JP3841800B2 - フィルムベースの液漏れセンサー及びその作成方法 - Google Patents
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Description
本発明は透析,点滴,汚物などの液漏れを感知し、これを看護士など、サポーターに知らせ、労力の軽減を図る液漏れセンサー及び及びその作成方法に関するものである。
幼児や介護の必要な老人が排尿したことを検知し、これを看護士など、周りの者に報知して、この労力を軽減するための尿検査装置として、従来、布又は紙などの吸水材の表面又は内部に一対の導電線を所定の間隔をあけて平行に配置した検知部と、尿による導電線間の導通に応じて報知灯を点灯させたり、報知ブザーを鳴らす等の報知を行う装置が実用に供されてきた。
ところが、この装置は吸水材が濡れることによる電極間の電気抵抗の低下が僅かであるため、電圧を高くする必要があり、危険性を高めるのでその後、種々改良が加えられ、例えば所定濃度の食塩水を噴霧し、又は所定濃度の食塩水に浸漬した紙で2本の細い導線を平行に並んで挟み込んだものを乾燥させて尿により濡れた際に電極間に確実に電気が流れるようにし、尿の検知性能を向上すると共に、電極間に印加する電圧を低く設定することを可能ならしめた尿検知部等が提案されている。(例えば特許文献1参照)
しかし、上記の各尿検出装置は、幼児や要介護老人の排尿の検知が主たる目的で、透析や点滴の液漏れについては殆ど開示しておらず、通常、透析や点滴の液漏れは一般にラミネート紙の上に銀ベースで四角に作り印刷したものが用いられているにすぎなかった。
しかし、上記の各尿検出装置は、幼児や要介護老人の排尿の検知が主たる目的で、透析や点滴の液漏れについては殆ど開示しておらず、通常、透析や点滴の液漏れは一般にラミネート紙の上に銀ベースで四角に作り印刷したものが用いられているにすぎなかった。
また、上記ラミネート紙利用のセンサーは、銀ベースのため、高価で大量生産に適さない難があった。
そこで、本発明者は上述の如き実状に対処し、特にアルミ箔とフィルムとのUVレジューサー(紫外線吸収硬化インキ)を介しての組み合わせを見出すことにより、透析,点滴時の液漏れセンサーとして合成樹脂フィルム上にUVレジューサー(紫外線吸収硬化インキ)を糊として密着固定されたアルミ箔による回路パターンを形成すると共に、その上面にUVレジューサーで印刷された星型ドット面を介して塩分を含む澱粉糊をパターン印刷し、かつ該パターン印刷を薄葉紙を介してペーパータオルで被覆せしめたセンサーを提案した。(特願2004−68823号)
特許第3274130号公報
ところが、上記提案に係るセンサーは、塩分を含む澱粉糊がパターン印刷されているため、塩分の混入した糊がアルミ回路にくっつき、アルミ回路に通電すると塩が電気を帯びて蓄電し、電圧が低下して充分な検知機能を示さず、電圧感知による警報機の作動の安定性を損なうことが分かった。
また、塩分を含むため、これがアルミと接触すると、アルミが腐食を起こすことも懸念された。
本発明は上述の如き実状に対処すべく、さきに提案したセンサーに改良を加え、特に澱粉層で塩分とアルミ回路を分けることにより、アルミ回路センサーの誤作動の回避と、長期通電による塩分の蓄電のための誤作動を防止し、透析,点滴時の液漏れを高精度で感知せしめることを目的とするものである。
即ち、上記目的を達成するための本発明液漏れセンサーは、合成樹脂フィルム上にUVレジューサーを糊として密着固定されたアルミ箔による回路パターンを有し、該回路パターンは回路内で黒鉛による抵抗部分が形成され、かつその上面に黒型ドットパターン糊を介して、塩層を澱粉と紙で挟んだ塩紙の澱粉層が保持され、一体化されて、澱粉層で塩分とアルミ回路を分けていると共に、紙表面に不織布,ペーパータオルなどの保護布が貼着されているフィルムベースの液漏れセンサーである。
請求項2は上記回路パターンの端子接続部と黒鉛による抵抗部分が上下対象に設けられ、かつ端子接続部に切り込みを形成して左右勝手違いにしたことを特徴とするフィルムベースの液漏れセンサーである。
また、請求項3は上記センサーの作成法であり、合成樹脂フィルムにコロナ処理を施し、回路パターンを作った版でUVレジューサーをオフセット印刷すると共に、即その面にアルミ箔を密着させ、フィルム側からUV照射し、UVレジューサーを糊としてパターンを固着させる工程,回路の外周をカットし、回路以外の部分を剥ぎ取り、余分なアルミ箔は回収する工程、フィルム上の回路内に抵抗部分を黒鉛をウレタン溶剤でパット印刷して形成する工程、嵩高の薄紙に食塩水を付け、乾燥して塩紙を形成し、塩の多い面に半乾きの澱粉を圧着して澱粉と紙で塩層を挟んだ紙を形成して、該紙をその澱粉層を前記フィルム上の回路面上に保持してドットパターン糊で一体化する工程及び塩分が薄紙の表面に染み出してくるのを保護するための不織布,ペーパータオルなど、保護布とドットパターン糊で貼り裁断仕上げする工程の各工程よりなることを特徴とする。
請求項4は上記作成法において、裁断仕上げした後、更に紫外線や赤外線で滅菌し、密封封緘することを特徴とするものである。
しかして、上記解決手段の作用は、先ず、UVレジューサーの使用によりフィルムとアルミ箔はUV照射により糊状となった該UVレジューサーの硬化によって瞬時に乾燥固着することができると共に、フィルムのコロナ処理による凹凸によって互いに糊が入り込み、より固着性を高める。
また、星型のドット印刷面を介して澱粉と紙で塩層を挟んだ紙の澱粉糊を保持することにより澱粉糊の層の厚さを均一にすることができると共に、接着力を増大することができる。
更に、澱粉層で塩分とアルミ回路を分けていることによって澱粉層が塩層に電気を送ることがなく、従って塩層に蓄電がなされることがないため、設定電流が流れ、電圧が一定となり、水が入り澱粉と塩層が溶けると、上記設定電流が流れてアルミセンサーの誤作動および塩層の蓄電による誤作動を防止し、液漏れを確実に精度よく感知せしめる。
また、上記澱粉層で塩分とアルミ回路を分けたことにより空気中の湿度や少量の汗を感知せず、1cc以上の大量の水分のみに反応する。
請求項2の如く、切り込みと黒鉛印刷を上下対象とすることにより腕に対し平行,垂直どちらにも設定でき、左右勝手違いを作ることができる。
更にペーパータオルなどで被覆したことにより、もれた血液が広がり、感知効率よくすると共に、塩分が薄い紙の表面に染み出て肌当たりを悪くするのを防止する。
本発明は上述したように、UVレジューサーを糊として使用し、また澱粉層保持のため星型のドット印刷を行い、更に抵抗部分に対し黒鉛を印刷し通電せしめたことにより、澱粉層の厚さの均一化が達成され、透析,点滴時の液あるいは血液の漏れ検出効果の精度を良好ならしめると共に、特に塩層を澱粉紙で挟んだ塩紙を使用し、澱粉層で塩分とアルミ回路を分けているので、アルミセンサーの誤作動を回避し、長期通電による塩分の蓄電のための誤作動も防止でき、より一層、検出効果を高めることができる。
しかも、フィルムとアルミ箔の組み合わせを容易として安価に、かつ大量製造を可能とする顕著な効果を有する。
以下、本発明の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1から3は本発明に係るセンサーの作成法を順次的に示したものである。
先ず、本発明はセンサーの作成にあたり、図1に示すPET,PPなどの合成樹脂フィルム1にコロナ処理を施し、UVレジューサーを、回路パターンを作った版でオフセット印刷し、即その面にアルミ箔2を密着させ、フィルム側から紫外線照射し、UVレジューサーを糊状としてパターンを固着させる。
なお、UVレジューサーは紫外線吸収硬化インキの1種であり、紫外線照射により硬化し、一瞬にして固着する。
このとき、アルミ箔面に若干の凹凸が入り込んで硬化することにより密着固着性を高める。
次に上記フィルム1とアルミ箔回路2が固着したものに対し、回路の外周をダイカットロール刃でハーフカットし、回路以外の部分を空気を使って剥ぎ取り、余分なアルミ箔は回収し、再生処理へ送付する。
そして、回路以外の部分が剥ぎ取られたフィルム1とアルミ箔2は、フィルムの回路内に抵抗部分3として断線,電圧不足を知らせるため黒鉛をウレタン溶剤でパット印刷(抵抗値の安定と切断回避)又はUVインキで混ぜた油性黒鉛をオフセット印刷し通電をさせると共に、センサーの端子4を縦横どちらからでも接続し易くするためのL字型切り込み4´をフィルムに入れる。
以上のようにして、上記の操作が終わると、液分の反応するためのセンサー本体を形成するため、嵩高の薄紙に食塩水をつけ、ドライヤー乾燥して塩紙を作成し、塩分の多い面に澱粉の半乾きのものを圧着し、澱粉と紙で塩層を挟んだ紙5を作成する。
そして、接着力の増大と厚さを均一化するため図2に示す角付の星型形状ドット印刷を行って、このドットパターン糊6で前記フィルム上に上記塩紙を固着保持させる。
星型のドット印刷は上部より圧力をかけたとき、星型の厚みが残り、澱粉層を保持して上記接着力の増大と糊層の厚さの均一化に好適である。
なお、塩層を澱粉と紙で挟んだ塩紙の使用は、澱粉層で塩分とアルミ回路を分けるためであり、これによりアルミセンサーと塩分との接触によって起こるアルミの腐蝕などによる誤作動が回避されると共に、塩分の蓄電による電流の不安定ならびに電圧低下などによる誤作動防止に有効である。
なお、塩紙形成のための塩分は通常、食塩水を使用することができ、その付着には薄紙を食塩水に浸漬するか、あるいは噴霧せしめる方法を用いることができるる
そして、次に上記塩紙をフィルム上に固着した後は、吸水性に優れた、破れにくい薄い紙、例えば和紙を貼り、高温乾燥させるが、塩分が薄い紙の表面に染み出てくるので肌触りのよい不織布,ペーパータオルなどの柔軟吸水材からなる保護布7をフィルムよりやや大きめにして使用時、腕に接する部分にパターン糊その他の糊を用いて貼着し、裁断仕上げする。
そして、次に上記塩紙をフィルム上に固着した後は、吸水性に優れた、破れにくい薄い紙、例えば和紙を貼り、高温乾燥させるが、塩分が薄い紙の表面に染み出てくるので肌触りのよい不織布,ペーパータオルなどの柔軟吸水材からなる保護布7をフィルムよりやや大きめにして使用時、腕に接する部分にパターン糊その他の糊を用いて貼着し、裁断仕上げする。
なお、不織布で手を切らぬよう周囲を大きい波型に抜くことが好ましい。
得られたフィルムとアルミ箔によるセンサーはその後、紫外線や赤外線で滅菌し、密封封緘し完成させる。
以上のようにして完成されたセンサーは、最終的に、合成樹脂フィルム1上にUVレジューサーを糊として密着固定されたアルミ箔2による回路パターンを有してなり、該パターンは回路内で油性黒鉛による抵抗部分3が形成されていると共に、その上面にUVレジューサーで印刷された星型ドット面6を介して塩層を澱粉と紙で挟んだ塩紙5が固着一体化されており、かつ該パターン印刷は薄葉紙を介してペーパータオルで被覆されている構成となっている。
かくして得られた上記センサーは端子4を報知部(図示せず)と接続することにより透析,点滴などにおいて液漏れが起こると塩層を澱粉と紙で挟んだ塩紙が使用されていることにより澱粉と塩層が溶け感知して抵抗部分3を介して印加される電圧が低下して報知部に報知してランプを点灯させたり、ブザーを鳴らす等の報知動作を行う。
なお、端子接続時に、わに口が腕に対し平行,垂直どちらにも設定可能であり、肌に端子が触れないように設定されている。
1:フィルム
2:アルミ箔
3:抵抗部分
4:端子
5:塩紙
6:ドット部
7:ペーパータオル(保護布)
2:アルミ箔
3:抵抗部分
4:端子
5:塩紙
6:ドット部
7:ペーパータオル(保護布)
Claims (4)
- 合成樹脂フィルム上にUVレジューサーを糊として密着固定されたアルミ箔による回路パターンを有し、該パターンは回路内で黒鉛による抵抗部分が形成され、かつ、その上面に星型ドットパターン糊を介して塩層を澱粉と紙で挟んだ塩紙の澱粉層が保持され、一体化されて、澱粉層で塩分とアルミ回路を分けていると共に、紙表面に不織布,ペーパータオルなどの保護布が貼付されていることを特徴とするフィルムベースの液漏れセンサー。
- 回路パターンの端子接続部と黒鉛による抵抗部分が上下対象に設けられ、かつ端子接続部に切り込みが形成されている請求項1記載のフィルムベースの液漏れセンサー。
- 合成樹脂フィルムにコロナ処理を施し、回路パターンを作った版でUVレジューサーをオフセット印刷すると共に、即その面にアルミ箔を密着させ、フィルム側からUV照射し、UVレジューサーを糊としてパターンを固着させる工程、回路の外周をカットし、回路以外の部分を剥ぎ取り、余分なアルミ箔は回収する工程、フィルム上の回路内に抵抗部分を黒鉛をウレタン溶剤でパット印刷して形成する工程、嵩高の薄紙に食塩水を付け、乾燥して塩紙を形成し、塩の多い面に半乾きの澱粉を圧着して澱粉と紙で塩層を挟んだ紙を形成して、該紙をその澱粉層を前記フィルムの回路面上に保持してドットパターン糊で一体化する工程、及び塩分が薄紙の表面に染み出てくるのを保護するために不織布,ペーパータオルなど、保護布をドットパターン糊で貼り裁断仕上げする工程の各工程よりなることを特徴とするフィルムベースの液漏れセンサーの作成法。
- 保護布をドットパターン糊で貼り、裁断仕上げした後、紫外線や赤外線で滅菌し、密封封緘する請求項3記載のフィルムベースの液漏れセンサーの作成法。
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