JP3827516B2 - 複合押出被覆材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木粉を充填した樹脂を基材上に押出被覆し、手摺等に用いることができる複合押出被覆材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基材上に樹脂を押出被覆する発明はこれまで数多く提案がなされている。
【0003】
しかし基材上に樹脂を被覆した長尺端部が単なる切断面である場合、押出成形により樹脂に残留する長手方向の成形歪みが経時により開放されることにより、被覆した樹脂部分が収縮し被覆材端部より基材が露出するという問題があり、経時に温度変化を伴う場合は、その傾向はより顕著なものとなる。その様な被覆材を手摺等として用いる場合、連続した1本の部材であればそれ程難点とはならないものの、複数の部材を組み合わせて使用する際には、ジョイント部での被覆層の収縮による基材の露出は極立ったものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かような問題点を解決すべく、前記発明の内、対策として基材端部に被覆層が基材と一体となり得る構造、例えば基材に溝や凹部を設けて、被覆層の樹脂の一部がその部分に入り込む様な構造等を設けて被覆層の収縮を抑制したり、ジョイント部では収縮が予想される分ジョイント部を覆い隠すオーバーキャップ状の部材等を用いて対策としている場合が多い。
【0005】
しかしながら、基材端部に被覆層を基材と一体とする構造とした場合、単なる被覆押出成形と較べ工程は複雑なものとなり、また被覆材を切断して長さの調節を行うと被覆材の途中にはその様な構造を設けておらず単なる切断面となることから、やはり樹脂部分の収縮は発生することとなる。またオーバーキャップ状の部材を用いる方法では、接続部材は複雑な形状のものが必要となり製作に多額の費用を要し、更には手摺等に用いた際中間部に節状のジョイント部が形成されるためデザイン的に制約を受ける。またジョイント部に段差が生じることは、高齢者や身障者が手摺を伝って移動する時等には危険である場合もある。
【0006】
そこで本発明は、押出成形後の経時による被覆層の収縮を抑制し、基材端部の露出による悪影響を排除できる複合押出被覆材を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は基材と基材に押出被覆される被覆層と被覆層の外面に押出被覆される表皮層とを有し、該被覆層及び表皮層はいずれも木粉を充填した熱可塑性合成樹脂から形成され、前記被覆層は熱可塑性合成樹脂60〜20重量%に木粉40〜80重量%充填され、前記表皮層合成樹脂に木粉が充填され、木粉の充填割合が30重量%以下となされていることを特徴とするものである。
【0008】
被覆層を構成する合成樹脂に木粉を高充填することで収縮率の大きい樹脂の割合が低下すると共に、木粉が長手方向に配向され成形後の樹脂の収縮を抑制し被覆層が収縮しなくなることから、被覆層の収縮による被覆材端部の基材の露出を防ぐことができ、手摺等に用いた場合において途中のジョイント部をインナースリーブの如き簡易な部材によって接続することが可能となり、デザイン的な広がりを持たせることができる。
【0009】
被覆層は、合成樹脂60〜20重量%に対し木粉を40〜80重量%充填するのが好ましく、合成樹脂が60重量%を超えると被覆層が収縮を起こすようになり、木粉が80重量%を超えると押出成形性が極めて悪化する。
【0010】
被覆層の外面には合成樹脂を用いて表皮層を被覆する。表皮層を設けることで、屋外や水分、湿度の高い場所等に設置した場合、押出成形後特に加工することなく紫外線劣化による白化、表面に木粉が露出した部分の黴の発生等の悪影響を小さくできる。また表皮層は合成樹脂に木粉が充填され、木粉の充填割合が30重量%以下となされている。30重量%を超えると紫外線による白化、黴の発生に対する耐久性が低下する。また表皮層は木粉の充填量を多くすることで外観及び触感等での木質感を強調することができ、木粉の充填量を少なくすることで耐久性を向上できることから、設置が考えられる場所での要求性能に対して木粉の充填量を調節し、木質感及び耐久性のバランスをとることが容易となり得る。
【0011】
表皮層を設ける場合においては、断面積比率にして被覆層は50〜95%、表皮層は50〜5%とするのが好ましい。被覆層の割合が50%を下回ると樹脂比率の高い表皮層が単独で収縮するようになり、表皮層が5%を下回ると表皮層の肉厚が小さくなりすぎ耐久性が低下する。
【0012】
被覆層に用いる合成樹脂は、押出成形を行う上において熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。また表皮層を設ける場合においては、層間の一体化を考慮すると互いに相溶性を有するものが好ましく、また成形性を考慮すると熱可塑温度の近似した同種のものであればより好ましい。例えば被覆層に用いる合成樹脂がポリエチレン又はポリプロピレンの場合は表皮層に用いる合成樹脂はポリエチレン、被覆層がABS樹脂の場合、表皮層はAAS樹脂を用いる等が好適である。また被覆層の樹脂は押出被覆成形が可能で木粉の高充填が可能であればよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が好ましく、再生品を用いてもよい。表皮層に用いる樹脂は、屋外に設置することが想定される場合であれば耐候性に優れるものが好ましくポリエチレン、AAS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が好適である。また被覆層、表皮層ともに合成樹脂、木粉の他に滑材、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤等を適宜添加してもよい。
【0013】
更に熱可塑性樹脂は、コスト、成形性だけでなく、特に廃棄する際の環境への影響、リサイクルの適性等を考慮するとポリオレフィン系のものを用いるのが好ましく、より好ましくはポリエチレンを用いるのがよい。
【0014】
本発明に係わる基材は押出被覆が可能であれば特に限定するものではないが、被覆層の被覆層と同程度の線膨張率を有するものであれば、温度変化により基材と被覆層が同じように膨張、収縮し、収縮の発生が抑制されるので好ましい。被覆層の被覆層と同程度の線膨張率を持ち、ある程度の強度を有するものとして、鉄鋼、ステンレス、アルミニウム、木材等が挙げられるが、これらの内1つを基材として用いてもよく複数組み合わせて用いてもよい。また重量を抑えるために前記の材質のものに中空部を形成して用いてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
図1は本発明の実施の一形態を示す断面図であり、円形の断面を有すアルミニウム管を用いた基材1aに木粉を高充填した被覆層2が押出被覆され、その外面に木粉を低充填した表皮層3が同じく押出被覆されて、基材、被覆層、表皮層よりなる被覆材を構成している。
【0016】
図2は本発明の実施の一形態を示す断面図であり、角形の断面を有する鋼管を用いた基材1bに木粉を高充填した被覆層2が押出被覆され、その外面に木粉を低充填した表皮層3が同じく押出被覆されて、基材、被覆層、表皮層よりなる被覆材を構成している。
【0017】
次に本発明により形成された被覆材を用いて得られる効果を、前記図1に示す形態を実施例をして以下に示す例にて説明する。
【0018】
(実施例)
合成樹脂は高密度ポリエチレン、木粉は平均60〜100メッシュのものを用いて、表皮層3は合成樹脂75重量%、木粉25重量%、被覆層2は合成樹脂50重量%、木粉50重量%として配合し、2軸押出機と2層押出金型を用いて、60〜80℃に予熱した50mmの外径のアルミニウム管である基材1の外面に押出被覆を行った。基材1に押出被覆された被覆層2と表皮層3より構成された樹脂層の厚みは5mmである。前記樹脂層の断面積比は被覆層85%、表皮層15%である。
【0019】
(比較例)
基材上に表皮層3のみ、すなわち合成樹脂75重量%、木粉25重量%の1層のみの押出被覆を行った。なお他の部分は実施例と同一である。
【0020】
実施例と比較例の複合押出被覆材を常温で1000mmの長さに切断し、−20℃と80℃における基材及び被覆層の長さを測定し、該測定結果を基に線膨張率を算出した。被覆層の線膨張率と、他に基材として用いる材質の線膨張率の文献値との比較を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
比較例が−20℃から80℃の100℃の変化において、常温で1000mmの長さでの被覆層の寸法変化は6.51mmとなっているが、実施例では同条件において2.27mmの寸法変化であり、線膨張率は約3分の1に抑えられている。比較例1では−20℃においては基材の露出が、また80℃においては被覆層端部の突出が明らかに見られたが、実施例においてはその様な現象は見られていない。また実施例の寸法変化より算出した被覆層の線膨張率は、表中に参考値として挙げている基材として用いる材質の線膨張率とほぼ近似しており、実施例に用いたアルミニウム以外でも寸法変化により不具合が発生する恐れは小さいものと推測される。
【0023】
【発明の効果】
被覆層を構成する合成樹脂に木粉を高充填することで収縮率の大きい樹脂の割合が低下すると共に、木粉が長手方向に配向され成形後の樹脂の収縮を抑制し被覆層が収縮しなくなることから、被覆層の収縮による被覆材端部の基材の露出を防ぐことができ、手摺等に用いた場合において途中のジョイント部をインナースリーブの如き簡易な部材によって接続することが可能となり、デザイン的な広がりを持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の断面を示すものである。
【図2】本発明の実施の一形態の断面を示すものである。
【符号の説明】
1a 基材であるアルミニウム管
1b 基材である鋼管
2 被覆層
3 表皮層
Claims (2)
- 基材と基材に押出被覆される被覆層と被覆層の外面に押出被覆される表皮層とを有し、該被覆層及び表皮層はいずれも木粉を充填した熱可塑性合成樹脂から形成され、前記被覆層は熱可塑性合成樹脂60〜20重量%に木粉40〜80重量%充填され、前記表皮層は合成樹脂に木粉が充填され、木粉の充填割合が30重量%以下となされていることを特徴とする複合押出被覆材。
- 被覆層と表皮層は、断面積比率で被覆層が50〜95%、表皮層が5〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の複合押出被覆材。
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