JP3828648B2 - 2−(2−ピリジルメチルスルフィニル)ベンズイミダゾール系化合物の結晶およびその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗潰瘍剤などの医薬として有用な2−(2−ピリジルメチルスルフィニル)ベンズイミダゾール系化合物(例えば、特開平1-131176号公報(EP-0302720A)、特開昭58-192880号公報(EP-0005129A)、特開昭61-22079号公報、特開昭64-6270号公報、米国特許第4255431号、ヨーロッパ特許公開第45200号、同第74341号、同第80602号、同第174726号、同第175464号、英国特許公開第2134523A号等に記載)またはその塩の結晶およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平1-131176号公報(EP-0302720A)の実施例1には、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルチオ]ベンズイミダゾール(一水和物)をジクロルメタンに溶かし、五酸化バナジウム触媒存在下で、過酸化水素により酸化し濃縮して得られた残留物に、エタノール−水混液(9:1)を加えて晶出した結晶をろ取し洗浄後、エタノール−水混液(9:1)を加え加熱(65〜70℃)溶解後、熱時ろ過により得られたろ液を氷冷し、晶出した結晶をろ取し洗浄後、真空乾燥して、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールを白色結晶として得たとの記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
2−(2−ピリジルメチルスルフィニル)ベンズイミダゾール系化合物は、その結晶中の微量の残留溶媒、特に水分の残留によって安定性が低下し分解が起こりやすくなるため、結晶中の残留溶媒を極力減少させる必要がある。
しかしながら、前述の特開平1-131176号公報に記載の2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールを得る方法では、水およびエタノールを除去することが困難で、かなりの量の水およびエタノールが混入したままの結晶としてしか得られていない。 即ち、該公報に記載の方法により得られる該ベンズイミダゾール化合物は、水およびエタノールを各々1分子ずつ保持した溶媒和物であり、真空乾燥処理だけでは該化合物の安定性に問題のない程度まで残留溶媒を除去することが極めて困難であることを意味する。
しかし、該ベンズイミダゾール化合物については、その溶媒和物、特に水和物の状態では、熱安定性が低いため、後の真空乾燥処理時、特に加熱条件下での乾燥処理などの工程において容易に分解を起こし、目的のベンズイミダゾール化合物としての純度が低下してしまうなどの深刻な問題点がある。 従って、該ベンズイミダゾール化合物の溶媒を含まない結晶およびその結晶を得るための工業的大量規模での操作性の良い優れた脱溶媒法の確立が切望されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、このような状況を鑑み、前述の抗潰瘍剤などの医薬として有用な該ベンズイミダゾール系化合物の実質的に溶媒を含まない結晶およびその結晶を得るための工業的大量規模での操作性の良い優れた脱溶媒法を確立すべく、上記問題点の改善を目指して鋭意研究を重ねてきた。その結果、2−(2−ピリジルメチルチオ)ベンズイミダゾール系化合物を酸化して2−(2−ピリジルメチルスルフィニル)ベンズイミダゾール系化合物に導き、さらに含水アルコールで再結晶して得られた該2−(2−ピリジルメチルスルフィニル)ベンズイミダゾール系化合物の水−エタノール溶媒和物結晶を、温湯中で懸濁、攪拌することにより、全く思いがけなくも溶媒を実質的に含まない結晶形に転移させることができ、このため、続く減圧乾燥処理により容易に脱溶媒できることを見出した。また、この方法により得られる該ベンズイミダゾール化合物の実質的に溶媒を含まない結晶は、全く予想外にも、従来得られていた該ベンズイミダゾール化合物の溶媒和物結晶よりも安定性に優れており、減圧乾燥処理中の分解も皆無であることを見出した。
【0005】
本願発明者らは、これらの知見に基づき、さらに鋭意検討を行った結果、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、
(1)式
【化3】
〔式中、環Aは置換基を有していてもよく、R1は水素またはN−保護基を、R2,R3およびR4はそれぞれ同一または異なって(1)水素、(2)ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基または(3)ハロゲン原子もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基を示す。〕で表される化合物またはその塩の溶媒和物を、脱溶媒処理に付すことを特徴とする該化合物またはその塩の実質的に溶媒を含まない結晶の製造法、
(2)脱溶媒処理が水中での懸濁操作である前記(1)記載の製造法、
(3)R1で示されるN−保護基が、アルキル、アシル、カルボアルコキシ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アルキルカルボニルメチル、アルコキシカルボニルメチルまたはアルキルスルホニル基である前記(1)記載の結晶の製造法、
(4)R1が水素である前記(1)記載の結晶の製造法、
(5)環Aの置換基がハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基である前記(1)記載の結晶の製造法、
(6)環Aが無置換である前記(1)記載の結晶の製造法、
(7)R2がメチル基またはメトキシ基、R3がフッ素化されていてもよいC1-4アルコキシ基またはC1-4アルコキシC1-8アルコキシ基、R4が水素またはメチル基である前記(1)記載の結晶の製造法、
(8)式(I)で表される化合物が、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールである前記(1)記載の結晶の製造法、
(9)式
【化4】
〔式中、環Aは置換基を有していてもよく、R1は水素またはN−保護基を、R2,R3およびR4はそれぞれ同一または異なって(1)水素、(2)ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基または(3)ハロゲン原子もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基を示す。〕で表される化合物またはその塩の実質的に溶媒を含まない結晶、および
(10)式(I)で表される化合物が、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールである前記(9)記載の結晶に関する。
【0006】
上記の式中ならびに本願発明における諸定義の説明およびそれらの好適な例を以下に記す。
式(I)中、環A上の置換基としては例えば、ハロゲン原子、アルキル、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルボアルコキシアルキル、カルバモイル、カルバモイルアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アシル、カルバモイルオキシ、ニトロ、アシルオキシ、アリール、アリールオキシ、アルキルチオもしくはアルキルスルフィニル等の基が挙げられる。
該ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられ、なかでもフッ素が好ましい。
該アルキル基としては、炭素数1ないし7のアルキル基が好ましく、例としてメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等の基が挙げられる。
該アルコキシカルボニル基としては、そのアルコキシの炭素数が1ないし4のものが好ましく、その例としてはメトキシカルボニル(CH3OOC−)、エトキシカルボニル(C2H5OOC−)等の基が挙げられる。
該カルボアルコキシアルキル基としては、そのアルコキシおよびアルキルの炭素数がそれぞれ1ないし4のものが好ましく、その例としてはカルボメトキシメチル(CH3OOCCH2−)、カルボメトキシエチル(CH3OOCC2H4−)、カルボエトキシメチル(C2H5OOCCH2−)、カルボエトキシエチル(C2H5OOCC2H4−)等の基が挙げられる。
【0007】
該カルバモイルアルキル基としては、そのアルキルの炭素数が1ないし4のものが好ましく、その例としてはカルバモイルメチル(H2NCOCH2−)、カルバモイルエチル(H2NCOC2H4−)等の基が挙げられる。
該アルコキシ基としては炭素数1ないし5のものが好ましく、その例としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ等の基が挙げられる。
該ヒドロキシアルキル基としてはそのアルキルの炭素数が1ないし7のものが好ましく、その例としてはヒドロキシメチル、1−ヒドロキシ−プロピル−2、1−ヒドロキシ−エチル−2、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル−2等の基が挙げられる。
該ハロゲン化アルキル基としては、そのアルキルの炭素数が1ないし7のものが好ましく、その例としてはジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基などが好ましく挙げられる。
該ハロゲン化アルコキシ基としては、そのアルコキシの炭素数が1ないし4のものが好ましく、その例としてはジフルオロメトキシ基などが好ましく挙げられる。
【0008】
該アシル基としては炭素数1ないし4のものが好ましく、その例としてはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等の基が挙げられる。
該アシルオキシ基としては、そのアシルの炭素数が1ないし4のものが好ましく、その例としてはホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等の基が挙げられる。
該アリール基としては、例えばフェニル、トリル、ナフチル等の基が挙げられる。
該アリールオキシ基としては、例えばフェニルオキシ、トリルオキシ、ナフチルオキシ等の基が挙げられる。
該アルキルチオ基としては、そのアルキルの炭素数が1ないし6のものが好ましく、その例としてはメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等の基が挙げられる。
該アルキルスルフィニル基としては、その炭素数が1ないし6のものが好ましく、その例としてはメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル等の基が挙げられる。
【0009】
式(I)中、環Aについては、置換されていないか、または上記置換基の中でもハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アルコキシ基等(中でも好ましくはメトキシ基、トリフルオロメチル基またはジフルオロメトキシ基等)が好ましく、ベンズイミダゾール環の4位または5位が置換されているものが特に好ましい。
式(I)中、R1は、水素原子またはN−保護基を示す。
R1で示されるN−保護基としては、例えばアルキル、アシル、カルボアルコキシ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アルキルカルボニルメチル、アルコキシカルボニルメチルおよびアルキルスルホニル等の基が挙げられる。
該アルキル基としては、炭素数1ないし5のものが好ましく、例としてメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびペンチル等の基が挙げられる。
該アシル基としては、上記環Aの置換基として定義したものと同様のものが挙げられる。
該カルボアルコキシ基としては、上記環Aの置換基として定義したものと同様のものが挙げられる。
【0010】
該アルキルカルバモイル基は、式 アルキル−NH−CO−で表され、そのアルキル基の炭素数は1ないし4が好ましく、例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイルおよびイソプロピルカルバモイル等の基が挙げられる。
該ジアルキルカルバモイル基は、式 (アルキル)2N−CO−で表され、そのアルキル基の炭素数は各々1ないし4が好ましく、例えばジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイルおよびN−メチル−N−エチルカルバモイル等の基が挙げられる。
該アルキルカルボニルメチル基は、式 アルキル−CO−CH2−で表され、そのアルキル基の炭素数は1ないし4が好ましく、例えばアセチルメチル、プロピオニルメチル等の基が挙げられる。
該アルコキシカルボニルメチル基は、式 アルキル−OCO−CH2−で表され、そのアルキル基の炭素数は1ないし4が好ましく、例えばメトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチルおよびプロポキシカルボニルメチル等の基が挙げられる。
該アルキルスルホニル基は、式 アルキル−SO2−で表され、そのアルキル基の炭素数は1ないし4が好ましく、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニルおよびイソプロピルスルホニル等の基が挙げられる。
式(I)中、R1は、好ましくは水素原子である。
【0011】
式(I)において、R2,R3およびR4は、それぞれ同一または異なって水素、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲンまたはアルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基を示す。
R2,R3およびR4で示されるハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基におけるアルキル基は、炭素数が1ないし4であるアルキル基が好ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル等の基が挙げられる。該ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられ、とりわけフッ素が好ましい。
該ハロゲン原子で置換されたアルキル基の例としては、例えばトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、1−(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル等のフッ素置換アルキル基が好ましく挙げられ、塩素または臭素で置換されたアルキル基についてもフッ素置換アルキル基で例示したものにおいてフッ素を塩素または臭素で置き換えた同様の基が挙げられる。
R2,R3およびR4で示されるハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基として好ましくは、無置換の炭素数1ないし4のアルキル基、とりわけメチル基が挙げられる。
【0012】
R2,R3およびR4で示されるハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基におけるアルコキシ基としては、炭素数が1ないし8、好ましくは炭素数が1ないし4のアルコキシ基が好ましく、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ等の基が挙げられる。 該ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられ、とりわけフッ素が好ましい。
該ハロゲン原子で置換されたアルコキシ基の例としては、例えば2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ、1−(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシ、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペントキシ基等の1ないし8個(好ましくは3ないし4個)のフッ素原子で置換された炭素数が1ないし8、好ましくは炭素数が1ないし4のアルコキシ基が好ましく挙げられ、とりわけ2,2,2−トリフルオロエトキシまたは2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシがより好ましく挙げられる。該塩素または臭素で置換されたアルコキシ基についても該フッ素置換アルコキシ基で例示したものにおいてフッ素を塩素または臭素で置き換えた同様の基が挙げられる。
【0013】
該アルコキシ基で置換されたアルコキシの例としては、例えば3−メトキシプロポキシ、2−メトキシエトキシ、3−エトキシプロポキシ、2−エトキシエトキシなどのC1-4アルコキシC1-8アルコキシ基(とりわけC1-4アルコキシC1-4アルコキシ基)が好ましく挙げられ、とりわけ3−メトキシプロポキシ基が好ましい。
式(I)中、好ましくは、R2およびR4が同一または異なって水素原子、メチル基またはメトキシ基であり、R3が3ないし4個のハロゲン原子で置換された炭素数1ないし5個、好ましくは炭素数2ないし4個のアルコキシ基、またはメトキシ基である。
式(I)で表される化合物において、さらに好ましくは、環Aが無置換または、ベンズイミダゾール環の4位または5位がメトキシ基、ジフルオロメトキシ基もしくはトリフルオロメチル基により置換され、R1が水素であり、R2がメチル基またはメトキシ基であり、R3が3ないし4個のフッ素原子で置換された炭素数2ないし4のアルコキシ基、メトキシ基または3−メトキシプロポキシ基であり、R4が水素原子またはメチル基である。
【0014】
式(I)で表される化合物の塩としては、薬学的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、塩基性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。 本発明における式(I)で表される化合物の塩として好ましくは、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、とりわけナトリウム塩が好ましく挙げられる。
【0015】
式(I)で表される化合物として具体的には例えば、
2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール、
2−[[3,5−ジメチル−4−メトキシピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]−5−メトキシベンズイミダゾール、
2−[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール・ナトリウム塩、
5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシピリジン−2−イル)メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールなどが挙げられ、とりわけ
2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールが好ましく挙げられる。
【0016】
本発明の製造法において、式(I)で表されるベンズイミダゾール系化合物は、前述の特開平1-131176号公報(EP-0302720A)、特開昭58-192880号公報(EP-0005129A)、特開昭61-22079号公報、特開昭64-6270号公報、米国特許第4255431号、ヨーロッパ特許公開第45200号、同第74341号、同第80602号、同第174726号、同第175464号、英国特許公開第2134523A号などに記載の方法またはそれに準じた方法に従って製造することができる。
該ベンズイミダゾール系化合物は、硫黄原子において不斉中心(asymmetric center)を有する。すなわち、2種の対掌体
【化5】
として存在することができる。
該ベンズイミダゾール系化合物は、例えば前述の特開平1-131176号公報(EP-0302720A)に記載の方法またはそれに準じた方法に従って、含水アルコールから再結晶精製され、水−アルコール溶媒和物結晶として得られる。該アルコールとしてはC1-6アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、中でもエタノールがより好ましく用いられる。該含水アルコールとしては、水1容量に対しアルコール(特にエタノール)が約2〜約30容量、好ましくは約5〜約15容量であるアルコール(特にエタノール)水混液が挙げられる。具体的には例えば、アルコール(特にエタノール)水混液(約9容量:1容量)などが挙げられる。
【0017】
式(I)で表される化合物またはその塩の溶媒和物の結晶は、公知の粉末X線結晶解析法などによりその生成を容易に確認することができる。
本発明の製造法において、該溶媒和物結晶を水中に静置してもよく、懸濁状態として攪拌してもよい。この操作により、該溶媒和物結晶から結晶形の転移により脱溶媒させる。この操作、即ち水中で静置又は懸濁操作において用いる水量、水温、攪拌時間などは適宜選択することができるが、具体的には例えば、次の条件が挙げられる。該水量としては、溶媒和物結晶に対し、約2〜約20倍容量、好ましくは約5〜約10倍容量用いればよい。この場合の水温としては、室温(約15〜約30℃)〜約90℃、好ましくは約30〜約50℃が挙げられる。該攪拌時間としては、約0.5〜約5時間、好ましくは約1〜約2時間が挙げられる。
このように該溶媒和物結晶から結晶形の転移により脱溶媒された結晶は、次に、ろ過など自体公知の方法で分取し、必要に応じて自体公知の方法で乾燥させることにより目的とする該ベンズイミダゾール化合物の実質的に脱溶媒された結晶を得ることができる。該乾燥操作としては、例えば約20〜約60℃、好ましくは約30〜約50℃で、約5〜約48時間、好ましくは約10〜約20時間、減圧または真空乾燥操作を行うと良い。
【0018】
本願発明における実質的に脱溶媒された結晶とは、水分含量として約500ppm以下、好ましくは約300ppm以下、さらに好ましくは約200ppm以下であり、エタノール等のアルコール含量として約200ppm以下、好ましくは約100ppm以下、さらに好ましくは約80ppm以下のものを意味する。該水分含量および該アルコール含量は、水中での懸濁操作および次の乾燥操作における条件(特に処理時間等)により影響を受けるため、もし脱溶媒の程度が不十分である場合には、懸濁操作および次の乾燥操作における処理時間を長くし、十分処理を行えば良い。
このようにして得られる式(I)で表される化合物またはその塩の実質的に溶媒を含まない結晶は、公知の粉末X線結晶解析法などによりその生成を容易に確認することができ、その結晶中の水分含量およびエタノール等のアルコール含量については、自体公知の分析法により求めることができる。具体的には、水分含量についてはKF(カールフィッシャー)法、アルコール含量についてはガスクロマトグラフィー法などが挙げられる。
該実質的に溶媒を含まない結晶は、通常の製剤化方法によって目的とする製剤の形にし、抗潰瘍剤などの医薬として用いることができる。製剤化方法としては、例えば以下に参考例として示す方法などが挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明を具体的に説明するために、以下に実施例等を挙げるが、本発明がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。以下の実施例等において、水分含量についてはKF(カールフィッシャー)法を、アルコール含量についてはガスクロマトグラフィー法を用いて測定した。
【0020】
【実施例】
参考例1. 2,3−ジメチルピリジン N−オキシドの製造
2,3−ルチジン100gを氷酢酸200mlに溶かした後、35%過酸化水素水120gを約40℃で滴下し、さらに105℃で約2時間反応させた。反応終了後、約50℃に冷却し、パラホルムアルデヒド5.0gを加えたのち、再び105℃まで加熱して約10分間反応させた。反応液を約40℃まで冷却し、98%硫酸150gを加えたのち、減圧下に氷酢酸を留去して2,3−ジメチルピリジン N−オキシドを硫酸溶液として得た。
【0021】
参考例2. 2,3−ジメチル−4−ニトロピリジン N−オキシドの製造
参考例1で得られた2,3−ジメチルピリジン N−オキシドの硫酸溶液全量に98%硫酸130gと98%硝酸130gを約80℃で約4時間かけて滴下後、同温度で5時間反応させた。反応液を約40℃に冷却後5℃以下の冷水1L に注ぎ、さらに30%苛性ソーダ0.6L を30℃以下で滴下した。処理液から塩化メチレン1L による抽出を3回行ったのち、塩化メチレン層を合わせて減圧下に濃縮し、2,3−ジメチル−4−ニトロピリジン N−オキシドを淡黄色結晶残渣として得た。
収量 141g(2,3−ルチジンからの見掛け収率90%)
【0022】
参考例3. 2,3−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン N−オキシドの製造
参考例2で得られた2,3−ジメチル−4−ニトロピリジン N−オキシド全量に70%アセトニトリル水0.4L を加えて溶解させたところへ、トリフルオロエタノール280g、50%ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド水溶液9g、及び炭酸カリウム225gを加え、還流温度で約25時間反応させた。反応液を約60℃まで冷却後、水0.2L を加え撹拌静置後、有機層を分取し、減圧下で濃縮した。濃縮残渣に水0.5L を加えて溶解後、塩化メチレン0.5L で3回抽出した。塩化メチレン層を合わせて濃縮し、淡黄色結晶残渣として2,3−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン N−オキシドを得た。
収量 144g(2,3−ルチジンからの見掛け収率70%)
【0023】
参考例4. 2−ヒドロキシメチル−3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン(HYD)
参考例3で得られた2,3−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン N−オキシド全量を氷酢酸0.3L に溶解後、無水酢酸0.3L を加え、約115℃で約6時間反応させた。反応終了後、約60℃に冷却し水0.3L を加えた。反応混合物を減圧下で濃縮後、メタノール25mlと水0.2L を加えたところへ30%苛性ソーダ水溶液約0.2L を約30℃に保ちながら滴下して pH13に調整後、約35℃で12時間撹拌した。
反応液を静置し、上澄み液を除去後メタノール100mlを加え、約45℃で約30分撹拌して、析出している結晶を溶解した。溶解液を約20℃に保ちながら水0.5L を加え結晶を晶出させたのち約5℃まで冷却して熟成した。晶出した結晶はろ取、水洗後、35%塩酸75ml、水0.4L 、及びけいそう土(2.5g)の混合液に溶解させた。溶解液を30%苛性ソーダで、pH約3に調節したのち不溶物を濾去した。ろ液は塩化メチレン200mlで3回洗浄後、活性炭5.0gを加え約40℃で約12時間撹拌した。活性炭をろ去し、エタノール80mlをろ液に加えたのち、30%苛性ソーダで pH7に中和して結晶を析出させた。晶出液を5℃以下まで冷却後、結晶をろ取し、水洗した。得られた結晶は約37℃で約24時間減圧乾燥し、2−ヒドロキシメチル−3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン(95g)を白色結晶として得た。
(2,3−ルチジンからの収率46%)
【0024】
参考例5. 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]−メチル]チオ]ベンズイミダゾール 1水和物の製造
2−ヒドロキシメチル−3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン49.9gを塩化メチレン0.4L に溶解後、塩化チオニル24mlを約30分で滴下し、約30℃以上で約1時間反応した。
反応終了後、水0.1L を加えたのち減圧下で塩化メチレンを留去した。残渣をメタノール0.4L に溶解後、2−ベンズイミダゾールチオール34.2gを加えたところへ、30%苛性ソーダ水溶液約60mlを約25℃で約1時間かけて滴下し、さらに約0.5時間同温度で反応した。
反応液に、水0.3L を加えて10℃以下で約30分以上撹拌したのち、35%塩酸で pH約9に調整し、結晶を晶出させた。結晶をろ取し、50%メタノール水0.1L 、及び水0.2L で順次洗浄した。得られた結晶は50℃以下の温風で乾燥して2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]−メチル]チオ]ベンズイミダゾール(81.0g)を白色結晶として得た。
(HYDからの収率96.7%)
【0025】
参考例6. 2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール一水和、一エタノール和物結晶の製造
アセチルアセトンバナジウム(IV)(40mg)をエタノール(150ml)に溶かし、これに2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルチオ]ベンズイミダゾール(一水和物)(20.0g)を加えた後、これに35%過酸化水素水(6.14g)を20〜25℃で滴下し、20〜25℃で約5時間反応させた。反応終了後、反応液にチオ硫酸ナトリウム水溶液(2.7g/16ml)を加え、約10分間激しく攪拌した。析出した結晶をろ取し、氷冷したエタノール−水混液(8:2)で洗浄した。得られた結晶にエタノール−水混液(9:1,90ml)を加え、加熱(60〜70℃)攪拌して結晶を溶かし、不溶物を熱時ろ過して除去したのち、ろ液を氷冷して結晶を晶出させた。晶出した結晶をろ取し、氷冷したエタノール−水混液(8:2)で洗浄した後、室温で真空乾燥し、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール一水和、一エタノール和物結晶(21.2g)を白色針状結晶として得た。(収率91.0%)
【0026】
実施例1. 実質的に溶媒を含まない2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール(以下、化合物Aと略記することもある)の製造
エタノール−水混液(9:1, 75ml)に25%アンモニア水70μl を加え、予め約60℃に加熱したところへ、参考例6で得られた2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール一水和、一エタノール和物結晶(13.0g)を加えて溶解させた。不溶物を熱時ろ過により除去した後、ろ液を氷冷して結晶を晶出させた。晶出した結晶をろ取し、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール一水和、一エタノール和物湿結晶を得た。次いでその湿結晶を53mlの水に懸濁し、30℃を保ちながら1時間攪拌した。結晶をろ過し、結晶を水(10ml)で洗浄してから40℃で10時間真空乾燥し、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール(9.72g)を白色針状結晶として得た。(収率87.7%)
融点 177〜178℃(分解)
水分含量 0.01%
エタノール含量 63ppm
【0027】
比較例1. 従来法による2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールの製造エタノール−水混液(9:1,58ml)に25%アンモニア水54μl を加え、予め約60℃に加熱したところへ、参考例6で得られた2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール一水和、一エタノール和物結晶(10.0g)を加えて溶解させる。不溶物を熱時ろ過により除去した後、ろ液を氷冷して結晶を晶出させた。晶出した結晶をろ取し、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール一水和、一エタノール和物湿結晶を得た。これを、40℃で20時間真空乾燥し、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール(7.58g)を白色針状結晶として得た。(収率89.0%)
融点 177〜178℃(分解)
水分含量 0.12%
エタノール含量 360ppm
【0028】
参考例7. 化合物Aを含有する注射剤の製造(1)
化合物A 15gに水酸化ナトリウム水溶液を添加、溶解した後に、マンニトール 30g、メグルミン 5gを添加、溶解し、pH 11.2の薬剤含有液 1000mLとした。これを常法により除菌ろ過し、得られた液を1mLずつバイアルに分注した後、常法により凍結乾燥し、化合物Aを含有する凍結乾燥品を得た。
一方、マクロゴール400 750gを注射用水で希釈し、塩酸を加え、pH4.5の水溶液2500mLとした。これを常法により除菌ろ過し、2.5mLずつアンプルに充填し、熔閉した後に、高圧蒸気滅菌を行った。使用時には、化合物Aを含有する凍結乾燥品に本液 2.5mLを添加、溶解して用いる。
【0029】
参考例8. 化合物Aを含有する注射剤の製造(2)
化合物A 300g、マンニトール 600g、メグルミン 100g、水酸化ナトリウム水溶液をホモミキサーで混合、溶解し、pH 11.2の薬剤含有液 20L とした。これを常法により除菌ろ過し、得られた液を2mLずつバイアルに分注した後、常法により凍結乾燥し、化合物Aを含有する凍結乾燥品を得た。
一方、マクロゴール400 15Kgを注射用水で希釈し、塩酸を加え、pH 4.5の水溶液50L とした。これを常法により除菌ろ過し、5mLずつアンプルに充填し、熔閉した後に、高圧蒸気滅菌を行った。使用時には、化合物Aを含有する凍結乾燥品に本液5mLを添加、溶解して用いる。
【0030】
参考例9. 化合物Aを含有する注射剤の製造(3)
化合物A 150g、マンニトール 300gを混合し、これに水酸化ナトリウム水溶液を添加、溶解させた。溶解後、メグルミン 50gを添加、溶解し、pH11.3の薬剤含有液 10L とした。これを常法により除菌ろ過し、得られた液を4mLずつバイアルに分注した後、常法により凍結乾燥し、化合物Aを含有する凍結乾燥品を得た。
一方、マクロゴール400 7.5Kgを注射用水で希釈し、塩酸を加え、pH 4.5の水溶液25L とした。これを常法により除菌ろ過し、10mLずつアンプルに充填し、熔閉した後に、高圧蒸気滅菌を行った。使用時には、化合物Aを含有する凍結乾燥品に本液10mLを添加、溶解して用いる。
【0031】
参考例10. 化合物Aを含有するカプセル剤の製造
〔表1〕の仕込量−1または〔表2〕の仕込量−2で、以下に示す方法に従って製造し、〔表3〕に示す処方のカプセル剤を得た。
(1)化合物Aおよび(3)から(6)の成分をよく混合して散布剤とした。遠心流動型コーティング造粒装置(フロイント産業(株)製、〔表2〕の仕込量の場合はCF−1000、〔表3〕の仕込量の場合はCF−1300)中に、(2)ノンパレルを入れ、(7)ヒドロキシプロピルセルロースを精製水に溶解した水溶液をスプレーしながら、上記の散布剤をコーティングした。該球状顆粒を40℃で16〜18時間真空乾燥し、篩(500μm、1190μm)で篩過して主薬粒を得た。主薬粒の2パッチをフローコーター(パウレック社製)に入れ、(8)メタアクリル酸コポリマーLD〜(12)ポリソルベート80を精製水に懸濁させた懸濁液をコーティングした。このコーティングした粒に(13)タルクを加えて、篩(600μm、1420μm)で篩過し、42℃で16〜18時間真空乾燥して腸溶性粒を得た。
腸溶性粒1パッチ(〔表2〕の仕込量では5パッチまで混合可能、〔表3〕の仕込量では3パッチまで混合可能)に(14)タルクおよび(15)軽質無水ケイ酸を加えてタンブラー混合機(昭和化学機械工作所製)を用い、混合粒とした。混合粒をカプセル充填機(MG2社製あるいはザナシー社製)により、(16)ゼラチンカプセル1号に充填して30mgカプセル、(17)ゼラチンカプセル3号に充填して15mgカプセルとした。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】
本発明の製造法によれば、抗潰瘍剤などの医薬として有用なベンズイミダゾール系化合物の実質的に溶媒を含まない結晶を、工業的規模で簡便な操作で均一な結晶体として大量に製造することができる。また、本発明の製造法により得られるベンズイミダゾール系化合物の実質的に溶媒を含まない結晶は、従来得られていた該化合物の結晶に比べ、安定性に優れており製造工程および保存過程においても分解することが極めて少ない。
Claims (6)
- 式
- R1が水素である請求項1記載の結晶の製造法。
- 環Aの置換基がハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基である請求項1記載の結晶の製造法。
- 環Aが無置換である請求項1記載の結晶の製造法。
- R2がメチル基またはメトキシ基、R3がフッ素化されていてもよいC1−4アルコキシ基またはC1−4アルコキシC1−8アルコキシ基、R4が水素またはメチル基である請求項1記載の結晶の製造法。
- 式(I)で表される化合物が、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールである請求項1記載の結晶の製造法。
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