JP3827614B2 - 無線通信システム及び収容装置並びに収容装置選定方法及びプログラム - Google Patents

無線通信システム及び収容装置並びに収容装置選定方法及びプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばBluetoothに従う無線通信システム及び収容装置並びに収容装置選定方法及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムの一つであるBluetoothにおいては、通信可能範囲が建屋内、ビルの一区画内、車両内等のように予め定まった近距離範囲となっている。このため、通信可能範囲においては、一のBluetooth端末20に対して複数のアクセスポイント(収容装置)が存在することになる。
【0003】
かかる無線通信システムにおいて、通信路の確立の手順の一例を図14に示す。図14に示すように、通信可能範囲内に通信可能な相手を探す処理として問い合わせ(Inquiry)が行われる(100)。次に、アクセスポイントとBluetooth端末20間で同期を取るための処理として呼び出し(Page)が行われる(101)。次に、パケット通信を行う処理として接続(Connect)が行われる(102)。
【0004】
これらの接続の流れにおいて、接続するアクセスポイントをBluetooth端末20が選択する。このとき、Bluetooth端末20側でアクセスポイントの接続数やデータ転送量等の状況を判断できないため、一部のアクセスポイントに多くのBluetooth端末20が接続し、各アクセスポイントの端末数に偏りが生じ、通信量が多いアクセスポイントでのスループットが落ちるという問題点が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く従来においては、一部のアクセスポイントに多くのBluetooth端末20が接続し、各アクセスポイントの端末数に偏りが生じ、通信量が多いアクセスポイントでのスループットが落ちるという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、収容装置が収容する無線端末に偏りが生じないようにすることが可能な無線通信システム及び収容装置並びに収容装置選定方法及びプログラムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る無線通信システムは、無線端末と、
所定の通信可能範囲を形成すると共に所定手順により前記無線端末との間で通信路を確立して通信を行う複数の収容装置とを備え、
前記複数の収容装置のうち少なくとも一つは、前記収容装置夫々の収容情報を収集すると共に前記通信路の確立に先立って前記収容情報に基づき前記無線端末からの接続要求に対し接続すべき収容装置を選定する手段を有することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために本発明に係る収容装置は、所定の通信可能範囲に一の無線端末が在るとき当該無線端末に複数の収容装置が存在する下で、所定手順により無線端末と収容装置との間で通信路を確立した上で前記無線端末と前記収容装置との間で通信を行う無線通信方式における前記収容装置のうち少なくとも一つは、
前記収容装置夫々の収容情報を収集すると共に前記通信路の確立に先立って前記収容情報に基づき前記無線端末からの接続要求に対し接続すべき収容装置を選定する手段を具備することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために本発明に係る収容装置選定方法は、所定の通信可能範囲に一の無線端末が在るとき当該無線端末に複数の収容装置が存在する無線通信方式における前記無線端末の収容装置選定方法において、
前記収容装置の少なくとも一は前記収容装置夫々の収容情報を収集し、前記無線端末と前記収容装置との間で通信路の確立に先立って前記収容情報に基づき接続すべき収容装置を選定することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために本発明に係る収容装置選定プログラムは、所定の通信可能範囲に一の無線端末が在るとき当該無線端末に複数の収容装置が存在する無線通信方式における少なくも一つの前記収容装置を構成するコンピュータに、
前記収容装置夫々の収容情報を収集する手順と、
前記収容装置に対する通信路の確立に先立って前記収容情報に基づき接続すべき収容装置を選定する手順と
を実行させる。
【0011】
本発明によれば、複数の収容装置のうち少なくとも1つを親局側収容装置とし、残りの収容装置を子局側収容装置と設定した上で、親局側収容装置は無線端末からの問い合わせ、接続要求を受信後、各子局側収容装置からの無線端末接続情報から収容するべき子局側収容装置を選択し、選択された子局側収容装置に対して収容するべき無線端末を通知し、通知された子局側収容装置は該当する無線端末に対して接続処理を行うことで、収容装置に収容する無線端末の偏りを抑制することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る無線通信システム及び無線端末並びに収容装置選定方法及びプログラムの一実施形態を、無線通信方式としてBluetoothに適用した例について説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態のBluetoothシステムは、1つの親局アクセスポイント1、複数の子局アクセスポイント10−1〜10−5及び複数のサービスを要求し受けるクライアント側であるBluetooth端末20により構成され、建屋内、ビルの一区画内、車両内等の近距離範囲が通信可能範囲となっている。そして、複数のアクセスポイント10に対して一のBluetooth端末20がアクセス可能であるのが、本実施形態の親局アクセスポイント1によって負荷が軽い子局アクセスポイント10を選定し、該選定された子局アクセスポイント10が前記一のBluetooth端末20との間で通信路を確立するようにしている。
【0014】
図2は本実施形態の収容選択方式の実施形態におけるシーケンスを示しており、親局アクセスポイント1は、子局アクセスポイント10−1〜10−5に定期的にブロードキャストする。ブロードキャストによるパケットには、稼動通知、各子局アクセスポイント10−1〜10−5に接続している端末数を含む。これにより、子局アクセスポイント10−1〜10−5は親局アクセスポイント1のIPアドレスがわかる。
【0015】
Bluetooth端末20は、親局アクセスポイント1に問い合わせ(Inquiry)▲1▼を行う。親局アクセスポイント1は、Bluetooth端末20からのInquiryに応答するが、子局アクセスポイント10−1〜10−5はBluetooth端末20からのInquiryに対して応答しない。
【0016】
Bluetooth端末20と親局アクセスポイント1との問い合わせシーケンスを図3に示す。図3において、親局アクセスポイント1及びBluetooth端末20のそれぞれに、Bluetooth機器を利用するアプリケーションソフトウェア(以下、「ホスト」と呼ぶ)1A,20Aと、ハードウェア(Bluetoothモジュール)(以下、「ホストコントローラ」と呼ぶ)1B,20Bが装備されている。
【0017】
Bluetooth端末20と親局アクセスポイント1との問い合わせシーケンスを図3によって説明する。
【0018】
HCI(Host Controller Interface)という、ホスト1A,20Aとホストコントローラ1B,20Bとの通信を受け持つプロトコルを用い、Bluetooth端末20のホスト20AからBluetooth端末20のホストコントローラ20Bに対してHCI_Inquiryを発行する。これは、BluetoothデバイスがInquiry Modeに入り、通信範囲内にある他のBluetoothデバイスを発見するためのコマンドである。
【0019】
次に、Bluetooth端末20のホストコントローラ20BからBluetooth端末20のホスト20Aに対してHCI_Command_Status_Eventを発行する。これは、現在ホストコントローラ20Bがそのコマンドのタスクを実行していることを示すコマンドである。
【0020】
次に、Bluetooth端末20のホストコントローラ20Bから親局アクセスポイント1へ問い合わせ(Inquiry)を発行する。これは、通信可能範囲内に通信可能な相手を探すためのコマンドである。
【0021】
次に、親局アクセスポイント1からBluetooth端末20へFHSパケットを発行する。これは、自分の属性を伝えるためパケットである。
【0022】
次に、Bluetooth端末20のホストコントローラ20BからBluetooth端末20のホスト20Aへ、HCI_Inquiry_Result_eventを発行する。これは、現在のInquiryプロセス中に、1つまたは複数のBluetoothデバイスが応答したことを示すコマンドである。
【0023】
次に、Bluetooth端末20のホストコントローラ20BからBluetooth端末20のホスト20Aへ、HCI_Inquiry_Complete_Eventを発行する。これは、Inquiryが終了したことを示すコマンドである。
【0024】
次に、Bluetooth端末20のホスト20AからBluetooth端末20のホストコントローラ20Bへ、HCI_Create_Connectionを発行する。これは、ローカルのBluetoothデバイスが呼び出し(Page)プロセスを開始しリンク・レベルの接続を作成するためのコマンドである。
【0025】
次に、Bluetooth端末20のホストコントローラ20BからBluetooth端末20のホスト20Aへ、HCI_Command_Status_Eventを発行する。
【0026】
ここで、図1,図2において、親局アクセスポイント1への問い合わせ(Inquiry)▲1▼が終わると、親局アクセスポイント1はBluetooth端末20からの接続要求▲2▼を受信する。
【0027】
Bluetooth端末20と親局アクセスポイント1との接続要求シーケンスを図4に示す。
【0028】
図4において、LMP(Link Manager Protocol)という接続の確立、セキュリティ、制御を行うプロトコルを用い、Bluetooth端末20のホストコントローラ20Bから親局アクセスポイント1のホストコントローラ1Bへ、LMP_features_reqを発行する。これは、サポートされる送受信パケットや通信リンク機能の通知要求をする制御パケットである。
【0029】
次に、親局アクセスポイント1のホストコントローラ1BからBluetooth端末20のホストコントローラ20Bへ、LMP_features_resを発行する。これは、サポートされる送受信パケットや通信リンクの通知要求に対して応答するための制御パケットである。
【0030】
次に、Bluetooth端末20のホストコントローラ20Bから親局アクセスポイント1のホストコントローラ1Bへ、LMP_host_connection_reqを発行する。これは、上位層プロトコルへの接続を要求する制御コマンドである。
【0031】
次に、親局アクセスポイント1のホストコントローラ1Bから親局アクセスポイント1のホスト1Aへ、HCI_Connection_Request_Eventを発行する。これは、新しい着信接続が確立されようとしている事を示すコマンドである。
【0032】
ここで、図1,図2において、Bluetooth端末20からの接続要求▲2▼を受信した親局アクセスポイント1は、Bluetooth端末20との接続を切断する▲3▼。
【0033】
Bluetooth端末20と親局アクセスポイント1との切断シーケンスを図5に示す。
【0034】
図5において、親局アクセスポイント1のホスト1Aから親局アクセスポイント1のホストコントローラ1Bへ、HCI_Reject_Connection_Requestを発行する。これは、新しい着信接続要求を拒否するためのコマンドである。
【0035】
次に、親局アクセスポイント1のホストコントローラ1Bから親局アクセスポイント1のホスト1Aへ、HCI_Command_Status_Eventを発行する。
【0036】
次に、親局アクセスポイント1のホストコントローラ1BからBluetooth端末20のホストコントローラ20Bへ、LMP_not_acceptedを発行する。これは、送受信される制御パケットに対して、その制御内容の受け入れを否定する制御パケットである。
【0037】
次に、Bluetooth端末20のホストコントローラ20Bから親局アクセスポイント1のホストコントローラ1Bへ、LMP_detachを発行する。これは、現在有効な通信リンクの切断を通知するための制御パケットである。
【0038】
次に、Bluetooth端末20のホストコントローラ20Bは、Bluetooth端末20のホスト20AへHCI_Connection_Complete_eventを、親局アクセスポイント1のホストコントローラ1Bから親局アクセスポイント1のホスト1AへHCI_Connection_Complete_Eventを発行する。これは、接続を形成する両方のホストに、新しい接続が確立されたことを示すコマンドである。
【0039】
ここで、図1,図2において、親局アクセスポイント1は、Bluetooth端末20との接続を切断▲3▼後、具備するアクセスポイント判定部1Eにより、Bluetooth端末20を収容するべき子局アクセスポイント10−1〜10−5の選択▲4▼を行う。
【0040】
親局アクセスポイント1は、各子局アクセスポイント10−1〜10−5から、収容台数の変化を知らせるアクセスポイント間制御プロトコルにより、定期的に送信される各子局アクセスポイント10−1〜10−5に接続している端末数とBluetooth端末20との切断を知らせる切断イベント通知を含む収容情報通知IPパケットを受信する▲9▼。
【0041】
親局アクセスポイント1は、上記の情報を基に、子局アクセスポイント10−1〜10−5毎に[子局アクセスポイント10のIPアドレス、子局アクセスポイント10−1〜10−5に接続している端末数]からなるテーブルを作成する。このテーブルにより、端末数が最も少ない子局アクセスポイント10を収容するべき子局アクセスポイント10として選択する。
【0042】
収容するべき子局アクセスポイント10が選択されると、親局アクセスポイント1が具備する収容要求部1Cにより、収容するべき子局アクセスポイント10に対して、端末収容要求パケット▲5▼を送信する。
【0043】
端末収容要求パケットは、Bluetooth端末20のBluetoothアドレスと各子局アクセスポイント10−1〜10−5から定期的に送信される収容情報通知IPパケットによりわかる収容するべき子局アクセスポイント10のIPアドレスを含む。このパケットにより、通知された子局アクセスポイント10は、Bluetooth端末20のアドレスを知ることができる。
【0044】
収容するべき子局アクセスポイント10は、具備する端末収容要求受信部10Cにて、親局アクセスポイント1から送信された端末収容要求パケットを受信する。
【0045】
親局アクセスポイント1からの端末収容要求パケットを受信した子局アクセスポイント10は、具備する無線通信部10Eを介して、Bluetooth端末20に問い合わせ▲6▼を行う。
【0046】
Bluetooth端末20と子局アクセスポイント10との問い合わせシーケンスを図6に示す。図6において、子局アクセスポイント10のホスト10Aから子局アクセスポイント10のホストコントローラ10Bに対してHCI_Inquiryを発行する。
【0047】
次に、子局アクセスポイント10のホストコントローラ10Bから子局アクセスポイント10のホスト10Aに対してHCI_Command_Status_Eventを発行する。
【0048】
次に、子局アクセスポイント10のホストコントローラ10BからBluetooth端末20へ問い合わせ(Inquiry)を発行する。次に、Bluetooth端末20から子局アクセスポイント10へFHSパケットを発行する。
【0049】
次に、子局アクセスポイント10のホストコントローラ10Bから子局アクセスポイント10のホスト10Aへ、HCI_Inquiry_Result_eventを発行する。
【0050】
次に、子局アクセスポイント10のホストコントローラ10Bから子局アクセスポイント10のホスト10Aへ、HCI_Inquiry_Complete_Eventを発行する。
【0051】
次に、子局アクセスポイント10のホスト10Aから子局アクセスポイント10のホストコントローラ10Bへ、HCI_Create_Connectionを発行する。
【0052】
次に、子局アクセスポイント10のホストコントローラ10Bから子局アクセスポイント10のホスト10Aへ、HCI_Command_Status_Eventを発行する。
【0053】
ここで、図1,図2において、Bluetooth端末20への問い合わせ(Inquiry)▲6▼が終わると、子局アクセスポイント10はBluetooth端末20からの接続要求▲7▼を送信する。
【0054】
Bluetooth端末20と子局アクセスポイント10との接続要求シーケンスを図7に示す。図7において、子局アクセスポイント10のホストコントローラ10BからBluetooth端末20のホストコントローラ20Bへ、LMP_features_reqを発行する。
【0055】
次に、Bluetooth端末20のホストコントローラ20Bから子局アクセスポイント10のホストコントローラ10Bへ、LMP_features_resを発行する。
【0056】
次に、子局アクセスポイント10のホストコントローラ10BからBluetooth端末20のホストコントローラ20Bへ、LMP_host_connection_reqを発行する。
【0057】
次に、Bluetooth端末20のホストコントローラ20BからBluetooth端末20のホスト20BA、HCI_Connection_Request_Eventを発行する。
【0058】
ここで、図1,図2において、子局アクセスポイント10からの接続要求▲7▼を受信したBluetooth端末20は、子局アクセスポイント10に対して接続応答▲8▼を返す。
【0059】
Bluetooth端末20と子局アクセスポイント10との接続応答シーケンスを図8に示す。図8において、Bluetooth端末20のホストコントローラ20BからBluetooth端末20のホスト20Aへ、HCI_Accept_Connection_Requestを発行する。これは、新しい着信接続要求を受け入れるためのコマンドである。
【0060】
次に、Bluetooth端末20のホストコントローラ20Bから子局アクセスポイント10のホストコントローラ10Bへ、LMP_acceptedを発行する。これは、送受信される制御パケットに対して、その制御内容の受け入れを肯定する制御パケットである。
【0061】
これにより、アクセスポイントに偏りを生じないようにBluetooth端末20を収容することができる。
【0062】
本実施形態では、収容するべき子局アクセスポイント10の選択▲4▼方法として、各子局アクセスポイント10の端末数を扱う場合を示したが、端末数に限らず、申告パラメータ、データ転送量も適用可能である。
【0063】
収容するべき子局アクセスポイント10の選択方法が申告パラメータの場合には、Bluetooth端末20はこれから送信しようとしているデータ転送量を予め親局アクセスポイント1に送信する。ブロードキャストパケットに含まれる各子局アクセスポイント10に接続している端末数の代わりに、現在収容されているBluetooth端末20のBluetoothアドレスを用いる。端末収容要求パケットの各子局アクセスポイント10に接続している端末数の代わりに、現在収容されているBluetooth端末20のBluetoothアドレスを用いる。
【0064】
収容するべき子局アクセスポイント10の選択方法がデータ転送量の場合には、ブロードキャストパケットの各子局アクセスポイント10に接続している端末数の代わりに、各子局アクセスポイント10のデータ転送量を用いる。端末収容要求パケットの各子局アクセスポイント10に接続している端末数の代わりに、各子局アクセスポイント10のデータ転送量を用いる。
【0065】
次に親局アクセスポイント1及び子局アクセスポイント10の構成について説明する。
【0066】
図9は親局アクセスポイント1の実施形態を示す構成図であり、収容要求部1C、アクセスポイント情報記憶部1D、アクセスポイント判定部1E、無線通信部1Fで構成される。
【0067】
無線通信部1FはBluetooth端末20からの問い合わせ、接続要求、切断を行う。アクセスポイント情報記憶部1Dは、各子局アクセスポイント10からのアクセスポイント間制御プロトコルによる各子局アクセスポイント10に接続している端末数と切断イベント通知を含むIPパケットにより、子局アクセスポイント10毎に[子局アクセスポイント10のIPアドレス、アクセスポイントに接続している端末数]の組みのテーブルを作成する。
【0068】
図10は、各子局アクセスポイント10からのアクセスポイント間制御プロトコルによる収容情報通知IPパケットのフォーマット図である。
【0069】
図10において、収容情報通知IPパケットは、IPヘッダ、UDPヘッダ、切断したというイベントを表わす切断イベント通知、各アクセスポイントに接続している端末数からなる。アクセスポイント判定部1Eは、アクセスポイント情報記憶部1Dにより作成されたテーブルの中から端末数が最も少ない子局アクセスポイント10を収容するべき子局アクセスポイント10として選択する。収容要求部1Cは、アクセスポイント判定部1Eで選択された子局アクセスポイント10に端末収容要求パケットを送信する。
【0070】
このIPパケットのフォーマットを図11に示す。
【0071】
図11において、IPパケットは、IPヘッダ(定期的に各子局アクセスポイント10から送信される収容情報通知IPパケットによりわかる収容するべきアクセスポイントとして選ばれた子局アクセスポイント10のIPアドレスを含む)、UDPヘッダ、収容要求を示す種別、Bluetooth端末20のBluetoothアドレスからなる。
【0072】
Bluetooth端末20のBluetoothアドレスは同期確立後、収容するべき子局アクセスポイント10が出したInquiryに他のBluetooth端末20が応答した場合に、他のBluetooth端末20に接続しないようにするために使われる。
【0073】
定期的に出しているブロードキャストによるIPパケットのフォーマットを図12に示す。
【0074】
図12において、IPパケットは、IPヘッダ、UDPヘッダ、稼動通知を示す種別、各アクセスポイントに現在接続されている端末数が含まれる。子局アクセスポイント10からある一定時間内に、収容情報通知IPパケットが送信されない場合には、その子局アクセスポイント10に関する情報を捨てる。
【0075】
これにより、アクセスポイントに偏りを生じないようにBluetooth端末20を収容することができる。
【0076】
本実施形態では、収容情報通知IPパケット、端末収容要求パケット、ブロードキャストパケットとして、各子局アクセスポイント10の端末数を扱う場合を示したが、各子局アクセスポイント10の端末数の代わりに申告パラメータ、データ転送量も適用可能である。
【0077】
図13は子局アクセスポイント10の実施形態を示す構成図であり、端末識別情報通知部10D、端末収容要求受信部10C、無線通信部10Eで構成される。端末識別情報通知部10Dは、アクセスポイント制御プロトコルによる収容情報通知パケット(図10)を親局アクセスポイント1に送信する。端末収容要求受信部10Cは、親局アクセスポイント1からの端末収容要求パケット(図11)を受信する。無線通信部10Eは、端末収容要求受信部10Cで受信した端末収容要求パケットに含まれているBluetooth端末20のBluetoothアドレスに対して問い合わせ(Inquiry)、接続要求を出す。
【0078】
これにより、アクセスポイントに偏りを生じないようにBluetooth端末20を収容することができる。
【0079】
本発明におけるアクセスポイントの選定方法は、選定されるアクセスポイントが固定的でないようにすることで、特定のアクセスポイント10へのBluetooth端末20の集中を防止するものである。
【0080】
かかる課題を達成するため上記実施形態では、親局アクセスポイント1を設け、該親局アクセスポイント1により各子局アクセスポイント10の収容端末数を把握し、特定のアクセスポイントにBluetooth端末20が集中しないという条件で、各アクセスポイント10に対して接続可否の判定結果を通知するようにしている。そして、判定手法としては、例えば、収容端末数の一番少ないアクセスポイント10は収容可とし、それ以外のアクセスポイント10は収容不可と判断する例を示した。この場合、一般に、収容端末数の大小の比較単位は1であるが、2以上であってもよい。
【0081】
例えば、大小の比較単位を2とすると、端末数の差が2の場合は同一と見なされるので、一のアクセスポイント10の収容端末数が他のアクセスポイント10の収容端末数よりその差分が3を超える数であるとき、当該一のアクセスポイント10を収容不可とし、他のアクセスポイント10を収容可とする判断手法を採用することができる。
【0082】
また、本発明におけるアクセスポイントの選定方法は、選定されるアクセスポイントが固定的でないようにすることでであるから、上記のような各アクセスポイントの負荷均衡を図ることに代えて、ある負荷分担パターンを設定し且つ保持し、該パターンに沿うように、各アクセスポイント10に対して接続可否の判定結果を通知することもできる。
【0083】
上記実施形態では、親局アクセスポイントと子局アクセスポイントとを固定化した構成であるとしているが、このようなアクセスポイントの役割を固定して考える必要はない。すなわち、図9に示す構成を有するアクセスポイントが親局アクセスポイントになり得、また図13に示す構成を有するアクセスポイントが子局アクセスポイントになり得るのであって、この場合、親局アクセスポイントになり得るアクセスポイントであれば、故障や時間周期等の条件により一の親局アクセスポイントから他の親局アクセスポイントに変更するようにしても良い。
【0084】
なお、図9に示す親局アクセスポイント1及び/又は図13に示す子局アクセスポイント10の一部又は全部は、ハードウェアとして構成する場合の他に、上述した各ステップを含むプログラムの実行によっても実現され得る。
【0085】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、収容装置が収容する無線端末に偏りが生じないようにすることが可能な無線通信システム及び収容装置並びに収容装置選定方法及びプログラムを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るアクセスポイントとBluetooth端末との関係及びアクセスポイントの選定方法を示す図。
【図2】本実施形態のアクセスポイントの選定方法を示すシーケンス図。
【図3】本実施形態におけるBluetooth端末と親局アクセスポイントとの間の問い合わせシーケンスの一例を示す図。
【図4】本実施形態におけるBluetooth端末と親局アクセスポイントとの間の接続要求の一例を示す図。
【図5】本実施形態における切断シーケンスの一例を示す図。
【図6】本実施形態における子局アクセスポイントとBluetooth端末との間の問い合わせシーケンスの一例を示す図。
【図7】本実施形態における子局アクセスポイントとBluetooth端末との間の接続要求シーケンスの一例を示す図。
【図8】本実施形態における子局アクセスポイントとBluetooth端末との間の接続応答シーケンスの一例を示す図。
【図9】本実施形態における親局アクセスポイントの構成例を示す図。
【図10】本実施形態における収容情報通知IPパケットのフォーマットの一例を示す図。
【図11】本実施形態における端末収容要求パケットのフォーマットの一例を示す図。
【図12】本実施形態におけるブロードキャストのフォーマットの一例を示す図。
【図13】本実施形態における子局アクセスポイントの構成例を示す図。
【図14】従来のBluetoothによる無線通信システムにおける通信路の確立の手順の一例を示す図。
【符号の説明】
1…親局アクセスポイント
1A…ホスト
1B…ホストコントローラ
1C…収容要求部
1D…アクセスポイント情報記憶部
1E…アクセスポイント判定部
1F…無線通信部
10…子局アクセスポイント
10A…ホスト
10B…ホストコントローラ
10C…端末収容要求部
10D…端末識別情報通知部
10E…無線通信部
20…Bluetooth端末
20A…ホスト
20B…ホストコントローラ

Claims (8)

  1. 無線端末と、
    所定の通信可能範囲を形成すると共に所定手順により前記無線端末との間で通信路を確立して通信を行う複数の収容装置とを備え、
    前記複数の収容装置のうち少なくとも一つは、前記収容装置夫々の収容情報を収集すると共に前記通信路の確立に先立って前記収容情報に基づき前記無線端末からの接続要求に対し接続すべき収容装置を選定する手段を有することを特徴とする無線通信システム。
  2. 所定の通信可能範囲に一の無線端末が在るとき当該無線端末に複数の収容装置が存在する下で、所定手順により無線端末と収容装置との間で通信路を確立した上で前記無線端末と前記収容装置との間で通信を行う無線通信方式における前記収容装置のうち少なくとも一つは、
    前記収容装置夫々の収容情報を収集すると共に前記通信路の確立に先立って前記収容情報に基づき前記無線端末からの接続要求に対し接続すべき収容装置を選定する手段を具備することを特徴とする収容装置。
  3. 前記手段を有する収容装置は、所定タイミングで他の収容装置から前記収容情報を収集する手段を具備することを特徴とする請求項2記載の収容装置。
  4. 前記収容情報は、既収容の端末数、前記無線端末が送信しようとしているデータ転送量を予め前記手段を有する収容装置に申告する申告パラメータ、各収容装置のデータ転送量のいずれかであることを特徴とする請求項2又は3記載の収容装置。
  5. 前記無線端末及び前記収容装置がBluetoothに従うとき、前記手段を有する収容装置は、前記収容装置からのブロードキャストに応じて前記選定した収容装置に対し前記無線端末の収容を要求する手段を具備することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項記載の収容装置。
  6. 前記無線端末及び前記収容装置がBluetoothに従うとき、
    前記手段を有する収容装置は、前記無線端末との接続手順と切断手順を行う親局無線通信部と、前記収容装置毎の端末接続情報を保持する前記親局情報記憶部と、前記親局情報記憶部が保持する前記端末接続情報に基づき接続すべき収容装置を選択する親局判定部と、前記親局判定部で選択された前記収容装置に端末収容要求パケットを送信する親局収容要求部とを有し、
    前記手段を有しない収容装置は、収容情報通知パケットを前記手段を有する収容装置に送信する子局端末識別情報通知部と、前記手段を有する収容装置からの端末収容要求パケットを受信する子局端末収容要求受信部と、前記端子収容要求受信部で受信した端末収容要求パケットにて接続手順を試みる子局通信部とを有する
    ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項記載の収容装置。
  7. 所定の通信可能範囲に一の無線端末が在るとき当該無線端末に複数の収容装置が存在する無線通信方式における前記無線端末の収容装置選定方法において、
    前記収容装置の少なくとも一は前記収容装置夫々の収容情報を収集し、前記無線端末と前記収容装置との間で通信路の確立に先立って前記収容情報に基づき接続すべき収容装置を選定することを特徴とする収容装置選定方法。
  8. 所定の通信可能範囲に一の無線端末が在るとき当該無線端末に複数の収容装置が存在する無線通信方式における少なくとも一つの前記収容装置を構成するコンピュータに、
    前記収容装置夫々の収容情報を収集する手順と、
    前記収容装置に対する通信路の確立に先立って前記収容情報に基づき接続すべき収容装置を選定する手順と
    を実行させる収容装置選定プログラム。
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