JP3842531B2 - Highly design sheet-like laminated structure and use thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、審美性および意匠性に優れたシート状の熱可塑性樹脂よりなる積層構造体に関する。さらに詳しくは外側から観察したとき、シート表面に沿って連続した色調の変化が認められるシート状積層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、製品の高付加価値化を図るための製品設計が要望されている。中でも製品の高意匠化の要求が最も高い。連続した色調の変化(グラデーション色彩)による高意匠化もその中の1つである。かかる意匠化の方法の1つとしてはグラデーション模様の印刷等を施したフィルムやシートなどを金型内に予め装着して射出成形するインサート成形法などの成形法が用いられている。しかしながらこれら成形法はシート作成、印刷、トリミングなどの多数の工程を必要とする他、意匠性についても十分に魅力的とは言い難い。
【0003】
一方、特開昭53−83884号公報や特開昭56−123235号公報には外層と内層との肉厚を変化させ、外層は着色剤を含有する樹脂で構成された、上下方向にグラデーション色彩を施した容器およびその成形方法が提案されている。しかしながら、前記公報記載の方法によって得られた成形品(容器)は、その構成上グラデーション色彩の変化の方向が上下方向であって、上部もしくは下部が濃い着色をした比較的単純な色調の容器に限られ、さらに層の界面部分に立体的なパターン(文字や図形など)を施したものは、困難であった。
かくして高い意匠性を有し、連続した色調の変化が一方向のみならず多岐の方向を有することができ、また層の界面部分に明瞭な立体的パターンを有することができ、比較的肉厚の平板状の積層構造体は従来提供されてはいなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の第1の目的は、審美性および意匠性に優れた、連続した色調の変化を有する、熱可塑性樹脂より形成された複数の層より構成されたシート状積層構造体を提供することにある。
本発明の第2の目的は、連続した色調の変化がシート面に沿って一方向のみならず、多岐の方向であることができ、また数種の色を組合せることが可能なシート状積層構造体を提供することにある。
本発明の第3の目的は、連続した色調の変化を有するシート面状において、明瞭な文字や図形の如き立体的パターンを有するシート状積層構造体を提供することにある。
本発明の他の目的は、充分な形態保持性を有する厚みを有し、透明もしくは半透明な、連続した色調の変化を有するシート状積層構造体を提供することにある。
【0005】
本発明のさらに他の目的は、装飾ガラス窓、インテリア部材、ショーケース用ガラス窓、パーティション、扉、車両用窓ガラス、車両外板、ランプカバー、オーナメント、車両用インストルメンタルパネルやセンターパネル、車両用内外装のモールおよびガーニッシュ、表示装置、表示板、導光板、標識板、防風板、屋根材、家具、コンピューターおよび携帯端末などの各種OA機器におけるハウジングの部分、携帯電話および携帯音響機器などの各種電気機器におけるハウジングの部材、パチンコやスロットマシーン等の電飾用パネル、並びに雑貨類などの材料として有利に利用することができる実用的強度を有するシート状積層構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの研究によれば、前記本発明の目的は、
(1)熱可塑性樹脂より形成された層 ( A ) および層(B)の2種の層より構成されたシート状積層構造体であり、
(2)層 ( A ) が蛍光染料を含有する透明な樹脂により形成され且つシート面の少なくとも一方向に対して単調な厚みの変化を有し、層(B)が実質的に無色の透明な樹脂または層 ( A ) とは異なる色彩を有する染料または顔料を含有する透明な樹脂により形成され、
(3)該積層構造体は、層(B)の外側の面から目視観察したときシート面に沿って連続した色調の変化が認められ、
(4)層 ( A ) および(B)が接触する界面において立体的パターンによる文字もしくは図形が施され、そして
(5)層 ( A ) および(B)が射出成形により形成されていることを特徴とする高意匠性シート状積層構造体によって達成されることが見出された。
また、本発明の目的は、(1)熱可塑性樹脂より形成された層 ( A ) および層(B)の2種の層より構成されたシート状積層構造体であり、
(2)層 ( B ) が、染料または顔料を含有する透明な樹脂により形成され且つシート面の少なくとも一方向に対して単調な厚みの変化を有し、層(A)が光拡散剤を含有する透明な樹脂により形成され、
(3)該積層構造体は、層(B)の外側の面から目視観察したときシート面に沿って連続した色調の変化が認められ、
(4)層 ( A ) および(B)が接触する界面において立体的パターンによる文字もしくは図形が施され、そして
(5)層 ( A ) および(B)が射出成形により形成されていることを特徴とする高意匠性シート状積層構造体によって達成されることが見出された。
以下本発明の積層構造体についてさらに詳細に説明する。
【0007】
本発明の積層構造体は、それを構成する層の数、各々の層の形状、各々の層の着色の有無あるいは着色の色彩などにより多くの組合せが存在し、その上積層構造体の目視の方向および光源の方向によって審美性や意匠性が変化する。これらのことが本発明の積層構造体の特徴と利点を発現している源であるが、本発明の積層構造体の理解のために図面を用いて以下説明する。
【0008】
図1は、本発明のシート状積層構造体のシート面における直角断面の形状を示す模式図である。図1の構造体は、説明のために基本的で且つシンプルな形状の構造体の一例を示すものである。図1における積層構造体1は、2つの層(2および3)より構成され、2つの層は各々透明な樹脂により形成されている例である。また図1は、2つの層の厚みの変化が直線的である積層構造体である。また図1の場合、文字または図形(4)が施された積層構造体を有している。かかる図1の積層構造体の場合、下記の態様1〜5が含まれる。
【0009】
態様1
層2(層(A))は染料または顔料(以下これらを“着色剤”と略称することがある)を含有する樹脂で形成され、着色剤は樹脂中にある一定濃度でほぼ均一に含有されている。一方層3(層(B))は、着色剤を含まない樹脂で形成されている。
この態様1の積層構造体の場合、矢印の方向から観察すると、層2の厚みに依存して色調の変化が認められる。すなわち層2の最も厚い端部(図1の右側)から最も薄い端部(図1の左側)にかけて、連続的(直線的)に色調が次第に濃から淡へ変化する。
文字または図形(以下これらを“図柄”と略称することがある)を示す4は、局所的に層2の厚みが増加しているので、図柄は相対的に濃い色調で認識される。
【0010】
態様2
態様1に対して、層2および層3を形成する樹脂が逆に構成される。すなわち層2は着色剤を含有しない樹脂で形成され、層3は着色剤を含有する樹脂で形成されている。
この態様2の積層構造体の場合、色調の変化が態様1とほぼ同じであるが、濃淡の方向が逆になる。しかし、図柄は局所的に着色剤を含有しない層2の厚みが増加しているので、相対的に淡い色調(白抜きの状態)で認識されることになる。
【0011】
態様3
層2および層3を形成する樹脂中には、それぞれ着色剤が含有されているが、層2と層3とは異なる色彩の着色剤が含有されている。例えば層2と層3に含有される着色剤の色彩の種類と組合せによって色調のみならず色彩の変化が左右に連続的に認められる。その一例を下記表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
上記表1における各層の着色剤の色は、赤色、黄色および青色の3色の組合せであるが、この例に何ら制限されない。また層2と層3とは組合せが逆であってもよい。
この態様3における好ましい態様の1つは、1つの層が蛍光染料を含有する透明な樹脂により形成され且つシート面の少なくとも一方向に対して単調な厚みの変化を有し、他の層が前記層とは異なる色彩を有する染料または顔料を含有する透明な樹脂により形成されているシート状積層構造体である。
【0014】
態様4
層2は、光拡散性粒子(光拡散剤)を含有する樹脂で形成され、層3は着色剤を含有する樹脂で形成されている。この態様4の積層構造体は全体として半透明である。その透明性は、層2の薄い部分から厚い部分(左側から右側)へ連続的に低下する。この態様4の積層構造体は、光拡散性粒子の作用により全体が幻想的な(スケルトン調)イメージを感じさせるものとなる。着色剤の種類によってもそのイメージ感は幅広く変化する。
【0015】
態様5
層2は、光高反射性粒子(光高反射剤)を含有する樹脂で形成され、層3は着色剤を含有する樹脂で形成されている。この態様5の積層構造体は層2が光高反射剤を含有する樹脂で形成されているため、全体として不透明であり、層3の着色剤の色彩が乳白色を呈して連続的に変化するものとなる。
また前記態様4および態様5において、層2および層3の界面に図柄を施した場合、図柄が強調され、立体的なイメージを呈するものとなる。殊に態様5においては立体的な図柄が発現する。さらに後述するが前記態様1(蛍光着色剤の場合)および態様4および態様5において、光源の位置および着色剤の種類(特に蛍光着色剤)や光拡散性粒子や光高反射性粒子などの作用によっても図柄の立体的イメージが一層顕著なものとなったり、幻想的なイメージを感じさせるものとなる。この場合、光源の位置は目視の方向に対してバックライトであるよりも、積層構造体の側面(図1における左側または右側)にあるエッジライトの方が顕著な立体的イメージや幻想的イメージを達成する。つまり厚みの変化する方向に対して平行に光を入射する場合が本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
【0016】
本発明の積層構造体は、複数の層から構成され、少なくとも1つの層が染料、顔料または光拡散剤を含有していること且つ構造体のシート面に沿って少なくとも一方向に対して単調な厚みの変化を有していることによって、連続した色調の変化が発現され、形成されている。以下の説明で“着色層”という言葉はこの染料、顔料または光拡散剤を1種以上含有している層を意味する。
【0017】
この着色層は、単調な厚みの変化を有していることが必要であり、単調な厚みの変化とは、積層構造体を目視観察した場合、シート面に沿って連続した色調の変化が認知されるものをいう。従って厚みの変化は階段的でなく、なだらかなあるいは直線的な厚みの変化であることが望ましい。ただし文字や図形のような図柄の部分は局所的に、細かい凹凸が形成されることになるが、この図柄を形成させるための表面凹凸は、単調な厚みの変化の範疇から除外される。
【0018】
次に本発明の積層構造体における着色層の単調な厚みの変化の形態について説明する。説明を簡単にするために、積層構造体がある一定の厚みを有する矩形(すべての角が直角である四辺形)である場合を例にとって説明する。矩形における4つの角を順次A,B,CおよびDとする。かくして辺A−Bと辺C−Dは互いに平行であり、また辺B−Cと辺D−Aも互いに平行である。着色層の厚みの変化の例を下記に列挙する。
【0019】
(i)図1に示したように、1つの辺から相対する他の辺に向かって(例えば辺A−Bから辺C−Dに向かって)、単調な厚みの変化を有する。
(ii)角Aから角Cに向かって対角線方向に単調な厚みの変化を有する。
(iii)矩形の中心部(2つの対角線の交叉する部分)から辺A−B、辺B−C、辺C−Dおよび辺D−Aに単調な厚みの変化を有する(四角錐状または逆四角錐状)。
(iv)矩形の中心線(例えば辺A−Bと辺C−Dに平行する中心線部)から相対する辺(例えば辺A−Bおよび辺C−D)に向かって単調な厚みの変化を有する(V字形または逆V字形)。
(v)矩形のある一つの対角線を中心線とし、その中心線から相対する2つの角に向かって(例えば角Aと角Cを結ぶ中心線から角Bおよび角Dに向かって)、単調な厚みの変化を有する。
【0020】
前記した(i)〜(v)の例は、説明のためであって、これらの改変された形態であってもよい。例えば中心部または中心線は正確であることは必ずしも必要がなく、ずれていても何ら差支えがない。さらに前記(i)〜(v)の適当な組合せであってもよく、部分的に厚みの変化が存在しない部分が含まれていてもよい。本発明の積層構造体はシート状であればよく、前記説明の矩形状に限定されるわけでもない。
【0021】
本発明の積層構造体は、平板状の形態であり、均一な厚さであることは必ずしも必要ではないが、ほぼ同じ厚さであることが実用的であり好ましい。厚さは2〜20mm、好ましくは3〜15mmの範囲が適当である。また積層構造体は、平板状の形態であって、表面の直角断面において、両表面がほぼ平行した直線を形成する板状体であるか、湾曲した平板あるいは曲率半径が5cm以上、好ましくは15cm以上、特に好ましくは30cm以上の曲面を有する平板であることができる。さらに厚み変化が多少存在する平板であってもよい。さらに表面は平滑な場合の他、いずれかの表面に微小な凹凸が設けられ、光を拡散する効果を付与したものであってもよい。積層構造体の層の数は2〜5、好ましくは2または3であるが、2であるのが特に好ましい。
【0022】
積層構造体は2層で構成される場合、各層の厚みの変化の比率としては、積層構造体全体の厚みを1としたとき、各層の厚みの比が0.02〜0.98、好ましくは0.1〜0.9の範囲が有利である。本発明の積層構造体は、透明の樹脂で各層を形成し、全体が透明または半透明であることが、連続的な色調の変化による美観および意匠を一層発現させるために効果的である。その上文字や図形による図柄が施され、その図柄が連続した色調の変化した面の中から、幻想的または立体的に観察される。この図柄は見る方向や光源の位置などによって、立体感や鮮明性を変化させたものとすることが可能となる。殊に1つの層中に蛍光着色剤、光拡散剤または光高反射剤が配合されている場合、光源が積層構造体の側面(シート面の端部直角面)に位置するときには、その立体感は一層顕著なものとなる。
【0023】
特に態様1〜4において、蛍光着色剤や光拡散剤(特に蛍光染料)が配合されている場合、本発明のシート状積層構造体は、光源位置を目視方向に対してバックライトにすることで、図柄が平面的になり、一方光源位置を積層構造体の側面にすることにより図柄が立体的または幻想的になる。このことを利用して例えば2つの光源(バックライトおよびエッジライト)を切り替えることで、図柄を平面的乃至立体的、または平面的乃至幻想的に交互に表示することができる。
【0024】
本発明の積層構造体は、構成する各層が透明な樹脂で形成されていることが好ましく、積層構造体全体が透明性を有していることで意匠性に優れるものとなる。積層構造体全体が透明性を有する場合、全光線透過率は、10〜90%、好ましくは20〜70%の範囲であるのが望ましく、またヘーズは0.1〜15%、好ましくは0.15〜10%の範囲であるのが有利である。
次に本発明の積層構造体は形成する熱可塑性樹脂について説明する。前述したように本発明の積層構造体は着色層が少なくとも透明の樹脂で形成されている限り、他の層を形成する樹脂の種類は任意に選択される。しかし全ての層は比較的透明な樹脂で形成されていることが望ましい。また積層される複数の層は同じ樹脂であってもよく異なる樹脂であってもよい。しかし、同じ樹脂により形成されていることが加工、物性および用途の面で好ましい。
【0025】
ここで透明の樹脂としては、JIS K7105に準拠して測定された表面の平滑な厚み2mmの板状成形品における全光線透過率が10%以上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上の樹脂を挙げることができる。
染料または顔料を含有する透明な樹脂においては、かかる染料または顔料の組成割合としては、熱可塑性樹脂100重量部あたり、好ましくは0.001〜2重量部、より好ましくは0.005〜1重量部、さらに好ましくは0.005〜0.5重量部である。
【0026】
高い意匠性を発現する蛍光着色剤を含有する透明な樹脂の場合も同様に、その組成割合としては、熱可塑性樹脂100重量部あたり、好ましくは0.001〜2重量部、より好ましくは0.005〜1重量部、さらに好ましくは0.005〜0.5重量部である。
また光拡散剤を含有する透明な樹脂としては、JIS K7105に準拠して測定された表面の平滑な厚み2mmの板状成形品における全光線透過率が10〜93%およびヘーズが20〜90%であるものが好ましい。より好ましい全光線透過率は30〜90%、特に50〜90%であり、より好ましいヘーズは30〜90%である。
【0027】
さらに光高反射剤を含有する樹脂としては、波長450〜800nmにおける表面の平滑な厚み2mmの板状成形品における全光線反射率が80%以上が好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上であるものが挙げられる。
【0028】
本発明の積層構造体において使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、水添ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂などに代表される汎用プラスチックス、ポリフェニルエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1(TPX樹脂)、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリアリレート)などに代表されるエンジニアリングプラスチックス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどに代表される各種熱可塑性ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイドなどのいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスと呼ばれるものも用いることができる。さらにスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーも用いることができる。
上記の熱可塑性樹脂を混合して用いることは、組成物の使用目的に応じて適宜選択することができる。
【0029】
本発明では少なくとも一つの層が透明性を有する必要があり、したがって何れか一つの層を形成する樹脂が透明の熱可塑性樹脂であるものが好ましい。透明の熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、水添ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリアルキレンテレフタレート樹脂、非晶性ポリアミド樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、環状ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン、さらにスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
【0030】
これらの中でも透明性に優れるポリメチルメタクリレートなどのポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂などを好ましく挙げることができる。
本発明のアルキルメタクリレート樹脂としては、メチルメタクリレートを主な構成単位として含むものが挙げられる。通常アルキルアクリレートとの共重合体が使用されるが、他の共重合体成分としては耐熱性を向上させるためアクリルイミド構成単位やメチルシクロヘキシルメタクリレート構成単位などが共重合されたものであってもよい。さらにα−メチルスチレンが共重合されたものを使用することもできる。
【0031】
本発明の環状ポリオレフィン樹脂としては、三井化学(株)製のAPO樹脂、JSR(株)製のアートン、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、および水添−α−オレフィン−ジシクロペンタジエン共重合体などを挙げることができる。
特に少なくとも1層がポリカーボネート樹脂であることが、積層構造体の機械的強度、耐熱性などの点から好ましく挙げられる。最も好ましいのは全ての層がポリカーボネート樹脂で構成された積層構造体である。
【0032】
ポリカーボネート樹脂について以下具体的に説明する。ポリカーボネート樹脂とは、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重合法、溶融重合法で反応させて得られたものの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させたもの、または環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させて得られるものである。
【0033】
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステルなどがあげられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0034】
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましく使用される。最も好ましいのはビスフェノールAの単独重合体である。
【0035】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法または溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化を防止するための酸化防止剤などを使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0036】
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノールなどのトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライドなどが挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
【0037】
かかる分岐ポリカーボネート樹脂を生ずる多官能性化合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%であるものが好ましい。尚、かかる割合については1H−NMR測定により算出することが可能である。
【0038】
界面重合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物またはピリジンなどのアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイドなどの第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物などの触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
【0039】
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノールまたは低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式(1)で表される単官能フェノール類を示すことができる。
【0040】
【化1】
【0041】
(式中、Aは水素原子または炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。)
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。
【0042】
また、他の単官能フェノール類としては、長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換基として有するフェノール類または安息香酸クロライド類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類も示すことができる。これらのなかでは、下記一般式(2)および(3)で表される長鎖のアルキル基を置換基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0043】
【化2】
【0044】
【化3】
【0045】
(式中、Xは−R−O−、−R−CO−O−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合または炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。)
かかる一般式(2)の置換フェノール類としてはnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノールなどを挙げることができる。
【0046】
また、一般式(3)の置換フェノール類としてはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26のものが好適であって、その具体例としては例えばヒドロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリアコンチルが挙げられる。
【0047】
末端停止剤は、得られたポリカーボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ましくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ましい。より好ましくは全末端に対して末端停止剤が80モル%以上導入されること、すなわち二価フェノールに由来する末端の水酸基(OH基)が20モル%以下であることがより好ましく、特に好ましくは全末端に対して末端停止剤が90モル%以上導入されること、すなわちOH基が10モル%以下の場合である。また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0048】
溶融重合法による反応は、通常二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点などにより異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には系を1.33×103〜13.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0049】
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
【0050】
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×10-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量の範囲で選ばれる。
【0051】
また、かかる重合反応において、フェノール性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるいは終了後に、例えばビス(クロロフェニル)カーボネート、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニトロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニルフェニルカーボネート、フェニルフェニルカーボネート、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートなどの化合物を加えることが好ましい。なかでも2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく、特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく使用される。
【0052】
さらに溶融重合法においては、失活剤を用いて重合後残存する触媒の活性を中和しておくことが望ましい。かかる失活剤としては、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニルなどのスルホン酸エステル;さらに、トリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル−スルホン化スチレン共重合体、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−ブチル、オクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェートなどの化合物を挙げることができるが、これらに限定されず、またこれらの化合物は2種以上併用することもできる。
【0053】
中でもホスホニウム塩もしくはアンモニウム塩型のものが好ましい。かかる触媒の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましく、また重合後のポリカーボネート樹脂に対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用する。
【0054】
ポリカーボネート樹脂の分子量は特定されないが、分子量が10,000未満であると高温特性などが低下し、40,000を超えると成形加工性が低下するようになるので、粘度平均分子量で表して10,000〜40,000のものが好ましく、14,000〜30,000のものが特に好ましい。また、ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。この場合粘度平均分子量が上記範囲外であるポリカーボネート樹脂とを混合することも当然に可能である。
【0055】
特に粘度平均分子量が40,000を超えるポリカーボネート樹脂との混合物は、ブロー成形などに重要なドローダウン性能、難燃性を向上させるドリップ防止性能、および射出成形時のジェティングなどを防止する溶融特性改質性能に優れた効果を発揮するため、かかる目的に応じて適宜混合することができる。より好ましくは粘度平均分子量が80,000以上のポリカーボネート樹脂との混合物であり、さらに好ましくは100,000以上の粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂との混合物である。すなわちGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)などの方法により2ピーク以上の分子量分布を有するものが好ましく使用できる。
【0056】
本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηSP)を次式に挿入して求める。
【0057】
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4M0.83
c=0.7
本発明の熱可塑性樹脂には離型剤を配合することができ、こうすることは離型時の歪みを抑制できる点で好ましい結果を与える。離型剤としては飽和脂肪酸エステルが一般的であり、例えばステアリン酸モノグリセライドなどのモノグリセライド類、ステアリン酸トリグリセライドなどのトリグリセライド類、デカグリセリンデカステアレートおよびデカグリセリンテトラステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、ステアリン酸ステアレートなどの低級脂肪酸エステル類、セバシン酸ベヘネートなどの高級脂肪酸エステル類、ペンタエリスリトールテトラステアレートなどのエリスリトールエステル類が使用される。離型剤は熱可塑性樹脂100重量部当り0.01〜1重量部用いられる。
【0058】
また、本発明の熱可塑性樹脂には必要に応じてリン系熱安定剤を加えることができる。リン系熱安定剤としては、ホスファイト化合物およびホスフェート化合物が好ましく使用される。ホスファイト化合物としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのホスファイト化合物が挙げられる。これらのうち、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
【0059】
一方、熱安定剤として使用されるホスフェート化合物としては、例えばトリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどが挙げられ、なかでもトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートが好ましい。
【0060】
さらにその他のリン系熱安定剤としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−ビフェニレンホスホナイトなどのホスホナイト化合物も好ましく使用することができる。
前記リン系熱安定剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を組合せて使用してもよい。リン系熱安定剤は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.0001〜0.5重量部、好ましくは0.001〜0.05重量部の範囲で使用するのが適当である。
【0061】
熱可塑性樹脂には、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤を添加することができる。その例としてはフェノール系酸化防止剤を示すことができ、具体的には例えばトリエチレングリコール−ビス(3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどが挙げられる。これら酸化防止剤の好ましい添加量の範囲は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.0001〜5重量部、好ましくは0.001〜0.5重量部である。
【0062】
耐候性の向上および有害な紫外線をカットする目的で、熱可塑性樹脂にさらに紫外線吸収剤や光安定剤を配合することができる。かかる紫外線吸収剤としては、例えば2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンに代表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、および例えば2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールおよび2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールに代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が例示される。さらに例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−ヘキシルオキシフェノールなどのヒドロキシフェニルトリアジン系化合物も好ましく例示される。またビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン系の光安定剤も使用することが可能である。これらは単独で用いても、二種以上併用してもよい。これら紫外線吸収剤、光安定剤の好ましい添加量の範囲は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部である。
【0063】
また、本発明の透明性を有する熱可塑性樹脂には紫外線吸収剤などに基づく黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を配合することができる。特にポリカーボネート樹脂に対して有用である。具体的なブルーイング剤としては、例えば一般名Solvent Violet13[CA.No(カラーインデックスNo)60725;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレットB」、三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーG」、住友化学工業(株)製「スミプラストバイオレットB」]、一般名Solvent Violet31[CA.No68210;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンバイオレットD」]、一般名Solvent Violet33[CA.No60725;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーJ」]、一般名Solvent Blue94[CA.No61500;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーN」]、一般名Solvent Violet36[CA.No68210;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレット3R」]、一般名Solvent Blue97[商標名 バイエル社製「マクロレックスブルーRR」]および一般名Solvent Blue45[CA.No61110;商標名 サンド社製「テラゾールブルーRLS」]、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社のマクロレックスバイオレットやテラゾールブルーRLS等があげられ、特に、マクロレックスバイオレットやテラゾールブルーRLSが好ましい。
【0064】
熱可塑性樹脂には、さらに慣用の他の添加剤、例えば補強剤(タルク、マイカ、クレー、ワラストナイト、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ミルドファイバー、ガラスフレーク、炭素繊維、炭素フレーク、カーボンビーズ、カーボンミルドファイバー、金属フレーク、金属繊維、金属コートガラス繊維、金属コート炭素繊維、金属コートガラスフレーク、シリカ、セラミック粒子、セラミック繊維、アラミド粒子、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、グラファイト、導電性カーボンブラック、各種ウイスカーなど)、難燃剤(ハロゲン系、リン酸エステル系、金属塩系、赤リン、シリコン系、フッ素系、金属水和物系など)、耐熱剤、、蛍光増白剤、帯電防止剤、流動改質剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛など)、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤を配合することができる。
【0065】
これらの中でも、特に樹脂との屈折率差を低下させることにより透明性を維持できるガラス系充填剤が好適であり、かかるガラス系充填剤は広く知られたものである。かかるガラス系充填剤はその樹脂との屈折率差が0.015以下、好ましくは0.010以下であるものが好ましい。かかる充填剤により高度な透明性と共に、高剛性および高強度を有するシート状積層構造体を得ることが可能となる。
【0066】
さらに本発明における熱可塑性樹脂は、製品または部品として形成済みの樹脂、いわゆるリサイクル材を使用することも可能である。かかるリサイクル材には着色のための塗装、耐摩耗性、帯電防止性、熱線吸収などの各種機能性コーティング、蒸着、スパッタリング、メッキなどによる金属膜などの積層膜が形成されている場合も多いが、これらは積層膜をつけたままでの使用も、積層膜の一部または全部を除去しての使用もいずれも可能である。
【0067】
例えばポリカーボネート樹脂を基板とする光情報記録媒体(CD、DVD、MDなど)をリサイクル材として使用する場合、これらは粉砕処理などをしてそのまま使用すること、およびかかる粉砕処理したものと、他の熱可塑性樹脂材料および/または他の熱可塑性樹脂材料のリサイクル材と混合することにより使用することができる。
【0068】
一方該光情報記録媒体から情報記録層、反射層や保護コート層を樹脂基板から選択的に除去し、樹脂自体を回収して使用することも可能であり、かかる除去方法として従来提案された方法を使用することができる。
【0069】
次に本発明の積層構造体を構成する少なくとも1つの層に配合される着色剤について説明する。着色剤は染料、顔料、光拡散剤あるいは光高反射剤を含む。これらはそれ自体樹脂の着色剤として知られたものが使用され、樹脂の種類、樹脂への分散性、加工温度などから選択され、所望の色彩を決定することができる。着色剤は二種あるいはそれ以上組合せて使用することもできる。
【0070】
着色を施すための剤としては、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、アンスラキノン系染料、チオキサントン系染料、紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、フタロシアニン系染料等の有機系色剤やカーボンブラックが挙げられ、これらの中でも透明性の有機系色剤が好ましい。さらに好ましくは、アンスラキノン系染料、ペリノン系染料、キノリン系染料、ペリレン系染料、クマリン系染料およびチオインジゴ系染料をあげることができる。
【0071】
染料の具体例としては、CI Solvent Red 52、CI Solvent Red 149、CI Solvent Red 150、CI Solvent Red 191、CI Solvent Red 151、CISolvent Red 135、CI Solvent Red 168、CI Disperse Red 22、CI Solvent Blue 94、CI Solvent Blue 97、CI Solvent Violet 13、CI Solvent Violet 14、CI Disperse Violet 28、CI Solvent Green 3、CI Solvent Green 28として知られるアンスラキノン系染料、キノリン系染料としては、CI Solvent Yellow 33、CI Solvent Yellow 157、CI Disperse Yellow 54、CI Disperse Yellow 160などを挙げることができる。ペリノン系染料としては、CI Solvent Red 135、CI Solvent Red 179、CI Solvent Orange 60などを挙げることができる。これらは1種または2種以上を併用でき、目的に応じた着色を行うことが可能である
蛍光着色剤を使用することもできその例としては、蛍光染料、並びにフタロシオニン錯体やナフタロシアニン錯体などの蛍光有機顔料を使用することができる。
【0072】
蛍光染料としては各種のものが使用できる。例えば、ペリレン系蛍光染料、クマリン系蛍光染料、ベンゾピラン系蛍光染料、アンスラキノン系蛍光染料、チオインジゴ系蛍光染料、キサンテン系蛍光染料、キサントン系蛍光染料、チオキサンテン系蛍光染料、チオキサントン系蛍光染料、チアジン系蛍光染料、およびジアミノスチルベン系蛍光染料などを挙げることができる。
【0073】
かかる中でも蛍光持続性(耐候性)の観点からペリレン系蛍光染料、クマリン系蛍光染料、およびベンゾピラン系蛍光染料を蛍光染料全量100重量%中、5重量%以上含有することが好ましい。
【0074】
ここでクマリン系染料としては、各種のものが使用可能であるが、その具体例としては例えば、バイエル社製MACROLEX Fluorescent Yellow 10GN(CI Solvent Yelllow 160:1)、およびMACROLEX Fluorescent Red Gなどを挙げることができる。
【0075】
ベンゾピラン系蛍光染料としては、各種のものが使用可能であるが、その具体例としては例えば、BASF社製FluorolシリーズとしてRed BKおよびRed GKなどを挙げることができる。
ペリレン系蛍光染料としては、各種のものが使用可能であるが、その具体例としては例えば、CI Vat Red 15、CI Vat Orange 7、CI Solvent Green 5およびBASF社製LUMOGENシリーズとして F Orange240、F Red300、F Yellow083、F Red339、F Violet570などを挙げることができる。
【0076】
上記の中でも、特にペリレン系蛍光染料を蛍光染料全量100重量%中5重量以上含有するものが好ましく使用できる。
ペリレン系蛍光染料、クマリン系蛍光染料、およびベンゾピラン系蛍光染料以外の蛍光染料としては具体的には、例えば次のものを挙げることができる。
【0077】
アンスラキノン系染料としては、CI Vat Orange 9、CI Vat Orange 2、CI Vat Orange 4として知られるピランスロン類アンスラキノン系染料、CI Vat Blue 20、CI Vat Blue 19、CI Vat Blue 22、CI Vat Green 4、およびCI Vat Green 12として知られているジベンザンスロン類アンスラキノン系染料、CI Vat Violet 1、CI Vat Violet 9、CI Vat Violet 10、およびCI Vat Green 1として知られているイソジベンザンスロン類アンスラキノン系染料、CI Vat Orange 1、CI Vat Yellow 4として知られるジベンズピレンキノン類アンスラキノン系染料などを挙げることができる。またアンスラキノン系染料としては、CI Vat Blue 6、CI Vat Violet 13なども挙げることができる。
【0078】
チオインジゴ系染料としてはCI Vat Red 1、CI Vat Red 2、CI Vat Red 41、CI Vat Red 47、CI Vat Violet 2、CI Vat Violet 3などを挙げることができる。
蛍光有機顔料としては、CI PIGMENT GREEN 7、CI PIGMENT BLUE 15:3などのフタロシアニン系有機顔料、およびナフタロシアニン系有機顔料などを挙げることができる。
【0079】
本発明で用いることができる光拡散剤としては、周知の無機系微粒子、高分子微粒子のいずれも使用することができる。光拡散剤の形状は特に限定されるものではなく、粒状、球状、板状、中空状、針状、紡錘状などの各種の形状を取ることが可能である。かかる光拡散剤の平均粒子径としては、0.01〜50μmのものが好ましく使用できる。より好ましくは0.1〜10μmの平均粒子径であり、さらに好ましくは0.1〜8μmの平均粒子径のものである。また粒子径の分布については狭いものが好ましく、より好ましくは平均粒子径±2μmである粒子が全体の70重量%以上の範囲である分布を有するものが挙げられる。
【0080】
光拡散剤は、マトリックス樹脂との屈折率差の絶対値が0.02〜0.2であることが好ましい。光拡散剤を使用する場合には光拡散性と光線透過率を高いレベルで両立することが求められるからである。透明性の点からより好ましくは、光拡散剤の屈折率がマトリックス樹脂の屈折率よりも低い場合である。
【0081】
無機系微粒子としては例えば以下のものを挙げることができる。すなわち、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、マグネシア、マイカ、タルク、水酸化アルミニウム、酸化チタン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、粉砕ガラス、ガラスミルドファイバー、ガラスビーズ、極薄ガラスフレーク、ガラスバルーン、アルミナバルーン、およびケイ酸カルシウムなどである。またこれらの粒子は、粒子の表面を粒子内部の組成とは異なる化合物で被覆するものであってもよい。
【0082】
本発明の高分子微粒子としては、非架橋性モノマーと架橋性モノマーを重合して得られる有機架橋粒子を挙げることができる。非架橋性モノマーとしてはアクリル系モノマー、スチレン系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、オレフィン系モノマーなどを挙げることができる。これらは単独でも2種以上を混合して使用することもできる。さらにかかるモノマー以外の他の共重合可能なモノマーを使用することもできる。他の有機架橋粒子としては、シリコーン系架橋粒子を挙げることができる。
【0083】
一方、ポリエーテルサルホン粒子等の耐熱ポリマーの粒子も本発明の高分子微粒子として挙げることができる。すなわち、マトリックス樹脂の加熱溶融状態であっても微粒子の形態が損なわれることがないものは架橋性モノマーを必要としない。
さらに高分子微粒子としては、各種のエポキシ樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、およびフェノール樹脂粒子などの熱硬化性樹脂類も使用可能である。
光拡散剤としてはより好ましくは有機架橋粒子を挙げることができる。かかる粒子は、粒子径や粒子形状の制御性が高くより高度な光拡散性の制御が可能である。さらに特にマトリックス樹脂がポリカーボネート樹脂などの場合には、高温での成形加工時における熱変色などが生じにくい利点を有する。
【0084】
かかる有機架橋粒子において使用されるアクリル系モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート等を単独でまたは混合して使用することが可能である。この中でも特にメチルメタクリレートが特に好ましい。
【0085】
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン(ビニルトルエン)、エチルスチレン等のアルキルスチレン、ブロモ化スチレン等のハロゲン化スチレンを使用することができ、この中でも特にスチレンが好ましい。アクリロニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルを使用することができる。またオレフィン系モノマーとしてはエチレン、各種ノルボルネン型化合物等を使用することができる。さらに他の共重合可能な他のモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、N−メチルマレイミド、無水マレイン酸等を例示でき、また結果としてN−メチルグルタルイミド等の単位を有することもできる。
【0086】
一方かかるビニル系非架橋性モノマーに対する架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0087】
アクリル系モノマー等からなる有機架橋粒子の製造方法としては、一般的な乳化重合法の他、過硫酸カリウム等の開始剤を使用するソープフリー重合法、シード重合法、二段階膨潤重合法等を挙げることができる。また懸濁重合法においても、水相とモノマー相とを個別に保持して両者を正確に連続式の分散機に供給し、粒子径を分散機の回転数で制御する方法や、同様に連続式の製造方法において分散能を有する水性液体中にモノマー相を数〜数十μmの細径オリフィスまたは多孔質フィルターを通すことにより供給し粒径を制御する方法なども可能である。
【0088】
シリコーン系架橋粒子は、シロキサン結合を主骨格としてケイ素原子に有機置換基を有するものであり、ポリメチルシルセスキオキサンに代表される架橋度の高いものと、メチルシリコーンゴム粒子に代表される架橋度の低いものがあるが、本発明ではポリメチルシルセスキオキサンに代表される架橋度の高いものが好ましい。かかるシリコーン系架橋粒子のケイ素原子に置換する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルカン基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等の他、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、エーテル基等を使用することができる。
【0089】
かかるシリコーン系架橋粒子の製造法としては、3官能性のアルコキシシラン等を水中で加水分解と縮合反応によってシロキサン結合を成長させながら3次元架橋した粒子を形成させる方法が一般的であり、かかる粒子径は例えば触媒のアルカリ量や攪拌工程等により制御可能である。
一方、有機架橋粒子以外の高分子微粒子の製造方法としては、スプレードライ法、液中硬化法(凝固法)、相分離法(コアセルベーション法)、溶媒蒸発法、再沈殿法等の他、これらを行う際にノズル振動法等を組み合わせたものを挙げることができる。
【0090】
さらに高分子微粒子の形態としては、単相重合体の他、コア−シェル重合体の形態、また2種以上の成分が相互に絡み合った構造を有するIPN構造をとることも可能である。また無機微粒子のコアとし有機架橋粒子の成分をシェルとする、または有機架橋粒子をコアとしエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等をシェルとする等の複合型粒子も使用することができる。
【0091】
上記の光拡散剤は各種の表面処理剤で被覆されているものであってもよい。特に無機微粒子においては表面処理剤で被覆されているものが、熱劣化などによる材料の変色などを抑制できるため好ましい。かかる表面処理剤としては、脂肪酸、樹脂酸、マレイン酸、ソルビン酸などの有機酸化合物、これらの有機酸と一価または多価アルコールとのエステル化合物、スルホン酸系の界面活性剤、有機チタネート系カップリング剤、有機アルミネート系カップリング剤、ホスフェート系カップリング剤、有機シラン系カップリング剤、Si−H基を含有するシラン化合物およびポリブタジエンやポリイソプレンなどのジエン系ポリマーなどを挙げることができる。
【0092】
光高反射剤としては、二酸化チタン粒子が好ましく使用される。二酸化チタン粒子は、製造方法、結晶構造および粒子径によって限定されるものではないが、塩素法により製造された酸化チタンであり、ルチル形の結晶構造をとるものがより好ましい。一般的に顔料用酸化チタン粒子の粒子径は、0.1〜0.4μmであるが、粒子径0.1μm未満のものでも構わない。これらの二酸化チタン粒子は一般的には、無機系表面処理剤(アルミナおよび/またはシリカなど)で表面処理されている。これらの二酸化チタン粒子はさらに有機系表面処理剤で処理されているものが好ましい。有機表面処理剤としては、アルキルポリシロキサン、アルキルアリールポリシロキサン、アルキルハイドロジェンポリシロキサンなどのシロキサン類やアルキルアルコキシシラン、アミノ系シランカップリング剤等のオルガノシリコンが挙げられる。好ましい処理剤としては、メチルハイドロジェンポリシロキサンやメチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等での表面処理が挙げられる。なお、表面処理剤中には、本発明の目的を阻害しない程度の量で安定剤や分散剤等が含まれていてもよい。また、表面処理の方法としては、二酸化チタン粒子と表面処理剤を水または有機溶剤中に分散させ湿式処理する方法あるいは、スーパーミキサー,ヘンシルミキサー等により乾式処理する方法あるいは、表面処理剤,二酸化チタン粒子、熱可塑性樹脂を同時にV型ブレンダーで混合する方法や、同時に押出機中に投入し押出する方法も有効である。
【0093】
本発明の積層構造体の成形方法は射出成形法である。かかる成形法では積層構造体全体を効率よく製造することが可能なためである。
【0094】
本発明の積層構造体の製造手順としては、1つの層を成形した後、該成形品を次工程の金型内にインサートした状態で次の層を成形し、2つの層を積層する方法を挙げることができる。金型内に2つの層をインサートした状態で成形を行えば3層構造を有する積層構造体を得ることができる。
射出成形法の場合、複数の層を1つの成形機で連続して行う多色成形法、および各層が独立した成形機で成形されるインサート成形法が本発明の積層構造体を製造する方法として使用される。特に全ての層が射出成形法により得られた積層構造体が本発明においては好適である。
【0095】
さらにかかる成形法においては、他の要因を加えた各種の成形法を使用することができる。例えば超高速射出成形、射出圧縮成形、断熱金型成形、局所高温金型成形、インモールド成形、サンドイッチ成形、ガスアシスト成形など適宜組合わせることも可能である。すなわちこれらの複数を組合わせたものであってもよい。
【0096】
超高速射出成形は、界面に図柄が施された積層構造体に好適な方法である。かかる場合樹脂の流動は極めて複雑になりやすく、樹脂の回り込み方などにより最終的に図柄部分に未充填部分を生じ易い。超高速射出成形の場合には、樹脂の溶融粘度を低下させ流動の均一化を達成し、樹脂の回り込みを単純化させることを可能とする。超高速射出成形の射出速度としては300mm/sec以上、好ましくは350mm/sec以上が挙げられる。
【0097】
また射出圧縮成形との組み合わせでは、界面部分に精密な図柄がある場合に好適である。また歪やウエルドの少ない成形品を達成可能である。さらに界面の密着性を向上させ積層構造体の強度や製品寿命などにも貢献する。
同様な理由から断熱金型成形および局所高温金型成形(ハロゲンランプ照射、電磁誘導加熱、熱媒体の高速切り替え、および超音波金型など)も組合わせることが好適である。
【0098】
すなわち、本発明の界面に図柄がある積層構造体の製造では、超高速射出成形、射出圧縮成形、断熱金型成形、および局所高温金型成形を適宜組合わせて使用することが好ましい。さらに超高速射出成形と、射出圧縮成形または断熱金型成形や局所高温金型成形とを組合わせて使用することが好ましい。
【0099】
サンドイッチ成形を組み合わせた場合、1つの層または他の層のいずれかを2層構造とすることが可能となる。ガスアシスト成形を組み合わせた場合、1つの層、または他の層、あるいは1つの層および他の層をともに中空構造体とすることで、各層を軽量化することができるとともに、異なる意匠性や光学的機能を付与することも可能である。例えば、中空部にフォトクロミック性を有する化合物を充填し、光反応性を有する製品を作成することなどが挙げられる。
【0100】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。下記に示す方法で製造された成形品(構造積層体)に対し、以下の光源および配置により光をあて、積層構造体が発する意匠性の評価を行った。
(光源および配置)
(i)バックライト方式:図2に示すように、積層構造体の背面側に蛍光灯を設置し、表面側から積層構造体の意匠性を評価した。
(ii)エッジライト方式:図3および図4に示すように、積層構造体端面(厚肉部端面または薄肉部端面)に直径2.6mm、長さ220mmの冷陰極管を設置し、表面側から積層構造体の意匠性を評価した。
(ii)−1.厚肉部端面:積層構造体のB層厚肉部側端面に冷陰極管を設置した場合
(ii)−2.薄肉部端面:積層構造体のB層薄肉部側端面に冷陰極管を設置した場合
【0101】
(1)意匠性▲1▼
積層構造体の表面側から積層構造体全体の意匠性を目視評価した。評価は積層構造体層(B)の厚肉部側から薄肉部側への色相およびその濃淡(グラデーション)について行った。
(2)意匠性▲2▼
積層構造体の表面側から積層構造体の内部に表現された文字の意匠性を目視評価した。評価は以下の基準に基づいて行った。
(2)−1.形状:
(i)平面的・・・積層構造体の内部に表現された文字が平面的に見える。
(ii)立体的・・・積層構造体の内部に表現された文字が立体的見える(すなわち文字に陰影が認められ、積層構造体内部にあたかも文字が浮かんでいるように見える)。
(2)−2.装飾:
(i)強調・・・積層構造体の内部に表現された文字が強調されて見える。
(ii)色抜き・・積層構造体の内部に表現された文字が色抜きされて見える。(iii)幻想的・・・積層構造体の内部に表現された文字が拡散された光の中でその輪郭がにじんだ状態となり幻想的に見える。
【0102】
実施例において用いる熱可塑性樹脂組成物を以下のように作成した。
(I)<染料を含有する材料で層の一部が構成される場合>
[参考例1〜6]
表2記載の各成分を表2記載の組成割合(単位は重量部である)でドライブレンドした後、径30mmφのダルメージ2段のスクリューを装備したベント付き単軸押出機[ナカタニ機械(株)製:VSK−30]を用い、シリンダー温度およびダイス温度290℃、並びにベント吸引度3000Paの条件でストランドを押出し、水浴で冷却した後、ペレタイザーでストランドカットを行いペレット化した。このペレットを熱風乾燥機により乾燥した後、以下実施例に示される成形を行った。但しサンプル記号「PMMA」については、上記溶融混練を行わず、原料をそのまま乾燥および成形に供した。
【0103】
【表2】
【0104】
表2の原料名欄に記載の各成分を示す記号は下記の通りである。
(熱可塑性樹脂)
PC:ビスフェノールAとホスゲンから常法によって作られた粘度平均分子量18,500のポリカーボネート樹脂パウダー99.77重量部、SandstabP−EPQ(サンド(Sandoz)社製)0.03重量部、およびペンタエリスリトールテトラステアレート0.2重量部からなる混合物(これら安定剤離型剤、および場合により着色剤を均一に予備混合し溶融押出してペレットを得た)。なお、PCおよびPCからなる樹脂組成物については成形時の乾燥条件は120℃で5時間、シリンダー温度は300℃、金型温度は100℃とした。
PMMA:ポリメチルメタクリレート樹脂(旭化成工業(株)製 デルペット80N)。なお、PMMAおよびPMMAからなる樹脂組成物については成形時の乾燥条件は100℃で5時間、シリンダー温度は280℃、金型温度は80℃とした。
PO:環状ポリオレフィン樹脂(日本ゼオン(株)製 ゼオネックス E48R)。なお、POおよびPOからなる樹脂組成物については成形時の乾燥条件は120℃で5時間、シリンダー温度は300℃、金型温度は100℃とした。
【0105】
(着色剤)
R:ペリノン系赤色染料(有本化学工業(株)製 Plast Red 8315)
Y:キノリン系黄色染料(有本化学工業(株)製 Plast Yellow 8050)
G:アンスラキノン系緑色染料(有本化学工業(株)製 Oil Green 5602)
B:アンスラキノン系青色染料(バイエル社製 MACROLEX Blue RR)
成形品は下記に示す方法により作成した。
【0106】
実施例1
前述のポリカーボネート樹脂(PC(R))およびポリカーボネート樹脂(PC)を120℃で5時間、各々熱風乾燥機で乾燥した後、シリンダー内径50mmφの射出装置を2基備えた多色成形可能な射出成形機(日精樹脂工業(株)製FN−8000−36ATN)を使用して成形を行った。2基のうちの1基のシリンダーを使用して、図5に示す層(A)を形成する成形品をシリンダー温度300℃、金型温度100℃、射出速度150mm/secで成形した。尚、かかる層(A)を形成する成形品は、ゲート側の厚みが4.2mm、流動末端側の厚みが0.8mmであり、かかる両端を結ぶ直線よりなる面(層(A)面)に上に凸の面を描く形状となっている。一方その中央部には立体的パターンとして文字(TCL)が付され、文字部は上記層(A)面に対して+1mm凸の厚みを有する形状となっている。
【0107】
かかる成形を行った後、同成形機のコア側のプレートを入れ替えて層(B)の成形を行った。層(B)の成形は前記の層(A)を形成する成形体を金型内(固定側)にインサートして行った。層(B)の成形は2基のうち残りの1基のシリンダーを使用して、シリンダー温度300℃、金型温度100℃、射出速度300mm/secで層(B)を形成する樹脂を射出して行い、図6および図9に示す一体成形品(積層構造体)を得た。
層(B)の成形においては、金型を閉じた後真空ポンプ(日本真空技術(株)製ULVAC PMB006CMメカニカルブースターおよびEC803ロータリーポンプを組合わせたもの)を使用し、10秒間排気を行った後成形した。尚、排気は金型キャビティ周囲に設けられたガス抜き用のクリアランスを通して行った。
【0108】
また金型は同一の主金型を使用して、プレートの入れ替えのみを行う方式とした(図7および図8では、片方の流路は省略)。層(A)および層(B)の成形ともにホットランナー(モールドマスターズ社製外部加熱方式)方式で、温度はともに310℃とした。かかるホットランナーのゲート径は3.5mmφであった。
【0109】
実施例2〜4
表3に示す材料とし、成形する材料に対応して上記乾燥条件、シリンダー温度、金型温度とした以外は、実施例1と同様に成形を行い、一体成形品(積層構造体)を得た。
【0110】
【表3】
【0111】
表3から明らかなように、例えば、実施例1の場合、成形品層(B)厚肉部側から層(B)薄肉部側に向かって淡い赤色から濃い赤色にグラデーションを有する色彩とともに、成形品内部に表現された文字が成形品全体に対して平面的に強調された優れた意匠性が得られる。
(II)<蛍光染料を含有する材料で層の一部が構成されている場合>
【0112】
参考例1、2、および7〜10
表4記載の各成分を表4記載の組成割合でドライブレンドした後、径30mmφのダルメージ2段のスクリューを装備したベント付き単軸押出機[ナカタニ機械(株)製:VSK−30]を用い、シリンダー温度およびダイス温度290℃、並びにベント吸引度3000Paの条件でストランドを押出し、水浴で冷却した後、ペレタイザーでストランドカットを行いペレット化した。このペレットを熱風乾燥機により乾燥した後、以下実施例に示される成形を行った。但しサンプル記号「PMMA」および「PO」については、上記溶融混練を行わず、原料をそのまま乾燥および成形に供した。
【0113】
【表4】
【0114】
表4の原料名欄に記載の各成分を示す記号は下記の通りである。
(着色剤(蛍光染料))
FR:ペリレン系蛍光赤色染料(BASF社製 LUMOGEN F Red300)
FY:ペリレン系蛍光赤色染料(BASF社製 LUMOGEN F Yellow083)
FO:ペリレン系蛍光赤色染料(BASF社製 LUMOGEN F Orange240)
成形品は下記に示す方法により作成した。
【0115】
実施例5〜7
表5に示す材料とし、成形する材料に対応して上記乾燥条件、シリンダー温度、金型温度とした以外は、実施例1と同様に成形を行い、一体成形品(積層構造体)を得た。
【0116】
【表5】
【0117】
表5から明らかなように、例えば、実施例7の場合、成形品層(B)厚肉部側から層(B)薄肉部側に向かって淡い蛍光赤色から濃い蛍光赤色にグラデーションを有する色彩が得られる。さらに成形品の背面から光をあてると、成形品内部に表現された文字が成形品全体に対して平面的に強調された優れた意匠性が得られる。
また、成形品の層(B)厚肉部側端面から光をあてると、成形品内部に表現された文字が発光し、陰影が付与される。それにより成形品全体に対して文字が立体的に強調された優れた意匠性が得られる。
(III)<光高反射性を有する材料で層の一部が構成される場合>
【0118】
参考例3、4、11、および12
表6記載の各成分を表5記載の組成割合でドライブレンドした後、径30mmφのダルメージ2段のスクリューを装備したベント付き単軸押出機[ナカタニ機械(株)製:VSK−30]を用い、シリンダー温度およびダイス温度290℃、並びにベント吸引度3000Paの条件でストランドを押出し、水浴で冷却した後、ペレタイザーでストランドカットを行いペレット化した。このペレットを熱風乾燥機により乾燥した後、以下実施例に示される成形を行った。
【0119】
【表6】
【0120】
表6の原料名欄に記載の各成分を示す記号は下記の通りである。
(光高反射剤)
Ti:酸化チタン(石原産業(株)製 PC−3)
成形品は下記に示す方法により作成した。
【0121】
実施例8〜10
表7に示す材料とし、成形する材料に対応して上記乾燥条件、シリンダー温度、金型温度とした以外は、実施例1と同様に成形を行い、一体成形品(積層構造体)を得た。
【0122】
【表7】
【0123】
表7から明らかなように、例えば、実施例8の場合、成形品の層(B)厚肉部側端面から光をあてると、成形品内部に表現された文字部分では他の部分と異なる光の反射が生ずる。これにより成形品全体に対して文字が立体的に強調された優れた意匠性が得られる。
(IV)<光拡散性を有する材料で層の一部が構成されている場合>
【0124】
参考例3、10、および13〜15
表8記載の各成分を表8記載の組成割合でドライブレンドした後、径30mmφのダルメージ2段のスクリューを装備したベント付き単軸押出機[ナカタニ機械(株)製:VSK−30]を用い、シリンダー温度およびダイス温度290℃、並びにベント吸引度3000Paの条件でストランドを押出し、水浴で冷却した後、ペレタイザーでストランドカットを行いペレット化した。このペレットを熱風乾燥機により乾燥した後、以下実施例に示される成形を行った。
【0125】
【表8】
【0126】
表8の原料名欄に記載の各成分を示す記号は下記の通りである。
(光拡散剤)
S:シリコン系架橋粒子(ジーイー東芝シリコーン(株)製 トスパール120)
A:アクリル系架橋粒子(積水化成品工業(株)製 テクポリマーMBX−5)M:無機系微粒子(日東紡績(株)製 硝子繊維 PFE−301S)
成形品は下記に示す方法により作成した。
【0127】
実施例11〜14
表9に示す材料とし、成形する材料に対応して上記乾燥条件、シリンダー温度、金型温度とした以外は、実施例1と同様に成形を行い、一体成形品(積層構造体)を得た。
【0128】
【表9】
【0129】
表9から明らかなように、例えば、実施例11の場合、成形品層(B)厚肉部側から層(B)薄肉部側に向かって赤色から橙色、黄色にグラデーションを有する色彩が得られる。さらに成形品の背面から光を当てると、成形品内部に表現された文字が成形品全体に対して平面的に色抜きされた優れた意匠性が得られる。また成形品の層(B)厚肉部側端面から光をあてると、成形品内部に表現された文字が拡散された光の中で文字の輪郭がややにじんだ状態で観察される。さらに文字は色抜けされた状態であるため幻想的な感覚を生ずる優れた意匠性が得られる。
さらに、実施例14に見られるように、成形品の層(B)薄肉部側端面(光拡散材料からなる層(A)の厚肉部側端面)から光を当てると、面が均一な色の濃淡で光る。すなわち光拡散材料で層の一部が構成されている場合、光を当てる方向で全く異なる意匠性が得られる。
【0130】
【発明の効果】
本発明は、自由度の高い連続した色調の変化(グラデーション色彩)を有するとともに多彩な内部表現が可能な文字・絵・模様が付与できる積層構造体であることから、その奏する工業的効果は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状積層構造体の1例のシート面における直角断面の形状を示す模式図である。
【図2】バックライト方式により本発明の積層構造体の背面に光源を配置し、その意匠性を観察する際の模式図を示す側面図である。
【図3】エッジライト方式により本発明の積層構造体の層(B)の厚肉部側端面に光源を配置しその意匠性を観察する際の模式図を示す側面図である。
【図4】エッジライト方式により本発明の積層構造体の層(B)の薄肉部側端面に光源を配置しその意匠性を観察する際の模式図を示す側面図である。
【図5】実施例において使用した積層構造体の層(A)を形成する成形品形状の概要を模式的に表す斜視図である。
【図6】実施例において使用した積層構造体の概要を模式的に表す側面図である。
【図7】層(A)を成形した際の成形金型の模式図を示す側面図である。尚、固定側金型のホットランナー流路については層(B)用のものを省略している。
【図8】層(A)の成形品をインサートし、層(B)を成形した際の成形金型の模式図を示す側面図である。尚、固定側金型のホットランナー流路については層(A)用のものを省略している。
【図9】実施例において使用した積層構造体の概要を模式的に表す正面図である。この図9は図の下方から上方に向かって色調が濃から淡に変化している態様を示すが、図面にはこの変化は作図上省略されている。
【符号の説明】
1 積層構造体本体
2 積層構造体層(A)
3 積層構造体層(B)
4 積層構造体層(A)における図柄の立体的パターン(かかる部分の厚みは層(A)面に対して+1mmの厚みを増している)
X 観察方向(矢印)
L 光源
5 積層構造体本体の上下方向の長さ(200mm)
6 積層構造体本体の厚み(5mm)
7 積層構造体本体層(B)のゲート部における厚み(0.8mm)
8 積層構造体本体層(A)の下端部(流動末端部)における厚み(0.8mm)
9 図柄の立体的パターン部の長さ(75mm)
10 図柄の立体的パターン部の厚み(層(A)面に対して+1mm)
11 積層構造体の層(A)および層(B)の厚みが共に2.5mmになる部分の位置(下端から50mm)
12 上記11における層(A)の厚み(2.5mm)
13 固定側金型
14 層(A)用のコア側金型
15 層(A)用ホットランナー先端バルブ
16 層(A)用ホットランナー流路
17 層(A)用シリンダー
18 層(A)用樹脂の流れ
19 可動側金型
20 層(B)用ホットランナー先端バルブ
21 層(B)用ホットランナー流路
22 層(B)用シリンダー
23 層(B)用樹脂の流れ
24 層(B)用のコア側金型[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a laminated structure made of a sheet-like thermoplastic resin excellent in aesthetics and design. More specifically, the present invention relates to a sheet-like laminated structure in which a continuous change in color tone is recognized along the sheet surface when observed from the outside.
[0002]
[Prior art]
In recent years, there has been a demand for product design for increasing the added value of products. Among them, the highest demand for high-design products. One of them is the high design by continuous tone change (gradation color). As one of such design methods, a molding method such as an insert molding method in which a film or sheet on which a gradation pattern has been printed or the like is previously mounted in a mold and injection molding is used. However, these forming methods require many steps such as sheet preparation, printing, and trimming, and are not sufficiently attractive in terms of design.
[0003]
On the other hand, in JP-A-53-83844 and JP-A-56-123235, the thickness of the outer layer and the inner layer is changed, and the outer layer is made of a resin containing a colorant. A container and a method for forming the same have been proposed. However, the molded article (container) obtained by the method described in the above publication is a container with a relatively simple color tone in which the direction of gradation color change is the vertical direction and the upper or lower part is darkly colored due to its structure. However, it was difficult to apply a three-dimensional pattern (characters, graphics, etc.) to the interface part of the layer.
Thus, it has a high design property, a continuous color change can have not only one direction but also various directions, and it can have a clear three-dimensional pattern at the interface part of the layer, which is relatively thick. Conventionally, a flat laminated structure has not been provided.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, a first object of the present invention is to provide a sheet-like laminated structure composed of a plurality of layers formed of a thermoplastic resin, which has excellent aesthetics and design properties and has a continuous change in color tone. It is in.
A second object of the present invention is a sheet-like laminate in which the continuous color change can be not only in one direction along the sheet surface but also in various directions, and several kinds of colors can be combined. It is to provide a structure.
A third object of the present invention is to provide a sheet-like laminated structure having a three-dimensional pattern such as clear letters and figures in a sheet surface having a continuous color change.
Another object of the present invention is to provide a sheet-like laminated structure having a thickness that has sufficient form-retaining properties, and having a continuous color change, which is transparent or translucent.
[0005]
Still another object of the present invention is to provide a decorative glass window, an interior member, a glass window for a showcase, a partition, a door, a vehicle window glass, a vehicle outer plate, a lamp cover, an ornament, a vehicle instrument panel and a center panel, a vehicle For interior and exterior moldings and garnishes, display devices, display panels, light guide plates, sign boards, windshields, roofing materials, furniture, computers, and housing parts of various OA equipment such as computers and mobile terminals, mobile phones and portable audio equipment, etc. It is an object of the present invention to provide a sheet-like laminated structure having practical strength that can be advantageously used as a material for housing members, pachinko machines, slot machines and other electrical decoration panels, and miscellaneous goods in various electric devices.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
According to the study by the present inventors, the object of the present invention is as follows.
(1) Layer formed from a thermoplastic resin ( A ) And a sheet-like laminated structure composed of two types of layers (B),
(2) layer ( A ) Is formed of a transparent resin containing a fluorescent dye and has a monotonous thickness change in at least one direction of the sheet surface, and the layer (B) is a substantially colorless transparent resin or layer ( A ) Formed of a transparent resin containing a dye or pigment having a different color from
(3) When the laminated structure is visually observed from the outer surface of the layer (B), a continuous color change is recognized along the sheet surface,
(4) layer ( A ) And a letter or figure in a three-dimensional pattern is applied at the interface where (B) contacts; and
(5) layer ( A ) And (B) is formed by injection molding, a high-design sheet-like laminated structureHas been found to be achieved.
In addition, the object of the present invention is (1) a layer formed from a thermoplastic resin. ( A ) And a sheet-like laminated structure composed of two types of layers (B),
(2) layer ( B ) Is formed of a transparent resin containing a dye or a pigment and has a monotonous change in thickness with respect to at least one direction of the sheet surface, and the layer (A) is formed of a transparent resin containing a light diffusing agent. ,
(3) When the laminated structure is visually observed from the outer surface of the layer (B), a continuous color change is recognized along the sheet surface,
(4) layer ( A ) And a letter or figure in a three-dimensional pattern is applied at the interface where (B) contacts; and
(5) layer ( A ) And (B) was found to be achieved by a highly designed sheet-like laminated structure characterized by being formed by injection molding.
Hereinafter, the laminated structure of the present invention will be described in more detail.
[0007]
The laminated structure of the present invention has many combinations depending on the number of layers constituting it, the shape of each layer, the presence or absence of coloring of each layer, the color of coloring, and the like. The aesthetics and design change depending on the direction and the direction of the light source. These are the sources that express the features and advantages of the laminated structure of the present invention, and will be described below with reference to the drawings for the understanding of the laminated structure of the present invention.
[0008]
FIG. 1 is a schematic diagram showing the shape of a right-angle cross section in the sheet surface of the sheet-like laminated structure of the present invention. The structure shown in FIG. 1 is an example of a structure having a basic and simple shape for explanation. The laminated
[0009]
Layer 2 (layer (A)) is formed of a resin containing a dye or pigment (hereinafter may be abbreviated as “colorant”), and the colorant is contained almost uniformly at a certain concentration in the resin. ing. On the other hand, the layer 3 (layer (B)) is formed of a resin containing no colorant.
In the case of the laminated structure of
In 4 indicating characters or figures (hereinafter, these may be abbreviated as “symbols”), the thickness of the
[0010]
The resin forming the
In the case of the laminated structure of
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Each of the resins forming the
[0012]
[Table 1]
[0013]
The color of the colorant in each layer in Table 1 is a combination of three colors of red, yellow and blue, but is not limited to this example. The combination of
One of the preferred embodiments in this
[0014]
The
[0015]
The
Moreover, in the said
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The laminated structure of the present invention is composed of a plurality of layers, wherein at least one layer contains a dye, a pigment or a light diffusing agent, and is monotonous in at least one direction along the sheet surface of the structure. By having a change in thickness, a continuous change in color tone is expressed and formed. In the following description, the term “colored layer” means a layer containing one or more dyes, pigments or light diffusing agents.
[0017]
This colored layer needs to have a monotonous change in thickness, and the monotonous change in thickness is recognized by a continuous change in color tone along the sheet surface when the laminated structure is visually observed. Says what is done. Therefore, it is desirable that the change in thickness is not stepwise but is a gentle or linear change in thickness. However, a figure like a character or figureMasturbationAlthough fine unevenness is locally formed in the portion, the surface unevenness for forming this pattern is excluded from the category of monotonous thickness change.
[0018]
Next, the mode of monotonous thickness change of the colored layer in the laminated structure of the present invention will be described. In order to simplify the description, a case where the laminated structure is a rectangle having a certain thickness (a quadrilateral whose right angles are all right) will be described as an example. Let the four corners of the rectangle be A, B, C and D in sequence. Thus, the side AB and the side CD are parallel to each other, and the side BC and the side DA are also parallel to each other. Examples of changes in the thickness of the colored layer are listed below.
[0019]
(I) As shown in FIG. 1, there is a monotonous change in thickness from one side to another opposite side (for example, from side AB to side CD).
(Ii) It has a monotonous thickness change in the diagonal direction from the corner A to the corner C.
(Iii) A monotonous change in thickness from the center of the rectangle (the intersection of two diagonals) from side AB, side BC, side CD, and side DA (square pyramid or reverse) Square pyramid).
(Iv) A monotonous change in thickness from a rectangular center line (for example, a center line portion parallel to the sides AB and CD) toward opposite sides (for example, the sides AB and CD). Have (V-shaped or inverted V-shaped).
(V) A single diagonal line of a rectangle is used as a center line, toward two opposite corners from the center line (for example, from the center line connecting the corners A and C to the corners B and D), and monotonous Has a change in thickness.
[0020]
The above-described examples (i) to (v) are for explanation, and may be modified forms thereof. For example, it is not always necessary that the center portion or the center line is accurate, and there is no problem even if it is shifted. Furthermore, an appropriate combination of the above (i) to (v) may be used, and a portion where there is no change in thickness may be included. The laminated structure of the present invention may be in the form of a sheet, and is not limited to the rectangular shape described above.
[0021]
The laminated structure of the present invention is in the form of a flat plate and is not necessarily required to have a uniform thickness, but it is practically preferable that the thickness is substantially the same. The thickness is 2 to 20 mm, preferably 3 to 15 mm. The laminated structure has a flat plate shape, and is a plate-like body that forms straight lines in which both surfaces are substantially parallel in a cross section at a right angle, or a curved flat plate or a radius of curvature of 5 cm or more, preferably 15 cm. As described above, a flat plate having a curved surface of 30 cm or more can be particularly preferable. Further, it may be a flat plate with some thickness change. Furthermore, in addition to the case where the surface is smooth, any one of the surfaces may be provided with minute unevenness and impart an effect of diffusing light. The number of layers of the laminated structure is 2 to 5, preferably 2 or 3, but 2 is particularly preferable.
[0022]
When the laminated structure is composed of two layers, the ratio of the change in the thickness of each layer is such that when the thickness of the entire laminated structure is 1, the ratio of the thickness of each layer is 0.02 to 0.98, preferably A range of 0.1 to 0.9 is advantageous. In the laminated structure of the present invention, each layer is formed of a transparent resin, and the entire structure is transparent or translucent. This is effective for further expressing the aesthetics and design due to the continuous change in color tone. On top of that, there are letters and figures.AndThe pattern is observed in a fantastic or three-dimensional manner from a continuous color-change surface. This design can be changed in three-dimensionality and sharpness depending on the viewing direction, the position of the light source, and the like. In particular, when a fluorescent colorant, a light diffusing agent or a light high-reflecting agent is blended in one layer, when the light source is located on the side surface of the laminated structure (the surface perpendicular to the end of the sheet surface), the stereoscopic effect Becomes even more prominent.
[0023]
In particular, in
[0024]
In the laminated structure of the present invention, each layer constituting the laminated structure is preferably formed of a transparent resin, and the entire laminated structure has transparency so that the design is excellent. When the entire laminated structure is transparent, the total light transmittance is desirably 10 to 90%, preferably 20 to 70%, and haze is 0.1 to 15%, preferably 0.1. Advantageously, it is in the range of 15-10%.
Next, the thermoplastic resin formed in the laminated structure of the present invention will be described. As described above, in the laminated structure of the present invention, as long as the colored layer is formed of at least a transparent resin, the type of resin forming the other layer is arbitrarily selected. However, it is desirable that all the layers are formed of a relatively transparent resin. The plurality of layers to be laminated may be the same resin or different resins. However, it is preferable in terms of processing, physical properties, and usage that the same resin is used.
[0025]
Here, the transparent resin has a total light transmittance of 10% or more, preferably 20% or more, more preferably 30% or more in a plate-shaped molded article having a smooth thickness of 2 mm measured according to JIS K7105. Can be mentioned.
In a transparent resin containing a dye or pigment, the composition ratio of the dye or pigment is preferably 0.001 to 2 parts by weight, more preferably 0.005 to 1 part by weight per 100 parts by weight of the thermoplastic resin. More preferably, it is 0.005 to 0.5 parts by weight.
[0026]
Similarly, in the case of a transparent resin containing a fluorescent colorant that exhibits high designability, the composition ratio is preferably 0.001 to 2 parts by weight, more preferably 0.001 parts per 100 parts by weight of the thermoplastic resin. 005 to 1 part by weight, more preferably 0.005 to 0.5 part by weight.
The transparent resin containing the light diffusing agent has a total light transmittance of 10 to 93% and a haze of 20 to 90% in a plate-shaped molded article having a smooth surface thickness of 2 mm measured according to JIS K7105. Are preferred. More preferable total light transmittance is 30 to 90%, particularly 50 to 90%, and more preferable haze is 30 to 90%.
[0027]
Further, as the resin containing a light high-reflecting agent, the total light reflectance in a plate-shaped molded article having a smooth surface thickness of 2 mm at a wavelength of 450 to 800 nm is preferably 80% or more, more preferably 90% or more, and still more preferably. The thing which is 95% or more is mentioned.
[0028]
Examples of the thermoplastic resin used in the laminated structure of the present invention include polyethylene resin, polypropylene resin, polystyrene resin, high impact polystyrene resin, hydrogenated polystyrene resin, polyacrylstyrene resin, ABS resin, AS resin, and AES resin. General purpose plastics typified by ASA resin, SMA resin, polyalkyl methacrylate resin, polyphenyl ether resin, polyacetal resin, polycarbonate resin, polyalkylene terephthalate resin, polyamide resin, poly-4-methylpentene-1 (TPX resin) ), Engineering plastics such as fluororesin, phenoxy resin, cyclic polyolefin resin, polyarylate resin (amorphous polyarylate, liquid crystalline polyarylate), polyether ether Teruketon, polyetherimide, various thermoplastic polyimides typified by polyamide-imide, polysulfone, polyether sulfone, may be used a so-called super engineering plastics such as polyphenylene sulfide. Furthermore, thermoplastic elastomers such as styrene-based thermoplastic elastomers, olefin-based thermoplastic elastomers, polyamide-based thermoplastic elastomers, polyester-based thermoplastic elastomers, and polyurethane-based thermoplastic elastomers can also be used.
Mixing and using the above thermoplastic resins can be appropriately selected according to the intended use of the composition.
[0029]
In the present invention, at least one layer needs to have transparency, and therefore, the resin forming any one layer is preferably a transparent thermoplastic resin. Transparent thermoplastic resins include polystyrene resin, high impact polystyrene resin, hydrogenated polystyrene resin, polyacryl styrene resin, ABS resin, AS resin, AES resin, ASA resin, SMA resin, polyalkyl methacrylate resin, polyphenyl ether resin Polycarbonate resin, amorphous polyalkylene terephthalate resin, amorphous polyamide resin, poly-4-methylpentene-1, cyclic polyolefin resin, amorphous polyarylate resin, polyethersulfone, and styrene-based thermoplastic elastomer, Examples thereof include thermoplastic elastomers such as olefin-based thermoplastic elastomers, polyamide-based thermoplastic elastomers, polyester-based thermoplastic elastomers, and polyurethane-based thermoplastic elastomers.
[0030]
Among these, preferred are polyalkyl methacrylate resins such as polymethyl methacrylate having excellent transparency, polycarbonate resins, cyclic polyolefin resins, amorphous polyarylate resins, and the like.
Examples of the alkyl methacrylate resin of the present invention include those containing methyl methacrylate as a main structural unit. Usually, a copolymer with an alkyl acrylate is used, but other copolymer components may be copolymerized with an acrylimide structural unit or a methylcyclohexyl methacrylate structural unit in order to improve heat resistance. . Furthermore, what copolymerized (alpha) -methylstyrene can also be used.
[0031]
Examples of the cyclic polyolefin resin of the present invention include an APO resin manufactured by Mitsui Chemicals, Arton manufactured by JSR, Zeonex manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd., and a hydrogenated-α-olefin-dicyclopentadiene copolymer. And so on.
In particular, at least one layer is preferably a polycarbonate resin from the viewpoint of the mechanical strength and heat resistance of the laminated structure. Most preferred is a laminated structure in which all layers are made of polycarbonate resin.
[0032]
The polycarbonate resin will be specifically described below. The polycarbonate resin is usually obtained by reacting a dihydric phenol and a carbonate precursor by an interfacial polymerization method or a melt polymerization method, or obtained by polymerizing a carbonate prepolymer by a solid phase transesterification method, or a cyclic carbonate. It is obtained by polymerizing a compound by a ring-opening polymerization method.
[0033]
Representative examples of the dihydric phenol used here include hydroquinone, resorcinol, 4,4′-dihydroxydiphenyl, bis (4-hydroxyphenyl) methane, bis {(4-hydroxy-3,5-dimethyl). Phenyl} methane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) ethane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) -1-phenylethane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (commonly referred to as bisphenol A) ), 2,2-bis {(4-hydroxy-3-methyl) phenyl} propane, 2,2-bis {(4-hydroxy-3,5-dimethyl) phenyl} propane, 2,2-bis {(3 -Isopropyl-4-hydroxy) phenyl} propane, 2,2-bis {(4-hydroxy-3-phenyl) phenyl} propane, 2,2-bis (4 Hydroxyphenyl) butane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -3-methylbutane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -3,3-dimethylbutane, 2,4-bis (4-hydroxyphenyl) ) -2-methylbutane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) pentane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -4-methylpentane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane, , 1-bis (4-hydroxyphenyl) -4-isopropylcyclohexane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) -3,3,5-trimethylcyclohexane, 9,9-bis (4-hydroxyphenyl) fluorene, 9,9-bis {(4-hydroxy-3-methyl) phenyl} fluorene, α, α'-bis (4-hydroxyphenyl) -o-di Sopropylbenzene, α, α′-bis (4-hydroxyphenyl) -m-diisopropylbenzene, α, α′-bis (4-hydroxyphenyl) -p-diisopropylbenzene, 1,3-bis (4-hydroxyphenyl) ) -5,7-dimethyladamantane, 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfone, 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfoxide, 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfide, 4,4′-dihydroxydiphenyl ketone, 4,4′- Examples thereof include dihydroxydiphenyl ether and 4,4′-dihydroxydiphenyl ester, and these can be used alone or in admixture of two or more.
[0034]
Among them, bisphenol A, 2,2-bis {(4-hydroxy-3-methyl) phenyl} propane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) butane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -3 -Methylbutane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -3,3-dimethylbutane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -4-methylpentane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) A homopolymer or copolymer obtained from at least one bisphenol selected from the group consisting of -3,3,5-trimethylcyclohexane and α, α'-bis (4-hydroxyphenyl) -m-diisopropylbenzene In particular, a homopolymer of bisphenol A and 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) -3,3,5-trimethylcyclohexane Bisphenol A, 2,2-bis {(4-hydroxy-3-methyl) phenyl} propane or alpha,. Alpha .'- bis (4-hydroxyphenyl)-m-copolymer of diisopropylbenzene are preferably used. Most preferred is a homopolymer of bisphenol A.
[0035]
As the carbonate precursor, carbonyl halide, carbonate ester, haloformate or the like is used, and specific examples include phosgene, diphenyl carbonate, dihaloformate of dihydric phenol, and the like.
In producing polycarbonate resin by reacting the above dihydric phenol and carbonate precursor by interfacial polymerization method or melt polymerization method, it is necessary to prevent oxidation of catalyst, terminal terminator, dihydric phenol as necessary. An antioxidant or the like may be used. The polycarbonate resin may be a branched polycarbonate resin copolymerized with a trifunctional or higher polyfunctional aromatic compound, or may be a polyester carbonate resin copolymerized with an aromatic or aliphatic difunctional carboxylic acid, Moreover, the mixture which mixed 2 or more types of the obtained polycarbonate resin may be sufficient.
[0036]
Examples of the trifunctional or higher polyfunctional aromatic compounds include phloroglucin, phloroglucide, or 4,6-dimethyl-2,4,6-tris (4-hydroxydiphenyl) heptene-2,2,4,6-trimethyl-2. , 4,6-tris (4-hydroxyphenyl) heptane, 1,3,5-tris (4-hydroxyphenyl) benzene, 1,1,1-tris (4-hydroxyphenyl) ethane, 1,1,1- Tris (3,5-dimethyl-4-hydroxyphenyl) ethane, 2,6-bis (2-hydroxy-5-methylbenzyl) -4-methylphenol, 4- {4- [1,1-bis (4- Hydroxyphenyl) ethyl] benzene} -α, α-dimethylbenzylphenol and other trisphenols, tetra (4-hydroxyphenyl) methane, bis (2,4-dihydroxyphenyl)
[0037]
When a polyfunctional compound that produces such a branched polycarbonate resin is included, the ratio is 0.001 to 1 mol%, preferably 0.005 to 0.5 mol%, particularly preferably 0.01, based on the total amount of the aromatic polycarbonate. -0.3 mol%. In particular, in the case of the melt transesterification method, a branched structure may be generated as a side reaction. The amount of the branched structure is also 0.001 to 1 mol%, preferably 0.005 to 0.005% in the total amount of the aromatic polycarbonate. A content of 5 mol%, particularly preferably 0.01 to 0.3 mol% is preferred. About this ratio1It is possible to calculate by H-NMR measurement.
[0038]
The reaction by the interfacial polymerization method is usually a reaction between a dihydric phenol and phosgene, and is reacted in the presence of an acid binder and an organic solvent. As the acid binder, for example, an alkali metal hydroxide such as sodium hydroxide or potassium hydroxide or an amine compound such as pyridine is used. As the organic solvent, for example, halogenated hydrocarbons such as methylene chloride and chlorobenzene are used. In order to accelerate the reaction, a catalyst such as a tertiary amine such as triethylamine, tetra-n-butylammonium bromide or tetra-n-butylphosphonium bromide, a quaternary ammonium compound or a quaternary phosphonium compound may be used. it can. At that time, the reaction temperature is usually 0 to 40 ° C., the reaction time is preferably about 10 minutes to 5 hours, and the pH during the reaction is preferably maintained at 9 or more.
[0039]
In such a polymerization reaction, a terminal stopper is usually used. Monofunctional phenols can be used as such end terminators. Monofunctional phenols are commonly used as end terminators for molecular weight control, and the resulting polycarbonate resins are compared to those that do not because the ends are blocked by groups based on monofunctional phenols. Excellent thermal stability. Such monofunctional phenols are generally phenols or lower alkyl-substituted phenols, and can be monofunctional phenols represented by the following general formula (1).
[0040]
[Chemical 1]
[0041]
(In the formula, A is a hydrogen atom, a linear or branched alkyl group having 1 to 9 carbon atoms or a phenyl group-substituted alkyl group, and r is an integer of 1 to 5, preferably 1 to 3.)
Specific examples of the monofunctional phenols include phenol, p-tert-butylphenol, p-cumylphenol and isooctylphenol.
[0042]
In addition, as other monofunctional phenols, phenols or benzoic acid chlorides having a long chain alkyl group or an aliphatic polyester group as a substituent, or long chain alkyl carboxylic acid chlorides can also be shown. Among these, phenols having a long-chain alkyl group represented by the following general formulas (2) and (3) as a substituent are preferably used.
[0043]
[Chemical 2]
[0044]
[Chemical Formula 3]
[0045]
Wherein X is —R—O—, —R—CO—O— or —R—O—CO—, wherein R is a single bond or a carbon number of 1 to 10, preferably 1 to 5; A valent aliphatic hydrocarbon group, and n represents an integer of 10 to 50.)
As the substituted phenols of the general formula (2), those having n of 10 to 30, particularly 10 to 26 are preferable, and specific examples thereof include decylphenol, dodecylphenol, tetradecylphenol, hexadecylphenol, octadecylphenol, Examples include eicosylphenol, docosylphenol, and triacontylphenol.
[0046]
Further, as the substituted phenols of the general formula (3), those in which X is —R—CO—O— and R is a single bond are suitable, and those in which n is 10 to 30, particularly 10 to 26. Specific examples thereof include decyl hydroxybenzoate, dodecyl hydroxybenzoate, tetradecyl hydroxybenzoate, hexadecyl hydroxybenzoate, eicosyl hydroxybenzoate, docosyl hydroxybenzoate and triacontyl hydroxybenzoate.
[0047]
It is desirable that the end terminator is introduced at the end of at least 5 mol%, preferably at least 10 mol%, based on the total end of the obtained polycarbonate resin. More preferably, the terminal terminator is introduced in an amount of 80 mol% or more with respect to all terminals, that is, the terminal hydroxyl group (OH group) derived from the dihydric phenol is more preferably 20 mol% or less, particularly preferably. This is the case where 90 mol% or more of the terminator is introduced with respect to all terminals, that is, the OH group is 10 mol% or less. Moreover, you may use a terminal terminator individually or in mixture of 2 or more types.
[0048]
The reaction by the melt polymerization method is usually a transesterification reaction between a dihydric phenol and a carbonate ester. In the presence of an inert gas, the dihydric phenol and the carbonate ester are mixed with heating, and the resulting alcohol or phenol is mixed. It is performed by the method of distilling. The reaction temperature varies depending on the boiling point of the alcohol or phenol produced, but is usually in the range of 120 to 350 ° C. Later in the reaction, the system is 1.33 × 10ThreeDistillation of alcohol or phenol produced by reducing the pressure to about ˜13.3 Pa is facilitated. The reaction time is usually about 1 to 4 hours.
[0049]
Examples of the carbonate ester include esters such as an optionally substituted aryl group having 6 to 10 carbon atoms, an aralkyl group, or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms. Specific examples include diphenyl carbonate, bis (chlorophenyl) carbonate, dinaphthyl carbonate, bis (diphenyl) carbonate, dimethyl carbonate, diethyl carbonate, and dibutyl carbonate. Among them, diphenyl carbonate is preferable.
[0050]
A polymerization catalyst can be used to increase the polymerization rate. Examples of such polymerization catalyst include sodium hydroxide, potassium hydroxide, sodium salt of dihydric phenol, alkali metal compounds such as potassium salt, calcium hydroxide, Alkaline earth metal compounds such as barium hydroxide and magnesium hydroxide, nitrogen-containing basic compounds such as tetramethylammonium hydroxide, tetraethylammonium hydroxide, trimethylamine and triethylamine, alkoxides of alkali metals and alkaline earth metals, alkali metals Organic earth salts of alkaline earth metals, zinc compounds, boron compounds, aluminum compounds, silicon compounds, germanium compounds, organotin compounds, lead compounds, osmium compounds, antimony compounds manganese compounds , Titanium compounds, usually the esterification reaction, such as zirconium compounds, there can be used a catalyst used in the transesterification reaction. A catalyst may be used independently and may be used in combination of 2 or more type. The amount of these polymerization catalysts used is preferably 1 × 10 with respect to 1 mol of dihydric phenol as a raw material.-8~ 1x10-3Equivalent weight, more preferably 1 × 10-7~ 5x10-FourIt is selected in the range of equivalents.
[0051]
In the polymerization reaction, in order to reduce phenolic end groups, for example, bis (chlorophenyl) carbonate, bis (bromophenyl) carbonate, bis (nitrophenyl) carbonate, bis ( It is preferable to add compounds such as (phenylphenyl) carbonate, chlorophenylphenyl carbonate, bromophenylphenyl carbonate, nitrophenylphenyl carbonate, phenylphenyl carbonate, methoxycarbonylphenylphenyl carbonate and ethoxycarbonylphenylphenyl carbonate. Of these, 2-chlorophenyl phenyl carbonate, 2-methoxycarbonylphenyl phenyl carbonate and 2-ethoxycarbonylphenyl phenyl carbonate are preferable, and 2-methoxycarbonylphenyl phenyl carbonate is particularly preferably used.
[0052]
Furthermore, in the melt polymerization method, it is desirable to neutralize the activity of the catalyst remaining after polymerization using a deactivator. Such quenchers include benzene sulfonic acid, p-toluene sulfonic acid, methyl benzene sulfonate, ethyl benzene sulfonate, butyl benzene sulfonate, octyl benzene sulfonate, phenyl benzene sulfonate, methyl p-toluene sulfonate, p -Sulfonate esters such as ethyl toluenesulfonate, butyl p-toluenesulfonate, octyl p-toluenesulfonate, phenyl p-toluenesulfonate; trifluoromethanesulfonic acid, naphthalenesulfonic acid, sulfonated polystyrene, methyl acrylate -Sulfonated styrene copolymer, 2-phenyl-2-propyl dodecylbenzenesulfonate, 2-phenyl-2-butyl dodecylbenzenesulfonate, tetrabutylphosphonium octylsulfonate, Sulfonic acid tetrabutylphosphonium salt, benzenesulfonic acid tetrabutylphosphonium salt, dodecylbenzenesulfonic acid tetraethylphosphonium salt, dodecylbenzenesulfonic acid tetrabutylphosphonium salt, dodecylbenzenesulfonic acid tetrahexylphosphonium salt, dodecylbenzenesulfonic acid tetraoctylphosphonium salt, Decyl ammonium butyl sulfate, decyl ammonium decyl sulfate, dodecyl ammonium methyl sulfate, dodecyl ammonium ethyl sulfate, dodecyl methyl ammonium methyl sulfate, dodecyl dimethyl ammonium tetradecyl sulfate, tetradecyl dimethyl ammonium methyl sulfate, tetramethyl ammonium hexyl sulfate, decyl Examples of the compound include trimethylammonium hexadecyl sulfate, tetrabutylammonium dodecyl benzyl sulfate, tetraethylammonium dodecyl benzyl sulfate, and tetramethylammonium dodecyl benzyl sulfate. However, the compounds are not limited thereto, and these compounds are used in combination of two or more. You can also
[0053]
Among them, phosphonium salt or ammonium salt type is preferable. The amount of the catalyst is preferably 0.5 to 50 mol based on 1 mol of the remaining catalyst, and 0.01 to 500 ppm, more preferably 0 to the polycarbonate resin after polymerization. It is used in a proportion of 0.01 to 300 ppm, particularly preferably 0.01 to 100 ppm.
[0054]
The molecular weight of the polycarbonate resin is not specified, but if the molecular weight is less than 10,000, the high-temperature characteristics and the like deteriorate, and if it exceeds 40,000, the moldability decreases. Those of 4,000 to 40,000 are preferred, and those of 14,000 to 30,000 are particularly preferred. Further, two or more kinds of polycarbonate resins may be mixed. In this case, it is naturally possible to mix a polycarbonate resin having a viscosity average molecular weight outside the above range.
[0055]
In particular, a mixture with a polycarbonate resin with a viscosity average molecular weight exceeding 40,000 is a draw-down performance important for blow molding, anti-drip performance to improve flame retardancy, and melting characteristics to prevent jetting during injection molding. In order to exhibit an excellent effect on the reforming performance, it can be appropriately mixed depending on the purpose. A mixture with a polycarbonate resin having a viscosity average molecular weight of 80,000 or more is more preferable, and a mixture with a polycarbonate resin having a viscosity average molecular weight of 100,000 or more is more preferable. That is, those having a molecular weight distribution of two or more peaks by a method such as GPC (gel permeation chromatography) can be preferably used.
[0056]
The viscosity average molecular weight referred to in the present invention is a specific viscosity (η obtained from a solution of 0.7 g of polycarbonate resin dissolved in 100 ml of methylene chloride at 20 ° C.SP) Is inserted into the following equation.
[0057]
ηSP/C=[η]+0.45×[η]2c (where [η] is the intrinsic viscosity)
[Η] = 1.23 × 10-FourM0.83
c = 0.7
A release agent can be blended in the thermoplastic resin of the present invention, and this gives a preferable result in that distortion during release can be suppressed. Saturated fatty acid esters are common as mold release agents, for example, monoglycerides such as stearic acid monoglyceride, triglycerides such as stearic acid triglyceride, polyglycerin fatty acid esters such as decaglycerin decastate and decaglycerin tetrastearate, Lower fatty acid esters such as stearic acid stearate, higher fatty acid esters such as sebacic acid behenate, and erythritol esters such as pentaerythritol tetrastearate are used. The mold release agent is used in an amount of 0.01 to 1 part by weight per 100 parts by weight of the thermoplastic resin.
[0058]
In addition, a phosphorus-based heat stabilizer can be added to the thermoplastic resin of the present invention as necessary. As the phosphorus heat stabilizer, phosphite compounds and phosphate compounds are preferably used. Examples of the phosphite compound include triphenyl phosphite, trisnonylphenyl phosphite, tris (2,4-di-tert-butylphenyl) phosphite, tridecyl phosphite, trioctyl phosphite, trioctadecyl phosphite, di- Decyl monophenyl phosphite, dioctyl monophenyl phosphite, diisopropyl monophenyl phosphite, monobutyl diphenyl phosphite, monodecyl diphenyl phosphite, monooctyl diphenyl phosphite, bis (2,6-di-tert-butyl-4- Methylphenyl) pentaerythritol diphosphite, 2,2-methylenebis (4,6-di-tert-butylphenyl) octylphosphite, bis (nonylphenyl) pentaerythritol diphosphite And phosphite compounds such as bis (2,4-di-tert-butylphenyl) pentaerythritol diphosphite. Of these, tris (2,4-di-tert-butylphenyl) phosphite, distearyl pentaerythritol diphosphite, and bis (2,4-di-tert-butylphenyl) pentaerythritol diphosphite are preferable.
[0059]
On the other hand, as phosphate compounds used as heat stabilizers, for example, tributyl phosphate, trimethyl phosphate, tricresyl phosphate, triphenyl phosphate, trichlorophenyl phosphate, triethyl phosphate, diphenyl cresyl phosphate, diphenyl monoorthoxenyl phosphate, triphenyl phosphate Examples include butoxyethyl phosphate, dibutyl phosphate, dioctyl phosphate, diisopropyl phosphate and the like, and triphenyl phosphate and trimethyl phosphate are preferable.
[0060]
Furthermore, as other phosphorus heat stabilizers, tetrakis (2,4-di-tert-butylphenyl) -4,4′-biphenylenediphosphonite, tetrakis (2,4-di-tert-butylphenyl) -4 , 3′-biphenylenediphosphonite, tetrakis (2,4-di-tert-butylphenyl) -3,3′-biphenylenediphosphonite, bis (2,4-di-tert-butylphenyl) -4-biphenylene Phosphonite compounds such as phosphonite can also be preferably used.
The phosphorus-based heat stabilizers may be used alone or in combination of two or more. The phosphorus-based heat stabilizer is suitably used in the range of 0.0001 to 0.5 parts by weight, preferably 0.001 to 0.05 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the thermoplastic resin.
[0061]
To the thermoplastic resin, an antioxidant generally known for the purpose of preventing oxidation can be added. Examples thereof include phenolic antioxidants, specifically, for example, triethylene glycol-bis (3- (3-tert-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate), 1,6 -Hexanediol-bis (3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate), pentaerythritol-tetrakis (3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) Propionate), octadecyl-3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, 1,3,5-trimethyl-2,4,6-tris (3,5-di-tert-butyl) -4-hydroxybenzyl) benzene, N, N-hexamethylenebis (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxy-hydride) Cinnamide), 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxy-benzylphosphonate-diethyl ester, tris (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) isocyanurate, 3,9-bis {1 , 1-dimethyl-2- [β- (3-tert-butyl-4-hydroxy-5-methylphenyl) propionyloxy] ethyl} -2,4,8,10-tetraoxaspiro (5,5) undecane, etc. Is mentioned. The range of the preferable addition amount of these antioxidants is 0.0001-5 weight part with respect to 100 weight part of thermoplastic resins, Preferably it is 0.001-0.5 weight part.
[0062]
For the purpose of improving weather resistance and cutting harmful ultraviolet rays, an ultraviolet absorber and a light stabilizer can be further added to the thermoplastic resin. Examples of such ultraviolet absorbers include benzophenone-based ultraviolet absorbers represented by 2,2′-dihydroxy-4-methoxybenzophenone, and, for example, 2- (3-tert-butyl-5-methyl-2-hydroxyphenyl)- 5-chlorobenzotriazole, 2- (3,5-di-tert-butyl-2-hydroxyphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2,2′-methylenebis [4- (1,1,3,3-tetra Methylbutyl) -6- (2H-benzotriazol-2-yl) phenol], 2- [2-hydroxy-3,5-bis (α, α-dimethylbenzyl) phenyl] -2H-benzotriazole and 2- ( Examples include benzotriazole ultraviolet absorbers represented by 3,5-di-tert-amyl-2-hydroxyphenyl) benzotriazole. Indicated. Further, for example, 2- (4,6-diphenyl-1,3,5-triazin-2-yl) -5-hexyloxyphenol, 2- [4,6-bis (2,4-dimethylphenyl) -1, Preferred examples also include hydroxyphenyltriazine compounds such as 3,5-triazin-2-yl] -5-hexyloxyphenol. In addition, hindered amine light stabilizers such as bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate and bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) sebacate are also used. It is possible. These may be used alone or in combination of two or more. The range of the preferable addition amount of these ultraviolet absorbers and light stabilizers is 0.0001 to 10 parts by weight, preferably 0.001 to 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the thermoplastic resin.
[0063]
In addition, the transparent thermoplastic resin of the present invention can be blended with a bluing agent in order to counteract the yellowishness based on the ultraviolet absorber and the like. Particularly useful for polycarbonate resins. Specific examples of the bluing agent include, for example, the general name Solvent Violet 13 [CA.No (Color Index No) 60725; trade name “Macrolex Violet B” manufactured by Bayer, “Diaresin Blue G” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, “Sumiplast Violet B” manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd., generic name Solvent Violet 31 [CA. No. 68210; Trade name “Diaresin Violet D” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation], generic name Solvent Violet 33 [CA. No. 60725; Name “Diaresin Blue J” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, generic name Solvent Blue 94 [CA.No. 61500; Trade name “Diaresin Blue N” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation], generic name Solvent Violet 36 [CA. No. 6821 Trade name: “Macrolex Violet 3R” manufactured by Bayer, generic name Solvent Blue97 [tradename “Macrolex Blue RR” manufactured by Bayer, Inc.] and generic name Solvent Blue45 [CA. No. 61110; RLS "], Ciba Specialty Chemicals' Macrolex Violet, Terazole Blue RLS, and the like, and Macrolex Violet and Terazole Blue RLS are particularly preferred.
[0064]
For thermoplastic resins, other conventional additives such as reinforcing agents (talc, mica, clay, wollastonite, calcium carbonate, glass fiber, glass beads, glass balloon, milled fiber, glass flake, carbon fiber, carbon Flakes, carbon beads, carbon milled fibers, metal flakes, metal fibers, metal coated glass fibers, metal coated carbon fibers, metal coated glass flakes, silica, ceramic particles, ceramic fibers, aramid particles, aramid fibers, polyarylate fibers, graphite, Conductive carbon black, various whiskers, etc.), flame retardant (halogen, phosphate ester, metal salt, red phosphorus, silicon, fluorine, metal hydrate, etc.), heat-resistant agent, fluorescent brightener , Antistatic agent, flow modifier, inorganic and organic antibacterial agent, light touch System antifouling agent (fine particles of titanium oxide, such as zinc oxide particles), impact modifier typified by graft rubber, an infrared absorber can be blended with photochromic agent.
[0065]
Among these, glass fillers that can maintain transparency by reducing the difference in refractive index from the resin are particularly suitable, and such glass fillers are widely known. Such glass fillers preferably have a refractive index difference with the resin of 0.015 or less, preferably 0.010 or less. Such a filler makes it possible to obtain a sheet-like laminated structure having high transparency and high rigidity and high strength.
[0066]
Furthermore, as the thermoplastic resin in the present invention, it is also possible to use a resin already formed as a product or a part, a so-called recycled material. In many cases, such recycled materials include coatings for coloring, wear resistance, antistatic properties, various functional coatings such as heat ray absorption, and laminated films such as metal films by vapor deposition, sputtering, plating, etc. These can be used with the laminated film attached, or can be used by removing part or all of the laminated film.
[0067]
For example, when an optical information recording medium (CD, DVD, MD, etc.) having a polycarbonate resin as a substrate is used as a recycled material, these should be used as they are after being pulverized, It can be used by mixing with recycled materials of thermoplastic resin materials and / or other thermoplastic resin materials.
[0068]
On the other hand, the information recording layer, the reflective layer, and the protective coating layer can be selectively removed from the resin substrate from the optical information recording medium, and the resin itself can be recovered and used. Can be used.
[0069]
Next, the colorant blended in at least one layer constituting the laminated structure of the present invention will be described. The colorant includes a dye, a pigment, a light diffusing agent, or a light highly reflective agent. Those known per se as colorants for the resin are used, and can be selected from the type of resin, the dispersibility in the resin, the processing temperature, etc., and the desired color can be determined. Two or more colorants can be used in combination.
[0070]
Coloring agents include perylene dyes, coumarin dyes, thioindigo dyes, anthraquinone dyes, thioxanthone dyes, ferrocyanides such as bitumen, perinone dyes, quinoline dyes, quinacridone dyes, dioxazines Organic colorants such as dyes, isoindolinone dyes, phthalocyanine dyes, and carbon black, and transparent organic colorants are preferred among these. More preferable examples include anthraquinone dyes, perinone dyes, quinoline dyes, perylene dyes, coumarin dyes, and thioindigo dyes.
[0071]
Specific examples of the dye include CI Solvent Red 52, CI Solvent Red 149, CI Solvent Red 150, CI Solvent Red 191, CI Solvent Red 151, CI Solvent Red 135, CI Solvent Red 168, CI Sol Red 168p, CI Sol Red Red 168, CI CI Solvent Blue 97, CI Solvent Violet 13,
Fluorescent colorants can also be used, and examples thereof include fluorescent dyes and fluorescent organic pigments such as phthalocyanine complexes and naphthalocyanine complexes.
[0072]
Various fluorescent dyes can be used. For example, perylene fluorescent dye, coumarin fluorescent dye, benzopyran fluorescent dye, anthraquinone fluorescent dye, thioindigo fluorescent dye, xanthene fluorescent dye, xanthone fluorescent dye, thioxanthene fluorescent dye, thioxanthone fluorescent dye, thiazine And fluorescent dyes such as diaminostilbene fluorescent dyes.
[0073]
Among these, from the viewpoint of fluorescence persistence (weather resistance), it is preferable to contain 5% by weight or more of perylene fluorescent dye, coumarin fluorescent dye, and benzopyran fluorescent dye in 100% by weight of the total amount of fluorescent dye.
[0074]
Here, various types of coumarin-based dyes can be used, and specific examples thereof include, for example, MACROLEX Fluorescent Yellow 10GN (CI Solvent Yellow 160: 1) manufactured by Bayer, and MACROLEX Fluorescent Red G. Can do.
[0075]
Various types of benzopyran fluorescent dyes can be used. Specific examples thereof include Red BK and Red GK as a Fluorol series manufactured by BASF.
Various kinds of perylene fluorescent dyes can be used. Specific examples thereof include
[0076]
Among the above, those containing a perylene fluorescent dye in an amount of 5% or more in 100% by weight of the total amount of the fluorescent dye can be preferably used.
Specific examples of fluorescent dyes other than perylene fluorescent dyes, coumarin fluorescent dyes, and benzopyran fluorescent dyes include the following.
[0077]
As anthraquinone dyes, pyranthrone-type anthraquinone dyes known as CI Vat Orange 9,
[0078]
Examples of thioindigo dyes include
Examples of the fluorescent organic pigment include phthalocyanine-based organic pigments such as CI PIGMENT GREEN 7 and CI PIGMENT BLUE 15: 3, and naphthalocyanine-based organic pigments.
[0079]
As the light diffusing agent that can be used in the present invention, any of known inorganic fine particles and polymer fine particles can be used. The shape of the light diffusing agent is not particularly limited, and various shapes such as a granular shape, a spherical shape, a plate shape, a hollow shape, a needle shape, and a spindle shape can be taken. The average particle size of such a light diffusing agent is preferably 0.01 to 50 μm. The average particle diameter is more preferably 0.1 to 10 μm, and still more preferably 0.1 to 8 μm. Further, the particle size distribution is preferably narrow, and more preferably, the particles having an average particle size of ± 2 μm have a distribution of 70% by weight or more of the whole.
[0080]
The light diffusing agent preferably has an absolute value of the difference in refractive index from the matrix resin of 0.02 to 0.2. This is because in the case of using a light diffusing agent, it is required to satisfy both light diffusibility and light transmittance at a high level. More preferably from the viewpoint of transparency, the refractive index of the light diffusing agent is lower than the refractive index of the matrix resin.
[0081]
Examples of the inorganic fine particles include the following. Barium sulfate, calcium carbonate, silica, alumina, magnesia, mica, talc, aluminum hydroxide, titanium oxide, lithium fluoride, calcium fluoride, magnesium sulfate, magnesium carbonate, magnesium oxide, zinc oxide, zirconium oxide, cerium oxide , Ground glass, glass milled fiber, glass beads, ultrathin glass flakes, glass balloons, alumina balloons, calcium silicate, and the like. Moreover, these particles may coat the surface of the particles with a compound different from the composition inside the particles.
[0082]
Examples of the polymer fine particles of the present invention include organic crosslinked particles obtained by polymerizing a non-crosslinkable monomer and a crosslinkable monomer. Non-crosslinkable monomers include acrylic monomers, styrene monomers, acrylonitrile monomers, olefin monomers, and the like. These can be used alone or in admixture of two or more. Furthermore, other copolymerizable monomers other than such monomers can also be used. Examples of the other organic crosslinked particles include silicone-based crosslinked particles.
[0083]
On the other hand, heat-resistant polymer particles such as polyethersulfone particles can also be cited as the polymer fine particles of the present invention. That is, the crosslinkable monomer is not required if the shape of the fine particles is not impaired even when the matrix resin is heated and melted.
Furthermore, as the polymer fine particles, various epoxy resin particles, urethane resin particles, melamine resin particles, benzoguanamine resin particles, and thermosetting resins such as phenol resin particles can be used.
More preferable examples of the light diffusing agent include organic crosslinked particles. Such particles have high controllability of particle diameter and particle shape, and higher light diffusion control is possible. In particular, when the matrix resin is a polycarbonate resin or the like, there is an advantage that thermal discoloration or the like hardly occurs during molding at high temperature.
[0084]
Examples of acrylic monomers used in such organic crosslinked particles include methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, phenyl Methacrylate or the like can be used alone or in combination. Of these, methyl methacrylate is particularly preferable.
[0085]
As the styrene monomer, styrene, α-methyl styrene, methyl styrene (vinyl toluene), alkyl styrene such as ethyl styrene, and halogenated styrene such as brominated styrene can be used, and among these, styrene is particularly preferable. As the acrylonitrile monomer, acrylonitrile or methacrylonitrile can be used. As the olefin monomer, ethylene, various norbornene-type compounds and the like can be used. Still other copolymerizable monomers include glycidyl methacrylate, N-methylmaleimide, maleic anhydride, and the like, and as a result, units such as N-methylglutarimide can also be included.
[0086]
On the other hand, examples of the crosslinkable monomer for the vinyl non-crosslinkable monomer include divinylbenzene, allyl methacrylate, triallyl cyanurate, triallyl isocyanate, ethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, propylene glycol ( (Meth) acrylate, 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, trimethylolpropane (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, bisphenol A di (meth) acrylate, dicyclopentanyl di (meth) acrylate, Examples include dicyclopentenyl di (meth) acrylate and N-methylol (meth) acrylamide.
[0087]
As a method for producing organic crosslinked particles composed of acrylic monomers, a general emulsion polymerization method, a soap-free polymerization method using an initiator such as potassium persulfate, a seed polymerization method, a two-stage swelling polymerization method, etc. Can be mentioned. Also in the suspension polymerization method, the water phase and the monomer phase are maintained separately, and both are accurately supplied to a continuous disperser, and the particle diameter is controlled by the rotation speed of the disperser. In the production method of the formula, a method in which the monomer phase is supplied by passing it through a small diameter orifice of several to several tens of μm or a porous filter in an aqueous liquid having dispersibility to control the particle diameter is also possible.
[0088]
Silicone-based crosslinked particles are those having a siloxane bond as the main skeleton and an organic substituent on the silicon atom, and those having a high degree of crosslinking represented by polymethylsilsesquioxane and those crosslinked by methylsilicone rubber particles. Although there is a low degree, in the present invention, a high degree of crosslinking represented by polymethylsilsesquioxane is preferable. Examples of the organic group substituted on the silicon atom of the silicone-based crosslinked particles include alkane groups such as a methyl group, ethyl group, propyl group, and butyl group, aryl groups such as a phenyl group, aralkyl groups such as a benzyl group, and the like. A group, a carbonyl group, an ester group, an ether group or the like can be used.
[0089]
As a method for producing such silicone-based crosslinked particles, there is generally used a method of forming three-dimensionally crosslinked particles while growing siloxane bonds by hydrolysis and condensation reaction of trifunctional alkoxysilane or the like in water. The diameter can be controlled by, for example, the alkali amount of the catalyst, the stirring process, or the like.
On the other hand, as a method for producing polymer fine particles other than organic crosslinked particles, spray drying method, submerged curing method (coagulation method), phase separation method (coacervation method), solvent evaporation method, reprecipitation method, etc. A combination of the nozzle vibration method and the like when performing these can be mentioned.
[0090]
Furthermore, as the form of the polymer fine particles, it is possible to take the form of a core-shell polymer in addition to a single-phase polymer, or an IPN structure having a structure in which two or more kinds of components are entangled with each other. Also, composite particles such as a core of inorganic fine particles and a component of organic crosslinked particles as a shell, or an organic crosslinked particle as a core and an epoxy resin, urethane resin or the like as a shell can be used.
[0091]
The light diffusing agent may be coated with various surface treatment agents. In particular, inorganic fine particles coated with a surface treatment agent are preferable because they can suppress discoloration of the material due to thermal deterioration or the like. Such surface treating agents include fatty acid, resin acid, maleic acid, sorbic acid and other organic acid compounds, ester compounds of these organic acids with mono- or polyhydric alcohols, sulfonic acid surfactants, organic titanates. Examples include coupling agents, organic aluminate coupling agents, phosphate coupling agents, organic silane coupling agents, Si-H group-containing silane compounds, and diene polymers such as polybutadiene and polyisoprene. .
[0092]
As the light high reflector, titanium dioxide particles are preferably used. The titanium dioxide particles are not limited by the production method, crystal structure and particle diameter, but are titanium oxide produced by the chlorine method, and more preferably those having a rutile crystal structure. In general, the particle diameter of the titanium oxide particles for pigment is 0.1 to 0.4 μm, but may be less than 0.1 μm. These titanium dioxide particles are generally surface-treated with an inorganic surface treatment agent (such as alumina and / or silica). These titanium dioxide particles are preferably treated with an organic surface treatment agent. Examples of the organic surface treatment agent include siloxanes such as alkylpolysiloxane, alkylarylpolysiloxane, and alkylhydrogenpolysiloxane, and organosilicon such as alkylalkoxysilane and amino silane coupling agent. Preferred treatment agents include methylhydrogenpolysiloxane, methyltrimethoxysilane, trimethylmethoxysilane, N-β (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane, N-β (aminoethyl) -γ-aminopropylmethyl. A surface treatment with dimethoxysilane or the like can be mentioned. The surface treatment agent may contain a stabilizer, a dispersant and the like in an amount that does not impair the object of the present invention. In addition, as a surface treatment method, titanium dioxide particles and a surface treatment agent are dispersed in water or an organic solvent and wet-treated, or a dry-treatment method using a super mixer, a hensil mixer, or the like, or a surface treatment agent or dioxide dioxide. A method in which titanium particles and a thermoplastic resin are simultaneously mixed with a V-type blender, and a method in which the titanium particles and the thermoplastic resin are simultaneously introduced into an extruder and extruded are also effective.
[0093]
Laminated structure of the present inventionThe body molding method isIt is an injection molding method. This is because such a molding method can efficiently produce the entire laminated structure..
[0094]
As a manufacturing procedure of the laminated structure of the present invention, after molding one layer, the next layer is molded in a state where the molded product is inserted into the mold of the next process, and the two layers are laminated. Can be mentioned. If molding is performed with two layers inserted into the mold, a laminated structure having a three-layer structure can be obtained.
In the case of the injection molding method, the multicolor molding method in which a plurality of layers are continuously performed by one molding machine, and the insert molding method in which each layer is molded by an independent molding machine are methods for producing the laminated structure of the present invention. used. In particular, a laminated structure in which all layers are obtained by an injection molding method is suitable in the present invention.
[0095]
Furthermore, in this molding method, various molding methods with other factors added can be used. For example, ultra-high speed injection molding, injection compression molding, heat-insulating mold molding, local high-temperature mold molding, in-mold molding, sandwich molding, gas assist molding, and the like can be combined as appropriate. That is, a combination of these may be used.
[0096]
Ultra high speed injection moldingLaminated structure with design on the interfaceThis is a suitable method. In such a case, the flow of the resin tends to be extremely complicated, and an unfilled portion tends to be finally formed in the design portion due to the way the resin wraps around. In the case of ultra-high speed injection molding, it is possible to reduce the melt viscosity of the resin, achieve a uniform flow, and simplify the wraparound of the resin. The injection speed of ultra-high speed injection molding is 300 mm / sec or more, preferably 350 mm / sec or more.
[0097]
Also, the combination with injection compression molding is suitable when there is a precise pattern at the interface. Moreover, it is possible to achieve a molded product with less distortion and weld. Furthermore, it improves the adhesion at the interface and contributes to the strength and product life of the laminated structure.
For the same reason, it is also preferable to combine heat insulating mold forming and local high-temperature mold forming (halogen lamp irradiation, electromagnetic induction heating, high-speed switching of heat medium, ultrasonic mold, etc.).
[0098]
That is, the present inventionThere is a pattern on the interfaceIn the production of laminated structures,SuperIt is preferable to use a combination of high-speed injection molding, injection compression molding, heat-insulating mold molding, and local high-temperature mold molding as appropriate. Furthermore, it is preferable to use a combination of ultrahigh-speed injection molding, injection compression molding, heat-insulating mold molding and local high-temperature mold molding.
[0099]
When sandwich molding is combined, either one layer or the other layer can have a two-layer structure. When combined with gas-assist molding, each layer can be reduced in weight by making one layer, or other layers, or both one layer and the other layer a hollow structure, and different design and optical properties. It is also possible to give a functional function. For example, filling a hollow part with a compound having photochromic properties to produce a product having photoreactivity.
[0100]
【Example】
The following examples further illustrate the present invention. The molded product (structural laminate) manufactured by the method described below was irradiated with light by the following light source and arrangement, and the design properties emitted by the laminate structure were evaluated.
(Light source and arrangement)
(I) Backlight system: As shown in FIG. 2, a fluorescent lamp was installed on the back side of the laminated structure, and the design of the laminated structure was evaluated from the surface side.
(Ii) Edge light system: As shown in FIGS. 3 and 4, a cold cathode tube having a diameter of 2.6 mm and a length of 220 mm is installed on the end face of the laminated structure (end face of thick part or thin part), and the surface side Thus, the design properties of the laminated structure were evaluated.
(Ii) -1. Thick part end face: When a cold cathode tube is installed on the B layer thick part side end face of the laminated structure
(Ii) -2. Thin wall end face: When a cold cathode tube is installed on the B layer thin wall side end face of the laminated structure
[0101]
(1) Designability (1)
The design property of the whole laminated structure was visually evaluated from the surface side of the laminated structure. Evaluation was performed about the hue from the thick part side of a laminated structure layer (B) to the thin part side, and its lightness (gradation).
(2) Designability (2)
The design property of the character expressed in the laminated structure from the surface side of the laminated structure was visually evaluated. Evaluation was performed based on the following criteria.
(2) -1. Shape:
(I) Planar: Characters expressed inside the laminated structure appear planar.
(Ii) Three-dimensional: Characters expressed inside the laminated structure appear three-dimensional (that is, shadows are recognized in the characters, and characters appear to float inside the laminated structure).
(2) -2. Decoration:
(I) Emphasis ... The characters expressed in the laminated structure appear to be emphasized.
(Ii) Color removal /. Characters expressed inside the laminated structure appear to be colored. (Iii) Fantastic ... The character expressed inside the laminated structure becomes blurred in the diffused light and looks fantastic.
[0102]
The thermoplastic resin composition used in the examples was prepared as follows.
(I) <When a part of the layer is made of a material containing a dye>
[Reference Examples 1 to 6]
Each component shown in Table 2 was dry blended at the composition ratio shown in Table 2 (unit is part by weight), and then a single screw extruder with a vent equipped with a 30 mmφ diameter Dalmage screw [Nakatani Machinery Co., Ltd.] Manufactured by VSK-30], a strand was extruded under conditions of a cylinder temperature and a die temperature of 290 ° C. and a vent suction of 3000 Pa, cooled in a water bath, and then cut into a pellet by a pelletizer. The pellets were dried with a hot air dryer, and thereafter molded as shown in the examples. However, for the sample symbol “PMMA”, the melt kneading was not performed, and the raw material was directly subjected to drying and molding.
[0103]
[Table 2]
[0104]
The symbol which shows each component of the raw material name column of Table 2 is as follows.
(Thermoplastic resin)
PC: 99.77 parts by weight of a polycarbonate resin powder having a viscosity average molecular weight of 18,500 made from bisphenol A and phosgene by a conventional method, 0.03 parts by weight of Sandstab P-EPQ (manufactured by Sandoz), and pentaerythritol tetra A mixture composed of 0.2 part by weight of stearate (these stabilizer releasing agent and optionally a colorant were premixed uniformly and melt-extruded to obtain pellets). In addition, about the resin composition which consists of PC and PC, the drying conditions at the time of shaping | molding were 120 degreeC for 5 hours, the cylinder temperature was 300 degreeC, and the mold temperature was 100 degreeC.
PMMA: Polymethyl methacrylate resin (Delpet 80N manufactured by Asahi Kasei Corporation). In addition, about the resin composition which consists of PMMA and PMMA, the drying conditions at the time of shaping | molding were 100 degreeC for 5 hours, cylinder temperature was 280 degreeC, and mold temperature was 80 degreeC.
PO: Cyclic polyolefin resin (Zeonex E48R manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.). For the resin composition comprising PO and PO, the drying conditions during molding were 120 ° C. for 5 hours, the cylinder temperature was 300 ° C., and the mold temperature was 100 ° C.
[0105]
(Coloring agent)
R: Perinone red dye (Plast Red 8315 manufactured by Arimoto Chemical Co., Ltd.)
Y: Quinoline-based yellow dye (Plast Yellow 8050 manufactured by Arimoto Chemical Co., Ltd.)
G: Anthraquinone green dye (Oil Green 5602 manufactured by Arimoto Chemical Co., Ltd.)
B: Anthraquinone blue dye (manufactured by Bayer Co., Ltd. MACROLEX Blue RR)
The molded product was prepared by the method shown below.
[0106]
Example 1
The above-mentioned polycarbonate resin (PC (R)) and polycarbonate resin (PC) are dried in a hot air dryer at 120 ° C. for 5 hours, respectively, and then injection molding capable of multicolor molding is provided with two injection devices having a cylinder inner diameter of 50 mmφ. Molding was performed using a machine (FN-8000-36ATN manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd.). Using one of the two cylinders, a molded product for forming the layer (A) shown in FIG. 5 was molded at a cylinder temperature of 300 ° C., a mold temperature of 100 ° C., and an injection speed of 150 mm / sec. The molded product forming the layer (A) has a thickness of 4.2 mm on the gate side and a thickness of 0.8 mm on the flow end side, and is a surface composed of straight lines connecting the both ends (layer (A) surface). It has a shape that has a convex surface on the top. On the other hand, a character (TCL) is attached as a three-dimensional pattern to the center portion, and the character portion has a shape having a thickness of +1 mm with respect to the layer (A) surface.
[0107]
After performing this shaping | molding, the plate of the core side of the molding machine was replaced and the layer (B) was shape | molded. The layer (B) was molded by inserting the molded body forming the layer (A) into the mold (fixed side). For forming the layer (B), the remaining one of the two cylinders is used, and the resin forming the layer (B) is injected at a cylinder temperature of 300 ° C., a mold temperature of 100 ° C., and an injection speed of 300 mm / sec. The integrally molded product (laminated structure) shown in FIGS. 6 and 9 was obtained.
In forming the layer (B), after the mold was closed, a vacuum pump (a combination of ULVAC PMB006CM mechanical booster and EC803 rotary pump manufactured by Nippon Vacuum Technology Co., Ltd.) was used and exhausted for 10 seconds. Molded. Exhaust was performed through a degassing clearance provided around the mold cavity.
[0108]
In addition, the same main mold was used as the mold, and only the plates were replaced (one of the flow paths was omitted in FIGS. 7 and 8). The layers (A) and (B) were both molded by a hot runner (external heating method manufactured by Moldmasters) system, and the temperature was 310 ° C. The hot runner had a gate diameter of 3.5 mmφ.
[0109]
Examples 2-4
The material shown in Table 3 was molded in the same manner as in Example 1 except that the drying conditions, cylinder temperature, and mold temperature were set in accordance with the material to be molded, and an integrally molded product (laminated structure) was obtained. .
[0110]
[Table 3]
[0111]
As is clear from Table 3, for example, in the case of Example 1, the molded product layer (B) is molded with a color having a gradation from light red to dark red from the thick part side to the layer (B) thin part side. An excellent design is obtained in which the characters expressed inside the product are emphasized in a planar manner with respect to the entire molded product.
(II) <When a part of the layer is made of a material containing a fluorescent dye>
[0112]
Reference Examples 1, 2, and 7-10
After dry blending the components shown in Table 4 at the composition ratios shown in Table 4, a single-screw extruder with a vent equipped with a 30 mmφ Dalmage two-stage screw [manufactured by Nakatani Machinery Co., Ltd .: VSK-30] was used. The strand was extruded under the conditions of the cylinder temperature and the die temperature of 290 ° C. and the vent suction of 3000 Pa, cooled in a water bath, and then cut into pellets by a pelletizer. The pellets were dried with a hot air dryer, and thereafter molded as shown in the examples. However, for the sample symbols “PMMA” and “PO”, the above-mentioned melt kneading was not performed, and the raw materials were directly subjected to drying and molding.
[0113]
[Table 4]
[0114]
The symbol which shows each component of the raw material name column of Table 4 is as follows.
(Colorant (fluorescent dye))
FR: Perylene fluorescent red dye (LUMOGEN F Red300 manufactured by BASF)
FY: Perylene-based fluorescent red dye (LUMOGEN F Yellow083 manufactured by BASF)
FO: Perylene fluorescent red dye (LUMOGEN F Orange 240 manufactured by BASF)
The molded product was prepared by the method shown below.
[0115]
Examples 5-7
The material shown in Table 5 was molded in the same manner as in Example 1 except that the drying conditions, cylinder temperature, and mold temperature were set in accordance with the material to be molded, and an integrally molded product (laminated structure) was obtained. .
[0116]
[Table 5]
[0117]
As is clear from Table 5, for example, in the case of Example 7, there is a color having a gradation from light fluorescent red to dark fluorescent red from the molded product layer (B) thick part side to the layer (B) thin part side. can get. Furthermore, when light is applied from the back of the molded product, excellent design is obtained in which the characters expressed in the molded product are emphasized in a planar manner with respect to the entire molded product.
Moreover, when light is applied from the layer (B) thick part side end surface of the molded product, the character expressed in the molded product emits light and a shadow is given. Thereby, the outstanding design property by which the character was emphasized three-dimensionally with respect to the whole molded article is obtained.
(III) <When part of the layer is made of a material having high light reflectivity>
[0118]
Reference Examples 3, 4, 11, and 12
Each component shown in Table 6 was dry blended at the composition ratio shown in Table 5, and then a single screw extruder with a vent equipped with a 30 mmφ diameter Dalmage screw [manufactured by Nakatani Machinery Co., Ltd .: VSK-30] was used. The strand was extruded under the conditions of the cylinder temperature and the die temperature of 290 ° C. and the vent suction of 3000 Pa, cooled in a water bath, and then cut into pellets by a pelletizer. The pellets were dried with a hot air dryer, and thereafter molded as shown in the examples.
[0119]
[Table 6]
[0120]
Symbols indicating each component described in the raw material name column of Table 6 are as follows.
(Highly reflective agent)
Ti: Titanium oxide (PC-3 manufactured by Ishihara Sangyo Co., Ltd.)
The molded product was prepared by the method shown below.
[0121]
Examples 8-10
The material shown in Table 7 was molded in the same manner as in Example 1 except that the drying conditions, cylinder temperature, and mold temperature were set in accordance with the material to be molded to obtain an integrally molded product (laminated structure). .
[0122]
[Table 7]
[0123]
As is clear from Table 7, for example, in the case of Example 8, when light is applied from the end surface on the side of the thick part of the layer (B) of the molded product, the light that is different from the other parts in the character part expressed inside the molded product Reflection occurs. Thereby, the outstanding design property by which the character was emphasized three-dimensionally with respect to the whole molded article is obtained.
(IV) <When part of the layer is made of a light diffusing material>
[0124]
Reference Examples 3, 10, and 13-15
After dry blending the components shown in Table 8 at the composition ratios shown in Table 8, a single-screw extruder with a vent equipped with a 30-mm diameter dull mage screw [manufactured by Nakatani Machinery Co., Ltd .: VSK-30] was used. The strand was extruded under the conditions of the cylinder temperature and the die temperature of 290 ° C. and the vent suction of 3000 Pa, cooled in a water bath, and then cut into pellets by a pelletizer. The pellets were dried with a hot air dryer, and thereafter molded as shown in the examples.
[0125]
[Table 8]
[0126]
Symbols indicating each component described in the raw material name column of Table 8 are as follows.
(Light diffusing agent)
S: Silicon-based crosslinked particles (Tospearl 120 manufactured by GE Toshiba Silicone Co., Ltd.)
A: Acrylic crosslinked particles (Techpolymer MBX-5 manufactured by Sekisui Plastics Co., Ltd.) M: Inorganic fine particles (glass fiber PFE-301S manufactured by Nittobo Co., Ltd.)
The molded product was prepared by the method shown below.
[0127]
Examples 11-14
The material shown in Table 9 was molded in the same manner as in Example 1 except that the drying conditions, cylinder temperature, and mold temperature were set in accordance with the material to be molded, and an integrally molded product (laminated structure) was obtained. .
[0128]
[Table 9]
[0129]
As is apparent from Table 9, for example, in the case of Example 11, a color having gradation from red to orange and yellow is obtained from the molded product layer (B) thick part side toward the layer (B) thin part part side. . Furthermore, when light is applied from the back of the molded product, excellent design is obtained in which the characters expressed in the molded product are colored in a planar manner with respect to the entire molded product. Further, when light is applied from the end surface on the side of the thick part of the layer (B) of the molded product, the character expressed inside the molded product is observed in a state where the outline of the character is slightly blurred. Furthermore, since the characters are in a state of being discolored, an excellent design that produces a fantastic sensation is obtained.
Furthermore, as seen in Example 14, when light is applied from the layer (B) thin part side end face of the molded product (the thick part side end face of the layer (A) made of the light diffusing material), the surface has a uniform color. Shines with the light and shade of. That is, when a part of the layer is made of a light diffusing material, completely different design properties can be obtained in the direction in which light is applied.
[0130]
【The invention's effect】
Since the present invention is a layered structure that has a continuous color tone change (gradation color) with a high degree of freedom and can provide characters, pictures, and patterns capable of various internal representations, the industrial effect exerted by the present invention is extremely high. It ’s big.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing the shape of a cross section perpendicular to the sheet surface of one example of a sheet-like laminated structure of the present invention.
FIG. 2 is a side view showing a schematic diagram when a light source is arranged on the back surface of the laminated structure of the present invention by a backlight method and its design properties are observed.
FIG. 3 is a side view showing a schematic view when a light source is arranged on the end face of the thick portion side of the layer (B) of the laminated structure of the present invention by the edge light method and its design property is observed.
FIG. 4 is a side view showing a schematic diagram when a light source is arranged on the end face on the thin portion side of the layer (B) of the laminated structure of the present invention by the edge light method and its design properties are observed.
FIG. 5 is a perspective view schematically showing an outline of a shape of a molded product for forming a layer (A) of the laminated structure used in Examples.
FIG. 6 is a side view schematically showing an outline of a laminated structure used in Examples.
FIG. 7 is a side view showing a schematic diagram of a molding die when a layer (A) is molded. In addition, about the hot runner flow path of a stationary mold, the thing for layer (B) is abbreviate | omitted.
FIG. 8 is a side view showing a schematic diagram of a molding die when a molded product of layer (A) is inserted and layer (B) is molded. In addition, about the hot runner flow path of a stationary mold, the thing for layer (A) is abbreviate | omitted.
FIG. 9 is a front view schematically showing an outline of a laminated structure used in Examples. FIG. 9 shows an aspect in which the color tone changes from dark to light from the bottom to the top of the figure, but this change is omitted in the drawing.
[Explanation of symbols]
1 Laminated structure body
2 Laminated structure layer (A)
3 Laminated structure layer (B)
4 The three-dimensional pattern of the pattern in the laminated structure layer (A) (the thickness of the portion is increased by +1 mm with respect to the layer (A) surface)
X Observation direction (arrow)
L light source
5 Vertical length of laminated structure body (200mm)
6 Thickness of the laminated structure body (5mm)
7 Thickness (0.8 mm) at the gate portion of the laminated structure body layer (B)
8 Thickness (0.8 mm) at the lower end (flow end) of the laminated structure body layer (A)
9 3D pattern length (75mm)
10 The thickness of the three-dimensional pattern part of the design (+1 mm with respect to the layer (A) plane)
11 Position of the layer where the thickness of the layer (A) and layer (B) of the laminated structure is both 2.5 mm (50 mm from the lower end)
12 Thickness of layer (A) in 11 above (2.5 mm)
13 Fixed mold
14-layer (A) core side mold
Hot runner tip valve for 15 layers (A)
Hot runner channel for 16 layers (A)
17 cylinder for layer (A)
18 Flow of resin for layer (A)
19 Movable side mold
20-layer (B) hot runner tip valve
Hot runner channel for 21 layers (B)
Cylinder for 22 layers (B)
23 Flow of resin for layer (B)
Core layer mold for 24 layers (B)
Claims (7)
(2)層 ( A ) が蛍光染料を含有する透明な樹脂により形成され且つシート面の少なくとも一方向に対して単調な厚みの変化を有し、層(B)が実質的に無色の透明な樹脂または層 ( A ) とは異なる色彩を有する染料または顔料を含有する透明な樹脂により形成され、
(3)該積層構造体は、層(B)の外側の面から目視観察したときシート面に沿って連続した色調の変化が認められ、
(4)層 ( A ) および(B)が接触する界面において立体的パターンによる文字もしくは図形が施され、そして
(5)層 ( A ) および(B)が射出成形により形成されていることを特徴とする高意匠性シート状積層構造体。(1) A sheet-like laminated structure composed of two types of layers, a layer ( A ) and a layer (B), formed from a thermoplastic resin,
(2) The layer ( A ) is formed of a transparent resin containing a fluorescent dye and has a monotonous change in thickness with respect to at least one direction of the sheet surface, and the layer (B) is substantially colorless and transparent Formed of a transparent resin containing a dye or pigment having a different color from the resin or layer ( A ) ,
(3) When the laminated structure is visually observed from the outer surface of the layer (B) , a continuous color change is recognized along the sheet surface,
(4) characters or figures with a three-dimensional pattern are applied at the interface where the layers ( A ) and (B) contact, and
(5) A high-design sheet-like laminated structure, wherein the layers ( A ) and (B) are formed by injection molding.
(2)層 ( B ) が、染料または顔料を含有する透明な樹脂により形成され且つシート面の少なくとも一方向に対して単調な厚みの変化を有し、層(A)が光拡散剤を含有する透明な樹脂により形成され、
(3)該積層構造体は、層(B)の外側の面から目視観察したときシート面に沿って連続した色調の変化が認められ、
(4)層 ( A ) および(B)が接触する界面において立体的パターンによる文字もしくは図形が施され、そして
(5)層 ( A ) および(B)が射出成形により形成されていることを特徴とする高意匠性シート状積層構造体。(1) A sheet-like laminated structure composed of two types of layers, a layer ( A ) and a layer (B), formed from a thermoplastic resin,
(2) The layer ( B ) is formed of a transparent resin containing a dye or pigment and has a monotonous change in thickness with respect to at least one direction of the sheet surface, and the layer (A) contains a light diffusing agent. Formed by transparent resin
(3) When the laminated structure is visually observed from the outer surface of the layer (B) , a continuous color change is recognized along the sheet surface,
(4) characters or figures with a three-dimensional pattern are applied at the interface where the layers ( A ) and (B) contact, and
(5) A high-design sheet-like laminated structure, wherein the layers ( A ) and (B) are formed by injection molding.
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