JP3832899B2 - 逆浸透膜濃縮装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エネルギ回収機能を備えた逆浸透膜濃縮装置に関し、特に、海水および地下灌水の淡水化、化学プロセスにおける廃液処理、果汁の濃縮などに用いられる逆浸透膜濃縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
逆浸透膜濃縮装置は、被濃縮液を、加圧して逆浸透膜に供給し、逆浸透膜を透過する透過液と、透過しない非透過液(濃縮液)とに分離する。種々の逆浸透膜濃縮装置のうちには、エネルギ回収機能を備えたものがある。この逆浸透膜濃縮装置では、被濃縮液を高圧ポンプで加圧して逆浸透膜に供給し、濃縮液を廃液として排出せずに高圧ポンプに再度供給し、該濃縮液を高圧ポンプの圧縮駆動力を助勢する動力として再利用する。濃縮液を高圧ポンプに再度供給するために、切換弁の操作による流路の切り換えが行われている。
【0003】
上述した従来のエネルギ回収機能付逆浸透膜装置では、電気、油圧または空圧などの外部動力源、あるいは機械的な機構を用いて切換弁を操作し、流路を切り換えていた。このため、従来の逆浸透膜濃縮装置には、切り換え機構が複雑となり、製作コストが上昇し、さらには作動効率あるいは作動信頼性が低下するという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するものとして、たとえば特開平2−21927号公報の逆浸透膜濃縮装置がある。この装置は、圧縮ポンプの往復運動を利用して切換弁を切り換え、エネルギを回収するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この装置の場合、圧縮ポンプの前部及び後部シリンダ室の圧力変化だけで切換弁を切り換えるので、スプールの位置が不安定で開閉タイミングが合いにくく、異常高圧や切換弁の作動不良等が発生しやすい。
【0006】
したがって、本発明は、エネルギ回収機能を備えた逆浸透膜濃縮装置において、被濃縮液及び濃縮液の流動を制御する弁を簡単な機構で迅速かつ確実に開閉させ、逆浸透膜濃縮装置の効率及び信頼性を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、逆浸透膜で被濃縮液側と透過液側とに仕切られ、前記被濃縮液側に被濃縮液入口および濃縮液出口が設けられた逆浸透膜槽と、該逆浸透膜槽の前記被濃縮液側に被濃縮液を送り出すと共に該被濃縮液側から濃縮液を導入する複動ポンプと、前記被濃縮液入口と前記複動ポンプとを接続し該複動ポンプから該逆浸透膜槽へ前記被濃縮液を導く第1通路、および前記濃縮液出口と前記複動ポンプとを接続し該逆浸透膜槽から該複動ポンプへ前記濃縮液を導く第2通路とを備えた逆浸透膜濃縮装置において、前記複動ポンプには、ピストンを収容するシリンダ室を設け、該シリンダ室内において前記ピストンの前方及び後方には、それぞれ前部室及び後部室を形成し、該前部室には、前記第1通路と、前記被濃縮液の供給源に連通する第3通路とを接続し、前記後部室には、前記第2通路と、該後部室内の該濃縮液を排出する第4通路とを接続しており、前記第1、第2、第3及び第4通路の各々には、前記ピストンの動作に応じた前記前部室の圧力変化による開閉力と弾性力による閉弁力とによって開閉する第1、第2、第3及び第4弁を設ける。
【0008】
すなわち、前記第2及び第4弁の各々は、弁体に一体的に設けたピストン部分と、該ピストン部分を収容するシリンダとを備え、該第2弁のシリンダを第2弁用圧力伝達路を介して前記前部室に連通し、該前部室の圧力減少が閉弁力として、圧力増加が開弁力として該ピストン部分を通じて前記該第2弁の弁体に作用するようにし、該第4弁のシリンダを第4弁用圧力伝達路を介して前記前部室に連通し、該前部室の圧力増加が閉弁力として、圧力減少が開弁力として該ピストン部分を通じて該第4弁の弁体に作用させるとよい。
【0009】
上記の構造を有する逆浸透膜濃縮装置において、ピストンが後退すると、前部室内の圧力が減少すると共に後部室内の濃縮液は排出される。かかる前部室の圧力変化は、第1、第2、第3及び第4弁の各弁体にそれぞれ開弁力又は閉弁力として作用し、第3及び第4弁は開弁し、第1及び第2弁は閉弁する。前部室内の圧力減少、第3弁の開弁及び第1弁の閉弁により、前記供給源にある被濃縮液は、第3通路を通って前部室内に吸い込まれる。また、第4弁の開弁及び第2弁の閉弁により、後部室内の濃縮液は、第4通路を介して排出される。
【0010】
一方、ピストンが前進すると、前部室内の圧力が上昇する。かかる圧力変化により、第1及び第2弁は開弁し、第3及び第4弁は閉弁する。このとき、第1、第2、第3及び第4弁は、弾性力が常に閉弁力として作用する構造になっているので、各弁の開閉の切り換わりは、圧力変化のみによって切り換わる場合に比較して、確実かつ迅速に行われる。
【0011】
前部室内の圧力上昇、第1弁の開弁及び第3弁の閉弁により、前部室内の被濃縮液は、第1通路、被濃縮液入口を通って逆浸透膜槽の被濃縮液側に送り出される。そして、被濃縮液側に流入した被濃縮液のうち、逆浸透膜を透過したものは透過液となり、逆浸透膜を透過しなかったものは、被濃縮液側に残留し濃縮液となる。更に、被濃縮液側にある濃縮液は、第2弁が開弁し第4弁が閉弁していることから、ピストンの前進に伴い、濃縮液出口、第2通路を通って後部室内に押し込まれ、後部室内においてピストンに前進方向の力を付与する。これにより、複動ポンプは、濃縮液の圧力エネルギを駆動エネルギとして回収することができる。
【0012】
また、第2及び第4弁においては、圧力伝達路によって前部室内の圧力変化が弁体の開閉力として用いられ、開弁動作はより迅速に行われ、かつ、閉弁状態はより強固に保持される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態すなわち実施形態について添付図面を参照して詳細に説明するが、図中、同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。
図1は、本発明の実施形態に係る逆浸透膜濃縮装置の縦断面図であり、図2は、当該逆浸透膜濃縮装置を図1の矢印II方向からみた図であり、図3は、図1のIII−III線による断面図である。尚、以下の説明は、図1において参照符号29で示されるフランジ付き蓋部材のある方を“前部”もしくは“前方”とし、参照符号19で示されるクランクロッドのある方を“後部”もしくは“後方”として行う。逆浸透膜濃縮装置は、逆浸透膜槽7と複動ポンプ8とを備えている。逆浸透膜槽7の内部は、逆浸透膜11によって、被濃縮液側12と透過液側13とに仕切られている。被濃縮液側12には、被濃縮液入口14および濃縮液出口15が設けられ、透過液側13には、透過液出口16が設けられている。透過液出口16には、透過液管6が接続されている。
【0014】
複動ポンプ8は、クランクケース部17とシリンダ部18とにより構成されている。図3に示されるように、シリンダ部18とクランクケース部17とは、ボルト75によって連結されている。クランクケース部17の中には、駆動モータ80に接続されたクランクロッド19が設けられている。クランクロッド19には、3カ所のクランクピン部19aが形成されている。二点鎖線で示される各クランクピン部19aの軸心Dは、図3に示されるように、一点鎖線で示されるクランクロッド自体の軸心Cから偏心している。尚、クランクロッドについては、往復運動する原動機及びポンプ等の技術分野において周知であるため、クランクロッドに関するさらに詳細な説明は省略する。図1に戻り、各クランクピン部19aには、コンロッド20が取り付けられている。コンロッド20は、クランクピン部19aを中心に回動可能になっている。各コンロッド20の先端には、ピン21を介してクロスヘッド22が回動可能に連結される。各クロスヘッド22には、ピストン23が連結されている。
【0015】
シリンダ部18の内部には、シリンダ室24が3つ設けられている。シリンダ室24の各々には、ピストン23が収容されている。尚、本実施形態に係る逆浸透膜濃縮装置において、3つのピストン及び各ピストンに付随する周辺構造は、全て同様であるため、本実施形態に関する以下の説明は、1つのピストンを対象に行う。
【0016】
図1に示されるように、シリンダ室24内においてピストン23の前後には、前部室25および後部室26が形成される。また、ピストン23には、前部室25と後部室26とを液密的に隔離するシール部材83が設けられている。後部室26の後方には、グランドパッキン27およびグランドブッシュ28が配設されている。また、シリンダ室24は、ピストン23の前方においてフランジ付き蓋部材29により密閉されている。シリンダ室24の壁部には、吸込み孔30、送出し孔31、注入孔32および排出孔33が設けられている。シリンダ部18の吸込み孔30及び注入孔32側には、切換えブロック(A)9が連結される。この連結について更に詳細に説明すると、シリンダ部18において、吸込み孔30及び注入孔32の近傍には凹部が形成されており、その凹部に、切換えブロック(A)9の凸部が嵌合されている。同様に、シリンダ部18において、送出し孔31及び排出孔33の近傍にも凹部が形成されており、その凹部には、切換えブロック(B)10の凸部が嵌合されている。図2に示されるように、切換えブロック(A)9は、ボルト35,36によってブラケット34を介してシリンダ部18に固定されており、切換えブロック(B)10は、ボルト38,39によってブラケット37を介してシリンダ部18に固定されている。
【0017】
次に、シリンダ部18に設けられた送出し孔31、注入孔32、排出孔33及び吸込み孔30について上記の順に説明する。図1、図4及び図5に示されるように、送出し孔31は、切換えブロック(B)10に形成された通路52に連通されている。通路52は、通路61に接続され、通路61は、送出し口55に接続されている。更に、送出し口55は、被濃縮液管3を介して被濃縮液入口14に連通されている。符号50は、通路52を開閉するポペット型の送出し逆止弁である。送出し逆止弁50は、通路52の途中に設けてある環状の弁座49に係合可能な弁体48を有する。弁体48は、前部室25の圧力上昇が開弁力として作用する向きに配設されている。弁体48には、スプリング51の弾性力による閉弁力が常に作用している。
【0018】
注入孔32は、切換えブロック(A)9に形成された通路82に連通されている。この通路82は、通路63に接続され、通路63は、注入口64に接続されている。更に、注入口64は、濃縮液管4を介して濃縮液出口15に連通されている。尚、前述したように、本実施形態の逆浸透膜濃縮装置は、ピストン23、シリンダ室24及びそれらに付随する周辺構造を3つ有しているが、濃縮液を後部室26内に導く上記濃縮液管4も各シリンダにつき独立して3本設けられている。符号58は、通路82を開閉するポペット型の注入止弁である。注入止弁58は、注入孔32近傍の環状の弁座57に係合可能な弁体56と、弁体56に一体的に設けたピストン部分59と、ピストン部分59を往復運動可能に収容する注入止弁シリンダ46とを有する。弁体56は、後部室26の圧力上昇が開弁力として作用する向きに配設されている。上記の如く、弁体56とピストン部分59とが一体的に連結されているので、ピストン部分59が一方向に動くと、弁体56も同方向に動くようになっている。符号46aは、弁体56が弁座57に係合した時に、注入止弁シリンダ46内におけるピストン部分59の弁体65側に生じる空間である。ピストン部分59の弁体56との反対側には、スプリング60が配設されている。スプリング60は、ピストン部分59に対し、弁体56に向く弾性力を付与している。このため、弁体56には、スプリング60の弾性力による閉弁力がピストン部分59を介して伝達され常に作用している。
【0019】
排出孔33は、切換えブロック(B)10に形成された通路81に連通されている。この通路81は、通路70に接続され、通路70は、排出口71に接続されている。そして、排出口71には、排出液管5が接続されている。符号67は、通路81を開閉するポペット型の排出止弁67である。排出止弁67は、排出孔33近傍の環状の弁座66に係合可能な弁体65と、弁体65に一体的に設けたピストン部分68と、ピストン部分68を往復運動可能に収容する排出止弁シリンダ54とを有する。弁体65は、後部室26の圧力上昇が開弁力として作用する向きに配設されている。上記の如く、弁体65とピストン部分68とが一体的に連結されているので、ピストン部分68が一方向に動くと、弁体65も同方向に動くようになっている。符号54aは、弁体65が弁座66に係合した時に、排出止弁シリンダ54内におけるピストン部分68の弁体65との逆側に生じる空間である。弁体65には、通路81内に設けられたスプリング69の弾性力による閉弁力が常に作用している。
【0020】
吸込み孔30は、切換えブロック(A)9に形成された通路44に連通されている。この通路44は、通路62に接続され、通路62は、吸込口47に接続されている。更に、吸込口47は、被濃縮液供給管2を介して被濃縮液タンク1に連通されている。符号42は、通路44を開閉するポペット型の吸込み逆止弁42である。吸込み逆止弁42は、通路44の途中に設けてある環状の弁座41に係合可能な弁体40を有する。弁体40は、前部室25の圧力減少が開弁力として作用する向きに配設されている。弁体40には、スプリング43の弾性力による閉弁力が常に作用している。
【0021】
符号53は、通路52と排出止弁67の排出止弁シリンダ54とを連通する圧力伝達路である。より詳細には、圧力伝達路53の一端は、通路52における送出し孔31と弁座49との間の部分に接続されており、他端は、排出止弁シリンダ54内の空間54aが形成される部分に接続されている。
また、符号45は、通路44と注入止弁58の注入止弁シリンダ46とを連通する圧力伝達路である。より詳細には、圧力伝達路45の一端は、通路44における吸込み孔30と弁座41との間の部分に接続されており、他端は、注入止弁シリンダ46内の空間46aが形成される部分に接続されている。
【0022】
次に逆浸透膜濃縮装置の動作について、主に図1、図4及び図5に基づいて説明する。逆浸透膜濃縮装置の複動ポンプ8において、駆動モータ80によってクランクロッド19が回転する。これにより、コンロッド20を介してクランクロッド19に接続されたクロスヘッド22及びピストン23が、クランクピン部19aの偏心の作用により前後に往復運動する。複動ポンプ8の動作は、前述したピストン23の往復運動によって、被濃縮液の吸込み行程と被濃縮液の送出し行程と分けられる。
【0023】
まず、複動ポンプ8における被濃縮液の吸込み行程について説明する。図4に示す状態は、上記の往復運動に関してピストン23が最も前進した状態であり、この状態が吸込み行程の開始状態である。尚、後部室26内には、1つ前の送出し行程でピストン23が前進した際に押し込まれた濃縮液が収容されているものとする。この状態より、ピストン23がB方向に後退し始めると、前部室25内の圧力は減少し、後部室26内の濃縮液は排出される。
【0024】
逆浸透膜濃縮装置に設けられた各弁は、以下の状態となる。まず、吸込み逆止弁42において、弁体40には、前部室25内の圧力減少による開弁力とスプリング43の閉弁力とが作用する。しかし、開弁力の方が閉弁力よりも大きいことから、吸込み逆止弁42は開弁する。
【0025】
送出し逆止弁50において、弁体48には、通路52内の圧力減少による閉弁力とスプリング51の閉弁力とが作用する。したがって、送出し逆止弁50は閉弁する。
【0026】
注入止弁58において、弁体56には、まず、スプリング60の閉弁力がピストン部分59を介して作用している。更に、前部室25の圧力が減少すると、通路44及び圧力伝達路45によって連通した注入止弁シリンダ46内の空間46aの圧力も減少することから、注入止弁シリンダ46内のピストン部分59には、注入孔32に向いた力が作用する。この注入孔32に向いた力は、弁体56にとって閉弁力となる。一方、ピストン23が後退することにより後部室26内の圧力が僅かに上昇するので、この僅かな圧力上昇による開弁力が弁体56に作用する。しかし、上記閉弁力の総和は開弁力よりも大きいことから、注入止弁58は閉弁する。また、本実施形態においては、スプリング60の閉弁力に加え、圧力伝達路45による閉弁力が弁体56に作用するため、ピストン23の後退時に後部室26内の圧力が僅かに上昇しても、弁体56が開弁することはなく、弁体56の全閉状態はより強固に維持されるようになっている。
【0027】
排出止弁67において、弁体65には、スプリング69による閉弁力が作用している。しかし、ピストン23が後退することにより後部室26内の圧力が僅かに上昇するので、この僅かな圧力上昇による開弁力が弁体65に作用する。更に、前部室25の圧力が減少すると、通路52及び圧力伝達路53によって連通した排出止弁シリンダ54内の空間54aの圧力も減少することから、排出止弁シリンダ54内のピストン部分68には、排出孔33から離れる方向の力が作用する。この排出孔33から離れる方向の力は、弁体65にとって開弁力となる。そして、弁体65に作用する上記開弁力の総和は、弁体65に作用するスプリング69の閉弁力よりも大きいことから、排出止弁67は開弁する。
【0028】
このように、被濃縮液の吸込み行程では、ピストン23が後退し前部室25内の圧力が減少すると共に、吸込み逆止弁42が開弁し送出し逆止弁50が閉弁するので、複動ポンプ8は、被濃縮液タンク1の被濃縮液を、被濃縮液供給管2、吸込口47、通路62、通路44及び送出し孔31を介して前部室25内に吸い込む。また、注入止弁58が閉弁し排出止弁67が開弁するので、複動ポンプ8は、後部室26内に収容していた濃縮液を、排出孔33、通路81、通路70、排出口71及び排気液管5を介して外部に排出する(図1及び図4参照)。尚、吸込み行程は、図4に示す位置にあったピストン23がB方向に後退し図5に示される位置に到達した状態で終了する。
【0029】
次に、被濃縮液の送出し行程について説明する。図5に示す状態は、ピストン23が最も後退した状態であり、前述の吸込み行程の終了状態である。送出し行程は、図5に示した状態から始まる。尚、前部室25内には、前述の吸込み行程中に吸い込まれた被濃縮液が収容されている。ピストン23が図5に示す位置からA方向に前進し始めると、前部室25内の圧力は上昇し、後部室26内の圧力は僅かに減少する。
【0030】
ピストン23の前進により、逆浸透膜濃縮装置に設けられた各弁は以下の状態となる。まず、吸込み逆止弁42において、弁体40には、前部室25内の圧力上昇による閉弁力とスプリング43の閉弁力とが作用する。このため、吸込み逆止弁42は閉弁する。
【0031】
送出し逆止弁50において、弁体48には、通路52内の圧力上昇による開弁力とスプリング51の閉弁力とが作用する。しかし、開弁力の方が閉弁力よりも大きいことから、送出し逆止弁50は開弁する。
【0032】
注入止弁58において、弁体56には、まず、スプリング60の閉弁力がピストン部分59を介して弁体56に作用している。また、弁体56には、後部室26の微小圧力による閉弁力が作用する。一方、前部室25の圧力が上昇すると、通路44及び圧力伝達路45によって連通した注入止弁シリンダ46内の空間46aの圧力も上昇することから、注入止弁シリンダ46内のピストン部分59には、注入孔32から離れる方向の力が作用する。この注入孔32から離れる方向の力は、弁体56にとって開弁力となる。そして、弁体56に作用する上記開弁力は、弁体56に作用する上記閉弁力よりも大きいことから、注入止弁58は開弁する。上記の弁体56の開弁動作は、前部室25の圧力上昇が圧力伝達路45を介してピストン部分59及び弁体56に伝達されることにより行われるため、ピストン23の前進に伴って瞬時に行われる。
【0033】
排出止弁67において、弁体65には、まず、スプリング69の閉弁力が作用している。また、弁体65には、後部室26の微小圧力による閉弁力が作用する。更に、前部室25の圧力が上昇すると、通路52及び圧力伝達路53によって連通した排出止弁シリンダ54内の圧力も上昇することから、排出止弁シリンダ54内のピストン部分68には、排出孔33に向いた力が作用する。この排出孔33に向いた力は、弁体65にとっては閉弁力となる。したがって、排出止弁67は閉弁する。
【0034】
このように、被濃縮液の送出し行程では、ピストン23が前進して前部室25内の被濃縮液を圧縮すると共に、吸込み逆止弁42が閉弁し送出し逆止弁50が開弁するので、複動ポンプ8は、前部室25内の被濃縮液を、送出し孔31、通路52、通路61、送出し口55及び被濃縮液管3を介して逆浸透膜槽7内へと送り出す(図1も参照)。そして、逆浸透膜槽7内に流入した被濃縮液のうち、逆浸透膜11を透過したものは、透過液となって透過液側13から透過液出口16及び透過液管6を通って外部に取り出される。一方、逆浸透膜11を透過しなかったものは、被濃縮液側12に残留し濃縮液となる。
【0035】
更に、圧力伝達路45によって注入止弁58が瞬時に開弁し排出止弁67が閉弁することから、被濃縮液側12内の濃縮液は、ピストン23の前進により、濃縮液出口15、濃縮液管4、注入口64、通路63、通路82及び注入孔32を介して、後部室26内に押し込まれる。このとき、濃縮液は、排出止弁67が閉弁していることから、圧力を保ったまま後部室26内に導入され、ピストン23にA方向(図5参照)の圧力すなわち前進力を付与する。尚、濃縮液が後部室26内に導入された際には、濃縮液の圧力により弁体65が僅かに開弁し、濃縮液が漏れて所望の前進力がピストン23に作用しないことが懸念されるが、本実施形態では、圧力伝達路53を上述の如く設け、前部室25の圧力を弁体65に閉弁力として伝達し、排出止弁67の全閉状態をより強固に維持しているため、弁体65が開くことは確実に防止されている。したがって、複動ポンプ8は、被濃縮液を透過液と被濃縮液とに分離するとともに、後部室26内に導かれた濃縮液の圧力エネルギを、ピストン前進時の駆動エネルギとして回収することができる。また、駆動エネルギとして回収したエネルギの大きさは、〔シリンダ室24の面積Ac−ピストン23の軸部の面積Ar〕に依存する。後部室26内に導かれた濃縮液は、引き続き行われる被濃縮液の吸込み行程において、排出液管5を介して外部に排出される。
【0036】
上述のように構成した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
(a) 送出し逆止弁50、注入止弁58、排出止弁67及び吸込み逆止弁42は、前部室25内の圧力変化とスプリングの弾性力とによって開閉されるので、それらの弁の開閉の切り換えは、従来のように圧力変化のみによって開閉されていた場合に比べ確実かつ迅速に行われる。このため、開閉タイミングが合わずに、被濃縮液が前部室25内に閉じ込められたり、濃縮液が被濃縮液側12又は後部室26内に閉じ込められたりする恐れがない。したがって、異常圧縮の発生が防止される。
【0037】
(b) 送出し逆止弁50、注入止弁58、排出止弁67及び吸込み逆止弁42の開閉の切り換えには、電動モータその他の駆動源を用いていないため、駆動源の故障による弁の開閉不良がない。加えて、逆浸透膜濃縮装置を小型化したり、コストを低減したりすることができる。
【0038】
(c) 送出し逆止弁50、注入止弁58、排出止弁67及び吸込み逆止弁42の開閉は、ポペット型の弁であるため、他の型式の弁と比較してより確実かつ迅速に行える。したがって、全閉時に、被濃縮液又は濃縮液が弁座と弁体との間から漏洩する恐れはなく、エネルギの回収効率は向上する。
【0039】
(d) 注入止弁58及び排出止弁67は、圧力伝達路45,53によって、それぞれ瞬時に開弁され又は強固に閉弁状態が維持されるため、被濃縮液の吸込み行程では、後部室26内の濃縮液が確実に排出され、被濃縮液の送出し行程では、後部室26内に導入された濃縮液が圧力低下することなくピストン23に対して効果的に前進力を付与し、ピストン23の駆動力が少なくて済むようになる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、各弁の開閉は、ピストンの動作による圧力変化とスプリングの弾性力とにより行われるので、従来のように圧力変化のみによって開閉されていた場合に比べ確実かつ迅速に行われる。
請求項2に記載の発明によれば、前部室内の圧力変化が圧力伝達路を介して弁体の開閉力として用いられるため、開弁動作は瞬時に行われ、かつ、閉弁状態はより強固に保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る逆浸透膜濃縮装置の縦断面図である。
【図2】 図2は、逆浸透膜濃縮装置を図1の矢印II方向からみた図である。
【図3】 図3は、図1のIII−III線による逆浸透膜濃縮装置の横断面図である。
【図4】 本実施形態に係る逆浸透膜濃縮装置において、ピストンが最も前進した状態を示す図である。
【図5】 本実施形態に係る逆浸透膜濃縮装置において、ピストンが最も後退した状態を示す図である。
【符号の説明】
1…被濃縮液タンク(供給源)、2…被濃縮液供給管(第3通路)、3…被濃縮液管(第1通路)、4…濃縮液管(第2通路)、5…排出液管(第4通路)、7…逆浸透膜槽、8…複動ポンプ、11…逆浸透膜、12…被濃縮液側、13…透過液側、14…被濃縮液入口、15…濃縮液出口、23…ピストン、24…シリンダ室、25…前部室、26…後部室、42…吸込み逆止弁(第3弁)、45…圧力伝達路(第2弁用圧力伝達路)、46…注入止弁シリンダ(シリンダ)、50…送出し逆止弁(第1弁)、53…圧力伝達路(第4弁用圧力伝達路)、54…排出止弁シリンダ(シリンダ)、56…弁体、58…注入止弁(第2弁)、59…ピストン部分、65…弁体、67…排出止弁(第4弁)、68…ピストン部分。

Claims (2)

  1. 逆浸透膜(11)で被濃縮液側(12)と透過液側(13)とに仕切られ、前記被濃縮液側(12)に被濃縮液入口(14)および濃縮液出口(15)が設けられた逆浸透膜槽(7)と、該逆浸透膜槽(7)の前記被濃縮液側(12)に被濃縮液を送り出すと共に該被濃縮液側(12)から濃縮液を導入する複動ポンプ(8)と、前記被濃縮液入口(14)と前記複動ポンプ(8)とを接続し該複動ポンプ(8)から該逆浸透膜槽(7)へ前記被濃縮液を導く第1通路(3)、および前記濃縮液出口(15)と前記複動ポンプ(8)とを接続し該逆浸透膜槽(7)から該複動ポンプ(8)へ前記濃縮液を導く第2通路(4)とを備えた逆浸透膜濃縮装置において、前記複動ポンプ(8)には、ピストン(23)を収容するシリンダ室(24)を設け、該シリンダ室(24)内において前記ピストン(23)の前方及び後方には、それぞれ前部室(25)及び後部室(26)を形成し、該前部室(25)には、前記第1通路(3)と、前記被濃縮液の供給源(1)に連通する第3通路(2)とを接続し、前記後部室(26)には、前記第2通路(4)と、該後部室(26)内の該濃縮液を排出する第4通路(5)とを接続しており、前記第1、第2、第3及び第4通路(3,4,2,5)の各々には、前記ピストン(23)の動作に応じた前記前部室(25)の圧力変化による開閉力と弾性力による閉弁力とによって開閉する第1、第2、第3及び第4弁(50,58,42,67)を設けてあることを特徴とする逆浸透膜濃縮装置。
  2. 前記第2及び第4弁(58,67)の各々は、弁体(56,65)に一体的に設けたピストン部分(59,68)と、該ピストン部分(59,68)を収容するシリンダ(46,54)とを備え、該第2弁(58)のシリンダ(46)を第2弁用圧力伝達路(45)を介して前記前部室(25)に連通し、該前部室(25)の圧力減少が閉弁力として、圧力増加が開弁力として該ピストン部分(59)を通じて前記弁体(56)に作用するようにし、該第4弁(67)のシリンダ(54)を第4弁用圧力伝達路(53)を介して前記前部室(25)に連通し、該前部室(25)の圧力増加が閉弁力として、圧力減少が開弁力として該ピストン部分(68)を通じて前記弁体(65)に作用するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の逆浸透膜濃縮装置。
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