JP3852577B2 - 内燃機関の冷却水制御装置 - Google Patents

内燃機関の冷却水制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の冷却水制御装置に係り、詳しくは、冷却水回路に蓄熱器を有し、内燃機関の暖機時に蓄熱器に蓄積された冷却水の熱を内燃機関の冷態始動時に利用して暖機を促進する技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
エンジン(内燃機関)の冷態始動時の暖機促進やヒータ性能確保を目的として、車両に搭載されたエンジンの冷却水回路に蓄熱器を介装し、エンジンが暖機状態にある温態時に当該蓄熱器に高温のエンジン冷却水(温水)を貯蔵する一方、エンジンの冷態始動時に当該蓄熱器に貯蔵した高温の冷却水をエンジンに導く冷却水制御装置が開発され、実用化されている。
【0003】
このような蓄熱器を有した冷却水制御装置では、蓄熱器から温水を放出すると同時に蓄熱器にエンジンからの低温の冷却水(冷水)を貯蔵するように構成されており、エンジンの暖機が完了したときには、このように温水と入れ替わりに貯蔵した冷水を蓄熱器から冷却水回路に一気に放出するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようにエンジンの暖機完了時に蓄熱器から冷却水回路に冷水を一度に放出するようにすると、一旦昇温したエンジンが急激に冷却されてエンジン性能が一時的に低下するという問題がある。また、車両用のヒータはエンジンの冷却水の熱を利用して車室内の暖房を行うものであるが、暖機完了によって十分に上昇したヒータ温度が、蓄熱器から放出された冷水によって一時的に低下し、即ちヒータ性能が一時的に低下し、車両の乗員が違和感を覚えるという問題もある。
【0005】
このようなことから、例えばエンジンの暖機運転終了後において蓄熱器から冷水を徐々に放出してエンジン内の冷却水の低下を防止するよう構成した装置が特開平10−159564号公報に開示されている。
しかしながら、上記公報に開示の装置では、従来エンジンの冷却水出口に設けられる水温センサ以外に別途水温センサを設けており、コストアップ等に繋がっている。また、当該装置では、蓄熱時にはサーモスタットが開状態となってエンジンからの高温の冷却水がラジエータにも回流して冷却水の熱が放出されており、蓄熱器の蓄熱に時間がかかるといった問題もある。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、蓄熱器に温水と入れ替わりに貯蔵した冷水の冷却水回路への放出をエンジン性能やヒータ性能の低下を防止しながら簡素にしてコストアップなく効率よく実施可能な内燃機関の冷却水制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、内燃機関の冷却水をウォータポンプで循環させる冷却水回路を備えた内燃機関の冷却水制御装置において、前記冷却水回路に介装され、前記内燃機関から流出した冷却水を蓄積し保温貯蔵する蓄熱器と、前記蓄熱器をバイパスして設けられ、前記内燃機関から流出した冷却水を前記蓄熱器を介さず循環させる非蓄熱通路と、前記内燃機関から流出した冷却水を前記蓄熱器側と前記非蓄熱通路側とに切り換えて導く切換弁と、前記切換弁を制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記内燃機関が冷態にあるとき、前記切換弁を一旦前記蓄熱器側に切り換えた後前記非蓄熱通路側に切り換えて前記蓄熱器に保温貯蔵された高温の冷却水を前記冷却水回路に放出し循環させると同時に前記蓄熱器に低温の冷却水を蓄積させ、前記内燃機関が暖機完了したとき、前記切換弁を前記蓄熱器側に複数回に分けて間欠的に切り換えて前記蓄熱器に蓄積された低温の冷却水を所定量ずつ前記冷却水回路に放出し循環させることを特徴としている。
【0008】
従って、エンジン(内燃機関)の冷態始動時には、切換弁が蓄熱器側に切り換えられると蓄熱器に保温貯蔵された高温の冷却水(温水)が冷却水回路に放出し循環させられてエンジンの暖機が促進されるとともに入れ替わりに蓄熱器に低温の冷却水(冷水)が蓄積され、その後切換弁が非蓄熱通路側に切り換えられると冷却水回路の冷却水は非蓄熱通路を通って循環しながら次第に昇温するが、エンジンが暖機完了して例えば所定温度以上となったときには、切換弁が蓄熱器側に複数回に分けて間欠的に切り換えられることになり、蓄熱器に蓄積された低温の冷却水が所定量ずつ効率よく冷却水回路に放出させられる。
【0009】
これにより、エンジンが急冷されることもなくエンジン性能の低下が防止され、冷却水回路にヒータユニットを有する場合には、ヒータ温度が急激に低下することもなくヒータ性能の低下が防止される。
また、請求項2の発明では、前記制御手段は、前記内燃機関が暖機完了したとき、前記蓄熱器に蓄積された低温の冷却水を前記冷却水回路に放出するとともに該低温の冷却水によって低下する熱量を求め、該熱量が許容低下熱量を越えないよう前記切換弁を前記蓄熱器側に複数回に分けて間欠的に切り換えることを特徴としている。
【0010】
従って、低温の冷却水が冷却水回路に放出されるとエンジンが冷却されるが、低温の冷却水によって低下する熱量が許容低下熱量を越えないよう切換弁が蓄熱器側に複数回に分けて間欠的に切り換えられることにより、蓄熱器に蓄積された冷水が効率よく放出され、エンジンの過冷却が確実に抑止される。これにより、確実にエンジン性能の低下が防止され、冷却水回路にヒータユニットを有する場合には、確実にヒータ性能の低下が防止される。
【0011】
また、請求項3の発明では、さらに、前記内燃機関から流出した直後の冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段を有し、前記制御手段は、前記冷却水温度検出手段により検出される前記内燃機関の冷態時と暖機完了時の冷却水温度に基づき前記蓄熱器への蓄熱量を求め、該蓄熱量から前記低温の冷却水によって低下する熱量を求めることを特徴としている。
【0012】
従って、冷態時と暖機完了時においてエンジンから流出した直後の冷却水の温度に基づいて蓄熱器への蓄熱量が求められるが、この蓄熱量と低温の冷却水によって低下する熱量とは略同一とみなせることから、蓄熱器への蓄熱量を求めることで低温の冷却水によって低下する熱量が簡易且つ安価な構成にして容易に求められる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1を参照すると、車両に搭載された本発明に係る内燃機関の冷却水制御装置の概略構成図が示されており、以下、当該冷却水制御装置の構成を説明する。
エンジン(内燃機関)1のシリンダヘッド2及びシリンダブロック4にはエンジン冷却水(以下、冷却水)の流れるウォータジャケットが設けられており、同図に示すように、ウォータジャケットの出水口6と入水口8とは、冷却水通路10によって接続されている。即ち、エンジン1と冷却水通路10とから冷却水回路が構成されており、当該冷却水回路を冷却水が循環する。
【0014】
冷却水通路10は、主としてラジエータ通路12、ヒータ通路14及びバイパス通路16から構成されている。以下、冷却水通路10の構成を説明する。
ラジエータ通路12は、上記ウォータジャケットの出水口6と入水口8とを連通するように設けられており、該ラジエータ通路12には熱交換を行うラジエータ11が介装されている。また、ラジエータ通路12の入水口8近傍にはウォータポンプ13が介装されており、当該ウォータポンプ13が作動することで冷却水が圧送されて冷却水回路内を循環する。
【0015】
ヒータ通路14は、ラジエータ通路12を迂回するように分岐して設けられており、該ヒータ通路14には車室内の暖房を行うヒータユニット15が介装されている。ヒータ通路14には、さらに制御弁22を介して蓄熱器20が介装されている。
蓄熱器20は、エンジン1の暖機時に昇温した冷却水、即ち温水を蓄積して一旦貯蔵し、該貯蔵した温水をエンジン1の冷態始動時等に暖機促進を目的として利用可能に構成された蓄熱式の貯水容器である。
【0016】
制御弁22は、ヒータ通路14を流れる冷却水を蓄熱器20に回流させたり、ヒータ通路14と蓄熱器20との連通を遮断して蓄熱器20に回流させないようにしたりする切換弁であり、制御弁コントローラ40に電気的に接続されている。即ち、制御弁22は、制御弁コントローラ40からの指令に応じ、弁位置P1では冷却水を蓄熱器20に回流させ、弁位置P2ではヒータ通路14と蓄熱器20との連通を遮断するよう構成されている。
【0017】
バイパス通路16は、制御弁22から分岐してヒータ通路14を迂回するように設けられている。これにより、制御弁22は、弁位置P1、P2と組み合わせてさらに冷却水のバイパス通路16への連通と遮断をも切り換え可能に構成されている。
つまり、当該冷却水回路は、制御弁コントローラ40からの指令に基づき、制御弁22が弁位置P1に切り換えられると冷却水が蓄熱器20に回流して蓄熱器20内に蓄積されるとともに蓄熱器20内の冷却水がヒータ通路14またはバイパス通路16に流出し、一方、制御弁22が弁位置P2に切り換えられると、冷却水が蓄熱器20を迂回してヒータ通路14またはバイパス通路16を流れるとともに蓄熱器20に蓄積された冷却水が封鎖されて蓄熱器20に貯蔵されるよう構成されている(非蓄熱通路)。
【0018】
ラジエータ通路12とヒータ通路14との合流部にはサーモスタット(T/S)24が介装されている。サーモスタット(T/S)24は、ヒータ通路14を流れる冷却水の温度が所定温度にまで上昇すると開弁し、冷却水のラジエータ通路12の流通を許容する開閉弁である。サーモスタット(T/S)24としては、一般的なワックスタイプのサーモスタットが使用される。
【0019】
また、同図に示すように、ラジエータ通路12の出水口6近傍には、エンジン1から出た直後の冷却水温度を検出する水温センサ(冷却水温度検出手段)30が配設されている。そして、水温センサ30は制御弁コントローラ40に電気的に接続されている。
制御弁コントローラ40には、さらに外気の温度を検出する外気温センサ34やヒータユニット15に作動指令を供給するヒータSW(スイッチ)36が電気的に接続されている。
【0020】
また、制御弁コントローラ40は電子コントロールユニット(ECU)50に接続されている。ECU50はエンジン1等の統括制御を行う主制御装置であり、ECU50の入力側にはエンジン1の始動を行うイグニションSW(スイッチ)52の他、各種スイッチ類や各種センサ類が接続され、出力側には各種デバイス類が電気的に接続されている。
【0021】
以下、このように構成された本発明に係る冷却水制御装置の作用について説明する。
図2参照すると、本発明に係る冷却水制御装置の冷態始動時における冷却水制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており(制御手段)、また、図3を参照すると、当該制御ルーチンを実行した場合の制御弁位置変化と冷却水の温度変化とがタイムチャートで示されており、以下図3を参照しながら図2のフローチャートに沿い説明する。なお、図3中、実線は冷却水温度T、即ち水温センサ30からの情報に基づく出水口6近傍の冷却水温度を示し、破線はヒータユニット15から吹き出される温風の温度を示し、一点鎖線は蓄熱器20内の冷却水温度を示す。
【0022】
先ず、ステップS10では、水温センサ30からの情報に基づき、始動時水温T0、即ち冷態始動前におけるエンジン1内の低温の冷却水(冷水)の温度を検出する。
ステップS12では、イグニションSW52が操作されてエンジン1が始動されたか否かを判別する。判別結果が偽(No)の場合には始動時水温T0の検出を継続し、判別結果が真(Yes)の場合には、ステップS14に進む。
【0023】
ステップS14では、冷却水制御装置を温水放出モードとする。即ち、蓄熱器20内にはエンジン1の暖機時に蓄積した冷却水が温水として貯蔵されており、ステップS14では、制御弁22を弁位置P1に切り換え、蓄熱器20に貯蔵されている温水をエンジン1に向けて放出する。これにより、冷態にあるエンジン1の暖機が促進される。一方、このとき、放出した温水と入れ替わりに、蓄熱器20にはエンジン1内にあった冷水が流入し蓄積される。
【0024】
なお、当該冷態始動直後においてはサーモスタット24は閉弁しており、冷却水は、ヒータSW36がオンとされている場合或いは外気温センサ34からの情報によりヒータユニット15が作動している場合にはヒータ通路14を流れ、ヒータSW36がオフとされている場合には制御弁22が切り換えられてバイパス通路16を流れる。即ち、この時点では、冷却水はラジエータ通路12を流れることはなく、ラジエータ11によって冷却されることはない。
【0025】
このサーモスタット24は、エンジン1が暖機状態を十分に越えるまで開弁することはないよう温度設定されており、故に当該冷却水制御が実施されている間に開弁することはない。
ステップS16では、冷却水制御装置を冷水保持モードとする。即ち、制御弁22を弁位置P2に切り換え、蓄熱器20に冷水を貯蔵して保持する。
【0026】
このように制御弁22を弁位置P2に切り換えると、図3に示すように、蓄熱器20内の温度(一点鎖線)が低下し、冷却水温度T(実線)も蓄熱器20からの温水がエンジン1を通過した後は一時的に低下することになるが、その後、当該冷却水温度T(実線)はエンジン1の燃焼熱によって徐々に上昇する。
そして、ステップS18では、冷却水温度Tがエンジン1の暖機完了状態に対応した第1所定温度T1を越えた(T>T1)か否かを判別する。判別結果が偽(No)で、冷却水温度Tが未だ所定温度T1に達していない場合には、ステップS16において冷水保持モードを維持し、冷却水温度の上昇を待つ。一方、ステップS18の判別結果が真(Yes)で、冷却水温度Tが所定温度T1を越えたと判定された場合には、ステップS20に進む。
【0027】
ステップS20では、冷却水温度Tが所定温度T1を越えたことを受けて、蓄熱器20に貯蔵されていた冷水の放出を開始する。即ち、制御弁22を再び弁位置P1に切り換え、蓄熱器20に貯蔵されている冷水の放出を開始する。換言すれば、暖機により温度上昇した冷却水の蓄熱器20への貯蔵、即ち蓄熱器20への蓄熱を開始する。
【0028】
ステップS22では、蓄熱器20への単位時間当たりの蓄熱量qcを温度差(T1−T0)に基づき次式(1)から演算により求める。
qc=dn・c・kn・(T1−T0) …(1)
ここに、cは冷却水の比熱であり、dnは冷却水流量であってエンジン回転速度Neに比例して次式(2)より算出される。
【0029】
dn=a・Ne …(2)
ここに、aは比例定数である。
また、knは、後述する(T1−T0)に対する減少係数であり(0<kn≦1)、初期値は値1である。
なお、実際にはエンジン1の発熱量やヒータユニット15からの放熱量或いは大気への放熱等による熱の授受も考えられるが、これらについては冷水の放出時間が短ければ無視することができ、計算簡略化のため上記式(1)では考慮しないこととした。
【0030】
そして、ステップS24では、上記単位時間当たりの蓄熱量qcを積算して熱量Qを求め(Q=Q+qc)、冷却水流量dnを積算して冷水放出量Dを求める(D=D+dn)。
ステップS26では、上記蓄熱される熱量Qが所定の許容低下熱量Q1を越えた(Q>Q1)か否かを判別する。ここに、許容低下熱量Q1は、冷却水について予め設定した許容水温低下量dTと冷却水の有効循環水量の熱容量Cとに基づき次式(3)から演算される値であって、冷却水に許容される熱量の低下幅を示している。
【0031】
Q1=C・dT …(3)
即ち、当該ステップS26では、蓄熱器20からの冷水の放出によって冷却水から熱が奪われてエンジン1が冷却されるものの、蓄熱器20における冷却水の給排水量は同一とみなせるため、当該冷却水から奪われ低下する熱量を蓄熱器20に貯蓄される熱量Qから求めるようにし、この低下する熱量がエンジン1を過冷却させない程度であるか否かを判別する。
【0032】
ステップS26の判別結果が偽(No)で、熱量Qが未だ許容低下熱量Q1を越えていないと判定された場合には、ステップS20に戻り蓄熱器20からの冷水の放出を継続し、判別結果が真(Yes)で、熱量Qが許容低下熱量Q1を越えたと判定された場合には、ステップS28に進む。
つまり、当該ステップS26の判別により、蓄熱器20から冷水を放出するための一回の冷水放出量が規定されている。
【0033】
ステップS28では、上記冷水放出量Dが蓄熱器20の容積Vに対応した所定値D1を越えた(D>D1)か否かを判別する。即ち、蓄熱器20に貯蔵された冷水量は基本的には蓄熱器20の容積Vに等しい量しかないはずであり、ここでは、蓄熱器20内の全ての冷水が放出されて完全に温水と入れ替わったか否かを判別する。
【0034】
所定値D1は、ここでは容積Vに係数K(K>1)を乗じた値(D1=K・V)とされる。このようにすれば、蓄熱器20に流入する温水が蓄熱器20内で冷水と混合する結果、冷水放出量Dが蓄熱器20の容積Vとなった時点で蓄熱器20内に冷水分が残っていたとしても、冷水放出量Dが蓄熱器20の容積Vを十分に越えるまで冷水の放出が継続されることになり、蓄熱器20には良好に温水が満たされることになる。
【0035】
ステップS28の判別結果が偽(No)で、冷水放出量Dが未だ所定値D1を越えていないと判定された場合には、ステップS30に進む。
ステップS30では、再び冷却水制御装置を冷水保持モードとする。即ち、制御弁22を弁位置P2に切り換え、改めて蓄熱器20に冷水を貯蔵して保持する。これにより、図3に示すように、蓄熱器20内の温度(一点鎖線)が前回よりも高く維持されるとともに、冷却水温度T(実線)がエンジン1の燃焼熱によって再び徐々に上昇する。
【0036】
そして、ステップS32では、冷却水温度Tがエンジン1の完全暖機状態に対応した第2所定温度T2を越えた(但し、T2≧T1)か否かを判別する。判別結果が偽(No)で、冷却水温度Tが未だ所定温度T2に達していない場合には、ステップS30において冷水保持モードを維持し、冷却水温度の上昇を待つ。
一方、ステップS32の判別結果が真(Yes)で、冷却水温度Tが所定温度T2を越えたと判定された場合には、ステップS20に戻り、以降、ステップS28の判別結果が真(Yes)となるまで、即ち冷水放出量Dが所定値D1を越えるまで冷水の放出と保持とを繰り返す。
【0037】
なお、この場合、冷水の放出と保持とを繰り返す毎に上記式(1)における減少係数knを一定の割合で減少させるようにする。つまり、冷水を一回放出すると、冷水を放出した分だけ蓄熱器20には温水が流入し、蓄熱器20内の冷却水の温度は当初の始動時水温T0よりも高くなっており、実際の温度差は(T1−T0)よりも小さくなっていることから、ここでは、冷水の放出と保持とを繰り返す毎に減少係数knを一定の割合で減少させるようにし、温度差(T1−T0)を補正する。
【0038】
これにより、蓄熱器20への温水の一回の蓄積量を多くでき、効率よく蓄熱器20への蓄熱を行うことができる。
ステップS28の判別結果が真(Yes)で、冷水放出量Dが所定値D1を越え、蓄熱器20内の全ての冷水が放出されたと判定された場合には、ステップS34に進み、冷却水制御装置を常時蓄熱モードとする。即ち、制御弁22を弁位置P1に切り換え、冷却水が常時蓄熱器20内を流れるようにする。これにより、蓄熱器20には常に温度の高い温水が蓄積され貯蔵されることになり、当該蓄熱器20内の温水が次回の冷態始動時において有効に使用される。
【0039】
この際、上述したように所定値D1は容積Vに係数Kを乗じた値(D1=K・V)であり、ステップS28の判別結果が真(Yes)となったときには蓄熱器20には略第2所定温度T2の温水が十分に満たされることになるため、冷却水制御装置を常時蓄熱モードに切り換えた場合において冷却水温度Tがさらに低下してしまうことはない。
【0040】
このように、本発明の冷却水制御装置では、蓄熱器20内の冷水を一気に放出することなく、冷水の放出により低下する熱量が予め設定された許容低下熱量Q1の範囲となるよう、間欠的に複数回に分けて効率よく冷水の放出を繰り返すようにしている。
従って、本発明の冷却水制御装置によれば、蓄熱器20から冷水を放出する際に、冷却水温度の急激な低下を防止してエンジン性能を低下させないようにでき、ヒータ温度を低下させないようにしてヒータ性能を低下させないようにできる。また、水温センサ30のみで冷却水制御を行うことができることから、エンジン性能やヒータ性能を低下させないようにしながら、簡易且つ安価な構成にして容易に蓄熱器20への蓄熱を行うことができる。
【0041】
以上で説明を終えるが、本発明の実施形態は上記実施形態に限るものでない。例えば、上記実施形態では、式(1)、(2)のように一回で放出する冷水の量を冷却水の温度差(T1−T0)やエンジン回転速度Neに基づき算出するようにしたが、外気温センサ34からの情報やヒータユニット15の作動状況に応じて補正するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の内燃機関の冷却水制御装置によれば、エンジン(内燃機関)の冷態始動時に蓄熱器に保温貯蔵された高温の冷却水(温水)を冷却水回路に放出し循環させるとともに蓄熱器に当該温水と入れ替えにエンジンからの低温の冷却水(冷水)を貯蔵してエンジンの暖機を促進させ、エンジンが暖機完了したときには蓄熱器に蓄積された冷水を所定量ずつ複数回に分けて冷却水回路に放出させるようにしたので、効率よく蓄熱器に蓄積された冷水を冷却水回路に循環させるようにでき、エンジンを急冷させないようにしてエンジン性能の低下を防止でき、冷却水回路にヒータユニットを有する場合には、ヒータ温度を低下させないようにしてヒータ性能の低下を防止することができる。
【0043】
また、請求項2の内燃機関の冷却水制御装置によれば、冷水によって低下する熱量が許容低下熱量を越えないよう切換弁を蓄熱器側に複数回に分けて間欠的に切り換えるようにし、蓄熱器に蓄積された冷水を効率よく放出するようにしたので、エンジンの過冷却を確実に抑止して確実にエンジン性能の低下を防止でき、冷却水回路にヒータユニットを有する場合には確実にヒータ性能の低下を防止することができる。
【0044】
また、請求項3の内燃機関の冷却水制御装置によれば、冷態時と暖機完了時においてエンジンから流出した直後の冷却水の温度に基づいて蓄熱器への蓄熱量を求め、この蓄熱量から冷水によって低下する熱量を求めるようにしたので、冷水によって低下する熱量を簡易且つ安価な構成にして容易に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両に搭載された本発明に係る内燃機関の冷却水制御装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係る冷却水制御装置の冷態始動時における冷却水制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】図2の制御ルーチンを実行した場合の制御弁位置変化と冷却水の温度変化とを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
10 冷却水通路
12 ラジエータ通路
13 ウォータポンプ
14 ヒータ通路
15 ヒータユニット
20 蓄熱器
22 制御弁
30 水温センサ
40 制御弁コントローラ
50 電子コントロールユニット(ECU)
52 イグニションSW

Claims (3)

  1. 内燃機関の冷却水をウォータポンプで循環させる冷却水回路を備えた内燃機関の冷却水制御装置において、
    前記冷却水回路に介装され、前記内燃機関から流出した冷却水を蓄積し保温貯蔵する蓄熱器と、
    前記蓄熱器をバイパスして設けられ、前記内燃機関から流出した冷却水を前記蓄熱器を介さず循環させる非蓄熱通路と、
    前記内燃機関から流出した冷却水を前記蓄熱器側と前記非蓄熱通路側とに切り換えて導く切換弁と、
    前記切換弁を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記内燃機関が冷態にあるとき、前記切換弁を一旦前記蓄熱器側に切り換えた後前記非蓄熱通路側に切り換えて前記蓄熱器に保温貯蔵された高温の冷却水を前記冷却水回路に放出し循環させると同時に前記蓄熱器に低温の冷却水を蓄積させ、前記内燃機関が暖機完了したとき、前記切換弁を前記蓄熱器側に複数回に分けて間欠的に切り換えて前記蓄熱器に蓄積された低温の冷却水を所定量ずつ前記冷却水回路に放出し循環させることを特徴とする内燃機関の冷却水制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記内燃機関が暖機完了したとき、前記蓄熱器に蓄積された低温の冷却水を前記冷却水回路に放出するとともに該低温の冷却水によって低下する熱量を求め、該熱量が許容低下熱量を越えないよう前記切換弁を前記蓄熱器側に複数回に分けて間欠的に切り換えることを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の冷却水制御装置。
  3. さらに、前記内燃機関から流出した直後の冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段を有し、
    前記制御手段は、前記冷却水温度検出手段により検出される前記内燃機関の冷態時と暖機完了時の冷却水温度に基づき前記蓄熱器への蓄熱量を求め、該蓄熱量から前記低温の冷却水によって低下する熱量を求めることを特徴とする、請求項2記載の内燃機関の冷却水制御装置。
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