JP3842309B2 - 半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置 - Google Patents

半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電流制御型負性抵抗特性を持つ半導体L−H(Lightly-Heavily doped)接合が半導体バルク内で相互に影響を及ぼし合う機能を有する半導体バルク結合型素子を用いて構成される信号相関処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のバルク結合型素子として、代表的なものに、CCD(電荷結合素子)やPCD(プラズマ結合素子)等がある。これら各素子では、半導体内部すなわちバルク部分でのポテンシャルやプラズマ状態の領域が、隣接する単位セルへ伝搬すなわち結合していく現象を利用している。用途としては、主に撮像素子の内部に作り込まれるシフトレジスタに用いられている。これら素子の特徴は、シフト動作が電極配線上ではなく、半導体内部を伝って行われるところにあり、従って、チップ上の配線が大幅に削減できる利点を有している。
【0003】
図19はこのPCDを用いて構成されたシフトレジスタの概略構造を示しており、以下の文献の1276〜1283ページに示されている。
【0004】
IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES,VOL.ED-29,NO.8,AUGUST 1982
「Unidirectional Transfer Properties of the Plasma-Coupled Shift Register 」
n型半導体基板1の表層部には、ベース(B)2,コレクタ(C)3およびエミッタ(E)4の各領域からなる1つの単位セル5が形成されており、この単位セル5が並んでシフトレジスタが構成されている。ここで、ベース2およびコレクタ3はn+ 型半導体からなり、エミッタ4はp型半導体からなる。このような構成において、位相のずれた3相電圧信号Vφ 1,Vφ 2,Vφ 3が抵抗RE を介して各エミッタ4に供給されることにより、プラズマ状態の領域が半導体バルク内を伝搬し、シフト動作が行われる。
【0005】
また、このようなバルク結合を利用したものではないが、本発明と同様な画像処理素子として機能するビジョンチップと呼ばれる素子がある。図20はこのビジョンチップを示すものであり、以下の文献の783 〜791 ページに示されている。
【0006】
電子情報通信学会誌 vol.76 No.7 1993年 7月 「ビジョンチップ[1]」
光入力画像6はレンズ7によってビジョンチップ8上の光センサアレイに集光する。ビジョンチップ8では、初期視覚アルゴリズムがその入力信号を高速にアナログ並列処理する。この出力はAD変換され、汎用デジタル画像処理プロセッサで出力画像9が認識される。このビジョンチップ8は、セルもしくはノード間が抵抗によってマトリクス状に配線されたものであり、人工網膜素子等に応用されている。
【0007】
また、以下の文献の473,474 ページにも図21に示す人工網膜素子が開示されている。
【0008】
光学 第22巻第8号(1993年 8月) 「感度可変受光素子を用いた光ニューロデバイス」
人工網膜チップ10は、MSM(metal-semiconductor-metal)構造を用いた感度可変受光素子(VSPD)11がマトリクス状に配置されて構成されている。制御電極12および出力電極13の各パッドを含めたチップ全体の大きさは14.3mm角である。各VSPD11の光感度は、制御回路14から行ごとに印加される制御電圧によりアナログ的に変えられる。一方、出力電流は各列ごとに加えられて出力される。この制御ベクトルと画像の積和演算によりさまざまな画像処理が実現される。例えば、1行目に+1V,2行目に−1Vを印加すると、2行の明るさの差が出力される。この制御電圧を行方向にシフトしていけば、輪郭が検出された画像が行ごとに出力される。このようにして入力画像15が照射されれば、その検出と処理が同時に実行され、結果が電気出力信号16となって出力回路17を介して出力され、出力画像18が得られる。
【0009】
また、特願平4-188,172 号公報に開示されている図22に示す輪郭検出素子もある。
【0010】
破線で囲まれた部分が1単位の回路であり、左右対象な電極構造を有する2個の半導体受光素子(フォトコンダクタ)19,20と、電気信号を出力する端子21およびバイアス電圧が与えられている2本の配線22,23からなる。これが2次元的に複数個(C11〜Cnn)配置されて、1つの輪郭検出システムを構成している。各縦の列には、予め1列ごとに互いに逆極性で大きさの等しいバイアス電圧+Vb,−Vbが共通に印加されている。光入力がないときには、出力端子21には信号は現れない。2個の受光素子19,20に光入力があった場合にも、両者は出力端子からみて互いに逆特性で大きさの等しいバイアス電圧が印加されているため、双方からの光電流が打ち消し合うために出力は零になる。これに対し、入力画像がちょうどこの単位回路上で輪郭を持つ場合、すなわち、どちらか一方の受光素子のみに光が入射するか、もしくは双方に入射する光強度が異なる場合には、その差分が出力端子21に現れる。この場合、正極性のバイアス電圧が印加された受光素子19に入力した光強度の方が大きいときには、端子21には正極性の電気信号が現れる。逆に負極性のバイアス電圧が印加された受光素子20に入力した光強度の方が大きいときには、端子21には負極性の電気信号が現れる。この単位回路を2次元的に複数個配置することにより、入力画像に対する輪郭検出を行わせることができる。この検出結果は電気信号として端子21からそれぞれの単位回路(画素)ごとに独立に出力される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のCCDや図19に示すPCD等のバルク結合型素子は、外部よりシフト信号を与えて、各画素に蓄積されたキャリアを転送している。各セルに与えられる信号は、素子に転送動作を行わせるために、順次位相を周期的にずらしながら入力される駆動パルスである。つまり、現在存在しているバルク結合型素子は、各画素に蓄積したキャリアを外部に出力するために、いわば補助的なシフトレジスタとして用いられているに過ぎない。すなわち、従来のバルク結合型素子においては、バルク結合はキャリア転送のためにしか用いられておらず、バルク結合そのものを機能的に用いることはなされていなかった。
【0012】
また、図20に示す上記従来のビジョンチップは、隣接するノード間を抵抗、実際にはCMOSトランジスタゲートでマトリクスに配線することによって、チップ上の広範囲の領域にわたって入力データを2次元処理できるものである。しかし、ノード数が多くなり出力端子が多くなると、配線電極のチップに占める割合は相当大きくなる。このため、VLSIに相当する高度な素子作製技術が必要となり、よって、製作コストが高く、歩留まりが悪くなるという問題が生じる。また、ノード数を64×64程度よりも多くすることも非常に困難になるという問題も生じる。
【0013】
また、図21や図22に示すようにVSPDやフォトコンダクタ等をマトリクス状に配置し、隣接するセル間に極性の異なるバイアス電圧を印加することにより、相関処理結果として入力画像の輪郭を出力する素子の場合には、当然ながら相関処理の対象となる相手のセルは隣接のもしくはごく近傍にあるセルに限定されており、これらは予め配線によって接続されている。このため、実際の網膜の受容野に相当するような、周辺の数セルを含む比較的広い範囲を対象とした相関処理を行うことが出来なかった。従って、ある程度のノイズや誤信号を含む入力画像に対して柔軟な処理をすることが不得手であり、この点において、人工網膜素子としては柔軟性に乏しいという欠点を有していた。
【0014】
本発明はこのような従来の問題を解消し、半導体内部のバルク結合効果を利用してセル間の相関処理、例えば、画像平滑化処理や輪郭強調処理等の2次元並列画像処理を行える、全く新しい機能を持つ半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置を提供することを目的とする。このような素子および装置が提供されれば、網膜の初期視覚動作に似た機能を実現することが可能となる。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、低不純物濃度の第1導電型半導体からなる高比抵抗体,この高比抵抗体に接して形成されるL−H接合に蓄積する少数キャリアの蓄積状態が相互に影響を及ぼし合う距離だけ離れて高比抵抗体表面に直線的または平面的に配置された高不純物濃度の第1導電型半導体からなる複数個のキャリア捕獲層,およびこれら各キャリア捕獲層に隣接する高比抵抗体表面に配置された第2導電型半導体からなるキャリア注入層を有する半導体バルク結合型素子と、各キャリア注入層に個別に外部電気信号を同時に入力する信号入力手段と、この外部電気信号入力によって各L−H接合間において行われる相関処理結果を各キャリア捕獲層から個別に取り出す信号抽出手段とを備え、信号相関処理装置を構成した。
【0016】
また、上記半導体バルク結合型素子と、直線的または平面的な強度分布を有する光パターンの入力によって各L−H接合間において行われる相関処理結果を各キャリア捕獲層から個別に取り出す信号抽出手段とを備え、信号相関処理装置を構成した。
【0017】
また、低不純物濃度の第1導電型半導体からなる高比抵抗体,この高比抵抗体に接して形成されるL−H接合に蓄積する少数キャリアの蓄積状態が相互に影響を及ぼし合う距離だけ離れて高比抵抗体表面に直線的または平面的に配置された高不純物濃度の第1導電型半導体からなる複数個のキャリア捕獲層,および高比抵抗体の反対側表面に各キャリア捕獲層に共通に設けられた第2導電型半導体からなるキャリア注入層を有する半導体バルク結合型素子と、直線的または平面的な強度分布を有する光パターンの入力によって各L−H接合間において行われる相関処理結果を各キャリア捕獲層から個別に取り出す信号抽出手段とを備え、信号相関処理装置を構成した。
【0018】
また、半導体バルク結合型素子の各層を直接遷移型半導体材料で形成することによって、オン状態にある各セルが個別に発光するようになされ、その結果、素子全体の発光パターンが出力信号となるような信号相関処理装置を構成した。
【0019】
また、キャリア注入層への電流経路中に設けられ、L−H接合のオン状態が信号入力遮断後に保持されるべき抵抗値を有する負荷抵抗をさらに備えた。
【0020】
【作用】
半導体バルク結合型素子には、不純物濃度の低い(L)高比抵抗体と不純物濃度の高い(H)キャリア捕獲層とで半導体L−H接合、つまりn−n+ 接合またはp−p+ 接合が形成されている。この半導体L−H接合は多数キャリアを通しやすいが少数キャリアを通しにくいという性質を持つ。従って、半導体L−H接合に電界が印加されると、少数キャリアはこの半導体L−H接合に蓄積し、この蓄積によって伝導度変調が引き起こされる。つまり、この半導体バルク結合型素子は電流制御型負性抵抗によるスイッチング特性を有しており、コンダクタンストランジスタとも呼ばれる。
【0021】
本発明においては、このL−H接合を直線的または平面的に近接して配置する素子構造を採用し、あるL−H接合(セル)がオン状態に遷移すると、このオン状態が、各セルに共通の半導体層である高比抵抗体を通じ、近接する他のセルのスイッチング特性に影響を及ぼす特性を信号相関処理に用いている。つまり、スイッチング特性に関する各セル間のこの相互作用によって入力信号間の相関処理が同時に並列して行われ、半導体バルク内において入力信号の信号相関処理が高速に行われることになる。
【0022】
例えば、信号入力手段からの信号に雑音が含まれていても、雑音が入力したセルの周囲のセルがオン状態にあれば、雑音が入力したセルは高比抵抗体を通じてオン状態に遷移し、その結果雑音が除去されて入力データは平滑化される。また、各セルはオン・オフの2値的なスイッチング動作をするため、入力データ像の輪郭部の各セルは背景像と反対のスイッチング状態になり、輪郭強調がなされる。
【0023】
また、セルは隣接するセルのみに影響を及ぼすのではなく、共通の半導体層である高比抵抗体を通じて広範囲のセルと結合している。よって、抵抗成分をマトリクス状に配置した従来のビジョンチップと類似の機能が果たせるが、ビジョンチップではノード間の結合を電極配線によって実現している。これに対して本発明では、各セルは一様な半導体バルク内において結合し合っている。
【0024】
このため、本発明においてはセル間の結合の仕方に自由度が高くなることから、ビジョンチップに比べてより細かな処理を行わせることができる。また、ビジョンチップでは電極配線のチップに占める割合が相当大きくなるという問題があったが、本発明では各セルが半導体バルク内で結合しているため、電極配線数を大幅に削減することが可能となる。よって、チップ作製が極めて容易になるという利点が生じる。
【0025】
また、半導体材料としてGaAsやGaAlAs等の直接遷移型半導体を用いることにより、オン状態のセルを注入キャリアの再結合によって発光させることが可能になる。よって、信号相関処理結果を光信号によって出力できるようになる。このため、例えば、画像を入力し、平滑化等の相関処理を施した画像をリアルタイムで出力することが可能になる。
【0026】
また、キャリア注入層への電流経路中に負荷抵抗を設け、L−H接合のオン状態が信号入力遮断後にも保持されるように負荷抵抗値を定めることにより、負性抵抗特性を利用した入力データの記憶動作を行わせることが可能になる。
【0027】
【実施例】
図1は本発明の第1の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子の基本的な構造を示しており、同図(a)は平面図,同図(b)は断面図を表している。
【0028】
高比抵抗体31は低不純物濃度のn型半導体基板であり、各セルに対して共通に設けられている。この高比抵抗体31の表面には高不純物濃度のn+ 型半導体からなる四角形状の複数個のキャリア捕獲層32が平面的に配置されている。これら各キャリア捕獲層32は高比抵抗体31に接してL−H接合を形成しており、各キャリア捕獲層32の相互間は、このL−H接合に蓄積する少数キャリアの蓄積状態が相互に影響を及ぼし合う距離だけ離れている。また、これら各キャリア捕獲層32に隣接する高比抵抗体31の表面にはp+ 型半導体からなる四角形状の少数キャリア注入用のキャリア注入層33が配置されている。同図で一点鎖線で囲まれている1組のキャリア捕獲層32とキャリア注入層33は共通の高比抵抗体31と共に1つの単位セルを構成しており、各セルはエピタキシャル成長法によりアレイ状に近接して配置するよう形成されている。従って、単位セルの構造はp+ nn+ 構造のコンダクタンストランジスタになっている。
【0029】
各キャリア注入層33には負荷抵抗34を介してキャリア注入用の電圧源35が接続されている。この負荷抵抗34はキャリア注入層33への電流経路中に設けられており、その抵抗値は上記L−H接合のオン状態が信号入力遮断後にも保持されるような値を有している。また、各セルの周囲の高比抵抗体31表面には高不純物濃度のn+ 型半導体からなる十字形状のキャリア量制御層36が設けられている。このキャリア量制御層36は各L−H接合の四隅に位置しており、電圧源37からの外部印加電圧に応じ、各L−H接合がオン状態に遷移するために必要な蓄積キャリア量を制御する。つまり、キャリア量制御電圧源37からキャリア量制御層36へ外部電圧を印加することにより、この印加電圧に応じて高比抵抗体31のポテンシャルが制御される。従って、この印加電圧を調整することより、セルがオン状態に遷移するために必要なキャリア注入量、つまりしきい値が外部から制御される。なお、本実施例ではこのキャリア量制御層36を各セルの四隅に十字形に設けたが、必ずしもこのように形成する必要はなく、チップ上の各セルに対して均一な効果が与えられる位置および形状に形成されるものであればよい。
【0030】
また、キャリア注入用電圧源35から各キャリア注入層33への電圧印加は配線電極38を介して行われ、また、キャリア量制御電圧源37から各キャリア量制御層36への電圧印加は配線電極39を介して行われる。また、キャリア捕獲層32に現れる信号は配線電極40を介して外部に出力される。なお、高比抵抗体31表面に形成されたキャリア捕獲層32、キャリア注入層33およびキャリア量制御層36は、実際には、配線電極38〜40とのコンタクト部分を除いてシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等からなる絶縁膜によって覆われている。また、配線が交差する部分も、このような絶縁膜を介することによって各配線が電気的に接触しないように形成されている。
【0031】
図2は、このような半導体バルク結合型素子41を用いて構成された本発明の第1の実施例による信号相関処理装置の概略を示している。
【0032】
外部信号入力回路42は、半導体バルク結合型素子41の各キャリア注入層33に個別に外部電気信号を同時に入力する信号入力手段であり、外部電気信号は負荷抵抗34を通じて各セル毎に個別に与えられる。この外部電気信号入力によって各セルのL−H接合間において入力信号の相関処理が行われる。この相関処理結果は、信号抽出回路43によって各キャリア捕獲層32から各セル毎に必要に応じて個別に外部に取り出される。
【0033】
また、L−H接合にキャリアを効率良く蓄積するために、図3に示すように、高比抵抗体31とキャリア捕獲層32とで形成されるn−n+ 接合の間にp型半導体層44を挟んだ構造にしても良い。この場合、単位セルの構造はp+ npn+ 構造になる。なお、同図において図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0034】
また、図1に示す半導体バルク結合型素子41の構造はキャリア捕獲層32、キャリア注入層33およびキャリア量制御層36を高比抵抗体31上に積層した構造としたが、図4に示す構造にしても良い。つまり、キャリア捕獲層32、キャリア注入層33およびキャリア量制御層36の全部を不純物ド−ピング等の方法によって共通の半導体基板である高比抵抗体31内に埋め込む構造にしても良い。また、これら各層の一部を共通の半導体基板内に埋め込む構造にしても良い。なお、同図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。また、このような構造において、高比抵抗体31とキャリア捕獲層32とで形成されるL−H接合の間に図3に示す構造と同様にp型半導体層を挟み、単位セルの構造をp+ npn+ 構造としても良い。
【0035】
また、図1、図3および図4に示す半導体バルク結合型素子を構成する各層の導電型をそのまま反転させても基本動作上は構わない。つまり、高比抵抗体31をp型、キャリア捕獲層32をp+ 型、キャリア注入層33をn+ 型、キャリア量制御層36をp+ 型、およびL−H接合に挟み込む半導体層44をn型としても良い。この場合、単位セルの構造はn+ pp+ 構造またはn+ pnp+ 構造となる。一般的には図1、図3および図4で上述した構造のように、キャリア寿命の長い正孔をL−H接合に蓄積する導電型構造とした方が効率が良く、コンダクタンストランジスタのスイッチングのオン−オフ比が大きく取れる。
【0036】
次に、このような構造の本実施例による信号相関処理装置の基本的な動作について説明する。
【0037】
図5は、上述した半導体バルク結合型素子41の各セルに構成されるコンダクタンストランジスタの基本的な電流電圧特性を示すグラフである。同グラフの横軸はL−H接合に印加される電圧[V],縦軸はL−H接合に流れる電流[I]を示している。なお、同グラフにおいて直線Rは抵抗34の抵抗値によって傾きが定まる負荷線であり、L−H接合のオン状態における特性線と交点qを有し、前述したように信号入力遮断後にもL−H接合がオン状態を保持するようになっている。
【0038】
キャリア注入層33とキャリア捕獲層32との間に順方向の電圧を印加することにより、キャリア注入層33から高比抵抗体31に正孔が注入される。注入された正孔は、外部電圧印加によって半導体バルク内に形成された電界により、L−H接合(n−n+ 接合)界面に均一に蓄積する。そして、外部印加電圧Vが一定のしきい値電圧Vpに達し、蓄積キャリア量が一定のしきい値を越えると、セルつまりコンダクタンストランジスタはオン状態に遷移し、低い保持電圧Vsで大きな電流Isが流れるようになる。このとき、セルはL−H接合部分を中心に、電子と正孔のキャリア密度が通常よりも高いいわゆるプラズマ状態になる。
【0039】
従って、半導体バルク結合型素子41のあるセルのキャリア注入層33に外部信号入力回路42からしきい値以上の大きさの入力信号が与えられ、このセルがオン状態に遷移すると、このオン状態の遷移は共通のn型半導体層である高比抵抗体31を通じ、周囲のセルのL−H接合に影響を及ぼす。つまり、オン状態に遷移したセルのL−H接合部分に生じたプラズマ状態すなわちキャリア密度の高い状態は、高比抵抗体31を介して周囲のセルのL−H接合へ拡がる。その結果、これらのセルはオン状態に遷移するために必要なしきい値電圧Vpが実質的に低下する。そして、各L−H接合の幾何学的配置や電源37からキャリア量制御層36へ与えられる電圧印加条件等によっては、入力信号がしきい値を越えていないセルもオン状態に遷移する。
【0040】
すなわち、あるセルのスイッチング動作が共通の高比抵抗体31を通じ、いわゆるプラズマ結合効果によってチップ内においてお互いに影響を及ぼし合う。よって、半導体バルク結合型素子41の各セルに与えられる外部入力信号は、このような各セルの相互作用によって相関処理が行われる。この相関処理は、高比抵抗体31の表面に形成された各L−H接合間の相互作用が同時に行われるため、同時に並列的に高速に行われる。従って、本装置に入力された信号は自己再生的に処理が行われて出力され、その際に、データの平滑化や輪郭強調等の相関処理が入力データ全体について同時に並列に行われることになる。出力データは各キャリア捕獲層32に個別に現れるため、各キャリア捕獲層32に現れた出力データは信号抽出回路43によって個別に外部に取り出される。
【0041】
例えば、図6に示す、均一な強度分布であるべきデータ51中に何らかの原因で強度の低い欠損データ52があるとする。欠損データ52を含むこのデータ51が信号入力回路42から半導体バルク結合型素子41に入力された場合には、信号入力によってオン状態に遷移した欠損データ周囲のセルに生じたプラズマは、欠損データ52が入力されたセルに結合する。このプラズマ結合により欠損データ52は補完され、修正されたデータ53が信号抽出回路43に得られる。また、逆に、入力データ51の周囲のごく限られた範囲内に不要なデータ54が入力された場合には、これら不要なデータ54が各セルのしきい値を越えない程度の強度であれば、不要なデータ54が入力したセルはオン状態に遷移しない。よって、出力信号が生じないことになり、不要なデータ54を除去することが可能となる。
【0042】
どのような場合に欠損データが補完され、または不要なデータが除去されるかは、各セルの幾何学的な間隔やキャリア量制御層36に印加される電圧等によって予め設定がなされている。また、各セルを構成するコンダクタンストランジスタの動作はオン・オフの2値的な動作であるため、半導体バルク結合型素子41から出力される信号は2値的なデータになる。よって、入力データ51の有る領域と無い領域、または入力強度の大きな領域と入力強度の小さな領域との境界55は、より明確な境界56となって出力される。従って、本実施例による装置によってセル間に入力される信号の相関処理を行うことにより、上述のような入力データに対する平滑化処理や、輪郭強調処理を行うことが可能となる。
【0043】
また、上記本実施例による信号相関処理装置において、各セル相互間の影響を次の実験によって確認した。
【0044】
前述した半導体バルク結合型素子41の高比抵抗体31をn型のGaAs半導体基板によって構成し、図7の各分図に示すように、このGaAs半導体基板上に80μmピッチに升目状に配置したコンダクタンストランジスタアレイを作製した。同図(a)に示すように、斜線が付されたあるセルC(i,j)のキャリア注入層33に、しきい値電圧Vp以下の25[V]の電圧を1kΩの負荷抵抗34を介して印加しておく。そして、そのセルの両側にある○印が付されたセルC(i,j−1)とC(i,j+1)との各キャリア注入層33に共に約30mAの電流を注入し、これら各セルのL−H接合をオン状態にした。その結果、セルC(i,j)もオン状態に遷移した。しかし、セルC(i,j−1)およびC(i,j+1)に注入する電流を20mA以下にした場合には、セルC(i,j)はオン状態に遷移しなかった。また、セルC(i,j−1)およびC(i,j+1)に注入する電流を20〜30mAの範囲内にした場合には、オン状態に遷移する場合とオン状態に遷移しない場合とがあった。
【0045】
また、同図(b)に示すように、斜線が付されたセルC(i,j)に対して隣接する○印が付されたセルC(i,j−1)と、このセルC(i,j)から1ピッチ分つまり160μm離れた○印が付されたセルC(i,j+2)とにそれぞれ30mAの電流を注入し、これら各セルをオン状態に遷移させても、セルC (i,j)はオン状態に遷移しなかった。また、同図(c)に示すように、斜線が付されたセルC(i,j)に対して斜めに隣接し、このセルC(i,j)から113μm離れた○印が付されたセルC(i−1,j−1)とセルC(i+1,j+1)とに共に約30mAの電流を注入し、これら各セルをオン状態にしたところ、セルC(i,j)はオン状態に遷移しなかった。
【0046】
この実験ではしきい値電圧がかなり高かったり、動作するうえで再現性に欠けていたが、これらは素子構造の最適化がなされていなかったり、チップ内の層の電気的、光学的特性や均一性が悪いためであり、今後において格段に改善されうるものである。
【0047】
以上述べたように、チップ上の全てのセルは共通のn型半導体層である高比抵抗体31を通じ、セル間の距離に応じた強さでお互いに影響し合っているので、実際にはより広い領域を対象とした相関処理が行われる。従って、各セルは隣接するセルのみに影響を及ぼすのではなく、共通の高比抵抗体31を通じて広範囲のセルと結合する。よって、抵抗成分をマトリクス状に配置した従来のビジョンチップと類似の機能が果たせるが、ビジョンチップではノード間の結合を電極配線によって実現していた。これに対して本実施例による信号相関処理装置では、各セルは一様な半導体バルク内において結合し合っているため、電極配線数を大幅に削減しつつ、ビジョンチップと同じ機能を実現することが可能になる。従って、チップ作製は極めて容易になる。また、本実施例による装置では、各セル間の結合の仕方に自由度が高くなることから、ビジョンチップに比べてより細かな処理を行わせることが可能となる。
【0048】
このように半導体バルク結合型素子41を構成するセルどうしが半導体バルク内において自ら影響を及ぼし合うことにより、前述したように1次元ないし2次元データの平滑化処理や、輪郭強調処理等の機能的な相関処理が同時に並列的に高速に行われる。
【0049】
また、本実施例において単位セルとして用いたコンダクタンストランジスタは、従来のPCDにおいても単位セルとして用いられていたものである。このPCDもプラズマ結合を利用した素子であったが、前述の従来技術で説明したように、このPCDではp+ 層に順にシフトパルスを与えることにより、これを単にシフトレジスタ用の単位セルとして用いていただけである。つまり、従来のPCDにおいては、単位セルが本実施例のような並列演算用の素子として集積化され、配線されてはいなかった。
【0050】
また、基本単位セルであるコンダクタンストランジスタは前述のように電流制御型の負性抵抗素子であるため、適当な大きさの負荷抵抗を接続することにより、記憶動作が可能になる。本実施例では、キャリア注入層33への電流経路中に負荷抵抗34を設け、L−H接合のオン状態が信号入力遮断後にも保持されることにより、負性抵抗特性を利用した入力データの記憶動作を行わせている。この記憶機能は入力画像間の比較演算をする際に極めて有効であり、本実施例による半導体バルク結合型素子およびその周辺素子を用い、制御回路等に接続されたシステムを構成することにより、時間的に連続して入力される画像間の変化分の抽出や、入力画像と記憶画像との比較を行うといった装置を構成することも可能になる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施例による信号相関処理装置について説明する。
【0052】
図8は本発明の第2の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子41aの基本的な構造を示しており、同図(a)は平面図,同図(b)は断面図を表している。なお、同図において図1と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0053】
上記の第1の実施例による信号相関処理装置においては電気信号が入力される構造の半導体バルク結合型素子41を用いたが、本実施例による信号相関処理装置においては直線的または平面的な強度分布を有するパターン光が入力される。この入力によって各L−H接合間において行われる相関処理結果は、各キャリア捕獲層32から個別に電気信号として外部に取り出される。このため、この第2実施例においてはキャリア注入層33に接続される配線電極38aの構造は、第1の実施例における配線電極38の構造と異なっている。つまり、各キャリア注入層33に共通に負荷抵抗45が接続されており、各キャリア注入層33にはオフセット設定用電圧源46から共通のオフセット外部電圧が印加される。この電圧値は各L−H接合のしきい値を越えない程度に設定されており、この電圧印加により、初期的なキャリア注入量に一定のオフセット量が予め各セル共通に持たせられる。
【0054】
図9は、このような半導体バルク結合型素子41aを用いて構成された本発明の第2の実施例による信号相関処理装置の概略を示している。
【0055】
本実施例では、第1実施例における外部信号入力回路42は存在せず、直線的または平面的な強度分布を有する光パターン61が半導体バルク結合型素子41aの表面に直接入射される。この半導体バルク結合型素子41aの表面はキャリア捕獲層32aが形成された側の面である。この外部光信号入力によって各セルのL−H接合間において入力信号の相関処理が行われる。つまり、十分な光量が入力されたセルは、蓄積キャリア数がしきい値を越え、オン状態に遷移すると共に、この遷移は近接する他のセルにも影響を及ぼす。ここで、オン状態のセルに囲まれたセルは、そのセルへの入射光量が十分でなくても隣接するセルに影響を受けてオン状態に遷移するよう、オフセット設定用電圧源46やキャリア量制御電圧源37によって予め設定されている。従って、前述のような入力データ(画像)中の欠損データを補完したり、不要なデータを除去したりでき、入力データの平滑化処理が行える。また、前述のように、入力画像の輪郭を強調して出力させることも可能となる。このような相関処理結果は、信号抽出回路43によって各キャリア捕獲層32aから各セル毎に必要に応じて個別に外部電気信号として取り出される。
【0056】
次に、本発明の第3の実施例による信号相関処理装置について説明する。
【0057】
図10はこの第3実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子41bの基本的な構造を示しており、同図(a)は平面図,同図(b)は断面図を表している。なお、同図において図1と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0058】
この第3実施例に用いられる半導体バルク結合形素子41bは、高比抵抗体31b,キャリア捕獲層32b,キャリア注入層33bおよびキャリア量制御層36bの各層がGaAsやGaAlAs等の直接遷移型半導体材料によって形成されている点において第1実施例と構造が異なっている。従って、本実施例による半導体バルク結合型素子41bでは各L−H接合に注入されたキャリアの再結合によってオン状態のセルは個別に発光する。
【0059】
図11はこのような半導体バルク結合型素子41bを用いて構成された本発明の第3の実施例による信号相関処理装置の概略を示している。
【0060】
本実施例では、第1実施例と同様に信号入力回路12から各L−H接合に個別に同時に電気信号が入力される。しかし、本実施例では第1実施例における信号抽出回路43は存在せず、相関処理結果は、オン状態にある各セルの発光により、光パターン61aとして外部に出力される。このため、各キャリア捕獲層32bにつながる配線40bは共通に接続されている。
【0061】
次に、本発明の第4の実施例による信号相関処理装置について説明する。
【0062】
図12はこの第4実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子41cの基本的な構造を示しており、同図(a)は平面図,同図(b)は断面図を表している。なお、同図において図8および図10と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0063】
この第4実施例による信号相関処理装置では、信号光が入力され、相関処理結果は光信号として出力される。このため、キャリア注入層33bは第2実施例の場合と同様に配線電極38aに共通に接続されており、オフセット設定用電圧源46から各キャリア注入層33に共通のオフセット外部電圧が印加されている。また、半導体バルク結合形素子41cを構成する、高比抵抗体31b,キャリア捕獲層32b,キャリア注入層33bおよびキャリア量制御層36bの各層は、第3実施例の場合と同様に直接遷移型半導体材料によって形成されている。しかも、各キャリア捕獲層32bにつながる配線40bも共通に接続されている。
【0064】
図13はこのような半導体バルク結合型素子41cを用いて構成された本発明の第4の実施例による信号相関処理装置の概略を示している。
【0065】
直線的または平面的な光パターン61の入力により、各L−H接合において相関処理が行われる。この相関処理結果は、注入されたキャリアの再結合によってオン状態のセルが個別に発光するため、出力信号は光パターン61aとして外部に出力される。すなわち、本実施例による信号相関処理装置においては、光パターンとして入力された信号が相関処理され、この処理結果が光パターンとして外部に出力される。
【0066】
次に、本発明の第5の実施例による信号相関処理装置について説明する。
【0067】
図14は本発明の第5の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子41dの基本的な構造を示しており、同図(a)は平面図,同図(b)は断面図を表している。
【0068】
高比抵抗体31dは低不純物濃度のn型半導体層であり、前述の第1実施例における高比抵抗体31と同様に各セルに対して共通に設けられている。この高比抵抗体31dの表面には高不純物濃度のn+ 型半導体からなる複数個の円板状のキャリア捕獲層32dが平面的に配置されている。これら各キャリア捕獲層32dは高比抵抗体31dに接してL−H接合を形成しており、各キャリア捕獲層32dの相互間は、このL−H接合に蓄積する少数キャリアの蓄積状態が相互に影響を及ぼし合う距離だけ離れている。また、高比抵抗体31dの反対側表面にはp+ 型半導体からなる少数キャリア注入用のキャリア注入層33dが各キャリア捕獲層32dに共通に設けられている。同図で一点鎖線で囲まれているキャリア捕獲層32dは共通の高比抵抗体31dおよびキャリア注入層33dと共に1つの単位セルを構成している。従って、本実施例においても、単位セルの構造はp+ nn+ 構造のコンダクタンストランジスタになっている。
【0069】
キャリア注入層33dには負荷抵抗45を介してオフセット設定用の電圧源46が接続されている。この一対の負荷抵抗45および電圧源46は各セルに共通に設けられており、負荷抵抗45を通じ、電圧源46からキャリア注入層33dに各L−H接合のしきい値を越えない程度の外部電圧が印加されている。この電圧印加により、初期的なキャリア注入量に一定のオフセット量が各セル共通に予め持たせられる。また、各セルの周囲の高比抵抗体31d表面には高不純物濃度のn+ 型半導体からなる十字形状のキャリア量制御層36が設けられている。このキャリア量制御層36は各L−H接合の四隅に位置しており、前述の第1実施例の場合と同様に電圧源37からの外部印加電圧に応じ、各L−H接合がオン状態に遷移するために必要な蓄積キャリア量が制御される。このキャリア量の制御により、L−H接合のしきい値そのものを外部から制御できる。なお、本実施例でもこのキャリア量制御層36を各セルの四隅に十字形に設けたが、必ずしもこのように形成する必要はなく、チップ上の各セルに対して均一な効果が与えられる位置および形状に形成されるものであればよい。
【0070】
また、オフセット設定用電圧源46からキャリア注入層33dへの電圧印加は基板裏面に形成された配線電極47を介して行われる。また、キャリア量制御電圧源37から各キャリア量制御層36への電圧印加は配線電極39を介して行われる。また、キャリア捕獲層32dに現れる信号は円形状に形成された配線電極40を介して外部に出力される。
【0071】
本実施例の場合には、キャリア注入層33dに個別に電気信号を入力する必要はないので、キャリア注入層33dは高比抵抗体31dを挟んでキャリア捕獲層32dとは反対側に積層された構造になっている。このため、配線処理が非常に簡単になるという利点を有している。つまり、しきい値制御用のキャリア量制御層36およびキャリア捕獲層32dによる基板表面の段差部分は、実際にはシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等からなる絶縁膜によって覆われている。よって、チップ上面の電極配線を図に示す形状にすることにより、前述の第1実施例のチップ構造に見られる2層配線プロセスを行う必要がなくなる。
【0072】
このような半導体バルク結合型素子41dを用いて構成されたこの第5実施例による信号相関処理装置も、前述の第2実施例における信号相関処理装置と同様に動作する。つまり、図9に示すように、直線的または平面的な強度分布を有する光パターン61が半導体バルク結合型素子41dの表面に直接入射される。この信号入力によって行われた相関処理結果は、信号抽出回路43によって各キャリア捕獲層32aから各セル毎に個別に外部電気信号として取り出される。
【0073】
このように本実施例においても、チップ上の全てのセルは共通のn型半導体層である高比抵抗体31dを通じ、セル間の距離に応じた強さでお互いに影響し合っているので、実際にはより広い領域を対象とした相関処理が行われる。従って、本実施例においても、素子を構成するセルどうしが自ら影響を及ぼし合うことにより、入力パターンに対する平滑化や輪郭強調等の前処理が半導体バルク結合型素子内部において機能的に行われ、上記実施例と同様な効果が奏される。
【0074】
次に、本発明の第6の実施例による信号相関処理装置について説明する。
【0075】
図15はこの第6の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子41eの基本的な構造を示しており、同図(a)は平面図,同図(b)は断面図を表している。なお、同図において、図14と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0076】
この第6実施例における半導体バルク結合型素子41eでも、キャリア注入層33dが高比抵抗体31dを挟んでキャリア捕獲層32dと反対側表面に形成されている。第5実施例と異なる点は、キャリア注入層33d上に各セル毎に個別に、同じ導電型でよりキャリア濃度の高い個別キャリア注入層71が形成されている点である。この個別キャリア注入層71の存在により、各セル間のクロストークが抑制される。本発明による半導体バルク結合型素子は、直線的または平面的に配置された各コンダクタンストランジスタが共通の高比抵抗半導体を通じて相互作用しているものであり、各々のコンダクタンストランジスタは、それぞれが個別の素子として動作しつつ、周囲のプラズマ状態の広がりによって結合し合っていなければならない。しかるに隣接するセル間の電流経路においては、極力クロストークが生じないようにしなければならない。個別キャリア注入層71は共通のキャリア注入層33dに比べて高キャリア濃度を有すると共に、直ぐ上にあるキャリア捕獲層32dとの距離を短くした幾何学的構成の効果によって、セル間の電流クロストークを最小限に抑えることができる。
【0077】
このような半導体層の凹凸パターンの埋め込み平坦化には、液相結晶成長法 (LPE)法が有効である。まず、第1回目の結晶成長によって共通のキャリア注入層33d上により不純物濃度の高い同じ導電型の層を形成する。次に、選択エッチング法により、成長した層を各セル毎のブロックパターンに加工し、個別キャリア注入層71を形成する。その後、第2回目の結晶成長をLPE法によって行うことにより、高比抵抗層31dの結晶成長過程において個別キャリア注入層71の凹凸パターンは平坦化される。続けて、キャリア捕獲層32dの結晶成長と選択エッチング法により、素子の半導体構造が完成する。
【0078】
共通のキャリア注入層33dと個別キャリア注入層71とのキャリア濃度の差は、望ましくは1桁程度かそれ以上ある方が良く、電流が必ず個別キャリア注入層71を通じて流れるようにすることで、隣接するコンダクタンストランジスタ間の電流クロストークを最小限に抑えることが可能になる。
【0079】
次に、本発明の第7の実施例による信号相関処理装置について説明する。
【0080】
図16はこの第7の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子41fの基本的な構造を示しており、同図(a)は平面図,同図(b)は断面図を表している。なお、同図において、図14と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0081】
本実施例では、半導体バルク結合型素子41fに用いる半導体材料として直接遷移型半導体材料が用いられている。つまり、高比抵抗体31f,キャリア捕獲層32f,キャリア注入層33fおよびキャリア量制御層36fは直接遷移型半導体材料から形成されている。また、各キャリア捕獲層32fは配線電極40fによって共通電位に接続されている。従って、この第7実施例においては、注入されたキャリアの再結合によってオン状態のセルを発光させることができる。これにより、入力された光パターンに対してリアルタイムに処理が行え、相関処理結果を同様に光パターンによって出力させることが可能となる。
【0082】
図17はこの半導体バルク結合型素子41fを用いて構成された本発明の第7の実施例による信号相関処理装置の概略構成を示す図である。このような信号相関処理装置によれば、チップの上面から入力された光パターン61は、チップ内でしかるべき相関処理が施された後、チップの裏側から図示のように光パターン61aがそのまま出力される。従って、この第7実施例では電気信号を出力するために必要とされる信号抽出回路は不要となり、各セルからの電気出力を個別に配線する必要がなくなる。また、このように半導体バルク結合型素子41fの表面から入射された信号がその裏面から出射される構造の方が、システム全体の構成上好ましいことが多い。
【0083】
図18は本発明の第8の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子41gの基本構造を示しており、第7実施例に用いた半導体構造を持っている。同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。なお、同図において図16と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0084】
L−H接合部分の高比抵抗体31fおよびキャリア捕獲層32fはGaAs半導体材料によって形成されている。また、窓層となる基板裏面のキャリア注入層33fは出射光の波長に対して透明な材料で形成されている。つまり、キャリア注入層33fはGaAsよりエネルギ−バンドギャップの大きなGaAlAs半導体材料で形成されている。このキャリア注入層33fはガラス等の透明な材質からなる基板62上に固定されており、キャリア注入層33f裏面周囲に形成された配線電極47は外部電極63を介して負荷抵抗45に接続されている。また、キャリア捕獲層32f上に設けられる配線電極40およびキャリア注入層33f上に設けられる配線電極47は、光の透過を妨げないよう、同図に示すようにこれら各層の周辺に設けるか、またはITO(Indium-Tin-Oxide) 等の透明電極を用いて形成される。
【0085】
このような構造の半導体バルク結合型素子41gを用いて図17に示すごとく信号相関処理装置を構成すれば、透過型の光パターン処理に適した信号相関処理装置を実現することができる。なお、第7および第8の実施例では、光パターン61は半導体バルク結合型素子41fのキャリア捕獲層32fの形成表面側に入射させたが、これとは逆に、キャリア注入層33fの形成された裏面側から入射し、表面側に光パターン61aを出力する構成としても本質的には構わない。
【0086】
また、基本単位セルであるコンダクタンストランジスタは前述のように電流制御型の負性抵抗素子であるため、上記各実施例でも、キャリア注入層33への電流経路中に設けた負荷抵抗45の抵抗値を、入射光を遮断した後でも、L−H接合のオン状態が保持されるような値に設定することにより、負性抵抗特性を利用した入力データの記憶動作が行える。以上のリアルタイムの光入出力処理並びに記憶動作は、パターンの超並列演算や光コンピューティング等へのさらに幅の広い応用が可能となる。
【0087】
また、上述した各実施例においても、L−H接合にキャリアを効率良く蓄積するために、図3に示すように、高比抵抗体31とキャリア捕獲層32とで形成されるn−n+ 接合の間にp型半導体層44を挟んだ構造にしても良い。
【0088】
また、上述した各実施例における半導体バルク結合型素子41の構造はキャリア捕獲層32およびキャリア量制御層36を高比抵抗体31a上に積層した構造としたが、図4に示す構造のように、共通の高比抵抗体31の内部にその一部または全部を埋め込む構造にしても良い。さらに、このような構造において、高比抵抗体31とキャリア捕獲層32とで形成されるL−H接合の間に図3に示す構造と同様にp型半導体層を挟み、単位セルの構造をp+ npn+ 構造としても良い。
【0089】
また、上述した各実施例に示す半導体バルク結合型素子を構成する各層の導電型をそのまま反転させても基本動作上は構わない。
【0090】
このような上記各実施例による信号相関処理装置によれば、特に入力データに対する平滑化(ノイズ除去)や輪郭強調等の前処理を行う人工網膜に応用することが可能である。また、2次元光パターン信号を用いた超並列光演算装置の入出力素子としての応用にも最適であり、2次元光パターン演算処理用装置の提供が可能となる。また、前述したようにこれら各実施例によれば、各セル間の演算は半導体内部のバルク結合、具体的にはプラズマ結合効果を利用することにより、セル間の複雑な電極配線を必要としなくなる。よって、チップの作製が非常に簡単になり、このため、作製コストの大幅な削減をすることが可能となる。特に、直接遷移型半導体材料を用いた、光入力・光出力構成の場合には、電極は各セルに共通のバイアス電圧用配線だけで済むため、作製コストをさらに大幅に削減することが可能となる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、L−H接合からなるセルを直線的または平面的に近接して配置する素子構造を採用し、あるセルがオン状態に遷移すると、このオン状態が、各セルに共通の高比抵抗体を通じ、近接する他のセルのスイッチング特性に影響を及ぼす特性が信号相関処理に用いられている。従って、スイッチング特性に関する各セル間のこの相互作用によって入力信号間の相関処理が同時に並列して行われ、半導体バルク内において入力信号の信号相関処理が高速に行われることになる。
【0092】
また、セルは隣接するセルのみに影響を及ぼすのではなく、共通の半導体層である高比抵抗体を通じて広範囲のセルと結合している。よって、抵抗成分をマトリクス状に配置した従来のビジョンチップと類似の機能が果たせるが、電極配線数を大幅に削減することが可能となる。よって、チップ作製が極めて容易になるまた、本発明においてはセル間の結合の仕方に自由度が高くなることから、ビジョンチップに比べてより細かな処理を行わせることができる。
【0093】
また、半導体材料としてGaAsやGaAlAs等の直接遷移型半導体を用いることにより、オン状態のセルを発光させることが可能になる。よって、信号相関処理結果を光信号によって出力できるようになる。このため、例えば、画像を入力し、平滑化等の相関処理を施した画像をリアルタイムで出力することが可能になる。
【0094】
また、キャリア注入層への電流経路中に負荷抵抗を設け、L−H接合のオン状態が信号入力遮断後にも保持されるようにすることにより、負性抵抗特性を利用した入力データの記憶動作を行わせることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子を示す平面図および断面図である。
【図2】図1に示された半導体バルク結合型素子を用いて構成された第1の実施例による信号相関処理装置を示す図である。
【図3】半導体バルク結合型素子の第1変形例を示す断面図である。
【図4】半導体バルク結合型素子の第2変形例を示す断面図である。
【図5】L−H接合の基本的な電流電圧特性を示すグラフである。
【図6】第1実施例による信号相関処理装置を用いた相関処理のデータ処理過程を示す図である。
【図7】第1実施例による信号相関処理装置におけるセル間の相互の影響を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子の平面図および断面図である。
【図9】図8に示される半導体バルク結合型素子を用いて構成された第2実施例による信号相関処理装置を示す斜視図である。
【図10】本発明の第3の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子の平面図および断面図である。
【図11】図10に示される半導体バルク結合型素子を用いて構成された第3実施例による信号相関処理装置を示す斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子の平面図および断面図である。
【図13】図12に示される半導体バルク結合型素子を用いて構成された第4実施例による信号相関処理装置を示す斜視図である。
【図14】本発明の第5の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子の平面図および断面図である。
【図15】本発明の第6の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子の平面図および断面図である。
【図16】本発明の第7の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子の平面図および断面図である。
【図17】図16に示される半導体バルク結合型素子を用いて構成された第7実施例による信号相関処理装置を示す斜視図である。
【図18】本発明の第8の実施例による信号相関処理装置に用いられる半導体バルク結合型素子の平面図および断面図である。
【図19】第1の従来技術による信号相関処理装置を示す斜視図である。
【図20】第2の従来技術による信号相関処理装置を示す斜視図である。
【図21】第3の従来技術による信号相関処理装置を示す斜視図である。
【図22】第4の従来技術による信号相関処理装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
31…高比抵抗体、32,44…キャリア捕獲層、33,71…キャリア注入層、34,45…負荷抵抗、35,46…少数キャリア注入用電圧源、36…キャリア量制御層、37…キャリア量制御電圧源、38,39,40,47…配線電極、41…半導体バルク結合型素子、42…信号入力回路、43…信号抽出回路、61…光パターン、62…透明基板、63…外部電極。

Claims (16)

  1. 低不純物濃度の第1導電型半導体からなる高比抵抗体,この高比抵抗体に接して形成されるLH接合に蓄積する少数キャリアの蓄積状態が相互に影響を及ぼし合う距離だけ離れて前記高比抵抗体表面に直線的または平面的に配置された高不純物濃度の第1導電型半導体からなる複数個のキャリア捕獲層,およびこれら各キャリア捕獲層に隣接する前記高比抵抗体表面に配置された第2導電型半導体からなるキャリア注入層を有する半導体バルク結合型素子と、
    前記各キャリア注入層に個別に外部電気信号を同時に入力する信号入力手段と、
    この外部電気信号入力によって前記各L−H接合間において行われる相関処理結果を前記各キャリア捕獲層から個別に取り出す信号抽出手段とを備えて構成される半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  2. 低不純物濃度の第1導電型半導体からなる高比抵抗体,この高比抵抗体に接して形成されるLH接合に蓄積する少数キャリアの蓄積状態が相互に影響を及ぼし合う距離だけ離れて前記高比抵抗体表面に直線的または平面的に配置された高不純物濃度の第1導電型半導体からなる複数個のキャリア捕獲層,およびこれら各キャリア捕獲層に隣接する前記高比抵抗体表面に配置された第2導電型半導体からなるキャリア注入層を有する半導体バルク結合型素子と、
    直線的または平面的な強度分布を有する光パターンの入力によって前記各L−H接合間において行われる相関処理結果を前記各キャリア捕獲層から個別に取り出す信号抽出手段とを備えて構成される半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  3. 前記キャリア注入層への電流経路中に設けられ、前記L−H接合のオン状態が信号入力遮断後に保持されるべき抵抗値を有する負荷抵抗を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  4. 前記半導体バルク結合型素子の前記高比抵抗体と前記キャリア捕獲層との間に第2導電型の半導体層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  5. 前記半導体バルク結合型素子の前記キャリア捕獲層および前記キャリア注入層は、前記高比抵抗体上に積層して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  6. 前記半導体バルク結合型素子の前記キャリア捕獲層および前記キャリア注入層は、その全部または一部が前記高比抵抗体の固体内に埋め込まれて形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  7. 前記L−H接合周囲の前記高比抵抗体に設けられた高不純物濃度の第1導電型半導体からなり、前記L−H接合がオン状態に遷移するために必要な蓄積キャリア量を外部印加電圧に応じて制御するキャリア量制御層を前記半導体バルク結合型素子に備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  8. 前記高比抵抗体,前記キャリア捕獲層および前記キャリア注入層は、直接遷移型半導体材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  9. 低不純物濃度の第1導電型半導体からなる高比抵抗体,この高比抵抗体に接して形成されるL−H接合に蓄積する少数キャリアの蓄積状態が相互に影響を及ぼし合う距離だけ離れ て前記高比抵抗体表面に直線的または平面的に配置された高不純物濃度の第1導電型半導体からなる複数個のキャリア捕獲層,および前記高比抵抗体の反対側表面に前記各キャリア捕獲層に共通に設けられた第2導電型半導体からなるキャリア注入層を有する半導体バルク結合型素子と、
    直線的または平面的な強度分布を有する光パターンの入力によって前記各L−H接合間において行われる相関処理結果を前記各キャリア捕獲層から個別に取り出す信号抽出手段とを備えて構成される半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  10. 前記各L−H接合がオン状態に遷移しない範囲で前記キャリア注入層から前記各L−H接合に少数キャリアを供給して前記各L−H接合に共通のオフセットを与えるオフセット設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  11. 前記キャリア注入層への電流経路中に設けられ、前記L−H接合のオン状態が信号入力遮断後に保持されるべき抵抗値を有する負荷抵抗を備えたことを特徴とする請求項9記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  12. 前記半導体バルク結合型素子の前記高比抵抗体と前記キャリア捕獲層との間に第2導電型の半導体層が形成されていることを特徴とする請求項9記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  13. 前記半導体バルク結合型素子の前記キャリア捕獲層は前記高比抵抗体上に積層して形成されていることを特徴とする請求項9記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  14. 前記半導体バルク結合型素子の前記キャリア捕獲層はその全部または一部が前記高比抵抗体の固体内に埋め込まれて形成されていることを特徴とする請求項9記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  15. 前記L−H接合の周囲に設けられた高不純物濃度の第1導電型半導体からなり、前記L−H接合がオン状態に遷移するために必要な蓄積キャリア量を外部印加電圧に応じて制御するキャリア量制御層を前記半導体バルク結合型素子に備えたことを特徴とする請求項9記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
  16. 前記高比抵抗体,前記キャリア捕獲層および前記キャリア注入層は、直接遷移型半導体材料からなることを特徴とする請求項9記載の半導体バルク結合型素子を用いた信号相関処理装置。
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