JP3835172B2 - 転炉設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック廃棄物を転炉でリサイクル利用する際に、含プラスチック成形体の貯蔵用容器内における着火並びに燃焼を防止することが可能な転炉設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉、転炉、電気炉及び取鍋精錬炉等の冶金炉を用いて溶鋼に代表される溶融金属を製錬及び精錬する場合には、電気、重油、天然ガス、炭材等の熱源を利用して原材料等を加熱し、溶融させている。これら熱源のコストは製造コストの中で大きな比率を占めており、そのコスト削減が強く要望され、各種の方策が実施されている。
【0003】
一方、近年、産業廃棄物や一般廃棄物としてプラスチック等の合成樹脂類の廃棄物が急増している。これら合成樹脂類はC、H、Oを主成分とし、燃焼時に発生する熱量が高く、焼却処理した場合には焼却炉を傷めたり、大気の温暖化をもたらすために、焼却炉では大量処理が困難であり、その多くがゴミ埋立地等に投棄されてきた。しかし、極めて分解され難い合成樹脂類の埋立投棄は環境対策上好ましくなく、有効なリサイクル利用方法の開発が切望されてきた。
【0004】
このような背景の下、プラスチック等合成樹脂類の廃棄物を粒状化し、これを高炉等の冶金炉に吹き込んで、補助燃料又は還元剤として利用する方法が特開平9−137926号公報に開示されており、又、プラスチックをバインダーとしてプラスチックと鉄鉱石やダスト等とを塊成化した含プラスチック成形体を転炉炉口から装入し、補助燃料として利用する方法が特開平10−140223号公報に開示されている。これらの方法により、大量のプラスチック等合成樹脂類の廃棄物がリサイクル利用され、省資源や省エネルギーのみならず、自然環境の保護に大いに貢献している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の冶金炉でプラスチックや含プラスチック成形体を利用する場合には、これらを冶金炉の周辺で保管・貯蔵する必要がある。溶融金属を処理する冶金炉の周辺は高温環境であることが多く、従って、プラスチックや含プラスチック成形体を保管・貯蔵するための設備も高温雰囲気中に設置せざるを得ない場合が多い。例えば、溶銑を精錬して溶鋼を製造する転炉の場合には、所定の時間内に所定量の副原料を正確に炉内に投入する必要があるため、生石灰や鉄鉱石を始めとしてプラスチック及び含プラスチック成形体等の副原料の貯蔵用ホッパーは、所謂転炉炉上貯蔵ホッパーとして転炉炉上に設置されている。転炉炉上には転炉により暖められた空気が上昇してくると共に、高温の転炉ガスを通す排ガス設備が設置されており、可燃性を有するプラスチックや含プラスチック成形体が炉上の貯蔵ホッパー内で着火する可能性がないとは云えない。
【0006】
又、鉄粉やミルスケールと混合された含プラスチック成形体の場合には、成形体表面には鉄粉等金属が露出しており、搬送中に露出した金属同士が衝突した場合や露出した金属と貯蔵ホッパーの金属部とが衝突した場合には火花が発生し、雰囲気温度が高くなくとも、この火花により含プラスチック成形体が着火する虞がある。
【0007】
プラスチック等合成樹脂は可燃性であり、着火すると激しく燃焼する。貯蔵ホッパー内で燃焼した場合には、プラスチックや含プラスチック成形体を利用できなくなるばかりか、建家の火災にまで至る危険性があり、溶融金属の製錬若しくは精錬を停止せざるを得ない。このような危険性があるにも拘わらず、上記2件の公報ではプラスチック及び含プラスチック成形体の保管・貯蔵時の着火防止対策が講じられていない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、転炉において、プラスチック廃棄物を熱源や還元剤としてリサイクル利用する際に、鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑などと混合された含プラスチック成形体の着火を防止することが可能な貯蔵用容器を備えた転炉設備を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明による転炉設備は、プラスチック廃棄物と鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑の1種以上とが混合されて成形された含プラスチック成形体を炉内に供給する転炉設備であって、容器内を大気と遮断するための開閉可能な蓋と、この容器内に窒素又は炭酸ガスを供給するためのガス導入管と、この容器内を排気するためのガス排出管とを具備し、前記含プラスチック成形体がこの容器内に供給されるときには前記蓋が解放されるものの通常はこの蓋が閉鎖され、前記ガス導入管を介して窒素又は炭酸ガスが供給され、窒素又は炭酸ガスにて容器内が置換されながら前記ガス排出管を介して排気される貯蔵用容器を、炉内に添加される前記含プラスチック成形体を貯蔵するための転炉炉上貯蔵ホッパーとして備えると共に、容器内の温度を測定する温度測定装置と、この容器の上方から容器内に消火剤を散布する消火剤散布装置とを具備し、前記温度測定装置による容器内の温度測定値に基づき、前記消火剤散布装置から消火剤が散布される貯蔵用容器を、炉内に添加される前記含プラスチック成形体を貯蔵するための地上の貯蔵バンカーとして備え、前記転炉炉上貯蔵ホッパー内及び前記貯蔵バンカー内で前記含プラスチック成形体の燃焼を防止することが可能なことを特徴とするものである。
【0010】
第2の発明による転炉設備は、第1の発明において、前記消火剤として炭酸ガスを用いることを特徴とするものである。
【0011】
第3の発明による転炉設備は、第1の発明又は第2の発明において、前記ガス排出管には、圧力制御手段が設置されており、この圧力制御手段により排気ガス量が制御され、容器内の圧力が維持されることを特徴とするものである。
【0012】
第4の発明による転炉設備は、第1の発明ないし第3の発明の何れかにおいて、前記ガス導入管には、流量制御手段が設置されており、この流量制御手段により容器内に供給される窒素流量又は炭酸ガス流量が制御されることを特徴とするものである。
【0013】
第5の発明による転炉設備は、第4の発明において、転炉炉上貯蔵ホッパーとしての前記容器には、ガス分析手段が設置されており、ガス分析手段による容器内のガス組成の測定値に基づき、ガス導入管から容器内に供給される窒素流量又は炭酸ガス流量が制御されることを特徴とするものである。
【0014】
第6の発明による転炉設備は、第1の発明ないし第5の発明の何れかにおいて、転炉炉上貯蔵ホッパーとしての前記容器には、温度測定装置と消火剤散布装置とが設置されており、温度測定装置による容器内の温度測定値に基づき、消火剤散布装置から容器内に消火剤が散布されることを特徴とするものである。
【0015】
通常、転炉設備の副原料供給装置は、副原料を搬送車両から受け取り保管する、地上に設けた貯蔵バンカーと、この地上の貯蔵バンカーとベルトコンベア等によりつながった転炉炉上貯蔵ホッパーとを具備している。発明による転炉設備は、開閉可能な蓋により大気と遮断され、その内部には窒素又は炭酸ガスが供給され、これらのガスにより置換される容器を、転炉炉上貯蔵ホッパーとして備えているので、たとえ転炉炉上貯蔵ホッパー内が高温になったとしても、又、鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑などと混合された含プラスチック成形体中の金属が衝突したとしても、該含プラスチック成形体は着火することがなく、炉上貯蔵ホッパー内での燃焼を防止することができる。又、発明による転炉設備は、容器内の温度を測定する温度測定装置と、その上部が大気に解放する容器の上方から容器内に消火剤を散布する消火剤散布装置とを具備した容器を、地上の貯蔵バンカーとして備えているので、鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑などと混合された含プラスチック成形体が貯蔵バンカーで着火して燃焼しても、燃焼に伴う温度上昇から貯蔵バンカー内での燃焼を把握することができ、この情報に基づいて消火剤を散布することで、速やかに消火することができる。
【0016】
つまり、本発明の転炉設備では、鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑などと混合された含プラスチック成形体を使用しても、転炉炉上貯蔵ホッパー内及び地上の貯蔵バンカー内での前記含プラスチック成形体の燃焼を防止することが可能となり、多量の鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑などと混合された含プラスチック成形体を安定してリサイクル使用することが達成される。
【0017】
第2の発明による転炉設備は、炭酸ガスを消火剤として使用する。炭酸ガスは空気に比べて密度が大きく、速やかに容器内に沈降すると共に消火力に優れており、消火剤として最適であり、鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑などと混合された含プラスチック成形体の燃焼を迅速に消火することができる。消火剤として水を用いることもできるが、水の場合には水蒸気爆発が懸念されるが、炭酸ガスの場合には水蒸気爆発の心配がない。
【0018】
又、第の発明による転炉設備は、転炉炉上貯蔵ホッパーとして具備する容器に、該容器から置換用の窒素又は炭酸ガスを排出するためのガス排出管に圧力制御手段を具備しているので、貯蔵用容器内の圧力を所定の圧力に保持することが可能となり、大気圧よりも貯蔵用容器内を高圧に維持した場合には、貯蔵用容器内に大気が侵入することが抑制される。又、容器内を大気に比べて低く維持した場合には、貯蔵用容器内の窒素又は炭酸ガスが周囲に漏洩しないので、貯蔵用容器周辺の酸欠を防止することができる。更に、第の発明による転炉設備は、転炉炉上貯蔵ホッパーとして具備する容器、窒素又は炭酸ガスを供給するガス導入管に流量制御手段を具備しているので、流量制御手段により窒素流量又は炭酸ガス流量が制御され、容器内に供給する窒素流量又は炭酸ガス流量を少なくすることができる。
【0019】
更に又、第5の発明による転炉設備は、転炉炉上貯蔵ホッパーとしての容器に、容器内のガス組成を分析するガス分析手段を具備しており、このガス分析手段を用いて容器内の酸素濃度やCOガス濃度及びCH4 ガス濃度等を測定することで、容器内のガス置換状況を把握することができるので、何らかの理由により容器内に大気が侵入して容器内の酸素濃度が上昇したとしても、この情報に基づいて窒素や炭酸ガスを供給することにより、容器内でのガス置換を維持することができる。これにより、容器内での着火及び燃焼を防止することができる。又、第6の発明による転炉設備は、転炉炉上貯蔵ホッパーとしての容器に、容器内の温度を測定する温度測定装置と容器内に消火剤を散布する消火剤散布装置とを具備しているので、仮に鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑などと混合された含プラスチック成形体が容器内で燃焼したとしても、燃焼に伴う温度上昇から容器内での燃焼を把握することができ、この情報に基づいて消火剤を散布することで、即時に消火することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態例を示す図で、地上の貯蔵バンカー(「地上バンカー」と記す)と炉上の貯蔵ホッパー(「炉上ホッパー」と記す)とを備えた転炉設備の概略図である。
【0023】
図1に示すように、転炉設備1は、溶銑を脱炭製錬するための転炉本体2と、プラスチック廃棄物から得られた塊状若しくは粒状のプラスチック又は含プラスチック成形体を一旦保管するための地上バンカー3と、地上バンカー3から搬送されてきたプラスチック又は含プラスチック成形体を貯蔵するための炉上ホッパー8とを備えている。
【0024】
転炉本体2に投入されるプラスチック又は含プラスチック成形体は、産業廃棄物や一般廃棄物として回収されたプラスチック廃棄物を溶融又は半溶融させた後に固化させたものや、プラスチック廃棄物を破砕して粒状化させたもの、及び、プラスチック廃棄物と鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト等とを混合し、プラスチックを溶融させてブリケット化したものや押出し成形したもの等を用いることとし、その大きさは数mm〜数百mmまで使用することができる。ここで、含プラスチック成形体とは、プラスチック廃棄物と鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑等とを混合し、溶融させたプラスチックをバインダーとして成形したもので、ブリケット状のものや押出し成形した円柱状のもの等の総称である。尚、回収した廃棄物の形態のままで使用可能な場合には、溶融固化したり破砕する必要はなく、そのまま使用することができる。
【0025】
上記のようにして、プラスチック廃棄物から加工・成形されたプラスチック又は含プラスチック成形体(以下「プラスチック類」と記す)は、トラック等の搬送車両により地上バンカー3内に装入され保管される。地上バンカー3には、地上バンカー3内の雰囲気温度を測定する温度測定装置14と、消火剤を保管する消火剤タンク16、流路を開閉させる遮断弁17、及び吹出しノズル18を備えた消火剤散布装置15が設置され、温度測定装置14の測定結果は遮断弁17に送信されている。消火剤としては、炭酸ガス、窒素及び水を用いることができるが、前述したように炭酸ガスが最も消火剤として適しており、炭酸ガスを用いることが好ましい。
【0026】
仮に、地上バンカー3内でプラスチック類が着火・燃焼した場合には、温度測定装置14の測定値が燃焼に伴って上昇するので、この温度上昇に基づき遮断弁17を解放し、吹出しノズル18から消火剤を散布する。遮断弁17の開閉は、温度測定装置14の測定値に基づき自動的に行っても、又、温度測定装置14の測定値に基づき警報を発信させ、操作員が地上バンカー3内を観察した後に行うようにしても良い。
【0027】
地上バンカー3の底部には切り出し装置(図示せず)が設置されており、この切り出し装置により排出されたプラスチック類は、払出しコンベア4、捲き上げコンベア5、ベルトコンベア6の順に搬送され、ベルトコンベア6に設置されたトリッパー7により、炉上ホッパー8内に供給される。尚、払出しコンベア4、捲き上げコンベア5及びベルトコンベア6は、生石灰や鉄鉱石等の他の副原料も取り扱う装置であり、図1には図示していないが、ベルトコンベア6の直下には、これらの副原料を貯蔵するための炉上ホッパーが並んで設置されている。
【0028】
炉上ホッパー8には、電動モーター20で開閉する蓋19が設置されており、蓋19により炉上ホッパー8内が大気と遮断されるようになっている。プラスチック類の着火・燃焼を防止する観点からは蓋19により炉上ホッパー8内が密閉状態となることが望ましいが、大型の装置であるので、密閉状態にならなくても良い。ベルトコンベア6からプラスチック類を装入するとき以外は、原則として蓋19を閉鎖して、炉上ホッパー8内を大気と遮断する。
【0029】
又、炉上ホッパー8には、窒素又は炭酸ガスを置換用ガスとして供給するためのガス導入管21と、炉上ホッパー8内のガスを排出するためのガス排出管30とが設置されている。このガス導入管21には、置換用ガスの流量を制御するための流量調整弁22が設置され、一方、ガス排出管30には、流路を開閉させる遮断弁31と排ガス流量を調整する流量調整弁33とが設置されている。又、流量調整弁33と炉上ホッパー8との間には圧力測定計32が設置されており、圧力測定計32の測定結果は制御装置34に入力され、制御装置34により流量調整弁33の開度が調整されている。ガス排出管30は集塵機(図示せず)に接続されている。
【0030】
更に、炉上ホッパー8には、ガス分析手段として、炉上ホッパー8内の酸素濃度を測定するための酸素濃度計23と、炉上ホッパー8内のCOガス、水素、CH4 ガス、C26 ガス等を分析するためのガス分析計24とが設置され、又、炉上ホッパー8内の温度を測定するための温度測定装置25、及び、炉上ホッパー8内に消火剤を吹き込むための消火剤散布装置26が設置されている。消火剤散布装置26は、消火剤を保管する消火剤タンク27と、流路を開閉させる遮断弁28と、吹出しノズル29とを備えている。酸素濃度計23及びガス分析計24の測定結果は流量調整弁22に送信されており、又、温度測定装置25の測定結果は、遮断弁28及び遮断弁31に送信されている。
【0031】
酸素濃度計23及びガス分析計24の測定結果に基づいて流量調整弁22の開度を調整する、例えば、酸素濃度が上昇したならば流量調整弁22の開度を大きくすること等により、炉上ホッパー8内を安定して窒素又は炭酸ガスにより置換することができると共に、安定して置換されている場合には過剰に供給する必要がなく、置換用ガスの供給量を抑えることができる。
【0032】
圧力測定計32と流量調整弁33と制御装置34との組み合わせにより排ガス流量を調整することで、炉上ホッパー8内の圧力を一定値に保持することができる。ここで、炉上ホッパー8内の圧力を大気圧よりも高く設定した場合には、炉上ホッパー8内には大気が侵入することがなく、安定して炉上ホッパー8内の酸素濃度を実質的に零とすることができる。一方、炉上ホッパー8内の圧力を大気圧よりも低く設定した場合には、炉上ホッパー8から置換用の窒素や炭酸ガスが漏洩せず、通常、建家内に設置される炉上ホッパー8の周囲が酸欠状態になることはなく、保守・点検等の作業に支障を来すことがない。どちらを選択するかは、蓋19の密閉度等の設備状況と操業状況とに応じて決めれば良い。
【0033】
仮に、炉上ホッパー8内でプラスチック類が着火・燃焼した場合には、温度測定装置25の測定値が燃焼に伴って上昇するので、この温度上昇に基づき遮断弁31を閉鎖すると共に、遮断弁28を解放して吹出しノズル29から消火剤を炉上ホッパー8内に散布する。遮断弁31を閉鎖してあるので、吹出しノズル29から散布される消火剤は消火のために有効に活用される。尚、遮断弁28の開閉は、温度測定装置25の測定値に基づき自動的に行っても、又、温度測定装置25の測定値に基づき警報を発信させ、操作員が炉上ホッパー8内を観察した後に行うようにしても良い。又、図1には示していないが、温度測定装置25の測定結果を流量調整弁22に送信するようにして、温度測定装置25の測定値が所定の温度を超えたなら置換用ガスを大量に供給するようにしても良い。
【0034】
炉上ホッパー8の底部には、切り出し装置(図示せず)が設置されており、この切り出し装置により、炉上ホッパー8の直下に設けられた秤量ホッパー9内に所定量のプラスチック類が排出される。秤量ホッパー9の直下には中継ホッパー10が設置されており、秤量ホッパー9内のプレスチック類は中継ホッパー10に供給され、更に、中継ホッパー10から連投フィーダー11によりフード12に設けられたシュート13を通って転炉本体2内に供給される。フード12は転炉本体2から発生する排ガスを集塵機に送るための通路として配置された設備である。
【0035】
尚、炉上ホッパー8と秤量ホッパー9との間、秤量ホッパー9と中継ホッパー10との間、中継ホッパー10と連投フィーダー11との間には、図1に示していないがシュートが設置されており、プラスチック類はシュートを通って供給される。又、中継ホッパー10は切り出し量が多い場合には必要であるが、一般的には必ずしも必要ではない。秤量ホッパー9及び中継ホッパー10にも温度測定装置や消火剤散布装置等を設置することは可能であるが、秤量ホッパー9及び中継ホッパー10でのプラスチック類の滞在時間は極めて短く、着火しても大事には至らないと判断して本実施の形態では着火・燃焼対策を省略している。
【0036】
転炉精錬でプラスチック廃棄物をリサイクル使用する際に、プラスチック類を上記に示す地上バンカー3及び炉上ホッパー8で貯蔵することにより、プラスチック類の着火防止若しくは迅速な消火が可能となり、大量のプラスチック類を安定してリサイクル使用することができる。
【0037】
尚、本発明は上記の説明に限るものではなく、例えば、ガス導入管21における流量制御手段やガス排出管30における圧力制御手段を他の方法としても良い。要は、上記に説明した機能を有する方法・装置であれば、どのような形態としても良い。
【0038】
【実施例】
以下に、250トン転炉において本発明を実施した例を説明する。図2は、本発明を実施した転炉設備の概略図であり、地上バンカー3及び炉上ホッパー8に本発明のプラスチック貯蔵用容器を採用した。
【0039】
本実施例では、地上バンカー3は図1で説明した地上バンカーと同一構成とし、消火剤として炭酸ガスを使用した。そして、温度測定装置14での測定温度が60℃で第1の警報を発信し、測定温度が110℃で第2の警報を発信させた。第2の警報の発信で操作員が遮断弁17を解放し、炭酸ガスを1380kPaの圧力で地上バンカー3内に散布するようにした。
【0040】
又、合計12基設置されている炉上ホッパーの内の1つをプラスチック類専用として、その炉上ホッパー8に、蓋19とガス導入管21と温度測定装置25とガス排出管30とを設置した。窒素を置換用ガスとして用い、通常50m3 /Hr以下の流量で炉上ホッパー8内に供給した。そして、炉上ホッパー8内の圧力が大気圧に比べて0〜−50mmAqとなるように制御装置34で流量調整弁33の開度を制御した。炉上ホッパー8の容積は24m3 である。
【0041】
本実施例では、炉上ホッパー8には酸素濃度計やガス分析計等のガス分析手段並びに消火剤散布装置は設置せず、温度測定装置25の測定結果をガス導入管21に設けた流量調整弁22に送信し、温度測定装置25の測定値が所定の温度を超えたなら大量の窒素を供給するようにした。具体的には、温度測定装置25での測定温度が60℃で第1の警報を発信し、測定温度が110℃で第2の警報を発信させ、第2の警報の発信で遮断弁31を自動的に閉鎖すると共に、流量調整弁22の開度を自動的に最大として大量の窒素を供給するようにした。即ち、窒素を置換用ガスのみならず消火剤としても使用した。その他は図1に示す転炉設備と同一であり、同一部分は同一符号で表示し、その説明は省略する。
【0042】
この転炉設備においては、Mn鉱石とプラスチック廃棄物とを混合して圧縮し、外周部のプラスチックを溶融させて成形した円柱状の含プラスチック成形体を着火や燃焼等のトラブルなく安定して使用することができ、コークス等の炭材やFe−Si合金等の発熱剤の使用量が削減されると共に、これらの発熱剤を用いることなく、鉄スクラップの配合比率を向上させることが可能となった。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、転炉において、プラスチック廃棄物を熱源や還元剤としてリサイクル利用する際に、貯蔵容器内での鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑などと混合された含プラスチック成形体の着火を防止すること、若しくは、迅速な消火を行うことが可能となり、着火や燃焼等のトラブルなく安定して前記プラスチック成形体を使用することができ、鉄歩留まりの向上や排ガスの回収増が達成され、併せて鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑などと混合された含プラスチック成形体の大量処理を安定して行うことができ、工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例を示す図で、転炉設備の概略図である。
【図2】本発明の実施例を示す図で、転炉設備の概略図である。
【符号の説明】
1 転炉設備
2 転炉本体
3 地上バンカー
8 炉上ホッパー
14 温度測定装置
15 消火剤散布装置
19 蓋
20 電動モーター
21 ガス導入管
23 酸素濃度計
24 ガス分析計
25 温度測定装置
26 消火剤散布装置
30 ガス排出管

Claims (6)

  1. プラスチック廃棄物と鉄鉱石、Mn鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼切削屑の1種以上とが混合されて成形された含プラスチック成形体を炉内に供給する転炉設備であって、容器内を大気と遮断するための開閉可能な蓋と、この容器内に窒素又は炭酸ガスを供給するためのガス導入管と、この容器内を排気するためのガス排出管とを具備し、前記含プラスチック成形体がこの容器内に供給されるときには前記蓋が解放されるものの通常はこの蓋が閉鎖され、前記ガス導入管を介して窒素又は炭酸ガスが供給され、窒素又は炭酸ガスにて容器内が置換されながら前記ガス排出管を介して排気される貯蔵用容器を、炉内に添加される前記含プラスチック成形体を貯蔵するための転炉炉上貯蔵ホッパーとして備えると共に、容器内の温度を測定する温度測定装置と、この容器の上方から容器内に消火剤を散布する消火剤散布装置とを具備し、前記温度測定装置による容器内の温度測定値に基づき、前記消火剤散布装置から消火剤が散布される貯蔵用容器を、炉内に添加される前記含プラスチック成形体を貯蔵するための地上の貯蔵バンカーとして備え、前記転炉炉上貯蔵ホッパー内及び前記貯蔵バンカー内で前記含プラスチック成形体の燃焼を防止することが可能なことを特徴とする転炉設備。
  2. 前記消火剤として炭酸ガスを用いることを特徴とする請求項1に記載の転炉設備。
  3. 前記ガス排出管には、圧力制御手段が設置されており、この圧力制御手段により排気ガス量が制御され、容器内の圧力が維持されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の転炉設備。
  4. 前記ガス導入管には、流量制御手段が設置されており、この流量制御手段により容器内に供給される窒素流量又は炭酸ガス流量が制御されることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の転炉設備。
  5. 転炉炉上貯蔵ホッパーとしての前記容器には、ガス分析手段が設置されており、ガス分析手段による容器内のガス組成の測定値に基づき、ガス導入管から容器内に供給される窒素流量又は炭酸ガス流量が制御されることを特徴とする、請求項4に記載の転炉設備。
  6. 転炉炉上貯蔵ホッパーとしての前記容器には、温度測定装置と消火剤散布装置とが設置されており、温度測定装置による容器内の温度測定値に基づき、消火剤散布装置から容器内に消火剤が散布されることを特徴とする、請求項1ないし請求項5の何れか1つに記載の転炉設備。
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