JP3846547B2 - 光デジタイザ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、検出面上において指示体の指示位置座標を検出する光遮断方式の光デジタイザに関し、特に、光源が、前記検出面に対して水平方向であって、かつ結像レンズの横近傍に位置する光デジタイザに関する。
【0002】
【従来の技術】
近来、抵抗皮膜方式や電磁誘導方式のデジタイザに代えて、より高精度な検出能力を有する光方式のデジタイザが注目されている。図6に、従来の光デジタイザの一例を示す。図6は光デジタイザの平面概略図であり、指示体であるペン2が検出面1上に置かれたときに、検出面1の上方に設けられる2つの検出ユニット3により三角測量の原理により指示位置座標を検出するものである。検出ユニット3は、撮像手段であるリニアイメージセンサ13の前面に設けられる結像レンズ9の左右にLED等の光源11を配置して構成される。検出面1に光を遮るものが何も置かれていない時には、検出ユニット3から、検出面1上を通過して再帰反射部材22に入射した光は、逆の光路を通って検出ユニット3に戻ってくる。検出面1にペン2等が置かれた時には、光の光路の一部が遮られて、検出ユニット3に帰らなくなる。この影の部分がイメージセンサ13で撮像できるため、その影の方向を検出することで、光を遮ったもののある方向を検出することができる。即ち、ペン2が存在する方向が、2つの異なる既知の位置にある検出ユニット3,3によって検出できれば、三角測量の原理によりペン2の指示位置座標を算出できる。また、光デジタイザにおいては、検出面1は、透明なガラス面等により構成することが可能なため、検出面1の下方にLCDを配置しても、抵抗皮膜方式等に比べて光の減衰が少ないので、より明るく良好なタッチパネル式表示装置とすることも可能である。更に、検出面がガラス面であるため、抵抗皮膜方式等と異なり、先の鋭利なペン等で検出面を破いてしまうこともない。
【0003】
PDAや携帯電話等の携帯端末のための小型のタッチパネルの需要が高まっているが、LCDからの光の減衰が少ない、検出面が破かれることがない等の上述の光デジタイザの利点に着目し、これらの小型液晶にも用いることが可能な光デジタイザの需要も高まりつつある。従って、光デジタイザの小型化、縮小化、省電力化等が望まれている。
【0004】
光デジタイザにおいては、光源の光軸と結像レンズの光軸が一致しているのが最も好ましいため、ハーフミラー等を用いて光軸を合わせる従来例もある。この場合、結像レンズに対して光源を上部又は下部に配置しなければならないため、検出ユニットが厚くなってしまい、装置を小型化するのに不利になることがある。また、ハーフミラーを用いると、反射と透過により、光源からの光量が1/4に減衰してしまうことにもなる。このため、より高出力の光源を用いなければならなくなり、消費電力の観点からも不利になることもある。更に、高出力の光源は物理的な大きさも大きいため、小型化の妨げにもなる。そこで、図6に示す従来例のように、結像レンズ9を挟むようにその左右に光源11を配置すれば、検出ユニット3を薄型化することが可能となる。
【0005】
ここで、再帰反射部材とは、そこに入射した光が入射した方向へまっすぐに戻ってくるような反射特性を有する部材をいう。典型的な再帰反射部材は、小さな透明ガラスビーズを多数埋め込んだ再帰反射シートや、小さなコーナキューブプリズムをアレイ状に並べたものなどが使用可能である。それらの再帰反射特性は比較的優れているため、そこへの入射光は、その殆どが入射した方向へ戻ってくることになる。従って、図6の従来例では、光源11から再帰反射部材22へ入射した光線の反射光の大部分は光源11へ戻ることになり、反射光の一部が光源11から少し離れた結像レンズ9(正確には絞り10)に戻ることになる。従って、効率良く光源からの光線を受光するためには、光源の光軸と結像レンズの光軸とをなるべく近づける必要がある。
【0006】
光源の光軸と結像レンズの光軸とをなるべく近づけるための手段としては、本出願人による特願2000−101831に示すものがある。これは、例えば結像レンズを、その光の入射側は狭く撮像手段側は広くなるようにV字カットした扇状状のレンズとし、光源をそのカットされた側平面に近接して設けることで、絞りと光源がなるべく近くなるようにするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、結像レンズの横に光源を配置した場合、光軸をなるべく近づけることが望ましいわけであるが、光源にLEDを用いると、その大きさ、及び結像レンズの大きさ等の制限から、LEDの光軸と結像レンズの光軸とを近づけるのには限界があった。従って、光源11と結像レンズ9(正確には絞り10)との距離に対して、検出ユニット3と再帰反射部材22との距離が十分に離れている場合、すなわち比較的大きな検出面を有する光デジタイザの場合には、光源と結像レンズがある程度離れていたとしても、撮像手段12が反射光を十分に取り込むことが可能であるが、比較的小さな検出面をもつ光デジタイザの場合には、光源と結像レンズを近づけるのにも限界があるので、再帰反射部材からの反射光は、光源には戻ってくるが、結像レンズには十分に入射しなくなるため、撮像手段に反射光を十分に取り込むことができないという問題があった。反射光を十分に取り込めないと、指示体による影の部分が明確でなくなるため検出精度も悪くなってしまう。
【0008】
また、V字カットした扇状状の結像レンズを用いたとしても、数ミリメートルレベルでの光軸のズレはやはり生じるため、これを検出面の小さい光デジタイザに用いると、数ミリメートルレベルのズレであっても問題となり、やはり反射光を結像レンズに十分に取り込むことができなくなってしまう。
【0009】
従って、検出面が小さくなってくると、反射光が十分に結像レンズに入射しなくなってしまうため、携帯端末等の小さいLCDに適用するための検出面の縮小化には限界があった。また、結像レンズに十分に反射光を入射させるために、光源により高出力のものを使用しなければならない等の問題もあり、その場合には消費電力の観点からも問題となっていた。また、検出面が大きい光デジタイザでも、物理的にLEDが大きい場合にはやはり光源と結像レンズの光軸が離れてしまうため、同様の問題があった。
【0010】
本発明は、斯かる実情に鑑み、光源と結像レンズとの距離に対して、検出ユニットと再帰反射部材との距離が十分に離れていない場合であっても、撮像手段に反射光を十分に取り込むことが可能な光デジタイザを提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による検出面上において指示体の指示位置座標を検出する光デジタイザは、光線を発するための光源と、前記検出面の少なくとも周囲3辺に設けられ、前記光源から発せられた光線を再帰反射する再帰反射部材と、前記指示体が前記再帰反射部材からの再帰反射光を遮断することにより生じる影の方向を検出するための撮像手段と、前記再帰反射部材からの再帰反射光を前記撮像手段に結像させるための結像レンズと、からなり、前記光源は、前記検出面に対して水平方向、かつ前記結像レンズの横近傍であって、前記結像レンズの左右のどちらか一方に、又は前記結像レンズを挟むように両側に配置され、更に、前記光デジタイザは、前記再帰反射部材の前面に位置し、前記再帰反射部材への入射光と該再帰反射部材からの反射光とを前記検出面に対して水平方向のみに屈折散乱させるための屈折散乱手段を具備する。
【0012】
ここで、屈折散乱手段は、半円筒形レンズを前記検出面に対して水平方向に一次元アレイ状に並べて形成されるレンティキュラレンズであれば良い。
【0013】
また、屈折散乱手段は、フレネルビームスプリッタの特性とレンティキュラレンズの特性とを併せ持ち、前記検出面に対して水平方向に一次元アレイ状に並べて形成されるレンズにより形成されても良い。
【0014】
更に、屈折散乱手段と前記再帰反射部材とは、表面がレンティキュラレンズで形成され、裏面がコーナキューブプリズムアレイで形成される一体成型物であっても良い。
【0015】
更にまた、屈折散乱手段と前記再帰反射部材とは、表面がフレネルビームスプリッタの特性とレンティキュラレンズの特性とを併せ持つレンズで形成され、裏面がコーナキューブプリズムアレイで形成されても良い。
【0016】
また、本発明による光デジタイザは、出力表示を行うための表示装置を更に有し、前記検出面と該表示装置の表示面とが一致するように前記表示装置が配置されても良い。
【0017】
上記手段によれば、光源と結像レンズ、及び再帰反射部材の位置関係に影響を受けずに、光源からの光線を効果的に撮像手段へ導くことができるという作用が得られる。これにより、光源と結像レンズの光軸が多少離れていたとしても、検出面の小さな光デジタイザにも適応可能となる。逆に、検出面の大きい光デジタイザの場合であっても、光源に大きなLED等を用いる場合等により光源と結像レンズの光軸が離れてしまう場合等にも本発明は有効に作用する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の光デジタイザの好適な実施例を示す図である。図中、従来例で用いた参照符号と同一の符号を付した部分は同一物をあらわしている。検出ユニット3は、従来例の図5に示したものと同様の構成となっている。また、指示体2が検出面1に置かれたときにその指示位置座標を検出する工程も従来技術と同様である。即ち、検出面1に光を遮るものが何も置かれていない時には、検出ユニット3から、検出面1上を通過して再帰反射部材22に入射した光は、逆の光路を通って検出ユニット3に戻ってくる。検出面1に指示体であるペン2等が置かれた時には、光の光路の一部が遮られて、検出ユニット3に帰らなくなる。この影の部分を検出ユニット3のイメージセンサ等の受光素子13で撮像し、その影の方向を検出する。この検出を2つの異なる既知の位置にある検出ユニット3,3で行うことで、三角測量の原理により指示体2の指示位置座標を算出するものである。
【0019】
本実施例の特徴とするところは、図1に示す如く、再帰反射部材22の前面に、光線を検出面に対して水平方向へ屈折拡散させるための屈折拡散手段30を設けた点にある。屈折拡散手段としては、例えばレンティキュラレンズが挙げられる。レンティキュラレンズ30とは、極細い微細な半円筒形或いはこれと光学的に等価なシリンドリカルレンズ等を一次元アレイ状に並べたものであり、その並べた方向に対して光線を屈折拡散させる特性を有する光学レンズをいう。この屈折散乱特性により、再帰反射部材22へ入射する光と反射する光が、各々のシリンドリカルレンズの微小部位を通過する光線の位置(入射角)に応じた屈折作用を受け、全体でとらえるとアレイ状に並べた方向に拡散される。この特徴を利用して、レンティキュラレンズを通る光線が検出面1に対して水平方向のみに屈折散乱させるように、レンティキュラレンズ30を図示のように再帰反射部材22の前面に配置する。
【0020】
なお、図1では、光源を2個用いる検出ユニットの例を説明したが、本発明はこれに限定されず、より低消費電力な光デジタイザを実現するために光源を1個にすることも勿論可能である。図2は、検出ユニットに光源を1個用いた本発明による光デジタイザの平面概略図である。光源が2個の場合は、受光素子から見た影が指示体の中心となるが、光源が1個の場合、図示のように、光源11から発せられた光線が指示体2により遮断されて生じる影と、受光素子13から見て影となる本来の影とに差が生じてしまう。影が2個できてしまうと、どちらが本来の影か判別できないので、光源の影と本来の影の各々から遠いほうのエッジ間の中心を、指示体2の中心として近似的に処理するようにする。この処理をそれぞれ左右の検出ユニット3で行うことで、指示体2の指示位置座標を近似的に求めることが可能となる。このように光源を1個にすることで、2個の光源を使う場合に比べてより低消費電力な光デジタイザを実現可能となる。
【0021】
図3を用いて、レンティキュラレンズを配置したことによる効果を説明する。図3(a)は、再帰反射部材と検出ユニットとの距離による結像レンズへの入射光の違い、及びレンティキュラレンズの有無による結像レンズへの入射光の違いを説明するための図であり、図3(b)は、観察角に対する照度値を示すグラフである。図3(a)において、再帰反射部材22との距離が長いのが検出ユニット3であり、距離が短いのが検出ユニット3’である。また、再帰反射部材22からの反射光であって、レンティキュラレンズ30が無い場合の反射光が反射光6であり、レンティキュラレンズ30が有る場合の反射光が反射光7である。なお、説明を簡単にするために、検出ユニットと再帰反射部材が対向し光源からの光線が再帰反射部材に直角に入射するように示している。図を見て分かるように、検出ユニット3と再帰反射部材22の距離が長ければ、レンティキュラレンズ30が無くても結像レンズ9(正確には絞り10)に反射光6は入射する。しかし、検出ユニット3’のように、再帰反射部材との距離が近くなる、即ち検出面が小さくなるにつれて、結像レンズ9(正確には絞り10)に反射光6が入射しなくなってしまう。しかし、本発明の特徴の屈折散乱手段であるレンティキュラレンズ30を再帰反射部材22の前面に配置することにより、レンティキュラレンズ30を通る光線は、検出面に対して水平方向に屈折散乱され、再帰反射部材22からの光線は、反射光7まで広がることになる。従って、再帰反射部材と検出ユニットとの距離が近い場合であっても、光源からの光線を効率良く結像レンズへ導くことが可能となる。
【0022】
また、再帰反射部材と検出ユニットとの距離が遠い場合であっても、光源と結像レンズとの距離が離れている場合、例えば光源であるLEDが大きいため結像レンズに近づけるのに限界がある場合等にも、レンティキュラレンズは有効に作用する。即ち、反射光を結像レンズに十分に入射するように水平方向に拡散することが可能である。従って、検出面に指示体が置かれたときに生じる影の部分が明確になり、光デジタイザの指示体の検出精度も高まる。
【0023】
なお、屈折散乱手段については、単に入射光を拡散させるためだけであれば一般的なディフューザ等を用いることも勿論可能であるが、そうすると、検出面に水平な方向以外に垂直な方向にも拡散してしまい、検出ユニットへ戻ってくる光線の減衰が大きくなってしまうので、より高出力の光源を用いなければならなくなる。従って、効率良く屈折散乱させるためには、検出面に対して水平方向にのみ屈折散乱する手段、例えば上述のレンティキュラレンズを用いることが望ましい。
【0024】
図3(b)のグラフは、横軸が観察角であり、縦軸が受光素子の位置での反射光の相対的な照度値である。グラフから分かるように、レンティキュラレンズが無い場合には、観察角が広くなると、急激に照度値が低くなる特性を再帰反射部材は有している。具体的には、再帰反射部材から結像レンズに入射する光は、観察角が0度から2度程度の間で、照度値が急激に下がる特性であることが分かる。このことから、結像レンズが光源から少しでも離れると、再帰反射部材から結像レンズに入射する光は急激に少なくなることが分かる。従って、従来の光デジタイザでは、光源と結像レンズとをなるべく近づけるか、光源をより高パワーのものにするか、或いは検出面を大きくする等の必要があった。一方、グラフから分かるように、本発明の特徴であるレンティキュラレンズが再帰反射部材の前面に有る場合には、観察角がある程度広くなっても、照度値が急激には低くならず、ある程度一定の照度値を保っている。具体的には、再帰反射部材から結像レンズに入射する光は、観察角が0度から2度程度までは、ほぼ一定の照度値を保ち、その後照度値はなだらかに低下していく特性であることが分かる。即ち、結像レンズが光源からある程度離れていたとしても、再帰反射部材から結像レンズに入射する光が減らないことになる。従って、光源と結像レンズがある程度離れていても、結像レンズには十分に再帰反射光が入射することになり、また、検出面を小さくして検出ユニットと再帰反射部材を近づけたとしても、観察角をある程度大きくできるため、結像レンズには十分に再帰反射光が入射することになる。
【0025】
図4(a)は、検出面の周囲に位置するレンティキュラレンズ及び再帰反射部材を上部から見た部分拡大図である。図示のように、光源からの光線がレンティキュラレンズ30へ入射すると、まず横方向(検出面に対して水平方向)に屈折し、再帰反射部材22へ入射する。再帰反射部材は、図示のようにガラスビーズ状になっており、入射した光は球内屈折をして戻ってくる。その戻ってくる光線の光路は、入射した光線の光路とは平行な光であるが別の光路であり、図示のようにレンティキュラレンズへ入射する位置が異なるため、そこで屈折された光線の光路は、光源からの光線の光路とは平行な光とはならずに、横方向へ屈折され、別の光路を辿る。この作用により、再帰反射光を検出面に対して水平方向へ拡散することが可能となる。なお、レンティキュラレンズ30のピッチは、再帰反射部材22のガラスビーズのピッチとの兼ね合いで、干渉縞(モアレ)が現れないピッチを選べば良い。また、レンティキュラレンズ30の曲率は、大きければ大きい程、入射光の水平方向への拡散効果が大きくなるので、検出面の大きさ、即ち検出ユニットと再帰反射部材との距離、或いは光源と結像レンズとの距離に応じて、効率良く拡散するような曲率を選べば良い。
【0026】
ところで、再帰反射部材は、その再帰反射特性は完全ではないため、浅い角度(大きい入射角)で入射した光に対しては再帰反射特性が悪くなる。従って、検出ユニットから一番遠い対角にある再帰反射部材、即ち検出面の角部近傍へ入射する光の入射角がもっとも大きくなり、その辺りからの再帰反射光は弱くなってしまう。従って、その近辺の再帰反射光を用いて指示体を検出しようとすると、影の部分と再帰反射光の部分の差が少なくなるので、検出感度が落ちてしまう。そこで、フレネルビームスプリッタの特性を利用して、浅い角度で入射する入射光を屈折させて再帰反射部材に深い角度で入射するようにすることにより、再帰反射光の光量が低下してしまう角部においても、良好な再帰反射光を得られるようにすることが可能である。なお、フレネルビームスプリッタとは、多数の平行な対向する同角度の小面が刻まれているものである。これにより、検出ユニットの対角の近傍にある再帰反射部材へ光が入射した場合、浅い角度で入射する入射光はフレネルビームスプリッタにより屈折され、再帰反射部材に深い角度で入射するようになる。従って、従来浅い角度で入射するために再帰反射光の光量が低下してしまっていた角部においても、良好な再帰反射光を得られるようになる。これらは、本出願人による特願2000−106063に示す通りである。
【0027】
ここで、図4(a)に示すレンティキュラレンズの特性と、上述のフレネルビームスプリッタの特性とを併せ持つレンズを図4(b)に示す。図示のように、このレンズは、フレネルビームスプリッタの小面(点線で図示)を、レンティキュラレンズのように曲率を持つようにし、検出面に対して水平方向へ拡散するような特性を持たせたものである。このようにすることで、検出面が小さく、即ち、検出ユニットと再帰反射部材の距離が短く、且つ、光源と結像レンズとの距離が長い場合であっても、光源からの光線は有効に結像レンズへ入射し、更に検出面の角部においても良好な再帰反射光を得られるようになる。
【0028】
次に、図5を用いて本発明による光デジタイザの更に別の実施例を説明する。本実施例は、屈折散乱手段としてのレンティキュラレンズと再帰反射部材としてのコーナキューブプリズムアレイとを一体成型したものである。即ち、図5(a)に示すように、検出面1に近い側の面をレンティキュラレンズ面とし、検出面1から遠い側の面をコーナキューブプリズムアレイ面とする。なお、この一体成型されるレンズは、プラスチック等により製造可能である。ここで、コーナキューブプリズムアレイとは、図5(b)に示すように、非常に小さなコーナキューブプリズムが複数アレイ状に並んでいるようなものを言い、入射光を正確に入射方向へ反射する特性を有するものである。このように屈折散乱手段と再帰反射部材を一体成型することで、上述の一体成型ではないものと同様の効果が得られながら、一体成型としたことにより部品点数・製造工程の削減が可能となり、より安価に光デジタイザを製造することも可能となる。なお、屈折散乱手段として、レンティキュラレンズを図示したが、これは図4(b)に示すような、レンティキュラレンズの特性とフレネルビームスプリッタの特性とを併せ持つレンズとすることも勿論可能である。
【0029】
なお、本発明の光デジタイザは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0030】
また、本発明による光デジタイザは、小型化にも有利なため、PDAや、ノート型コンピュータのタッチパッド等に応用することも可能であり、また、背面にLCD等の表示装置を設けて、表示面と検出面とを一致するように配置した表示装置一体型タッチパネルとすることも勿論可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の光デジタイザによれば、光源と結像レンズ、及び再帰反射部材の位置関係に影響を受けずに、光源からの光線を効果的に撮像手段へ導くことができるという優れた効果を奏し得る。また、再帰反射部材と屈折散乱手段とを一体成型することで、製造も容易で且つ安価な光デジタイザを実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による光デジタイザの平面概略図である。
【図2】図2は、本発明による他の光デジタイザの平面概略図である。
【図3】図3は、本発明による光デジタイザのレンティキュラレンズの効果を説明するための図であり、図3(a)は再帰反射部材と検出ユニットとの距離による結像レンズへの入射光の違い、及びレンティキュラレンズの有無による結像レンズへの入射光の違いを説明するための図であり、図3(b)は観察角に対する照度値を示すグラフである。
【図4】図4は、屈折散乱手段及び再帰反射部材の部分拡大図であり、図4(a)はレンティキュラレンズの入射する光の屈折特性を示す図であり、図4(b)はレンティキュラレンズとフレネルビームスプリッタの特性を併せ持つレンズの入射する光の屈折特性を示す図である。
【図5】図5(a)は、屈折散乱手段としてのレンティキュラレンズと再帰反射部材としてのコーナキューブプリズムアレイとを一体成型したものの平面概略図であり、図5(b)は、コーナキューブプリズムアレイを説明するための図である。
【図6】図6は、従来の光デジタイザの平面概略図である。
【符号の説明】
1 検出面
2 指示体
3 検出ユニット
6 レンティキュラレンズが無い場合の反射光
7 レンティキュラレンズが有る場合の反射光
9 結像レンズ
10 絞り
11 光源
13 イメージセンサ
22 再帰反射部材
30 レンティキュラレンズ
Claims (6)
- 検出面上において指示体の指示位置座標を検出する光デジタイザであって、該光デジタイザは、
光線を発するための光源と、
前記検出面の少なくとも周囲3辺に設けられ、前記光源から発せられた光線を再帰反射する再帰反射部材と、
前記指示体が前記再帰反射部材からの再帰反射光を遮断することにより生じる影の方向を検出するための撮像手段と、
前記再帰反射部材からの再帰反射光を前記撮像手段に結像させるための結像レンズと、からなり、
前記光源は、前記検出面に対して水平方向、かつ前記結像レンズの横近傍であって、前記結像レンズの左右のどちらか一方に、又は前記結像レンズを挟むように両側に配置され、
更に、前記光デジタイザは、前記再帰反射部材の前面に位置し、前記再帰反射部材への入射光と該再帰反射部材からの反射光とを前記検出面に対して水平方向のみに屈折散乱させるための屈折散乱手段を具備することを特徴とする光デジタイザ。 - 請求項1に記載の光デジタイザであって、前記屈折散乱手段は、半円筒形レンズを前記検出面に対して水平方向に一次元アレイ状に並べて形成されるレンティキュラレンズからなることを特徴とする光デジタイザ。
- 請求項1に記載の光デジタイザであって、前記屈折散乱手段は、フレネルビームスプリッタの特性とレンティキュラレンズの特性とを併せ持ち、前記検出面に対して水平方向に一次元アレイ状に並べて形成されるレンズからなることを特徴とする光デジタイザ。
- 請求項2に記載の光デジタイザであって、前記屈折散乱手段と前記再帰反射部材とは、表面がレンティキュラレンズで形成され、裏面がコーナキューブプリズムアレイで形成される一体成型物であることを特徴とする光デジタイザ。
- 請求項3に記載の光デジタイザであって、前記屈折散乱手段と前記再帰反射部材とは、表面がフレネルビームスプリッタの特性とレンティキュラレンズの特性とを併せ持つレンズで形成され、裏面がコーナキューブプリズムアレイで形成される一体成型物であることを特徴とする光デジタイザ。
- 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の光デジタイザであって、出力表示を行うための表示装置を更に有し、該表示装置は、前記検出面と該表示装置の表示面とが一致するように配置されることを特徴とする光デジタイザ。
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