JP3839876B2 - 半導体材料の乾燥処理方法 - Google Patents

半導体材料の乾燥処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体材料の乾燥処理方法に係り、詳しくはIC及びトランジスタ等の電子部品、或いは半導体シリコンウエハー、そして液晶基板及びマスク用基板等の半導体材料の作製プロセスにおいてその表面に付着しているゴミ、有機或いは無機残留物等を洗い落とす洗滌処理(薬品処理)を経て水洗いされた後に、半導体材料の表面に付着している水滴を除去するために行われる乾燥処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からこの種半導体材料の作製プロセスにおいて半導体材料の表面からゴミ、有機或いは無機残留物等を洗い落とす洗滌処理を経て水洗いされた後に、通常、半導体材料の表面に残る水滴を除去する乾燥処理が種々の方法により行われている。例えば、遠心力を利用して半導体材料の表面から水滴を振り切る遠心力に依存させた回転乾燥処理、所謂スピンドライアー方式等が主にこの種の作製プロセスにおける乾燥処理に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来から知られている種々の乾燥処理方法では水滴を半導体材料の表面から完全に除去する事が困難で、水滴が小さく分離分散した状態で残り易い。つまり、水滴を一気に振り切る事ができず、乾燥ムラが起り易く、それが乾燥処理後に半導体材料の表面にウォーターマークとなって残り、この有害なウォーターマークが次の処理プロセスにおいて種々の影響を与えることが多い。そのために、従来では品質は勿論、生産歩留まりも低下する等の問題を抱え、品質の向上と生産歩留まりを上げるためにはウォーターマークの無い乾燥処理の実現が望まれていた。つまり、ウォーターマークレスの乾燥処理が長年に亘り期待されてきた。
【0004】
因みに、ウォーターマークを形成する主成分はシリカ(Si)、酸素(O)、炭素(C)である。
【0005】
本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、乾燥処理後のウォーターマークレスを可能にした半導体材料の乾燥処理方法を提供することである。
【0006】
【課題を達成するための手段】
課題を達成するために本発明は、少なくとも回転可能に構設した処理容器内に、半導体材料を収納すると共に半導体材料が没入状に浸漬する水位まで薬液を注入した後に、又は半導体材料が没入状に浸漬する水位まで薬液を注入すると共に半導体材料を収納した後に、処理容器を回転させて洗滌処理を行う。この時の処理容器の回転は薬液が零れない程度である。然る後に、薬液を排水しながら温水又はIPA(アルコール)等からなる有機溶剤を処理容器内に注入する。この時の温水又は有機溶剤の注入は薬液の排水速度に同調させた注入速度で行う。これにより、半導体材料が液体中に没入状に浸漬された状態を保つ。つまり、半導体材料が外気に晒されないように保つ。そして、処理容器内が温水又は有機溶剤に置換された後に継続する処理容器の前記回転を高速回転に切り替える共に半導体材料に窒素又は他のガスを吹き掛けて乾燥処理を行うようにした事を要旨とする。
【0007】
又、上記したように半導体材料が没入状に浸漬するまで薬液が注入された処理容器を回転させて洗滌処理を行った後に、処理容器内に純水又は他の溶液を注入する。この時、純水又は他の溶液の注入により溢れた薬液との混合液は半導体材料が没入状に浸漬するその上部側等からオーバフローされる。そして、処理容器内が純水又は他の溶液に置換された時点で該純水又は他の溶液を排水しながら温水又は有機溶剤を処理容器内に注入する。この時の温水又は有機溶剤の注入は純水又は他の溶液の排水速度に同調させた注入速度で行い。それにより、上記したように半導体材料が外気に晒されないように保つ。そして、処理容器内が温水又は有機溶剤に置換された後に継続する処理容器の前記回転を高速回転に切り替える共に半導体材料に窒素又は他のガスを吹き掛けて乾燥処理を行うようにした事を要旨とする。
【0008】
而して、上記した技術的手段によれば、処理容器内に収納された半導体材料は没入状に浸漬する水位まで注入された薬液中に浸漬された状態で処理容器の回転により表面からゴミ、有機或いは無機残留物等を取り除く洗滌処理(薬品処理)が行われる。然る後、薬液を排水しながら、又は薬液を排水させずに処理容器内に純水又は他の溶液の注入して同処理容器内が純水又は他の溶液に置換された後に、この純水又は他の溶液を排水しながらその排水速度に同調させた注入速度にて温水又は有機溶剤を注入し、処理容器内が温水又は有機溶剤に置換されることで、半導体材料は温水又は有機溶剤中に浸漬された状態で継続する前記回転によりその表面から薬液を洗い落とす水洗い処理が行われる。そして、処理容器の高速回転に伴う遠心力により温水又は有機溶剤は処理容器内から振り払われるように容器外に排除されると共に半導体材料の表面から水滴が振り切られて除去され、同時に前記高速回転開始と略同時に吹き掛けられる窒素又は他のガスにより乾燥処理が行われる。それにより、処理容器内の半導体材料は大気に一切晒されることなく、洗滌から水洗い処理を経て容器の高速回転による遠心力で水滴が除去され、窒素又は他のガスにより乾燥処理が行われる。又、処理容器内が温水又は有機溶剤に置換されることで、上記したように水洗い処理が成されると共に半導体材料の表面には水滴の表面張力が小さくなる対表面親和力に打ち勝つ物理的作用に働く。それにより、水滴は細かく分離分散することなく遠心力により半導体材料の表面から振り切られて除去される。つまり、水滴は遠心力により一瞬にして振り切られて半導体材料の表面から残らず除去される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の具体例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明乾燥処理方法を実施する乾燥処理装置の構成例を示した縦断正面図で、1は少なくとも回転可能に構設した処理容器、2,3はこの処理容器1の上方に位置させて夫々配設した薬液、純水又は他の溶液、温水又は有機溶剤を処理容器1内に注入、そして窒素又は他のガスを処理容器1内に向けて吹き掛ける固定又は可動式(図では首振り可動式)の注入ノズルであり、IC及びトランジスタ等の電子部品、或いは半導体シリコンウエハー、そして液晶基板及びマスク用基板等の半導体材料4を前記処理容器1内に、同容器1底から浮かした状態で収納した後に、半導体材料4が没入状に浸漬するまで上方の注入ノズル2から処理容器1内に薬液を注入し且つ処理容器1を回転させて半導体材料4の洗滌処理(薬品処理)を行う。そして、薬液を排水しながらこの排水速度に同調させた注入速度にて上方の注入ノズル3から処理容器1内に温水又は有機溶剤を注入し、処理容器1内が温水又は有機溶剤に置換された後に継続する同容器1の前記回転を高速回転させながら上方の注入ノズル3から半導体材料4に向けて窒素又は他のガスを吹き掛けて半導体材料4の乾燥処理を行うように構成してなる。
【0010】
因みに、上記した窒素(N2 )又は他のガスの内、他のガスとしてはHF,HCL+H2 2 又はH2 SO4 +H2 2 ,NH4 OH+H2 2 等が挙げられる。
【0011】
処理容器1は、適宜の深さで上部を開口すると共に底部に排水口5を有する回転テーブル1-1 と、この回転テーブル1-1 の排水口5をその下部側から開閉する開閉底板1-2 から構成され、その底部及び周囲を包囲する排水受け6内に、この排水受け6の底部中心から貫通突出させて該排水受け6内に臨ませた回転軸7の上端に開閉底板1-2 を取り付けると共に、該回転軸7の内部軸芯に、回転方向に係合連結自在で且つ軸方向にスライド自在に貫通挿設せしめて回転軸7から突出させた昇降軸8の上端に回転テーブル1-1 を取り付けることで、排水受け6内に設置してなる。
【0012】
回転テーブル1-1 は、半導体材料4を収納すると共に、該半導体材料4を洗滌、そして水洗い処理する薬液、そして温水又はIPA(アルコール)等からなる有機溶剤を注入するもので、少なくとも円板状を成す1枚の半導体材料4を寝かせた状態で且つ該半導体材料4を円周方向にガタ無く収納し得る大きさで、該半導体材料4を没入状に浸漬させた状態(水位)まで薬液、純水又は他の溶液、温水又は溶剤を注入(貯溜)し得るようにその円周縁に立上り壁1-10を起立せしめた略受け皿状を成し、その底部中心部を昇降軸8の上端に取り付けて、回転軸7と共に回転、そして昇降軸8により上下に動くように支持させてなる。
【0013】
又、この回転テーブル1-1 の昇降軸8を取り付ける底部中心部を除く部分にはその中心部の回りから周囲の立上り壁1-10の起立端に向けて拡開するように開口せしめた平面略扇形状の排水口5を四方向に設けて(図2参照)、半導体材料4の洗滌処理時に注入された薬液が、洗滌終了後にこの排水口5から外部に排水されるようにしてあり、そしてこの排水口5は昇降軸8よる回転テーブル1-1 の上下の動きにより開閉底板1-2 で開口、閉鎖されるようしてなる。
又、回転テーブル1-1 の底部適所には半導体材料4を該底部から浮かした状態で載承するピン等からなる材料受け9が突出備えられており、この材料受け9上に載承された状態で半導体材料4が回転テーブル1-1 内に収納されるようにしてなる。
【0014】
尚、この排水口5の開口形状並びにその開口面積は上記したように平面略扇形状に開口する必要はない。例えば、丸形や角形等の開口形状を有する小さな孔からなる排水口を回転テーブル1-1 の底部に点在させた状態で無数に開口する等、適宜自由である。要するに、薬液による半導体材料4の洗滌処理が終了した後に行われる温水又は有機溶剤との置換時に、該温水又は有機溶剤の注入速度に同調させた排水速度にて薬液を外部に排水し得る開口面積を確保する事ができれば、どの様な開口形状であっても良いものである。
【0015】
開閉底板1-2 は、回転テーブル1-1 の排水口5を開閉するためのもので、回転テーブル1-1 の平面形状と略同形とする円板状を成し、その中心部を回転軸7の上端に取り付けて回転テーブル1-1 の下部側に備えて、回転テーブル1-1 と共に回転するようにしてなる。
【0016】
昇降軸8を介して回転テーブル1-1 を回転可能、そして開閉底板1-2 を回転可能に支持する回転軸7は、内部軸芯に昇降軸8を回転方向に係合連結自在で且つ軸方向にスライド自在に挿設する縦溝又は縦リブを内面に施した貫通孔10を有する中空筒状を成し、処理容器1の底部及びその周囲を包囲する排水受け6の底部中心並びにその軸心下方部位に具備した軸受け11に支持させて排水受け6の底部中心から貫通突出させたその上端側に、処理容器1の開閉底板1-2 を固定的に取り付けて、下端側に取り付けたスプロケット又はプリー12等に渡りモータ13からチェーン又はベルト14等を巻回架け渡して、モータ13により処理容器1を回転させるようにしてなる。尚、モータ13には回転速度を適宜切り替える変速機が備えられており、この変速機により処理容器1の回転を任意に選択し得るようにしてなる。
【0017】
一方、処理容器1の回転テーブル1-1 を昇降可能に支持する昇降軸8は、回転軸7を軸方向に貫通し得る長さで、回転軸7の貫通孔10内面の縦溝又は縦リブとの連結関係で回転軸7に対して回転方向に係合連結自在で且つ軸方向にスライド自在に係合する縦リブ又は縦溝を外面に施した棒状をなし、回転軸7の貫通孔10に挿通せしめて回転軸7の上端から突出させたその上端に回転テーブル1-1 の底部中心部を固定的に取り付け、回転軸7の下端から突出させた下端にはローテーテイングユニオン15を備え、このユニオン15の一方を昇降軸8の下端に取り付け、その他方を連結腕16を介してモータ或いは図示のエアー又は油圧シリンダー等からなる昇降機17に連結せしめて、この昇降機17により回転テーブル1-1 を上昇させたり、下降させるようにしてなる。つまり、回転テーブル1-1 を開閉底板1-2 から離間上昇させる事で、回転テーブル1-1 の排水口5が開口され(図3の状態)、回転テーブル1-1 を開閉底板1-2 上に密接状に当接載置させる如く下降させる事で、回転テーブル1-1 の排水口5が閉鎖される(図1の状態)ように回転テーブル1-1 を支持されてなる。
【0018】
そして、処理容器1の上方に配設され、該処理容器1内に薬液、純水又は他の溶液、温水又は有機溶剤を注入、そして処理容器1内に収納されている半導体材料4に向けて窒素又は他のガスを吹き掛ける注入ノズル2,3には薬液バルブ18、純水又は他の溶液バルブ19、温水又は溶剤バルブ20、そして窒素又は他のガスバルブ21を夫々介して不図示の薬液供給装置、純水供給装置、溶剤又は温水供給装置、そして窒素又は他のガス供給装置が夫々接続されており、これらのバルブ18,19,20,21の開弁により処理容器1内に向けてその上方の注入ノズル2,3から薬液、純水又は他の溶液、温水又は溶剤が注入、そして窒素又は他のガスが半導体材料4に向けて吹き掛けられるようになっている。
【0019】
次に、以上の如く構成した乾燥処理装置により請求項1に係る本発明の乾燥処理方法を図4に示した各処理工程の概略図を参照しながら説明すると、エッチング等の加工処理が成された半導体材料4を処理容器1内に、回転テーブル1-1 の材料受け9上に載承させた状態で収納し、薬液バルブ18を開弁せしめて上方のノズル2から処理容器1内に半導体材料4が没入状に浸漬する水位まで薬液を注入すると共に、モータ13を作動させて処理容器1を回転させる。この時の処理容器1の回転は注入(貯溜)された薬液が回転テーブル1-1 周囲の立上り壁1-10上部縁から外部に零れない程度とする。これにより、半導体材料4の表面からゴミ、有機或いは無機残留物等を取り除く洗滌処理(薬品処理)が行われる((イ)の状態)。この時、薬液バルブ18を常時開弁せしめておいて薬液を継続的に注入し続けて洗滌処理が終了した時点で閉弁せしめるも、又は半導体材料4が没入状に浸漬するまで薬液が処理容器1に貯溜された時点で閉弁せしめて薬液の注入を止めるも適宜自由である。
【0020】
そして、洗滌処理が終了した後に、昇降機17を作動させると共に温水又は有機溶剤バルブ20を開弁せしめて、回転テーブル1-1 を上昇させて該回転テーブル 1-1 の排水口5から薬液を排水受け6に排水しながらその排水速度に同調させた注入速度にて上方のノズル3から温水又は有機溶剤を処理容器1内に注入する (図3及び(ロ)の状態)。これにより、半導体材料4を常時液体中に浸漬させた状態で処理容器1内の温水又は有機溶剤置換が成される。つまり、半導体材料4を外気に一切晒すことなく、処理容器1内が温水又は有機溶剤に置換される。温水又は有機溶剤に置換された時点で昇降機17により回転テーブル1-1 を下降させて該回転テーブル1-1 を開閉底板1-2 に密着させて排水口5を閉じる。それにより、半導体材料4は温水又は有機溶剤中に浸漬された状態で継続する前記回転によりその表面から薬液を洗い落とす水洗い処理が行われる((ハ)の状態)。この時、温水又は有機溶剤バルブ20を常時開弁せしめておいて温水又は有機溶剤を継続的に注入し続けて水洗い処理が終了した時点で閉弁せしめるも、又は処理容器内1内が温水又は有機溶剤置換された時点で閉弁せしめて温水又は有機溶剤の注入を止めるも適宜自由である。
【0021】
そして、水洗い処理が終了した後に、モータ13の回転を高速回転に切り替えると共に窒素又は他のガスバルブ21を開弁せしめて、処理容器1を高速回転させながら上方のノズル3から半導体材料4に窒素又は他のガスを吹き掛ける。それにより、処理容器1内の温水又は有機溶剤は高速回転に伴う遠心力により処理容器1内から振り払われるように容器1外に排除されると共に半導体材料4の表面から水滴が振り切られて除去され、吹き掛けられる窒素又は他のガスにより半導体材料1の乾燥処理が行われる((ニ)の状態)。
【0022】
而して、本発明の乾燥処理方法によれば、処理容器1内に収納された半導体材料4を大気に一切晒すことなく、洗滌から水洗い処理を経て容器1の高速回転に伴う遠心力で水滴を除去しながら窒素又は他のガスを吹き掛ける乾燥処理に移行する事ができる。又、処理容器1内が温水又は有機溶剤に置換されることで、半導体材料4の表面には水滴の表面張力が小さくなる対表面親和力に打ち勝つ物理的作用に働らいて水滴を半導体材料4の表面全体に細かく分離分散させることなく該表面から振り切る事ができる。つまり、水滴は遠心力により一瞬にして振り切られて半導体材料の表面から残らず除去される。従って、乾燥処理後においてはウォーターマークの発生原因となる僅かな水滴も半導体材料4の表面に残ることはない。
【0023】
尚、上述した乾燥処理方法においては処理容器1内に半導体材料4を収納した後に、該処理容器1内に半導体材料4が没入状に浸漬する水位まで薬液を注入する旨の順番で詳述したが、初に半導体材料4が没入状に浸漬する水位まで薬液を処理容器1内に注入し、その後に、処理容器1内に半導体材料4を収納するも良い。つまり、本発明の乾燥処理方法においては半導体材料4、薬液の処理容器1に対する収納、注入の順番は問わないものである。又、処理容器1の回転開始は処理容器1内への薬液の注入開始と同時に行うも良い。
【0024】
図5は、上記した乾燥処理装置により請求項2に係る本発明の乾燥処理方法の各処理工程を示した概略図であり、斯る乾燥処理方法においては上記詳述の如く、薬液を処理容器1内に注入し且つ処理容器1を回転させながら行う半導体材料4の洗滌処理((イ)の状態)が終了した後に、処理容器1内から薬液を排水させずに純水又は他の溶液バルブ19を開弁せしめてその上方のノズル2から処理容器1内に純水又は他の溶液を注入する((ロ)の状態)。この時、純水又は他の溶液の注入により溢れた薬液との混合液は半導体材料4が没入状に浸漬するその上部側等から、つまり、回転テーブル1-1 周囲の立上り壁1-10上部縁から排水受け6内にオーバフローされる。そして、処理容器1内が純水又は他の溶剤に置換された後に、上記詳述の如く昇降機17を作動させると共に温水又は有機溶剤バルブ20を開弁せしめて、回転テーブル1-1 を上昇させて該回転テーブル1-1 の排水口5から純水又は他の溶剤を排水しながらその排水速度に同調させた注入速度にて上方のノズル3から処理容器1内に温水又は有機溶剤を注入する(図3及び(ハ)の状態)。そして、上記詳述の如く回転テーブル1-1 を下降させて開閉底板1-2 により排水口5を閉じて継続する前記回転により半導体材料4の水洗い処理( (ニ)の状態)が終了した後に、処理容器1を高速回転させながら上方のノズル3から半導体材料4に窒素又は他のガスを吹き掛けて半導体材料1の乾燥処理 ((ホ)の状態)を行うようにしたものである。つまり、半導体材料4の洗滌処理後に、薬液を排水させずに処理容器1内に純水又は他の溶液を注入して該処理容器1内を純水又は他の溶液に置換するようにした以外は上記した乾燥処理方法と基本的に同じである。
【0025】
【発明の効果】
本発明の半導体材料の乾燥処理方法は叙上の如く構成してなるから、下記の作用効果を奏する。
▲1▼.処理容器内に収納された半導体材料を大気に晒すことなく、洗滌から水洗い処理を経て容器の高速回転に伴う遠心力で水滴を除去しながら窒素又は他のガスを吹き掛ける乾燥処理に移行する事ができる。
▲2▼.処理容器内が温水又は有機溶剤に置換されることで、半導体材料の表面には水滴の表面張力が小さくなる対表面親和力に打ち勝つ物理的作用に働らいて水滴を細かく分離分散することなく半導体材料の表面から振り切る事ができる。つまり、水滴を遠心力により一瞬にして振り切って半導体材料の表面から残らず除去する事ができる。
【0026】
従って、本発明によれば、長年に亘り期待されていた乾燥処理後のウォーターマークレスを可能し、この種半導体材料の作製プロセスにおいて今後の発展に有望な乾燥処理方法を提供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の乾燥処理方法を実施する乾燥処理装置の一例を示した縦断面図
【図2】 処理容器を示した斜視図
【図3】 処理容器の回転テーブルを開閉底板から離脱上昇させた状態を示した要部の縦断面図
【図4】 請求項1に係る本発明乾燥処理方法の各工程を示した概略図で、 (イ)は半導体材料が収納された処理容器内に薬液を注入して洗滌処理を行っている状態を示す、(ロ)は薬液を排水しながら処理容器内に温水又は有機溶剤を注入している状態を示す、(ハ)は温水又は有機溶剤置換が成された後に水洗い処理を行っている状態を示す、(ニ)は処理容器を高速回転させながら半導体材料に窒素又は他のガスを吹き掛けて乾燥処理を行っている状態を示す
【図5】 請求項2に係る本発明乾燥処理方法の各工程を示した概略図で、 (イ)は半導体材料が収納された処理容器内に薬液を注入して洗滌処理を行っている状態を示す、(ロ)は薬液を排水せずに処理容器内に純水又は他の溶液を注入している状態を示す、(ハ)は純水又は他の溶液置換が成された後に、該純水又は他の溶液を排水しながら処理容器内に温水又は有機溶剤を注入している状態を示す、(ニ)は温水又は有機溶剤置換が成された後に水洗い処理を行っている状態を示す、(ホ)は処理容器を高速回転させながら半導体材料に窒素又は他のガスを吹き掛けて乾燥処理を行っている状態を示す
【符号の説明】
1…処理容器 1-1 …回転テーブル
1-2 …開閉底板 2,3…注入ノズル
4…半導体材料

Claims (2)

  1. 少なくとも回転可能に構設した処理容器内に、半導体材料を収納すると共に薬液を注入、又は薬液を注入すると共に半導体材料を収納した後に、半導体材料が没入状に浸漬する水位まで薬液が注入された処理容器を回転させて洗滌処理を行い、然る後に、薬液を排水しながら温水又は有機溶剤を処理容器内に注入し、温水又は有機溶剤置換が成された後に継続する処理容器の前記回転を高速回転させながら半導体材料に窒素又は他のガスを吹き掛ける事を特徴とする半導体材料の乾燥処理方法。
  2. 少なくとも回転可能に構設した処理容器内に、半導体材料を収納すると共に薬液を注入、又は薬液を注入すると共に半導体材料を収納した後に、半導体材料が没入状に浸漬するまで薬液が注入された処理容器を回転させて洗滌処理を行い、然る後に、処理容器内に純水又は他の溶液を注入し、純水又は他の溶液置換が成された時点で更に温水又は有機溶剤を処理容器内に注入し、温水又は有機溶剤置換が成された後に継続する前記回転を高速回転させながら半導体材料に窒素又は他のガスを吹き掛ける事を特徴とする半導体材料の乾燥処理方法。
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