JP3831508B2 - 建築用梁接続法及びその接続具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建築用梁を被接続材(水平材又は垂直材)の側面又は端面に接続する方法及び接続具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来建築物の木製横材(縦断面長方形)を同一平面内においてT形又は直線状に接続するため羽根板にボルトを溶接し、横材に穿設したボルト孔にボルトを貫通させ、羽根板を接続横材の側面に釘着し、又は羽根板及び接続材を貫通したボルトをナットで締付けてT形に接続する方法がとられた。
【0003】
この方法によると両横材は羽根板の小孔に打設した複数の釘又はネジ釘或は接続材側に穿設した水平透孔に両側の羽根板に穿設した透孔を符合させ、これをボルトで縫う工法であるが人力又は熟練を要し、量産には適しないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は建築用木材をT形又は直線状に精度よく接続し、量産に適するばかりでなく工事に熟練を要せず、かつ木材の切込みにマシニングセンターを用い得るT形又は直線接続法及びその金具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は
被接続材の側面又は端面に横向長円形凹部を切削形成し、該凹部の内端下部に内端面に沿って下向溝を切削形成し、縦向にした梁接続具本体の先端円筒部の先端に設けた円弧形舌片によって該先端形状を縦向長円形となし、該縦向長円形先端及び上記本体を横向にして該先端を上記横向長円形凹部に嵌入し、さらに該先端及び上記本体を先端円筒部を中心に回動して上記円弧形舌片を上記下向溝内に係合し、上記本体に梁の端面から下面に亘って切削形成された凹部を梁の中央部に向って逆止状態に雌雄嵌合することを特徴とする建築用梁接続法
上記縦向長円形先端の端面に上記先端円筒部と上記本体の共通中心線を中心とする突出短円筒を設け、かつ被接続材の上記凹部の内端面に上記突出短円筒を嵌合する短円孔を穿設した上記第1発明記載の建築用梁接続具
梁が登り梁である上記第1発明記載の建築用梁接続法
梁の端面から下面に亘って切削形成された凹部の下端開口部と梁接続具本体下面との間の空間にパッキングを充填する上記第1又は第2発明記載の建築用梁接続法
上面が截頭錐面である逆止具の先端に該錐面と中心線を共有する短円筒を設け、該短円筒の先端下部に円弧形舌片を設けて該先端を縦向長円形に形成し、上記逆止具の下面に梁接続具本体を形成した建築用梁接続具
上記縦向長円形先端の端面に上記中心線を共有する突出短円筒を設けた上記第5発明記載の建築用梁接続具
逆止具の上面が截頭円錐面であり、下面が平面であって、該下面に上記中心線を通過し該下面と直交する本体板を設け、逆止具の先端から本体板の先端縁、下端縁及び後端縁に至る枠板を本体板の両側に亘って本体板と直交して設けて梁接続具本体を形成し、該枠板の横幅が逆止具の先端から下端縁の後端に向って拡幅させてなる上記第5又は第6発明記載の建築用梁接続具
によって構成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
鉄製(鋳鉄を含む)又はステンレス鋼製の逆止具11の上面を截頭角錐面又は截頭円錐面10となし、截頭先端に該錐面10と中心線cを共有する短円筒5”を設け、該円筒5”の先端に先端面と同一面内の円弧形舌片5’を突設して該先端6を長円形に形成する。又該先端6の端面には図7に示すように中心線cを共有する小短円筒5aを突設する。
【0007】
逆止具11の下面は平面であって上記截頭円錐面10の縦断面はほぼ半円弧形であり、該下面には上記舌片5’側に下面と直交し上記中心線cを通過する中心面を有する本体板4’を設ける。
【0008】
この本体板4’の先端縁4”には逆止具11の先端から下端縁4aに至り、屈曲して、さらに下端縁4aを経て後端縁4bに沿って屈曲する枠板12を本体板4’の両側に亘って本体板4’と直交して左右対象に設けて梁接続具本体4を形成する。勿論該本体4には逆止具11を含むものである。
【0009】
上記枠板12は本体板4’の下端縁4aの先端から該下端縁4aの後端に行くに従って横幅を拡幅させることによって中心線cの方向の逆止縁とする。
【0010】
断面長方形又は方形の木製被接続材1(水平材又は垂直材)の端面又は側面に横向長円形凹部2をマシニングセンターで切削形成し、該凹部2の内端下部に内端面に沿って下向溝3をマシニングセンターで切削形成し、かつ上記内端面に上記小短円筒5aを嵌合する小凹部5bを切削形成する。又断面長方形梁7の端面から下面に亘って切削形成された凹部8に梁接続具本体4を共通中心線cに沿って梁7の中央部に向って逆止具11及び枠板12の下面により逆止状に嵌合し、枠板12及び梁7の側面に符合位置に穿設した透孔13、13’に係止ピン14を嵌合して梁7及び上記本体4とを係止する。図7中13”は係止ピン14の第2挿入溝である。
【0011】
そして梁7及びその端面から短円筒5”を共通中心線cに沿って突出し、該円筒5”の先端下面に突出した上記舌片5’による縦向長円形先端6を図2(イ)(ロ)図に示すように横向にして被接続材1の端面又は側面の横向長円形凹部2に横向となった梁7の上記長円形先端6及び端円筒5”を嵌入した後、該梁7、短円筒5”及び上記長円形先端6を図3(イ)(ロ)図に示すように共通中心線cを中心として90度下方に回動させることによって上記長円形先端6が被接続材1側の横向長円形凹部2内を回動して円弧形舌片5’を下向溝3内に進入させ、これを該下向溝3に係合させることができる。
【0012】
係合に際し、予め下向溝3内に接着剤を流入させて下向溝3と上記舌片5’及び横向長円形凹部2と短円筒5”とを接着固定し、被接続材1と梁7とを接続させることができる。
【0013】
上述と異なり、梁7側に予め梁接続材本体4を嵌合することなく、梁接続材本体4を横向にして被接続材1側の横向長円形凹部2に短円筒5”及び上記長円形先端6を嵌合し、さらに90度下方に回動させて梁接続本体4を被接続材1側に縦向に固定し、その後図3(ロ) 図に示すように上方の梁7を下降させて梁7側の上記凹部8に梁接続具本体4を嵌合させて被接続材1に梁7を接続させることができる。
【0014】
接続状態において上記本体4の枠板12の下面と梁7側の上記凹部8の下端開口部との間の空間sにパッキング9を充填する。
【0015】
梁7は図5に示すように水平梁のみならず図6に示されるように被接続材1、1間の登り梁7’(傾斜梁)であっても差し支えない。上記パッキング9は水平梁7では平板状であり、登り梁7’では勾配に対応して楔形とし、セラミック又は木材等によって形成され、枠板12の下面に接着剤で接着し、パッキング9には耐火被覆を施し、かつパッキング9は梁7の下面の化粧に利用することができる。
【0016】
尚図4(イ) 図に15で示すものは接着剤充填カプセルであって上記舌片5’で被覆して流出させるものであり、該カプセル15によることなく、接着剤注入ノズルによって下向溝3又は凹部2内に注入させることができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は上述の方法によったので梁接続具本体又は梁及び該本体を横向にして先端円筒部及びその先端の円弧形舌片を被接続材側の横向長円形凹部に嵌入し、その後梁接続具本体又は該本体を梁と共に90度下向に回動することによって円弧形舌片を内端面の下向溝内に係合し得て被接続材に梁の先端を容易に接続し得る効果がある。
【0018】
梁は水平梁のみならず登り梁にも適用し得る利点を有する。
【0019】
又梁の接続部下面に充填したパッキングにより、接続部は補強され体裁よく接続される。
【0020】
さらに本発明は上述の梁接続具によったので、これを横向にして被接続材の横向長円形凹部に挿入し、さらに下向に90度回動することによって円弧形舌片を被接続材に係合し、かつ逆止具又は逆止具及び枠板によって梁の内部に逆止状に固定され、該梁と被接続材とを容易かつ堅固に接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (イ) 図は本発明の建築用梁接続具の先端側斜視図である。
(ロ) 図は上記接続具の後端側斜視図である。
【図2】 (イ) 図は上記接続具を横向にした状態の斜視図である。
(ロ) 図は横向状態で被接続材の側面に嵌入した状態の斜視図である。
【図3】 (イ) 図は図2(ロ) 図の横向接続具を縦向に回動して被接続材と係合させた状態の斜視図である。
(ロ) 図は被接続材と梁との接続状態を示す斜視図である。
【図4】 (イ) 図は被接続材の側面に切削した横向長円形凹部の正面図である。
(ロ) 図は図4(イ) 図のA−A線による縦断面図である。
【図5】水平梁接続状態の縦断面図である。
【図6】登り梁接続状態の縦断面図である。
【図7】突出短円筒を有する梁接続具の斜視図である。
【符号の説明】
1 被接続材
2 横向長円形凹部
3 下向溝
4 梁接続具本体
4’ 本体板
5 先端円筒部
5’ 円弧形舌片
5” 短円筒
5a 突出短円筒
6 縦向長円形先端
7 梁
7’ 登り梁
8 梁接続具本体逆止状態嵌合凹部
s 空間
9 パッキング
10 截頭錐面
11 逆止具
c 中心線
12 枠板

Claims (7)

  1. 被接続材の側面又は端面に横向長円形凹部を切削形成し、該凹部の内端下部に内端面に沿って下向溝を切削形成し、縦向にした梁接続具本体の先端円筒部の先端に設けた円弧形舌片によって該先端形状を縦向長円形となし、該縦向長円形先端及び上記本体を横向にして該先端を上記横向長円形凹部に嵌入し、さらに該先端及び上記本体を先端円筒部を中心に回動して上記円弧形舌片を上記下向溝内に係合し、上記本体に梁の端面から下面に亘って切削形成された凹部を梁の中央部に向って逆止状態に雌雄嵌合することを特徴とする建築用梁接続法。
  2. 上記縦向長円形先端の端面に上記先端円筒部と上記本体の共通中心線を中心とする突出短円筒を設け、かつ被接続材の上記凹部の内端面に上記突出短円筒を嵌合する短円孔を穿設した請求項1記載の建築用梁接続具。
  3. 梁が登り梁である請求項1記載の建築用梁接続法。
  4. 梁の端面から下面に亘って切削形成された凹部の下端開口部と梁接続具本体下面との間の空間にパッキングを充填する請求項1又は2記載の建築用梁接続法。
  5. 上面が截頭錐面である逆止具の先端に該錐面と中心線を共有する短円筒を設け、該短円筒の先端下部に円弧形舌片を設けて該先端を縦向長円形に形成し、上記逆止具の下面に梁接続具本体を形成した建築用梁接続具。
  6. 上記縦向長円形先端の端面に上記中心線を共有する突出短円筒を設けた請求項5記載の建築用梁接続具。
  7. 逆止具の上面が截頭円錐面であり、下面が平面であって、該下面に上記中心線を通過し該下面と直交する本体板を設け、逆止具の先端から本体板の先端縁、下端縁及び後端縁に至る枠板を本体板の両側に亘って本体板と直交して設けて梁接続具本体を形成し、該枠板の横幅が逆止具の先端から下端縁の後端に向って拡幅させてなる請求項5又は6記載の建築用梁接続具。
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