JP3840967B2 - 高炉用焼結鉱原料の造粒方法 - Google Patents

高炉用焼結鉱原料の造粒方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高炉で使用される製鉄用原料としての焼成塊成鉱を製造するために、その原料である焼結鉱原料を焼結機に装入するに先だって、焼結機で焼成するのに適した焼結鉱原料の造粒物(擬似粒子)を調製するための適切な事前処理技術に関するものである。特に、焼結鉱原料が有する造粒特性に応じて、原料の配合条件や原料に添加するバインダー添加条件の適切化、あるいは焼結原料中の特に鉄鉱石の粒度分布の事前調整をすることにより、入荷原料に適した焼結鉱原料の事前処理技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
わが国の鉄鉱石資源の第一位は豪州鉱石であり、その比率は50%以上に達しており、第二位の南米鉱石の2倍以上に達している。豪州鉄鉱石は、フレートの優位性からも今後ますますその重要性は高まるものと考えられる。ところで、豪州鉱石の内訳をみると、残存埋蔵量の少ない粗粒低りんブロックマン鉱石の供給が今後ますます減少し、これに代わり高りんブロックマン鉱石や微粉マラマンバ鉱石が増加する方向に向かうとされている。このマラマンバ鉱石は比較的品位が高く、高微粉炭吹込み高炉の安定操業からのニーズの高い低シリカ焼結鉱の製造原料として優れている。しかしながら、その反面、マラマンバ鉱石は微粉比率が高く、しかも粒子間の付着力が弱く、難造粒性の原料であるとされている。
【0003】
一方、焼結操業における生産率の限界は、従来は焼結機に装入される焼結原料に添加されている粉コークスの燃焼速度に依存していた。当該焼結原料の形態は、一般に所定の焼結鉱原料に粉コークスが添加されて造粒された擬似粒子形態を有する。ところで、この擬似粒子形態の原料の焼結技術において最近、目覚しい技術改善がなされ、焼結原料中の粉コークスの燃焼速度が向上した。その結果、焼結操業における生産率の律速段階は、焼結原料中の粉コークスの燃焼速度から、焼結機における焼結ベッド内の通気性に移った。
【0004】
従って、上述したマラマンバ鉱石等の難造粒性原料を用いて、高生産性且つ高歩留の焼結操業を行なっていくためには、焼結ベッド内の通気性を改善することが重要な技術課題となる。
【0005】
そこで、本発明者は、難造粒性の微粉原料を多配合した焼結鉱原料を用いて、高生産性の焼結操業技術を開発することを本発明の目的とした。かかる観点から、焼結鉱原料の適切な造粒メカニズムを明確にし、造粒プロセスにおける適切な造粒モデルを開発し、当該造粒モデルに基づき、焼結操業における焼結鉱原料の事前処理方法の改善を試みることにした。
【0006】
上記観点から、先ず、従来の焼結鉱原料の造粒モデルを概観し、その問題点を明らかにした。
【0007】
これまでに提案されている焼結鉱原料の焼結に先立つ造粒処理プロセスのシミュレートに関する造粒モデルとして、例えば、鉄と鋼、73(1987),1932には、ディスクペレタイザーとドラムミキサー内での粉鉱石の造粒挙動を物質収支式で整理し、擬似粒子化はこれら造粒機内での総転動距離で決まるとし、また造粒特性に関してディスクペレタイザーの方がドラムミキサーよりも優れていることを明らかにしている(以下、先行技術1という)。ところが、先行技術1の造粒モデルは、その目的が主として造粒システムの設計に焦点が絞られており、実用の大型ドラムミキサーあるいはディスクペレタイザーの造粒現象を評価するモデルとはいい難い。
【0008】
一方、5th Int.Sympo.on Agglomeration,(1989),33には、ドラムミキサー内での擬似粒子の成長を核粒子の周りに付着粒子が被覆して粒径拡大が図られることを、ポピュレーションバランスモデルで解析しており、擬似粒子の粒径拡大には微粉粒子の粒径が重要な役割を果たすことを報告している(以下、先行技術2という)。先行技術2の造粒モデルは、粒度分布範囲の広い原料を対象としてその造粒現象を、数学的・実験的に明らかにしており、焼結鉱原料の事前処理工程での造粒現象を評価するのに適している。しかしながら、先行技術2では、もっぱら擬似粒子の成長は核粒子の表層に被覆粒子層が成長するものであると仮定しているので、微粉原料同士が合体し、粒子径が成長する所謂ペレットプロセス、あるいは微粉原料を多量に使用する所謂HPSプロセス(鉄と鋼、78(1992),1029参照)まで、先行技術2の造粒モデルの適用を拡大することが可能か否かについては明らかでない。また、通常の造粒工程においては、不完全に造粒された擬似粒子は一旦崩壊し、再度造粒に移行するが、先行技術2では、構成の現象はその造粒モデルからは除外されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した通り、先行技術1及び2の造粒モデルでは、焼結鉱原料をドラムミキサーあるいはディスクペレタイザーで擬似粒化する状況をシミュレートする目的に使用するには問題がある。
【0010】
上述した造粒モデルの問題点を解決するために、本発明者は、実用の大型ドラムミキサーあるいはディスクペレタイザーの造粒現象を評価し得るモデルであって、微粉原料同士が合体して粒子径が成長する所謂ペレットプロセス、あるいは微粉原料を多量に使用する所謂HPSプロセスを考慮すると共に、更に、造粒過程における擬似粒子のある部分については、一旦崩壊した後、再度造粒に移行して粒径が拡大するプロセスを考慮した造粒モデルを構築することにした。そして、造粒操作で得られる擬似粒子の情報としては、前述したように、焼結機の焼結ベッド内における通気性が良好に保持され得る擬似粒子であるか否かの評価をすることができるようにするために、擬似粒子の平均粒径のみでなく、その粒度分布も明らかとなる造粒モデルの構築を目指した。
【0011】
かくして、この発明が解決すべき課題は、上述した従来の造粒モデルにおける問題点を解決することにより、焼結鉱原料の造粒機による擬似粒子化状況を精度よくシミュレートすることができる造粒モデルを構築し、当該造粒モデルを実操業における造粒工程で活用することにある。
【0012】
従って、この発明の目的は、上記課題を解決することにより、与えられた焼結鉱原料を、バインダーの適正添加により焼結ベッド内の通気性が良好となる擬似粒子に造粒し、もって、難造粒性の微粉原料を多配合した焼結鉱原料を用いて、高生産性の焼結操業を可能とする高炉用焼結鉱原料の造粒方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、焼結鉱原料を適切に造粒して、焼結機操業中における焼結ベッド内の通気性を改善するためには、従来提案されている造粒モデルの問題点を解決し、造粒機構を一層正確に反映した造粒モデルを構築し、これに基づく考え方で造粒前の焼結鉱原料の事前処理を施すことにより、この発明の目的を達成し得ることがわかった。
【0014】
I.上記観点から新造粒モデルを次の通り構築した。
【0015】
[1] ディスクペレタイザーあるいはドラムミキサー等造粒機内における焼結鉱原料の造粒・崩壊挙動現象を次の通り考える。
【0016】
造粒機の代表的機種としてディスクペレタイザーをとりあげ、その造粒挙動現象を図1に模式的に示す。即ち、1回の単位転動造粒プロセスにおいて、焼結鉱原料の造粒挙動現象として、下記4通りを考える。即ち、▲1▼微粉原料同士の合体あるいは微粉原料が粗粒原料の表層部に付着し成長する場合、▲2▼微粒擬似粒子同士の合体により成長する場合、▲3▼脆弱擬似粒子の崩壊と細粒化が生じる場合、及び▲4▼供給原料が造粒に寄与せず、そのまま微粉原料として残留する場合に分ける。
【0017】
大型ディスクペレタイザーを例にとると造粒機内では通常、数千万から数億個の擬似粒子が相互作用を受けつつ、上記4通りの現象が同時に起こりながら、しかも全体としては擬似粒子の粒径拡大方向に進む。従って、焼結鉱原料の1回の単位造粒操作によって得られる擬似粒子の平均粒径及び粒径分布は、上記4通りの挙動現象の、焼結鉱原料の造粒過程における造粒・崩壊挙動に対する寄与率に依存する。
【0018】
ここで、各種原料から構成されている焼結鉱原料に対して、4通りの挙動現象がどのように寄与するかは、造粒機を一定の機種に限定した場合には、鉱石や雑原料等主原料、造滓剤としての副原料、及び生石灰等バインダーで構成される各原料種の種類と量、並びに加湿水分の添加量に依存する。上記において、上記4通りの挙動現象の主原料その他の各原料種の種類に依存するのは、当該各原料種はそれぞれ固有の物理化学的性状と粒度分布を有するからである。
【0019】
わが国の製鉄所で使用される主原料としての鉄鉱石は海外鉄鉱石資源に依存するため、その銘柄数は20〜30種類に達する。これら多数の鉱石の銘柄や鉱種のそれぞれについて、造粒プロセスにおける挙動現象に大きな影響を及ぼす因子は、主として鉱石表面の物理化学特性であり、濡れ性、吸水性、膨潤性、表面の凹凸及び緻密性が影響因子として重要である。従って、例えば、前述したマラマンバ鉱石のように、微粉比率が高く、しかも粒子間の付着力が弱く、難造粒性の原料でも当該鉱石の上記のような表面物理化学特性により、上記4通りの造粒挙動現象に対する寄与率が決定される。よって、この新造粒モデルを用いて、焼結鉱原料の造粒性を精度よくシミュレートするためには、各鉱種及び銘柄の鉱石について、表面物理化学特性から上記の寄与率を適切に評価して求めることが重要であり、しかも、各鉱石の粒度別にその寄与率を求める必要がある。
【0020】
上記寄与率の評価の必要性は、鉱石以外の主原料として鉄源の一種として用いられる製鉄所で発生する各種ダスト、副原料である造滓剤としての蛇紋岩、珪石、石灰石及びドロマイト等、並びに、造粒のバインダーとして添加される生石灰、消石灰、ベントナイト及びパルプ廃液等についても、鉱石に準じるものである。ここで、バインダーを焼結鉱原料を構成する1要素であるとしたのは、例えば、生石灰は加湿水分の水と反応して膨潤するが、その際周囲の原料を引き込む挙動を示すので、造粒における一種の核粒子と考えるからである。
【0021】
更に、使用する造粒機の機種(造粒形式)の違いによっても、その寄与率は変化する。
【0022】
こうして、1回目の単位造粒操作が終了後、2回目、3回目、・・・・、n回目と所定回数の単位造粒操作を繰り返し、全体として造粒が進行する。
【0023】
[2] 次に、上記考え方に従った造粒モデルの構築手段について述べる。
【0024】
上記[1]項において述べた焼結鉱原料の造粒過程においては、複雑な現象が同時に起こっており、これらの相互作用を考慮した既存提案力学的モデルでは、得られる結果に限界がある。そこで、本発明者は、確率モデル即ち造粒過程では複雑な現象が同時に起こり、個別擬似粒子の成長過程を決定することは不可能であり、可能であるのは造粒及び崩壊確率のみであるとする確率モデルを導入し、以下の通り、新造粒モデルを構築した。この確率モデルは、石炭の粉砕過程で粉砕マトリックスとこれを構成する粉砕確率要素とを数学モデルに設定することにより、その粉砕現象を解析するのに用いている例がある(J.Inst.Fuel,29(1956)524)。本発明者は、確率モデルの導入の応用として、上記石炭の粉砕プロセスとは正反対の現象である、焼結鉱原料の造粒プロセスの解析に応用したものであり、この点において本発明者は上記例に対する逆転の発想に基づき、新造粒モデルを構築するものであり、これは焼結鉱原料の図1で示した造粒・崩壊挙動過程において、造粒・崩壊マトリックスとこれを構成する造粒・崩壊確率要素を数学モデルに設定することにより、所謂造粒現象をモデル化したものである。
【0025】
先ず、原料が単位造粒操作を受けると、図1に示したように、造粒部分と未造粒部分とに分かれる。以下、被造粒操作粒子が単位造粒操作を受ける1回毎の造粒操作前後における擬似粒化状況を説明する。
【0026】
(1)1回目の単位造粒操作による原料の擬似粒化
いま、単位造粒操作前の原料の粒度分布及び1回目の単位造粒操作後の粒度をそれぞれの粒度に応じたベクトルF及びGで表示すると、下記(1)及び(2)式が得られる。
【0027】
F=(f1,f2,f3,‥‥,fnT‥‥‥‥‥‥‥‥(1)
G=(g1,g2,g3,‥‥,gnT‥‥‥‥‥‥‥‥(2)
ここで、f1,f2,f3,‥‥,fn及びg1,g2,g3,‥‥,gnは、造粒前後における原料及び擬似粒子を、篩目の細かい1番目から粗いn番目まで順次、篩で篩分け、篩目の1番目からn番目までの各篩上に留まった重量比率、即ち、各篩目の粒度範囲(即ち、各粒度)にどれだけの量が入っていたかを表わし、それぞれ原料及び擬似粒子の篩上重量比率(−)を示す。
【0028】
原料の造粒特性は、前述したように各原料種毎の、主として当該原料種毎の表面の物理化学特性である、濡れ性、吸水性、膨潤性、表面の凹凸及び緻密性に依存する。いま、原料条件、例えば、鉱種、バインダー、加湿水分等の原料条件が一定のもとで、1単位造粒操作による造粒比率をπ(−)とすると、一番細かい粒度は、原料比率f1が下記(3)及び(4)式に分かれる。
【0029】
造粒に寄与した重量比率:w1=πf1‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3)
造粒に寄与しなかった重量比率:w2=(1−π) 1 ‥‥‥‥(4)
(3)式で表わされる造粒された擬似粒子は、ある粒度分布を有する擬似粒子群であるとみなすことができる。一方、擬似粒子になる場合、どの粒度(粒度範囲)に造粒されるかは、造粒条件に応じた、原料の粒度分布毎に決まる造粒確率に依存する。この原料の粒度分布毎の造粒確率をqij(−)とすると、qij(−)は、粒度jの原料が造粒されて、粒度iの擬似粒子となる確率を表わす。ここで、i=1,2,・・・・,n、j=1,2,・・・・,nである。但し、i<jのqij(−)は、粒度jの原料が崩壊して、粒度iの崩壊擬似粒子となる崩壊確率を表わす。このように、qij(−)は、造粒ないし崩壊確率を表わすから、0及び1.0を含む0〜1.0の範囲内の任意の値をとり得る。更に具体例で説明する。
【0030】
(1−(ア))1回目の単位造粒操作による粒度−0.125mm(最小粒径原料)の原料部分の擬似粒化の確率
図2は、初期原料が1回目の単位造粒操作により、擬似粒子化される場合であって、最も細かい粒度の原料部分が造粒操作により、どのような粒度の粒子部分に移行する かを、重量確率を用いて説明する模式図である。即ち、1番目の篩目サイズを0.125mmに設定し、その篩下の原料部分を粒度番号1の原料部分と称し、粒 度を−0.125mmという。図2は、粒度−0.125mmの原料部分が造粒されるか、あるいは未造粒のまま留まるかについて、それらの粒度移行状況を重量確率で説明する図である。なお、同図中において、2番目の篩目サイズを1.00mmに設定し、1番目の篩目サイズサイズ0.125mmの篩上であって2番目の篩目サイズ1.00mmの篩下の原料部分を粒度番号2の原料部分と称し、粒度を0.125〜1.00mmという。以下、3番目の篩目サイズを3.00mm、・・・・、i番目の篩目サイズをS(i)mm、・・・・、そして最大篩目サイズを有するn番目の篩目サイズをS(n)mmとし、粒度番号及び粒度を上記に準じてつける。なお、粒度番号nの粒度は、篩目サイズS(n)mmの篩上原料部分であるから、+S(n)mmという。
【0031】
先ず、重量比率がf1を占める粒度−0.125mmの原料部分は、1回目の単位造粒操作により、下記(5)式で表わされる、造粒に寄与しなかった部分と造粒はされたもののなおも0.125mm以上には成長しなかった部分との和の重量確率を有する粒子部分と、下記(6)式、(7)式及び(8)式のそれぞれで表わされる粒度0.125〜1.00mm以上の各粒度に属する粒子に成長した部分の重量比率を有する造粒部分とに分かれて移行する。
【0032】
粒度−0.125mmの重量比率:(1−π)+πq11‥‥‥‥(5)
粒度0.125〜1.00mmの重量比率:πq21‥‥‥‥‥‥(6)
粒度S(i)〜S(i+1)mmの重量比率:πqi1‥‥‥‥‥(7)
但し、i=3〜(n−1)
粒度+S(n)mmの重量比率:πqn1‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(8)
それ故、(5)〜(8)式に−0.125mmに属する初期原料割合f1をかければそれぞれの粒度範囲に入る擬似粒子量が得られることになる。
【0033】
(1−(イ))1回目の単位造粒操作による粒度0.125〜1.00mmの原料部分の擬似粒化
図3は、初期対象原料の内、粒度番号2(粒度0.125〜1.00mm)の原料部分が1回目の単位造粒操作により、どのような粒度の造粒部分に移行するかを、重量比率を用いて説明する模式図であり、造粒されるか、未造粒のまま留まるか、あるいは造粒操作中に崩壊して初期粒度0.125〜1.00mmよりも小さい粒度−0.125mmの粒子部分に移行するかという、粒度移行状況を重量比率で説明する図である。この場合は、初期原料の一部が造粒操作中に、初期粒度0.125〜1.00mmよりも小さい粒度−0.125mmの粒子部分に崩壊するというものの重量比率付加されるという点において、上記(1−(ア))項の場合とは異なるが、それ以外の擬似粒化現象は(1−(ア))項の場合に準じる。
【0034】
重量比率がf2を占める粒度0.125〜1.00mmの原料部分の一部は、1回目の単位造粒操作により崩壊して、より小さい粒度の−0.125mmに移行する擬似粒子部分が発生する。この崩壊挙動を示す原料部分の重量比率は、下記(9)式で表わされる。
【0035】
一方、粒度0.125〜1.00mmの原料部分の内、造粒に寄与しなかった部分と造粒はされたもののなおも粒度1.00〜3.00mm以上の粒子には成長しなかった部分との和の重量比率は、下記(10)式で表わされる。
そして、粒度1.00〜3.00mm以上の粒子に成長した部分の内、粒度1.00〜3.00mmの粒子に成長した部分の重量比率は、下記(11)式で表わされ、以下順次、大きな粒度の粒子に成長した部分の重量比率は、下記(12)式及び(13)式で表わされる。
【0036】
Figure 0003840967
従って、重量比率f2を占める粒度1.00〜3.00mmの原料部分は、1回目の単位造粒操作により、上記(9)〜(13)式のそれぞれで表わされる重量比率を有する粒度の粒子部分に移行する。
【0037】
(1−(ウ))1回目の単位造粒操作による粒度1.00〜3.00mmの原料部分の擬似粒子化、及び粒度3.00〜4.8mm以上の粒度の原料部分の擬似粒子化1回目の単位造粒操作による粒度1.00〜3.00mmの原料部分の擬似粒化は、上記(1−(イ))における説明に準じて、下記(14)〜(19)式が導かれる。但し、この場合には、粒度1.00〜3.00mmの原料部分は崩壊して、粒度−0.125mmの粒子に移行する部分((14)式)と、粒度0.125〜1.00mmの粒子に移行する部分((15)式)とが発生する。
【0038】
Figure 0003840967
以降、粒度3.00〜4.8mm以上の粒度の原料部分の1回目の単位造粒操作による擬似粒化も、上記に準じて、崩壊した粒子部分、造粒に寄与しなかった部分と造粒はされたもののなおも初期粒度以上には成長しなかった部分、及び初期粒度以上の各粒度に属する粒子に成長した部分に分かれ、それぞれに分かれる重量比率も、上記に準じて決まる。
【0039】
初期原料に1回目の単位造粒操作を施すことにより、初期原料の粒度区分数n(これは篩目サイズの個数nと同じである)個の各粒度に属する原料部分が、n個の粒度区分に属する粒子群に分かれて移行し、当該1回目の単位造粒操作後の粒子の新しい粒度分布が決定される。
【0040】
そこで、上記1回目の単位造粒操作により得られる粒子(崩壊粒子、未造粒粒子及び成長粒子のすべてを含めて、以下「擬似粒子」と呼ぶ)の粒度分布を、ベクトル表示で求める。
【0041】
以上の1回目の単位造粒操作をマトリックスとベクトル表示により普遍化すると、造粒現象は以下のように表わされる。原料粒度毎に定まる造粒・崩壊による移行先毎の造粒・崩壊の確率を有するマトリックスは、篩目サイズの個数nで定まる造粒・崩壊マトリックスで表わすことができるから、これをB1とすると、下記(20)式が得られる。
【0042】
【数1】
Figure 0003840967
【0043】
(20)式において、単位造粒操作の前後において、物質収支が成立すべきであるから、下記(21)式が得られる。
【0044】
Σi=1 nij=1.0(−) (j=1〜n)‥‥‥‥‥(21)
ここで、B1の構成要素qijの添字i、jは、初期原料中、前記で定義された粒度番号j(即ち、粒度S(j−1)〜S(j)mm)の原料部分が、1回目の単位造粒操作によって得られた粒子が粒度番号iに属するように移行したことを意味する。なお、篩目サイズの細かいものから粗いものに向かって粒度番号を定義しているので、上記(20)式の縦行列においては、下方に行くにつれて原料粒子の粗大化擬似粒子の生成確率を示すことになる。
【0045】
以上、1回の単位造粒操作による原料粒子の造粒・崩壊の重量確率についてみてきた。それに対して、以下、1回目の単位造粒操作により、原料粒子が造粒・崩壊して生成される粒子の重量比率を、生成した粒子を粒度番号毎(粒度毎)に加算して得られる粒度番号毎の合計重量比率について求める。
【0046】
先ず、1回目の単位造粒操作により、粒度番号1(粒度:−0.125mm)に属する粒子に移行した造粒・崩壊部分の重量比率をg1で表わすと、前記(5)式を参照して、下記(22)式が得られる。
【0047】
1=f1(1−π)+f1πq11‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(22)
但し、f1は初期原料の内、粒度番号1に属する部分の重量比率を表わす。
【0048】
粒度番号2(粒度:0.125〜1.00mm)に属する粒子に移行した造粒・崩壊部分の重量比率をg2で表わすと、前記(10)及び(6)式を参照して、下記(23)式が得られる。
【0049】
Figure 0003840967
粒度番号3(粒度:1.00〜3.00mm)に属する粒子に移行した造粒・崩壊部分の重量比率をg3で表わすと、前記(16)、(7)及び(16)式を参照して、下記(24)式が得られる。
【0050】
Figure 0003840967
以下同様にして、1回目の単位造粒操作により、粒度番号kに属する粒子に移行した造粒・崩壊部分の重量比率をgkで表わすと、下記(25)式が得られる。
【0051】
Figure 0003840967
(25)式をマトリックスで表わすと、
Figure 0003840967
ここでG1、Fはgk、fkを要素とするn列の縦ベクトル、Eはn行n列の単位マトリックスを表わす。即ち、
【0052】
【数2】
Figure 0003840967
【0053】
以上により、初期焼結鉱原料に1回目の単位造粒操作を施すと、上記(26)式で表わされる粒度構成を有する擬似粒子群G1が得られる。
【0054】
なお、この発明における単位造粒操作とは、ディスクペレタイザーあるいはドラムミキサー等、所定の造粒機を用い、一定の造粒機の運転条件、具体的には、造粒機の造粒処理容器部分の寸法・形状等の設計諸元、回転速度及び原料の造粒処理容器占有空間率を一定値に設定し、単位操作当たりの造粒時間を一定値に設定した場合に行われる処理操作をいう。
【0055】
(2)2回目の単位造粒操作による原料の擬似粒化
次に、1回目の単位造粒操作により得られた(26)式の粒度構成を有する擬似粒子群G1を、2回目単位造粒操作における原料Fとし、所定の2回目の単位造粒操作を行なう。そこで、1回目の単位造粒操作に準じて考察すると、下記(28)式で表わされる粒度構成を有する擬似粒子群G2が得られる。
【0056】
Figure 0003840967
(3)n回目の単位造粒操作による原料の擬似粒化
1回目及び2回目に引き続き、それらと同様にして、N回目の単位造粒操作により得られる擬似粒子の粒度分布は、下記(29)式の通りとなる。
【0057】
N=[(1-π)・E+πB1]N・F ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(29)
従って、任意回数(N回)の単位造粒操作後の擬似粒子の粒度分布GNは(29)式により求められることがわかった。
【0058】
II.次に、上述したように構築された新造粒モデルを用いて、造粒シミュレーションを行なう際の数値計算方法について述べる。
【0059】
上述の如く導出した数学モデル(新造粒モデル)をもとに造粒シミュレーションを行なう際の数値計算方法を図4に示す。シミュレーションにあたっては、所定の演算処理装置に、先ず(29)式の演算式を読みこみ、次いで造粒条件として、単位造粒操作の回数(Ntm):nmx、原料及び擬似粒子の粒度を規定する篩目サイズの数:n、原料の粒度構成ベクトル:F、原料全体の造粒確率:π、初期造粒・崩壊確率のマトリックス:B1等を造粒条件として読み込む。そして、(29)式をもとに単位造粒操作の回数分だけマトリックスの計算を行う。
【0060】
その結果、各回数目の単位造粒操作後の造粒マトリックスB1及び擬似粒子粒度分布Gが得られる。但し、造粒マトリックスB1は、下記理由により、ここでは一定である。前述したように、単位造粒操作内における造粒機側の条件、即ち、造粒機としてはディスクペレタイザー(DPという)あるいはドラムミキサー(DMという)等、所定の造粒機を用い、従って造粒機の造粒処理容器部分の寸法・形状等の設計諸元が同一条件化であって、しかも、造粒機の回転速度及び原料の造粒処理容器占有空間率を原料の質量保存より一定値に設定し、単位操作当たりの造粒時間を一定値に設定した場合に行なわれる処理操作を前提条件としているからである。
【0061】
なお実際の造粒工程では微粉部分は付着粉として作用するので、例えば−1mmの微粉量が消費され尽くしたと判断されたところで、単位造粒操作は終了する。
【0062】
図5に、原料全体の造粒確率:π、及び初期造粒・崩壊確率:Bを、小型のディスクぺレタイザー試験機を用いて事前に評価し、相対的に造粒性の良い場合、例えばヘマタイト鉱石やピソライト鉱石の配合量が相対的に多い場合(同図中(a))、及び相対的に造粒性の悪い場合、例えばマグネタイト鉱石やマラマンバ鉱石の配合量が相対的に多い場合(同図中(b))についてのシミュレーション結果の一例を示す。ここで、初期原料の粒度分布を、表1に示す通りに設定した。これは、特定期間における焼結操業において、造粒機装入前の原料粒度の平均値及び当該篩目サイズの数に基づき算出した例であり、初期粒度分布と設定した。なお、この初期原料は、わが国の通常の焼結原料と比較し、0.125mm以下の微粉含有量が多いという点が特徴である。
【0063】
【表1】
Figure 0003840967
【0064】
図5により下記事項がわかる。造粒性に優れたヘマタイト及びピソライト系を原料として選択した場合には、微粉部は速やかに被覆粒子として作用し消費され減少する。その結果、擬似粒子の粒径は成長し5〜10mm径に収束して行く。このため擬似粒子の粒度が揃う結果焼結機での擬似粒子層の通気性が優れ生産性向上に寄与する。一方、造粒性の悪い原料、例えばマグネタイト、マラマンバ、あるいは砂鉄を含有する原料を用いた場合には、微粉部分の造粒による消費が遅れる。その結果、平均粒径では両者に顕著な差は見られないものの、造粒性の悪い原料を用いた場合には粒度分布が広がり、微粉、1〜3mmの中間粒径を有する擬似粒子が大量に生成することになる。また微粉部分の被覆粒子としての機能が低いため7mm以上の擬似粒子径比率は低下する。その結果前記擬似粒子層の通気性は悪化し焼結鉱の生産性は低下することとなる。
【0065】
次に粒子間の造粒確率Bが一定条件下で、鉱石全体の造粒特性を表すπが変化したときの擬似粒子の粒度分布変化の推移を、図6に示す。これはたとえば基準になる原料に難造粒性原料を配合する場合に相当する。図6より造粒回数が増すと、換言するとDPあるいはDM内での滞留時間が永くなると最終的には同じ粒度分布を示す。しかしその間における微粉部分の消費、粒度の広がりは著しく異なる。初期粒径が同じでも造粒性の悪い原料使用時には微粉部の消費は遅れ、その結果平均粒度は同じでも粒度分布は広がり焼結ベッド内での通気性の悪い擬似粒子群が生成されることになる。実際の造粒工程ではDPあるいはDM内での原料滞留時間は限られるから、例えばπ<0.4で規定できる造粒性の悪い原料は不十分な造粒状態で排出されることになる。
【0066】
III. 実機造粒試験への適用
この発明の新造粒モデルの妥当性を評価するために実際の造粒試験データとシミュレーションデータとの比較検討を行った。試験データでは篩目を−0.125、0.125〜0.5、0.5〜1.0、1.0〜2.0、2.0〜5.0、5.0〜10.0mmの6分割としている。一般に粒径を評価する篩は0.125mm以下ではほぼ21/4≒1.19の比率で変化する。このためBを構成する要素qijも原料の有する造粒確率に加え当然篩目の範囲も考慮された確率と解釈する必要がある。これをもとに本モデルで用いるパラメータを次のように設定した。
【0067】
π=0.4(−)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(30)
【0068】
【数3】
Figure 0003840967
【0069】
図7に実測値とシミュレーション結果を比較して示す。同図中、(a)は実測値、(b)はシミュレーションである。これより実測値を4回相当と仮定すると(30)、(31)を用いたシミュレーション結果と良く合致することが明らかである。この例では(24)より1単位造粒操作によって造粒に寄与する比率は40%と設定した。また(25)より造粒マトリックスBの特徴は縦行列要素の合計量が1.0(-)の条件を満たす条件下で対角行列を中心に微粒部分では造粒が進むよう、そして粗粒域では造粒擬似粒子の崩壊が進みやすい条件を確率的に設定してある。この様に実際の造粒状況に応じパラメータを設定することで精度の高いシミュレーションが可能となる。
【0070】
IV.造粒パラメータの数学的評価
この発明の新造粒モデルで造粒特性に影響を与えるのは、初期値としての原料粒度構成の他には、1) 粒度範囲毎の造粒特性を与える(B)と2) 造粒性に影響を与える鉱石特性(π)との2パラメータである。ここではそれぞれのパラメータの持つ意味と造粒性に与える影響を考察した。
【0071】
(1)造粒マトリックス(B)
(12)で表す造粒マトリックスBにおいて極端なケースを考える。
【0072】
【数4】
Figure 0003840967
【0073】
1は上三角行列マトリックスである。その意味するところは対角行列qkkで規定される確率要素より上は0となるから、一旦造粒された擬似粒子は崩壊することはないという仮定が成り立つ場合である。B2は造粒マトリックス構成要素が全て同一の場合である。但し、
Σi=1 nij=1.0 (j=1〜n)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(33)
が成り立たなくてはならない。最後のB3は下三角行列マトリックスの場合で対角行列qkkより下の確率要素は全て0になる。これは造粒操作を行なうにもかかわらず擬似粒子は限りなく崩壊を続けることを意味する。これらの結果を図5に示すFとπ一定のもとでシミュレーションを行なうと、図8が得られる。
これよりB1の場合は造粒操作回数の少ないときにはFの影響を受ける。その後造粒操作回数に応じ徐々に造粒が進み最終的には原料全体が全て造粒され尽くす。その結果10分割した篩目の内、最大篩目20.7mm以上に達することになる。
2では全ての構成要素が(27)の条件下で等しい、換言すれば全てrij=0.1(-)の場合である。このため造粒と崩壊がいつも同じ確率で発生することになり最終的には全ての篩目で同一重量比率10%に収束する。B3はB1と逆の場合で造粒操作が進むにつれ擬似粒子は崩壊され続け最終的には初期粒度分布Fで規定した最小篩目以下に至る。これは造粒しているにもかかわらず実は粉砕操作を受けることになりBroadbend等13)の粉砕モデルと同様のマトリックスの取り扱いとなっている。
このように、この発明による新造粒モデルは数学的には、造粒・崩壊マトリックスBによってその結果としてのGは自由に変化する。実際の造粒工程ではGが全て最大篩目以上に造粒されることはないしまた造粒操作にもかかわらず最小篩目以下に粉砕されることもない。それゆえ実際のBは平均的にはB1とB2の間に存在することになる。どこに位置するかは使用する原料、なかんずく特定の原料粒度域の物理化学的諸特性に依存し決まってくる。
【0074】
(2)鉱石特性に依存する造粒性(π)
図6にπの造粒特性に及ぼす影響を明らかにした。これよりπの値が小さくなるとBで規定した造粒マトリックスで決まる擬似粒子の粒度分布に到達するのに時間(造粒操作回数)がかかることを明らかにした。つまり最終的な擬似粒子の粒度分布を規定するのはBでありπはBに行き着く収束速度を規定するといえる。
【0075】
図9に、図5の(a)で使用した造粒性に優れた原料のπを用いた時の操作回数(Ntm)と造粒マトリックスBの変化推移を表す。これより操作回数(Ntm)が0から増すにつれ造粒・崩壊確率の全体傾向は類似してくる。これは確率論的にはqij≧0と(21)式が成り立つ推移確率行列Bは正則確率行列であることに起因する。すなわち(29)式より操作回数n+1回目のqij (n+1)は(34)式に示すようにn回目のqij (n)のみに依存しそれ以前の確率要素には依存しない。
【0076】
ij (n+1)=Σr=1 k(qir (n).qri (n))‥‥‥‥‥(34)
これよりBの確率過程は、「確率」、マグロウヒル工学社(東京)(1981),166に示されたMarkov chainとなる。また、それによれば、Markov chainの推移確率行列が正則の場合は一定の確率ベクトルを有するマトリックス(35)式に近づくことが知られている。
【0077】
【数5】
Figure 0003840967
【0078】
これより図9においてもNtm>3で徐々にqik(k:一定)が一定の確率列ベクトルに近づく。すなわち本確率モデルでは(20)、(21)が成り立つ限りは必ず造粒過程は発散せずにある鉱石特性に応じた擬似粒子粒度分布G、たとえば図6に示すような形で収束して行くことになる。そしてπがその速度を律速するといえる。
【0079】
この発明は、上述した新造粒モデルの構築及びその妥当性、並びに焼結鉱製造操業における造粒プロセスへの応用の有用性等、各種の知見に基づきなされたものであり、その要旨は次の通りである。
【0080】
請求項1記載の発明に係る高炉用焼結鉱原料の造粒方法は、高炉で使用される焼結鉱原料の造粒方法において、ブレンディング粉に含有される原料の含有率に応じて、当該ブレンディング粉に添加すべきバインダーの添加率を決定し、当該決定された添加率のバインダーを添加すると共に、その他の所定原料を配合し、こうして得られた配合原料を、混合し造粒する方法であって、
前記バインダー添加率の決定は、前記焼結鉱原料が造粒される過程がシミュレートされる造粒モデルに基づき算出し、
前記造粒モデルは、考慮すべきプロセスとして少なくとも、前記焼結鉱原料に含まれる微粉部分の原料同士が合体した擬似粒子の粒径が成長するプロセス、前記焼結鉱原料が擬似粒化されていく過程において、当該擬似粒化物が崩壊するプロセス、及び当該崩壊して生じた粒片が再び擬似粒化するプロセスを包含し、前記焼結鉱原料が造粒に寄与するか否かの当該焼結鉱原料に関する造粒比率π、並びに、当該焼結鉱原料の粒度毎による、前記擬似粒化現象により擬似粒子の粒度が増大する程度を表わす造粒確率q ij (但し、i≧j)、及び当該焼結鉱原料の粒度毎による、前記崩壊現象により生じる前記粒片の粒度が減少する程度を表わす崩壊確率q ij (但し、i<j)を、所定の方法で評価して求め、こうして求められた前記焼結鉱原料に関する造粒比率π、並びに、前記焼結原料の擬似粒化現象に関する造粒確率q ij (但し、i≧j)及び崩壊現象に関する崩壊確率q ij (但し、i<j)を用いて、造粒操作後に得られる前記擬似粒化現象により形成される擬似粒子と前記崩壊現象により生じる前記粒片とからなる造粒物の粒度分布を求めるものであることに特徴を有するものである。
【0081】
請求項2記載の発明に係る高炉用焼結鉱原料の造粒方法は、請求項1記載の発明において、前記ブレンディング粉に含有される原料は、マグネタイト鉱石、マラマンバ鉱石、スペキュラヘマタイト鉱石(鏡鉄鉱鉱石)、砂鉄、ニッケルスラグ及び蛇紋岩からなる原料群から選ばれた1種以上の原料であることに特徴を有するものである。
【0082】
請求項3記載の発明に係る高炉用焼結鉱原料の造粒方法は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記バインダーとして、生石灰、消石灰、ベントナイト及びパルプ廃液からなるバインダー群から選ばれた1種以上のバインダーを用いることに特徴を有するものである。
【0086】
請求項4記載の発明に係る高炉用焼結鉱原料の造粒方法は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記焼結鉱原料についての、前記造粒比率π、並びに擬似粒化現象及び崩壊現象に関する前記造粒確率qijは、当該焼結鉱原料の吸水性、表面の粗さ、吸水時の膨潤性及び原料粒子間結合性からなる焼結鉱原料の表面物理化学特性群から選ばれた1種以上の表面物理化学特性、並びに、鉱種の内、少なくともいずれか一方をパラメーターとして評価して求められたものであることに特徴を有するものである。
【0087】
請求項5記載の発明に係る高炉用焼結鉱原料の造粒方法は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、高炉で使用される焼結鉱原料の造粒方法において、前記ブレンディング粉は、当該ブレンディング粉を調製するに先だって、当該ブレンディング粉を調製するために用いる各種銘柄の鉱石について、当該各種銘柄鉱石の粒度毎による、造粒操作における擬似粒化現象により擬似粒子の粒度が増大する程度を表わす造粒確率uij(但し、i≧j)、及び当該各種銘柄鉱石の粒度毎による、前記崩壊現象により生じる前記粒片の粒度が減少する程度を表わす崩壊確率uij(但し、i<j)を、所定の方法で評価して求め、こうして求めらた当該造粒確率uij(但し、i≧j又はi<j)に基づき、各種銘柄の鉱石をブレンディングヤードに積み付けて調製されたブレンディング粉にしたものであることに特徴を有するものである。
【0088】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の望ましい実施形態の例を説明する。
【0089】
一般に、高炉原料として使用される焼結鉱は、図11に示すフローで製造される。先ず、本船から荷揚げされた約10mm以下の鉄鉱石粉を銘柄ごとに粉鉱ヤードに山積みする。山積みされた各種粉鉱石、含CaO副原料、含SiO2 副原料及び、ダスト等を、予め設定している割合でベッディング法により混合し、ブレンディング粉1とする。即ち、当該ブレンディング粉1には、主原料として多数の銘柄の鉄鉱石の他に、鉄源としての製鉄所内で発生する各種の含鉄分ダストやスケール等の雑原料、並びに、副原料として石灰石、ドロマイト、蛇紋岩、珪石等の造滓材が含まれている。こうして成分及び粒度が調整されたブレンディング粉1は、いくつかのパイル2に形成される。そして、一定のパイル2より所定量ずつ切り出されたブレンディング粉1は、焼結工場3に搬送され、原料配合槽群4の所定のホッパーに装入される。
【0090】
ブレンディング粉は、原料の配合ライン5において、更に、塩基度調整用の石灰石や珪石等、及びMgO成分調整用の蛇紋岩等の副原料6、粉コークス等の燃料7、生石灰等のバインダー8、並びに返鉱9と、場合によっては更に、単味の粉鉱石10と配合され、得られた配合原料11に、適量の水分12が添加され、混合機13で混合され、ディスクぺレタイザー14あるいはドラムミキサー15等の造粒機16で造粒され、擬似粒子17が形成される。造粒工程で得られた擬似粒子の性状は、造粒機側の条件と、配合原料側の条件とにより決まる。こうして得られた擬似粒子17が、焼結機18に装入され、所定の焼成が行なわれて焼結鉱19が製造される。焼結鉱19の生産性、歩留、品質等は、造粒機16で調製される擬似粒子17の性状に大きく依存し、この擬似粒子17の性状は、造粒機16に装入される装入される配合原料11の性状により大きく左右される。この新造粒モデルにより、配合原料11の性状と擬似粒子17の性状との関係を考慮して、望ましい性状の擬似粒子17を製造する。焼結鉱成品は高炉20へ原料として装入される。
【0091】
微粉原料が多量に配合されたブレンディング粉を使用する焼結操業における造粒工程において、一定造粒条件で操業を継続中、ブレンディング粉の使用パイルを他のパイルに切り替えると、それに伴い造粒機における造粒状況が変動し、ひいては、安定した焼結操業を阻害することがよく認められる。これはパイルの化学成分、粒度構成の変動を、原料需給等により支配される条件下において最小限に抑制しても、鉱石銘柄が変わることによる造粒特性の変化、例えば本数学モデルにおけるπ、qijが変わることに起因する。これを抑制するためには、造粒特性の異なる代表的な鉱石について、事前に小型ディスクぺレタイザー試験機等を用いて造粒試験を行い、その造粒パラメータπ、qijを把握しておく。そして、このパラメータを用い、当該パイルを構成するブレンディング粉の原料混合比率に基づき、この発明の新造粒モデルによる造粒性の推定結果、即ち、所定回数の単位造粒操作後における擬似粒子の粒度分布と、小型ディスクぺレタイザー試験機等を用いた造粒試験により得られる擬似粒子の粒度分布とを比較することにより、事前にそのパイルの造粒性を予測することが可能である。
図10に、この発明の新造粒モデルを、焼結操業における原料の造粒工程管理への応用方法を説明する図を示す。これより個別鉱石の造粒パラメータから、混合原料パイルの造粒性を表すパラメータを得るには、それぞれの原料配合率に応じたパラメータの加成性が成り立つと仮定する。
いま、鉱石の銘柄数をm、その配合率をk1, k2, - - - , kmとすると数学モデル(29)において混合原料としての造粒パラメータ、π及びB1を、それぞれπm及び(qij)mで表わすと、下記(36)式が得られる。
【0092】
【数6】
Figure 0003840967
【0093】
(36)式においてスカラーkiとマトリックス(qij)iの積の合計(qij)mは(21)式が成り立っている。このため得られた造粒マトリックスによる(29)式の計算で造粒前後での物質収支が成立する。
【0094】
この様なパラメータを用いFとドラムミキサー内での滞留時間を与えれば事前にドラムミキサー出口でのGが予測できる。それゆえ、パイル変更に応じそこから得られるGをもとにバインダー、造粒水分の適正添加量あるいはπmを考慮したDM内の原料滞留時間調整が予測でき、造粒及び焼結操業の安定化に寄与する。
【0095】
この新造粒モデルを用いて、中程度の造粒性を有する鉱石の比率を増やす。
【0096】
【実施例】
次に、実施例によりこの発明を更に説明する。図11に示した焼結鉱の製造フローに準じた焼結鉱製造ラインにおいて、本発明の範囲内に属する焼結鉱原料の造粒方法を実施した実施例と、本発明の範囲外にある焼結鉱原料の造粒方法を行なった比較例とを、次のようにして行なった。
【0097】
なお、下記において、実施例及び比較例で使用するすべてのパイルにおいて、通常行なわれているように、1パイル内のブレンディング粉の成分及び粒度構成は、当該パイル内のどの部分についても実質的に一定にそろえてある。
【0098】
また、上記すべてのパイル中のブレンディング粉中には多数銘柄の鉱石が含まれているが、いずれのパイルについても、鉱石全体の粒度構成は同一である。そのパイル中の鉱石の粒度分布は、表1に示した通りである。
【0099】
先ず、比較例については、パイルNo.1からパイルNo.5までの全パイルのブレンディング粉全量を使用し尽くした操業期間を通じて、通常操業時に予め設定されている一定の原料配合条件により得られた配合原料に、ドラムミキサーで所定の加湿水分を添加し、混合し、次いでディスクぺレタイザーで、通常操業時に予め設定されている造粒機側の条件で、所定時間造粒処理を施した。当該操業期間中、バインダーとして添加した生石灰は外数で3.4mass%ですべて一定である。また、パイルNo.1からパイルNo.5までのブレンディング粉中にブレンディングされた難造粒原料に属するものは、マグネタイト鉱石、砂鉄、ニッケルスラグ及び蛇紋岩であり、この内、マグネタイト鉱石以外の難造粒性原料のブレンディング粉中の含有率は一定であり、マグネタイト鉱石の含有率のみが変動している。その変動状況は、図12(b)のグラフに示すように、6.0〜12.5mass%の間にばらついていた。一方、比較例の焼結操業期間において、造粒機で調製された擬似粒子17中の−3mm(3mmアンダー)粒子の構成比率は、図12(a)のグラフに示すように、30〜51mass%の間にばらついていた。なお、擬似粒子17中の−3mm粒子の構成比率に着目したのは、これ以下の細粒擬似粒子の混入が、焼結機における焼結ベッドの通気性を著しく阻害するからである。
【0100】
これに対して、実施例を次の通り行なった。パイルNo.10からパイルNo.14までの全パイルのブレンディング粉全量を使用し尽くした操業期間を通じて、各パイルのブレンディング粉中にブレンディングされた難造粒原料に属するものとして、マグネタイト鉱石、砂鉄、ニッケルスラグ及び蛇紋岩があるが、マグネタイト鉱石以外の難造粒原料の含有率は一定であり、その含有率は、比較例におけるパイルNo.1〜5のすべてと同一水準であった。但し、マグネタイト鉱石の含有率のみがパイルNo.により異なっており、図12(b)のグラフに示すように、5.0〜14.0mass%の間にばらついていた。
【0101】
実施例においては、ブレンディング粉中の難造粒性原料の1種であるマグネタイト鉱石含有率が、パイル毎にこのように変動していても、焼結ベッドの通気性悪化を防止して、安定操業と生産性確保のために、配合原料11の造粒性の変動を抑制して造粒処理後の擬似粒子17中の−3mm粒子の構成比率を減らすことを考えた。そのために、新造粒モデルを用いて、造粒性の向上アクションを考えた。
【0102】
パイルを形成するブレンディング粉を構成する鉱石種や副原料種等のブレンディング比率は、原料需給事情によりほぼ一義的に決まり、自由度は殆どないので、操業上可能な方法の一つとして、配合原料に添加するバインダー量を調整することにした。そこで、造粒処理後の擬似粒子中に占める−3mm粒子の構成比率が、使用対象パイルNo.毎によりできるだけ変動せず、且つ適切な水準となるようにするために、バインダーとしての生石灰の添加量を調整した。実施例の期間中においては、上記目的に新造粒モデルを用いて、生石灰の添加量を算出し、当該添加量の生石灰が配合された配合原料に造粒処理を施した。
【0103】
実施例においては、図12の(c)に示すように、生石灰添加量を外数で、3.1〜3.7mass%の範囲内で調整した。なお、その際、加湿水分の添加量も、生石灰の添加量に応じて常法により調整した。
【0104】
その結果、実施例においては、造粒機で調製された擬似粒子17中の−3mm粒子の構成比率は、図12(a)のグラフに示すように、33〜46mass%の比較的狭い範囲内であって、低い水準値にコントロールされた。
【0105】
この実施例では、特に、微粉鉱石原料を大量に使用するとき、例えば、−0.125mmが30mass%程度の高率を占める場合等には効果が発揮される。
【0106】
【発明の効果】
この発明によれば、焼結鉱原料が有する造粒特性に応じて、原料の配合条件や原料に添加するバインダー添加条件の適切化により、ブレンディング粉に難造粒性原料が所定量以上含有されている場合であっても、入荷原料に適した焼結鉱原料の事前処理をすることにより、造粒性の向上を図ることが可能となる。また、陸揚げされた(入荷した)鉄鉱石を破砕処理等して、適切な平均粒度に細粒化すれば造粒性が向上することを予測できる場合も生じるので、入荷する鉱石の性状如何によって、ブレンディング粉前の鉱石事前処理という、従来全く考慮されたことのなかった原料予備処理プロセスが可能となった。
【0107】
更に、将来、大きな問題であると予想される、マラマンバ鉱石等の難造粒性原料を用いて、高生産性且つ高歩留の焼結操業を行なうことが可能となる。
【0108】
以上の結果、特に、焼結ベッド内における通気性のよい焼結原料を調製することが可能となるり、焼結鉱の生産性向上及び焼結操業の安定性向上に寄与し得る。更に、また、高炉への焼結鉱の供給安定化により、高炉操業の安定化にも波及的効果が期待される。
【0109】
この発明によれば、上述した多くの効果が発揮され得る高炉用焼結鉱原料の造粒方法を提供することができ、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスクペレタイザーによる造粒挙動現象を模式的に説明する図である。
【図2】最小粒度原料(粒度:−0.125mm)が単位造粒操作を経た後の移行先を模式的に説明する図である。
【図3】細かい方から2番目の粒度(粒度:0.125〜1.00mm)が単位造粒操作を経た後の移行先を模式的に説明する図である。
【図4】この発明で導出した数学モデル(新造粒モデル)をもとに造粒シミュレーションを行なう際の数値計算方法を説明する図である。
【図5】この発明で導出した数学モデル(新造粒モデル)を用いて、相対的に造粒性の良い場合及び悪い場合についてのシミュレーション結果の一例を示すグラフである。
【図6】造粒確率Bが一定条件下で、鉱石全体の造粒特性πが変化したときの擬似粒子の粒度分布変化の推移を表わすグラフである。
【図7】この発明による新造粒モデルの妥当性を評価するための、実際の造粒試験データとシミュレーションデータとの比較検討をするためのグラフである。
【図8】この発明による新造粒モデルによれば、数学的には造粒・崩壊マトリックスBの設定によって、造粒される擬似粒子の粒度分布は自由に変化することを説明するグラフである。
【図9】図5の(a)で使用したπを用いた時の操作回数(Ntm)と造粒マトリックスBの変化推移を表すグラフである。
【図10】この発明の新造粒モデルの造粒工程管理への応用方法を説明する図である。
【図11】この発明の焼結鉱原料の造粒方法を実施する際の原料の流れ及び焼結鉱の製造フローを示す図である。
【図12】この発明の新造粒モデルを用いて、ブレンディング粉中の難造粒性鉄鉱石の構成比率により、焼結工場におけるバインダー添加量を調整して造粒性を安定させる操業の実施例と、従来操業例との試験データを比較する図である。
【符号の説明】
1 ブレンディング粉
2 パイル
3 焼結工場
4 原料配合槽群
5 配合ライン
6 副原料
7 燃料
8 バインダー
9 返鉱
10 単味の粉鉱石
11 配合原料
12 水分
13 混合機
14 ディスクぺレタイザー
15 ドラムミキサー
16 造粒機
17 擬似粒子
18 焼結機
19 焼結鉱
20 高炉

Claims (5)

  1. 高炉で使用される焼結鉱原料の造粒方法において、ブレンディング粉に含有される原料の含有率に応じて、当該ブレンディング粉に添加すべきバインダーの添加率を決定し、当該決定された添加率のバインダーを添加すると共に、その他の所定原料を配合し、こうして得られた配合原料を、混合し造粒する方法であって、
    前記バインダー添加率の決定は、前記焼結鉱原料が造粒される過程がシミュレートされる造粒モデルに基づき算出し、
    前記造粒モデルは、考慮すべきプロセスとして少なくとも、前記焼結鉱原料に含まれる微粉部分の原料同士が合体した擬似粒子の粒径が成長するプロセス、前記焼結鉱原料が擬似粒化されていく過程において、当該擬似粒化物が崩壊するプロセス、及び当該崩壊して生じた粒片が再び擬似粒化するプロセスを包含し、前記焼結鉱原料が造粒に寄与するか否かの当該焼結鉱原料に関する造粒比率π、並びに、当該焼結鉱原料の粒度毎による、前記擬似粒化現象により擬似粒子の粒度が増大する程度を表わす造粒確率q ij (但し、i≧j)、及び当該焼結鉱原料の粒度毎による、前記崩壊現象により生じる前記粒片の粒度が減少する程度を表わす崩壊確率q ij (但し、i<j)を、所定の方法で評価して求め、こうして求められた前記焼結鉱原料に関する造粒比率π、並びに、前記焼結原料の擬似粒化現象に関する造粒確率q ij (但し、i≧j)及び崩壊現象に関する崩壊確率q ij (但し、i<j)を用いて、造粒操作後に得られる前記擬似粒化現象により形成される擬似粒子と前記崩壊現象により生じる前記粒片とからなる造粒物の粒度分布を求めるものであることを特徴とする、高炉用焼結鉱原料の造粒方法。
  2. 前記ブレンディング粉に含有される原料は、マグネタイト鉱石、マラマンバ鉱石、スペキュラヘマタイト鉱石、砂鉄、ニッケルスラグ及び蛇紋岩からなる原料群から選ばれた1種以上の原料であることを特徴とする、請求項1記載の高炉用焼結鉱原料の造粒方法。
  3. 前記バインダーとして、生石灰、消石灰、ベントナイト及びパルプ廃液からなるバインダー群から選ばれた1種以上のバインダーを用いることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の高炉用焼結鉱原料の造粒方法。
  4. 前記焼結鉱原料についての、前記造粒比率π、並びに擬似粒化現象及び崩壊現象に関する前記造粒確率qijは、当該焼結鉱原料の吸水性、表面の粗さ、吸水時の膨潤性及び原料粒子間結合性からなる焼結鉱原料の表面物理化学特性群から選ばれた1種以上の表面物理化学特性、並びに、鉱種の内、少なくともいずれか一方をパラメーターとして評価して求められたものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の高炉用焼結鉱原料の造粒方法。
  5. 高炉で使用される焼結鉱原料の造粒方法において、前記ブレンディング粉は、当該ブレンディング粉を調製するに先だって、当該ブレンディング粉を調製するために用いる各種銘柄の鉱石について、当該各種銘柄鉱石の粒度毎による、造粒操作における擬似粒化現象により擬似粒子の粒度が増大する程度を表わす造粒確率uij(但し、i≧j)、及び当該各種銘柄鉱石の粒度毎による、前記崩壊現象により生じる前記粒片の粒度が減少する程度を表わす崩壊確率uij(但し、i<j)を、所定の方法で評価して求め、こうして求めらた当該造粒確率uij(但し、i≧j又はi<j)に基づき、各種銘柄の鉱石をブレンディングヤードに積み付けて調製されたブレンディング粉にしたものであることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の高炉用焼結鉱原料の造粒方法。
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