、第7の観点にかかる発明は、第1〜第6の観点のいずれか一つにかかる発明において、前記コイルエレメントの材質は、銅であることを特徴とする。
【0027】
この第7の観点にかかる発明によれば、高周波コイルは、コイルエレメントを銅によって形成している。
【0028】
また、第8の観点にかかる発明は、静磁場中に載置された被検体に対して所定の周波数の電磁波を照射する照射コイルと、前記被検体が放出する電磁波を受信する受信コイルとを備えた磁気共鳴イメージング装置であって、前記照射コイルは、複数のコイルエレメントを接続して形成した高周波コイルであり、該コイルエレメントの接続部は、第1のコンデンサと第2のコンデンサとを有し、前記第1のコンデンサ近傍に配設され、前記所定の周波数に共振する第1の共振回路と、前記第2のコンデンサ近傍に配設され、前記所定の周波数に共振する第2の共振回路と、を備えたことを特徴とする。
【0029】
この第8の観点にかかる発明によれば、磁気共鳴イメージング装置は、コイルエレメントを接続する第1のコンデンサと第2のコンデンサについて、第1のコンデンサに対応する第1の共振回路と第2のコンデンサに対応する第2の共振回路とをそれぞれ独立して設けている。
【0030】
また、第9の観点にかかる発明は、第8の観点にかかる発明において、前記コイルエレメントは、前記第1のコンデンサを接続する第1の突端と、前記第2のコンデンサを接続する第2の突端とを備えたことを特徴とする。
【0031】
この第9の観点にかかる発明によれば、磁気共鳴イメージング装置は、第1のコンデンサと第2のコンデンサとを独立した突端に接続することで、第1のコンデンサから第2のコンデンサへの電流が発生することを防止している。
【0032】
また、第10の観点にかかる発明は、第9の観点にかかる発明において、前記第1の突端および前記第2の突端は、前記コイルエレメントの端部を切欠して形成することを特徴とする。
【0033】
この第10の観点にかかる発明によれば、磁気共鳴イメージング装置は、コイルエレメントの端部を切り欠いて第1の突端と第2の突端とを形成し、この突端にそれぞれコンデンサを接続している。
【0034】
また、第11の観点にかかる発明は、第10の観点にかかる発明において、前記切欠は、三角形状であることを特徴とする。
【0035】
この第11の観点にかかる発明によれば、磁気共鳴イメージング装置は、コイルエレメントの端部を三角形状に切り欠くことで、第1の突端と第2の突端とを形成している。
【0036】
また、第12の観点にかかる発明は、第10の観点にかかる発明において、前記切欠は、方形状であることを特徴とする。
【0037】
この第12の観点にかかる発明によれば、磁気共鳴イメージング装置は、コイルエレメントの端部を方形状に切り欠くことで、第1の突端と第2の突端とを形成している。
【0038】
また、第13の観点にかかる発明は、第8〜第12の観点のいずれか一つにかかる発明において、前記コイルエレメントをヒートパイプによって形成したことを特徴とする。
【0039】
この第13の観点にかかる発明によれば、磁気共鳴イメージング装置は、コイルエレメントとヒートパイプを兼用することで、発生した熱を分散するようにしている。
【0040】
また、第14の観点にかかる発明は、第8〜第13の観点のいずれか一つにかかる発明において、前記コイルエレメントの材質は、銅であることを特徴とする。
【0041】
この第14の観点にかかる発明によれば、磁気共鳴イメージング装置は、コイルエレメントを銅によって形成している。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態にかかる磁気共鳴イメージング装置について詳細に説明する。
【0043】
図1は、本実施の形態にかかるMRI装置の受信コイルにおける、コイルエレメントの接続部を示す図である。また、図2(a)は、受信コイルの使用例を説明する図であり、図2(b)は、受信コイルのコイル部の概要構成を説明する図である。さらに、この受信コイル部を使用するMRI装置を図3に示す。
【0044】
図2(a)に示すようにこの実施の形態では、被検体の頭部に被せるヘッドコイル43を受信コイルとして用いている。したがって、磁気共鳴画像の撮像をおこなう場合、クレードル41の上に被検体42を載置し、被検体42の頭部にヘッドコイル43を被せる。
【0045】
その後、図3に示すように、クレードル41を照射コイル63の中に入れる。照射コイル64の周囲には、勾配磁場発生コイル63、静磁場発生磁石61,62を配設する。この静磁場発生磁石61,62および勾配磁場発生コイル63は、MRI装置65内部の磁気制御部65cに接続され、検査領域に所定の磁場を生成する。RF送信部bは照射コイル43から所定周波数の電磁波を照射する。一方、受信コイル部43は、核磁気共鳴現象によって被検体が放出した電磁波を受信してRF受信部65aに送信する。このRF受信部65aが受信した電磁波から、イメージ処理部65dが核磁気共鳴映像を作成する。
【0046】
ここで、ヘッドコイル43に配設される受信コイル部44は、図2(b)に示すように、複数のコイルエレメント11〜18を接続して形成されている。図1では、このコイルエレメント11〜18のうち、コイルエレメント11とコイルエレメント12との接続部の構成を図示しているが、他のコイルエレメントの接続部についても、同様の構成を用いる。
【0047】
図1に示すように、コイルエレメント11とコイルエレメント12との接続部では、コンデンサ24およびコンデンサ34が、コイルエレメント11とコイルエレメント12とを接続している。より具体的には、コンデンサ24は、端子23によってコイルエレメント11に接続され、さらに、端子25によってコイルエレメント12に接続されている。また、コンデンサ34は、端子35によってコイルエレメント11に接続され、端子33によってコイルエレメント12に接続されている。
【0048】
また、コインエレメント11の端子23の近傍には端子22が設けられ、コイルエレメント12の端子25の近傍には端子26が設けられている。この端子22と端子26との間に、コイル21と、ダイオード27およびダイオード28が接続されている。このコイル21、コンデンサ24、ダイオード27,28は、共振回路20を形成している。
【0049】
さらに、コインエレメント11の端子35の近傍には端子36が設けられ、コイルエレメント12の端子33の近傍には端子32が設けられている。この端子36と端子32との間に、コイル31と、ダイオード37およびダイオード38が接続されている。このコイル31、コンデンサ34、ダイオード37,38は、共振回路30を形成している。
【0050】
ここで、コイルエレメント11およびコイルエレメント12における端部の形状と、端子の配置について説明する。コイルエレメント11は、その端部に三角形状の切欠が施され、凹部11aが形成されている。この凹部11aによって、コイルエレメント11の端部は2つの突端を有することとなり、その突端の一方に端子22および端子23を形成し、他方の突端に端子35および端子36を形成している。
【0051】
同様に、コイルエレメント12は、その端部に三角形状の切欠が施され、凹部12aが形成されている。この凹部12aによって、コイルエレメント12の端部は2つの突端を有することとなり、その突端の一方に端子24および端子26を形成し、他方の突端に端子32および端子33を形成している。
【0052】
このように、コンデンサ24およびコンデンサ34についてそれぞれ共振回路20、共振回路30を形成することで、コイルエレメント11とコイルエレメント12との接続部における発熱を共振回路20と共振回路30とに分散することができる。この発熱は、主にダイオードで発生し、各ダイオードにおける発熱量は電流の2乗に凡そ比例する。したがって、共振回路を2つにし、それぞれの回路に発生する電流、すなわち各ダイオードに流入する電流を約半分にすることで、発熱量を約1/4に軽減することができる。
【0053】
さらに、コイルエレメント11に凹部11aを設けることで、共振回路20に含まれる端子22,23と、共振回路30に含まれる端子35,36との間の抵抗およびインダクタンスを大きくしている。同様に、コイルエレメント12に凹部12aを設けることで、共振回路20に含まれる端子25,26と、共振回路30に含まれる端子32,33との間の抵抗およびインダクタンスを大きくしている。このように、共振回路20に含まれる端子と共振回路30に含まれる端子との間の抵抗およびインダクタンスを大きくすることで、共振回路20と30との間の干渉を防ぎ、独立したブロッキング回路として機能させることができる。
【0054】
共振回路20と共振回路30とを独立したブロッキング回路とすることで、コイルエレメント11,12の抵抗やインダクタンスから受ける影響を排し、共振回路20,30のインピーダンスを向上することができる。この結果、受信コイル部44と照射コイルとの電気的な分離を向上することができる。また、共振回路20,30のインピーダンスを向上することで、照射出力の損失を抑制することができるので、必要な照射出力を低減することができる。
【0055】
なお、共振回路20に含まれる端子と共振回路30に含まれる端子との間の抵抗およびインダクタンスの値は、その値から得られるインピーダンスZpが、コンデンサ24またはコンデンサ34のインダクタンスをLとした場合に、Zp>>ωLを満たす必要がある。したがって、凹部11aおよび凹部12aは、この関係を満たすように形成する必要がある。
【0056】
一方で、コイルエレメント11,12に設ける凹部の形状は、この関係を満たす形状であれば、必ずしも三角形状である必要はなく、任意の形状とすることができる。図4に、方形状の凹部を形成した場合のコイルエレメント11とコイルエレメント12との接続部を示す。図4では、コイルエレメント11およびコイルエレメント12は、その端部に方形状の切欠を施すことで、方形状の凹部11b,12bを形成している。このように、方形状の切欠を施した場合であっても、一方の突端に共振回路20に含まれる端子を設け、もう一方の突端に共振回路30に含まれる端子を設けることで、共振回路20と共振回路30との電気的な分離を実現することができる。
【0057】
つぎに、コイルエレメント11〜18についてさらに説明する。コイルエレメントの素材としては、銅を用いるのが一般的である。このコイルエレメントをヒートパイプと兼用することで、ブロッキング回路からの発熱を容易に拡散することができる。
【0058】
図5は、中空コイルエレメント51〜58を用いた受信コイル部51を説明する図である。図5において、中空コイルエレメント51〜58は、それぞれ銅パイプによって形成され、その内部に所定の溶液を入れてヒートパイプとして機能するよう構成する。この溶液としては、核磁気共鳴をおこさない液体を用いる。より具体的には溶液は、電気伝導率の値が0に近く、比透磁率の値が1に近く、比誘電率の値が1に近いことが望ましい。
【0059】
なお、中空コイルエレメント51〜58の接続部には共振回路20,30と同様の構成を有する共振回路を設ける。このようにコイルエレメントをヒートパイプによって形成することで、共振回路において発生した熱は、ヒートパイプ内部の溶液によって拡散され、容易に放熱することができる。
【0060】
以上説明したように、この実施の形態では、共振回路を2つ設け、かつ共振回路の干渉を防止する凹部を設けることで、共振回路のインピーダンスを向上し、照射出力を低減するとともに、発熱源を分散することができる。
【0061】
また、コイルエレメントをヒートパイプによって形成することで、共振回路から発生する熱を拡散することができる。したがって、本実施の形態によれば、共振回路からの発熱量を低減し、排熱を容易におこなうことができるので、被検体に危険を及ぼすことなく磁気共鳴映像を撮像することができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、受信コイル部44をヘッドコイルに設けた場合について説明したが、本発明の利用はこれに限定されるものではなく、胴体を撮像するためのボディコイルや、腕を撮像するためのアームコイルなど、任意の受信コイルに使用することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、被検体の安全確保のために、受信コイル部の発熱量を低減した磁気共鳴イメージング装置について説明したが、本発明の利用はこれに限定されるものでなく、照射コイルの発熱量低減にも用いることができ、また、他の装置であっても、高周波コイルの発熱量低減に広く適用することが可能である。
【0064】
さらに本実施の形態では、コイルエレメントを2つのコンデンサによって接続し、それぞれのコンデンサに対応する2つの共振回路を形成したが、コンデンサの数および共振回路の数は2つに限定されるものではなく、必要に応じて増加させることができる。
【0065】
さらに、本発明にかかるコイルエレメントの接続部に既存の放熱技術を組み合わせることで、放熱をさらに効果的に行うことができる。たとえば、コイルエレメント近傍にヒートシンクを設けてもよいし、受信コイルと被検体との間に断熱材を設け、熱の伝導方向を制御するようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】
上述してきたように、本発明によれば、ブロッキング回路のインピーダンスを向上し、発熱量を抑制し、照射出力を低減可能な高周波コイルおよび磁気共鳴イメージング装置を提供することができるという効果を奏する。
【0067】
さらに、コイルエレメントをヒートパイプによって構成することで、高周波コイルおよび磁気共鳴イメージング装置の排熱を効率的におこなうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるコイルエレメントの接続部を示す図である。
【図2】本実施の形態にかかるMRI装置の受信コイルについて説明する図である。
【図3】本実施の形態にかかるMRI装置の概要構成を説明する図である。
【図4】方形状の凹部を形成した場合のコイルエレメントの接続部を示す図である。
【図5】中空コイルエレメントを用いた場合の受信コイル部を説明する図である。
【符号の説明】
11〜18 コイルエレメント
11a,12a 凹部
20,30 共振回路
21,31 コイル
22,23,25,26,32,33,35,36 端子
24,34 コンデンサ
27,28,37,38 ダイオード
41 クレードル
42 被検体
43 ヘッドコイル
44 受信コイル部
51〜58 中空コイルエレメント
61,62 静磁場発生磁石
63 勾配磁場発生コイル
64 照射コイル
65 MRI装置
65a RF受信部
65b RF送信部
65c 磁気制御部
65d イメージ処理部
Claims (14)
- 複数のコイルエレメントを接続して形成した高周波コイルであって、
該コイルエレメントの接続部は、第1のコンデンサと第2のコンデンサとを有し、
前記第1のコンデンサ近傍に配設した第1の共振回路と、
前記第2のコンデンサ近傍に配設した第2の共振回路と、
を備えたことを特徴とする高周波コイル。 - 前記コイルエレメントは、前記第1のコンデンサを接続する第1の突端と、前記第2のコンデンサを接続する第2の突端とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の高周波コイル。
- 前記第1の突端および前記第2の突端は、前記コイルエレメントの端部を切欠して形成することを特徴とする請求項2に記載の高周波コイル。
- 前記切欠は、三角形状であることを特徴とする請求項3に記載の高周波コイル。
- 前記切欠は、方形状であることを特徴とする請求項3に記載の高周波コイル。
- 前記コイルエレメントをヒートパイプによって形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の高周波コイル。
- 前記コイルエレメントの材質は、銅であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の高周波コイル。
- 静磁場中に載置された被検体に対して所定の周波数の電磁波を照射する照射コイルと、前記被検体が放出する電磁波を受信する受信コイルとを備えた磁気共鳴イメージング装置であって、
前記照射コイルは、
複数のコイルエレメントを接続して形成した高周波コイルであり、
該コイルエレメントの接続部は、第1のコンデンサと第2のコンデンサとを有し、
前記第1のコンデンサ近傍に配設され、前記所定の周波数に共振する第1の共振回路と、
前記第2のコンデンサ近傍に配設され、前記所定の周波数に共振する第2の共振回路と、
を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 前記コイルエレメントは、前記第1のコンデンサを接続する第1の突端と、前記第2のコンデンサを接続する第2の突端とを備えたことを特徴とする請求項8に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記第1の突端および前記第2の突端は、前記コイルエレメントの端部を切欠して形成することを特徴とする請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記切欠は、三角形状であることを特徴とする請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記切欠は、方形状であることを特徴とする請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記コイルエレメントをヒートパイプによって形成したことを特徴とする請求項8〜12のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記コイルエレメントの材質は、銅であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
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