JP3832887B2 - 循環装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械等に用いられる研削液、切削液、クーラント、潤滑液等の水溶性の液体におけるスラッジ生成防止方法およびこの方法を利用した水溶性の液体の循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械においては、研削液、切削液、クーラント、作動液、潤滑液として水溶性のエマルジョン、ソリューション、ソリュブル等の液体が多く使用されている。この水溶性の液体に切屑、配管等からの金属イオンや水道水中の硬水成分であるカルシウムイオン、マグネシウムイオン等が混入すると、金属セッケンと呼ばれる不水溶性のスラッジが生成され、フィルタの目詰まりを引き起こすと共に、水溶性の液体の成分が変化してしまうという問題がある。この問題を解決するために、水−グリコール型油圧作動液の潤滑系内にキレート型イオン交換樹脂を充填したカートリッジを設け、作動油をキレート型イオン交換樹脂と接触させることによりスラッジの生成を防止することが特公昭62−23039に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特公昭62−23039に記載されたものは、単にキレート型イオン交換樹脂を充填したカートリッジを循環経路内に設置するだけなので、このカートリッジを通過する液体は金属イオンが除去されるが、循環系内での流れのよどむ部分では依然として金属セッケンが生成されてしまうという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決して金属イオンによるスラッジの生成を防止しようとするものであり、水溶性の研削液、水溶性の切削液、水溶性のクーラント、水溶性の作動液、水溶性の潤滑液に用いられる水溶性の液体用循環装置であって、循環経路内にキレート型イオン交換樹脂を配置すると共に、前記水溶性の液体中に前記キレート型イオン交換樹脂よりキレート安定度数の小さいキレート剤を添加し、前記キレート剤が添加された前記水溶性の液体と前記キレート型イオン交換樹脂とを接触させることにより、前記キレート剤と結合した金属イオンが前記キレート型イオン交換樹脂に受け渡されるようにしたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。
本発明の第1の実施の形態は、研削液、切削液、クーラント、作動液、潤滑液等の水溶性の液体中に粉末状のキレート剤を添加するものである。キレート剤とは金属イオンと配位結合する配位基を2個以上持ったものであり、水溶液中で金属イオンと強く結合する性質を有している。具体的には、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、TTHA(トリエチレンテトラミン六酢酸)、HIDE(ヒドロキシエチルイミノ二酢酸)、DHEG(ジヒドロキシエチルグリシン)等が使用され得るが、この中でも特にEDTA(エチレンジアミン四酢酸)が好ましい。
【0007】
このキレート剤の作用について説明する。キレート剤は水溶性の液体中で下記の反応を起こし、金属イオンと結合する。
【0008】
【数1】
【0009】
ここで、Y4-がキレート剤であり、Mn+が金属イオンである。キレート剤と結合した金属イオンは再び遊離することがないため、金属イオンによって金属セッケンが生成されることが防止される。
【0010】
図1は、キレート剤の添加濃度と金属セッケンの生成量および金属の腐食量の関係を示すものである。キレート剤としてEDTA(エチレンジアミン四酢酸)を用いて添加濃度を変化させたときの亜鉛イオン(Zn2-)による金属セッケンの生成量と、同じくキレート剤としてEDTA(エチレンジアミン四酢酸)を用いて添加濃度を変化させたときのアルミニウムの腐食量を調べたものである。ここで、金属の腐食量を調べるのはキレート剤が金属を腐食させる性質があるためであり、キレート剤の添加濃度が多すぎると配管等の金属を腐食させるため、実用上好ましくない。図1から、金属セッケンの生成を防止するためにキレート剤の添加濃度は300ppm以上が好ましく、配管等の金属の腐食を防止するためにキレート剤の添加濃度は1000ppm以下であることが好ましいことがわかる。
【0011】
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。研削液、切削液、クーラント、作動液、潤滑液等の水溶性の液体中にキレート剤を添加する点は第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態においては、さらに、水溶性の液体の循環経路内の配管中に図2に示すような円筒状のカートリッジ1を配置させる。図2において、カートリッジ1にはキレート型イオン交換樹脂2が充填されており、このキレート型イオン交換樹脂2が流出しないようにフィルタ3が取付けられている。4a,4bは配管であり流入管4aから流入した水溶性の液はカートリッジ1内でキレート型イオン交換樹脂2と接触した後、流出管4bから流出されるように構成されている。キレート型イオン交換樹脂2は上述したキレート剤と同様に金属イオンと強く結合する性質を有しており、具体的には、アンバーライト、エポラスMX−8(共に商品名)等が好ましい。
【0012】
ここで、キレート剤とキレート型イオン交換樹脂2とは、後述する理由により、キレート安定度定数が異なるように設定されている。すなわち、水溶性の液体中に添加されるキレート剤はカートリッジ1内に充填されるキレート型イオン交換樹脂2よりもキレート安定度定数が小さくなるように両者の組合せが選択される。キレート安定度定数とは金属イオンとの反応定数を示すものであり、キレート化合物の安定度をはかる尺度である。上記(1)の反応式において、以下の式で求められる。
【0013】
【数2】
【0014】
すなわち、このキレート安定度数が大きい程金属イオンと結合しやすいことを意味している。
上記の構成の水溶性の液体の循環装置の作用について説明する。第1の実施の形態と同様に、水溶性の液体に添加されたキレート剤は水溶性の液体中の金属イオンと結合して金属セッケンの生成を防止する。ここで、キレート剤が全て金属イオンと結合し飽和状態となると、それ以上は金属セッケンの生成を防止できないため、新たにキレート剤を添加しなければならなくなる。ところが、第2の実施の形態においては、循環経路内にキレート型イオン交換樹脂2が充填されたカートリッジ1が配置されているため、水溶性の液体がこのカートリッジ1を通過する際に、金属イオンのみならず金属イオンと結合したキレート剤もキレート型イオン交換樹脂2と接触する。これにより、水溶性の液体中の金属イオンはキレート型イオン交換樹脂2と結合されるが、それだけでなく、金属イオンと結合したキレート剤がキレート型イオン交換樹脂2と接触することにより、キレート剤と結合した金属イオンがキレート型イオン交換樹脂2に受け渡たされることになる。これは、カートリッジ内のキレート型イオン交換樹脂2は水溶性の液体中のキレート剤よりもキレート安定度定数が大きいためであり、このキレート安定度定数の違いにより、今までキレート剤と結合していた金属イオンは切り離されてキレート交換樹脂2と結合することになる。すなわち、キレート剤は水溶性の液体中の金属イオンをキレート型イオン交換樹脂2へ運搬する働きをする。これにより、水溶性の液体中のキレート剤は再び金属イオンと結合可能な状態となるため、新たにキレート剤を添加することなく長期間に渡って金属セッケンの生成を防止できることとなる。カートリッジ1内のキレート型イオン交換樹脂2は長期の使用により飽和状態となり、それ以上金属イオンと結合しなくなるが、その場合はカートリッジ1を交換するだけでよい。また、キレート型イオン交換樹脂2が飽和状態となったカートリッジは酸性水溶液、水洗水、アルカリ性水溶液をこの順番で通過させることにより再生することができるため、半永久的に使用可能となる。
【0015】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の循環装置によれば水溶性の液体中に添加したキレート剤により金属イオンが結合されるので、水溶性の液体の流れによどみ部があっても確実にスラッジの生成を防止することができる。また、水溶性の液体中に添加したキレート剤に結合された金属イオンは、循環経路中に配置されたキレート型イオン交換樹脂に受け渡されるので、キレート剤が飽和状態になることなく長期間に渡ってスラッジの生成を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キレート剤の添加濃度と金属セッケンの生成量および金属の腐食量の関係を示すグラフである。
【図2】キレート型イオン交換樹脂カートリッジを示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 カートリッジ
2 キレート型イオン交換樹脂
3 フィルタ
4a 流入管
4b 流出管
Claims (1)
- 水溶性の研削液、水溶性の切削液、水溶性のクーラント、水溶性の作動液、水溶性の潤滑液に用いられる水溶性の液体用循環装置であって、循環経路内にキレート型イオン交換樹脂を配置すると共に、前記水溶性の液体中に前記キレート型イオン交換樹脂よりキレート安定度定数の小さいキレート剤を添加し、前記キレート剤が添加された前記水溶性の液体と前記キレート型イオン交換樹脂とを接触させることにより、前記キレート剤と結合した金属イオンが前記キレート型イオン交換樹脂に受け渡されるようにしたことを特徴とする循環装置。
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---|---|---|---|
JP346596A JP3832887B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 循環装置 |
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JP346596A JP3832887B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 循環装置 |
Publications (2)
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ID=11558086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP346596A Expired - Fee Related JP3832887B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 循環装置 |
Country Status (1)
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-
1996
- 1996-01-12 JP JP346596A patent/JP3832887B2/ja not_active Expired - Fee Related
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