JP3830929B2 - 固体撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固体撮像装置に関し、特に、各画素ごとにフォトダイオードとMOSトランジスタを設けたMOSイメージセンサに関する。
固体撮像装置は、画像入力処理を行う基本素子として、様々な分野で広く利用されている。現在、一般に利用されている固体撮像装置は、CCDイメージセンサとMOSイメージセンサに大別される。MOSイメージセンサの原理は、個々の画素ごとに受光素子として機能するフォトダイオードを設け、このフォトダイオードの出力をMOSトランジスタで増幅して取り出すものであり、特に、CMOS回路を採用したCMOSイメージセンサは、低消費電力で駆動する小型の固体撮像素子として有望視されている。たとえば、下記の特許文献1および2には、MOSイメージセンサ用の動作回路が開示されている。
特開平10−322140号公報 特開2001−268443号公報
固体撮像装置を小型化する上では、多数の画素をできるだけ高密度で実装することが要求される。したがって、MOSイメージセンサの場合、多数のMOSトランジスタが高密度で半導体基板上に集積されることになる。このように、1枚の半導体基板上に多数のMOSトランジスタを集積すると、本来はすべてのトランジスタが同一の電気的特性をもつトランジスタとして設計されていたとしても、個々のトランジスタごとに個体差が生じることは避けられず、その電気的特性にはバラツキが生じてしまう。このように、個々の画素に組み込まれているMOSトランジスタに特性のバラツキが生じていると、画素ごとの光検出感度に差が生じてしまうことになる。すなわち、同一強度の光を受光しているにもかかわらず、各画素から出力される信号強度に差が生じることになる。このような画素ごとの光検出感度のバラツキは、撮像された画像データ上に、いわゆる固定パターンノイズを生じさせる要因となる。
このような固定パターンノイズを解消するために、差分回路などを設けて補正を行う方法も提案されているが、差分回路を別個に設けて接続する必要があり、全体の回路面積が増加し、製造コストも向上するという問題がある。
そこで本発明は、単純な回路構成で固定パターンノイズを解消することが可能な固体撮像装置を提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、受光量に応じた電気信号を出力する機能をもった画素を、多数配列することにより構成される固体撮像装置において、
個々の画素を、フォトダイオードと、P型の第1のMOSトランジスタと、P型の第2のMOSトランジスタと、によって構成し、第1のMOSトランジスタのゲートと第2のMOSトランジスタのゲートとを互いに接続するようにし、かつ、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとは互いに電気的特性が同一になるように設計するようにし、
フォトダイオードの逆方向端を接地し、順方向端を両MOSトランジスタのゲートに接続し、
両MOSトランジスタのソースには所定の電源電圧を供給し、第1のMOSトランジスタのゲート/ドレイン間にはスイッチを設け、
更に、各画素を初期化するための初期化電流Iresを流すための定電流源と、各画素に設けられたスイッチをON/OFF制御する制御回路と、を設け、
第1のMOSトランジスタのドレインには、初期化用の定電流源を接続し、第2のMOSトランジスタのドレインからは、各画素の受光量を示す信号電流Isigが出力されるように構成し、
制御回路に、画素内のスイッチをON状態にすることにより、第1のMOSトランジスタのソース/ドレイン間に初期化電流Iresを流すために必要な初期化ゲート電圧Vresが得られるように、フォトダイオードに所定量の電荷を蓄積する充電処理と、スイッチをOFF状態にすることにより、フォトダイオードに蓄積されていた電荷のうち、受光量に応じた量の電荷を放電させてゲート電圧Vgを変動させる放電処理とを交互に実行する機能をもたせるようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る固体撮像装置において、
制御回路が、各画素内のスイッチのON/OFF制御と連動させて、当該画素に対する定電流源の機能のON/OFF制御を行うようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係る固体撮像装置において、
個々の画素内に設けられるスイッチを、MOSトランジスタにより構成するようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る固体撮像装置において、
半導体基板上に形成されたCMOSトランジスタ群の一部を利用して、個々の画素内のMOSトランジスタを構成するようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係る固体撮像装置において、
充電処理の際にフォトダイオードPDに「正常動作に必要な十分な電荷量」の蓄積が行われるように、初期化電流Iresの値を設定するようにしたものである。
本発明に係る固体撮像装置によれば、フォトダイオードと一対のMOSトランジスタとを有する画素に、スイッチを付加し、初期化のための電流源を接続するだけの単純な回路構成で、固定パターンノイズを解消することが可能になる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。はじめに、説明の便宜上、従来の一般的なMOSイメージセンサで利用されている1画素分の回路およびその動作を、図1の回路図に基づいて説明する。
図示のとおり、従来の一般的なMOSイメージセンサの1画素分の回路は、フォトダイオードPDと、一対のN型MOSトランジスタM1,M2と、を有している。第1のMOSトランジスタM1は、この画素を初期化する動作を行うためのものであり、第2のMOSトランジスタM2は、この画素の受光量に見合った信号電流Isigを取り出す動作を行うためのものである。信号電流Isigは、第2のMOSトランジスタM2のソースS2から取り出され、所定の信号処理回路で処理されることになる。もちろん、この図1に示す回路は1画素分の回路であり、実際の信号処理回路には、多数の画素からの信号電流Isigが与えられることになる。
図示の回路では、両トランジスタM1,M2のドレインD1,D2に、ノードN1,N2を介して電源電圧VDDが供給されている。また、第1のMOSトランジスタM1のソースS1と、第2のMOSトランジスタM2のゲートG2と、フォトダイオードPDの順方向端(図の上方端)とは、ノードN3において互いに接続されており、フォトダイオードPDの逆方向端(図の下方端)は接地されている。なお、各トランジスタM1,M2の回路記号上、矢印で示す部分は、MOSトランジスタの基板部分を示しており、それぞれ接地されている。これは、MOSトランジスタの基板のバックゲート電圧が接地電位となっていることを示している。
この画素の初期化段階は、次のようにして行われる。まず、第1のMOSトランジスタM1のゲートG1に、初期化電圧Vres(たとえば、電源電圧VDD)を与える(Vresのresはリセットの意)。これにより、第1のMOSトランジスタM1がON状態となり、ノードN3の電位は、電源電圧VDDに近くなる。このとき、フォトダイオードPDには、逆バイアスが加わることになり、ノードN3の電位に応じた電荷が蓄積される。このように、フォトダイオードPDに所定の電荷を蓄積することが、初期化段階の目的である。このような蓄積電荷により、第2のMOSトランジスタM2のゲート電圧Vgは、電源電圧VDDに近い値になる。
こうして初期化段階が完了すると、続いて、受光量の検出段階が行われる。すなわち、第1のMOSトランジスタM1のゲートG1への初期化電圧Vresの供給を停止し(たとえば、ゲートG1を接地レベルに落とす)、トランジスタM1をOFF状態にする。すると、フォトダイオードPDに蓄積されていた電荷の放電が開始する。このとき、放電する電荷量は、照射された光量に依存する。すなわち、フォトダイオードPDの受光量が大きければ大きいほど、多量の電荷が放電することになり、蓄積されていた電荷は減少する。フォトダイオードPD内の蓄積電荷が減少すると、第2のMOSトランジスタM2のゲート電圧Vgが低下することになる。このとき、第2のMOSトランジスタM2のドレインD2/ソースS2間を流れる電流は、信号電流Isigとして、信号処理回路において検出される(Isigのsigは、signalの意)。
信号電流Isigの大きさは、ゲート電圧Vgに依存し、ゲード電圧Vgは、上述したように、フォトダイオードPDの受光量に依存するので、信号処理回路において、信号電流Isigの大きさを測定することにより、フォトダイオードPDの受光量を検出することが可能になる。たとえば、受光量が少なければ、放電電荷量も少なくなり、ゲート電圧Vgの電圧低下も少なくなる。よって、ゲート電圧Vgは比較的高い値を維持したままになり、信号電流Isigは比較的大きな値として測定される。これに対して、受光量が多ければ、放電電荷量も多くなり、ゲート電圧Vgの電圧低下も多くなる。よって、ゲート電圧Vgは比較的低い値になり、信号電流Isigは比較的小さな値として測定される。このように、受光量が少なければ、信号電流Isigは大きくなり、受光量が多ければ、信号電流Isigは小さくなるという関係が得られるので、各画素ごとの信号電流Isigを測定することにより、各画素ごとの受光量を検出することができるようになる。
上述した初期化段階と検出段階は、所定周期で交互に実行される。たとえば、一般的な動画撮影用の固体撮像装置の場合、1/30秒周期で、初期化段階と検出段階とが繰り返され、1秒間に30枚の画像が撮影されることになる。
以上、1画素の構成回路の動作を説明したが、実際には、固体撮像装置内には、このような画素が多数配列されており、個々の画素について、それぞれ上述した動作が行われることになる。ここで、各画素内のMOSトランジスタは、本来、すべて同一の電気的特性を有しているべきであるが、実際には、半導体基板上に多数のMOSトランジスタを形成すると、個々のトランジスタの特性にはバラツキが生じることになり、いわゆる固定パターンノイズを生じさせる要因になることは、既に述べたとおりである。たとえば、図1に示す回路において、第2のMOSトランジスタM2の特性が個々の画素ごとに全く同一であると仮定すれば、同じゲート電圧Vgを与えたときに、各画素から出力される信号電流Isigは、すべて同じ値になるはずである。ところが、実際には、このような仮定どおりにはならず、すべてのMOSトランジスタの特性は完全には同一にならない。このため、受光量が同一であるにもかかわらず、画素ごとに出力される信号電流Isigにバラツキが生じる結果となり、固定パターンノイズが生じることになる。
本発明は、このような問題を解決するために、個々の画素についての新たな回路構成を提案するものである。以下、本発明に係る新たな回路構成を、図2の回路図に基づいて説明する。図2に一点鎖線で囲って示す部分Qiは、本発明に係る固体撮像装置の第i番目の画素の構成回路である。実際の固体撮像装置は、このような画素を多数配列することにより構成されることになる。なお、図2にブロック図として示されている定電流源10および制御回路20は、多数の画素に対して共通して利用される構成要素であり、固体撮像装置内に少なくとも1つずつあれば足りる。
図示のとおり、本発明に係る固体撮像装置を構成する1つの画素Qiは、フォトダイオードPDと、一対のMOSトランジスタM1,M2と、スイッチSWと、を有しており、受光量に応じた電気信号を出力する機能をもっている。フォトダイオードPDは、図1に示す従来装置で用いられていたものと同じものであり、逆方向端(図の下方端)は接地されている。
一方、図2に示す一対のMOSトランジスタM1,M2は、説明の便宜上、図1に示す一対のMOSトランジスタと同じ符号M1,M2を用いて示してあるが、図1に示すMOSトランジスタM1,M2がN型のMOSトランジスタであるのに対し、図2に示すMOSトランジスタM1,M2はP型のMOSトランジスタとなっている(図1に示すN型のMOSトランジスタとは、回路記号上の矢印の向きが逆になっており、ソース/ドレインの関係も逆になっている)。
また、図2の回路では、第1のMOSトランジスタM1のゲートG1と第2のMOSトランジスタM2のゲートG2とが、ノードN3,N4を介して互いに接続されており、ノードN4には、フォトダイオードPDの順方向端(図の上方端)が接続されている。結局、フォトダイオードPDの順方向端は、第1のMOSトランジスタM1のゲートG1および第2のMOSトランジスタM2のゲートG2に接続されていることになる。また、第1のMOSトランジスタM1のソースS1と第2のMOSトランジスタM2のソースS2には、それぞれノードN1,N2を介して、電源電圧VDDが供給されており、第1のMOSトランジスタM1のドレインD1からは、定電流源10の作用により、初期化電流Iresが流れ、第2のMOSトランジスタM2のドレインD2からは、ゲート電圧Vgに応じた信号電流Isigが流れるようになっている。
なお、各トランジスタM1,M2の回路記号上、矢印で示す部分は、MOSトランジスタの基板部分を示しており、それぞれノードN1,N2に接続されている。これは、MOSトランジスタの基板に、電源電圧VDDが、バックゲート電圧として印加されていることを示している。
ここで、第1のMOSトランジスタM1と第2のMOSトランジスタM2とは、互いに電気的特性が同一になるように設計されている。このように、同一の電気的特性をもった一対のMOSトランジスタのゲート同士を接続し、図示のような配線を行った回路は、一般にカレントミラー回路と呼ばれており、第1のMOSトランジスタM1側を流れる電流値と、第2のMOSトランジスタM2側を流れる電流値とが、常に等しくなるような特性をもっている。図示の例の場合、初期化電流Iresと信号電流Isigとは等しくなる。
スイッチSWは、本発明に係る回路に特有の構成要素であり、図におけるノードN3とノードN5との間に接続されている。別言すれば、スイッチSWは、第1のMOSトランジスタM1のゲートG1/ドレインD1間に接続されたスイッチということになる。このスイッチSWのON/OFF制御は、制御回路20によって行われる。スイッチSWとしては、制御回路20により電気的に制御可能なスイッチであれば、どのようなスイッチを用いてもかまわないが、実用上は、MOSトランジスタからなるスイッチにより構成するのが好ましい。現在、MOSイメージセンサとしては、低消費電力で駆動するCMOSイメージセンサが主流であり、スイッチSWをMOSトランジスタからなるスイッチにより構成すれば、半導体基板上に形成されたCMOSトランジスタ群の一部を利用して、個々の画素内のMOSトランジスタM1,M2およびスイッチSWを構成することが可能になり、非常に効率的である。
上述したとおり、定電流源10および制御回路20は、多数の画素について共通して利用される構成要素であり、定電流源10は、各画素を初期化するための初期化電流Iresを流すための機能を果たし、制御回路20は、各画素に設けられたスイッチSWをON/OFF制御する機能を果たす。これらの動作については後に詳述する。なお、実用上は、定電流源10を画素配列の各列ごとに設けるようにし、1つの定電流源が1列分の画素に初期化電流Iresを流す役割を果たすようにするのが好ましい。
続いて、この図2に示す回路構成からなる画素をもった固体撮像装置の動作を説明する。既に述べたとおり、一般的なMOSイメージセンサは、初期化段階と検出段階とを交互に繰り返すことにより動作する。初期化段階は、フォトダイオードPDに電荷を蓄積させる充電処理を行う段階であり、検出段階は、受光量に応じた量の蓄積電荷を放電させる放電処理を行う段階であり、放電した電荷量が信号電流Isigとして検出されることになる。
この充電処理を行う初期化段階と、放電処理を行う検出段階との切り替えは、制御回路20によって行われる。すなわち、制御回路20によって、スイッチSWがON状態にされると、充電処理を行う初期化段階が実行され、スイッチSWがOFF状態にされると、放電処理を行う検出段階が実行される。制御回路20は、所定のタイミング(たとえば、1/30秒周期)で、スイッチSWのON/OFF制御を行うことになる。このON/OFF制御は、固体撮像装置内の全画素について同期させて行うこともできるし、マトリックス状に配列された多数の画素の中の列単位あるいは行単位で同期させて行うこともできる。もちろん、必要があれば、1つ1つの画素ごとにそれぞれ独立したタイミングで制御を行ってもかまわない。
図3は、図2に示す画素Qiの構成回路について、充電処理を行う初期化段階の動作を説明するための回路図である。この初期化段階では、上述したように、制御回路20によって、スイッチSWがON状態にされる。そうすると、図示のとおり、第1のMOSトランジスタM1のゲートG1がドレインD1に接続された状態になる。しかも定電流源10の作用により、ソースS1/ドレインD1間には、初期化電流Iresを強制的に流そうとする力が働くことになる。第1のMOSトランジスタM1が、このような環境下に置かれると、若干の過渡応答を経て、ゲートG1の電位Vgは、自然に所定の初期化電圧Vresに維持されるようになる。別言すれば、この過渡応答の時間内に、フォトダイオードPDに対して逆バイアス電圧が加わり、充電が行われることになり、ゲート電圧Vgが、第1のMOSトランジスタM1のソースS1/ドレインD2間に初期化電流Iresを流すために必要な初期化電圧Vresに等しくなるように、フォトダイオードPDに所定量の電荷が蓄積されることになる。一般に、MOSトランジスタのソース/ドレイン間電流は、ゲート電圧によって支配されるので、このときの初期化電圧Vresは、ソースS1/ドレインD1間に、所定の初期化電流Iresを流すのに見合った所定の電圧値ということになる。
実用上は、定電流源10によって強制的に流される初期化電流Iresは、比較的微弱な電流になるように設定しておくのが好ましい。P型のMOSトランジスタは、ゲート電圧Vgが高ければ高いほど、ソース/ドレイン間電流は小さくなり、逆に、ゲート電圧Vgが低ければ低いほど、ソース/ドレイン間電流は大きくなる。したがって、初期化電流Iresをできるだけ小さい電流値に設定しておくようにすると、このときのゲート電圧Vg、すなわち、初期化電圧Vresは、比較的高い値(具体的には、電源電圧VDDより若干低い値)になる。この初期化電圧Vresは、フォトダイオードPDに対する逆バイアスであり、フォトダイオードPDを充電する役割を果たす。したがって、初期化電流Iresを比較的小さい電流値に設定しておき、初期化電圧Vresが比較的高い値になるようにしておけば、フォトダイオードPDに十分な電荷量の蓄積を行うことができるようになる。要するに、この充電処理の際に、フォトダイオードPDに「正常動作に必要な十分な電荷量」の蓄積が行われるように、初期化電流Iresの値をできるだけ小さな値に設定すればよい。
上述したように、図3に示す一対のMOSトランジスタM1,M2は、カレントミラー回路を構成しており、第1のMOSトランジスタM1側を流れる電流値と、第2のMOSトランジスタM2側を流れる電流値とは、常に等しくなるような特性をもっている。したがって、このとき、第2のMOSトランジスタM2のソースS2/ドレインD2間を流れる信号電流Isigは、定電流源10による初期化電流Iresに等しくなる。
一方、図4は、図2に示す画素Qiの構成回路について、放電処理を行う検出段階の動作を説明するための回路図である。この検出段階では、上述したように、制御回路20によって、スイッチSWがOFF状態にされる。そうすると、図示のとおり、第1のMOSトランジスタM1のゲートG1とドレインD1とが絶縁された状態になり、ノードN3,N4は電気的にフローティング状態になる。その結果、フォトダイオードPDに蓄積されていた電荷は、接地電位へと放電を開始する。このとき、放電される電荷の量は、フォトダイオードPDの受光量に依存し、受光量が多いほど、より多くの電荷が放電することになる。
こうして、蓄積電荷の放電が生じると、ゲート電圧Vgは、当初の初期化電圧Vresよりも低下し、Vg<Vresとなる。ここで、ゲート電圧Vgの低下の程度は、フォトダイオードPDの受光量に依存することになる。こうして生じるゲート電圧Vgの変動により、第2のトランジスタM2を流れる信号電流Isigの値にも変動が生じることになる。すなわち、ゲート電圧Vgが低くなればなるほど、信号電流Isigの値は大きくなる。図3のように、ゲート電圧Vg=初期化電圧Vresに維持されていた時点では、信号電流Isigは初期化電流Iresに等しくなるが、図4のように、ゲート電圧Vgが低下すればするほど、信号電流Isigは、この初期化電流Iresよりも大きくなることになる。結局、フォトダイオードPDの受光量が多くなればなるほど、信号処理回路で測定される信号電流Isigの値は大きくなり、各画素から出力された信号電流Isigを測定することにより、当該画素についての受光量を認識することができる。
以上のように、フォトダイオードPDに対する充電処理を行う初期化段階と、フォトダイオードPDに対する放電処理を行う検出段階とを、たとえば、1/30秒周期で繰り返し実行すれば、1秒間に30フレームの画像を撮像することが可能になる。なお、定電流源10は、常に動作させておいてもよいが、実用上は、消費電力を低減させるため、充電処理を行う初期化段階においてのみ機能させ、放電処理を行う検出段階では機能させないようにするのが好ましい。そこで、図2に示す実施形態では、制御回路20が、各画素内のスイッチのON/OFF制御と連動させて、当該画素に対する定電流源10の機能のON/OFF制御を行うようにしている。これにより、スイッチSWがONになっているときに限り、当該画素に対して定電流源10が機能することになる。図3の回路図に定電流源10の記号が描かれているのに、図4の回路図にはこれが描かれていないのは、制御回路20によるこのような制御を意図したものである。
以上、図3および図4の回路図に基づく説明により、図2に示す本発明に係る固体撮像装置の動作原理は理解できたであろう。そこで、最後に、図2に示す本発明に係る固体撮像装置では、図1に示す従来の固体撮像装置で見られた問題点が解決される理由を説明する。
上述したとおり、図1に示す従来の固体撮像装置では、個々のMOSトランジスタの特性にバラツキが生じるため、受光量が同一であるにもかかわらず、画素ごとに出力される信号電流Isigにバラツキが生じる結果となり、固定パターンノイズが生じるという問題があった。ここで、バラツキが生じるMOSトランジスタの特性とは、主として、ゲート電圧とソース/ドレイン間電流との関係を示す特性である。固定パターンノイズが生じるという問題が生じる原因は、個々のMOSトランジスタごとにそれぞれ上記特性のバラツキがあるにもかかわらず、すべての画素に対して、同一の電源電圧VDDを用いた画一的な充電を行っている点にある。すなわち、図1に示すフォトダイオードPDへの充電は、ノードN3に電源電圧VDDを供給することにより行われるので、すべての画素について同一の電荷量の蓄積が行われることになる。その結果、初期化段階が完了した時点におけるゲート電圧Vgは、全画素で共通の値(ほぼ、電源電圧VDD)になる。ところが、第2のMOSトランジスタM2の特性にバラツキが生じていると、同じゲート電圧Vgを与えたとしても、出力される信号電流Isigにもそれぞれバラツキが生じてしまう。これが固定パターンノイズを生む原因である。
これに対して、本発明に係る固体撮像装置の場合の留意点は、個々の画素ごとに、フォトダイオードPDに蓄積される電荷量は異なり、初期化電圧Vresの値も個々の画素ごとに異なる、という点である。図3に示す回路図からわかるとおり、フォトダイオードPDに対する充電は、ノードN4に直接電源電圧VDDを供給するという形ではなく、ノードN4に、初期化電圧Vresを供給するという形で行っている。ここで、初期化電圧Vresは、第1のMOSトランジスタM1の電気的特性に応じて決定される電圧値であり、個々の画素ごとにそれぞれ異なる値になる。すなわち、初期化電圧Vresは、第1のMOSトランジスタM1のソースS1/ドレインD1間に、初期化電流Iresを流すために必要なゲート電圧として定まる電圧であるから、初期化電流Iresの値が全画素について共通であったとしても、第1のMOSトランジスタM1の特性が個々の画素ごとに異なれば、初期化電圧Vresも個々の画素ごとにそれぞれ異なった値になる。かくして、フォトダイオードPDへの蓄積電荷量も、個々の画素ごとに異なることになる。
ここで、もうひとつ留意すべき点は、同一画素内の一対のMOSトランジスタM1,M2に関しては、その電気的特性がほぼ等しくなる、という点である。既に述べたとおり、同一の電気的特性をもつように設計された多数のMOSトランジスタであっても、実際に半導体基板上に形成されると、相互に特性のバラツキが生じる。したがって、厳密に言えば、図3に示す第1のMOSトランジスタM1の特性と第2のMOSトランジスタM2の特性との間には、差が生じていることになる。しかしながら、半導体基板上で近接配置されたMOSトランジスタに関しては、その電気的特性はほとんど近似することが知られている。
すなわち、半導体基板上に、ある程度の距離をおいて、画素Aの構成回路と、画素Bの構成回路とが形成されていた場合、画素A内のMOSトランジスタの特性と、画素B内のMOSトランジスタの特性とを互いに比べると、両者の間には有意な差がみられ、固定パターンノイズが生じる要因になる。このように、半導体基板上に配列された多数の画素間での相互比較を行うと、個々の画素に含まれているMOSトランジスタの特性には有意なバラツキが生じていることになる。ところが、同一画素の構成回路に含まれる一対のMOSトランジスタについては、半導体基板上で近接配置されているため、その電気的特性にはほとんど有意差はみられない。本発明は、このような特徴を利用して、画素間でのMOSトランジスタの特性のバラツキを、キャンセルしようとするものである。
この特徴によれば、たとえば、図3に示す同一画素内の一対のMOSトランジスタM1,M2については、その電気的特性が全く同一であると考えてよい。したがって、この一対のMOSトランジスタについては、ゲートG1,G2に同一の初期化電圧Vresを与えると、ドレインD1,D2には同一の初期化電流Iresが流れることになり、逆に、ドレインD1,D2に同一の初期化電流Iresが流れていれば、ゲートG1,G2には同一の初期化電圧Vresが加わっている、という関係が得られることになる。これは正に、カレントミラー回路としての特徴である。
結局、図3に示す回路において、定電流源10により、第1のMOSトランジスタM1のドレインに初期化電流Iresを流したとすると、ノードN3,N4には、この初期化電流Iresに見合った画素固有の初期化電圧Vresがゲート電圧Vgとして発生し、フォトダイオードPDには、この初期化電圧Vresに応じた量の電荷が蓄積されることになる。ところが、この第1のMOSトランジスタM1と全く同じ特性をもった第2のMOSトランジスタM2のゲートG2に、画素固有の初期化電圧Vresをゲート電圧Vgとして与えると、ドレインD2を流れる信号電流Isigは、初期化電流Iresと等しくなり、個々のMOSトランジスタ固有の特性の影響を受けない値になる。たとえば、検出段階において、全画素内のフォトダイオードPDからの放電電荷量が0であった場合、いずれの画素についての信号電流Isigも、すべて初期化電流Iresに等しい値になり、画素ごとのバラツキは解消される。
このように、本発明に係る固体撮像装置を構成する画素では、互いに電気的特性が等しい第1のMOSトランジスタM1と第2のMOSトランジスタM2とが用意されている。そして、初期化段階では、第1のMOSトランジスタM1の固有の特性に依存した充電処理が実行され、当該画素に固有の初期化電圧Vresに等しいゲート電圧Vgが設定される。ところが、検出段階では、放電処理によって生じるゲート電圧Vgの低下を、第2のMOSトランジスタM2の固有の特性(第1のMOSトランジスタM1の固有の特性と同一)に依存した信号電流Isigという形で検出することになるので、結果的に、MOSトランジスタ固有の特性に関与するファクターがキャンセルされ、各画素から出力される信号電流Isigには、バラツキの要因が排除されることになる。これが、本発明に係る固体撮像装置の特徴であり、固定パターンノイズが解消する理由である。
このように、本発明に係る固体撮像装置では、非常に単純な回路で、固定パターンノイズの解消が可能になるので、半導体基板上の占有面積を低減させることができ、装置の小型化およびコストダウンを図ることができる。
従来の一般的な固体撮像装置(MOSイメージセンサ)で利用されている1画素分の回路を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る固体撮像装置(MOSイメージセンサ)の構成を示す回路図およびブロック図である。 図2に示す画素Qiの構成回路について、充電処理を行う初期化段階の動作を説明するための回路図である。 図2に示す画素Qiの構成回路について、放電処理を行う検出段階の動作を説明するための回路図である。
符号の説明
10…定電流源
20…制御回路
D1,D2…MOSトランジスタのドレイン
G1,G2…MOSトランジスタのゲート
Ires…初期化電流
Isig…信号電流
M1…第1のMOSトランジスタ
M2…第2のMOSトランジスタ
N1〜N5…ノード
PD…フォトダイオード
Qi…第i番目の画素
S1,S2…MOSトランジスタのソース
SW…スイッチ(MOSトランジスタ)
VDD…電源電圧
Vg…ゲート電圧
Vres…初期化電圧

Claims (5)

  1. 受光量に応じた電気信号を出力する機能をもった画素を、多数配列することにより構成される固体撮像装置であって、
    個々の画素が、フォトダイオードと、P型の第1のMOSトランジスタと、P型の第2のMOSトランジスタと、を有し、前記第1のMOSトランジスタのゲートと前記第2のMOSトランジスタのゲートとは互いに接続されており、かつ、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとは互いに電気的特性が同一になるように設計されており、
    前記フォトダイオードの逆方向端は接地され、順方向端は前記第1のMOSトランジスタのゲートおよび前記第2のMOSトランジスタのゲートに接続されており、
    前記第1のMOSトランジスタのソースおよび前記第2のMOSトランジスタのソースには所定の電源電圧が供給されており、前記第1のMOSトランジスタのゲート/ドレイン間にはスイッチが設けられており、
    更に、各画素を初期化するための初期化電流Iresを流すための定電流源と、各画素に設けられた前記スイッチをON/OFF制御する制御回路と、を備え、
    前記第1のMOSトランジスタのドレインには、前記定電流源が接続されており、前記第2のMOSトランジスタのドレインからは、各画素の受光量を示す信号電流Isigが出力されるように構成され、
    前記制御回路は、前記スイッチをON状態にすることにより、前記第1のMOSトランジスタのソース/ドレイン間に前記初期化電流Iresを流すために必要な初期化ゲート電圧Vresが得られるように、前記フォトダイオードに所定量の電荷を蓄積する充電処理と、前記スイッチをOFF状態にすることにより、前記フォトダイオードに蓄積されていた電荷のうち、受光量に応じた量の電荷を放電させてゲート電圧Vgを変動させる放電処理とを交互に実行する機能を有することを特徴とする固体撮像装置。
  2. 請求項1に記載の固体撮像装置において、
    制御回路が、各画素内のスイッチのON/OFF制御と連動させて、当該画素に対する定電流源の機能のON/OFF制御を行うことを特徴とする固体撮像装置。
  3. 請求項1または2に記載の固体撮像装置において、
    個々の画素内に設けられるスイッチを、MOSトランジスタにより構成したことを特徴とする固体撮像装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の固体撮像装置において、
    半導体基板上に形成されたCMOSトランジスタ群の一部を利用して、個々の画素内のMOSトランジスタを構成することを特徴とする固体撮像装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の固体撮像装置において、
    充電処理の際にフォトダイオードPDに「正常動作に必要な十分な電荷量」の蓄積が行われるように、初期化電流Iresの値を設定したことを特徴とする固体撮像装置。
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