JP3852734B2 - 圧力可変弁装置及び該弁装置の設定圧力調整装置 - Google Patents

圧力可変弁装置及び該弁装置の設定圧力調整装置 Download PDF

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    • Y10T137/7904Reciprocating valves
    • Y10T137/7906Cam means for adjusting and fixing bias

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圧力可変弁装置に係わり、より詳しくは、体内に埋め込まれて髄液などの圧力を調整するシャントバルブとして用いられるに適した圧力可変弁装置及びその設定圧力調整装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
水頭症の治療等のために、フォーク状板バネの両側のアーム部の先端を係止すると共に中央アーム部の先端を弁体として働くボールに当接させ、更に中心軸線のまわりで回転可能な回転体に形成した螺旋階段状カム面にフォークの基端部を係合させておいて、回転体の回転に伴うカム面の回転に応じてバネの係合基端部を回転体の軸方向に移動させてバネの撓み量を変えることによって、バネによるボールの押圧力を変えるようにしたシャントバルブ(分岐弁)装置を髄液等の流路に設けて髄液等の圧力を調整することは、特開昭60−40063号公報に開示されている。このシャントバルブ装置では、例えば、周面に爪を備えた爪車を回転体と一体に形成すると共に、長手方向の中間部に位置する支点のまわりで回動可能で爪車の爪と係合可能な係合爪を両端に備えた係合片を二つ爪車の爪に向き合わせて配置し、更に、二つの係合片の隣接端部が同一の磁極になるように該係合片に磁石を取付け、外部から一方の向きに磁場をかけた際、両方の係合片が夫々の回動軸のまわりで同じ向きに回動して、該回動方向に対応する向きに爪車を回転させ、次に逆向きの磁場をかけて二つの係合片を元の回動位置に戻すことを繰返すことにより、回転体の回転位置を調整するようになっている(上記公報の第10a図〜第10d図や第11図)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この設定圧力可変シャントバルブないし圧力可変弁装置の場合、シャントバルブの全体にかかる外部磁場の向きが変わるような環境下では、設定圧力の意図していない変更が生じてしまう虞れがある。すなわち、シャントバルブが、例えば、頭部の頭皮の下等に埋設されている水頭症等の患者がMRI(磁気共鳴イメージング)装置により頭部の検査・診断を受けるような場合、患者は、MRI装置内において典型的には該装置のZ方向にかかっている強く空間的に一様な主磁場に対して種々の向きに被検査・診断部を向けることになるので、結果的に、上述のようなシャントバルブの回転体の回転位置を調整するときと同様な順序で向きが変わる磁場をシャントバルブのところに受けてしまって設定圧力の意図しないズレが生じる虞れがある。
【0004】
本発明は、前記諸点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、MRI装置の主磁場などの下においても、設定圧力のズレが生じる虞れの少ない圧力可変弁装置及び該弁装置のための設定圧力調整装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧力可変弁装置は、前記した目的を達成すべく、体内に埋設されるように構成され、入口側管路と出口側管路との圧力差を変更可能な圧力可変弁装置であって、弁体による設定圧力を変えるべく、弁装置本体内において、中心軸線のまわりで回転可能な回転体と、該回転体の回転を制御する回転制御機構とを有し、回転制御機構が、弁装置本体内で直線的に往復並進可能に弁装置本体に支持された少なくとも一つの永久磁石構造体と、永久磁石構造体の並進の向きに応じて回転体を対応する方向に回転させる変位伝達機構とを有する。
【0006】
本発明の圧力可変弁装置では、「弁装置本体内で直線的に往復並進可能に弁装置本体に支持された少なくとも一つの永久磁石構造体と、永久磁石構造体の並進の向きに応じて回転体を対応する方向に回転させる変位伝達機構と」が設けられているから、変位伝達機構により回転体を回転させようとする向きに応じて対応する向きに永久磁石構造体を並進移動させるような磁場を該永久磁石構造体の磁極近傍にかける(永久磁石構造体が複数ある場合には各永久磁石構造体の並進の向きを回転体に対する回転力の向きが同じになるようにする)ことにより、回転体を所望の向きに回転させ得る。また、本発明の圧力可変弁装置では、回転体は、「弁体による設定圧力を変えるべく、弁装置本体内において、中心軸線のまわりで回転可能」であるから、回転体を回転させることによって、弁装置の設定圧力すなわち弁装置の入口側管路と出口側管路との圧力差を変更し得る。
【0007】
また、本発明の圧力可変弁装置では、永久磁石構造体が「弁装置本体内で直線的に往復並進可能に弁装置本体に支持され」ているから、永久磁石構造体の一対の磁極(N,S)がMRI装置のZ方向の主磁場のような同一の向きで実際上同一の強さの磁場に同時にさらされると両磁極に働く力の大きさが同じで向きが反対であるから永久磁石構造体を並進させる力が相殺するので永久磁石構造体の並進移動は実際上生ぜず、回転体には回転力が与えられないから、回転体の回転が生じる虞れがない。すなわち、本発明の圧力可変弁装置が体内に埋設された人が、検査や診断などのために、MRI装置の強い主磁場内におかれても、弁装置の回転体に不測の回転が生じる虞れが少なく弁装置の設定圧力が変わってしまう虞れが少ない。
【0008】
本発明の弁装置は、入口側管路と出口側管路との圧力差を変更可能であれば、弁装置の弁体が、通常は流路を閉じていて設定圧力に達すると入口側管路と出口側管路とを連通するタイプ(常閉タイプ)のものであっても、常時弁流路を開いていて弁流路の絞り開口の大きさが入口側管路と出口側管路との圧力差を規定するタイプ(常開タイプ)のものでもよい。前者の場合、弁体による弁流路の閉鎖が解除される圧力を変える又は調整することにより設定圧力が変更又は調整され、後者の場合、弁体により絞られる弁流路の絞り開口の大きさを変える又は調整することにより流量が変わるので設定圧力が変更又は調整される。ここで、入口側管路及び出口側管路とは、弁装置の入口及び出口にある管路又は導管路ないし流路をいう。
【0009】
回転体は、中心軸線のまわりで回転可能であれば、回転の支持の仕方は問わない。また、中心軸線とは、回転の中心軸線ないし回転軸線をいう。回転体の形状は、典型的には、中心軸線のまわりでほぼ対称であるけれども厳密には対称でなくてもよく、また、中心軸線すなわち回転軸線が回転体の中央部からずれていてもよい。回転体は、回転の際回転軸線に沿う方向に移動しても移動しなくてもよい。
【0010】
永久磁石構造体は、典型的には両端に反対の極性の磁極を有する一つの永久磁石からなるけれども、外部磁場に対して全体として一つの永久磁石として振舞えばよく、各構造体内部の磁化構造はどのようなものでもよく、例えば、全体が一つの永久磁石になっていても、一箇所又は複数箇所に一つ又は複数の永久磁石が固定ないし埋め込まれていてもよい。また、場合によっては、体表面に配置される設定圧力調整装置により形成される磁場の影響を受けやすいように、磁極が端部近傍の側面に位置するようなものでもよい。
【0011】
好ましくは、回転制御機構が一対の磁石構造体を有し、一対の磁石構造体に実質上同じ外部磁場がかかっている場合回転体に相互に相殺する逆向きの回転力を及ぼすように、前記変位伝達機構が構成されている。
この場合、例えばMRI装置内において場所により異なる共鳴周波数を与えるべくかけられた傾斜磁場等の影響で永久磁石構造体のN極とS極とにかかる磁場の大きさが異なることにより該永久磁石構造体に全体としてある程度の並進方向の力がかかるような場合であっても、一対の永久磁石構造体が相殺する向きの回転力を回転体に及ぼすので、回転体に不測の回転が生じる虞れが少ない。
【0012】
回転制御機構は、好ましくは、回転体の中心軸線に関して実質上直径方向に対向し且つ該直径方向に交差する一の方向に沿って実質上平行に並進移動可能な一対の永久磁石構造体であって、夫々が、移動可能方向の同じ側の端部に同一の極性の磁極を有するものと、一対の永久磁石構造体のうちの一方の永久磁石構造体の並進移動の向きに応じて回転体の隣接部分を対応する(同じ)向きに移動させ、他方の永久磁石構造体の並進移動の向きに応じて回転体の隣接部分を対応する(同じ)向きに移動させるように構成された変位伝達機構とを有する。
【0013】
この場合、「回転体の中心軸線に関して実質上直径方向に対向し且つ該直径方向に交差する一の方向に沿って実質上平行に並進移動可能な一対の永久磁石構造体であって、夫々が、移動可能方向の同じ側の端部に同一の極性の磁極を有するもの」が設けられているから、MRI装置の傾斜磁場のような不均一ないし一様でない磁場にさらされた場合、同一の極性の磁極を同じ側の端部に有する一対の永久磁石構造体は、該磁場が特異点を有するような異常な磁場でない限り、同一の向きに並進移動せしめられるような力を受けることになる。また、「一対の永久磁石構造体のうちの一方の永久磁石構造体の並進移動の向きに応じて回転体の隣接部分を対応する(同じ)向きに移動させ、他方の永久磁石構造体の並進移動の向きに応じて回転体の隣接部分を対応する(同じ)向きに移動させるように構成された変位伝達機構」が設けられているから、一対の永久磁石構造体のうちの一方の永久磁石構造体が一方の向きに並進移動される際回転体の隣接部分が該一方の向きに移動して一方の向きに回転せしめられるような力を受け、回転体の中心軸線に関して実質上直径方向に対向するところにある他方の永久磁石構造体も同じ向き即ち前記一方の向きに並進移動されて回転体の隣接部分を該一方の向きに移動させ回転体を他方の向きに回転させれるような力を及ぼすことになり、結果的に、回転体の回転を相互に抑制ないし禁止し合うことになる。従って、MRI装置等で検査や診断を受けるような場合においても、回転体に不測の回転が生じる虞れを最小限にし得る。その結果、弁装置の設定圧力が回転体の回転によって不測の変更を受ける虞れが少ない。
【0014】
一方、一対の磁石構造体のうちの一方の磁石構造体を一方の向きに移動させ他方の磁石構造体を他方の向きに移動させるような磁場を各永久磁石構造体の少なくとも一方の磁極近傍に形成することにより、回転体の直径方向に対向した部分を相互に反対向きに移動させるような相加的な回転力を該回転体に及ぼすことになるから、結果的に、回転体は一対の永久磁石構造体から同じ向きの回転力を受けて、その向きに回転され、該回転に応じて弁装置の設定圧力を変更し得る。
【0015】
なお、一方の向きに傾斜した磁場の下で、一対の永久磁石構造体が回転体に相互に相殺し合う逆方向の回転力を及ぼすようにするためには、「回転体の中心軸線に関して実質上直径方向に対向し且つ該直径方向に交差する一の方向に沿って実質上平行に並進移動可能な一対の磁石構造体」について、「夫々が、並進移動可能方向の同じ側の端部に同一の極性の磁極を有する」ようにする代わりに、「夫々が、並進移動可能方向の同じ側の端部に反対の極性の磁極を有する」ようにすると共に、変位伝達機構について、「一対の磁石構造体のうちの一方の磁石構造体の並進移動の向きに応じて回転体の隣接部分を対応する(同じ)向きに移動させ、他方の磁石構造体の並進移動の向きに応じて回転体の隣接部分を対応する(同じ)向きに移動させるように構成」する代わりに、「一対の磁石構造体のうちの一方の磁石構造体の一方又は他方の向きへの並進移動に応じて回転体の隣接部分を夫々一方又は他方の向きに移動させ、他方の磁石構造体の他方又は一方の向きへの並進移動に応じて回転体の隣接部分を夫々一方又は他方の向きに移動させるように構成」してもよい。後者の場合には、他方の磁石構造体と回転体との間に更に変位の伝達機構が設けられ、該伝達機構によって変位の方向が逆転されることになる。
【0016】
これらの場合には、永久磁石構造体が磁極を有する端部は、典型的には、構造体の端縁であるけれども、場合によっては、端部近傍の側面など他の部分でもよい。
変位伝達機構は、永久磁石構造体の連続的な並進移動ないし変位をそのまま回転体の連続的な回転に変えるように構成されていてもよいけれども、典型的には、永久磁石構造体の一方の向きへの一回の並進移動ないし変位に応じて単位ピッチだけ間欠回転するような一方向クラッチ機構を備える。
【0017】
本発明の弁装置では、変位伝達機構は、好ましくは、回転体と同軸で該回転体に一体的に形成された爪車と、各永久磁石構造体の並進移動の際、爪車の爪の隣接部分と係合するように各磁石構造体に結合されたされた係合爪とを有する。永久磁石構造体は一方の向き及びその反対の向きへの並進移動に際して爪車に回転力を付与するので、係合爪は、各永久磁石構造体に対して一対設けられることになる。
【0018】
この場合、永久磁石構造体に結合された一対の係合爪の夫々が、対応する向きへの並進移動に際しては爪車の爪に回転力を及ぼし戻る向きへの並進移動に際しては爪車の爪に対して実際上回転力を及ぼさないような一方向クラッチの形態であってもよいけれども、好ましくは、回転制御機構が、磁石構造体の係合爪と協働して回転体を爪車の爪の一ピッチ単位で間欠回転させるべく一端で弁装置本体に係合し他端で爪車の爪に弾性的に押圧される躍制係合端部を備えた躍制バネないしジャンパバネを有し、該躍制バネが、一対の永久磁石構造体による回転体の回転を許容する弱い抑制力で躍制係合端部において回転体の回転を抑制するように構成されている。躍制バネの一端は、弁装置本体に固定されていても単に係止されていてもよい。
【0019】
この場合、躍制バネは、爪車の爪に対して常に少なくとも軽く圧接されることになるから、弁装置の埋設された部位(例えば頭部)を急激に動かしたり該埋設部位に軽い機械的な衝撃が加わったりするようなことがあっても、爪車が自由には回転しないように爪車をロックして爪車に不測の回転が生じる虞れを最小限に抑制し、弁装置の設定圧力に不測の変更が生じる虞れを最小限にし得る。
【0020】
爪車は、回転体と一体的であれば、樹脂などで一体成形されても、金属などで夫々が別体に形成された後、相対回転しないように固定されていてもよい。
永久磁石構造体は、典型的には、一方向に摺動可能なように、弁装置本体に形成されたガイドピンと係合する長孔を有する。この場合、永久磁石構造体の変位方向及び可動範囲がガイドピンと長孔との係合により確実に規制され得る。但し、永久磁石構造体がガタなく一方向に沿って直線的に往復並進移動可能なように支持され得る限り、典型的には、直線的に往復摺動可能なように支持され得る限り、永久磁石構造体の一方向変位の方向及び範囲を規定するために、他の手段を用いてもよい。
【0021】
圧力可変弁装置を構成する部材は、極力MRI(磁気共鳴イメージング)装置による撮像の際、像として写ったり像を乱したりする虞れが実際上ない材料からなること、いわゆるMRIフリーな材料からなることが好ましい。例えば、磁性材料は、永久磁石構造体のような永久磁石であるべきもの以外の部材には用いられないことが好ましく、また、例えば、MRI装置がプロトンのNMRを利用するものである場合には、人体の頭部内のような被検部において観測されるべき水素原子の核磁気共鳴条件と同一又は該条件に極めて近い共鳴条件のものがないか少ない材料を用いることが好ましい。従って、永久磁石構造体以外の圧力可変弁装置を構成する部材(例えば、弁装置本体や回転体など)は、MRIフリーなプラスチック材料(例えばシリコーン樹脂やポリカーボネート等)やMRIフリーな非磁性金属材料からなることが好ましい。なお、体内に埋設されるものであるから、人体に有害な材料は避けるべきことは勿論である。
【0022】
圧力可変弁装置の少なくとも一つの永久磁石構造体を並進移動させて回転体を回転させるべく、一つ又は一対の永久磁石構造体の磁極近傍に所定の磁場をかけるためには、磁場発生手段を各永久磁石構造体に近接させて配置すればよい。したがって、設定圧力調整装置は、このような磁場発生手段からなる。磁場発生手段は、典型的には、透磁率の高い軟磁性体がソレノイドコイルに挿通された電磁石からなる。電磁石の数は、一つでも、磁石構造体の数に応じて一対すなわち二つでも、磁石構造体の磁極の数に応じて四つでも、それ以上でもよい。
【0023】
なお、弁装置は、該弁装置の設定圧力状態を外部から検出可能にすべく、設定圧力信号発生手段を有する。信号は、静磁場のような磁気的な信号(例えば磁場の強さや向きや時間依存変動の仕方など)でも、静電場のような電気的な信号(例えば電場の強さや向きや時間依存変動の仕方など)でも、電磁場のような電磁的な信号でも、他の種類の信号でもよい。設定圧力に応じて回転体の回転位置が変わるから、該回転位置を直接検出するようにしても、該回転に応じて他の量(例えば軸方向位置)が変わるようにしておいて該他の量を検出するようにしてもよい。
【0024】
弁装置は、医療用など人体に埋設されて用いられるべく構成され、典型的には、水頭症や脳腫瘍やクモ膜下嚢胞などの治療等を目的として体内の関連流体の圧力を非侵襲的に調整し得るように、例えば、脳室−腹腔シャントや脳室−心室シャント等のためのシャント弁として用いられるべく体内に外科的に埋設され得るように構成され、髄液等の圧力の調整等に用いられるに適した数cm程度以下のサイズを有し得る。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい実施例に基づいて説明する。
【0026】
【実施例】
図1から4には、本発明による好ましい一実施例の弁システム1が示されている。弁システム1は、図2に示したように、人体の例えば頭皮2の下(例えば体表面から数mm程度の深さところ)において頭骨2b上に埋設された圧力可変弁装置3と、該弁装置3による設定圧力ΔPを検出する設定圧力検出装置4と、設定圧力ΔPを調整する設定圧力調整装置5とを有する。
【0027】
弁装置3は、例えば、髄液の導管6の途中の部位Aに接続・配設され、上流側管路ないし導管部6aにおける髄液の圧力Pが下流側管路ないし導管部6bにおける髄液の圧力P0よりも弁装置3の設定圧力ΔP以上には高くならないように、即ち髄液の圧力PがP0+ΔP以下になるように、設定・調整する。例えば、圧力P0が実際上大気圧に一致している場合、大気圧を基準としてP0=0とすると、P=ΔPとなる。なお、弁装置3は、下流側導管部6bの圧力が所定圧力P0(=P−ΔP)以上になるように、圧力を調整するための弁装置として用いられてもよい。
【0028】
弁装置3は、入側及び出側導管部11,12、出側導管部12に連通した室14並びに入側導管部11と出側導管部12及び室14とをつなぐ弁流路としての開口17を内部に有しシリコーン樹脂やポリカーボネート等からなる弁装置本体ないし弁ハウジング10と、弁装置本体10内の開口17を開閉する弁体としてのサファイアやルビー等の硬質セラミック製でボール状の弁部材すなわちボール弁ないしボール20と、上流側導管6aの圧力Pが設定圧力P0+ΔPを超えた場合、ボール弁20と協働してボール弁20による流路17の閉塞を解除する圧力制御機構30とを有する。弁ハウジング10は、例えば、B方向の長さが1〜2cm程度、C方向の幅が数mm〜1cm程度、D方向の高さが数mm〜1cm程度である。但し、各方向のサイズは、より小さくても、場合によってはより大きくてもよい。
【0029】
弁装置本体10は、上流側導管部6aに接続された入側導管部11と下流側導管部6bに接続された出側導管部12との間においてボール弁20が着座可能でボール弁20と同様な材料からなる弁座部13と、ボール弁20及び圧力制御機構30が収容された室14とを有する。弁座部13は、円錐台状の座面15を備えた弁座部材からなる。なお、図では、見やすさのために、弁装置本体10が単一の部材からなるかの如く示されているけれども、弁装置本体10は、室14内に種々の部材を配設可能なように、複数の部分から組立ててなる。
【0030】
圧力制御機構30は、主として図1の(a)及び(b)に示したように、室14内において該室14の底壁18に固定された基板31と、基板31に大径部32aで嵌着されたカム車軸ないし回転中心軸32と、基板31に垂直な方向Cに延びたカム車軸32の小径軸部32bに該車軸32の中心軸線EのまわりでF1,F2方向に回転ないし回動可能に嵌合され螺旋階段状の多段のカム面33を備えたカム34が形成された回転体としてのカム車35と、カム34及びボール状弁体20の間に配設された弁バネ36とを有する。弁バネ36は、例えば三本の脚部ないしアーム部36a,36b,36cを備えたフォーク状で、基板31に固定された係合支持構造体37b,37cに両側の短いアーム部36b,36cの先端で係止され、中央の長いアーム部36aの先端38でボール20に当接し、アーム部36aの基端部に位置するフォークの基端部39の下面に形成された半球状係合突起39aの先端で螺旋階段状カム34のカム面33に当接している。尚、弁座部材13も、基板31の孔に嵌着されている。70は、弁バネ36の基端部39上に固定され基端部39のD方向の位置を表す磁場信号を与える設定圧力信号発生手段ないし可動マーカとしての永久磁石であり、71(図2)は、弁装置本体10の頂壁19内に埋設され弁装置本体10の位置を表す基準位置信号を与える固定マーカとしての永久磁石である。
【0031】
弁バネ36は、例えば非磁性ステンレス鋼のような非磁性金属材料からなり、各アーム部36a,36b,36cの幅及び間隔が1mm程度、厚さが0.1mm程度、アーム部36aの長さが1〜2cm程度、アーム部36b,36cの長さがアーム部36aの長さの半分程度である。但し、各方向のサイズは、より小さくても、場合によっては、より大きくてもよい。この明細書では、図1から3の見かけの向きを基礎として、水平方向や上下方向という用語を用いるけれども、これらの向きは、弁装置3を埋設した人体の向きや人体内での埋設箇所によって変動可能なものであることは、明らかであろう。
【0032】
従って、カム車35がカム車軸32の小径軸部32bのまわりでF1又はF2方向に回転されると、弁バネ36の基端部39がカム34によってD1又はD2方向に移動され、係合支持構造体37b,37cでアーム部36b,36cの先端が支持ないし係止されたバネ36のG1,G2方向の撓み状態が変化し、バネ36の先端部38によるボール20のD2方向の押圧力が変化して、ボール弁20による弁流路17の閉鎖を解除する圧力が変化する。アーム基端部39の突起39aは、螺旋階段状カム面33のいずれかと係合して安定な状態になるので、カム車35は所定の角度ないしピッチΔφづつ間欠的に回転された回転位置を採る。なお、アーム基端部39上の磁石70の上下方向Dの位置は、突起39aのD方向の位置すなわち弁バネ36によりボール20にD方向に加えられる押圧力、換言すれば弁の設定圧力ΔPに一対一に対応している。
【0033】
例えばポリカーボネートのような樹脂製のカム車35の大径の基部35aの下部には、爪車40が一体成形により一体的に形成されており、外周に多数の爪41を備えた爪車40は、カム車軸32の小径軸部32bのまわりで即ち中心軸線Eのまわりでカム車35と共に回転可能である。なお、非磁性ステンレス鋼のような金属製の爪車40をこれと同様な材料からなるカム車35と別体で形成しておいて、相対回転しないように固定してもよい。
【0034】
爪車40のC方向の両側には、スライダ51,52が、基板31上でB1,B2方向に摺動可能に基板31に取付けられている。スライダ51及び52は、夫々、B方向に細長い本体部53及び54と、該本体部53及び54のうち爪車40の爪41に向き合った側壁53a及び54aに一体的に形成された一対の係合爪55,56及び57,58とを有する。永久磁石構造体としてのスライダ本体部53,54は、夫々、同一の向きB2に磁化された実際上同一構造で同じ強さの永久磁石からなり、該本体部53,54のB1方向端部53b,54bがN極にB2方向端部53c,54cがS極になっている。各スライダ本体部53及び54には、B方向に延びたガイド孔ないし長孔53d及び54dが形成されており、該長孔53d及び54dには、B方向に間隔を置いて基板31に突設された一対のガイドピン61a,61b及び62a,62bが嵌合されいる。ガイドピン61a,61bのC方向の径は長孔53dのC方向の幅と実際上一致し、ガイドピン62a,62bのC方向の径は長孔54dのC方向の幅と実際上一致している。従って、スライダ51,52ないしスライダ本体部53,54は、長孔53d,54dのB2方向端壁53e,54eがガイドピン61a,62aの周面に当接するところまで基板31に対してB1方向に摺動可能であり、長孔53d,54dのB1方向端壁53f,54fがガイドピン61a,62aの周面に当接するところまで基板31に対してB2方向に摺動可能である。
【0035】
係合爪55は、スライダ51が基板31に対してB1方向に移動される際、爪車40の爪41のうちB1方向に最隣接した爪42の対向面42aに当接・係合し該爪42をB1方向に押して爪車40をF2方向に回転させる内側係合面55aと、爪車40の爪41のうち隣接する二つの爪、例えば爪42,43の間の隙間44に遊嵌され得るように先細の爪形状を規定する外側の表面55bと、先端の係止表面55cとを有する。同様に、係合爪56は、スライダ51が基板31に対してB2方向に移動される際、爪車40の爪41のうちB2方向に最隣接した爪45の対向面45aに当接・係合し該爪45をB2方向に押して爪車40をF1方向に方向に回転させる内側係合面56aと、爪車40の爪41のうち隣接する二つの爪、例えば爪45,46の間の隙間44に遊嵌され得るように先細の爪形状を規定する外側の表面56bと、先端の係止表面57cとを有する。
【0036】
また、係合爪57は、スライダ52が基板31に対してB1方向に移動される際、爪車40の爪41のうちB1方向に最隣接した爪47の対向面47aに当接・係合し該爪47をB1方向に押して爪車40をF1方向に方向に回転させる内側係合面57aと、爪車40の隣接する二つの爪、例えば爪47,48の間の隙間44に遊嵌され得るように先細の爪形状を規定する外側の表面57bとを有する。同様に、係合爪58は、スライダ52が基板31に対してB2方向に移動される際、爪車40の爪41のうちB2方向に最隣接した爪49の対向面49aに当接・係合し該爪49をB2方向に押して爪車40をF2方向に方向に回転させる内側係合面58aと、爪車40の爪49及びこれに隣接する爪の間の隙間44に遊嵌され得るように先細の爪形状を規定する外側の表面58bと、先端の係止表面58cとを有する。
【0037】
爪車40の自由な回転は、躍制バネないしジャンパバネ63によって、抑制されている。すなわち、基板31に突設した係合突起64に一方の腕部65の先端の係合部66で係合されたほぼU字状の回転躍制バネ63は、該バネ63のバネ力により、他方の腕部67の先端の係合部68で、爪車40の隣接爪部41,41の間に軽く押しつけられており、弁装置3の埋設部(例えば人の頭部)の動きや埋設部にかかる軽い衝撃により爪車40がF1,F2方向に回転しようとするのを抑制・禁止し、爪車40をその位置にロックしている。従って、回転体としてのカム車35に不測の回転が生じて弁装置3の設定圧力に不測の変動が生じていしまう虞れが少ない。なお、バネ63による回転抑制力は比較的小さく、スライダ51,52による回転力が爪車40に対して同時且つ同一の回転方向に加えられたときは、爪車40の回転が許容される程度の大きさである。
【0038】
この例では、変位伝達機構は、スライダ本体53,54に一体的に形成された係合爪55,56,57,58と、カム車35に一体的に形成された爪車40と躍制バネ63とからなり、回転制御機構は、該変位伝達機構に加えて、永久磁石構造体としてのスライダ本体53,54を更に含む。すなわち、回転制御機構は、スライダ51,52と爪車40と躍制バネ63とからなる。
【0039】
設定圧力検出装置4は、図2に示したように、圧力可変弁装置3を埋設した部位の頭皮2の突出部2aに被せられる検出装置本体72と、該本体72に取付けられた磁気センサ73,74とを有する。検出装置本体72は、埋設部のところの頭皮突出部2aを受容すべく、突出部2aとほぼ相補的形状の凹部75を頭皮2に接触する下面76に備える。磁気センサ73は、圧力可変弁装置3の本体10の頂壁19に埋設された永久磁石71による磁場を検出するように、凹部75の表面近傍に設けられている。同様に、磁気センサ74は、圧力可変弁装置3のバネ36の基端部39上に固定された永久磁石70による磁場を検出するように、凹部75の表面近傍に設けられている。磁気センサ73,74間の距離Hは、磁石71,70間のB方向の距離と実質上等しい。磁気センサ73,74は、例えば、巨大磁気抵抗(GMR)効果素子からなる。但し、磁気抵抗(MR)効果素子でも、他の磁場センサでもよい。磁気センサ73,74による検出出力は、例えば、ディスプレイ76のような表示装置などで表示される。
【0040】
設定圧力の検出に際しては、検出装置本体72の凹部75が突出部2aに丁度嵌る位置に検出装置本体72を被せることにより大体の位置決めをした後、磁気センサ73による永久磁石71の磁場検出出力が最大になり且つ磁気センサ74による永久磁石の磁場検出出力が最大になるように、二つの検出出力をディスプレイ76上で見ながら、検出装置本体72のB方向及びC方向の位置並びに向きを微調整する。次に、磁気センサ74による検出出力すなわち検出磁場の大きさから、磁石70のD方向の位置情報を得る。なお、所望ならば、磁気センサ73による磁石71の検出出力の大きさを基準として、磁気センサ74による検出出力を補正するようにしておいてもよい。
【0041】
以上のような構成を有する圧力可変弁装置3において、弁装置本体10及び基板31(弁装置本体10の一部として一体成形されていてもよい)は、MRIフリーなプラスチック材料からなり、回転体35、爪車40、ガイドピン61a,61b,62a,62b、係合支持構造体37b,37c、躍制バネ63及び弁バネ36は、MRIフリーなプラスチック材料又は非磁性金属材料からなり、ボール弁20及び弁座部材13はMRIフリーなセラミック材料からなる。
【0042】
設定圧力調整装置5は、図1及び3、特に図3に詳細に示したように、例えば、四つの電磁石81,82,83,84を有する。各電磁石81,82,83,84は、典型的には、ソレノイドコイルと該コイル内に挿通された高透磁率軟磁性材料の棒状体とからなる。これらの四つの電磁石81,82,83,84は、図2に示した設定圧力検出装置4の本体72と同様な形状を備えた設定圧力調整装置本体(図示せず)内に、電磁石81,83及び82,84の下端部81a,83a及び82a,84aがスライダ本体53の端部53b,53c及びスライダ本体54の端部54b,54cに向き且つ近接して位置し得るように斜めに取付けられている。なお、電磁石81,82は一つの電磁石(図示せず)からなっていてもよく、また、図1に示したように、電磁石83,84も一つの電磁石例えば電磁石85からなっていてもよい。
【0043】
次に、主として図4の(a)から(d)を参照して、設定圧力調整装置5を用いた圧力可変弁装置3の圧力の変更・設定の仕方ないし操作について、詳しく説明する。なお、図4の(a)から(d)では、励磁状態にある電磁石のみについてその下端の励磁状態を示す。
まず、初期状態が図4の(a)に示したような状態であるとする。すなわち、スライダ51,52はガイド孔ないし長孔53d,54dの中間にガイドピン61a,61b,62a,62bが遊嵌された位置で、躍制バネ63の先端係合部68が爪車40の隣接爪部41,41の間に深く係合して軽く圧接され、爪車40及びカム車35が回転しないようにロックしており、爪車40及びカム車35の回転は躍制バネ63により抑制されている。電磁石81,82,83,84のいずれも励磁されていない。一方、スライダ51,52は狭い範囲ではB1,B2方向に遊動可能である。尚、弁装置3は、爪車40の回転位置に応じた圧力に設定されている。
【0044】
例えば、図4の(a)に示した状態において、MRI装置のZ方向の主磁場のような巨大な静磁場Wが、例えば、B2方向にかかった場合、スライダ51についてはN極端部53bがB2方向にS極端部53cがB1が逆向きで同じ大きさの力を受けるからスライダ51が受ける力は相殺され、スライダ51は動かされない。スライダ52についても同様である。なお、スライダ51,52のスライダ本体53,54の磁極が端部53b,53b,54b,54c以外のところに分布している場合でも、同様である。また、静磁場Wの向きがB方向に対して交差する方向である場合にも、B1,B2方向以外の移動はガイドピン61a,61bで禁止されており、静磁場WのうちB1,B2方向の成分の影響は同様であるから、スライダ51,52は静磁場Wによっては、動かされない。
【0045】
更に、MRI装置の傾斜磁場がかかっている場合でも、爪車40及び回転体35の回転は実際上生じない。仮に、傾斜磁場によりスライダ51のN極端部53bにかかるB2方向の力が該傾斜磁場によりS極端部53cにB1方向にかかる力よりも大きいとすると、スライダ51の係合爪56は爪車40をF1方向に回転させようとする。傾斜磁場はスライダ51,52の本体(磁石構造体)53,54にほぼ同様にかかるので、スライダ52のN極端部54bにかかるB2方向の力がS極端部54cにB1方向にかかる力よりも大きくなってスライダ52の係合爪58が爪車40をF1方向に回転させようとする。その結果、スライダ51により爪車40に加えられるF1方向の回転駆動力とスライダ52により爪車40に加えられるF2方向の回転駆動力とが相殺しあって、爪車40及び回転体35は実際上回転しない。なお、仮に、F1方向の回転駆動力とF2方向の回転駆動力に差がある場合でも、傾斜磁場は比較的小さく傾斜磁場の傾斜も比較的小さいので、各スライダ51,52の回転駆動力は比較的小さくなり、回転駆動力の差は更に小さくなるから、係合端部68で爪車40の爪41,41の間に係合された躍制バネ63による回転抑制力によって、爪車40の回転は、確実に、禁止され得る。
【0046】
例えば、図4の(b)に示したように、電磁石81の下端81a及び電磁石83の下端83aの両方共がS極になるように、電磁石81,83のコイルに通電して電磁石81,83を励磁すると、スライダ51のスライダ本体53のN極端部53bが隣接する電磁石81のS極端部81aから引力を受け、スライダ本体53のS極端部53cが隣接する電磁石83のS極端部83aから斥力を受けるので、スライダ本体53が、電磁石81,83の両方からB2方向への力を受け、係合爪56が爪車40の隣接爪部45をB2方向に押して爪車40をF1方向に回転させようとする。
【0047】
同様に、電磁石82の下端82a及び電磁石84の下端84aの両方共がN極になるように、電磁石82,84のコイルに通電して電磁石82,84を励磁すると、スライダ52のスライダ本体54のN極端部54bが隣接する電磁石82のN極端部82aから斥力を受け、スライダ本体54のS極端部54cが隣接する電磁石84のN極端部84aから引力を受けるので、スライダ本体54が、電磁石82,84の両方からB1方向への力を受け、係合爪57が爪車40の隣接爪部47をB1方向に押して爪車40をF1方向に回転させようとする。
【0048】
すなわち、爪車40は、スライダ51,52の両方からF1方向の回転力を受けるから、爪車40は、躍制バネ63の係合端部68による抑制力に抗してバネ63の腕部67をQ2方向に撓めて位置J(図4の(b)に示した位置ないし図1の想像線位置)に変形させつつ、F1方向に回転される。スライダ51,52によるこのF1方向の回転駆動は、図4の(b)に示したように、スライダ本体53の長孔53dの端部53fがガイドピン61bに当接し(図1の(a)の想像線K)、スライダ本体54の長孔54dの端部54eがガイドピン62aに当接する(図1の(a)の想像線L)ところで終る。このとき、爪車40の爪45,47は、図1において、想像線で示したほぼ中間位置に達し、躍制バネ63の係合端部68が、図1の(a)において想像線で示したように、上流側で隣接していた爪部43の頂点ないし頂部43aを乗越える。すなわち、図4の(b)に示したように、爪部43の頂部ないし頂点43aが躍制バネ63の係合端部68の上流側係合面68aに係合する状態から頂点68bを乗越え該頂点68bよりも下流側に位置する下流側係合面68cに係合する状態に変わる。
【0049】
従って、図4の(c)に示したように、爪車40は、躍制バネ63の下流側係合面68cにより爪43の頂部43aに加えられるバネ63のQ1方向の復帰力により、更にF1方向に回転され、爪車40の爪45よりも一ピッチ後の爪46の頂点46aが、位置Kにあるスライダ51の係合爪56の先端係止面56cに当接し、爪車40の爪47よりも一ピッチ後の爪48の頂点48aが、位置Lにあるスライダ52の係合爪57の先端係止面57cに当接して停止する。
【0050】
次に、電磁石81,82,83,84の励磁状態を変える。すなわち、例えば、電磁石81,84のコイルに対する通電を止めると共に、電磁石82,83のコイルへの通電方向を反転させて、電磁石82の端部82aがS極になり電磁石83の端部83aがN極になるように電磁石82,83を励磁する。これにより、スライダ51の端部53cがS極端部83aからB1方向の引力を受け、スライダ52の端部54aがS極端部82aからB2方向の引力を受けて、スライダ51,52の係合爪56,57の先端係止面56c,57cが爪車40の爪47,48の先端46a,48aに沿って移動するように、スライダ51がB1方向に戻されると共にスライダ52がB2方向に戻される。一方、スライダ51,52のB1,B2方向移動により、爪46,48の先端46a,48aとスライダ51,52の係合爪56,57の先端係止面56c,57cとの係合が解除されると、躍制バネ63の端部68の係合面68cにより爪車40が更にF1方向に回転され、図4の(a)に示した状態と比較して爪41の一ピッチ分だけF1方向に回転された状態で、バネ63の係合端部68と深く係合する(図4の(d))。このとき、スライダ51及び52は、長孔53d及び54dの中間位置にガイドピン62a,62b及び62a,62bが遊嵌された図4の(a)の初期位置に戻る。なお、この係合状態においては、バネ63の係合端部68と爪車40の爪41との係合による回転抑制力の方が、スライダ51,52の夫々の一方の端部53c,54bにかかる回転制御力よりも強いので、スライダ51,52の係合爪55,58が爪車40の爪41に当たっても、爪車40はこれ以上回転しない。また、以上において、電磁石83,82の代わりに電磁石81,84を励磁しても、更に、各スライダ51,52の移動に係るコイルの一部のみを励磁する代わりに、関連コイルの全てを、例えば、短時間若しくは弱い励磁レベルに、又は短時間で且つ弱い励磁レベルに励磁するようにしてもよい。また、電磁石81,82のみ又は電磁石83,84のみを設けて、少なくとも二段階の励磁レベルで例示するようにしてもよい。
【0051】
爪車40を一ピッチだけ回転させる場合には、以上でコイルへの通電を停止すればよく、更に一ピッチ回転させようとする場合には、図4の(a)から(d)のステップを繰返せばよい。爪車40を、更にF1方向に回転させる場合には、上述のステップないし操作を繰返せばよい。また、爪車40を逆方向に回転させる場合には、電磁石81,82,83,84への通電方向を、上述の場合とは反転させればよい。
【0052】
爪車40が、F1又はF2方向に一ピッチ回転される毎に、カム車35がF1又はF2方向に一ピッチ回転されて、バネ36の基端部39の突起39aが係合する螺旋階段状カム面33が一ピッチづつ変わり、バネ36の基端部39のD方向位置が変わるので、バネ36による弁体20のD方向の押圧力が一ピッチ分だけ変わり、圧力可変弁装置3の設定圧力ΔPも一ピッチ分だけ増減する。
【0053】
従って、設定圧力検出装置4により圧力可変弁装置3における設定圧力ΔPの状態を検出・確認した後、設定圧力調整装置5により弁装置3の設定圧力ΔPを変更・調整すればよい。典型的には、設定圧力ΔPの調整はその検出後に行なわれるから、設定圧力検出装置4の本体72に電磁石81,82,83,84を一体的に組込んでおいてもよい。なお、設定圧力が事前にわかっているような場合には、単に設定圧力ΔPの変更・調整のみを行なってもよい。
【0054】
図5から7には、本発明による別の好ましい一実施例の圧力可変弁装置及び該弁装置を用いた弁システムを示す。図5から7の例において、図1から4までの例で示したものと、果たすべき機能において、実質的に同一又はほぼ同様な装置、部材、部位ないし要素には、同一符号の後に添字Aを付してある。従って、符号Aを除いて同一符合のものは、この明細書中で特に説明していない限り又は図5から7までの装置又はシステムに関する他の説明から相違があることが自明である点を除いて、図1から4までに示したものと実質的に同様な働きを有する。但し、符号として大文字のアルファベットで示した移動方向や状態に関しては、対応させ得る限り同一の符号を用いる。
【0055】
図5から7に示した圧力可変弁装置3Aでは、弁ハウジングないし弁装置本体10Aは、入側及び出側導管部11A,12Aの間の室14A内に、弁座部材13Aとボール弁20Aとの間の絞り開口17Aの大きさMを制御する圧力制御機構30Aを有する。弁装置3Aの絞り流路17Aの上流側の圧力P=(P0+ΔP)と下流側の圧力P0との差圧ΔPは、絞り開口17Aの大きさMに依存して一義的にΔP=ΔP(M)の形で規定される。従って、開口17Aの大きさMを変えることにより、下流側又は上流側の圧力P0又はPを基準として、上流側又は下流側の圧力(P0+ΔP)又は(P−ΔP)を設定制御し得る。なお、弁装置本体10Aも、室14内に種々の部材を配設可能なように、複数の部分から組立ててなる。
【0056】
弁装置本体10Aの底壁18Aには、弁座部13Aの座面15Aに連続的につながった周面を有する円錐台状の第一流路形成孔18A1及び該孔18A1の上端から段差部18A2を介して室14Aまで延びた大径の第二流路形成孔18A3が設けられ、第二流路形成孔18A3の周壁には、実際上全長に亘って雌ネジ部18A4が設けられている。
【0057】
圧力制御機構30Aは、弁装置本体10Aの頂壁19Aから一体的に下方に延びた中心軸部32Aと、該軸部32Aに対してその中心軸線EAのまわりで回転可能な回転体ないし可動子35Aと、回転体35Aと一体的な爪車40Aと、該爪車40Aに係合可能なスライダ51A,52Aと、レバーの形態の躍制バネ63Aとを有する。
【0058】
回転体35Aは、弁装置本体10Aの底壁18Aの雌ネジ部18A4に螺合された雄ネジ部35A1を有し、回転体35A及びこれと一体の爪車40Aは、F1,F2方向の回転に応じて、D1,D2方向に移動可能である。回転体35A及びこれと一体の爪車40Aには、軸方向に貫通した複数本(図6に示した例では四本)の流通孔ないし内部流路91が形成されており、流通孔91が、孔18A1及び18A3内の流路18A5と、室14とを連通している。また、回転体35Aの中央部には、弁座部13Aに向かって軸線方向EAに突出した軸部35A2が形成されている。軸部35A2は、下端面35A3において、差圧ΔPに起因する髄液などの流れにより該面35A3に当接せしめられるボール弁20Aを支え、軸線EA方向のボール弁20Aのリフト量を規定することにより、円錐台状孔18A1と協働して絞り開口17Aの大きさMを規定する。回転体35AがF1,F2方向の回転角に応じてD1,D2方向に変位すると、端面35A3もこれに応じてD1,D2方向に変位し、ボール弁20AのD1方向のリフト量が増減し、絞り開口17Aの大きさMが増減し、弁装置3Aの設定圧力が低下・上昇する。
【0059】
爪車40Aは、回転体35Aの上部に一体に形成されており(図5)、爪車40Aの爪41Aは、室14Aの底壁18Aに沿ってB1,B2方向に移動可能なスライダ51A及び52Aの係合爪部55A,56A及び57A,58Aと係合可能である(図6)。この例では、各係合爪部55A,56A,57A,58Aは、爪車40Aの関連爪部41Aの回転駆動用の係合表面55aA,56aA,57aA,58aAと爪部41Aの先端41aAの係止表面55cA,56cA,57cA,58cAとを有する。
【0060】
また、この例では、スライダ51Aの本体部53Aは、二つのガイド孔ないし長孔53dA1,53dA2で、夫々ガイドピン61aA,61bAに対してB1,B2方向に摺動可能に遊嵌され、スライダ51Aのスライダ本体部54Aは、二つのガイド孔ないし長孔54dA1,54dA2で、夫々ガイドピン62aA,62bAに対して、B1,B2方向に摺動可能に遊嵌されている。この場合にも、磁石構造体としてのスライダ本体部53Aの端部53bA,53cAは、夫々、磁石構造体としてのスライダ本体部54Aの隣接端部54bA,54cAと同一の極性の磁極になっている。
【0061】
躍制バネとしての躍制レバー63Aは、D方向厚さの厚い基端部66Aにおいて、ピン64A1,64A2により弁装置本体10Aの底壁18Aの相補的形状の凹部18A6に埋設・固定され、該凹部18A6から円弧状に延びた幅広の溝部18A7に沿って遊嵌されたD方向に薄肉で幅の狭い基端側弾性アーム部65Aを有する。躍制レバー63Aの先端側の円弧状弾性アーム部67Aは、スライダ51Aのスライド領域から外れたところ67A1で先端68Aに近いところ程D1方向に位置するように斜めに立上って室14Aの底壁18Aの上面18A8よりも上方に延び、その後先端の係合部68Aまで室14Aの底壁18Aの上面18A8に平行に延びている。躍制レバー63Aの先端係合部68Aは、基端部66Aと中心軸線EAに関して直径方向に対向する位置において、爪車40Aの爪41Aに係合している。
【0062】
この弁システム1Aでは、スライダ51A,52Aの係合爪55A,56A,57A,58Aと爪車40Aの爪41Aとの係合を介する回転体35Aの回転位置の制御は、設定圧力調整装置5Aを構成する電磁石81A,82A,83A,84Aの選択的な励磁制御により、図4等に示した弁システム1の場合と同様に行われ得る。また、この弁装置3Aでは、MRI装置のZ方向の主磁場のような一様な磁場や傾斜磁場のような不均一磁場の下では、回転体35Aの回転が生じないことも、図1から4に示した弁装置3の場合と同様である。更に、この弁装置3Aでは、躍制レバー63Aが爪車40A及びこれと一体の回転体35Aの自由な回転を禁止ないし抑制している点も、弁装置3の場合と同様である。なお、この弁装置3Aでは、弁装置3のように設定圧力値がバネ36の弾性力の大きさにより規定されるのとは異なり、回転体35AのD方向位置により規定されるから、装置の製造公差を小さくすることが可能になるだけでなく、バネ定数のバネの劣化などに伴う経時変化などが生じる虞れも最小限にし得る。
【0063】
爪車40Aの上面には環状溝が形成され、該環状溝には環状の永久磁石70Aが下半分で嵌合・固定されている。この環状永久磁石70Aは、例えば、図7の(a)及び(b)に示したように、直径方向に磁化されており、一の直径方向Pの一端70A1側がN極に、他端70A2側がS極になっている。
設定圧力検出装置4Aは、該装置4Aの本体72Aの下面ないし下部に、夫々、直交する二軸方向X,Yの磁場のみを選択的に検出する指向性の高いX方向磁気センサ74A1及びY方向磁気センサ74A2を有する。従って、典型的には、図7の(a)及び(b)に示すようにT方向がX方向と一致する相対回転位置から、爪車40A及び回転体35AのF2方向の回転に伴う永久磁石70AのF2方向に回転角θに応じて、X方向磁気センサ74A1による磁場検出出力Vx及びY方向磁気センサ74A2による磁場検出出力Vyは、図7の(c)に示したように変動することになる。従って、Vx,Vyを検出することにより、そのときにおける設定圧力ΔPを検出し得る。従って、この検出値に基づいて、設定圧力調整装置5Aを用いて、弁装置3Aの設定圧力を調整すればよい。なお、検出装置本体72AのX方向及びY方向磁気センサ74A1,74A2の中心位置Rを、回転体35Aの中心軸線EAに一致させ且つ例えば検出装置本体72AのY軸方向をB1方向にに一致させるような位置合せのために、他の位置検出手段を併用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例の圧力可変弁装置の弁装置本体内の構造を示したもので、(a)は平面説明図(但し弁バネは想像線で示してある)、(b)は(a)のIB−IB線断面説明図。
【図2】図1の圧力可変弁装置を人体に埋設し更に設定圧力検出装置を装着した状態を、図1の(b)と同様な断面に沿って示した断面説明図。
【図3】設定圧力調整装置による図1の圧力可変弁装置の設定圧力調整の仕方を説明するための斜視説明図(見やすさのために弁装置本体は省略してある)。
【図4】図1の圧力可変弁装置を用いた弁システムにおける圧力の設定操作ないし動作を段階的に示した説明図。
【図5】本発明による好ましい別の一実施例の圧力可変弁装置を図2と同様な向きで示したもので、図6のV−V線断面説明図。
【図6】図5のVI−VI線断面説明図。
【図7】図5及び6に示した圧力可変弁装置の設定圧力状態を検出するための設定圧力検出装置を説明するためのもので、(a)は図4のVIIA−VIIA線断面説明図(但し、弁装置本体及び弁装置を埋設した人体の頭皮などの部分を省略)、(b)は(a)のVIIB−VIIB線断面説明図、(c)はセンサの検出出力の概要を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1A 弁システム
2 頭皮
2a 頭皮の突出部
3,3A 圧力可変弁装置
4,4A 設定圧力検出装置
5,5A 設定圧力調整装置
6a 上流側導管部(入口側管路)
6b 下流側導管部(出口側管路)
10,10A 弁ハウジング(弁装置本体)
13,13A 弁座部材
14,14A 室
17 開口(弁流路)
17A 開口(絞り開口)
18,18A 底壁
18A4 雌ネジ部
19,19A 頂壁
20,20A ボール弁(弁体)
30,30A 圧力制御機構
32,32A 軸
34 螺旋階段状カム
35 カム車(回転体)
35A 回転体
35A1 雄ネジ部
35A2 突出軸部
35A3 下端面
36 弁バネ
38 先端部
39 基端部
39A 係合突起
40,40A 爪車
41,41A,42,43,45,46,47,48,49 爪
42a,45a,47a,49a 対向面
44 隙間
43a,46a,48a 頂点
51,51A,52,52A スライダ
53,53A,53,53A スライダ本体(磁石構造体)
53b,53bA,53c,53cA,54b,54bA,54c,54cA 磁極(端部)
53d,53dA1,53dA2,54d,54dA1,54dA2 長孔(ガイド孔)
55,55A,56,56A,57,57A,58,58A 係合爪
61a,61aA,61b,61bA,62a,62aA,62b,62bA ガイドピン
68,68A 係合端部
70,70A 永久磁石
72,72A 検出装置本体
73,74 磁気センサ
74A1 X方向磁気センサ
74A2 Y方向磁気センサ
81,81A,82,82A,83,83A,84,84A,85 電磁石
81a,82a,83a,84a 磁極端部
B,B1,B2 磁石構造体の移動方向
D,D1,D2 上下方向
E,EA 軸線方向
F1、F2 回転方向
M 絞り開口の大きさ
P,P0 圧力
Vx X方向磁場検出出力
Vy Y方向磁場検出出力
ΔP 差圧
Δφ ピッチ
θ 回転角

Claims (15)

  1. 体内に埋設されるように構成され、入口側管路と出口側管路との圧力差を変更可能な圧力可変弁装置であって、
    弁体による設定圧力を変えるべく、弁装置本体内において、中心軸線のまわりで回転可能な回転体と、該回転体の回転を制御する回転制御機構とを有し、
    回転制御機構が、
    弁装置本体内で直線的に往復並進可能に弁装置本体に支持され回転体に向き合って配置された少なくとも一つの永久磁石構造体と、永久磁石構造体の並進の向きに応じて回転体を対応する方向に回転させる変位伝達機構とを有する圧力可変弁装置。
  2. 回転制御機構が一対の永久磁石構造体を有し、
    一対の永久磁石構造体に実質上同じ外部磁場がかかっている場合回転体に相互に相殺する逆向きの回転力を及ぼすように、前記変位伝達機構が構成されている請求項1に記載の圧力可変弁装置。
  3. 前記回転制御機構は、
    回転体の中心軸線に関して実質上直径方向に対向し且つ該直径方向に交差する一の方向に沿って実質上平行に並進移動可能な一対の永久磁石構造体であって、夫々が、並進移動可能方向の同じ側の端部に同一の極性の磁極を有するものと、一対の永久磁石構造体のうちの一方の永久磁石構造体の移動の向きに応じて回転体の隣接部分を対応する向きに移動させ、他方の永久磁石構造体の並進移動の向きに応じて回転体の隣接部分を対応する向きに移動させるように構成された変位伝達機構とを有する請求項2に記載の圧力可変弁装置。
  4. 変位伝達機構が、回転体に一体的に形成された爪車と、各永久磁石構造体の並進移動の際、爪車の爪の隣接部分と係合するように各永久磁石構造体に結合された係合爪とを有する請求項3に記載の圧力可変弁装置。
  5. 回転制御機構が、永久磁石構造体の係合爪と協働して回転体を間欠回転させるべく一端で弁装置本体に係合し他端で爪車の爪に弾性的に押圧される躍制係合端部を備えた躍制バネを有し、該躍制バネが、一対の永久磁石構造体による回転体の回転を許容する弱い抑制力で躍制係合端部において回転体の回転を抑制するように構成されている請求項4に記載の圧力可変弁装置。
  6. 各永久磁石構造体が、一方向に摺動可能なように、弁装置本体に形成されたガイドピンと係合した長孔を有する請求項3から5までのいずれか一つの項に記載の圧力可変弁装置。
  7. 前記回転制御機構は、
    回転体の中心軸線に関して実質上直径方向に対向し且つ該直径方向に交差する一の方向に沿って実質上平行に並進移動可能な一対の永久磁石構造体であって、夫々が、並進移動可能方向の同じ側の端部に反対の極性の磁極を有するものと、一対の永久磁石構造体のうちの一方の永久磁石構造体の一方又は他方の向きへの並進移動に応じて回転体の隣接部分を夫々一方又は他方の向きに移動させ、他方の永久磁石構造体の他方又は一方の向きへの並進移動に応じて回転体の隣接部分を夫々一方又は他方の向きに移動させるように構成された変位伝達機構とを有する請求項2に記載の圧力可変弁装置。
  8. 回転体の回転位置に応じて回転軸線に平行な方向に変位される設定圧力信号発生手段を有する請求項1から7までのいずれか一つの項に記載の圧力可変弁装置。
  9. 回転体の回転位置に応じて回転軸線のまわりで回転される設定圧力信号発生手段を有する請求項1から7までのいずれか一つの項に記載の圧力可変弁装置。
  10. 弁体による弁流路の閉鎖が解除される圧力が、中心軸線のまわりでの回転体の回転位置の変化に応じて、変わるように構成された請求項1から9までのいずれか一つの項に記載の圧力可変弁装置。
  11. 弁体により絞られる弁流路の絞り開口の大きさが、中心軸線のまわりでの回転体の回転位置の変化に応じて、変わるように構成された請求項1から9までのいずれか一つの項に記載の圧力可変弁装置。
  12. 弁装置本体がMRIの像に実際上写らない材料からなる請求項1から12までのいずれか一つの項に記載の圧力可変弁装置。
  13. 請求項1から12までのいずれか一つの項に記載の圧力可変弁装置の少なくとも一つの永久磁石構造体を並進移動させて回転体を回転させるべく、該永久磁石構造体に対して磁場をかける磁場発生手段を有する設定圧力調整装置。
  14. 請求項2から7までのいずれか一つの項又は請求項8から11までのいずれか一つの項であって請求項2に従属するものに記載の圧力可変弁装置の一対の磁石構造体が回転体に同じ向きの回転力を及ぼすように、各磁石構造体に対して磁場をかける磁場発生手段を有する設定圧力調整装置。
  15. 磁場発生手段が、電磁石からなる請求項13又は14に記載の設定圧力調整装置。
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