JP3842855B2 - 空気調和機の室外ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機の室外ユニットの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、室外ユニットに複数台の室内ユニットをつないだマルチ型の空気調和機は知られている。この種のものでは、室外ユニットの大容量化を図る場合、複数台の圧縮機を冷媒回路に並列につなぐ構成が一般的に採用されている。圧縮機自体の大型化を図るよりも経済的だからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、冷媒回路に複数台の圧縮機を並列につないだ構成では、その分だけ圧縮機の故障の機会が増し、一つの圧縮機が故障した場合でも、この圧縮機を冷媒回路から取り外さなければならず、この作業の際には冷媒回路から冷媒が漏出するという問題がある。
【0004】
特に、室外ユニットの大容化を図る場合には、冷媒回路に封入される冷媒量も多くなるので、圧縮機の交換のたびに多量の冷媒が漏出することになれば、極めて不経済であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、冷媒回路から圧縮機を取り外す場合に、冷媒の漏出の少ない空気調和機の室外ユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、複数台の圧縮機、室外熱交換器等を収納した空気調和機の室外ユニットにおいて、複数台の圧縮機の吐出管を合流し、各吐出管の合流部から前記室外熱交換器に至るまでの冷媒管に開閉弁を設けたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、複数台の圧縮機、四方弁、室外熱交換器等を収納した空気調和機の室外ユニットにおいて、前記四方弁から前記室外熱交換器に至るまでの冷媒管に開閉弁を設けたものである。
【0008】
これらの発明によれば、複数台の圧縮機のうちのいずれかが故障した場合、まず、残りの圧縮機を用いて冷房運転し、この圧縮機の吸込側の冷媒の過熱度を充分にとった状態で、ガス管のサービスバルブを閉じると共に、前記した開閉弁を閉じる。この結果、サービスバルブから開閉弁に至るまでの間は、低圧ガスと高圧ガスのみとなり、その間に滞留する冷媒の量は非常に少なくなる。
【0009】
この室外ユニットにおいて、全体で約50kg程度の冷媒量が充填されているとして、この発明によれば、サービスバルブから開閉弁に至るまでの間に残留する冷媒量は約0.5〜1.0kg程度と少量になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1において、1は室外ユニットを示している。この室外ユニット1には冷媒管3を介して複数の室内ユニット5がつながれている。この空調システムは、いわゆる「大空間」を空気調和するシステムであり、この室外ユニット1には1台で30馬力の能力が与えられている。
【0012】
室外ユニット1には、能力各10馬力の三台のスクロール式圧縮機11a〜11cが収納されている。符号12はアキュームレータである。
【0013】
各圧縮機11a〜11cの吐出管13a〜13cには、オイルセパレータ15a〜15cがつながれ、このオイルセパレータ15a〜15cの出口の吐出管には逆止弁16a〜16cがつながれ、各吐出管の出口は合流し、その合流部Aにつながる冷媒管17には四方弁19がつながれている。
【0014】
この四方弁19には途中に開閉弁21が設けられた冷媒管18がつながれ、この冷媒管18には並列に接続された能力各10馬力の三台の室外熱交換器23a〜23cがつながれている。この室外熱交換器23a〜23cには流量調整キット25がつながれ、この流量調整キット25には膨張弁27a〜27cがつながれ、この膨張弁27a〜27cには室内ユニット5の室内電動膨張弁29、及び室内熱交換器31がつながれている。
【0015】
次に、この空気調和機の作動について説明する。
【0016】
冷房運転時には、四方弁19が実線の位置に切り換えられ、冷媒は、圧縮機11a〜11c、オイルセパレータ15a〜15c、四方弁19、室外熱交換器23a〜23c、膨張弁27a〜27c、室内電動膨張弁29、室内熱交換器31、四方弁19、アキュームレータ12の順に流れ、圧縮機11a〜11cに戻される。これによれば、室外熱交換器23a〜23cは凝縮器として機能し、室内熱交換器31は蒸発器として機能して、冷房運転が行われる。
【0017】
暖房運転時には、四方弁19が点線の位置に切り換えられ、冷媒は、圧縮機11a〜11c、オイルセパレータ15a〜15c、四方弁19、室内熱交換器31、室内電動膨張弁29、膨張弁27a〜27c、室外熱交換器23a〜23c、四方弁19、アキュームレータ12の順に流れ、圧縮機11a〜11cに戻される。これによれば、室外熱交換器23a〜23cは蒸発器として機能し、室内熱交換器31は凝縮器として機能して、暖房運転が行われる。
【0018】
以上のように構成される室外ユニット1には複数台の圧縮機11a〜11cが収納されているため、台数が多い分だけ、圧縮機11a〜11cの故障の機会は増大する。いずれかの圧縮機11a〜11cが故障した場合には、当該圧縮機11を冷媒管から取り外すことになるが、この作業の際には可能な限り冷媒の漏出を防止しなければならない。
【0019】
この実施の形態によれば、例えば一台の圧縮機11aが故障したとして、まず残りの二台の圧縮機11b,11cを用いて冷房運転し、圧縮機11b,11cの吸込側の冷媒の過熱度を充分にとった状態で、ガス管41のサービスバルブ43を閉じると共に、前記した開閉弁21を閉じる。
【0020】
この結果、サービスバルブ43から開閉弁21に至るまでの間、即ち、サービスバルブ43から、四方弁19、アキュームレータ12、圧縮機11a〜11c、オイルセパレータ15a〜15c、逆止弁16a〜16c、四方弁19、並びに開閉弁21に至るまでの間は、低圧ガスと高圧ガスのみとなり、その間に滞留する冷媒の量は非常に少なくなる。
【0021】
能力30馬力の室外ユニット1では全体で約50kg程度の冷媒量が充填されているとして、この実施の形態によれば、サービスバルブ43から開閉弁21に至るまでの間に残留する冷媒量は、約0.5〜1.0kg程度となる。この1.0kg足らずの冷媒は外部に漏出する。
【0022】
要するに、この実施の形態によれば、開閉弁21を設けているので、この開閉弁21を閉じることにより、たかだかサービスバルブ41から開閉弁21に至るまでの間の冷媒を漏出させるだけで、故障した圧縮機11a〜11cを交換することができるという利点が得られる。
【0023】
また、別の実施の形態として、図示は省略したが、前記の開閉弁21は、図1に示す位置に設けず、吐出管13a〜13cの合流部Aと四方弁19との間に位置する冷媒管17に設けることも可能である。
【0024】
合流部Aと四方弁19との間の冷媒管17内を流れる冷媒は、常に高圧ガスであるため、この冷媒管17の口径は小さくなっており、従ってこの間に設けられる開閉弁(図示せず)の口径は小さくて済む。これによれば図1に示すものに比べて開閉弁の小型化が図られる。ただし、この実施の形態によれば、四方弁19のリークが大きい場合、室外熱交換器23a〜23cからの冷媒が四方弁19を介してアキュームレータ12、並びに圧縮機11a〜11cの吸込側に回り込むので、開閉弁21を閉じたとしても、故障した圧縮機11a〜11cの交換時に、冷媒の漏出が多くなるという欠点を内包する。
【0025】
そもそも、圧縮機11a〜11cの吸込部と吐出部とにそれぞれ開閉弁を設ければ、この開閉弁を閉じるだけで、冷媒を漏出させずに、故障した圧縮機11a〜11cを交換することができる。しかしながら、このような対策はコスト高となり、現実的ではないが、この実施の形態によれば、開閉弁は一つで済むので、それほどコスト高とはならず効果は絶大である。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、複数台の圧縮機のうちのいずれかが故障した場合、まず、残りの圧縮機を用いて冷房運転し、この圧縮機の吸込側の冷媒の過熱度を充分にとった状態で、ガス管のサービスバルブを閉じると共に、開閉弁を閉じる。この結果、サービスバルブから開閉弁に至るまでの間は、低圧ガスと高圧ガスのみとなり、その間に滞留する冷媒の量は非常に少なくなる。従って、故障した圧縮機の交換時に漏出する冷媒は、サービスバルブから開閉弁に至るまでの間に滞留する少量の冷媒のみであるので、多量の冷媒が漏出するようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による室外ユニットの一実施の形態を示す回路図である。
【符号の説明】
1 室外ユニット
5 室内ユニット
11a〜11c 圧縮機
13a〜13c 吐出管
19 四方弁
21 開閉弁
23a〜23c 室外熱交換器
A 合流部
Claims (2)
- 複数台の圧縮機、室外熱交換器等を収納した空気調和機の室外ユニットにおいて、
冷房運転時に室内ユニットと上記複数台の圧縮機の吸込管とをつなぐ冷媒管に第1の開閉弁を設け、
複数台の圧縮機の吐出管を合流し、各吐出管の合流部から前記室外熱交換器に至るまでの冷媒管に第2の開閉弁を設けたことを特徴とする室外ユニット。 - 複数台の圧縮機、四方弁、室外熱交換器等を収納した空気調和機の室外ユニットにおいて、
室内ユニットと上記四方弁とをつなぐ冷媒管に第1の開閉弁を設け、
前記四方弁から前記室外熱交換器に至るまでの冷媒管に第2の開閉弁を設けたことを特徴とする室外ユニット。
Priority Applications (1)
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JP34260596A JP3842855B2 (ja) | 1996-12-06 | 1996-12-06 | 空気調和機の室外ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
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JPH10170029A JPH10170029A (ja) | 1998-06-26 |
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Family Applications (1)
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JP2009257614A (ja) * | 2008-04-14 | 2009-11-05 | Hitachi Appliances Inc | 空気調和システム |
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1996
- 1996-12-06 JP JP34260596A patent/JP3842855B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10170029A (ja) | 1998-06-26 |
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