JP3841528B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は硬化性に優れ、硬化物中に塩素イオン等のイオン性不純物の発生が少ない半導体封止材用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子の封止はエポキシ樹脂によるトランスファ成形が一般的であり、なかでもノボラック型エポキシ樹脂とノボラック型フェノール樹脂を使用する系が主流である。
この場合の硬化促進剤としてはトリフェニルホスフィン、2−メチルイミダゾールあるいは1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン(DBU)が使用されることが多い。
このような半導体封止材用エポキシ樹脂組成物に対しては、生産性向上の点から成形工程の短縮化、すなわち速硬化性が求められている。
またその硬化物については、絶縁性不良や回路の腐蝕の原因となる塩素イオン等のイオン性不純物が少ないことが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ノボラック型フェノール等のフェノール樹脂、トリフェニルホスフィン、2−メチルイミダゾールあるいはDBU等の硬化促進剤及び無機質充填剤から成るエポキシ樹脂組成物は、硬化速度が充分ではなく、さらに硬化物中の塩素イオン等のイオン性不純物が多く、絶縁性不良によるリーク電流や回路の腐蝕による断線を生じるという欠点があった。
硬化速度の向上の点に関しては主に硬化促進剤について、またイオン性不純物低減に関してはエポキシ樹脂、フェノール樹脂及び硬化促進剤について検討がなされている。
【0004】
例えば、硬化促進剤としてトリアルキルホスフィンのテトラフェニルボレートを用いることにより、硬化性を向上させようとするものが特開昭62−149721号公報、また特定の組成のエポキシ樹脂組成物を用いて、硬化物の信頼性を向上させようとするものが、特開平8−245762号公報に開示されているけれども、必ずしも満足し得る状態に改善されているとはいえない。
この発明は硬化性に優れ、且つ信頼性の点から有害な塩素イオン等のイオン性不純物の発生が少ない硬化物を与え得る、半導体封止材用途として有用なエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、特定の硬化促進剤を用いることによって、硬化性に優れ且つ硬化物中に塩素イオン等のイオン性不純物の発生量が少ないエポキシ樹脂組成物が得られることを見い出し、本発明を完成したものである。
【0006】
すなわち、この発明はエポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤及び無機質充填剤を必須成分として含有するエポキシ樹脂組成物において、硬化促進剤として下記一般式で示される1,2−アルキレンベンズイミダゾール化合物を配合したことを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0007】
【化3】
(式中、R1 及びR2 は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基あるいはハロゲン原子を表わし、nは2ないし5の整数を示す)
【0008】
さらに本発明は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤及び無機質充填剤を必須成分として含有するエポキシ樹脂組成物において、硬化促進剤として前記一般式で示される1,2−アルキレンベンズイミダゾール化合物を、全体の樹脂組成物に対して0.002〜2.0重量%の割合で配合することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において使用されるエポキシ樹脂は、一般にエポキシ樹脂として使用されているものであれば、いかなるものでもよい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等の1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂があげられ、これらの群より選ばれる1種もしくは2種以上のものが使用される。
【0010】
前記エポキシ樹脂は、塩素イオンの含有量が0.1重量%以下のものであることが好ましい。
また、エポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂を使用することが好ましく、とりわけ、エポキシ当量170〜300を有するノボラック型エポキシ樹脂を使用することによって、優れた特性を有する硬化物が得られる。
【0011】
本発明において使用されるフェノール樹脂は、一般にフェノール樹脂として使用されているものであればいかなるものでもよいが、ノボラック型フェノール樹脂を使用することが好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert―ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂などがあげられ、これから選ばれた1種、もしくは2種以上のものが使用される。
フェノール樹脂の配合量は、エポキシ樹脂のエポキシ基当量との関係から適宣選択することが望ましく、エポキシ基に対するフェノール性水酸基の当量比が0.5〜1.5の範囲内にあることが好ましい。当量比が0.5未満、あるいは1.5を超えるといずれも反応が充分進行せず、硬化物の特性が低下する。
【0012】
本発明において硬化促進剤として使用される1,2−アルキレンベンズイミダゾール化合物の具体的なものとして、1,2−エチレンベンズイミダゾール、6−メチル−1,2−エチレンベンズイミダゾール、6−フルオロ−1,2−エチレンベンズイミダゾール、1,2−トリメチレンベンズイミダゾール、6−メチル−1,2−トリメチレンベンズイミダゾール、5−メチル−1,2−トリメチレンベンズイミダゾール、5,6−ジメチル−1,2−トリメチレンベンズイミダゾール、6−クロロ−1,2−トリメチレンベンズイミダゾール、5,6−ジクロロ−1,2−トリメチレンベンズイミダゾール、1,2−テトラメチレンベンズイミダゾール、4−エチル−1,2−テトラメチレンベンズイミダゾール、5−クロロ−4−メチル−1,2−テトラメチレンベンズイミダゾール、1,2−ペンタメチレンベンズイミダゾール、6−メチル−1,2−ペンタメチレンベンズイミダゾール、5,6−ジプロモ−1,2−ペンタメチレンベンズイミダゾール、5−イソプロピル−7−ヨード−1,2−ペンタメチレンベンズイミダゾールなどが挙げられる。
これらの化合物は、単独または2種以上を混合して使用することができ、また従来から知られているDBU等のアミン化合物やトリフェニルホスフィン等のリン化合物を併用しても差し支えない。
【0013】
前記硬化促進剤の配合割合は、全体の樹脂組成物に対して、0.002〜2.0重量%の範囲内にすべきである。
全体の樹脂組成物に対する硬化促進剤の配合割合が、0.002重量%未満の場合には硬化に時間がかかり過ぎて実用的でなく、また2.0重量%を超えると硬化物中に塩素イオンが多量に生成したり、硬化物の耐湿安定性が低下するなど硬化物の物性が悪化する。
【0014】
この発明において使用される無機質充填剤としては、例えば石英ガラス粉末、結晶性シリカ粉末、ガラス繊維、タルク、アルミナ粉末、珪酸カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末、硫酸バリウム粉末、マグネシア粉末などがあげられ、これから成る群より選ばれる1種もしくは2種以上のものが使用される。
これらのうちで石英ガラス粉末、結晶性シリカ粉末は、純度が高く低熱膨張係数を有することから好適である。
【0015】
このような無機質充填剤の配合量は、使用するエポキシ樹脂、フェノール樹脂及び無機質充填剤の種類によって適宣選択する必要があるが、例えば、トランスファ成形に使用する場合には、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の総量に対し、重量比で1.5〜4倍程度が好ましい。
また、無機質充填剤の粒径は、適宣選択して使用すればよく、粒子の粗いものと細かいものを組み合わせて混合することにより、成形性を改善できる。
【0016】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤としてのベンズイミダゾール化合物及び無機質充填剤を必須成分とするが、これら以外に天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド類、エステル類、パラフィン類などの離型剤、塩素化パラフィン、ブロムトルエン、ヘキサブロムベンゼン、三酸化アンチモンなどの難燃剤及びシランカップリング剤などを目的に応じ、適宣添加配合したものであってもよい。
【0017】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記の各成分から通常の方法を用いて調製することができる。
例えば、所定の配合量の各成分をミキサー等で混合後、加熱ロール、ニーダーまたは押出機によって溶融混合し、ついで冷却固化させ適当な大きさに粉砕して成形材料を得ることができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
なお、各例中の組成割合は、いずれも重量部で示したものである。
【0019】
〔実施例1〜10及び比較例1〜5〕
エポキシ樹脂100重量部、フェノール樹脂60重量部、硬化促進剤〔成分及び添加量(重量部)は、表1に示したとおり〕並びに無機質充填剤350重量部を室温で混合し、さらに95〜100℃の温度で混練、冷却した後、粉砕してエポキシ樹脂組成物を調製した。
これらの試験においては、エポキシ樹脂としてノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量190)、フェノール樹脂としてノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量117)、無機質充填剤として溶融シリカ粉末を用いた。
比較例1〜3では硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、DBU、2−メチルイミダゾールを使用した。
比較例4及び5では、硬化促進剤としての1,2−トリメチレンベンジルベンズイミダゾールをエポキシ樹脂組成物100重量部に対して、夫々0.0016重量%及び2.2重量%配合している。
【0020】
【表1】
【0021】
これらのエポキシ樹脂組成物について、ゲル化時間及び硬化物中のイオン性不純物量を測定したところ、その結果は表2に示したとおりであった。
なお、ゲル化時間及び硬化物中のイオン性不純物量の測定は以下の方法により行った。
(イ)ゲル化時間
実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物の硬化性を熱板ゲル化法(150℃)により測定した。
(ロ)硬化物中のイオン性不純物量
実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物を、170℃で5時間加熱硬化させて成形体を得た。成形体を粉砕したのち60メッシュの篩で分級し、通過した粉末4gを蒸留水15gと共にテフロン性の高圧容器(容量25ml)に入れ、180℃の温度で20時間加熱し、成形体中のイオン性不純分の抽出を行った。
このようにして得た抽出水について、電気伝導度及びイオンクロマトグラフィー法で塩素イオン量を測定した。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化性に優れ且つ塩素イオン等のイオン性不純物の発生が少ない硬化物を与えるので、半導体封止材用エポキシ樹脂として有用である。
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