JP3853156B2 - カラー映像分割方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカラー映像分割方法に係り、より詳細には、カラー映像を分割するカラー映像分割方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー映像の分割は、デジタル映像処理及びそのアプリケーションにおいて極めて重要な部分である。従来の技術によるカラー映像分割方法は、テキスチャーを含むカラー映像を分割し難いという問題がある。また、自動分割を行う従来の他のカラー映像分割方法は入力映像に含まれるノイズに対して強くなく、使用者が予備的に分割した映像をさらに分割する従来のさらに他のカラー映像分割方法は入力映像に含まれるノイズに対して強いのに対し、自動分割が行えないため、長時間かかるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、テキスチャーを含むカラー映像を自動的に分割でき、入力映像に含まれるノイズに強いカラー映像分割方法を提供することである。
【0004】
本発明の他の目的は、前記カラー映像分割方法を含むカラー映像処理方法を提供することである。
【0005】
本発明のさらに他の目的は、前記カラー映像分割方法を行うコンピュータプログラムが貯蔵された記録媒体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、カラー映像分割方法が提供される。前記カラー映像分割方法は、(a)入力映像のピクセル値を用いて周辺ピクセルの色と区別される度合いを示す所定の値を計算する段階と、(b)計算された値を所定のスケールの値に変換して変換された映像を得る段階と、(c)変換された映像を分割する段階とを含む。
【0007】
望ましくは、前記(c)段階は、領域成長法に基づき前記変換された映像を分割する。
【0008】
望ましくは、前記カラー映像分割方法は、前記(a)段階前に、(p-a)映像のピクセル値を所定個数の代表ピクセル値に量子化する段階をさらに含み、前記ピクセル値は量子化されたピクセル値である。
【0009】
望ましくは、前記代表ピクセル値は、10〜20個の値よりなる。
【0010】
望ましくは、前記カラー映像分割方法は、前記(a)段階前に、(p-a-1)中心ピクセルを含む所定のウィンドウを定義する段階と、(p-a-2)定義されたウィンドウ内のピクセルに対して周辺ピクセルの色と区別される度合いを示す所定の値を計算する段階とをさらに含む。
【0011】
さらに、望ましくは、前記(a)段階は、(a-1)dを正数としたとき、ピクセルpを中心とし、d×dの大きさを有するウィンドウBを定義する段階と、(a-2)iは1とCとの間の数、Ziは前記ウィンドウB内の全てのピクセルの集合であるとしたとき、ピクセル位置ZiをC個のクラスに区分する段階と、(a-3)miはクラスZiのNi個のデータポイントの位置の平均、ST及びSWは各々、
【数15】
としたとき、クラスマップ内の各ピクセルに対してJ値を、
【数16】
により求める段階とを含む。
【0012】
望ましくは、前記dは、3〜10の整数である。
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の他の態様によれば、カラー映像分割方法が提供される。前記カラー映像分割方法は、(a)映像のピクセル値を所定個数の代表ピクセル値に量子化する段階と、(b)量子化された代表ピクセル値を用いて所定の大きさのウィンドウ内のピクセルの色と区別される度合いを示す所定の値を計算する段階と、(c)計算された値を所定のスケールの値に変換して変換された映像を得る段階と、(d)変換された映像を領域成長法に基づく分割方法を用いて分割する段階とを含む。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の他の特徴は、添付した図面と結びついて説明される好適な実施形態の次の詳細な説明から明らかになる。図面で同一の部材には同一な参照番号を使用した。
【0015】
以下、添付した図面に基づき、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態によるカラー映像分割方法を示したフローチャートである。図1を参照すれば、本発明の実施形態によるカラー映像分割方法は、カラー映像を入力(段階102)して、入力された映像のピクセル値を幾つかの代表ピクセル値に量子化する(段階104)。望ましくは、自然場面で映像を区分するために、代表ピクセル値は10〜20個よりなる。この実施形態では、説明の便宜のために、量子化が3個の代表ピクセル値を用いて行われる。次に、量子化された代表ピクセル値に該当するラベルを与えることにより、クラスマップが形成される(段階106)。
【0016】
より望ましくは、全体映像内で処理しようとするピクセルを中心とするウィンドウが定義される。すなわち、dを正数、望ましくは、3〜10の整数であるとしたとき、ピクセルpを中心としてd×dの大きさを有するウィンドウBを定義する。また、iは1とCとの間の数、Ziは前記ウィンドウB内の全てのピクセルの集合であると仮定する。すなわち、ZiはC個のクラスに区分されると仮定する。望ましくは、ウィンドウの大きさを決定するdは3〜10の整数である。
【0017】
また、miはクラスZiのNi個のデータポイントの位置の平均、すなわち、
【数17】
であると仮定する。また、ST及びSWは各々、
【数18】
【数19】
のように定義される。
【0018】
次に、クラスマップ内の各ピクセルに対してJ値を計算する(段階108)。前記クラスマップの各ピクセルpに対するJ値は、
【数20】
のように定義される。前式《数20》により求められたJ値は0〜255のグレースケールに変換されることにより値を有し、J映像と称しうるグレースケール映像が得られる(段階110)。前記J映像は、各々実際には領域中心及び領域境界を示す谷及び山を有する3次元地形図などの形を呈する。
【0019】
最後に、前記J映像は領域成長法に基づき分割される(段階112)。前記領域成長法はデジタル映像の分割に用いられる方法であって、当業者によく知られているため、この明細書ではこれ以上説明しない。
【0020】
図2Aないし図2Cは、図1のカラー映像分割方法により生成されるクラスマップ及びJ値を示したものである。図2Aのクラスマップでは、中心ピクセルに対するJ値が1.720であり、図2Bのクラスマップでは中心ピクセルに対するJ値が0であり、図2Cのクラスマップでは中心ピクセルに対するJ値が0.855として得られる。ここで、図2Aのクラスマップでのように、中心ピクセルの左側に位置した+にて表示されたピクセルと、中心ピクセルの右側に位置した○にて表示されたピクセル及び*にて表示されたピクセルが最も明確に領域を形成する場合にはJ値が相対的に大きい1.720である。また、図2Bのクラスマップでのように+にて表示されたピクセル、○にて表示されたピクセル、及び*にて表示されたピクセルが均一に分布して領域をほとんど形成できない場合には、J値が0である。また、図2Cのクラスマップでのように、中心ピクセルの右側に位置した+にて表示されたピクセルは領域を形成するが、○にて表示されたピクセル、及び*にて表示されたピクセルは領域をほとんど形成できない場合にはJ値が0.855である。すなわち、ピクセルのJ値が大きければ大きいほど、そのピクセルは領域境界に近いことを意味するので、このような点を考慮して領域成長法に基づく分割が行える。
【0021】
図3A及び図3Bは、分割されたクラスマップを示したものである。
【0022】
また、分割されたクラスマップにおいて各領域に対する分割がよく行われたかどうかを検査して量子化した値で示す必要がある。このために、Jkをk領域に対して得られたJ値、Mkをk番目の領域のピクセルポイントの数、Nをクラスマップ内のピクセルポイントの総数としたとき、平均化されたJ値J ̄(以後、“J ̄”は、“J”の上に“ ̄”を付した記号を表すものとする)は、
【数21】
のように計算される。計算された値は、分割されたクラスマップで各領域に対して分割がよく行われたかを量子化された値で示す。
【0023】
図3Aに示された分割されたクラスマップの場合、J ̄が0であるのに対し、図3Bに示された分割されたクラスマップの場合、J ̄が0.05である。すなわち、固定された数の領域の場合、さらによく分割された場合には平均化されたJ値が小さい。これは、ある領域がよく分割されている場合、その領域は均一に分布された色クラスを少なく含んでいるからである。したがって、平均化されたJ値が小さく現れる。
【0024】
図4Aは、テスト映像である"コンテナ"の1映像フレーム及び本発明によるカラー映像分割方法により分割されたテスト映像を示したものである。図4Aを参照すれば、分割する以前の映像に対するJ ̄は0.232であるが、分割を行った後の映像に対するJ ̄は0.071である。また、テスト映像内の領域がよく分割されたことが分かる。
【0025】
また、図4Bは、テスト映像の"フォアマン"の1映像フレーム及び本発明によるカラー映像分割方法により分割されたテスト映像を示したものである。図4Bを参照すれば、分割する以前の映像に対するJ ̄は0.238であるが、分割を行った後の映像に対するJ ̄は0.105である。また、テスト映像内の領域がよく分割されたことが分かる。
【0026】
また、図4Cは、テスト映像の"コースト"の1映像フレーム及び本発明によるカラー映像分割方法により分割されたテスト映像を示したものである。図4Cを参照すれば、分割する以前の映像に対するJ ̄は0.494であるが、分割を行った後の映像に対するJ ̄は0.093である。また、テスト映像内の領域がよく分割されたことが分かる。
【0027】
また、図4Dは、テスト映像である"フラワーガーデン"の1映像フレーム及び本発明によるカラー映像分割方法により分割されたテスト映像を示したものである。図4Dを参照すれば、分割する以前の映像に対するJ ̄は0.435であるが、分割を行った後の映像に対するJ ̄は0.088である。また、テスト映像内の領域がよく分割されたことが分かる。
【0028】
また、図4Eは、テスト映像の"マザーアンドドーター"の1映像フレーム及び本発明によるカラー映像分割方法により分割されたテスト映像を示したものである。図4Eを参照すれば、分割する以前の映像に対するJ ̄は0.438であるが、分割を行った後の映像に対するJ ̄は0.061である。また、テスト映像内の領域がよく分割されたことが分かる。
【0029】
すなわち、図4Aないし図4Eを参照して説明したように、本発明によるカラー映像分割方法により分割された映像に対するJ ̄は分割前の映像に対するJ ̄よりも小さい。
【0030】
前記実施形態において、特定の関数の計算が例として説明されたが、これは単なる説明のためのものである。請求項に定義される本発明の範囲は前記実施形態に限定されることなく、当業者が周辺ピクセルの色と区別される度合いを示す他の変形された関数を使用できるということは言うまでもない。
【0031】
さらに、前記カラー映像分割方法は、コンピュータプログラムにて具現できる。前記プログラムを構成するコード及びコードセグメントは当該分野のコンピュータプログラマーにより容易に推論できる。さらに、前記プログラムはコンピュータが読取り可能な媒体に貯蔵され、コンピュータにより実行できることから、前記カラー映像処理方法を具現できる。前記媒体は磁気媒体、光媒体、及び搬送波媒体を含む。
【0032】
前述したように、本発明によれば、カラー映像が使用者の支援なしに自動的に分割でき、入力映像に含まれるノイズに対して強い。
【0033】
<産業上の利用可能性>
本発明によるカラー映像分割方法において、相当量のノイズまたはテキスチャーが含まれている映像を分割するときにも強い分割が可能である。さらに、使用者により手動で行われる分割と違って、使用者の支援なしに自動的な分割が可能なので、分割の速度が速い。前記カラー映像分割方法は、MPEG−7において使用されるオブジェクト基盤の映像処理に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態によるカラー映像分割方法を示したフローチャートである。
【図2A】 図1のカラー映像分割方法により生成されるクラスマップ及びJ値を示した図である。
【図2B】 図2Aと同様の図である。
【図2C】 図2Aと同様の図である。
【図3A】 分割されたクラスマップを示した図である。
【図3B】 図3Aと同様の図である。
【図4A】 テスト映像である"コンテナ"の1映像フレーム及び本発明によるカラー映像分割方法により分割された映像フレームを示した図である。
【図4B】 テスト映像である"フォアマン"の1映像フレーム及び本発明によるカラー映像分割方法により分割された映像フレームを示した図である。
【図4C】 テスト映像である"コースト"の1映像フレーム及び本発明によるカラー映像分割方法により分割されたテスト映像を示した図である。
【図4D】 テスト映像である"フラワーガーデン"の1映像フレーム及び本発明によるカラー映像分割方法により分割されたテスト映像を示した図である。
【図4E】 テスト映像である"マザーアンドドーター"の1映像フレーム及び本発明によるカラー映像分割方法により分割されたテスト映像を示した図である。
【符号の説明】
102 カラー映像を入力する段階
104 入力された映像のピクセル値を幾つかの代表ピクセル値に量子化する段階
106 量子化された代表ピクセル値に該当するラベルを与えることにより、クラスマップを形成する段階
108 クラスマップ内の各ピクセルに対してJ値を計算する段階
110 J値を0〜255のグレースケールに変換し、J映像と称しうるグレースケール映像を得る段階
112 J映像を領域成長法に基づき分割する段階
Claims (12)
- カラー映像を複数個の領域に分割するカラー映像分割方法において、
(p−a)映像のピクセル値を所定個数の代表ピクセル値に量子化する段階と、
(a−1)dを正数としたとき、全体映像内で処理しようとするピクセルpを中心としてd×dの大きさを有するウィンドウBを定義する段階と、
(a−2)iは1とCとの間の数とし、前記代表ピクセル値のそれぞれにラベルを与えたことにより、前記ウィンドウB内の全てのピクセルの集合をC個のクラスZiに区分してクラスマップを生成する段階と、
(a−3)前記クラスマップ内の各ピクセルに対して前記クラスZ i のデータポイントの位置の平均値と前記各ピクセルの位置を比較して境界に近い程度を示す所定値を計算する段階と、
(b)前記計算された所定値を所定範囲のスケール値に変換して変換された映像を得る段階と、
(c)変換された映像を領域成長法に基づき分割する段階とを含むことを特徴とするカラー映像分割方法。 - 前記代表ピクセル値は、10〜20個の値よりなることを特徴とする請求項1に記載のカラー映像分割方法。
- 前記dは、3〜10の整数であることを特徴とする請求項1に記載のカラー映像分割方法。
- 前記所定のスケールは、0〜255の値を有するグレースケールであることを特徴とする請求項1に記載のカラー映像分割方法。
- オブジェクト基盤のカラー映像処理方法において、
(p−a)映像のピクセル値を所定個数の代表ピクセル値に量子化する段階と、
(a−1)dを正数としたとき、全体領域内で処理しようとするピクセルpを中心としてd×dの大きさを有するウィンドウBを定義する段階と、
(a−2)iは1とCとの間の数とし、前記代表ピクセル値のそれぞれにラベルを与えることにより、前記ウィンドウB内の全てのピクセルの集合をC個のクラスZiに区分してクラスマップを生成する段階と、
(a−3)前記クラスマップ内の各ピクセルに対して前記クラスZ i のデータポイントの位置の平均値と前記各ピクセルの位置を比較して境界に近い程度を示す所定値を計算する段階と、
(b)前記計算された所定値を所定範囲のスケール値に変換して変換された映像を得る段階と、
(c)変換された映像を領域成長法に基づき分割する段階とを含むことを特徴とする映像分割方法によりカラー映像を処理するカラー映像処理方法。 - 前記カラー映像処理方法の各段階は、MPEG−7標準においてオブジェクト基盤の映像処理に準じることを特徴とする請求項6に記載のカラー映像処理方法。
- カラー映像を複数個の映像に分割するカラー映像分割方法を行うプログラムコードを貯蔵する記録媒体において、
(p−a)映像のピクセル値を所定個数の代表ピクセル値に量子化する段階と、
(a−1)dを正数とした時、全体映像内で処理しようとするピクセルpを中心としてd×dの大きさを有するウィンドウBを定義する段階と、
(a−2)iは1とCとの間の数とし、前記代表ピクセル値のそれぞれにラベルを与えることにより、前記ウィンドウB内の全てのピクセルの集合をC個のクラスZiに区分してクラスマップを生成する段階と、
(a−3)前記クラスマップ内の各ピクセルに対して前記クラスZ i のデータポイントの位置の平均値と前記各ピクセルの位置を比較して境界に近い程度を示す所定値を計算する段階と、
(b)前記計算された所定値を所定範囲のスケール値に変換して変換された映像を得る段階と、
(c)変換された映像を領域成長法に基づき分割する段階とを含むカラー映像分割方法を行うプログラムコードを貯蔵する記録媒体。 - 前記dは、3〜10の整数であることを特徴とする請求項9に記載の記録媒体。
- 前記所定のスケールは、0〜255の値を有するグレースケールであることを特徴とする請求項9に記載の記録媒体。
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