JP3835580B2 - 光学装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学特性の異なる複数の光ビームを用いる光学装置(特に光ディスク用光学ピックアップ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクシステムが多様化するなかで、例えば、CD(コンパクトディスク)、CD−R(レコーダブル)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)等のように、レーザ光の互換性の無い光ディスクが増えている。
【0003】
このような環境下で、例えば、CD用の780nm(又は790)波長帯のレーザダイオードと、DVD用の635nm(又は650)波長帯のレーザダイオードとを有する2波長対応(2ディスク対応)の光学ピックアップが作製されている。
【0004】
2ディスク対応の光学ピックアップとしては、例えば、フォーマットが異なる光ディスク毎に光学ピックアップを用意した構成(2レンズタイプ)や、波長選択ホログラムなどを利用して開口制限等を行い、1つの対物レンズでフォーマットの異なる光ディスクに対応する構成(1レンズタイプ)等が知られている。
【0005】
しかしながら、フォーマットが異なる光ディスク毎に光学ピックアップを用意した装置(2レンズタイプ)では、光ディスクシステムの大型化やコストの上昇をもたらしている。また、一般に、2つのレーザダイオードや光検出器(フォトダイオード)等をそれぞれ異なる基板上に作製した光学ピックアップの調整は難しく、また、全体(光学ピックアップ)のサイズが大きくなると同時に、その部品点数も多くなる。
【0006】
また、1レンズタイプの2ディスク対応光学ピックアップとして、例えば、図17に示すようなLD(レーザダイオード)−PD(フォトダイオード)ユニットを用いたDVD−CD用2波長対応の光学ピックアップが知られている。
【0007】
この光学ピックアップは、CD及びDVDの再生が可能な光学ピックアップであって、フォトダイオード112aとレーザダイオード112bとを有するDVD用のLD−PDユニット111bと、同じようにフォトダイオードとレーザダイオードとを有するCD用のLD−PDユニット111aとを有しており、さらに、これらのユニットから出力される光ビームの光軸上には、波長フィルター113、集光レンズ114、立ち上げミラー115、偏光ホログラム116、開口フィルター及び波長板117、対物レンズ118が設けられている。
【0008】
この光学ピックアップにおいて、CDの再生時には、発光点隔差を設けることによって球面収差を補正すると共に、多層膜開口フィルターによる開口制限をしており、この多層膜開口フィルターは内周部を多層構造の反射防止膜、外周部を短波長透過フィルターとしているので、DVDの再生に対しては、波長が変化しても位相差が生じないように構成されている。また、信号検出用ホログラムとしては再生光量の確保のために偏光ホログラム116が採用されており、さらに、波長板117は、波長790nmの光ビームに対してはλ板、波長650nmの光ビームに対しては1/4λ板相当になるように設計されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した構成の光学ピックアップでは、波長フィルター113や波長板117などの波長選択性を有する光学部品が用いられており、それぞれの波長の違いを利用して光ビームの光軸と一致(合軸)させたり或いは分離を行っているが、温度変化等によってレーザ光の発振波長が変化し易く、また、DVD(波長650nm)とCD(波長790nm)では、その波長領域が近いこともあって、波長の選択性のみを利用した合軸/分離手段では、その十分な消光比をとることが難しい。
【0010】
さらに、このような光学ピックアップを構成するためには、上述したように多くの光学部品を使わざるをえず、また、その組み立て工程も煩雑になるために、小型化、低コスト化には不向きである。
【0011】
【発明に至る経過】
このような実情に鑑みて、本出願人は、特願平8−154839号(平成8年5月27日出願)にて、図12〜図15に示す如く、共通のパッケージ内(又は基板上)に、互いに分離された2つの光源部を搭載した2波長対応の光学ピックアップを作製した。
【0012】
図12は、フォトダイオード84a及び84bを有するフォトダイオードIC基板(PDIC)83上に、それぞれ異なる発振波長を有するレーザダイオード81a及び81bが設けられているPINフォトダイオードチップ(pin−PDチップ)82と、前記各波長に対応するプリズム85とを有する複合光学素子(レーザカプラ:LC)80である。
【0013】
具体的には、PINフォトダイオードチップ82には段が形成されており、この段の下段部には、あるフォーマットのレーザダイオード81aが設けられ、前記段の上段部には、レーザダイオード81aとはフォーマットの異なるレーザダイオード81bが設けられている。また図示省略するが、各レーザダイオードの後部側には、各フォーマットに最適化されたレーザ光強度検出用のフォトダイオードがそれぞれ設けられている。
【0014】
また、図13は、互いに異なるフォーマットであって、それぞれの発振波長に対応するレーザダイオードとプリズムとフォトダイオードとを有するレーザカプラ87a及び87bが、図示の如くに並列に配されているチップ93である。
【0015】
また、図14は、フォトダイオード92a及び92bを有する共通基板(PDIC)90上に、レーザダイオード89a及び89bとこれらに共通のマイクロプリズム91とが一体化されているレーザカプラ88であり、さらに、図15は、共通のpin−PDチップ103上にレーザダイオード101aとレーザダイオード101bとを有し、これがフォトダイオード(CD−PD)102bとフォトダイオード(DVD−PD)102aとを有する共通のフォトダイオードIC(図示省略)上に設けられたレーザカプラ104である。
【0016】
図12〜図15に示したように、2つの光源(レーザダイオード)を有する光学装置はいずれも、共通基板上に各光源部を有しており、また、図示省略するが、互いに光学特性の異なる2つの光ビームは、近接したほぼ平行な光軸を有しているので、比較的高い消光比でその光軸合わせを行うことができ、さらに、その合軸/分離のために必要な光学部品の点数も少なく、小型化、低コスト化が十分に可能な光学ピックアップである。
【0017】
このような2波長対応の光学ピックアップの作製上、用いられる対物レンズを共有とする(即ち、1つである)ことが望ましい。これは、ハード構成をさらに簡素化できる上、低コスト化、小型化、軽量化が実現できるためである。
【0018】
しかしながら、実際問題として、対物レンズの共有を考えると、レンズの視野の関係から、2つのレーザダイオード間の距離を小さくしてチップレベルでの実装を行わざるを得ず、制限された構成となり易い。
【0019】
また、実際の製造プロセスを考慮すると、特に図13〜図15に示した光学装置が有用であると考えられる。しかしながら、この場合、波長選択性を有するホログラム等を使用し、対物レンズの視野内に2つの光ビームが納まるように光軸変更手段が必要である。
【0020】
ここで、波長選択性を有する光軸変更手段の一例を図16に示す。これは、ホログラフィック光学素子(Holographic Optical Element : HOE)であって、図16(A)に示す如く、対物レンズ106とホログラフィック光学素子105とを組み合わせることによって、互いに異なる波長を有する2つの光ビームの光軸を合わせることが可能な光学部品である。
【0021】
つまり、図16(B)に示す如く、例えば波長650nmの0次の光ビーム(DVD対応)はHOE105a(平行平板)にて回折されないが、図16(C)に示す如く、波長780nmの+1、0、−1次の光ビーム(CD対応)は、HOE105bにて球面収差がキャンセルされて回折し、これら2つの光ビームの光軸が合わせられる。即ち、HOE105表面のスリットのサイズ等を適宜調節すれば、一方の光ビームを透過させ、他方の光ビームの光軸を曲げて、2つの光ビームの光軸合わせを行うことができる。
【0022】
従って、図12〜図15に示した如き光学装置を用い、その光軸を合わせるためには、2つの光ビームの波長が異なれば〔例えば、CD(波長780nm)、DVD(波長650nm)の互換用途〕、図17に示した波長フィルターや図16に示したホログラフィック光学素子(波長選択ホログラム)等を用いて光軸変更(合軸/分離)できる。
【0023】
ところが、波長選択性を利用した光軸変更は、温度変化等による発振波長の変化や、例えば650nm帯域と780nm帯域ではその発振波長が近い等の理由で、かなり複雑で部品点数の多い光軸変更手段を講じなければならず、また、それぞれの光ビームを十分な消光比をもって操作することが難しいという課題が未だ残されている。
【0024】
さらに、例えばCD−RやCD−RW(リライタブル)の書き込み(write) /読み込み(read)を行う場合(具体的には、例えば波長780nmでの高出力レーザと低出力レーザを使用する場合)、即ち、2つの光ビームの波長が近い或いは同じ場合、前述した波長選択性を有する光学部品では光軸変更できない。
【0025】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、少なくとも2つの光ビームを用いた光学装置を構成するに際し、特にそれぞれの光ビームの波長が近い若しくは同じ場合でも、簡便かつ高精度に光軸変更することができ、さらに簡易な構成で小型化及び低コスト化可能な光学装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、互いに分離された複数の光源部が共通基体上に配され、前記複数の光源部からの各出射光が互いに偏光状態の異なる複数の光ビームとして導かれ、これらの光ビームの光路上に偏光特性を利用した光軸変更手段が配され、この光軸変更手段によって前記複数の光ビームの光軸が実質的に同一となされ、これらの光ビームが対物レンズに入射するように構成されている、光学装置において、
前記光軸変更手段が、前記対物レンズの手前に設けられた偏光ホログラム及び異方性結晶からなり、前記複数の光ビームのうち所定の光ビームが、前記異方性結晶によって光軸変更された後に前記偏光ホログラムによって開口制限され、光軸変更されない他の光ビームと実質的に同一の光軸で前記対物レンズに入射するように構成されていることを特徴とする光学装置(以下、本発明の光学装置と称する。)に係るものである。
【0027】
本発明の光学装置によれば、前記共通基体上に設けられた光源部からの複数の出射光が、それぞれ互いに偏光状態の異なる光ビームとして導かれ、さらに、これらの光ビームの光路上に、異方性結晶及び偏光ホログラムからなる、偏光特性を利用した光軸変更手段が配され、この光軸変更手段を構成する異方性結晶によって前記複数の光ビームのうち所定の光ビームが他の光ビームと実質的に同一光軸上に光軸変更(合軸)されるように構成されているので、光学部品点数を減じ、さらに、高精度の光学装置(特に、光学ピックアップ)を構成できる。
【0028】
つまり、共通基体上に前記複数の光源部が設けられており(特に、1つのパッケージ内に配することが可能であり)、また光学系を構成する光学部品の点数も少ないので、小型化、低コスト化が可能であると同時に、複数の光ビームの光軸変更を実現するに際し、各々の光ビームの偏光状態の違いを利用しているので、光学系における透過光強度を十分に確保し、高い消光比を得ることができる。しかも、光軸変更された光ビームは更に偏光ホログラムによって開口制限を受ける(球面収差が補正される)ので、より高精度に結像させることができる。
【0029】
また、本発明の光学装置における光ビームの出射を行う光ビーム出射装置として、共通基体上に互いに分離された複数の光源部を有し、この共通基体から、互いに偏光状態が異なっており、かつ、実質的に平行方向に光軸を有する複数の光ビームが出射されるように構成されているのがよい
【0030】
なお、本発明において「光軸変更」とは、複数の光ビームのうち少なくとも1つの光ビームの光軸を変更して他の光ビームの光軸と実質的に同一の光軸となるように光軸を合わせること(合軸)を意味し、また、「偏光特性を利用した光軸変更手段」とは、各々の光ビームの偏光状態の違いによる選択性を利用する光学部品(偏光ホログラムや異方性結晶)であって、特に光学ピックアップを構成する場合は、対物レンズと一体であってもよいし、対物レンズとは空間的に離れていてもよく、これによって焦点合わせや開口制限なども実現できる。
【0031】
また、「共通基体」とは、前記光源部が配される基体が共通であることを意味し、例えば、半導体基体(例えばフォトダイオードIC基板)やパッケージのハウジング等が挙げられる。また、「互いに分離された複数の光源部」とは、例えば、互いに分離されたレーザダイオード等であってもよいし、1つの半導体レーザにおける互いに分離された複数の光源部(発光部)であってもよい。
【0032】
さらに、「光ビーム出射装置」とは、少なくとも前記複数の光ビームの出射を行う(望ましくはその検出も行う)ことが可能な装置であり、「光学装置」とは、光ビーム出射装置と、偏光特性を利用した光軸変更手段とを組み合わせた装置(例えば光学ピックアップ)を意味する。
【0033】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の光学装置と光ビーム出射装置について説明する。
【0034】
本発明の光学装置において、前記複数の光源部とビームスプリッタと光検出部とを集積した複合光学素子(レーザカプラ)をパッケージ等の共通基体上に配し、この共通基体から、直線偏光であってかつ偏光状態がそれぞれ異なる複数の光ビームが実質的に平行方向に出射するよう構成できる。例えば、光源部としてレーザダイオード(LD:Laser Diode )を用いる場合、直線偏光であって偏光状態がそれぞれ異なる複数の光ビームを出射する複数のレーザダイオードを備えたレーザカプラ(LC:Laser Coupler )を1つのパッケージ内に配することで、本発明に基づく光学装置(特に光学ピックアップ)を構成できる。
【0035】
即ち、互いに偏光状態が異なり、かつその光軸がほぼ平行方向となるように出射される複数の光ビームの光軸を変更する(即ち、光軸を合わせる)ためには、その光軸上に、例えば偏光ホログラム等の偏光特性を利用した光軸変更手段を配するだけでよく、従って、光学系における部品点数を減じて簡易な構成で光軸変更でき、さらに、その光軸を大きく変更するものでなく、また、偏光特性を利用した光軸変更であるので、温度変化(波長変化)等による影響が少なく、消光比の高い光学装置(特に光学ピックアップ)を構成できる。
【0036】
また、本発明の光学装置及び光ビーム出射装置においては、第1の光源部と第1のビームスプリッタと第1の光検出部とを集積した第1の複合光学素子(LC)と、第2の光源部と第2のビームスプリッタと第2の光検出部とを集積した第2の複合光学素子(LC)とがそれぞれ、共通のパッケージ内に収容されていてもよい。
【0037】
または、第1の光源部と第2の光源部とが、これらに共通のビームスプリッタ(例えば共通のプリズム)と共に、光検出部(例えばフォトダイオード)が設けられた共通基板上に配され、共通のパッケージ内に収容されていてもよい。
【0038】
また、本発明の光学装置及び光ビーム出射装置においては、前記複数の光ビームが2つの光ビームであって、それぞれ直線偏光であってかつ90度方位の異なる偏光状態であることが望ましい。このような光学特性の光ビーム(即ち、互いに異なる偏光状態にある光ビーム)の光軸を、偏光特性を利用した光軸変更手段によって変更(即ち合軸)することは、波長選択性を利用した光軸変更手段による光軸変更よりも簡便であり、かつ高い消光比が得られる。
【0039】
前記2つの光ビームは、例えば、一方の光ビームがS偏光であれば、他方の光ビームはP偏光であってよい。また、一方の光ビームがTMモードであれば他方の光ビームがTEモードであってよい。
【0041】
ここで、図1〜3を参照に、光ディスクの光学ピックアップに用いる光軸変更手段の具体的構成例を示す。
【0042】
図1は、光軸変更手段としてホログラム一体型対物レンズを用いて光軸変更、最適焦点距離を与える例である。なお、ホログラム一体型対物レンズ3とは、例えば図示の如く、対物レンズの1面にスリット状の回折格子(ホログラム)3aが設けてあり、入射する光ビームの偏光状態によってその光軸変更を実現するレンズである。
【0043】
図1において、パッケージ1aから実質的に平行方向に出射された互いに異なる2つの偏光状態を有する光ビーム(例えば、図中破線で示される波長780nmのS偏光と、図中実線で示される波長650nmのP偏光)は、ホログラム一体型対物レンズ3を介して光軸の変更(光軸合わせ又は合軸)、さらに最適焦点距離の調節が行われ、光ディスク2の信号記録面4a又は4bに記録された信号の読み取り(又は書き込み)を行うことができる。
【0044】
即ち、例えば、波長650nmのP偏光はホログラム一体型対物レンズ3にて光軸変更されずにそのまま通過し、適当な焦点距離をもって光ディスク2の信号記録面に入射するが、波長780nmのS偏光はホログラム一体型対物レンズ3にてその光軸が変更され、さらに、球面収差が補正されて、光軸変更されない波長650nmのP偏光と実質的に同じ光路(光軸)をとるようになる。
【0045】
特に、図1に示した構成のピックアップでは、互いに異なる偏光状態の光ビームに対してそれぞれ異なった焦点位置を与えることができ、ディスク厚(即ち、信号記録面までの距離)がそれぞれ異なる例えばCDとDVDとのフォーマットに対して機械的な可動機構を必要とせずに、それぞれの記録層へ選択的に光ビームを入射させその反射光(即ち情報)を得ることが十分に可能である。また、例えば2つの記録層を有する光ディスクにも対応可能である。
【0046】
ところで、一般に、DVDはCDに比べピットが小さい(記録容量が大きい)ため、高NAの対物レンズを使用しなければならない。対物レンズをDVD、CDで共有する場合、DVDに合わせた高NAの対物レンズを使用するが、この時、この高NAレンズでCDを再生すると球面収差の影響で上手く焦点が合わない(DVD、CDでディスク厚が異なるため、収差が発生する)。そこで、ホログラム一体型対物レンズで2焦点をつくり、前述した光軸変更と同時に、球面収差の補正をも行うことができる。
【0047】
図2は、光軸偏光手段として偏光ホログラムを用い、偏光ホログラムと対物レンズとによって光軸変更及び開口制限を与える例である。
【0048】
図2において、パッケージ1bから実質的に平行方向に出射される互いに異なる偏光状態の2つの光ビーム(例えば、図中実線で示される波長780nmのS偏光と、図中破線で示される波長650nmのP偏光)は、偏光ホログラム5によって光軸変更されると同時に開口制限され、対物レンズ6を介して光ディスク2の信号記録面4に入射し、記録信号の読み取り(又は書き込み)を行うことができる。
【0049】
即ち、例えば、図中破線で示される波長650nmのP偏光は、偏光ホログラム5にて光軸変更されずにそのまま通過して対物レンズ6に入射し、適当な焦点距離をもって光ディスク2の信号記録面4に入射するが、図中実線で示される波長780nmのS偏光は偏光ホログラム5にてその光軸が変更され、さらに開口制限を受けて光軸変更されない波長650nmのP偏光と実質的に同じ光路(光軸)をとって対物レンズ6に入射し、適当な焦点距離をもって(球面収差が補正されて)光ディスク2に入射される。
【0050】
従って、偏光ホログラムと対物レンズとを有するのみで、光軸変更、最適焦点距離の調節(球面収差の補正)等を実現することができ、かつ、それぞれの光ビームの強度を十分に保ちながら伝達できるので、消光比が高く、高精度の光学ピックアップを実現できる。
【0051】
図3は、光軸変更手段として異方性結晶板7を用いて光軸変更し、さらに偏光ホログラム8で開口制限する本発明の光学装置の例である。
【0052】
図3において、パッケージ(PKG)1cから実質的に平行方向に出射される互いに異なる偏光状態を有する2つの光ビーム(例えば、図中実線で示される波長780nmのS偏光と、図中破線で示される波長650nmのP偏光)は、異方性結晶板(例えばサバール板)7にて光軸変更され、この後、偏光ホログラム8にて開口制限(球面収差の補正)を与えられる。そして、偏光ホログラム8を出射する各光ビームは、適当な焦点距離をもって図示省略した光ディスクに入射するように構成されている。
【0053】
即ち、上述したように、例えば、図中破線で示される波長650nmのP偏光は、異方性結晶板7にて光軸変更されずにそのまま通過して対物レンズ6に入射し、適当な焦点距離をもって光ディスクの信号記録面に入射するが、図中実線で示される波長780nmのS偏光は異方性結晶板7にてその光軸が変更され、さらに偏光ホログラム8にて開口制限を受けて(球面収差が補正されて)、光軸変更されない波長650nmのP偏光と実質的に同じ光路(光軸)をとって対物レンズ6に入射し、適当な焦点距離をもって光ディスクに入射される。
【0054】
この光学ピックアップでは、サバール板等の異方性結晶板で2つの光ビームの光軸変更を行っており、簡易な構成で高精度の光学ピックアップを構成できる。
【0055】
なお、図1〜図3では、2つの光ビームが互いに異なる波長を有している場合を示したが、これらの光ビームが同一或いはほぼ同一の波長を有している場合でも、同様の構成で光ビームの光軸変更(光軸合わせ)を実現できる。また、P偏光やS偏光なども限定されるものではない。
【0056】
このように、図1〜図3に示した光学ピックアップは、簡便な構成で(即ち、部品点数が少なく)光軸変更(光軸合わせ又は合軸)、さらには球面収差の補正を行うことができ、また、その偏光特性を利用した構成であるので、光学系での光ビームの強度低下等を最小限に抑えることができ、高い消光比で2つの光ビームを操作できる。
【0057】
本発明の光学装置及び光ビーム出射装置においては、前記複数の光ビームがそれぞれ同一若しくは異なる波長を有していてもよい。即ち、同じ波長を有する複数の光ビームであっても、異なる波長を有する複数の光ビームであっても、高精度かつ簡便に光軸変更を行うことができる。
【0058】
また、本発明の光学装置及び光ビーム出射装置においては、例えば、それぞれ同一の偏光状態である2つの光ビームを出射する各光源部を、それぞれ90度異なる方位で設けることができる(図4参照)。
【0059】
或いは、それぞれ90度方位の異なる偏光状態の前記複数の光ビームを出射する光源部が設けられていてもよい(図5〜図7参照)。この光ビーム出射装置は、例えば、第1の光源部が設けられている面を前記共通基体に対して水平に設け、第2の光源部が設けられている面を前記共通基体に対して垂直に設けることによって構成できる。または光源部のみを互いに90度方位が異なるように形成してもよい。
【0060】
また、本発明の光学装置及び光ビーム出射装置においては、TMモード(Transverse Magnetic wave)発振する第1の光源部(レーザダイオード)と、TEモード(Transverse Electric wave)発振する第2の光源部(レーザダイオード)とが設けられていてもよい(図10参照)。これらのモードは互いに90度偏光状態の異なる光ビームである。
【0061】
また、本発明の光学装置では、前記複数の光ビームが対物レンズを介して信号記録面に入射され、この際、前記複数の光ビームが選択的に入射されるように構成することができる。
【0062】
以下、本発明を望ましい実施の形態について説明する。
【0063】
第1の実施の形態
図4を参照に第1の実施の形態を説明する。なお、光軸変更手段や対物レンズ等の他の光学系は、図1〜図3に示した光学ピックアップ等に準じて適宜構成できる(以下、各実施の形態も同様)。
【0064】
本実施の形態に基づく光ビーム出射装置は、図示の如く、2つの異なるフォーマットのレーザカプラが、互いに90度異なる向きで共通のパッケージ内に収容されてなるものである。
【0065】
まず、本実施の形態に使用されるレーザカプラの構成を説明する。図4(C)に示す如く、表面領域に光信号検出用のフォトダイオード(PD)16及び17が設けられたフォトダイオードIC(PDIC)基板15上に、光源部であるレーザダイオード(LD)12と、出射光ビームと入射光ビームとを分割するビームスプリッタ(ビームスプリット面)19を有するプリズム13とが取り付けられている。ここで、フォトダイオードIC基板は、フォトダイオードの他、信号の電流−電圧変換アンプや演算処理部などがIC化されたものである。
【0066】
なお、レーザダイオード12は、表面領域にPINフォトダイオード(pin−PD)18が設けられたシリコンチップ(pin−PDチップ)14を介して、PDIC15に取り付けられる。このpin−PDチップ14に設けられたPINフォトダイオード18は、レーザダイオード12の出力を制御する目的で設けられており、そのレーザダイオード12の後面側から出射するレーザ光をモニタするためのものである。
【0067】
また、レーザダイオード12の前面から出射したレーザ光は、プリズム13のビームスプリッタ(ビームスプリット面)19でほぼ直角方向に反射され、図示省略するが、パッケージ10上部の透明カバーガラス、対物レンズ等の光学系を介して光ディスクの信号記録面に導かれる。一方、光ディスクの信号記録面で反射されたレーザ光は、前記光学系を介してプリズム13のビームスプリット面19を透過し、フォトダイオード16及び17で検出される。
【0068】
本実施の形態に基づく光ビーム出射装置としてのパッケージ(PKG)10内には、このパッケージ10のハウジング10Aを共通基体として、上記のような構成を有する2つのレーザカプラ11a及び11bが、図4(A)及び図4(B)に示す如く、それぞれ90度異なる方位をもってマウントされている。
【0069】
なお、具体的な構成として、発振波長780nmのレーザダイオード12aと、発振波長650nmのレーザダイオード12bとを用い、プリズム13a及び13b、フォトダイオードIC15a及び15b、pin−PDチップ14a及び14bを、それぞれのレーザカプラに搭載したレーザダイオードの発振波長に最適化すれば、例えばCD−DVDの2ディスク対応の光学ピックアップを作製できる。
【0070】
また、これらのレーザカプラは、例えば、フォトダイオードIC基板上に、レーザダイオードが通常の構成で設けられた(即ち、水平マウントされた)pin−PDチップ(以下、LDを有するpin−PDチップを「LOP(Laser On Photodiode )」と称することがある。)をマウントし、さらにプリズムの形成及びダイシング分離を行った後、ダイボンディング工程(DB工程)を経て、パッケージ内に収容される。
【0071】
即ち、このような構成のレーザカプラを有するパッケージ10から実質的に平行方向に出射されるレーザ光は、レーザダイオード12a及び12bから出射された時点では偏光状態が同一であるので、パッケージ10からは、それぞれ90度異なる偏光状態で出射される。従って、互いに偏光状態の90度異なる2つの光ビームは、図1〜図3に示した光学系にて、光軸変更手段にて光軸変更され、さらに対象とする光ディスクの特性に合わせて焦点深さ(焦点距離)が変えられ、或いはまた、対象とする光ディスクの特性に合わせて開口制限されて、ディスクの信号記録面に入射し、その記録情報を読み取ることができる。
【0072】
なお、前記パッケージは、例えば、リードフレーム構造のパッケージ、セラミックパッケージ、モールドパッケージなどから選ばれる(以下、同様)。
【0073】
第2の実施の形態
図5を参照に第2の実施の形態を説明する。
【0074】
本実施の形態に基づく光ビーム出射装置は、共通のパッケージ内に2つのレーザカプラを互いに並列に配し、それぞれのレーザダイオードからの出射光ビームが、出射された時点で互いに90度異なる偏光状態となるように構成したものである。
【0075】
即ち、レーザカプラ22a及び22bに関し、レーザダイオード23aはパッケージ21に対して水平方向にマウントされているが、他方のレーザダイオード23bはパッケージ21に対して垂直方向にマウントされている。但し、本実施の形態では、レーザダイオード23bが設けられたpin−PDチップ24b(即ち、LOP25b)を、フォトダイオードIC27b上に、レーザダイオード23aから出射されるレーザ光とは互いに90度異なる向きの直線偏光が出射されるようにマウントする。この90度方位を逆にするLOP25bは、例えば、フォトダイオードIC上にLOPを配置する装置を用い、通常のLOPのマウントにおいて、LOP供給シートによるピックアップの後にこれを中間ステージに一時移し、90度反転の後、フォトダイオードIC上にマウントすればよい。
【0076】
このようにレーザダイオード(特にLOP)の向きを調整することによって、パッケージ21から、それぞれ直線偏光であってかつ90度方位の異なる偏光状態を有するレーザ光が実質的に平行方向に出射される。
【0077】
従って、レーザカプラ22a及び22bに関し、別々の波長設計のプリズムやフォトダイオードIC等を使用することができ、例えばCD−DVDの2波長対応光学ピックアップを作成する場合には、レーザダイオード22aとして波長650nmの発振波長を有するレーザダイオード、プリズム26aとして波長650nm設計のマイクロプリズム、PDIC27aとして波長650nm設計のPDICを使用することができ、同様にレーザカプラ22bは、波長780nm対応に設計できる。
【0078】
なお、本実施の形態では、熱特性に劣るレーザダイオードを水平にマウントすることが望ましい。一般に、レーザダイオードの発熱をコントロールするためにpin−PDチップ等にはヒートシンクが設けられるが、レーザダイオード、特にその活性層における熱の制御(熱の移動効率)を考慮すると、熱特性に劣るレーザダイオードを水平マウントして、これを制御し易いように構成することが望ましい。
【0079】
例えば、発振波長780nmのレーザダイオード(CD用)と発振波長650nmのレーザダイオード(DVD用)とを用いる場合、一般に発振波長650nmのレーザダイオードの方が熱特性に劣るので、これを水平マウントし、発振波長780nmのレーザダイオードを垂直マウントすることが望ましい。また、発振波長が同一であって出力強度の異なるレーザダイオードを用いる場合、レーザ光強度の大きな方のレーザダイオードを水平マウントすることが望ましい。
【0080】
次に、本実施の形態に基づく光源部の作成手順を図8を参照に説明する。図8は、水平マウントされるLOP25aに対して90度方位が異なるようにマウント(垂直マウント)されたLOP25bについて、フォトダイオードIC27b上に半田53aが予めパターニングされている例である。
【0081】
即ち、図8(A)に示したように、pin−PDチップ24b内に所定の配線構造(ワイヤ51を介して所定の演算部に接続されているPメタルパッド52aとNメタルパッド52b)を有し、かつその所定位置にレーザダイオード23bを有するLOP25bと、半田53aが所定形状にパターニングされ、所定のIC構造を有するフォトダイオードIC27bとを、図示の如く接着することによって、図8(B)に示すように、フォトダイオードIC27b上に、pin−PDチップ24bとその側面部に配置されたレーザダイオード23bとからなるLOP25bをマウントできる。
【0082】
第3の実施の形態
図6を参照に第3の実施の形態を説明する。
【0083】
本実施の形態に基づくレーザ光出射装置は、1つのパッケージ内に2つのレーザカプラを並列に配し、それぞれのレーザダイオードからの出射光ビームが、互いに90度異なる偏光状態となるように構成したものであって、基本的には第2の実施の形態と同様のものである。
【0084】
即ち、レーザカプラ31a及び31bに関し、一方のレーザダイオード23aはパッケージ21に対して水平方向にマウントされているが、他方のレーザダイオード23bはパッケージ21に対して垂直方向にマウントされている。但し、本実施の形態では、pin−PDチップ上のレーザダイオードを互いに90度異なる向きに設けたLOPをフォトダイオードIC上にマウントしたものである。また、水平方向にマウントされるレーザダイオード23aに対して90異なる方位でpin−PDチップ33b上にマウント(垂直マウント)されるレーザダイオード23bは、例えば、pin−PDチップ上にレーザダイオードをマウントする装置を用い、通常のチップマウント時に、レーザダイオード供給シートによりピックアップの後に、中間ステージに一時移し、ここでレーザダイオードを90度反転した後、pin−PDチップ上にマウントすればよい。
【0085】
このようにレーザダイオードのマウント面を変更することによって、パッケージ21から、それぞれ直線偏光であってかつ90度方位の異なる偏光状態を有するレーザ光を実質的に平行方向に出射できる。
【0086】
なお、本実施の形態では、上述した第2の実施の形態と同様に、熱特性に劣るレーザダイオードを水平にマウントすることが望ましい。
【0087】
次に、本実施の形態に基づく光源部の作成方法を図9を参照に説明する。図9は、レーザダイオード32aとは90度方位の異なるレーザダイオード32bを、半田53c及び53dが所定パターニングされたpin−PDチップ33b上に配置する場合の例である。
【0088】
即ち、図9(A)に示したように、所定のIC構造を有しかつ所定パターニングされた半田53c及び53dが設けられているpin−PDチップ33b上に、Pメタル54aとNメタル54bとをその表面領域に有するレーザダイオード32bを図示の如く接着することによって、図9(B)に示したように(但し、この図は、図9(A)の上面図である)、pin−PDチップ33b上の所定位置にレーザダイオード32bを、通常の水平マウントとは90度方位の異なる向きでマウントできる。なお、ワイヤ55a及び55bはパッケージ又はフォトダイオードICのリードへ接続されるようになされている。
【0089】
第4の実施の形態
図7を参照に第4の実施の形態を説明する。
【0090】
本実施の形態に基づくレーザ光出射装置は、パッケージ45内に2つのレーザダイオードを有するフォトダイオードIC上に配したレーザカプラを設け、それぞれのレーザダイオードから実質的に平行方向に出射される光ビームが、互いに90度異なる偏光状態となるように構成したものであって、2波長対応の共通のプリズム47及び2波長対応設計の共通のフォトダイオードIC48を用いて、1つのフォトダイオードIC上にLOP46a及び46bをマウントしたものである。但し、このパッケージから出射される2つの光ビームの波長帯域が同じである場合、2波長対応のプリズムや2波長対応設計のフォトダイオードICを設ける必要はないので、各レーザカプラの相対的位置精度を出し易い。
【0091】
例えば、LOP46aを波長650nm対応、LOP46bを波長780nm対応とし、プリズム47として波長650nm及び780nm対応のマイクロプリズム、PDIC48として波長650nm及び780nm対応設計のフォトダイオードICを使用することがきるが、LOP46a及び46bが同一波長のレーザ光を出射する場合は、プリズム47は1波長対応のプリズム、PDIC46は1波長対応設計のフォトダイオードICであってよい。
【0092】
第5の実施の形態
図10を参照に第5の実施の形態を説明する。
【0093】
通常のファブリ・ペロー共振器構造を有するレーザダイオードの端面反射率はTEモードの方が高いので、TEモードの方が選択的に発振する。ところが、例えば、その量子井戸構造の中に格子不整合による歪み(引っ張り歪み又は量子歪み)を有する系では、価電子帯バンドがスプリットして、ライトホールのエネルギー準位がヘビーホールのエネルギー準位よりも高くなる結果、TMモードの電流利得が大きくなり、TMモードが選択的に発振する。
【0094】
例えば、波長780nm帯の発振波長を有するレーザダイオード62aと、波長650nm帯の発振波長を有するレーザダイオード62bとを搭載している場合、波長650nm帯のレーザダイオードとして量子歪みの入っているレーザダイオードを使用すると、このレーザダイオード63bがTEモード発振のレーザダイオードとなり、他方のレーザダイオード63aがTMモード発振のレーザダイオードとなる。
【0095】
即ち、パッケージ61から実質的に平行方向に出射される2つのレーザ光は、それぞれ直線偏光であってかつ90度方位の異なる偏光状態を有するTMモード、TEモードであるので、図1〜図3に記載した光学ピックアップを用いることにより、高い消光比をもってかつ簡易な構成で光軸変更でき、さらに最適焦点距離合わせや開口制限も実現できる。
【0096】
第6の実施の形態
第1の実施の形態から第5の実施の形態では、異なる波長に対応したディスクフォーマットの対応を例にとったが、本実施の形態は、CD−RやCD−RWの書き込み用途及び読み取り用途に使用できる光ビーム出射装置である。
【0097】
即ち、図示省略するが、第1〜第5の実施の形態と同様の装置構成にて、2つのレーザダイオードとして両方共に例えば波長780nm発振のレーザダイオードを用い、一方が低出力強度の読み取り用レーザダイオードであり、他方が高出力強度の書き込み用レーザダイオードとしてもよい。この場合、パッケージから出射される実質的に平行方向に光軸を有する2つのレーザ光は、光軸変更手段と対物レンズとを使用することによって、光軸変更、開口制限等をうけて信号検出に用いられ、この光軸変更手段としては、上述したように、異方性結晶板、偏光ホログラム等を使用できる。
【0098】
以上、本発明を望ましい実施の形態について説明したが、本発明は上述した形態に限定されるものではない。
【0099】
本発明の光学装置及び光ビーム出射装置では、例えば、図1〜図3に示した光学ピックアップの代わりに、図11に示すように、レーザカプラ71a及び71bが配されているパッケージ70の上面に、各レーザカプラから出射されるレーザ光の光路上に偏光ホログラム73又は異方性結晶を有するカバー72を設けてもよい。この場合には、光軸変更手段の配置が容易となり、またその配置精度も良好となる。
【0100】
また、上述した各実施の形態において、レーザカプラにおけるpin−PDチップをそれぞれ別々に記載したが、共通のpin−PDにレーザダイオードを搭載していてもよく、また、共通のフォトダイオードIC上にレーザダイオードやプリズムを搭載してもよい。さらに、3つ以上の光源を設けた構成にしても構わない。また、図12に示したレーザカプラを構成し、本発明に基づいて互いに異なる偏光状態の光ビームを出射するようにしてもよい。
【0101】
また、本発明の光学装置及び光ビーム出射装置を光ディスクの光学ピックアップについて主に説明したが、本発明の光学装置はこれに限定されるものではなく、例えば、上記構成の光学装置において、光軸変更された光ビーム(即ち、合軸された光ビーム)を対物レンズにて光ファイバに絞り込めば、光通信用の光学装置として使用可能である。
【0102】
また、本発明の光学装置及び光ビーム出射装置は、CDやDVD等の音楽又は画像の録音/再生に使用できる他、例えば、CD−RやCD−RW、さらにはコンピュータ用の外部記憶装置、電子ファイル、画像ファイル等様々な用途に適用可能である。
【0103】
また、本発明の光学装置及び光ビーム出射装置は、光磁気ディスク(MOやMD)への対応も可能である。CDやDVDでは光の強度が信号となるので、レーザカプラから出射し、光軸偏光手段、対物レンズ等の光学系を介してディスクの反射面から戻ってきたレーザ光は、上述したように、それぞれ対応する検出部で検出できる。
【0104】
一方、光磁気ディスクでは、偏光方向がディスクの信号記録面で回転し、この回転を信号として検出するので、この回転成分がCDやDVDと同様の光路では戻ってこない。そこで、この回転成分が戻ってくる位置に検出部を配することや、他方の検出部に戻るように設計すること等の対策をとれば、光磁気ディスクへの対応も十分に可能である。
【0105】
【発明の作用効果】
本発明の光学装置によれば、共通基体上に設けられた光源部からの複数の出射光がそれぞれ互いに偏光状態の異なる光ビームとして導かれ、さらに、これらの光ビームの光路上に、異方性結晶及び偏光ホログラムからなる、偏光特性を利用した光軸変更手段が配され、この光軸変更手段を構成する異方性結晶によって前記複数の光ビームのうち所定の光ビームが他の光ビームと実質的に同一光軸上に光軸変更(合軸)されるように構成されているので、簡易な光学系を構成することができると同時に、光学系での光ビームの強度低下を最小限に抑えて高い消光比を得ることができ、高精度化、小型化および低コスト化を実現する光学装置を提供できる。つまり、共通基体上に前記複数の光源部が設けられており(特に、1つのパッケージ内に配することが可能であり)、また光学系を構成する光学部品の点数も少ないので、小型化、低コスト化が可能であると同時に、複数の光ビームの光軸変更を実現するに際し、各々の光ビームの偏光状態の違いを利用しているので、光学系における透過光強度を十分に確保し、高い消光比を得ることができる。しかも、光軸変更された光ビームは更に偏光ホログラムによって開口制限を受ける(球面収差が補正される)ので、より高精度に結像させることができる。
【0106】
本発明の光学装置に望ましく適用される光ビーム出射装置によれば、共通基体上に互いに分離された複数の光源部を有し、この共通基体から、互いに偏光状態が異なっており、かつ、実質的に平行方向に光軸を有する複数の光ビームが出射されるように構成されているので、互いに偏光状態が異なり、平行方向に光軸を有する複数の光ビームを、簡易な構成で出射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学装置を説明するための光学ピックアップの概略図である。
【図2】 同、他の光学ピックアップの概略図である。
【図3】 本発明の光学装置に基づく光学ピックアップの概略図である。
【図4】第1の実施の形態に基づく光ビーム出射装置の上面図(A)、この上面図のb−b線断面図(B)、およびレーザカプラの構造を示す概略側面図(C)である。
【図5】第2の実施の形態に基づく光ビーム出射装置の上面図(A)、この上面図のb−b線断面図(B)である。
【図6】第3の実施の形態に基づく光ビーム出射装置の上面図(A)、この上面図のb−b線断面図(B)である。
【図7】第4の実施の形態に基づく光ビーム出射装置の上面図(A)である。
【図8】第2の実施の形態に基づく光ビーム出射装置におけるLOPを作製する際の手順を示す概略図である。
【図9】第3の実施の形態に基づく光ビーム出射装置におけるレーザダイオードを作製する際の手順を示す概略図である。
【図10】第5の実施の形態に基づく光ビーム出射装置の上面図(A)、この上面図のb−b線断面図(B)である。
【図11】本発明の光学装置に基づく光ビーム出射装置の変形例である。
【図12】2つの異なる波長帯域のレーザ光を発振できる光学装置の一例の概略断面図である。
【図13】同レーザ光を発振できる光学装置の他の一例の概略斜視図である。
【図14】同レーザ光を発振できる光学装置の他の一例の概略斜視図である。
【図15】同レーザ光を発振できる光学装置の他の一例の概略斜視図である。
【図16】同レーザ光の波長選択性を有するホログラムの一例である。
【図17】2つの異なる波長帯域のレーザ光を発振できる従来の光学装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c、10、21、30、45、61、70…パッケージ、
2…光ディスク、3…ホログラム一体型対物レンズ、
4、4a、4b…信号記録面、5、8、73…偏光ホログラム、
6、106…対物レンズ、7…異方性結晶板、
11、11a、11b、22a、22b、31a、31b、62a、
62b、71a、71b、80、87a、87b、88、104…レーザカプラ(LC)、
12、12a、12b、23、23a、23b、32、32a、32b、
63a、63b、81a、81b、89a、89b、101a、101b…レーザダイオード(LD)、
13、13a、13b、26a、26b、47、65a、65b、85、91、100…プリズム、
14、14a、14b、24、24a、24b、33、33a、33b、64a、64b、82、103…pin−PDチップ、
15、15a、15b、27a、27b、48、90…フォトダイオードIC(PDIC)、
16、17、84a、84b、92a、92b、102a、102b…フォトダイオード(PD)、
18…pin−フォトダイオード(pin−PD)、
19…ビームスプリッタ(ビームスプリット面)、
20、25a、25b、46a、46b…LOP、
51、55a、55b…ワイヤ、
52a…pメタルパッド、52b…nメタルパッド、
53a、53b、53c、53d…半田、
54a…pメタル、54b…nメタル、72…カバー、93…チップ、
105、105a、105b…ホログラフィック光学素子(HOE)、
111a…CD用LD−PDユニット、
111b…DVD用LD−PDユニット、112a…PD、112b…LD、
113…波長フィルター、114…集光レンズ、115…立ち上げミラー、
116…偏光ホログラム、117…開口フィルタ及び波長板、
118…対物レンズ

Claims (11)

  1. 互いに分離された複数の光源部が共通基体上に配され、前記複数の光源部からの各出射光が互いに偏光状態の異なる複数の光ビームとして導かれ、これらの光ビームの光路上に偏光特性を利用した光軸変更手段が配され、この光軸変更手段によって前記複数の光ビームの光軸が実質的に同一となされ、これらの光ビームが対物レンズに入射するように構成されている、光学装置において、
    前記光軸変更手段が、前記対物レンズの手前に設けられた偏光ホログラム及び異方性結晶からなり、前記複数の光ビームのうち所定の光ビームが、前記異方性結晶によって光軸変更された後に前記偏光ホログラムによって開口制限され、光軸変更されない他の光ビームと実質的に同一の光軸で前記対物レンズに入射するように構成されていることを特徴とする光学装置
  2. 前記複数の光源部とビームスプリッタと光検出部とを集積した複合光学素子が共通基体上に配され、前記複合光学素子から、直線偏光であってかつ偏光状態がそれぞれ異なる前記複数の光ビームが実質的に平行方向に出射されるように構成されている、請求項1に記載した光学装置。
  3. 第1の光源部と第1のビームスプリッタと第1の光検出部とを集積した第1の複合光学素子と、第2の光源部と第2のビームスプリッタと第2の光検出部とを集積した第2の複合光学素子とがそれぞれ、共通のパッケージ内に収容されている、請求項1に記載した光学装置。
  4. 第1の光源部と第2の光源部とが、これらに共通のビームスプリッタと共に光検出部を設けた共通基板上に配され、共通のパッケージ内に収容されている、請求項1に記載した光学装置。
  5. 前記複数の光ビームが、それぞれ直線偏光であってかつ90度方位の異なる偏光状態を有する2つの光ビームである、請求項1に記載した光学装置。
  6. 前記複数の光ビームがそれぞれ同一若しくは異なる波長を有している、請求項1に記載した光学装置。
  7. それぞれ同一の偏光状態である前記複数の光ビームを出射する各光源部が、それぞれ90度異なる方位で設けられている、請求項1に記載した光学装置。
  8. それぞれ90度方位の異なる偏光状態である前記複数の光ビームを出射する光源部が設けられている、請求項1に記載した光学装置。
  9. 第1の光源部が設けられている面が前記共通基体に対して水平に設けられ、第2の光源部が設けられている面が前記共通基体に対して垂直に設けられている、請求項に記載した光学装置。
  10. TMモード発振する第1の光源部と、TEモード発振する第2の光源部とが設けられている、請求項3に記載した光学装置。
  11. 前記複数の光ビームが前記対物レンズを介して信号記録面に入射され、この際、前記複数の光ビームが選択的に入射されるように構成した、請求項1に記載した光学装置。
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