JP3842911B2 - ジスチルベン化合物及びこれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

ジスチルベン化合物及びこれを用いた電子写真感光体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体に適用可能な、電子吸引性基であるハロゲン原子を特定の部位に有するジスチルベン化合物、及びこれを用いた電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式の利用は複写機の分野に限らず印刷版材、スライドフィルム、マイクロフィルム等の従来では写真技術が使われていた分野へ広がり、またレーザーやLED、CRTを光源とする高速プリンターへの応用も検討されている。従って電子写真感光体に対する要求も高度で幅広いものになりつつある。これまで電子写真方式の感光体としては無機系の光導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、シリコン等が知られており、広く研究され、かつ実用化されている。これらの無機物質は多くの長所を持っているのと同時に、種々の欠点をも有している。例えばセレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化しやすいという欠点があり、硫化カドミウムや酸化亜鉛は、耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては帯電性の不足や製造上の困難さが指摘されている。更に、セレンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
【0003】
これに対し、有機系の光導電性物質は成膜性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性もよく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感光体の設計が容易である等の利点を有していることから、次第にその実用化が注目を浴びている。
【0004】
ところで、電子写真技術において使用される感光体は、一般的に基本的な性質として次のような事が要求される。即ち、(1) 暗所におけるコロナ放電に対して帯電性が高いこと、(2) 得られた帯電電荷の暗所での漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3) 光の照射によって帯電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4) 光照射後の残留電荷が少ないこと等である。
【0005】
しかしながら、今日まで有機系光導電性物質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これらは必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、又上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備しているとはいい難い。
【0006】
一方、有機系の低分子光導電性化合物については、感光体形成に用いる結着剤等を選択することにより、皮膜性や接着性、可撓性等機械的強度に優れた感光体を得ることができるものの、高感度の特性を保持し得るのに適した化合物を見出すことは困難である。
【0007】
このような点を改良して、より高感度の特性を有する感光体を得るため、電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させた有機感光体が開発されている。機能分離型と称されているこのような感光体の特徴はそれぞれの機能に適した材料を広い範囲から選択できることであり、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ることから多くの研究が進められてきた。
【0008】
このうち、電荷発生機能を担当する物質としては、フタロシアニン顔料、スクエアリウム色素、アゾ顔料、ペリレン顔料等の多種の物質が検討され、中でもアゾ顔料は多様な分子構造が可能であり、また、高い電荷発生効率が期待できることから広く研究され、実用化も進んでいる。しかしながら、このアゾ顔料においては、分子構造と電荷発生効率の関係は未だに明らかになっていない。膨大な合成研究を積み重ねて、最適の構造を探索しているのが実情であるが、先に掲げた感光体として求められている基本的な性質や高い耐久性等の要求を十分に満足するものは、未だ得られていない。
【0009】
一方、電荷輸送機能を担当する物質には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。正孔輸送物質としてはヒドラゾン化合物やスチリル化合物等、電子輸送性物質としては2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、ジフェノキノン誘導体等多種の物質が検討され、実用化も進んでいるが、こちらも膨大な合成研究を積み重ねて最適の構造を探索しているのが実情である。事実、これまでに多くの改良がなされてきたが、先に掲げた感光体として求められている基本的な性質や高い耐久性等の要求を十分に満足するものは、未だ得られていない。
【0010】
以上述べたように電子写真感光体の作製には種々の改良が成されてきたが、先に掲げた感光体として要求される基本的な性質や高い耐久性等の要求を十分に満足するものは未だ得られていないのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電子写真感光体に適用可能な有機材料を効率よく提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく研究を行なった結果、式(A)に示されるような、Ar3、Ar4にそれぞれ置換基として電子吸引性のハロゲン原子を有するジスチルベン化合物が有効であることを見出した。
【0013】
【化2】
Figure 0003842911
【0014】
一般式(A)において、Ar 1 は炭素数6〜20のアリーレン基、Ar 2 は炭素数6〜20のアリーレン基を表す。Ar 3 、Ar 4 はそれぞれ置換基として電子吸引性基であるフッ素原子を有する炭素数6〜14のアリール基又はアラルキル基を表す。Rは炭素数1〜4のアルキル基、ピリジル基、ベンジル基、または炭素数6〜14のアリール基を表し、これらはメチル基、ハロゲン原子で置換されていても良い。
【0015】
Ar1における炭素数6〜20のアリーレン基としては、o−フェニレン基、 m−フェニレン基、p−フェニレン基、4,4′−ビフェニレン基、p−ターフェニレン基、1,4−ナフチレン基等が挙げられ、これらはメチル基、エチル基等の低級アルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基、ハロゲン原子等の置換基を有していても良く、好ましくは、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、より好ましくはp−フェニレン基が良い。
【0016】
Ar2における炭素数6〜20のアリーレン基としては、o−フェニレン基、 m−フェニレン基、p−フェニレン基、4,4′−ビフェニレン基、p−ターフェニレン基、1,4−ナフチレン基等が挙げられ、これらは置換基を有していても良く、好ましくはp−フェニレン基が良い。
【0017】
Ar3、Ar4における炭素数6〜14のアリール基又はアラルキル基としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、ベンジル基、ベンズヒドリル基等が挙げられ、置換基のハロゲン原子としてはフッ素原子が挙げられる。なかでもAr3、Ar4としては、p−フルオロフェニル基、p−フルオロベンジル基が好ましい。
【0018】
Rにおける低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、これらはハロゲン原子等で置換されていても良く、好ましくは、メチル基、エチル基が良い。5員環もしくは6員環を形成する複素環基としては、ピリジル基が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基が挙げられ、こららは、メチル基、ハロゲン原子等で置換されていても良い。また、炭素数6〜14のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、ベンジル基等が挙げられ、これらは置換基を有していても良く、好ましくは、フェニル基、ベンジル基、p−トリル基が良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(A)で示されるジスチリル化合物の具体例としては、以下に例示する化合物のうち、例示化合物2が挙げられる。
【0020】
【化3】
Figure 0003842911
【0021】
【化4】
Figure 0003842911
【0022】
【化5】
Figure 0003842911
【0023】
感光体の形態としては種々のものがあるが、本発明はそのいずれの形態においても用いることができる。例えば、導電性支持体上に電荷発生物質、電荷輸送物質、およびフィルム形成性結着剤樹脂からなる感光層を設けた単層型感光体、導電性支持体上に電荷発生物質と結着剤樹脂からなる電荷発生層と、電荷輸送物質と結着剤樹脂からなる電荷輸送層を設けた積層型の感光体が挙げられる。電荷発生層と電荷輸送層はどちらが上層となっても構わない。また、必要に応じて導電性支持体と感光層の間に下引き層を、感光体表面にオーバーコート層を、積層型感光体の場合は電荷発生層と電荷輸送層との間に中間層を設けることもできる。本発明に係わる化合物を用いて感光体を作製する支持体としては金属製ドラム、金属板、導電性加工を施した紙、プラスチックフィルムのシート状、ドラム状あるいはベルト状の支持体等が使用される。
【0024】
それらの支持体上へ感光層を形成するために用いるフィルム形成性結着剤樹脂としては利用分野に応じて種々のものがあげられる。例えば複写用感光体の用途ではポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢ビ・クロトン酸共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂等は感光体としての電位特性に優れている。又、これらの樹脂は、単独あるいは共重合体として1種又は2種以上を混合して用いることができる。これら結着剤樹脂の光導電性化合物に対して加える量は、20〜1000重量%が好ましく、50〜500重量%がより好ましい。
【0025】
積層型感光体の場合、電荷発生層に含有されるこれらの樹脂は、電荷発生物質に対して10〜500重量%が好ましく、50〜150重量%がより好ましい。樹脂の比率が高くなりすぎると電荷発生効率が低下し、また樹脂の比率が低くなりすぎると成膜性に問題が生じる。また、電荷輸送層に含有されるこれらの樹脂は、電荷輸送物質に対して20〜1000重量%が好ましく、50〜500重量%がより好ましい。樹脂の比率が高すぎると感度が低下し、また、樹脂の比率が低くなりすぎると繰り返し特性の悪化や塗膜の欠損を招くおそれがある。
【0026】
これらの樹脂の中には、引っ張り、曲げ、圧縮等の機械的強度に弱いものがある。この性質を改良するために、可塑性を与える物質を加えることができる。具体的には、フタル酸エステル(例えばDOP、DBP等)、リン酸エステル(例えばTCP、TOP等)、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、ニトリルゴム、塩素化炭化水素等が挙げられる。これらの物質は、必要以上に添加すると電子写真特性の悪影響を及ぼすので、その割合は結着剤樹脂に対し20%以下が好ましい。
【0027】
その他、感光体中への添加物として酸化防止剤やカール防止剤等、塗工性の改良のためレベリング剤等を必要に応じて添加することができる。
【0028】
本発明のジスチルベン化合物は、更に他の電荷輸送物質と組み合わせて用いることができる。電荷輸送物質には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。前者の例としては、例えば特公昭34−5466号公報等に示されているオキサジアゾール類、特公昭45−555号公報等に示されているトリフェニルメタン類、特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリン類、特公昭55−42380号公報等に示されているヒドラゾン類、特開昭56−123544号公報等に示されているオキサジアゾール類等を挙げることができる。一方、電子輸送物質としては、例えばクロラニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド等がある。これらの電荷輸送物質は単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0029】
また、本発明に係わる有機導電性材料と電荷移動錯体を形成し、更に増感効果を増大させる増感剤としてある種の電子吸引性化合物を添加することもできる。この電子吸引性化合物としては例えば、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン類、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、9−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、3,3′,5,5′−テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類、無水フタル酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物、テレフタラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリル、4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノニトリル等のシアノ化合物、3−ベンザルフタリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド類等を挙げることができる。
【0030】
本発明に係わる有機光導電性材料は、感光体の形態に応じて上記の種々の添加物質と共に適当な溶剤中に溶解又は分散し、その塗布液を先に述べた導電性支持体上に塗布し、乾燥して感光体を製造することができる。
【0031】
塗布溶剤としてはクロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、蟻酸メチル、メチルセロソルブアセテート等のエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤及びアルコール系溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は単独または2種以上の混合溶剤として使用することができる。
【0032】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0033】
参考例1
下記式(a)に示すアルデヒド2.2gと、下記式(I)に示すホスフォネート1.1gを1,3−ジオキソラン50mlに溶解し、氷水浴中にて冷却した。これに、t−ブトキシカリウム0.7gを少量ずつ添加し1時間攪拌した。反応液を、氷水300mlに注ぎ30分間攪拌した後、酢酸エチルにて抽出操作を行った。次に、抽出液を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加え2時間攪拌した。硫酸ナトリウムを濾別し、酢酸エチルを減圧下留去すると黄色の結晶が得られた。更に、この結晶を1,4−ジオキサンを用いて再結晶操作を行うと目的の例示化合物1が1.9g得られた。収率は80%であり極めて良好であった。また、融点は180.2〜181.3℃であった。
【0034】
【化6】
Figure 0003842911
【0035】
X型無金属フタロシアニン1重量部及びポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン220)1重量部をジオキサン100重量部と混合し、ペイントコンディショナー装置でガラスビーズと共に3時間分散した。こうして得た分散液を、アプリケーターにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗布して乾燥し、膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。次に例示化合物1を、ポリアリレート樹脂(ユニチカ製U−ポリマー)と1:1の重量比で混合し、ジクロロエタンを溶媒として10%の溶液を作り、上記の電荷発生層の上にアプリケーターで塗布して膜厚約20μmの電荷輸送層を形成した。
【0036】
この様にして作製した積層型感光体について、静電記録試験装置(川口電気製SP−428)を用いて電子写真特性の評価を行なった。
測定条件:印加電圧−6kV、スタティックNo. 3(ターンテーブルの回転スピードモード:10m/min )。その結果、帯電電位(Vo)が−785V 半減露光量(E1/2)が1.1ルックス・秒と高感度の値を示した。
【0037】
実施例1
下記式(b)に示すアルデヒド2.1gと、前述の式(I)に示すホスフォネート1.2gを1,3−ジオキソラン50mlに溶解し氷水浴中にて冷却した。これに、t−ブトキシカリウム0.7gを少量ずつ添加し1時間攪拌した。反応液を、氷水300mlに注ぎ30分間攪拌した後、酢酸エチルにて抽出操作を行った。次に、抽出液を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加え2時間攪拌した。硫酸ナトリウムを濾別し、酢酸エチルを減圧下留去すると黄色の油状物質が得られた。これを、移動層にトルエンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。トルエンを減圧下留去すると、目的の黄色結晶である例示化合物2が1.7g得られた。収率は75%であり極めて良好であった。また、融点は169.5〜169.7℃であった。
【0038】
【化7】
Figure 0003842911
【0039】
参考例1の例示化合物1の代わりに例示化合物2を用いた他は、参考例1と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。その結果、帯電電位(Vo)が−795V、半減露光量(E1/2)が1.0ルックス・秒と高感度の値を示した。
【0040】
比較例1
特開平8−33755号公報の記載に従って、下記式(c)に示すアルデヒド5.0gと、前述の式(I)に示すホスフォネート1.3gを用いて、下記式(イ)の比較化合物1を合成したところ、目的とする黄色結晶2.4gが得られた。収率は44%であり、前述の参考例1に比べ著しく低い結果となった。
【0041】
【化8】
Figure 0003842911
【0042】
参考例1の例示化合物1の代わりに比較化合物1を用いた他は、参考例1と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。その結果、帯電電位(Vo)が−770V、半減露光量(E1/2)が1.0ルックス・秒の値を示した。
【0043】
比較例2
下記式(d)に示すアルデヒド1.0gと、前述の式(I)に示すホスフォネート0.6gを1,3−ジオキソラン30mlに溶解し氷水浴中にて冷却した。これに、t−ブトキシカリウム0.4gを少量ずつ添加し1時間攪拌した。反応液を、氷水200mlに注ぎ30分間攪拌した後、酢酸エチルにて抽出操作を行った。次に、抽出液を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加え2時間攪拌した。硫酸ナトリウムを濾別し、酢酸エチルを減圧下留去すると黄色の油状物質が得られた。これを、移動層にトルエンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。トルエンを減圧下留去すると、目的の黄色結晶である下記式(ロ)の比較化合物2が0.6g得られた。収率は55%であり実施例1に比べ著しく低い結果となった。
【0044】
【化9】
Figure 0003842911
【0045】
参考例1の例示化合物1の代わりに比較化合物2を用いた他は、参考例1と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。その結果、帯電電位(Vo)が−780V、半減露光量(E1/2)が1.3ルックス・秒の値を示した。
【0046】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の特定構造を有するジスチルベン化合物は、従来のものに比べ、極めて高い収率で合成することができ、電子写真感光体の有機材料として優れた特性を示す。

Claims (2)

  1. 式(A)で示されるジスチルベン化合物。
    Figure 0003842911
    一般式(A)において、Ar 1 は炭素数6〜20のアリーレン基、Ar 2 は炭素数6〜20のアリーレン基を表す。Ar 3 、Ar 4 はそれぞれ置換基として電子吸引性基であるフッ素原子を有する炭素数6〜14のアリール基又は炭素数6〜14のアラルキル基を表す。Rは炭素数1〜4のアルキル基、ピリジル基、ベンジル基、または炭素数6〜14のアリール基を表し、これらはメチル基、ハロゲン原子で置換されていても良い。
  2. 請求項1記載のジスチルベン化合物を、少なくとも一種以上を用いる電子写真感光体。
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