JP3836847B2 - 周波数解析方法および装置 - Google Patents
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Description
図1は、本実施の形態における周波数解析装置の構成を示す機能ブロック図である。同図の周波数解析装置は、測定部1と、アナログ/デジタル(A/D)変換部2と、応答関数算出部3と、応答関数最適化部4と、複素周波数算出部5と、表示部6と、記憶部11とを有する構成である。
sl-1=Σkaksl-1-k
…
sl-K=Σkaksl-K-k …(1)
ここで、kの範囲は1〜Kである。Kは、算出しようとする複素周波数の個数であり、2以上の値とする。Lは、必要に応じてKの2倍以上の値とする。Lの値をKよりも大きくとる場合には、応答関数最適化部4により最小自乗法などを用いて最適な応答関数akを算出する。
ここで、kの範囲は1〜Kである。式(2)を因数分解して1次の因数の積で表すことを考えると、方程式の根をe 2πiFkΔT z -1 とするとき、式(2)は次のように書き換えることができる。
=Πk(1-e2πiFkΔTz-1) …(3)
複素周波数算出部5は、予め求めておいた応答関数akをメモリから読み出し、この応答関数akを用いて、式(3)を満たすK個の複素周波数Fk=fk+ibkを算出し、表示部6へ出力する。ここで、f k は周波数項、b k は減衰項である。
図3は、本実施の形態における周波数解析装置の構成を示す機能ブロック図である。同図の周波数解析装置は、図1の応答関数算出部3と応答関数最適化部4に代えて、微分係数算出部7を備えた構成である。その他、図1と同一物あるいは近似物については同一の符号を付すものとし、ここでは重複した説明は省略する。
ここで、mの範囲は0〜M(Mは正の整数)である。微分係数算出部7は、記憶部11から読み出された時系列信号slを用いて、例えば最小自乗法により次式が最小となる未定係数cmを算出し、メモリに格納する。
ここで、lの範囲は0〜L(Lは正の整数)である。次に、未定係数a k を根とする線形微分方程式で表される次式の微分演算子Dを考える。
微分係数算出部7では、この微分演算子Dに含まれる未定係数akについて、メモリから読み出した未定係数cmを用いて、例えば最小自乗法により次式が最小となる未定係数akを算出し、メモリに格納する。
ここで、tの範囲はta〜tbである。tlは時系列信号slのl番目の値を与える時刻であり、taとtbは、係数akを算出するのに用いられる時系列信号slの先頭値を与える時刻t0と最終値を与える時刻tLとを用いて、不等式t0≦ta≦tb≦tLを満たす範囲で与えられる。
式(7)を最小にする未定係数a k の算出は、∫ t ‖D・y(t)‖dtをa k について偏微分したときの∂/∂a k ∫ t ‖D・y(t)‖dt=0を満たすa k を求めるようにする。
表示部6は、このようにして各区間ごとに得られたK個の複素周波数Fk=fk+ibkを表示する。ここでは、図4に示すように、複素周波数の実部を横軸、虚部を縦軸とするグラフを示す画面上で複素周波数Fkを表示する。もちろん、図2に示したように、時間軸を横軸、大きさを縦軸にして表示するようにしてもよい。
図5は、本実施の形態における周波数解析装置の構成を示す機能ブロック図である。同図の周波数解析装置は、図1の応答関数算出部3と応答関数最適化部4に代えて、予測係数算出部8を備えるとともに、複素周波数算出部5の出力段にスペクトル包絡算出部9を備えた構成である。その他、図1と同一物あるいは近似物については同一の符号を付すものとし、ここでは重複した説明は省略する。
ここで、kの範囲は1〜Kである。予測係数算出部8では、この時系列信号s'lを用いて、次式が最小となる予測係数akを算出し、メモリに格納する。
ここで、lの範囲はlO−L+1〜lOである。次に、予測係数akを用いた次式を考える。
ここで、kの範囲は1〜Kである。式(11)を因数分解することを考えると次式が成立する。
=Πk(1-e2πiFkΔTz-1) …(12)
複素周波数算出部5は、メモリから予測係数akを読み出し、この予測係数akを用いて式(12)を満たすK個の複素周波数Fk=fk+ibkを算出し、スペクトル包絡算出部9へ出力する。
表示部6は、図6に示すように、横軸を周波数fとするグラフを示す画面上で、スペクトル包絡線G(f)を表示する。
図7は、本実施の形態における周波数解析装置の構成を示す機能ブロック図である。同図の周波数解析装置は、図1の応答関数算出部3と応答関数最適化部4に代えて、Z変換算出部10を備えた構成である。その他、図1と同一物あるいは近似物については同一の符号を付すものとし、ここでは重複した説明は省略する。
ここで、kの範囲は0〜Kである。Z変換算出部10は、これを規格化してckを係数とする次式を与える。
ここで、kの範囲は1〜Kである。Kは、求めようとする複素周波数の個数であり、2以上の値とする。
ここで、kの範囲は1〜K'(K'は正の整数)である。式(16)の算出は、次式の対応関係に従って行う。
=Σkdk(1+Σmak mz-m) …(17)
=Σkdk+Σm(Σkdkak m)z-m …(18)
=1+Σkckz-k+O(z-K-1) …(19)
ここで、式(17),式(18)におけるkの範囲は1〜K'であり、mの範囲は1〜∞である。式(19)におけるkの範囲は1〜Kである。また、O(z-K-1)は、複素周波数の算出にあたっての残差項である。
=ΣkdkΠk'≠k(1-ak'z-1)/Πk(1-akz-1) …(20)
=Πk(1-a'kz-1)/Πk(1-akz-1) …(21)
=Πk(1-e2πiF"kΔTz-1)/Πk(1-e2πiF'kΔTz-1) …(22)
ここで、式(20)におけるk,k'の範囲は、1〜Kである。式(21),(22)の分子におけるkの範囲は1〜K"、分母におけるkの範囲は1〜K'である。
以下、実際の時系列信号を用いて複素周波数を算出したときの結果について説明する。
2…変換部
3…応答関数算出部
4…応答関数最適化部
5…複素周波数算出部
6…表示部
7…微分係数算出部
8…予測係数算出部
9…スペクトル包絡算出部
10…Z変換算出部
11…記憶部
Claims (11)
- 分割手段が、各波形の発生時刻をt' k 、各波形の大きさをc t'k とし、t<0の範囲で0をとりt≧0の範囲で1をとる関数h(t)、複素周波数F k を用いてΣ k Σ t'k c t'k h(t-t' k )e 2πiFk(t-t'k) という形で表すことができる非定常的な時系列信号s l を記憶した記憶手段から前記時系列信号を読み出して有限長の区間に分割するステップと、
応答関数算出手段が、各区間ごとに前記時系列信号を用いて次の連立方程式
s l =Σ k a k s l-k
s l-1 =Σ k a k s l-1-k
…
s l-K =Σ k a k s l-K-k
をa k について解くことにより応答関数akを算出して記憶手段に記憶させるステップと、
複素周波数算出手段が、前記算出された応答関数akを係数とする次式1-Σkakz-k を、e 2πiFkΔT z -1 を根としたときの1次の因数の積に因数分解して得られる1-Σkakz-k=Πk(1-e2πiFkΔTz-1)の関係を満たす複素周波数Fkを算出して記憶手段に記憶させるステップと、
を有することを特徴とする周波数解析方法。 - 分割手段が、各波形の発生時刻をt' k 、各波形の大きさをc t'k とし、t<0の範囲で0をとりt≧0の範囲で1をとる関数h(t)、複素周波数F k を用いてΣ k Σ t'k c t'k h(t-t' k )e 2πiFk(t-t'k) という形で表すことができる非定常的な時系列信号s l を記憶した記憶手段から前記時系列信号を読み出して有限長の区間に分割するステップと、
微分係数算出手段が、各区間ごとに多項式y(t)=Σmcm(t-t0)mを用いたときのΣl‖sl-y(t)‖が最小となるように未定係数cmを算出し、この未定係数cmとa k を根とする微分演算子D=Πk(d/dt-ak)とを用いた∫t‖D・y(t)‖dtについて、a k で偏微分したときの∂/∂a k ∫ t ‖D・y(t)‖dt=0を満たす未定係数akを算出して記憶手段に記憶させるステップと、
複素周波数算出手段が、算出されたakを用いてak=2πiFkの関係を満たす複素周波数Fkを算出して記憶手段に記憶させるステップと、
を有することを特徴とする周波数解析方法。 - 分割手段が、各波形の発生時刻をt' k 、各波形の大きさをc t'k とし、t<0の範囲で0をとりt≧0の範囲で1をとる関数h(t)、複素周波数F k を用いてΣ k Σ t'k c t'k h(t-t' k )e 2πiFk(t-t'k) という形で表すことができる非定常的な時系列信号s l を記憶した記憶手段から前記時系列信号を読み出して有限長の区間に分割するステップと、
予測係数算出手段が、各区間ごとに前記時系列信号s l を近似する時系列信号s'lをs'l=Σkaksl-kとしたときのΣl‖sl-s'l‖が最小となる予測係数akを算出して記憶手段に記憶させるステップと、
複素周波数算出手段が、前記算出された予測係数akを係数とする1-Σkakz-k を、e 2πiFkΔT z -1 を根としたときの1次の因数の積に因数分解して得られる1-Σkakz-k=Πk(1-e2πFkΔTz-1)の関係を満たす複素周波数Fkを算出して記憶手段に記憶させるステップと、
を有することを特徴とする周波数解析方法。 - 分割手段が、各波形の発生時刻をt' k 、各波形の大きさをc t'k とし、t<0の範囲で0をとりt≧0の範囲で1をとる関数h(t)、複素周波数F k を用いてΣ k Σ t'k c t'k h(t-t' k )e 2πiFk(t-t'k) という形で表すことができる非定常的な時系列信号s l を記憶した記憶手段から前記時系列信号を読み出して有限長の区間に分割するステップと、
Z変換算出手段が、各区間ごとに前記時系列信号s l についてのZ変換Σkskz-kを算出して記憶手段に記憶させるステップと、
複素周波数算出手段が、前記算出されたZ変換Σkskz-kを規格化したckを係数とする1+Σkckz-kを用いてak及びdkを係数とするΣkdk/(1-akz-1)を算出し、Σkdk/(1-akz-1)=Πk(1-e2πiF"kΔTz-1)/Πk(1-e2πiF'kΔTz-1)の関係を満たすK'個の複素周波数F'k=f'k+ib'kおよびK"個の複素周波数F"k=f"k+ib"kを算出して記憶手段に記憶させるステップと、
を有することを特徴とする周波数解析方法。 - スペクトル包絡算出手段が、前記算出された複素周波数F k を、次式G(f)=1/|1-e 2πi(Fk-f)ΔT | 2 に適用することによりスペクトル包絡線G(f)を算出して記憶手段に記憶させるステップを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の周波数解析方法。
- 各波形の発生時刻をt' k 、各波形の大きさをc t'k とし、t<0の範囲で0をとりt≧0の範囲で1をとる関数h(t)、複素周波数F k を用いてΣ k Σ t'k c t'k h(t-t' k )e 2πiFk(t-t'k) という形で表すことができる非定常的な時系列信号s l を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記時系列信号を読み出して有限長の区間に分割する分割手段と、
各区間ごとに前記時系列信号を用いて次の連立方程式
s l =Σ k a k s l-k
s l-1 =Σ k a k s l-1-k
…
s l-K =Σ k a k s l-K-k
をa k について解くことにより応答関数akを算出して記憶手段に記憶させる応答関数算出手段と、
前記算出された応答関数akを係数とする次式1-Σkakz-k を、e 2πiFkΔT z -1 を根としたときの1次の因数の積に因数分解して得られる1-Σkakz-k=Πk(1-e2πiFkΔTz-1)の関係を満たす複素周波数Fkを算出して記憶手段に記憶させる複素周波数算出手段と、
を有することを特徴とする周波数解析装置。 - 各波形の発生時刻をt' k 、各波形の大きさをc t'k とし、t<0の範囲で0をとりt≧0の範囲で1をとる関数h(t)、複素周波数F k を用いてΣ k Σ t'k c t'k h(t-t' k )e 2πiFk(t-t'k) という形で表すことができる非定常的な時系列信号s l を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から時系列信号を読み出して有限長の区間に分割する分割手段と、
各区間ごとに多項式y(t)=Σmcm(t-t0)mを用いたときのΣl‖sl-y(t)‖が最小となるように未定係数cmを算出し、この未定係数cmとa k を根とする微分演算子D=Πk(d/dt-ak)とを用いた∫t‖D・y(t)‖dtについて、a k で偏微分したときの∂/∂a k ∫ t ‖D・y(t)‖dt=0を満たす未定係数akを算出して記憶手段に記憶させる微分係数算出手段と、
算出されたakを用いてak=2πiFkの関係を満たす複素周波数Fkを算出して記憶手段に記憶させる複素周波数算出手段と、
を有することを特徴とする周波数解析装置。 - 各波形の発生時刻をt' k 、各波形の大きさをc t'k とし、t<0の範囲で0をとりt≧0の範囲で1をとる関数h(t)、複素周波数F k を用いてΣ k Σ t'k c t'k h(t-t' k )e 2πiFk(t-t'k) という形で表すことができる非定常的な時系列信号s l を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から時系列信号を読み出して有限長の区間に分割する分割手段と、
各区間ごとに前記時系列信号s l を近似する時系列信号s'lをs'l=Σkaksl−kとしたときのΣl‖sl−s'l‖が最小となる予測係数akを算出して記憶手段に記憶させる予測係数算出手段と、
前記算出された予測係数akを係数とする1-Σkakz-k を、e 2πiFkΔT z -1 を根としたときの1次の因数の積に因数分解して得られる1-Σkakz-k=Πk(1-e2πiFkΔTz-1)の関係を満たす複素周波数Fkを算出して記憶手段に記憶させる複素周波数算出手段と、
を有することを特徴とする周波数解析装置。 - 各波形の発生時刻をt' k 、各波形の大きさをc t'k とし、t<0の範囲で0をとりt≧0の範囲で1をとる関数h(t)、複素周波数F k を用いてΣ k Σ t'k c t'k h(t-t' k )e 2πiFk(t-t'k) という形で表すことができる非定常的な時系列信号s l を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から時系列信号を読み出して有限長の区間に分割する分割手段と、
各区間ごとに前記時系列信号s l についてのZ変換Σkskz-kを算出して記憶手段に記憶させるZ変換算出手段と、
前記算出されたZ変換Σkskz-kを規格化したckを係数とする1+Σkckz-kを用いてak及びdkを係数とするΣkdk/(1-akz-1)を算出し、Σkdk/(1-akz-1)=Πk(1-e2πiF"kΔTz-1)/Πk(1-e2πiF'kΔTz-1)の関係を満たすK'個の複素周波数F'k=f'k+ib'kおよびK"個の複素周波数F"k=f"k+ib"kを算出して記憶手段に記憶させる複素周波数算出手段と、
を有することを特徴とする周波数解析装置。 - 前記算出された複素周波数F k を、次式G(f)=1/|1-e 2πi(Fk-f)ΔT | 2 に適用することによりスペクトル包絡線G(f)を算出して記憶手段に記憶させるスペクトル包絡算出手段を備えることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の周波数解析装置。
- 請求項6乃至10のいずれかに記載の周波数解析装置における各手段をコンピュータに機能させるためのコンピュータプログラム。
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