JP3847123B2 - 吸光度計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、特定波長の照明光を測定対象となる化学成分を含む試料に照射する投光ユニットと、試料を透過してきた測定光を受光して該測定光の光強度に相当する信号を出力する測定用受光ユニットと、測定用受光ユニットから出力される出力信号に基づき試料中の化学成分の濃度を求める演算ユニットとを備えた吸光度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
試料中に含まれる特定の化学成分を定量的に測定する装置として吸光度計が従来より広く知られている。この吸光度計は測定対象となっている化学成分の吸光度を測定し、ベールの法則によって該化学成分の濃度を演算するものである。このような吸光度計としては、例えば特開平8−159954号公報に示された吸光度計が知られている。
【0003】
この吸光度計は、試料中のグリコヘモグロビン濃度を測定するものであって、グリコヘモグロビンの最大吸収波長が415nmであることから、光源として少なくとも415nmの波長の光を発する高輝度青色発光ダイオードを用いている。そして、この発光ダイオード(LED)から放出される照明光を、グリコヘモグロビンを含む試料を収容する光学セルに照射するとともに、光学セルを透過してきた測定光を光量検出素子で受光して電圧変換する。さらに、吸光度計の光量検出素子からの出力信号に基づきグリコヘモグロビン濃度を求めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の吸光度計では光源として発光ダイオード(LED)を用いているため、次のような問題が生じている。すなわち、測定対象となっている化学成分に対応する特定波長と一致する発光波長を有するLEDがたまたま存在している場合には上記従来技術のようにLEDを吸光度計の光源として用いることができるが、該LEDが存在していない場合にはLEDを吸光度計の光源として用いることができず、汎用性に劣っている。特に、短波長領域について見てみると、現状では紫外域の波長光を発光するLEDは未だ存在しておらず、紫外域の照明光を用いることによって初めて測定可能な場合、例えばメッキ液中に存在する3価の鉄イオンを吸光度計を用いて測定する場合、特定波長として380nm等の紫外光を用いる必要があるが、LEDを光源として用いた従来装置では、3価の鉄イオン濃度の測定は事実上不可能であった。
【0005】
また、現在市販されているLEDの大部分はディスプレーを主たる用途とするもので、赤、青、緑、黄などの表現で発光仕様を表現することが通常であり、精密測光には不向きであった。というのもの、吸光度計などの精密測光機器においては、測定精度を確保するために光源の発光スペクトル分布を正確に把握しておく必要があるが、LEDに関しては従来より正確なデータを入手することが困難な場合が多いためである。また、高輝度LEDを持ってしても精密測光機器の光源としては光量不足となる場合が多く、測定精度の低下を招きやすいという問題も存在する。
【0006】
ここで、吸光度計の光源としてLEDの代わりに半導体レーザを用いることも考えられる。半導体レーザは、平行で細く強力なビームを安定して得ることができるという吸光度計を含めた精密測光機器にとって有利な特徴を有している。しかしながら、上記したように吸光度計の光源は、測定対象となっている化学成分に対応する特定波長と一致する波長を発光するものでなければならず、現在入手可能な半導体レーザの発光波長は830nm、780nm、685nm、670nm、650nm、635nmおよび400nm程度であり、吸光度計に適用可能な半導体レーザは限られており、しかも紫外域にいたっては紫外域の発光波長を有する半導体レーザは存在しておらず、半導体レーザを光源として例えばメッキ液中に存在する3価の鉄イオンを測定することは不可能であった。
【0007】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、測定対象となる化学成分の種類にかかわらず試料中に含まれる化学成分の濃度を正確に測定することができる汎用性に優れた吸光度計を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、測定対象となる化学成分を含む試料として3価の鉄イオンを含むメッキ液に対し、その化学成分に対応する特定波長の照明光を照射する投光ユニットと、試料を透過してきた測定光を受光して該測定光の光強度に相当する信号を出力する測定用受光ユニットと、測定用受光ユニットから出力される出力信号に基づき試料中の化学成分の濃度を求める演算ユニットとを備えた吸光度計であって、上記目的を達成するため、投光ユニットが、パルス光を放射するフラッシュランプと、フラッシュランプから放射される光のうち特定波長として380nm近辺の光を透過させるフィルターとを備え、フィルターを透過した光を照明光として試料に照射するように構成している(請求項1)。
【0009】
このように構成された発明では、フラッシュランプが発光して広範囲な波長域の光が放射され、その光のうち特定波長の光のみがフィルターを通過して照明光として試料に照射される。このように測定対象となる化学成分に対応する特定波長を通過させるフィルターを準備することで該測定に適した照明光を得ることができ、汎用性に優れた吸光度計が得られる。また、フラッシュランプを用いることで測定光の光量が発光ダイオードを用いた従来装置に比べて十分に高くなり、測定精度が向上する。ここで、3価の鉄イオンの吸光度のピークは380nmではないが、次の理由から380nmを特定波長としている。すなわち、3価の鉄イオンの吸光度のピークはさらに紫外側(短波長側)にあるが、このピークでは吸光度が大きすぎて試料の希釈を要するので、この波長が都合がよい。また、この程度の紫外領域では、硼珪酸ガラスなどでもよく透過するので、試料を収容する光学セルなどの光学部品を高価な石英ガラスを使用する必要がない点などにおいても、好都合であるからである。
【0010】
ここで、照明光の一部を参照光として受光し、照明光の光強度に相当する信号を出力する参照用受光ユニットを設けるとともに、演算ユニットにおいて両受光ユニットからそれぞれ出力される信号に基づき試料中の化学成分の濃度を求めるように構成してもよい(請求項2)。この場合、参照用受光ユニットによって試料を透過する前の照明光の光強度を、また同時に測定用受光ユニットによって試料を透過した測定光の光強度を、それぞれ正確に求めることができるので、これらの光強度を示す信号に基づき演算ユニットにより求められる化学成分濃度の測定精度を向上させることが可能となる。
【0011】
また、フラッシュランプが1回点灯するのに合わせて受光ユニットから出力される出力信号に基づき試料中の化学成分の濃度を求めるように演算ユニットを構成してもよく、これによって無駄なランプ点灯がなくなり、フラッシュランプの消耗を抑制し、その結果、見掛け上のランプ寿命を延ばすことが可能となる(請求項3)。
【0012】
また、受光ユニットの各々が、該受光ユニットに入射する光を受光する受光素子と、フラッシュランプが1回点灯する間に受光素子から出力される電気信号を積分する積分回路と、積分回路で得られた積分値をピークホールドするピークホールド回路とを備え、ピークホールド回路によりホールドされている積分値を示す信号を出力信号として演算ユニットに出力するように構成すると、次のような作用効果が得られる(請求項4)。すなわち、積分回路を設けて1フラッシュ間に受光素子に受光される光強度の積分(または略積分)を求めることにより、瞬時的なノイズの影響が排除され、データ精度を高めることができる。また、その積分値をピークホールドすることにより、発光自体はパルス的であるにもかかわらず、ランプ点灯との同期をとることなく、化学成分の濃度を測定することができる。このように、演算ユニットに時間的余裕を与え、演算ユニットのサンプリングタイミングのばらつきによる誤差を排除することができる。なお、サンプリング回数については、少なくとも1回以上であればよく(請求項5)、例えば複数回サンプリングし、それらの平均値に基づき化学成分の濃度を求めてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる吸光度計の一実施形態を示す図である。この吸光度計は、測定対象となる化学成分、例えば3価の鉄イオンを含むメッキ液を収容する光学セル1に対して照明光を照射するとともに、光学セル1を透過してきた測定光の光強度に基づきメッキ液中の3価の鉄イオン濃度を求めるものである。ここで、3価の鉄イオンの吸光度のピークは380nmではないが、次の理由から該380nmを特定波長としている。すなわち、3価の鉄イオンの吸光度のピークはさらに紫外側(短波長側)にあるが、このピークでは吸光度が大きすぎて試料の希釈を要するので、この波長が都合がよい。また、この程度の紫外領域では、硼珪酸ガラスなどでもよく透過するので、光学セル1や後述する光学部品を高価な石英ガラスを使用する必要がない点などにおいても、好都合であるからである。
【0014】
この実施形態では、光学セル1に対して380nmの照明光を照射するために投光ユニット2が設けられている。この投光ユニット2では、光源としてキセノンフラッシュランプ21が設けられている。このキセノンフラッシュランプ21はランプ電源31と電気的に接続されており、装置全体を制御する制御部3からパラレルインターフェース32を介してランプ電源31に発光トリガ信号S1が与えられると、ランプ電源31からキセノンフラッシュランプ21にパルス状の電源が供給されて、紫外から可視および赤外にわたって連続する放射スペクトルを有する連続光がパルス的に放射される。そして、キセノンフラッシュランプ21から放射された光は380nm近辺の光のみを透過するフィルター22を介してハーフミラー23に導光されるように構成されている。このように、この実施形態では、キセノンフラッシュランプ21と透過するフィルター22とを組み合わせることによって特定波長の照明光を得ている。また、ハーフミラー23はフィルター22を通過してきた光(380nmの単色光)の一部をそのまま透過させて照明光L1として光学セル1に導光するとともに、残りを参照光L2として参照用受光素子41に導光している。
【0015】
また、光学セル1を透過した測定光L3は測定用受光素子51に受光され、この測定用受光素子51から出力される信号をアンプ6で電流−電圧変換した後にさらに増幅して測定光L3の光強度に相当する測定光強度電圧信号S3がA/D変換部33を介して制御部3に出力される。また、参照用受光素子41からも参照光L2に対応する信号がアンプ6に出力され、このアンプ6で電流−電圧変換した後にさらに増幅して参照光L2の光強度に相当する参照光強度電圧信号S2がA/D変換部33を介して制御部3に出力される。このように、この実施形態では上記発光トリガ信号S1が出力されることでキセノンフラッシュランプ21からパルス光が放射されると、参照光L2の光強度と、測定光L3の光強度とが同時に求められ、それらに対応する参照光強度電圧信号S2および測定光強度電圧信号S3が制御部3に与えられる。
【0016】
このアンプ6は、図2に示すように、参照用受光素子41から出力される電気信号を積分する参照用積分回路42と、参照用積分回路42で得られた積分値をピークホールドする参照用ピークホールド回路43とを備え、参照用ピークホールド回路43によりホールドされている積分値を示す参照光強度電圧信号S2をA/D変換部33に出力する。
【0017】
この参照用積分回路42は、オペアンプ421を用いた反転増幅回路からなり、受光素子41から出力される光電流を電圧に変換するとともに、積分し、受光量に相当するアナログ信号を出力するものである。すなわち、オペアンプ421の反転入力端子と出力端との間にはリーク抵抗422および積分コンデンサ423が並列接続される一方、正転入力端子は接地されており、図3(a)および(b)に示すように、キセノンフラッシュランプ21が例えば約1μSECだけパルス点灯されると、受光素子41により受光される受光量を積分していき、積分値出力に相当するアナログ信号を出力する。なお、同図(a)に示すように、ランプの点灯の主要な部分はほぼ1μSEC程度で完了するが、その後、数μSEC残光がある。また、ランプ点灯初期に0.5μSEC程度、キセノンフラッシュランプ21の発する電磁波ノイズを受けるが、この間、回路動作としては受光光量に応じた電荷を積分コンデンサ423に充電している段階であり、電磁波により電荷量が変わるわけではないので積分値自体に誤差を生じさせるのもではない。
【0018】
また、この実施形態では、リーク抵抗422として400MΩの抵抗を用いることによって約100μSECの間、積分値を99.5%以上保持し、約100mSECで自然的にゼロリセットするように構成されている(同図(c))。ここで、400MΩの抵抗の代わりにアナログスイッチ等でリセット回路を設けた完全な積分回路を用いてもよいが、この実施形態では1μSEC程度の短い時間だけ受光素子41に流れた微弱電流を小さな積分コンデンサ423で保持させているので、オペアンプ421の入力バイアス電流などのために、いずれにしても長く保持することは困難である。
【0019】
このように構成された積分回路42で求められたアナログ信号は、2つのオペアンプ431,432、ダイオード433、充電抵抗434およびピークホールドコンデンサ435からなる参照用ピークホールド回路43に与えられる。このピークホールド回路43では、積分回路42がその電圧を保持している100μSECの時間を使ってピークホールドすればよいので、積分回路42の積分コンデンサ423の1000倍程度の容量を持つピークホールドコンデンサ435を使用することが可能である。そして、このピークホールド回路43で保持されているピークホールド出力、つまり参照光強度電圧信号S2が制御部3のA/D変換部33に出力される(同図(d)、(e))。
【0020】
また、この参照用ピークホールド回路43では、充電抵抗434を大きめ、例えば2kΩ程度に設定することでピークホールド時のオーバーシュートを押さえることができる。また、充電抵抗434とピークホールドコンデンサ435とでローパスフィルタを構成されているので、ピークホールド動作中の瞬時的なノイズにも強いという特徴を有している。なお、このピークホールド回路43では、制御部3から与えられるホールドON/OFF信号S4をOFF状態にすると、出力信号をゼロリセットすることが可能となっている。
【0021】
このように、この実施形態では、参照用受光素子41、参照用積分回路42および参照用ピークホールド回路43により本発明の「参照用受光ユニット」が構成されており、照明光L1の一部を参照光L2として受光し、光学セル1に照射される照明光の光強度に相当する参照光強度電圧信号S2を制御部3に出力している。
【0022】
また、このアンプ6には、図2に示すように、測定用受光素子51から出力される電気信号を積分する測定用積分回路52と、積分回路52で得られた積分値をピークホールドする測定用ピークホールド回路53とが設けられており、測定用ピークホールド回路53によりホールドされている積分値を示す測定光強度電圧信号S3をA/D変換部33に出力する。このように、測定用受光素子51、測定用積分回路52および測定用ピークホールド回路53により本発明の「測定用受光ユニット」が構成されており、測定光L3を受光し、測定光L3の光強度に相当する測定光強度電圧信号S3を制御部3に出力している。なお、測定用積分回路52および測定用ピークホールド回路53の構成はそれぞれ参照用積分回路42および参照用ピークホールド回路43と全く同一であるため、ここでは相当符号を付して構成の説明を省略する。
【0023】
次に、上記のように構成された吸光度計の動作について説明する。試料(ここではメッキ液)を収容する光学セル1を所定の位置にセットし、制御部3に設けられた測定ボタン(図示省略)の押動や外部装置からの測定指令の入力などがあると、制御部3はメモリ(図示省略)に予め記憶されている測定プログラムにしたがって装置各部を制御してメッキ液中の3価の鉄イオン濃度を求める。以下、図3および図4を参照しながら測定動作について説明する。
【0024】
まず、図4に示すように、制御部3はホールドON/OFF信号S4をOFF状態からON状態に切替えることにより参照用ピークホールド回路43および測定用ピークホールド回路53をともにホールド可能状態に設定する。それに続いて、制御部3はパラレルインターフェース32を介してランプ電源31に発光トリガ信号S1を与える。これによって、ランプ電源31からキセノンフラッシュランプ21にパルス状の電源が供給されてキセノンフラッシュランプ21がパルス点灯する(図3(a))。
【0025】
キセノンフラッシュランプ21が点灯すると、キセノンフラッシュランプ21から放射された光のうち特定波長380nm近辺の光のみがフィルター22を介してハーフミラー23に導光され、このハーフミラー23で参照光L2と照明光L1に分割された後、参照光L2についてはそのまま受光素子41に受光される一方、照明光L1については光学セル1に照射され、その光学セル1を透過した測定光L3が受光素子51に受光される。このため、1回のキセノンフラッシュランプ21が1回点灯する間に参照用ピークホールド回路43から参照光L2に相当する参照光強度電圧信号S2が、また同時に、測定用ピークホールド回路53から測定光L3に相当する測定光強度電圧信号S3がA/D変換部33に出力され(図3(e))、デジタル信号に変換される。
【0026】
制御部3は、発光トリガ信号S1をランプ電源31に出力してキセノンフラッシュランプ21を点灯させた後、約100μSECから1SECの間、つまり両ピークホールド回路43,53で積分値を安定してホールドしている間に少なくとも1回以上参照光強度電圧信号S2および測定光強度電圧信号S3に対応するデジタル値をそれぞれ参照光データおよび測定光データとしてサンプリングする。ここで、複数回だけデジタル値をサンプリングした際には、例えばサンプリングデータを平均化してもよく、この平均化処理によって信号ラインに乗るノイズの影響を小さくしてデータ精度の向上を図ることができる。
【0027】
こうしてデータサンプリングが完了すると、制御部3は発光トリガ信号S1およびホールドON/OFF信号S4をともにOFF状態に戻す一方、サンプリングされた参照光データと測定光データとの比を演算し、さらにその演算結果に基づきメッキ液中の3価の鉄イオン濃度を求める。このように、この実施形態では、制御部3は本発明の「演算ユニット」として機能している。
【0028】
以上のように、この実施形態では、キセノンフラッシュランプ21とフィルター22とを組み合わせて特定波長、この実施形態では380nmの測定光が得られるよう構成しているので、このように測定対象となる化学成分に対応する特定波長を通過させるフィルターを準備することで測定に適した照明光L1を得ることができ、汎用性に優れた吸光度計が得られる。また、キセノンフラッシュランプ21を用いることで照明光の光量が発光ダイオードを用いた従来装置に比べて十分に高くなり、測定精度を向上させることができる。
【0029】
また、上記したように1回のランプフラッシュの間に1回の測定が可能となっているので、無駄なランプ点灯がなく、キセノンフラッシュランプ21の消耗を少なくし、見かけのランプ寿命を延ばすことができる。また、このキセノンフラッシュランプ21の長寿命化によってランプ交換頻度およびランニングコストを激減させることができる。例えば5×10回のフラッシュ可能なキセノンフラッシュランプ21では、毎秒1回測定しても、15年以上も連続して使用可能という計算になる。
【0030】
また、パルス点灯のインターバルを適当(例えば毎秒1回以下)にすることにより、キセノンフラッシュランプ21の発熱を無視できるレベルに抑えることができる。これにより、ヒートシンク不要、熱線吸収フィルタ不要、光源と光学セル1を熱的に分離するための光ファイバー等も不要となり、その結果として装置の小型化、低価格化が可能となる。
【0031】
また、点灯によるランプ温度の上昇がないことは、常にウオーミングアップが終了した状態にキセノンフラッシュランプ21が保たれていることを意味しており、初回から安定点灯させることができ、ウオーミングアップを不要とすることができる。
【0032】
また、各受光ユニットとも、積分回路42,52を設けて1フラッシュ間に受光素子41,51に受光される光強度の積分(または略積分)を求めているので、瞬時的なノイズの影響を排除することができ、データ精度を高めることができる。また、その積分値をピークホールド回路43,53でピークホールドすることにより、発光自体はパルス的であるにもかかわらず、受光ユニットからの出力信号に基づいて吸光度を求めるにあたって、制御部3はランプ点灯との同期をとる必要がなくなり、 演算ユニットとして機能する制御部3に時間的余裕を与え、サンプリングタイミングのばらつきによる誤差を排除することができる。
【0033】
さらに、この実施形態では、照明光の一部を参照光L2として受光し、照明光L1の光強度に相当する信号を出力する参照用受光ユニットを設け測定光と参照光との比をとり、この値に基づき濃度を求めているので、キセノンフラッシュランプ21の発光光量が時間とともに変動したとしても、その変動を吸収することができ、測定精度を向上させることができる。またハーフミラーで光を分割しているので、キセノンフラッシュランプ21の配光特性がパルス点灯ごとに変動したとしても、常に、同一の点から同一の方向に発した光から得られる2つの光(測定光L3と参照光L2)とを同時に受光することができ、測定精度を高めることができる。
【0034】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では照明光L1の一部を参照光L2として取り出し、同時に受光される2つの光(参照光L2と測定光L3)で測定を行っているが、図5に示すように、光学セル1を照明光L1の光路に対して出退移動させて測定光と参照光とを別タイミングで受光するように構成してもよい。すなわち、図5の実施形態では、光学セル駆動部7によって光学セル1を照明光L1の光路上に位置させた状態で測定光を受光素子51で受光する一方、別タイミングで光学セル駆動部7によって光学セル1を照明光L1の光路から退避させた状態で参照光を受光素子51で受光するように構成してもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、試料を光学セル1に収容して濃度測定を行っているが、光学セル1に対して試料が自動的に供給されるように構成したり、試料が流れる配管に上記吸光度計をビルドインして濃度測定を行う、つまり光学セル1の代わりに配管を付した光学セルを流通する試料を測定するように構成してもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、フラッシュランプとしてキセノンフラッシュランプを用いているが、フラッシュランプはこれに限定されないことはいうまでもない。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、フィルターを用いてフラッシュランプから放射される光のうち特定波長として380nm近辺の光のみを透過させ、この光を照明光として3価の鉄イオンを含むメッキ液に照射している。このように測定対象となる化学成分に対応する特定波長を通過させるフィルターを準備することで該測定に適した照明光を得ることができ、汎用性に優れた吸光度計を得ることができる。また、フラッシュランプを用いているので、測定光の光量が発光ダイオードを用いた従来装置に比べて十分に高くなり、試料中の化学成分濃度を高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる吸光度計の一実施形態を示す図である。
【図2】図1の吸光度計に設けられるアンプの回路図である。
【図3】図1の吸光度計の動作を示す波形図である。
【図4】図1の吸光度計の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】この発明にかかる吸光度計の他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
2…投光ユニット
3…制御部(演算ユニット)
6…アンプ
21…キセノンフラッシュランプ
22…フィルター
23…ハーフミラー
41…参照用受光素子
42…参照用積分回路
43…参照用ピークホールド回路
51…測定用受光素子
52…測定用積分回路
53…測定用ピークホールド回路
L1…照明光
L2…参照光
L3…測定光
S2…参照光強度電圧信号
S3…測定光強度電圧信号

Claims (5)

  1. 測定対象となる化学成分を含む試料として3価の鉄イオンを含むメッキ液に対し、その化学成分に対応する特定波長の照明光を照射する投光ユニットと、
    前記試料を透過してきた測定光を受光して該測定光の光強度に相当する信号を出力する測定用受光ユニットと、
    前記測定用受光ユニットから出力される出力信号に基づき前記試料中の化学成分の濃度を求める演算ユニットとを備えた吸光度計において、
    前記投光ユニットは、パルス光を放射するフラッシュランプと、前記フラッシュランプから放射される光のうち前記特定波長として380nm近辺の光を透過させるフィルターとを備え、前記フィルターを透過した光を前記照明光として前記試料に照射することを特徴とする吸光度計。
  2. 前記照明光の一部を参照光として受光し、前記照明光の光強度に相当する信号を出力する参照用受光ユニットをさらに備えた請求項1記載の吸光度計であって、
    前記投光ユニットは、前記フィルターを透過した光を2つの光に分割し、その一方を前記照明光として前記試料に導光するとともに、その他方を前記参照光として前記参照用受光ユニットに導くハーフミラーを有しており、しかも、
    前記演算ユニットは、前記測定用受光ユニットからの出力信号に加え、前記参照用受光ユニットから出力される出力信号に基づき前記試料中の化学成分の濃度を求める吸光度計。
  3. 前記演算ユニットは、前記フラッシュランプが1回点灯するのに合わせて前記受光ユニットから出力される出力信号に基づき前記試料中の化学成分の濃度を求める請求項1または2記載の吸光度計。
  4. 前記受光ユニットの各々は、該受光ユニットに入射する光を受光する受光素子と、前記フラッシュランプが1回点灯する間に前記受光素子から出力される電気信号を積分する積分回路と、前記積分回路で得られた積分値をピークホールドするピークホールド回路とを備え、前記ピークホールド回路によりホールドされている積分値を示す信号を前記出力信号として前記演算ユニットに出力する請求項3記載の吸光度計。
  5. 前記演算ユニットは、前記受光ユニットからの出力信号を少なくとも1回以上サンプリングし、そのサンプリングデータに基づき前記試料中の化学成分の濃度を求める請求項4記載の吸光度計。
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