JP3839663B2 - 粉砕チップを備えたディスペンサー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉砕チップを備えたディスペンサーに関し、とくに、液状物に固形物を混在させた内容物につき、該固形物をより細かく、しかも均一に液状物の中に分散させようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
化粧料や洗顔料においては、液状物を母相としてその中に固形物を混在させたタイプのものが市販されてきている。このような内容物を充填した容器では、その内容物を適量取り出すに際しては普通、ポンプタイプのディスペンサーが適用されている。
【0003】
固形物は液状物に混在させるにあたっては円滑な排出ができるように予め粒度調整がなされた固形物が使用されているが、排出の初期段階では固形物よりも液状物がより多く吐出されるため中味の混在の割合が狙い通りにならず、固形物の、液状物に対する混在割合は一定しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、液状物に固形物を混在させた内容物につき、排出の初期段階から該固形物を液状物に均一に分散させた状態で排出することができる粉砕チップを備えたディスペンサーを提案するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、容器本体の口部に装着されるベース部と、このベース部に配置され口部を経て容器本体内に内挿されるサクションパイプを備えるノズル付きのヘッド部からなり、該ヘッド部の押圧とその初期位置への復帰を繰り返すことによってパイプを通してヘッド部のノズルより内容物を所定量排出するディスペンサーであって、
内容物の通過する通路内に、内容物に混在する固形物を粉砕して均一分散させる少なくとも一枚の隔壁をもった粉砕チップを配設してなる、ことを特徴とする粉砕チップを備えたディスペンサーである。
【0008】
上記のディスペンサーにおいて粉砕チップは、隔壁に粉砕口を有し、それを段階的に小さくした多段配列としたものを適用するのが望ましい。隔壁は直列的に配列することも、また、並列的に配列することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
液状物に固形物を混在させた内容物を、隔壁の粉砕口を通して排出するに際して固形物をその粉砕口で粉砕させる。これにより液状物の中で固形物の均一な分散が図られる。
【0010】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明に従う粉砕チップを備えたポンプタイプのディスペンサーを示したものである。
【0011】
図において1は容器本体の口部においてねじ止めによって装着することができるベース部、2はベース部1に配置されたヘッド部である。
【0012】
ヘッド部2はシリンダーs、ピストンp、開閉弁vの組合せになるポンプ部2aとこのポンプ部2aにつながるサクションパイプ2bにて構成される。ヘッド部2の押圧とその初期位置への復帰を繰り替えすことによってサクションパイプ2b、ポンプ部2aを通して容器本体内の内容物をノズル2cの先端より排出する。
【0013】
また、3はサクションパイプ2b内に配置した例で示した粉砕チップ、4はピストンpの通路にそれと一体形成した例で示した第2の粉砕チップである。
【0014】
粉砕チップ3はその外観を図2に示すようにその全てを一体成形とした4枚の隔壁3a〜3dを段階的に配置した1パーツの多段配列からなり、それぞれの隔壁3a〜3dには容器側からディスペンサーのノズル2cに向かって徐々にサイズを小さくした粉砕口h〜hが設けられている。
【0015】
ヘッド部2の押圧とその初期位置への復帰動作を繰り返すと、容器内の内容物は粉砕チップ3の各隔壁3a〜3dに設けられた粉砕口h〜hを通ってノズル2cより排出されることになるが、内容物の中に混在する固形物はその際、隔壁3a〜3dの各粉砕口h〜h及び第2の粉砕チップ4の粉砕口により段階的に粉砕されゆき、固形物が液状物中に均一に分散した状態でノズル2cより排出されることになる。
【0016】
隔壁3a〜3dの各粉砕口h〜hは、容器の底部側を上流、ノズル2c側を下流とした場合に、h>h>h>hとなるように上流から下流に向けて徐々に小さくしてゆく。
【0017】
粉砕口のサイズは、固形物のサイズ、材質に応じて適宜に設定される。また、粉砕口の形状は円形の場合を例として示したが、これは本発明においてとくに限定されるものでなく矩形、三角、星形等種々の形状が適用できる。
【0018】
図3は本発明に従う他の粉砕チップを組み込んだ例である。この例は、粉砕チップ3を3つのパーツよりなるものとしてこれをシリンダーsの先端部に組み付けたものであり、図4に分解状態における外観を示す。
【0019】
上掲図3、図4に示したタイプの粉砕チップ3についても、内容物に含まれる固形物は各隔壁を通り抜けるときに段階的に粉砕されノズル2cから排出された時点で小さく粉砕された固形物が液状物中に均一に分散される。
【0020】
また、図5は本発明に従う他の粉砕チップ3を備えた例を示したものである。ここに示した粉砕チップ3は図6にその外観を示したように2パーツからなる。かかる粉砕チップ3はチップ内のメンテナンスを容易とするものであって、固形物を均一に分散させる効果については前述のものと何らかわるところはない。
【0021】
図7は図8に示すような外観形状を有する粉砕チップ3を組み込んだ例であり、さらに、図9は図10に示すような外観形状を有する粉砕チップ3を組み込んだ好適例である。
【0022】
図7、図8に示した粉砕チップ3は隔壁3a〜3eのうち、3b、3c及び3dについて切り欠mを設け、シリンダーsおよびサクションパイプ2bへの取り付けに際してそれらの壁面と協働して粉砕口を形成するものである。
【0023】
この粉砕チップ3は、粉砕口において例え目詰まりが起きても、それを取り外すだけで簡単に解消することができる利点がある。
【0024】
さらに、粉砕チップ3は図11に示すように、隔壁3a〜3dと仕切り板によって内容物が通る通路を4つの部屋に区画して図中の矢印の如く、内容物を通すこともでき、この場合も固形物は段階的に粉砕され液状物において均一に分散されることになる。
【0025】
図12はディスペンサーの全体の外観を示したものであって、本発明に従う粉砕チップ3は、サクションパイプ2bのA部、B部あるいはC部のどの部分に配置することができるものであり、設置が可能ならば、ポンプ部内あるいはヘッド部2内に設置することも可能であり、設置場所についてはとくに限定されない。
【0026】
図13は口部にヒンジ式のキャップを備えたディスペンサーを装着して、胴部をスクイズすることによって内容物を排出する外容器5とこの外容器5の内側に配置され内容物を収納する減容可能な袋状の内容器6からなるデラミネーションタイプの容器を示したものである。
【0027】
かかる容器はディスペンサーの内部に上掲図1〜図11に示したような粉砕チップ3を組み込んでおくことにより、固形物を含むような内容物を充填するものであっても、ポンプタイプのディスペンサーと同様に固形物を均一に分散させた状態で排出することができる。
【0028】
本発明では、ポンプタイプやスクイズタイプのディスペンサーについて言及したが、内容物を通過させて定量的な注出を可能とするものであるならばとくにディスペンサーの形式については限定されない。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、液状物に固形物が混在するような内容物を充填する容器において、液状物の粘度にかかわりなく、固形物を液状物に均一に分散させた状態で排出することができる。
【0030】
液状物に含まれる固形物は、粉砕チップの粉砕口を通過する際に粉砕されることを前提とするものであるので、固形物の粒度を、最も下流側に位置する隔壁に設けられた粉砕口のサイズよりも大きい粒度になるように調整するのみで液状物に混在させることができ、固形物に関し厳密な粒度調整は必要なく、製造工程の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従う粉砕チップを備えたディスペンサーの構成図である。
【図2】 図1に示した粉砕チップの外観斜視図である。
【図3】 本発明に従う粉砕チップを備えたディスペンサーの他の構成例である。
【図4】 図3に示した粉砕チップの外観斜視図である。
【図5】 本発明に従う粉砕チップを備えたディスペンサーの他の構成例である。
【図6】 図6に示した粉砕チップの外観斜視図である。
【図7】 本発明に従う粉砕チップを備えたディスペンサーの他の構成例である。
【図8】 図7に示した粉砕チップの外観斜視図である。
【図9】 本発明に従う粉砕チップを備えたディスペンサーの他の構成例である。
【図10】 図9に示した粉砕チップの外観斜視図である。
【図11】 本発明に従う粉砕チップの外観斜視図である。
【図12】 ディスペンサーの外観を示した図である。
【図13】 デラミネーションタイプの容器外観を示した図である。
【符号の説明】
1 ベース部
2 ヘッド部
2a ポンプ部
2b サクションパイプ部
2c ノズル
3 粉砕チップ
3a〜3d 隔壁
4 第2の粉砕チップ
5 外容器
6 内容器
s シリンダー
p ピストン
v 開閉弁
〜h 粉砕口
m 切り欠

Claims (2)

  1. 容器本体の口部に装着されるベース部と、このベース部に配置され口部を経て容器本体内に内挿されるサクションパイプを備えるノズル付きのヘッド部からなり、該ヘッド部の押圧とその初期位置への復帰を繰り返すことによってサクションパイプを通してヘッド部のノズルより内容物を排出するディスペンサーであって、
    内容物の通過させる通路内に、内容物に混在する固形物を粉砕して均一分散させる少なくとも一枚の隔壁をもった粉砕チップを配設してなる、ことを特徴とする粉砕チップを備えたディスペンサー。
  2. 粉砕チップは、隔壁に粉砕口を有し、それを段階的に小さくした多段配列としたものである、請求項 1 記載のディスペンサー。
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