JP3835687B2 - 無機質硬化層の形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物、土木構造物等の屋外部に露出する部位に適用可能な無機質硬化層の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物、土木構造物等の基材表面を被覆する材料としては、セメント等の水硬性無機質物質を結合剤とする無機質塗材が汎用的に使用されている。このような無機質塗材は、十分な強度を有する硬化層が形成可能であること、あるいは厚膜の硬化層が形成可能であること等の特長を有している。
無機質塗材によって形成された硬化層には、通常、仕上塗材による仕上塗装が施される。この仕上塗装によって、日射や降雨等に起因する硬化層の経年劣化やエフロレッセンスの発生を防止することが可能となる。また、種々の色彩やテクスチャーによる意匠性を付与することも可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、仕上塗装を行う前に降雨等があると、無機質硬化層が水を含んだ状態となる場合がある。このように水を含んだ無機質硬化層に仕上塗装を施すと、仕上塗膜の裏側に存在する水の圧力、あるいは内部の水蒸気圧や空気の熱膨張等によって、内側から塗膜を押上げる力が加わり、経時的に膨れ、剥れ、割れ等の塗膜欠陥が生じるおそれがある。特に、直接太陽光が照射される部分は温度上昇が大きく、より顕著に膨れ、剥れ、割れ等の塗膜欠陥が発生しやすくなる。このような問題の発生を防止するため、仕上塗装工事が始まる前に降雨等があった場合には、無機質硬化層が十分に硬化するのを待たなければならず、結果的に工期の長期化を招いてしまう。特に、軽量骨材等を含む無機質塗材によって形成された無機質硬化層では、その比重が小さく、水を吸いやすい性質を有するため、上述のような問題がより発生しやすい。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、無機質硬化層の形成段階における降雨等に起因する塗膜欠陥の発生を防止し、工期の短縮にも寄与することができる方法を得ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を行い、無機質塗材を塗付し、該無機質塗材が未乾燥未硬化状態である間に、表面処理材として透湿撥水性材料を塗付して無機質塗材を硬化させ、その後に仕上塗材を塗付する方法を発明した。
本発明によれば、無機質塗材の乾燥硬化過程において塗付形成された透湿撥水層が、水硬性無機質物質の水和反応を阻害せずに余剰の水分を透湿機能により蒸発させ、かつ、無機質塗材の乾燥硬化途中における、降雨、結露などによる外部からの水の浸入を撥水機能で抑制することができるため、極めて効率的に無機質塗材の乾燥硬化を達成させ、さらには仕上塗材の塗膜欠陥発生を防止することが可能となる。
すなわち、本発明は下記の特徴を有するものである。
【0006】
1.基材に対し、水硬性無機質物質を結合剤とする無機質塗材を塗付した後、透湿撥水性材料を塗付し、前記無機質塗材を硬化させ、次いで少なくとも1種の仕上塗材を塗付し、前記仕上塗材のうち、第1の仕上塗材として有機溶剤を含有するものを使用することを特徴とする無機質硬化層の形成方法。
2.前記無機質塗材が、水硬性無機質物質及び軽量骨材を含有するものであることを特徴とする項1記載の無機質硬化層の形成方法。
3.前記透湿撥水性材料が、合成樹脂及び撥水剤を含有するものであることを特徴とする項1または項2に記載の無機質硬化層の形成方法。
4.前記透湿撥水性材料において、合成樹脂が水可溶型合成樹脂及び/または水分散型合成樹脂、撥水剤が水分散型シリコン系撥水剤であることを特徴とする項3記載の無機質硬化層の形成方法。
5.前記透湿撥水性材料において、合成樹脂と撥水剤の固形分比率が95:5〜5:95であることを特徴とする項3または項4記載の無機質硬化層の形成方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに詳細に説明する。
【0008】
[基材]
本発明は、建築物、土木構築物等の主として屋外部に露出する各部位、例えば壁、柱、梁、床、屋上、屋根等の基材表面に対し適用できるものである。このような基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、軽量コンクリート、サイディングボード、押出成形板等のセメント系基材、圧延鋼材、軽量形鋼、H形鋼、角形鋼管等の金属系基材等が挙げられる。これら基材は、何らかの表面処理(シーラー、サーフェーサー、フィラー、防錆プライマー等による下地処理等)が施されたものであってもよく、既に塗膜が形成されたものであってもよい。また、無機質硬化層の脱落防止等のために、基材表面にメタルラス、ワイヤーラス等の各種ラスを取り付けておくこともできる。
【0009】
[無機質塗材]
本発明における無機質塗材は、水硬性無機質物質を結合剤とするものである。水硬性無機質物質としては、例えば、ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、シリカセメント、石灰混合セメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、キーンスセメント、マグネシアセメント、ドロマイト、水硬性石灰、石膏等が挙げられる。これらは1種以上または2種以上で使用することができる。
【0010】
水硬性無機質物質以外の成分としては、例えば、パーライト、膨張バーミキュライト、スチレン樹脂発泡体、エチレン酢酸ビニル樹脂発泡体、塩化ビニル樹脂発泡体等の軽量骨材;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライト、ハロイサイト、アロフェン、エトリンジャイト等の吸熱物質;珪砂、寒水石、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土等の骨材;ガラス繊維、鋼繊維、ビニロン繊維、パルプ繊維等の繊維物質;クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アスファルト、ゴムアスファルト等の有機質結合剤;その他増粘剤、消泡剤、減水剤、膨張剤、凝結促進剤、界面活性剤等を使用することもできる。これら成分は適用部位、用途、要求性能等に応じて適宜選択、混合することができる。このうち、水硬性無機質物質及び軽量骨材を含有する無機質塗材では、断熱性を高めることができ、さらに吸熱物質を含有する無機質塗材では、耐火性を付与することもできる。本発明では、特に無機質塗材が軽量骨材を含有するものである場合に、顕著な効果を発揮することができる。
【0011】
本発明では、上述の無機質塗材に水を加えて均一に混合したものを基材に塗付する。通常、水は塗付直前に混合される。塗付時には、コテ、スプレー等の塗装器具を用いることができる。形成される硬化層の厚みは、適用部位、用途、要求性能等に応じて適宜設定すればよい。特に、本発明は無機質硬化層の厚みが5mm以上、さらには10〜50mmである場合に有効である。
【0012】
[透湿撥水性材料]
本発明では、無機質塗材を塗付した後、その表面に透湿撥水性材料を塗付する。透湿撥水性材料を塗付するタイミングは、無機質塗材の塗付後、該無機質塗材が乾燥硬化する前であれば特に限定されない。通常は、無機質塗材の表面が乾燥した後に行えばよく、具体的には無機質塗材の塗付後2〜48時間経過後である。
本発明では、このような透湿撥水性材料を使用することにより、無機質塗材の乾燥硬化を阻害せずに、無機質塗材の乾燥硬化段階における降雨等による水の浸入を抑制することができる。
【0013】
本発明における透湿撥水性材料としては、塗付後に透湿性及び撥水性を発揮可能な材料であれば特に限定されず使用することができる。具体的に、透湿性として水蒸気透過度が50g/m2日以上、撥水性として水との接触角が70度以上(好ましくは80度以上、さらに好ましくは90度以上)の物性を有するものが使用できる。このうち、無機質塗材の乾燥硬化性、仕上塗材との密着性等を考慮すると、合成樹脂及び撥水剤を含有するものが好適である。
【0014】
このような合成樹脂(以下「(A)成分」という)としては、例えば、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ふっ素樹脂等、あるいはこれらを複合したもの等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。(A)成分の形態としては、溶剤可溶型、非水分散型、水可溶型、水分散型等が挙げられる。このうち本発明では、水可溶型樹脂及び/または水分散型樹脂が好適である。
【0015】
撥水剤(以下「(B)成分」という)としては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、アクリル・エチレン共重合体ワックス等のワックス系撥水剤;シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、アルキルアルコキシシラン等のシリコン系撥水剤;パーフロロアルキルカルボン酸塩、パーフロロアルキルリン酸エステル、パーフロロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のフッ素系撥水剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このうち、本発明においてはシリコン系撥水剤が好ましく用いられる。
(B)成分の形態としては、溶剤可溶型、非水分散型、水可溶型、水分散型等が挙げられる。このうち、本発明では水分散型が好適である。
本発明における透湿撥水性材料としては、(A)成分が水可溶型合成樹脂及び/または水分散型合成樹脂、(B)成分が水分散型シリコン系撥水剤である場合が最も好適である。このような組合せにすれば、無機質塗材の乾燥初期段階においても透湿撥水性材料を均一に塗付することが可能となる。
【0016】
(A)成分と(B)成分との固形分比率は、95:5〜5:95であり、好ましくは90:10〜10:90、さらに好ましくは85:15〜15:85である。(A)成分がこの比率より多い場合は、無機質塗材の乾燥硬化性が低下してしまう。また、透湿撥水性材料自体に膨れが発生するおそれもある。(A)成分がこの比率より少ない場合は、十分な吸水防止性を発揮することが困難となる。さらには仕上塗材との密着性を低下させるおそれもある。
【0017】
透湿撥水性材料には、上述の成分の他、顔料、染料、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を使用することもできる。
透湿撥水性材料は、上述のような成分を適宜混合することにより製造することができる。塗装作業性等を考慮すると、表面処理材の固形分は概ね20〜40重量%とすることが望ましい。固形分の調整には水等を用いればよい。
【0018】
透湿撥水性材料の塗付方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、スプレー、ローラー、刷毛等の塗装器具を用いて塗付することができる。透湿撥水性材料の塗付量は、特に限定されないが、通常、固形分で1〜300g/m2、好ましくは10〜200g/m2である。
【0019】
[仕上塗材]
本発明では、上記無機質塗材の硬化後、少なくとも1種の仕上塗材を塗付する。仕上塗材を塗付するタイミングは、無機質塗材の種類、厚み等にもよるが、通常、無機質塗材の塗付後3〜60日経過後である。
【0020】
仕上塗材としては、所望の色彩や表面形状、あるいは所望の塗膜性能等に応じ、各種材料を使用することができる。仕上塗材は1種のみでもよいし、2種以上を組合せて使用してもよく、具体的には下記のような仕様例が挙げられる。
・第1の仕上塗材として下地への密着性能を有する塗材、第2の仕上塗材として凹凸模様が形成可能な塗材、第3の仕上塗材として有色塗材を使用。
・第1の仕上塗材として下地への密着性能を有する塗材、第2の仕上塗材として凹凸模様が形成可能な有色塗材を使用。必要に応じ第3の仕上塗材としてクリヤー塗材を使用。
・第1の仕上塗材として下地への密着性能を有する塗材、第2の仕上塗材として有色塗材を使用。
・第1の仕上塗材として下地への密着性能を有しかつ凹凸模様が形成可能な塗材、第2の塗材として有色塗材を使用。
・第1の仕上塗材として下地への密着性能を有する有色塗材を使用。
【0021】
上述のような仕上塗材のうち、有色塗材としては、例えば、JIS K5663「合成樹脂エマルションペイント」、JIS K5660「つや有り合成樹脂エマルションペイント」、JIS K5654「アクリル樹脂エナメル」、JIS K5656「建築用ポリウレタン樹脂エナメル」、JIS K5657「鋼構造物用ポリウレタン樹脂エナメル」、JASS18 M−207「非水分散形アクリル樹脂エナメル」、JASS18 M−404「アクリルシリコン樹脂塗料」、JIS K5658「建築用ふっ素樹脂エナメル」、JIS K5659「鋼構造物用ふっ素樹脂エナメル」、JIS K5667「多彩模様塗料」等が挙げられる。
凹凸模様が形成可能な塗材あるいは凹凸模様が形成可能な有色塗材としては、例えば、JIS K5668「合成樹脂エマルション模様塗料」、JIS A 6909「建築用仕上塗材」(例えば、薄付け仕上塗材、厚付け仕上塗材、複層仕上塗材主材等)、その他石材調仕上塗材、砂岩調仕上塗材等が挙げられる。
【0022】
本発明における仕上塗材のうち、第1の仕上塗材として使用するものについては、下地への密着性能を有する必要がある。この点において、第1の仕上塗材としては1種以上の有機溶剤を含むものが望ましい。このような仕上塗材を使用すれば、無機硬化層表面が撥水性を有しているにもかかわらず、無機質硬化層への浸透性が高まり、密着性が向上する。さらに、無機質硬化層表層部の補強効果を発揮することもできる。このような補強効果は、無機質硬化層が軽量骨材を含む場合に特に有効である。
【0023】
具体的に、有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶剤;メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール等のアルコール系有機溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ヘキサン、シクロヘキサン、石油ナフサ、ミネラルスピリット等の脂肪族系有機溶剤;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等のエーテル系有機溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このような有機溶剤のうち、水への溶解性を有するものについては、水と混合して使用することも可能である。
【0024】
第1の仕上塗材における樹脂成分としては、上述の有機溶剤を含む溶媒に溶解または分散可能なものであれば、特に限定されず使用することができる。樹脂の種類としては、例えば、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ふっ素樹脂等、あるいはこれらを複合したもの等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。本発明における第1の仕上塗材としては、特に、溶剤可溶型樹脂及び有機溶剤を含有するものが好適である。また、撥水性の表面に馴染むように設計された、前述の有機溶剤を含む水性塗材も利用可能である。
【0025】
本発明における仕上塗材の塗付方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、スプレー、ローラー、鏝、刷毛等の塗装器具を用いて塗付することができる。仕上塗材の塗付量は、使用する材料に応じて適宜設定すればよい。
【0026】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0027】
(実施例1)
1000×400×5mmの鉄板に直径9mmの鉄筋を溶接し、さらにその鉄筋にメタルラスを針金にて取り付けたものを基材とした。次いで、ポルトランドセメント100重量部、膨張バーミキュライト80重量部、パーライト120重量部、酢酸ビニル樹脂粉末20重量部、炭酸カルシウム200重量部、水酸化アルミニウム200重量部、及びガラス繊維10重量部からなる無機質塗材に水を加えたスラリーを、上記基材に厚みが20mmとなるようにコテ塗りした。
常温にて24時間静置後、水分散型合成樹脂(アクリル樹脂エマルション、固形分50重量%)80重量部、水分散型シリコン系撥水剤(ジメチルポリシロキサンのポリオキシエチレンアルキルエーテル乳化物、固形分50重量%)20重量部、造膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)8重量部、鉱物油系消泡剤0.5重量部、水58重量部からなる表面処理材1(合成樹脂の固形分:撥水剤の固形分=80:20)を、塗付量0.15kg/m2でスプレー塗装した。その後、常温にて静置し、1日おきに試験体の表面に水を噴霧した。
表面処理材の塗付から28日後、溶剤可溶型エポキシ樹脂(固形分50重量%)100重量部、酢酸ブチル20重量部、メチルイソブチルケトン5重量部からなる仕上塗材1を、塗付量0.2kg/m2でスプレー塗装し、常温にて2時間静置した。
次いで、仕上塗材2(商品名「レナエクセレントA」;エスケー化研株式会社製)を塗付量2.5kg/m2でスプレー塗装し、24時間後、さらに仕上塗材3(商品名「弾性ウレタンカラー」;エスケー化研株式会社製)を塗付量0.3kg/m2でスプレー塗装し、常温にて14日間養生した。
養生後の試験体について、JIS K5600−5−6に準じた付着性試験を行ったが、特に異常は認められなかった。また、養生後の試験体に250W赤外線ランプを24時間照射した後、膨れ発生の有無を確認したが、特に異常は認められなかった。
【0028】
(実施例2)
表面処理材として、水分散型合成樹脂60重量部、水分散型シリコン系撥水剤40重量部、造膜助剤6重量部、鉱物油系消泡剤0.5重量部、水60重量部からなる表面処理材2(合成樹脂の固形分:撥水剤の固形分=60:40)を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。その結果、いずれの試験においても異常は認められなかった。
【0029】
(比較例1)
表面処理材を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして試験を行った。その結果、付着性試験で塗膜が剥離してしまった。赤外線ランプ照射後には膨れが発生してしまった。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、無機質硬化層の形成段階における降雨等に起因する塗膜欠陥の発生を防止することができる。本発明は、工期の短縮にも寄与することができる。
Claims (3)
- 基材に対し、水硬性無機質物質を結合剤とする無機質塗材を塗付した後、透湿撥水性材料を塗付し、前記無機質塗材を硬化させ、次いで少なくとも1種の仕上塗材を塗付し、前記仕上塗材のうち、第1の仕上塗材として有機溶剤を含有するものを使用することを特徴とする無機質硬化層の形成方法。
- 前記無機質塗材が、水硬性無機質物質及び軽量骨材を含有するものであることを特徴とする請求項1記載の無機質硬化層の形成方法。
- 前記透湿撥水性材料が、合成樹脂及び撥水剤を含有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無機質硬化層の形成方法。
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