JP3848468B2 - 液体分析計用セルの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、みかんやグレープフルーツなどの柑橘類をはじめとする果汁の酸度を導電率から測定する酸度計などの液体分析計用セルの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液体分析計用セルの取付構造として、例えば、果汁の酸度及び糖度を分析する酸糖度分析装置の酸度計では図5に示す構成になっている。図5において、1は後部が若干下方に傾斜した透明なセル本体であり、セル本体1の右側面に取付片2が突設され、シャーシ本体3の側面に取付片2が複数本の固定ボルト4により取り付けられている。
【0003】
5はセル本体1の前部に形成された前後方向の貯液孔であり、貯液孔5の周縁部に環状のOリング溝6が形成され、Oリング溝6に、Oリング溝6の内縁部のOリングガイド7にガイドされたOリング8が嵌入され、貯液孔5の周縁部に透明な板状の窓9が複数本のねじ10により着脱自在に装着され、貯液孔5が密閉されている。
【0004】
11,12はセル本体1の上部の前側および後側に形成された上下方向の液面センサ挿通孔および攪拌羽根挿通孔であり、両挿通孔11,12の周縁部に円筒状のガイド13が設けられている。
【0005】
14はセル本体1の下部に形成された上下方向の排液孔であり、排液孔14に排液パイプ15が設けられ、排液パイプ15に、排液パイプ15を開閉する電磁弁が設けられている。
【0006】
16,17はセル本体1の左側部に形成された左右方向のオーバーフロー孔および温度センサ挿通孔である。
そして、セル本体1の後部が若干下方に傾斜しているため、貯液孔5の後部が下方に傾斜し、液面センサ挿通孔11,攪拌羽根挿通孔12,排液孔14の上部が後方に傾斜し、液面センサ挿通孔11,攪拌羽根挿通孔12,排液孔14および温度センサ挿通孔17がそれぞれ貯液孔5に連通し、オーバーフロー孔16が攪拌羽根挿通孔12に連通している。
【0007】
18はセル本体1の上面の後端部に、複数本の取付ボルト19により取り付けられた取付金具であり、取付金具18の上側の折曲片20に攪拌ユニット21が設けられ、攪拌ユニット21は、モータ22と、モータ22の駆動軸23にゴム継手24を介して接続された回転軸25と、回転軸25の先端部に固着された攪拌羽根26とから構成され、攪拌羽根26が攪拌羽根挿通孔10を介して貯液孔5に挿入されている。
【0008】
つぎに酸度計の酸度の測定方法について説明する。まず、貯液孔5に希釈された果汁の液体が注入される。この際、液面センサ挿通孔11に挿通された液面センサにより貯液孔5の液体の液面の位置が検知され、液面が所定の高さに至ったところで貯液孔5への注入が停止される。
そして、攪拌ユニット21のモータ22を駆動して貯液孔5の液体を攪拌し、導電率計からなる液体分析センサにより液体の導電率ひいては酸度を測定している。
【0009】
また、貯液孔5からオーバーフローした液体はオーバーフロー孔16から外部に排液され、測定終了後、排液パイプ15の電磁弁が開き、貯液孔5の液体は排液孔14,排液パイプ15を通って外部へ排液される。
【0010】
そして、セル本体1の内部の清掃を行う際、固定ボルト4を緩めてシャーシ本体3の側面からセル本体1を取り外し、取付ボルト19を緩めてセル本体1の上面から攪拌ユニット21を取り外した後、洗剤で湿らせたペーパーでセル本体1の内部の清掃を行っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、セル本体1の内部の清掃時、セル本体1の上面に攪拌ユニット21が固定されているため、シャーシ本体3の側面からセル本体1を取り外した後、セル本体1の上面から攪拌ユニット21を取り外す必要がある、その作業が非常に煩雑で、洗浄性が低いという問題があった。
【0012】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、セル本体の内部の清掃を容易に、かつ、簡便に行え、洗浄性を向上できる液体分析計用セルの取付構造を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の液体分析計用セルの取付構造は、シャーシ本体に着脱自在に装着された液体分析計用セル本体と、該セル本体に形成され、測定対象の液体を収容する前後方向の貯液孔と、前記セル本体の前面の前記貯液孔を閉塞する窓と、前記セル本体に形成され、前記貯液孔に液体を注入するための液体注入孔と、前記セル本体の上部に形成された上下方向の攪拌羽根挿通孔と、前記セル本体に形成され、前記貯液孔の液体を分析する液体分析センサが取り付けられるセンサ取付孔と、前記セル本体の下部に形成され、前記センサによる分析終了後の前記液体を排液する排液孔と、基部の両側に上下方向の長孔が形成された断面L字形の取付金具と、該取付金具の先端部に設けられ、モータと、前記攪拌羽根挿通孔に挿通されて前記モータの回転により前記貯液孔の前記液体を攪拌する攪拌羽根とからなる攪拌ユニットと、前記長孔に挿通され、前記取付金具を前記シャーシ本体に固定するボルトを備え、前記セル本体の清掃時、前記ボルトを緩めて前記取付金具を前記長孔に沿って上方に移動し、前記攪拌ユニットの前記攪拌羽根を前記攪拌羽根挿通孔から引き出すようにしたものである。
【0014】
したがって、セル本体の清掃時、ボルトを緩めて取付金具を長孔に沿って上方に移動し、攪拌ユニットの攪拌羽根挿通孔から引き出すので、セル本体および攪拌ユニットを取り外す必要がなく、セル本体の内部の清掃を容易に、かつ、簡便に行うことができ、洗浄性を向上することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態につき、まず、酸度計および糖度計を有する酸糖度分析装置の構成を示した図1を参照して説明する。27は希釈水が貯水された希釈水タンクであり、希釈水タンク27に電磁弁28および温度センサ29が設けられている。30は酸度計のセル本体であり、セル本体30に、温度センサ32,攪拌ユニット21のモータ22,攪拌羽根26および液体分析センサ34が設けられている。35はセル本体30の液体を排液するピンチバルブである。
【0016】
36はセル本体30の上流側に設けられた糖度計であり、糖度計36に温度センサ37が設けられている。38は計量兼用の切換バルブ,39はモータであり、試料注入口40から、例えば、みかんやグレープフルーツなどの果汁の原液が糖度計36へと注入された後切換バルブ38を経てオーバーフロー槽41へと送られる。そして、切換バルブ38を切り換えると糖度計36からの原液のうち一定量のものが希釈水タンク27の水により希釈され、この希釈された液体がセル本体30に注入される。42は排液管であり、セル本体30およびオーバーフロー槽41の液体を外部に排液する。
【0017】
つぎに、図1の酸度計のセル本体30の構成につき、図2ないし図4を参照して説明する。それらの図において、図5と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点は、セル本体30の上部に形成された液面センサ挿通孔11および攪拌羽根挿通孔12が、シャーシ本体3の側面に平行に形成され、セル本体30の前部の貯液孔5のOリングガイド7の下縁部が1/3程度切欠され、セル本体30の下部の排液孔14にシリコーンチューブ43が接続され、シリコーンチューブ43にピンチバルブ35が設けられ、断面L字形の取付金具44の基部55の両側に上下方向の長孔45が形成され、長孔45にそれぞれ1本ずつ取付ボルト19が挿通され、シャーシ本体3の側面に取付金具44が取付ボルト19により固定されている点である。
【0018】
そして、46はOリング溝6の外側に形成された複数個のねじ孔であり窓9を貫通したねじ10が螺合する。47はセル本体30の上部に形成された液体注入孔であり、貯液孔5に希釈された液体を注入する。48はセル本体30の右側部に形成された左右方向のセンサ取付孔であり、センサ取付孔48の端部に螺溝49が形成され、螺溝49に液体分析センサ34が取り付けられる。50はセル本体30の上部の液面センサ挿通孔11に挿通される液面センサである。
【0019】
そして、セル本体30の貯液孔5内の液体の酸度を測定する場合、取付金具44の先端部56に設けられた攪拌ユニット21の攪拌羽根26を攪拌羽根挿通孔11を介して貯液孔に挿入し、攪拌羽根26を貯液孔5の液体に浸漬した状態で、モータ22を駆動し、駆動軸23,ゴム継手24,回転軸25を介して攪拌羽根26を回転し、液体を攪拌し、液体分析センサ34により液体の導電率を測定し、この得られた導電率により酸度を求める。
【0020】
つぎに、セル本体30の内部を清掃する場合、取付ボルト19を緩めて取付金具44を長孔45に沿って上方に移動して攪拌ユニット21の攪拌羽根26を攪拌羽根挿通孔12から引き出し、窓9等を取り外した後、セル本体30の内部を洗剤で湿らしたペーパーで拭き取っている。
清掃終了後、窓9等を取付け、取付金具44を下方に移動し、攪拌ユニット21の攪拌羽根26を攪拌羽根挿通孔12を介して貯液孔5に挿入する。
【0021】
このように、前記形態の場合、セル本体30の内部を清掃する際、従来のように、セル本体30および攪拌ユニット21を取り外す必要がなく、セル本体30の内部の清掃を簡単に行える。
【0022】
【発明の効果】
上述のように構成された液体分析計用セルの取付構造は、液体分析計用セル本体30上部に、攪拌羽根挿通孔12を形成し、取付金具44の基部の両側に上下方向の長孔45を形成し、長孔45に挿通したボルト19により、シャーシ本体3に取付金具44を固定するようにしたため、セル本体30の内部の清掃を行う際、ボルト19を緩めて取付金具44を長孔45に沿って上方に移動し、攪拌ユニット21の攪拌羽根26を攪拌羽根挿通孔12から引き出すことができ、セル本体30の内部の清掃を容易に、かつ、簡便に行うことができ、洗浄性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸糖度分析装置の全体の構成を示した概略図である。
【図2】本発明の実施の一形態である酸度計の取付構造を示した斜視図である。
【図3】図2の一部縦断正面図である。
【図4】図2の一部縦断側面図である。
【図5】従来例の酸度計の一部縦断側面図である。
【符号の説明】
3…シャーシ本体、5…貯液孔、9…窓、12…攪拌羽根挿通孔、14…排液孔、19…取付ボルト、21…攪拌ユニット、22…モータ、26…攪拌羽根、30…液体分析計用セル本体、34…液体分析センサ、44…取付金具、45…長孔、48…センサ取付孔、50…液面センサ。
Claims (1)
- シャーシ本体に着脱自在に装着された液体分析計用セル本体と、該セル本体に形成され、測定対象の液体を収容する前後方向の貯液孔と、前記セル本体の前面の前記貯液孔を閉塞する窓と、前記セル本体に形成され、前記貯液孔に液体を注入するための液体注入孔と、前記セル本体の上部に形成された上下方向の攪拌羽根挿通孔と、前記セル本体に形成され、前記貯液孔の液体を分析する液体分析センサが取り付けられるセンサ取付孔と、前記セル本体の下部に形成され、前記センサによる分析終了後の前記液体を排液する排液孔と、基部の両側に上下方向の長孔が形成された断面L字形の取付金具と、該取付金具の先端部に設けられ、モータと、前記攪拌羽根挿通孔に挿通されて前記モータの回転により前記貯液孔の前記液体を攪拌する攪拌羽根とからなる攪拌ユニットと、前記長孔に挿通され、前記取付金具を前記シャーシ本体に固定するボルトを備え、前記セル本体の清掃時、前記ボルトを緩めて前記取付金具を前記長孔に沿って上方に移動し、前記攪拌ユニットの前記攪拌羽根を前記攪拌羽根挿通孔から引き出すように構成してあることを特徴とする液体分析計用セルの取付構造。
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JP13777498A JP3848468B2 (ja) | 1998-05-01 | 1998-05-01 | 液体分析計用セルの取付構造 |
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JPH11316206A JPH11316206A (ja) | 1999-11-16 |
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