JP3843990B2 - 無端金属ベルトの品質検査方法 - Google Patents

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この発明は、板片状の多数のエレメントを互いに対面させて環状に配置し、それらのエレメントに金属バンドであるフープを通して各エレメントを環状に結束して構成した無端金属ベルトの品質を検査する方法に関するものである。
この種の無端金属ベルトはベルト式無段変速機に使用されている。その構造を簡単に説明すると、図10において、符号1はエレメントを示し、この多数のエレメント1が互いに板厚方向に対面して環状に並べて配置され、その左右のサドル部に環状の金属帯であるフープ2を通して各エレメント1が結束され、図11に示す全体として無端(環状)の金属ベルト3を構成している。
エレメント1の形状の一例を図12に示してあり、幅方向の両側の側面は、シーブ4におけるテーパ状のシーブ面5に接触する対シーブ摩擦面6あって、シーブ面5と一致するテーパ面とされている。その対シーブ摩擦面6を備えた基体部分7の幅方向での中心部に、図12での上側に延びた首部8が形成され、その首部8が、左右に広がった頂部9に繋がっている。その左右に広がった頂部9と基体部分7との間にスリットが形成されており、この左右2つのスリットの部分にフープ2が通されている。そして、基体部分7におけるフープ2が接触する面がサドル面10となっている。
このサドル面10の高さは、基体部分7を横切るピッチ線Pからの寸法で表される。また、エレメント1の幅は、ピッチ線P上の寸法で表される。なお、前記頂部9のうち首部8の延長位置には、一方の面側に凸となり、他方の面側では凹となったディンプル・ホール(D/H)11が形成されている。このディンプル・ホール11は、一例としてテーパ形状であって、互いに隣接するエレメント1のディンプル・ホール11同士が嵌合することにより、エレメント1を所期の配列状態に維持するようになっている。
上記無端金属ベルト3は、一対のシーブ4の間に挟み付けられて使用される。その場合、シーブ面5および対シーブ摩擦面6がテーパ面であるために、各エレメント1には、シーブ4による挟圧力により半径方向での外側に荷重が作用するが、各エレメント1がフープ2によって結束されているので、フープ2の張力により半径方向での外側への移動が規制される。その結果、シーブ面5と対シーブ摩擦面6との間に摩擦力が生じ、あるいは油膜のせん断力が生じてシーブ4と無端金属ベルト3との間でトルクが伝達される。
上記のようにエレメント1を半径方向で外側に押圧する荷重は、シーブ4が無端金属ベルト3を挟み付けることにより生じるので、エレメント1の幅寸法やディンプル・ホール11の位置あるいはサドル面10の高さに誤差があれば、半径方向での外側に向けた荷重がエレメント1毎に大小に異なり、また半径方向での位置にも狂いが生じる。これに対して、各エレメント1はフープ2によって結束されていると同時に、隣接するエレメント1同士が、前述したディンプル・ホール11によって連結されているので、幅寸法の誤差が半径方向に向けた圧縮力あるいは引っ張り力として作用する。
例えば図13に示すように、3枚並んだエレメント1のうち中央のエレメント1が、幅寸法やディンプル・ホール11の位置あるいはサドル面10の高さの狂いによって半径方向で内側に陥没した状態になると、その中央部のエレメント1の首部8には、矢印で示すように引っ張り力が作用し、これに対して左右のエレメント1の首部8には、矢印で示すように圧縮力が作用する。あるいは図14に示すように、3枚並んだエレメント1のうち中央のエレメント1が、幅寸法やディンプル・ホール11の位置あるいはサドル面10の高さの狂いによって半径方向で外側に突出した状態になると、その中央部のエレメント1の首部8には、矢印で示すように圧縮力が作用し、これに対して左右のエレメント1の首部8には、矢印で示すように引っ張り力が作用する。
このように各エレメント1の寸法の誤差もしくは狂いにより各エレメント1に圧縮力や引っ張り力が作用し、またそれに伴ってフープ2の張力の変動などが生じる。そして、無端金属ベルト3を走行させると、このような複雑な荷重が繰り返し生じ、これが原因となってエレメント1やフープ2に変形などの異常が生じ、その耐久性が低下することがある。
したがって無端金属ベルト3の品質管理として、耐久性に関係する品質素性の良否を判断する必要があり、これは、従来一般には、無端金属ベルトの製造ロットごとにサンプルを抜き取って品質検査することによりおこなっていた。すなわち抜き取ったベルトを分解して全てのエレメントについて、検査項目として挙げられている形状精度の3次元測定もしくは専用ゲージでの測定などをおこない、その測定結果に基づいて、そのベルトの製造ロットの母集団についての品質の良否の判定をおこなっていた。
上述した無端金属ベルトにおけるエレメントは、一般的には、ファインブランキング型によって打ち抜いた後、熱処理したものが使用され、したがってその製造過程で生じる形状もしくは寸法の精度のバラツキを持ったものとなっている。したがって製造ロットごとに形状・寸法の精度のバラツキに一定の傾向があり、その点では製造ロットごとの抜き取り検査によってある程度の品質の検査をおこなうことができる。
しかしながら、1本の無端金属ベルトには数百のエレメントが使用され、しかもそれらのエレメントは、全く同一のファインブランキング型や熱処理工程を経たものではなく、工程の異なるものがミックスされたものである。さらに、本発明の発明者等の知見によれば、無端金属ベルトの耐久性には、前述したように、個々のエレメントの寸法精度のみならず、隣接するエレメントとの寸法偏差、特にサドル高さやディンプル・ホールの位置度差が大きく影響する。
そのため、個々の無端金属ベルトには、そのエレメントの製造工程ごとの精度のバラツキが反映されているだけではなく、製造工程の異なるエレメントのミックスの仕方や配列の仕方が反映されてその耐久性に影響を与えている。したがって製造ロットごとの抜き取り検査では、これらの組み立て工程での影響もしくは精度のバラツキを見出すことはできない。
この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、無端金属ベルトの耐久性についての全数検査を容易かつ正確におこなうことのできる方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、複数のエレメントをその板厚方向に対面させて環状に配列するとともに、これらのエレメントに金属帯を通して前記エレメントを結束してなる無端金属ベルトの品質検査方法において、前記無端金属ベルトをシーブに巻き掛けた状態で、前記シーブに巻き掛けられている箇所における隣接するエレメントの前記金属帯を通してあるサドル面より外周側の所定の部位の高さの相対偏差を測定する一方、測定された相対偏差が予め定められた閾値より大きい場合に前記無端金属ベルトが品質不良であることを判定することを特徴とする方法である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記無端金属ベルトにおける前記高さを測定する所定の部位が、前記シーブに巻き掛けられている箇所での最も外周側の部位であることを特徴とする品質検査方法である。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記無端金属ベルトに所定の張力を作用させることにより所定のトルクをその無端金属ベルトを介して伝達している状態で、前記シーブに巻き掛けられている箇所における各エレメントの前記所定の部位の高さを測定することを特徴とする品質検査方法である
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記各エレメントは、互いに嵌合して隣接するエレメント同士を連結するディンプル・ホールを、前記シーブに巻き掛けた状態での前記サドル面より外周側に備えていることを特徴とする無端金属ベルトの品質検査方法である。
請求項1の発明によれば、シーブに巻き掛けられている状態で隣接するエレメント同士のサドル面より外周側の所定の部位の高さの相対偏差が求められて、これが所定の閾値を超えている場合に品質不良と判定するので、無端金属ベルトの品質の判定が、より正確になる。
また、請求項2の発明によれば、サドル面の高さ精度に関係する部位の高さとして、シーブに巻き掛けた状態で最も外周側に位置する部位の高さが測定されるので、サドル面に代替する部位の高さの測定が容易になる。
さらに、請求項3の発明によれば、前記所定の部位の高さを測定する場合、無端金属ベルトには所定の張力が作用し、シーブ間でトルクを伝達している状態となるから、前記高さの測定が、無端金属ベルトの実際の使用状態に近い状態でおこなわれ、その結果、無端金属ベルトの品質の判定を、より正確におこなうことができる。
そして、請求項4の発明によれば、ディンプル・ホールを備えているエレメントについての品質検査をより正確に行うことができる。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。この発明で検査する無端金属ベルトの一例は、前述した図10ないし図12に示すとおりであり、また、その検査項目は、ディンプル・ホール11の位置の精度およびサドル面10の高さの精度である。なお、ディンプル・ホール11の位置精度は、図12での上下方向の位置精度および左右方向の位置精度の両方である。
図1はこの無端金属ベルト3の品質の検査に用いる装置を概念的に示しており、無端金属ベルト3を巻き掛ける一対のシーブ20,21が設けられている。これらのシーブ20,21は、前述したシーブ4と同様に、無端金属ベルト3の対シーブ摩擦面6を接触させる一対のテーパ状のシーブ面によって巻き掛け溝を構成しているシーブである。図1の左側のシーブ20が駆動側シーブであって、モータ22に連結されている。これに対して図1の右側のシーブ21が従動側シーブであって、無端金属ベルト3を介して伝達するトルクを所定の値に設定するためのトルク付加機構23に連結されている。これは、例えばブレーキ機構や電動機などによって構成することができる。
また、これらのシーブ20,21に巻き掛けた無端金属ベルト3に所定の張力を付与するための機構が設けられている。この機構は、例えば図2に示すように、いずれか一方のシーブ20(もしくは21)を固定シーブSfとこれに対向させた可動シーブSMとによって構成し、その可動シーブSMをアクチュエータAcによって前後動させることにより、固定シーブSfと可動シーブSMとの間の溝幅を狭くして無端金属ベルト3に張力を付与する機構を採用することができる。これに替えて、いずれか一方のシーブ20,21を他方に対して離隔する方向に荷重を掛けて無端金属ベルト3に張力を付与するように構成してもよい。
さらに、一方のシーブ20,21の外周側(図1の例では駆動側シーブ20の外周側)に、無端金属ベルト3のうちこのシーブ20に巻き掛けられている箇所におけるエレメント1の所定の部位の寸法を測定する接触式もしくは非接触式のセンサ24が設けられている。このセンサ24によって測定する寸法は、隣接するエレメント1同士の間隔と前記サドル面10より外周側の所定の部位の高さとであり、これらの寸法は、センサ24から出力された信号を、アンプ25および演算部26ならびにインジケータ27を備えたコントローラ28に入力し、このコントローラ28で演算して得られるようになっている。また、所定のしきい値をコントローラ28に入力しておくことにより、測定値とそのしきい値との比較結果、すなわち無端金属ベルト3の品質の良否の判定結果を表示するように構成されている。
つぎに図1および図2に示す品質検査装置の作用すなわちこの発明の品質検査方法について説明する。先ず、品質を検査するべき無端金属ベルト3を前記一対のシーブ20,21に巻き掛けて張力を付与し、かつ各シーブ20,21の間で所定のトルクを伝達する。具体的には、例えば前記アクチュエータAcによって溝幅を狭くすることにより、無端金属ベルト3に張力を付与し、また駆動側シーブ20をモータ22によって回転させるとともに従動側シーブ21にトルク付加機構23によって制動力を付与する。その張力とトルクとの関係を図示すれば、図3のとおりであり、張力を予め定めた所定の下限値F1と上限値F2との間に設定し、かつトルクを所定の下限値T1と上限値T2との間に設定する。
上記の各シーブ20,21を回転させてこれらに巻き掛けた無端金属ベルト3を駆動(走行)させた状態で、ディンプル・ホール11の位置精度を評価するために、前記センサ24によってエレメント1同士の間隔Gapを測定し、その測定値に基づいて評価をおこなう。ここでエレメント1同士の間隔とは、無端金属ベルト3がシーブ20,21に巻き掛けられて円弧状に湾曲することにより、エレメント1が図4に示すように扇形に開き、その結果として生じるエレメント1の外周側の対向面の間隔である。これは、例えば中心角度(ミリ秒:ms)で表される。
この発明の発明者等が測定と検討を重ねたところ、互いに隣接するエレメント1同士のディンプル・ホール11の位置精度の相対誤差(すなわち位置度差)と上記のエレメント1同士の間隔Gapとには所定の相関関係があることが明らかとなった。図5にその相関関係を示してあり、横軸にディンプル・ホール11の位置度差を採り、縦軸に前記間隔Gapを採ってある。この図5から明らかなように、ディンプル・ホール11の位置度差とエレメント1同士の間隔Gapとはほぼ反比例の関係にある。
その原因を推察すると、無端金属ベルト3がシーブ20,21に巻き掛かっている箇所では、フープ2に張力を付与していることによる半径方向での中心側に向けた荷重およびそれに対するシーブ20,21からの反力が作用し、またシーブ面5およびこれに接触する対シーブ摩擦面6がテーパ面であることによるシーブ20,21の中心軸線を含む面方向での荷重が作用する。そのため、隣接するエレメント1のディンプル・ホール11に位置度差があると、互いに嵌合しているディンプル・ホール11の接触面圧が高くなり、いわゆるカジリの生じた状態となって嵌合状態が維持され、エレメント1同士が密着した状態もしくはそれに近い状態となってその間隔Gapが狭くなるものと思われる。
そこでこの発明の方法では、エレメント1同士の間隔Gapを測定するとともに、許容できるディンプル・ホール11の位置度差に相当する前記間隔Gapについてのしきい値Xを定め、測定された前記間隔Gapがそのしきい値Xを超えて小さい場合に、品質不良と判定する。
なお、図4に示すように、エレメント1はシーブ20,21に巻き掛けられている箇所で扇形に開くので、前記間隔Gapは、エレメント1の最も外周側すなわち前記頂部9の先端部9Aで最も広くなる。したがって測定精度および評価精度を高くするために、前記センサ24による測定は、その頂部9の先端部9Aの間隔を測定することが好ましい。
また、サドル面10の高さの精度を評価するために、シーブ20に巻き掛けてある箇所におけるエレメント1について、そのサドル面10より外周側の所定の部位の高さを、前記センサ24によって測定し、その測定値に基づいて評価をおこなう。ここでサドル面10より外周側の所定の部位の高さとは、エレメント1のピッチ線Pからその測定対象部位までの寸法である。
この発明の発明者等が測定と検討を重ねたところ、サドル面10の高さとそれより外周側の所定部位(一例として前記頂部9の先端部9A)の高さとが、図6に示すようにほぼ比例関係にあることが見出された。
そこでこの発明の方法では、シーブ20に巻き掛けてある箇所での各エレメント1におけるサドル面10より外周側の所定部位(具体的には頂部9の先端部9A)の高さについての前後差すなわち隣接するエレメント1での前記先端部9Aの相対偏差を測定するとともに、その前後差について予めしきい値X1,X2(X1<X2)を定め、測定された前後差がそのしきい値X1,X2を超えて大きい場合に、品質不良と判定する。
なお、無端金属ベルト3を構成しているエレメント1の数は、一例として約400個前後であり、したがって前記高さの前後差の測定値の数は、エレメント1の数より“1”だけ少ない数となる。それらの測定値を有限要素法(FEM)で解析すれば、サドル面10の高さの前後差と前記先端部9Aの高さの相対偏差との関係が、例えば図7に示すように求められる。この図7に示す関係に基づいて前記のしきい値X1,X2を設定し、良品判定域OK、不良品判定域NG、中間域(グレーゾーン)が定まる。このように判定域を設定し、高さの相対偏差の測定値として、不良品域NGに属するものがあれば、耐久性に影響を及ぼすサドル面10の高さの前後差があると判断されるので、その無端金属ベルト3を不良品と判定する。
上述したようにして求められたディンプル・ホール11の位置度差とサドル面10の前後差とによって、無端金属ベルト3の耐久性能の特性を表せば、図8のようになる。図8において、ディンプル・ホール11の位置度差およびサドル面10の高さの前後差が、有限要素法で理論的に定まる境界線(FEM理論線、疲労限界線)以上の製品は不良品(NG品)であるが、それより小さい値を示す製品については、次のように良否が判定される。すなわち、ディンプル・ホール11の位置度差については、実験的にその許容値αが設定され、その許容値α以下の製品が良品と判定できる。また、サドル面10の高さの前後差については、確実に良品と言い得る値が許容値βとして設定され、その許容値β以下の製品が良品と判定できる。
ディンプル・ホール11の位置度差とサドル面10の高さの前後差とによる無端金属ベルト3の耐久性についての評価基準が、図8に示すように設定できるので、これら二つの評価項目に基づいて無端金属ベルト3の品質の良否を判定してもよい。その例を図9にフローチャートで示してあり、先ず、ディンプル・ホール11の位置度差を測定し(ステップS1)、その測定結果が上記の許容値αより小さいか否かを判断する(ステップS2)。このステップS2で否定的に判断された場合、すなわちディンプル・ホール11の位置度差が許容値α以上であれば、その無端金属ベルト3について不良品(NG品)の判定をおこなう(ステップS3)。
これに対してステップS2で肯定的に判断された場合には、サドル面10の高さの前後差を測定する(ステップS4)。その測定結果が上記の許容値βより小さいか否かを判断する(ステップS5)。このステップS5で否定的に判断された場合、すなわちサドル面10の高さの前後差が許容値β以上であれば、その無端金属ベルト3について不良品(NG品)の判定をおこなう(ステップS3)。これとは反対に測定されたサドル面10の高さの前後差が許容値βより小さいことによりステップS5で肯定的に判断された場合に、その無端金属ベルト3について良品の判定をおこなう(ステップS6)。
ここで上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図6および図7を参照して説明したサドル面10の高さの前後差に基づく品質の判定の方法が、請求項1ないし3の発明の方法に相当する。
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、無端金属ベルトを構成するエレメントの形状は図10あるいは図12に示す形状以外の形状であってもよい。また、上記の具体例では、無端金属ベルトを構成しているエレメントの全てについて測定をおこなうこととしたが、この発明では、無端金属ベルトを構成するエレメントの内の一部のエレメントについて測定をおこない、その結果に基づいて良否の判定をおこなうこととしてもよい。
この発明の品質検査方法に用いる装置の一例を示す概略的断面図である。 張力を付与するために溝幅を変更する機構の一例を示す図である。 無端金属ベルトの張力とシーブ間で伝達するトルクとの関係を示す図である。 シーブに巻き掛けてある箇所でのエレメント同士が離隔して間隔をあけた状態を模式的に示す図である。 エレメント同士の間隔とディンプル・ホールの位置度差との関係を示す線図である。 サドル面の高さと頂部の先端部の高さとの関係を示す線図である。 サドル面の高さの前後差と頂部の先端部の相対偏差との関係を示す図である。 ディンプル・ホールの位置度差とサドル面の高さの前後差に基づく無端金属ベルトの品質の判定基準を示す図である。 無端金属ベルトの品質の検査方法の他の例を説明するためのフローチャートである。 無端金属ベルトの一例を説明するための部分斜視図である。 その無端金属ベルトの全体的に構成を示す斜視図である。 そのエレメントを示す正面図である。 幅寸法の隣接差異やディンプル・ホールの位置度差もしくはサドル面の高さの前後差が生じている一例における荷重の発生状態を説明するための図である。 幅寸法の隣接差異やディンプル・ホールの位置度差もしくはサドル面の高さの前後差が生じている他の例における荷重の発生状態を説明するための図である。
符号の説明
1…エレメント、 2…フープ、 3…無端金属ベルト、 4,20,21…シーブ、 5…シーブ面、 6…対シーブ摩擦面、 10…サドル面、 23…トルク付加機構、 24…センサ。

Claims (4)

  1. 複数のエレメントをその板厚方向に対面させて環状に配列するとともに、これらのエレメントに金属帯を通して前記エレメントを結束してなる無端金属ベルトの品質検査方法において、
    前記無端金属ベルトをシーブに巻き掛けた状態で、前記シーブに巻き掛けられている箇所における隣接するエレメントの前記金属帯を通してあるサドル面より外周側の所定の部位の高さの相対偏差を測定する一方、測定された相対偏差が予め定められた閾値より大きい場合に前記無端金属ベルトが品質不良であることを判定することを特徴とする無端金属ベルトの品質検査方法。
  2. 前記無端金属ベルトにおける前記高さを測定する所定の部位が、前記シーブに巻き掛けられている箇所での最も外周側の部位であることを特徴とする請求項1に記載の無端金属ベルトの品質検査方法。
  3. 前記無端金属ベルトに所定の張力を作用させることにより所定のトルクをその無端金属ベルトを介して伝達している状態で、前記シーブに巻き掛けられている箇所における各エレメントの前記所定の部位の高さを測定することを特徴とする請求項1または2に記載の無端金属ベルトの品質検査方法。
  4. 前記各エレメントは、互いに嵌合して隣接するエレメント同士を連結するディンプル・ホールを、前記シーブに巻き掛けた状態での前記サドル面より外周側に備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の無端金属ベルトの品質検査方法。
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