JP3839862B2 - 可変速水力機械の揚水運転方法 - Google Patents

可変速水力機械の揚水運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転速度が可変制御されるポンプやポンプ水車などの可変速水力機械の揚水運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水力発電所に設置されるポンプやポンプ水車などの水力機械は、これまで発電電動機等の回転速度が一定である定速形のものが使用されていたが、近年はパワーエレクトロニクスの進歩によって主機の回転速度を可変制御することができる可変速水力機械が実用化されつつある。
可変速水力機械の運転制御は、揚水始動時や揚水運転中の入力制御時には一般にガイドベーン開度の制御と回転速度の制御とを同時に行っている。
【0003】
このような可変速水力機械の揚水運転方法は、その運転始動時の制御が、例えば、特開昭61−149583号公報や特開昭62−150089号公報や特開昭62−291476号公報や特開昭63−277870号公報や特開昭63−295871号公報に開示され、また揚水入力制御が、特開昭59−203883号公報や特開昭60−128886号公報や特開昭62−17375号公報や特開昭62−186069号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の可変速水力機械の運転方法は、ガイドベーン開度の制御と回転速度の制御とを同時に行っているために、入力が急激に変化し電力系統に大きな動揺を与えてしまうといった問題がある。これを更に詳述すると、一般に水力機械の入力は回転速度の3乗に比例して変化するため、回転速度の制御とガイドベーン開度の制御とを同時に行うと入力が急激に変動し、電力系統の負荷状況によっては揚水運転の続行が不可能になることがある。
【0005】
更に、揚水量は回転速度に比例するため、回転速度の急激な変化によって大きな水量変動が発生し、水路系に水撃現象が起る。この水撃現象によって、水力機械の流路部に過大な圧力変動が発生し、これによる機器の振動のために機器の寿命が短縮化されると共に、水路系の圧力変動によりサージングも発生し水路に設置された水撃圧緩衝用のサージタンクの水位が上昇し、最悪の場合にはサージタンクから水が溢れるといった問題も存在する。
【0006】
そこで、本発明の目的は、揚水運転始動時または揚水運転中の入力調整時のポンプ入力の急激な変動を防止して、電力系統への動揺を抑制すると共に水路系での水撃現象の発生を防止することができる可変速水力機械の揚水運転方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1に記載の発明は、水量を調整する可動ガイドベーンを具備するポンプまたはポンプ水車などの可変速水力機械について可動ガイドベーン全閉の水中締切状態から目標入力への揚水運転を行う可変速水力機械の揚水運転方法において、上記可動ガイドベーンを上記全閉状態から、上記目標入力時の適正ガイドベーン開度よりも小さい中間開度まで開口制御する第1のステップと、上記第1のステップの後に上記可動ガイドベーンを上記中間開度に保持すると共に、上記可変速水力機械の回転速度を上記目標入力時の適正回転速度まで増速制御する第2のステップと、上記回転速度が上記上記目標入力時の適正回転速度に達した後、または上記増速制御の開始から所定の時間の経過後に、上記可動ガイドベーンを上記中間開度から上記目標入力時の適正ガイドベーン開度に開口制御する第3のステップとを具備することを特徴とするものである。
【0008】
第1のステップでは可動ガイドベーンの中間開度までの開口制御が行われるため、入力は穏やかに増加する。この穏やかな入力増加は、第2のステップでの回転速度の増速制御によって継続される。更に、入力は第3のステップでの可動ガイドベーンの開口制御によって増加される。このように入力は、三段階に別けて増加されるため、穏やかかつ滑らか上昇となり、電力系統への動揺を抑制し円滑な揚水運転が可能となる。特に、回転速度の増速制御による入力増加は、可動ガイドベーンの開口制御による入力増加に引続いて行われるので、急激な変動なしに非常に滑らかに行うことができる。
【0009】
この請求項1に記載の発明にあっては、上記可動ガイドベーンの上記中間開度の保持と上記可変速水力機械の回転速度の増速制御とは、実質的に同時に行われることが望ましい。
【0010】
請求項3に記載の発明は、水量を調整する可動ガイドベーンを具備するポンプまたはポンプ水車などの可変速水力機械について揚水運転中に入力を初期の入力から目標入力まで増加させる可変速水力機械の揚水運転方法において、上記可動ガイドベーンを、上記初期の入力時のガイドベーン開度と上記目標入力時の適正ガイドベーン開度との中間に位置する中間開度まで開口制御する第1のステップと、上記第1のステップの後に上記可動ガイドベーンを上記中間開度に保持すると共に上記可変速水力機械の回転速度を上記目標入力時の適正回転速度まで増速制御する第2のステップと、上記回転速度が上記上記目標入力時の適正回転速度に達した後、または上記増速制御の開始から所定の時間の経過後に、上記可動ガイドベーンを上記中間開度から上記目標入力時の適正ガイドベーン開度に開口制御する第3のステップとを具備することを特徴とするものである。
【0011】
第1のステップでは可動ガイドベーンの中間開度までの開口制御が行われるため、入力は穏やかに増加する。この穏やかな入力増加は、第2のステップでの回転速度の増速制御によって継続される。更に、入力は第3のステップでの可動ガイドベーンの開口制御によって増加される。このように入力は、請求項1に記載の発明と同様に三段階に別けて増加されるため、穏やかかつ滑らか上昇となり、電力系統への動揺を抑制し円滑な揚水運転が可能となる。
【0012】
この請求項3に記載の発明にあっては、上記可動ガイドベーンの上記中間開度の保持と上記可変速水力機械の回転速度の増速制御とは、実質的に同時に行われることが望ましい。
【0013】
請求項5に記載の発明は、水量を調整する可動ガイドベーンを具備するポンプまたはポンプ水車などの可変速水力機械について揚水運転中に入力を初期の入力から目標入力まで減少させる可変速水力機械の揚水運転方法において、上記可動ガイドベーンを上記初期の入力時のガイドベーン開度から上記目標入力時の適正ガイドベーン開度まで閉口制御する第1のステップと、上記可変速水力機械の回転速度を上記初期の入力時の回転速度と上記目標入力時の適正回転速度と中間に位置する中間回転速度まで減速制御し、かつ上記減速制御を上記第1のステップの上記閉口制御とほぼ同時に開始すると共に上記閉口制御よりも早期に終了する第2のステップと、上記可変速水力機械の回転速度を上記中間回転速度に保持する第3のステップと、上記可動ガイドベーンが上記目標入力時の適正ガイドベーン開度に達した後、または上記可変速水力機械の回転速度が上記中間回転速度に達した時点から所定の時間の経過後に、上記可変速水力機械の回転速度を上記中間回転速度から上記目標入力時の適正回転速度まで減速制御する第4のステップとを具備することを特徴とするものである。
【0014】
第1及び第2のステップで、可動ガイドベーンの閉口制御と回転速度の減速制御とが同時に行われる。しかしながら、回転速度は第3のステップにおいて、減速制御が中断されて中間回転速度に保持され、この時は入力は可動ガイドベーンの閉口制御のみによって減少されるため、入力の減少は急激ではなく穏やかに行われる。更に、入力の減少は第4のステップでの回転速度の減速制御によって継続される。このように入力は、三段階に別けて減少されるため、穏やかかつ滑らか減少となり、電力系統への動揺を抑制し円滑な揚水運転が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図1乃至図6を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例の可変速水力機械の揚水運転方法が適用されるフランシス形ポンプ水車を示したもので、ケーシング1は上池に連通され、可動ガイドベーン2は通過する水量を調整する。この可動ガイドベーン2にはガイドベーン駆動装置3が連結され、このガイドベーン駆動装置3は可動ガイドベーン2を開閉駆動して可動ガイドベーン2の開度を制御する。ランナ4は主軸5に連結され、この主軸5には発電電動機6が連結されている。吸い出し管7は下池に連通し、下池から水流をランナ4に導入する。制御装置8はガイドベーン駆動装置3の制御信号や発電電動機6の制御信号等を発生する。こうして、ポンプ水車は制御装置8の制御信号に基づき、発電電動機6が主軸5を介してランナ4を回転駆動することによって下池から上池に揚水する。
【0016】
このような構成のフランシス形ポンプ水車の揚水運転の始動方法、即ち可動ガイドベーン2が全閉状態された水中締切状態から所定の入力の揚水運転に移行する揚水運転始動方法を図1及び図2により説明する。
水中締切状態では、図2に示したように可動ガイドベーン2のガイドベーン開度は全閉開度a=0であり、ポンプ水車の回転速度はNであり、ポンプ入力はPである。この状態で、制御装置8はガイドベーン駆動装置3に制御信号を送り、これによってガイドベーン駆動装置3は可動ガイドベーン2を全閉開度aから中間開度a01まで開口制御する。この開口制御の間、回転速度はNのままである。なお、この中間開度a01は、全閉開度aと各運転落差における下限入力の適正ガイドベーン開度aとの中間に位置する開度であり、ポンプ水車流路部の水圧脈動や振動状態などを考慮して運転上支障のない開度が選定される。
【0017】
このように、回転速度がNのままで、可動ガイドベーン2のみが全閉開度aから中間開度a01まで開口されるため、ポンプ入力は図2に示したように徐々に上昇する。特に、入力の変化は可動ガイドベーン2の開度変化に対しては比較的鈍感であるので、この間の入力の時間的変化は極めて穏やかかつ滑らかである。
【0018】
可動ガイドベーン2の開度が中間開度a01に達すると、制御装置8は、発電電動機6に制御信号を送出して、回転速度をNから目標入力時の適正回転速度Nまで増速制御すると共に、この間、可動ガイドベーン2の開度を中間開度a01に保持する。この回転速度の上昇によって、ポンプ入力も更に滑らかな上昇を続行する。なお、ポンプ入力は前述のように回転速度の3乗に比例するため、ポンプ入力の変化は回転速度の上昇に対して非常に敏感であるが、この回転速度の上昇によるポンプ入力の上昇は、可動ガイドベーン2の開口制御によるポンプ入力の上昇に引続いて行われるので、急激な変化なしに滑らかな上昇となる。
【0019】
回転速度が適正回転速度Nに達すると、制御装置8はガイドベーン駆動装置3を介して可動ガイドベーン2の開度を中間開度a01から適正ガイドベーン開度aまで開口制御する。この可動ガイドベーン2の再度の開口制御によって、ポンプ入力も更に滑らかに上昇し、目標の入力Pに達する。
【0020】
このように、ポンプ入力は、三段階に別けて連続的に増加される、即ち第1の段階では可動ガイドベーン2の中間開度a01までの開口制御によって増加され、第2の段階ではNからNへの回転速度の増速制御によって増加され、第3の段階では可動ガイドベーン2の適正ガイドベーン開度aまでの開口制御によって増加されるので、目標の入力Pまで急激な変化なしに極めて滑らかに上昇する。
【0021】
図3の(A)は、本実施例の揚水運転方法によるポンプ入力の増加の時間変化を実線で示し、従来の揚水運転方法、即ちガイドベーンの開口制御と回転速度の増速制御とを同時に行う運転方法によるポンプ入力の時間変化を点線で示したものである。実線と点線とを比べることによって分かるように、本実施例の揚水運転方法によるポンプ入力は、従来の揚水運転方法によるポンプ入力に比べて著しく滑らかになっている。
【0022】
なお、図4は、運転落差とポンプ入力とガイドベーン開度との関係を示したもので、上述の中間開度a01や適正ガイドベーン開度aが示されている。
【0023】
また、図2においては、NからNへの回転速度の増速制御の開始はガイドベーン開度が中間開度a01に到達した時点に一致している。しかしながら、これは厳密に一致している必要はなく、実質的に一致していれば十分である。
以上の実施例では図2に示したように、中間開度a01から適正ガイドベーン開度aへの開口制御は、回転速度が適正回転速度Nに到達した時点から開始された。しかしながら、本発明はこれに限らず、例えば、可動ガイドベーン2が中間開度a01に到達した時点から所定の時間Tを経過した時点で、適正ガイドベーン開度aへの開口制御を開始することもできる。この所定時間Tは、ポンプ水車の特性によって定まる入力の時間変化と電力系統の特性とを考慮して電力系統に悪影響を及ぼさない範囲で決定され、従って、この所定時間Tを使用する場合には、中間開度a01から適正ガイドベーン開度aまでの開口制御の開始時点は、回転速度が適正回転速度Nに到達する時点よりも前である場合も後である場合もあり得る。
【0024】
なお、ガイドベーン開度aへの開口制御の開始時点を、回転速度が適正回転速度Nに達した時点に定めるか、それとも所定時間Tの経過時点に定めるかは、ポンプ水車の特性や電力系統の特性等に基づいて決定される。
【0025】
次に、揚水運転中の或る入力状態の時、即ち初期の入力時から所望の入力まで入力を増加させる場合の運転方法を図1及び図5を用いて説明する。
図5に示したように、初期の入力状態では、ガイドベーン開度をaとし、回転速度をNとし、ポンプ入力をPとする。この場合の揚水運転方法は、前述の揚水運転始動方法と実質的に同様である。即ち、制御装置8はガイドベーン駆動装置3に制御信号を送り、これによってガイドベーン駆動装置3は可動ガイドベーン2を初期開度aから中間開度a23まで開口制御する。この開口制御の間、回転速度は不変のままである。なお、この中間開度a23は、初期開度aと目標入力時の適正ガイドベーン開度aとの中間に位置する開度であり、ポンプ水車流路部の水圧脈動や振動状態などを考慮して運転上支障のない開度が選定される。
【0026】
このように、回転速度がNのままで、可動ガイドベーン2のみが初期開度aから中間開度a23まで開口されるため、ポンプ入力は図5に示したように徐々に穏やかかつ滑らかに上昇する。
【0027】
可動ガイドベーン2の開度が中間開度a23に達すると、制御装置8は、発電電動機6に制御信号を送出して、回転速度をNから目標入力時の適正回転速度Nまで増速制御すると共に、この間、可動ガイドベーン2の開度を中間開度a23に保持する。この回転速度の上昇によって、ポンプ入力も滑らかな上昇を続行する。
【0028】
回転速度が適正回転速度Nに達すると、制御装置8はガイドベーン駆動装置3を介して可動ガイドベーン2の開度を中間開度a23から適正ガイドベーン開度aまで開口制御する。この可動ガイドベーン2の再度の開口制御によって、ポンプ入力も更に滑らかに上昇し、目標の入力Pに達する。
この揚水運転中の入力増加の場合も揚水運転の始動の場合と同様に、中間開度a23から適正ガイドベーン開度aへの開口制御の開始時点を、可動ガイドベーン2が中間開度a23に達した時点から所定の時間Tを経過した時点に選定することもできる。この所定時間Tは、前述の所定時間Tと同様にポンプ水車の特性によって定まる入力の時間変化と電力系統の特性とを考慮して電力系統に悪影響を及ぼさない範囲で決定され、従って、この所定時間Tを使用する場合には、中間開度a23から適正ガイドベーン開度aへの開口制御の開始時点は、回転速度が適正回転速度Nに達する時点よりも前である場合も後である場合もあり得る。
【0029】
また、図5においても、NからNへの回転速度の増速制御の開始はガイドベーン開度が中間開度a23に到達した時点に一致している。しかしながら、これは厳密に一致している必要はなく、実質的に一致していれば十分である。
この揚水運転中の入力増加運転のポンプ入力の時間的変化は、図3の(A)に示した通りである。
【0030】
次に、揚水運転中の入力減少運転方法を図1及び図6を用いて説明する。
図6に示したように、初期の入力状態では、ガイドベーン開度をaとし、回転速度をNとし、ポンプ入力をP5する。制御装置8はガイドベーン駆動装置3及び発電電動機6に制御信号を送り、これによってガイドベーン駆動装置3は可動ガイドベーン2を初期開度aから目標入力時の適正ガイドベーン開度aまで閉口制御すると同時に、発電電動機6は回転速度を初期回転速度Nから中間回転速度N54に減速制御する。この中間回転速度N54は、初期回転速度Nと目標入力時の適正回転速度Nとの中間に位置する開度であり、ポンプ水車流路部の水圧脈動や振動状態などを考慮して運転上支障のない開度が選定される。また、回転速度が初期回転速度Nから中間回転速度N54に到達するのに要する時間は、ガイドベーン開度が初期開度aから目標入力時の適正ガイドベーン開度aに到達するのに要する時間よりも十分短くなるように選定されている。制御装置8は、回転速度が中間回転速度N54に達すると、その中間回転速度N54を保持させる。
【0031】
ガイドベーン開度が目標入力時の適正ガイドベーン開度aに到達すると、制御装置8は回転速度を中間回転速度N54から目標入力時の適正回転速度Nまで減速制御する。
従って、ポンプ入力は、第1の段階では可動ガイドベーン2の閉口制御と回転速度の減速制御との両方によって減少され、第2の段階では、中間回転速度N54の保持のため可動ガイドベーン2の閉口制御のみによって減少され、その後の第3の段階では回転速度の減速制御のみによって減少される。ポンプ入力は、第1及び第3の段階では回転速度の減速制御によって比較的大きく減少されるが、途中の第2の段階で回転速度の一定保持が存在するため、図6に示したようにポンプ入力の時間的変化は全体として穏やかかつ滑らかになり、電力系統への影響を十分に抑制することができる。
【0032】
なお、中間回転速度N54から目標入力時の適正回転速度Nへの減速制御の開始時点を、ガイドベーン開度が目標入力時の適正ガイドベーン開度aに到達した時点に一致させる代りに、回転速度が中間回転速度N54に到達した時点からの所定の時間Tの経過時点に一致させることもできる。この所定の時間Tは、前述の所定時間T及びTと同様に、ポンプ水車の特性によって定まる入力の時間変化と電力系統の特性とを考慮して電力系統に悪影響を及ぼさない範囲で決定され、従って、この所定時間Tを使用する場合には、中間回転速度N54から目標入力時の適正回転速度Nへの減速制御の開始時点点は、ガイドベーン開度が目標入力時の適正ガイドベーン開度aに到達する時点よりも前である場合も後である場合もあり得る。
【0033】
この揚水運転中の入力減少運転のポンプ入力の時間的変化は、図3の(B)に示した通りである。同図で、実線は本実施例による揚水運転中の入力減少運転のポンプ入力の時間的変化を示し、点線はガイドベーンの閉口制御と回転速度の減速制御とを同時に行う従来の揚水運転中の入力減少運転のポンプ入力の時間的変化を示している。この図3の(B)から明らかなように本実施例による入力減少運転はポンプ入力の時間的な変化が、従来の入力減少運転に比べて大幅に低減され円滑になっている。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明は、ガイドベーンの開度制御と回転速度の制御とを組合わせてポンプ入力の調整を行う際に、ポンプ入力の調整期間中に回転速度を一定に保持する期間を設定しているため、ポンプ入力の急激な変動を防止することができ、これによって、電力系統への動揺を抑制すると共に水路系での水撃現象の発生を防止することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による可変速水力機械の揚水運転方法が適用されるフランシス形ポンプ水車を示した断面図。
【図2】本発明の一実施例による揚水運転の始動時におけるガイドベーン開度の変化と回転速度の変化とポンプ入力の変化とを示したグラフ。
【図3】本発明の実施例による揚水運転時のポンプ入力の時間的変化と従来の揚水運転時のポンプ入力の時間的変化とを示したグラフ。
【図4】実施例のフランシス形ポンプ水車のポンプ入力と落差とガイドベーン開度との関係を示したグラフ。
【図5】本発明の一実施例による揚水運転中の入力増加運転におけるガイドベーン開度の変化と回転速度の変化とポンプ入力の変化とを示したグラフ。
【図6】本発明の一実施例による揚水運転中の入力減少運転におけるガイドベーン開度の変化と回転速度の変化とポンプ入力の変化とを示したグラフ。
【符号の説明】
2 可動ガイドベーン
3 ガイドベーン駆動装置
4 ランナ
6 発電電動機
8 制御装置
適正開度
01 中間開度
適正回転速度
目標入力

Claims (5)

  1. 水量を調整する可動ガイドベーンを具備するポンプまたはポンプ水車などの可変速水力機械について可動ガイドベーン全閉の水中締切状態から目標入力への揚水運転を行う可変速水力機械の揚水運転方法において、上記可動ガイドベーンを上記全閉状態から、上記目標入力時の適正ガイドベーン開度よりも小さい中間開度まで開口制御する第1のステップと、上記第1のステップの後に上記可動ガイドベーンを上記中間開度に保持すると共に、上記可変速水力機械の回転速度を上記目標入力時の適正回転速度まで増速制御する第2のステップと、上記回転速度が上記目標入力時の適正回転速度に達した後、または上記増速制御の開始から所定の時間の経過後に、上記可動ガイドベーンを上記中間開度から上記目標入力時の適正ガイドベーン開度に開口制御する第3のステップとを具備することを特徴とする可変速水力機械の揚水運転方法。
  2. 上記可動ガイドベーンの上記中間開度の保持と上記可変速水力機械の回転速度の増速制御とは、実質的に同時に行われることを特徴とする請求項1に記載の可変速水力機械の揚水運転方法。
  3. 水量を調整する可動ガイドベーンを具備するポンプまたはポンプ水車などの可変速水力機械について揚水運転中に入力を初期の入力から目標入力まで増加させる可変速水力機械の揚水運転方法において、上記可動ガイドベーンを、上記初期の入力時のガイドベーン開度と上記目標入力時の適正ガイドベーン開度との中間に位置する中間開度まで開口制御する第1のステップと、上記第1のステップの後に上記可動ガイドベーンを上記中間開度に保持すると共に上記可変速水力機械の回転速度を上記目標入力時の適正回転速度まで増速制御する第2のステップと、上記回転速度が上記上記目標入力時の適正回転速度に達した後、または上記増速制御の開始から所定の時間の経過後に、上記可動ガイドベーンを上記中間開度から上記目標入力時の適正ガイドベーン開度に開口制御する第3のステップとを具備することを特徴とする可変速水力機械の揚水運転方法。
  4. 上記可動ガイドベーンの上記中間開度の保持と上記可変速水力機械の回転速度の増速制御とは、実質的に同時に行われることを特徴とする請求項3に記載の可変速水力機械の揚水運転方法。
  5. 水量を調整する可動ガイドベーンを具備するポンプまたはポンプ水車などの可変速水力機械について揚水運転中に入力を初期の入力から目標入力まで減少させる可変速水力機械の揚水運転方法において、上記可動ガイドベーンを上記初期の入力時のガイドベーン開度から上記目標入力時の適正ガイドベーン開度まで閉口制御する第1のステップと、上記可変速水力機械の回転速度を上記初期の入力時の回転速度と上記目標入力時の適正回転速度と中間に位置する中間回転速度まで減速制御し、かつ上記減速制御を上記第1のステップの上記閉口制御とほぼ同時に開始すると共に上記閉口制御よりも早期に終了する第2のステップと、上記可変速水力機械の回転速度を上記中間回転速度に保持する第3のステップと、上記可動ガイドベーンが上記目標入力時の適正ガイドベーン開度に達した後、または上記可変速水力機械の回転速度が上記中間回転速度に達した時点から所定の時間の経過後に、上記可変速水力機械の回転速度を上記中間回転速度から上記目標入力時の適正回転速度まで減速制御する第4のステップとを具備することを特徴とする可変速水力機械の揚水運転方法。
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